2020.12.27 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:こんばんは、細野晴臣です。さて、先週と同じメンバーで今年最後のDaisy Holidayをお送りしますが…いらっしゃい!

O:こんばんは、岡田崇です。

越:こんばんは、コシミハルです。

H:なんか落ち着くね。リラックスしちゃう。

O:(笑)

H:最後ですよ、今年。

O:ね、あっという間。

H:もう毎回言ってるけど…(笑)

O:あっという間、ホントにあっという間。

H:最近、実はね、なんで時間間隔が早くなるか、っていうことを僕、解明したんだよね。

O:お。

H:でも、忘れちゃった(笑)

2人:(笑)

H:いっつも忘れちゃう(笑)

O:みんな知りたいと思いますよ。

H:ちょっと…うっすら憶えてるんだけどね。説明が難しくて。

O:んー。

H:哲学なんで。物理学と。胡散臭い話だけど(笑)

2人:(笑)

O:でも、ホントに早くなってますよね。

H:これはね、誰しもがそうなんだよね。子どももそう思ってるはずだよ、たぶん。

O:そうですか。

H:うん。2歳児ぐらいが「はえーなぁ」って(笑)

O:(笑)

 

H:えー…今年を振り返る前に1曲。ミハルちゃん、今年最後の1曲をここでひとつ、お願いします。

越:えっと、アンジェル(Angèle)っていうベルギー出身の…

H:誰も知らないよ(笑)

O:(笑)

越:"La loi de Murphy"、「マーフィーの法則」っていう。

H:お、なんか新しいねそれ。んー、なんだろう。

 

 

La loi de Murphy - Angèle

 

 

H:なるほど。意外だね。

越:意外?

H:ミハルちゃんもよく、こういうの聴いてるもんね。

越:そう、こういうの聴いてお掃除するの。お掃除タイム。

H:踊ったりね。

越:踊りながら掃除するの。

O:(笑)

H:マーフィーの法則ってなんだっけね。よく知らないんだよ、僕。

越:マーフィーの法則…ね、なんだっけ。トーストにバターを塗って床に落ちるとき、いつも…バターを塗ったほう[側面]が床に付く、それはなぜだ?みたいな。そういう法則?ものには法則があって?みたいなのじゃなかったっけ。

H:なるほどね。

越:失敗しそう、と思ったらいずれ失敗する…とか。

H:よく知らないんだけど、そんな感じだよね。

越:…ぜんぜん違う?よくわかんないけど(笑)

H:まぁ、そんなようなことを歌ってるのかしら。

越:うん。

H:ベルギーの人ね。

越:ミュージックビデオがね、おもしろいのがいっぱいあります。ダンサーが出てるのもあるので…

 

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H:なんか最近…ポール・マッカートニーも出すね。あ、出したのかな?新しい動きもね、目が離せないということで…古い動きも目が離せない。

越:(笑)

H:どうですか?岡田くん。

O:じゃあ中途半端な1993年のですね…

H:うわあ、半端だな(笑)

O:オランダのカペリノ(Capelino)っていう楽団があって。ジャンゴ・ラインハルトDjango Reinhardt)の"Melodie Au Crepuscule"、「黄昏のメロディ」を…ステファン・グラッペリ(Stephane Grappelli)をフューチャリングしてやってますね。

H:なんかよくわかんないけど…クレプスキュール・レーベル?

O:いや、違います。

H:あ、違うのか。

O:"Melodie Au Crepuscule"という曲名です。

H:あー、そういうことか。

 

 

Melodie Au Crepuscule - Capelino featuring Stephane Grappelli

(from『La Copine』)

 

 

H:なんでしたっけ?

O:カペリノ…

H:…な、なんだ、この低調な感じは…(笑)

2人:(笑)

 

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H:まぁ現実はね、けっこう厳しいですよね。どうでした?岡田くん。

O:いやー…ね(笑)

H:いいや、語らなくて。わかる。話さなくてもいいよ。

O:ちょっと…大変な年でした。

H:みんなそう思うよね。歴史に残る…ユーミンもそう言ってたけどね(笑)ミハルちゃんはどうですか?

越:もうね…前半は絶望的だった。

H:最初の頃ね。

越:最初はね、ホントに怖かった。それからいろんな情報を集めたり、調べたりして心を落ち着けた。

H:ね。落ち着かせてくれるような…理論的なね、サイトがあったりね。

越:うん。

H:それはずいぶん助かったよね。たしかに。ただ、ホントに少数派だね。削除されがちなね。

越:でもなんか…人が人に会わなくなったりとかさ、いちばん怖いでしょう?

H:ね。だから…まだ続いてるっていうことがね、困っちゃうよね。

越:うん。

H:でもコロナウイルス…新型に限らず、ウイルスは普通に2波、3波っていうのがあるんだよね。どんなものも。

越:そうですね。

H:冬とか湿度とか、そんなに関係ないんだよ。法則があるから。2波、3波と。それで終息していくっていうようなことなんでしょうね。

 

H:ところで…きょうは12月27日でしょ?

O:はい。

H:ちょうどたまたまなんですけど、ホーギー・カーマイケル(Hoagy Carmichael)の命日なんです。だからちょっと、そこでかけようと思ってます。"Stardust"です。

 

 

Stardust - Hoagy Carmichael 

 

 

H:ホーギー・カーマイケル。1899年の11月22日に生まれて、亡くなったのが1981年のきょうですね。シンガーソングライターの走りですね。

O:そうですね。

H:『ララミー牧場(LARAMIE)』って、観てた?テレビの西部劇。

O:いや、時代が…(笑)

H:違うか(笑)いなかった?まだ。

O:はい(笑)

H:信じらんないなぁ…僕はいたんだよね。ミハルちゃんいたの?

越:…

H:ああ、いないよ。たぶん。そこでレギュラーで出てたおじいちゃんなんだよね。で、ときどきピアノ弾いてて。おもしろいなぁ、と思って。

O:(笑)

H:淀川長治さんが…毎週ね、後で解説してくれるんだけど、そこで初めてあのおじいちゃんが"Stardust"の作曲をした人だ、っていう。小学生だったから、僕。小学校5、6年の頃。「ハフーン!そうなの!」と思って(笑)

2人:(笑)

H:それ以来ですよ、その後ずーっと聴いてますね。

 

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H:いろんな方がお亡くなりになってですね。キム・ギドク(金基德)さんとかね。

越:ホントですね。今年は…

H:今年は大変な年だね、やっぱり。20世紀はどんどん離れていくね、ますます。

O:うん。

H:なんて言うんだろう…その時代に生きてた人は少なくも生きてたじゃない、最近までね。で、どんどん亡くなって…もういないんじゃないの?

O:ね。

H:なんかそんな感じで…来年から「20世紀、さようなら」っていう気持ちでやっていこうかな、と思いますね(笑)

2人:(笑)

H:古い音楽かけるときはどうしてもそう思っちゃうね。えーと、じゃあ…では。

越:はい。今年ね、亡くなってしまった人の…パリ・コンボ(Paris Combo)っていうフランスのバンドなんですけど。そこのヴォーカルのベル・デュ・ベリー(Belle du Berry)っていう人が夏に亡くなってしまったので。

H:そうか、知らなかった。

越:えーと…"Attraction"という曲です。

H:初めて聴くな…知ってる?

O:知らないです。

 

 

Attraction - Paris Combo

(from『Attraction』)

 

 

H:ミハルちゃんはマヌーシュ・サウンドが最近好きそうですよね。

越:うん、そうですね。ずっと好きですね。これはマヌーシュっぽい感じと…まぁフランスの人だし、シャンソンの古い感じもあって、スウィングもあって。

H:そういえば、アルバムはもう完成した?

越:あー、いま作ってます。

H:いつ出るんですか?

越:いつなんだろう…来年の春以降に。

H:こういうサウンドも入ってるというね。

越:そうなの?

H:違うの?(笑)

2人:(笑)

H:動画もね、そのうち観れるんですかね。

越:あ、そうですね。

H:それは楽しみにしましょうね。まぁ、来年ですね。

越:はい。

 

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H:それでは!今年最後の1曲。

越:ヒェー!

H:岡田くんにお任せしちゃおう。

O:じゃあですね、フランク・バルセリーニ(Frank Barcellini)という…ジャック・タチ(Jacques Tati)の『ぼくの伯父さん(Mon Oncle)』のテーマ曲を作曲した。

H:ああ。

O:そのフランク・バルセリーニのソロアルバムが1枚出てて。

H:え、そんなのがあるんですか?

O:『ぼくの伯父さん』と同じ1958年に出てるんですけど、その中に入ってる"Adieu Mario"を。「さよならマリオ」を聴いて…

H:それは良さそうだな。

O:バイヨンのリズムでやっておりますので…

H:ホント?うれしい。では、それを聴きながら…みなさん、よいお年を。

2人:…

H:あれ、静かになっちゃった(笑)

O:(笑)

越:よいお年を!(笑)

O:よいお年を!おやすみなさい。

H:はい、おやすみなさい。

 

 

Adieu Mario - Frank Barcellini

(from『Dansez Avec... Franck Barcellini』)

 

 

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2020.12.20 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:こんばんは、細野晴臣です。さて…いよいよ年の瀬も深まってきますが、これから。その前にクリスマスという…24日ですね。もうすぐ。そこで恒例の…みなさん、いらっしゃい。

O:こんばんは、岡田崇です。

越:こんばんは、コシミハルです。

H:このメンツ、3人っていうのは久しぶりだよね。

O:まぁ、わりと最近…(笑)

H:やったっけ?(笑)んー…でも、クリスマスだと毎回このメンバーだね。

O:そうですね。もう10何年以上。

H:そうだよね。長いね。あっという間に時間が経ってしまいますが。クリスマス、どうなの今年は?どんな感じ?

O:うーん、今年はね…(笑)

H:世間はどうなんだろう?

O:どうなんですかね。やっぱり静かに過ごす方が多いんじゃないですかね。

H:だから…音楽だけでもね。クリスマス気分っていうのは音楽の中にあるんで。ほかにはないよ。

O:うん。

H:ミハルちゃんは…クリスマスはどうするつもりなの?なにもしないね。

越:どうするかな…

H:いいよしなくて、なにも(笑)

越:(笑)

O:(笑)

越:父と…おうちで鳥でも焼くのかな、どうするかな、っていう感じ。

H:あー、なるほどね。お父さんと2人ね。最近、仲睦まじい…(笑)

O:(笑)

越:日々、片付けしてますね。おうちのね。

H:その話はよく聞かされてるんだけど…その話するとながーくなる。

越:(笑)

H:「冷蔵庫はいろんなものを入れられるから」…

越:そう!なんでも冷蔵庫に入れちゃうの。

H:そう。そういう話聞くじゃない?自分もおんなじだから、批判できないんだよ(笑)

O:(笑)

越:冷蔵庫っていろんなものが入るんだね!奥へ奥へと…(笑)

H:奥がすごい深い(笑)

O:(笑)

H:だから僕は薄い冷蔵庫が欲しいんだよね。奥行きのない。パッと見渡せる…本棚みたいな。さもなければ、冷凍庫だけでいい。

越:あー。それはいいかもしれないね。

H:冷凍庫、なんでも入れちゃえば傷まないじゃない。

越:あ!うちの父もそう言ってる!

H:でしょ?おんなじなんだよ(笑)

越:「冷凍庫に入れればずっと大丈夫だ」って言うの。おんなじ(笑)

H:うん、大丈夫なの。

O:(笑)

H:世の中の男の人はみんなそうなんじゃないの?岡田くんどうなの?

O:もう、冷凍庫はパンパンですね。

H:あ、やっぱり?冷蔵庫はどうなってるの?

O:冷蔵庫はだんだんスカスカになってきました。野菜室がスカスカですね…

H:んー。だったら自分も入らないとね、そこに。

2人:(笑)

O:夏になったら…

H:うん、傷まないようにしないと。

O:(笑)

 

H:えー…じゃあクリスマスの音楽、音楽の世界のクリスマス。ミハルちゃんからひとつ。お願いしますよ。

越:はい。えーと…"Sleigh Ride"。

O:お。

H:やっぱりね。

越:誰がいいかなって思ったんですけど…

H:いやー、いろんなのがあるからね。なにがいいの?

越:きょうは歌にしようかな。メル・トーメ(Mel Tormé)。

H:メル・トーメ?ほほう。

 

 

Sleigh Ride - Mel Tormé

(from『Christmas Songs』)

 

 

H:なるほど。歌うまいね、この人。

越:ね。

H:あのー…クリスマスは何十年とやってきてるけど、それぞれ。音楽は毎年聴いてるわけじゃない、たぶん。小っちゃい頃から。クリスマスソング。

O:ええ。

H:なにがいちばん好きなの?

O:なんだろう…

H:まぁ、"Sleigh Ride"はね…ミハルちゃん、いちばん好きとか言ってなかった?

越:そう。"Sleigh Ride"好き。

O:うん、"Sleigh Ride"いいですよね。

H:ルロイ・アンダーソン(Leroy Anderson)ですよね。「ルロイ」って言えないんだけど…(笑)

O:(笑)

 

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H:じゃあ岡田くんなりに、なにか…

O:じゃあ、スリー・サンズ(The Three Suns)で…

H:お。

O:"Jingle Bells"を。

H:お、定番ですよ。

O:これ、今月の頭の細野さんの「手作りデイジー」の中で『In Japan』のやつがかかってましたけど。

H:うん。

O:それと同じ、チャールズ・アルバータイン(Charles Albertine)という人がアレンジャーがやってるヴァージョンです。

 

 

Jingle Bells - The Three Suns

(from『A Ding Dong Dandy Christmas』)

 

 

H:はい、スリー・サンズの"Jingle Bells"。この頃ってスリー・サンズ、本人たちいる?

O:アル・ネヴィンス(Al Nevins)が一応、プロデューサーにはなってるんですけど…

H:プロデューサーだよね。

O:もうアルドン・ミュージックやってるんで…自分たちは演奏しないで、おもしろいアレンジャーを連れてきて人にやらせる、っていうパターンになってますね。

H:そうだよね。よく聴いてるとドラミングがすばらしいんだよね(笑)誰だろうね、これ。

O:誰でしょうね?

H:わからないですけど…ギターもなかなか。これは誰だっけ。

O:ギターはデル・カッチャー(Del Kacher)とか…その頃ですかね。

H:そうかそうか、デル・カッチャー…ジョージ・バーンズ(Geroge Barnes)もやってたりするんだっけ?

O:ジョージ・バーンズもいたんだっけかな…ヴィンセント・ベル(Vincent Bell)とか、けっこういろんな人がやってますね。

H:そうだね。スタジオセッションでね。んー。この頃のスリー・サンズのサウンドも好きですけどね。

O:ちょうどステレオの時代ですからね。右・左…ちょっと振りすぎですけど(笑)

H:そうそう。「リビング・ステレオ(Living Stereo)」っていう…ビクターだったよね、これは。

O:そうですね。

 

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H:さぁ、僕の番だな…クリスマスソングっていうとやっぱり、フランク・シナトラFrank Sinatra)とナット・キング・コールNat King Cole)とビング・クロスビー(Bing Crosby)っていうね。出てきちゃいますよね。僕が好きなのは…ナット・キング・コールですね。"All I Want for Christmas"っていう曲が好きなので…どうぞ。

 

 

All I Want for Christmas (Is My Two Front Teeth) - Nat King Cole

 

 

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H:(シュタイナーの鐘を鳴らす)

O:(笑)

H:あー、いい音だ、これ。青葉市子さんから頂いた…

越:すごいきれいな音ですね。

H:うん。シュタイナー・チャイムっていうね。

越:それ、どうなってるの?中。

H:ん?中?

越:すごくない?見た感じからは想像できない音が…

H:見た感じは…木の筒みたいなね。音程がちゃんとしてる。

越:ね。すごいきれい…

H:はい。急に変わっちゃうんだよね。これ鳴らすと。

2人:(笑)

H:場の空気が変わっちゃう…えー、なんだっけ?あ、クリスマスね(笑)

O:(笑)

H:みなさんのクリスマスはどんな過ごし方をしてたか…もっぱらクリスマスらしいことはなんにもしてないけどね。あれ?クリスチャン?みんな。違うか(笑)

O:教会とか行ってましたよ、僕は。小学校の頃とかは。

H:お。洗礼受けてる?

O:一応…

H:お!クリスチャンだよ、そいじゃあ。「そいじゃあ」ってことはないけど(笑)

O:そいじゃあ…(笑)

越:(笑)

H:ミハルちゃんのお父さんもクリスチャンだ。

越:はい。

H:じゃあ、2人ともほら、教会行かないと(笑)僕はお寺行くけど、クリスマスに。

2人:(笑)

H:なんで行かないの?僕、去年行ったよ。

越:今年はね…なかなか、こういう時期なので。

H:あ、そうだ。それは今世界的に問題になってるよね。教会に集まっちゃいけない、みたいなことで。

越:いろんなね、制限があって…

H:でもやっぱり、本来は教会で…24日の夜ね。

越:そうですね。本当はみんなで歌を歌って…

H:讃美歌をいっぱい歌うよね。

越:そう。きれいなんですよね、音楽が。でも細野さんも教会に行ったりしてましたよね、前ね。

H:キリスト教系の高校行ってたから…あ、大学もそうか。いや、けっこう好きだったよ。

越:小さいときはどんなクリスマスだったんですか?

H:それを言いたかったんだよ。昭和30年代のクリスマスはすごい印象深い。家族で銀座に行くの。

越:あー、いいなぁ。

H:家狭いし(笑)

2人:(笑)

H:クリスマスツリーなんかね、置けないし。買えないし。で、銀座に行くともう、そこがクリスマスツリーみたいな場所だから(笑)今とはちょっと違う…あ、いちばん多いのはサラリーマンの酔っぱらい。もう、典型的な…(笑)

越:(笑)

O:ネクタイ巻いて、三角の帽子…(笑)

H:そうそう(笑)あと鼻メガネみたいな、おもちゃのね。で、ケーキのおみやげ持ってたり(笑)

O:ショートケーキだ(笑)

H:ケーキが売れ残ってるのが店頭にいっぱいあるんだよ。それを買って帰って食べてたのかね。んー。そんな感じしか憶えてないな。街中にクリスマスソングが流れてるけど、ほとんど「ジングル・ベル」ばっかり(笑)

越:(笑)

H:みなさんは?

O:僕も家族で銀座とか行ってましたよ。

H:あ、じゃあおんなじじゃない。なんか食べるのね。

O:うん。

H:そういえばそうだよ。でも予約もしないでみんな、うろちょろして…お腹すいて、食べようとするとどこも入れないの。

O:(笑)

H:で、ここ空いてる!と思って入っていくと、チキンの小さなロースト?それしかありません、って言われてみんなでおんなじものを食べるの(笑)

越:(笑)

H:骨付きで、銀紙が巻いてあるような…すごい冷めてて(笑)まぁ、そんな感じのクリスマスは数年で終わったね。なんだかこの30年、40年はなかったね、そんなことは。身内で集まってパーティーとかした?

O:しないですね。丸焼きの鳥を買ってきて…ぐらいはしてましたけど。

H:ミハルちゃん家はどうなの?

越:え?昔?(笑)

H:黙って聞いてないで、自分のこと言いなよ(笑)

越:小さい頃は…父は第九の時期だから…

H:あ、お父さんは…ここで発表しますと、読売交響楽団の…オーボエって言っちゃいけないんだよね。

越:間違えました(笑)

H:ファゴット

越:そうです(笑)

H:ファゴット奏者です。だから、クリスマスは…

越:年末は忙しくて。

H:ベートーヴェンの第九を演奏することがいっぱいあったわけね。

越:そうですね。だからだいたい、おうちに夜はいなくて。母と2人で静かに…

H:あ、コンサートは行かないで?

越:行ったりすることもあったけど…小さい頃は大きいツリーがおうちの中にあって、それを飾ったりとか。

H:すばらしいね。

越:そういうのをしてました。

H:いいじゃない。プレゼントは?

越:はい、頂きました(笑)

H:あ、いいじゃん…なにもらったの?ぬいぐるみ?スヌーピー?違うか。

越:(笑)なんか、大きいね、ソックスの中に入ってたりとかね。人形が好きだったんで、着せ替え人形とかね。

H:へぇ…いいな。家ではなにかけてたの?音楽かけてた?

越:そうですね。

H:第九?(笑)

越:いろんなクラシック音楽を聞いたりしてましたね。

H:じゃあちょっと、その中で…

越:え!

H:どういうのを聴いてたか、ちょっとかけてください(笑)

越:ええ…クラシック?

H:いやいや…(笑)自分なりに。

越:え?いまの話…え?(笑)

H:話、関係なくていいから(笑)

O:(笑)

越:フランク・シナトラで?

H:どうぞどうぞ、それでいいですよ。それがいい。

越:フランク・シナトラで…アーヴィング・バーリン(Irving Berlin)の曲で"They Say It's Wonderful"という曲です。

 

 

They Say It's Wonderful - Frank Sinatra

  

 

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H:というわけで、クリスマスソングをかけてきてますけど…いつ頃からか、クリスマスが苦痛になってきた時代があるよね。

O:(笑)

H:なんか…そうでもない?

O:そうですか。

H:あ、そうでもないか。ミハルちゃんはどう?そうでもない?

越:うん、けっこう楽しい(笑)

H:(笑)

越:なんか、街を歩いててもきれいじゃない。

H:まぁね、イルミネーションがね。あれにみんな騙されちゃうんだね。

O:(笑)

越:すぐ騙されちゃうんです…なんか、わぁ!って気持ちがちょっと。

H:うん。いつ頃からかな?クリスマスイブに車で街に出ると、ラーメン屋さんなんかが見えるじゃん。

O:はい。

H:そこで女の子がひとりでラーメンを食べてる姿を見て、あ、なんか苦しいな、と思って(笑)

2人:(笑)

H:なんかいろいろ苦しくなってきたなぁ、と思ってね、クリスマスって。僕のお父さんは「苦しみます」って言ってたから…(笑)

2人:(笑)

H:「さんざん苦労する」って言ってたよ(笑)

O:(笑)

H:まぁ、善し悪しですね。でも音楽はいいよね。じゃあもう、時間が来ちゃったよ。最後にひとつ…バァーっとお願いしようかな。「バァーっと」ってことはないけどね(笑)

O:スタンダードばっかりになっちゃってるんで…ちょっと今年はですね、たまには自分のをかけようかな、と思って。

H:お!(手を打つ音)出ました!

O:こりゃめずらしい。

H:(シュタイナーの鐘を鳴らす)

2人:(笑)

O:ヴァガボンド&ハリー(Vagabond & Harry)という名義ですね。

H:あ!あれか!

O:懐かしい…もう23年前ですよ。

H:そんなに経ったの?

越:(笑)

O:"Who Wants The Hula-Hoop?"という…

H:そうだ…それだ。

O:まぁ賑やかに。

H:では、よいクリスマス、よい年末を。まだ年末がありますからね、我々。

O:はい。

H:では、また来週。

 

 

Who Wants The Hula-Hoop? - Vagabond & Harry

 

 

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2020.12.13 Inter FM「Daisy Holiday!」より

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H:こんばんは、細野晴臣です。えー、きょうは…ホント1年ぶりかな?青葉市子さん、いらっしゃい。

市子:こんばんは。お邪魔します。

H:変わらないね。1年じゃ変わらないか(笑)

*ホントは4年ぶりです

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H:なんかこう…いい風が吹いてくるんだけど、どっか行ってたんだね。

市子:行ってました(笑)深いところに…

H:で、新作も…『アダンの風』という。

市子:はい。

H:いい風が吹いてるね。

市子:完成しました。

H:じゃあこの中から…まず最初にちょっと、聴かせてもらおうかな。

市子:最初に…なににしましょう?

H:なにがいいか。

市子:なにがいいかな…じゃあもう、"Prologue"で。

H:うん。

 

 

Prologue - 青葉市子

(from『アダンの風』) 

 

 

H:のっけにアンビエントですね。なんか変わったのかな。

市子:今回…普段は弾き語りで、今までずーっとギターと歌でやってきたんですけど。

H:そうだよね。

市子:今回は架空の映画のためのサウンド・トラック、というのをテーマにして制作したんですよね。

H:そうみたいだね。んー。

市子:沖縄に1月に滞在してたときに、海ぶどうを食べようとして。お箸ですくい取って光に透かしたときに、たくさんのクリーチャーたちが身体に入ってくるような感じがして。

H:ちょっと怖いけど(笑)

市子:小っちゃなかわいい子たちが…そこから突然、物語が降りてきて。

H:なるほどね。

市子:泡盛とかクーブイリチーとかをよけて、そこで物語を書き始めたんですけど。

H:へぇ。

市子:そのときに…少女とクリーチャーたちが登場するんですが、島流しに少女が遭うんです。島流しに遭うときに少女が乗っていた船を島民たちがエーイ!って沖に押し出すときの音はもう、オルガンだ、っていう風に…

H:なるほど。今のがそうなんだね。

市子:はい、そうです。そのシーンです。

H:そっか。いやー、もう、映画が観たいな、それ(笑)

市子:まだ存在しないんですよね(笑)

H:そうかそうか。

 

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H:じゃあ、この1年はずっと…そういうところにいたのね。

市子:はい。

H:パラダイス。

市子:パラダイス…(笑)

H:うらやましい…いや、ホントに行きたかったけどね。じゃあ、主に八重山のほうかな?

市子:ですね。慶良間諸島とか、沖縄本島もいましたけど、八重山や…あとは奄美大島

H:あ、奄美もね。

市子:加計呂麻…その辺りに。

H:「アダン」っていうのは植物だっけ?

市子:そうです。ゴツゴツした…

H:そうだよね。トータルでどのくらい行ってたわけ?

市子:トータルで…でも、1か月に満たないくらい。ちょこちょこ集中して行って、撮影して、プロットを書いて、すぐ戻って来るっていう。

H:じゃあレコーディングは東京で、という。

市子:そうです。はい。

H:そっか。じゃあ向こうで…海にも入ったの?

市子:海、入りました。もう、人がいないんですよね。

H:でしょう。

市子:なので、あえてもっと人がいないところを選んで行っていたので、牛ばかり周りに…(笑)

H:あ、ホント?(笑)

市子:石垣牛たちといっしょに泳いで…(笑)

H:ありゃま…(笑)それはなかなかないなぁ。人がいない沖縄っていうのはやっぱり、古代を思い出すね。思い出すっていうか、思わせる。

市子:本当にそんな感じでした。人っ子一人いなくて。

H:もちろん、カメラマンの人とかはいっしょに行ったわけでしょ?

市子:ええ。

H:でもまぁ、ひとりで海に行ったりする感じは…なんだろうな、どんな気持ちなんだろう?

市子:うーん…ジャケットの撮影もそうですけど、服を纏わず、身一つで入って行って。

H:おや…

市子:なんか、牛たちを見てると…人のほうがめずらしいんですよね。異物というか…

H:そっか(笑)

市子:[衣服を]纏っていたりするのが不自然に思えるぐらいの…

H:牛は服着てないもんね。

市子:自然の力がとても強かったので。泳ぎもできると思ってなかったんですけど、水着を着ていたりシュノーケルを付けていたりするから難しいんだ、と思って。

H:なるほど…

市子:皮膚が波の感覚とかを覚えてくると、泳げないと思っていても自然とわかる…次の波の高さとかが。

H:じゃあ、元々は泳げなかったわけ?

市子:そうですね。そんなに得意ではない…

H:でも、スムーズに…魚みたいになっちゃったんだね。

市子:なってましたね、たぶん。

H:イルカとか魚…服着てないね、そういえば(笑)

市子:そうなんです。人って不思議だな、言葉も使うし。

H:ホントに。ますますそうなってきたね、今。

市子:ヘンですね。

H:ずっとマスクしてるしね。こういう場でもしてますけど。

  

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H:じゃあ、サウンド・トラックからもう1曲…聴いてもいいかしら?

市子:はい。なんか、細野さん、これ!っていうのありますか?名前を見て…

H:じゃあタイトルで…まだ聴いてないんで。

市子:はい。

H:んー…意味がわからないのもあるね。"chinuhaji"って…沖縄の言葉かしら。

市子:その"chinuhaji"は"血の風"のインタールードのような曲で…

H:あー、そっか。

市子:その後の"血の風"は沖永良部島の言葉を使った歌なので…はい、"血の風"をお願いします。

 

 

血の風 - 青葉市子

(from『アダンの風』) 

 

 

H:なんか気持ちいいな…ボーっとしてきちゃった(笑)

市子:たくさん楽器が入ったものを…と思ったのに、ほとんど弾き語りだった。ごめんなさい(笑)

H:いいよいいよ、後で聴くから…(笑)

 

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H:ギターじゃなくて、それは…恒例の、なんかやってもらえるんじゃないのかな?

市子:(笑)きょうはね、ギタレレを持ってきました。

H:かわいらしい…ウクレレとギターの間、6本弦ですけど。

市子:そうです。

H:いいね、ピッタリだね。僕だとちょっと小さいんだけど…(笑)

市子:ほんとに抱っこできるサイズですね、これは。

H:それはずっと持ってたんだね、今回。

市子:ずーっとこれを持って移動してました。

H:そして、そこにある鳴り物が…

市子:これはシュタイナーの鐘と言って…

H:あのルドルフ・シュタイナー(Rudolf Steiner)のことかな。

市子:はい。

H:わ、すごい…これはまた、高級なウインドチャイムの音がする。

市子:これは風の音で…こちらが水の音…

H:あ、音程が違うんだね。

市子:これはさっきの"Prologue"にも入ってたんですけど。

H:そっか。

市子:これで最初は曲を作ってて…~♪

H:ホントだ。これは楽器だね。ちょっと貸して、それ。

市子:はい。じゃあ水の音を…

H:水の音担当で…じゃあ、歌ってもらおうかな、これで。

市子:~♪…細野さんが鳴らすとほんとにせせらぎ、水のせせらぎですね…(笑)

H:これは入り込むよ、この音。すばらしい。これは聴いてる人寝ちゃうな、ぜったい(笑)

市子:おやすみなさい…(笑)

H:おやすみー。

市子:こんな楽器も今回はたくさん使っています。

H:これはすばらしいですよ…歌ってくれるの?

市子:あ、では…(笑)こんなんでよければ…

H:もちろん!これはもう、恒例ですから。

市子:じゃあ…"奄美蛙歌"じゃなくて、今回は"Sagu Palm's Song"という名前で入ってるんですけど…

H:んー。外国の曲名みたいだね。

市子:はい、「ソテツの歌」。じゃあ行きます。

 

 

Sagu Palm's Song(生演奏) - 青葉市子

 

 

H:良かった…この歌、好きだな。

市子:うれしいです(笑)

H:これ[アルバムに]入ってる?

市子:入ってます。これは奄美大島で作りました。

H:へぇ…なんか言葉もおもしろかったし、よかったな。もういいや、話さなくても…なんてね(笑)

市子:(笑)

 

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市子:今年の2月ぐらいに…小さな、阿佐ヶ谷の映画館で『銀河鉄道の夜』を上映してたんですよ。

H:やってたね。その話は知ってる。

市子:で、観に行ったんですね。

H:あ、ホントに?

市子:私の実家にはビデオテープがずっとあったんですけど。

H:そうだね、ビデオの時代に出たからね。

市子:でもジャケットだけ見ていて、本編を観たことがなかったんです。それをこの歳になって初めて映画館で観て。

H:へぇ。

市子:で、細野さんのサウンド・トラックを聴いて。♪ダダダダーン、タンタンタンタンタン…ドーン!

H:(笑)

 

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市子:それがほんとに好きで。

H:そうか。

市子:このアルバムは…『アダンの風』で南の島のことを歌ってはいますが、根底に『銀河鉄道の夜』のあの世界がキラキラと散りばめられているような気が自分でもしてるんです。

H:ホントに?なるほどね。宮沢賢治の宇宙観というか。根底には通じますよね。

市子:はい。浜がキラキラして光っている様子とか、夜光虫がザーッて光る感じとか。

H:たしかにね、僕、「銀河鉄道」を作ってる頃…1980年代、よく沖縄に行ってたから(笑)

市子:あ、そうなんですね。そっかそっか。

H:似たような経験はしてると思うよ。誰もいない海っていうのは知ってるもん(笑)

市子:はい(笑)あのときの、人間以外の生命たちが勢いよく湧き上がってくる感じって、独特なんですよね。生ぬるい…

H:そうですよね。海自体が生きてるんで…ずーっと海の中に腰かけてるんだよね、お風呂みたいに(笑)

市子:そうそうそう…(笑)

H:そうするとほら、満ち引きで音が…ゴボゴボゴボゴボ。どんどんどんどん海がせり上がってくるっていうか。生きてる、と思って。

市子:うん。

 

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H:いやいや、なんだかこの…突然沖縄の世界に浸っちゃいますよね。遠かったからね、この1年。

市子:そうですね。街が静かになって、周りも静かになって。限られた人としか話せない中で…閉じてるように思えて、視覚とか聴覚とか嗅覚とかがどんどん開いていく…閉じるからこそ、自分の心の中にあったものがよく聞こえてきて。

H:うん。

市子:なので、ここまで没頭して作品作りができた…ということでもあります。

H:そうだね。それは才能だよな。

市子:いやいや…状況がそうさせてくれました。

H:僕はぜんぜんそうなんないんだよ(笑)

市子:(笑)

H:キョロキョロキョロキョロして。世の中どうなってるんだろう、って。外ばっかり見てたけどね。

市子:うーん。

H:おかげさまで、正気に戻れそう。やれやれ…ちょっとチャイム…これはどこで手に入るんだろう?

市子:これは福岡にお店があると思うんですが、ネットでも売っていて。

H:あ、ホント?ぜひ僕は手に入れます、これ。

市子:細野さんによかったら水の音色を差し上げます。

H:いやいやいや、ダメ。

市子:ほんとに。

H:セットだから、これは。

市子:いや、まだあるので…火や地が。回してらっしゃるのがピッタリだな、と思ったから…

H:いやいや、そんな…口が滑っちゃったんじゃないの?大丈夫?もらっていいの?本当に?

市子:大丈夫です、もちろん!

H:うわーい。

市子:アルバムに使ったので…

H:じゃあ僕も使おう。

市子:私は風を持ってますから…

H:これはなんか「里見八犬伝」みたいだ。

市子:(笑)

 

H:それでは…もう1曲かけれる?

市子:じゃあちょっと最後はうるさい…うるさいっていうか…(笑)

H:うるさい曲があるわけないよ(笑)

市子:うるさい曲というか…じゃあ、がんばってビクタースタジオでせーの…で録ったやつ。

H:へぇ。

市子:"Dawn in the Adan"。

H:じゃあ、これを聴きながらお別れしますね。

市子:はい。ありがとうございました。

H:また来てください。

市子:はい、ぜひ。

H:青葉市子さんでした。

 

 

Dawn in the Adan - 青葉市子

(from『アダンの風』) 

 

 

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2020.12.06 Inter FM「Daisy Holiday!」より

手作りデイジー🌼#14

 

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(以下、すべてH:)

 

 はい、お茶の間のみなさん、お元気ですか?え、お茶の間?お茶の間って今、あるんでしたっけね。

 えー、それでですね…もう12月ですね。ですからきょうは…「2020年よ、さらば」というような気持ちでやっていきたいと思うんですけど。まぁ、空気がちょっと重いですよね、今。また。ですからちょっと軽やかに…軽薄というか、中身がない感じでやっていきたいな、と思いますが。

 

 最初はですね、おなじみスリー・サンズ(The Three Suns)です。曲は"Fiddle Faddle"という曲で、ルロイ・アンダーソン(Leroy Anderson)作曲です。ルロイ・アンダーソンはこの番組ではとても大事な、欠かせない作曲家なんですけど。続けてフランク・デ・ヴォール(Frank De Vol)という…映画音楽をいっぱいやってる人で、しかもハリウッドのど真ん中でいろんな有名なアーティストと一緒に演奏しているアレンジャー、作曲家です。続けてフランク・デ・ヴォールで"Lotta Piccicato"。

 

 

Fiddle Faddle - The Three Suns

 

 

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Lotta Piccicato - Frank De Vol

 

 

 

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 次はシュトック、ハウゼン&ウォークマン(Stock, Hausen & Walkman)。前もかけましたけど。200年の作品、『Organ Transplants #2』から"IKEA"。

 

 

IKEA - Stock, Hausen & Walkman

(from『Organ Transplants #2』)

  

 

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 シュトック、ハウゼン&ウォークマンがネタに使ってた…ロビン・リッチモンド(Robin Richmond)というウーリッツァー奏者。イギリスの人で、1912年生まれです。曲は"The Velvet Glove"。

 

 

The Velvet Glove - Robin Richmond

 

 

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*伊賀航ショウ!

 

 

 えー、キャット・スティーヴンス(Cat Stevens)というシンガーソングライター、ご存知でしょうか。1970年代前後に大ヒットして…一世を風靡した人なんですが、突然イスラム教に改宗して、名前が変わっちゃいました。ユスフ(Yusuf)という名前になっちゃいました。そのキャット・スティーヴンスが異色の1曲をシングルで出してそれがちょっとヒットしたんですが…"Was Dog a Doughnut?"。変わってますね。キャットなのにドッグという、ドッグはドーナッツか?という。1977年のヒットです。これはね…テレビのね、『サザエさん』ありますよね。あの中でもちょっと、似たような曲を聴いたことがあるんですけど。あれはたしか筒美さん(筒美京平)かな?こないだ亡くなっちゃいまして。ホントに残念です。その筒美さんにも影響を与えたという"Was Dog a Doughnut?"。

 

 

Was Dog a Doughnut? - Yusuf/Cat Stevens

  

 

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 つくづくアメリカの大統領選が尾を引いてて…いったいこれはどうなってるんだろう、と。いろんな情報が飛び交ってますけど、テレビを見てる限り静かなんですよね。あまり詳しい報道がないんでわからないんですけど。動画の配信のほうを見てるといろんな意見が飛び交ってて…これはもう、民主主義は衰退してるんじゃないか、と思うんですけど。この先どうなっていくんだろう、というような懸念があります。一度出来た社会規範というのはなかなか元には戻らないだろう、という意見があるんですけど、それはイスラエルのユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)さんという…この方は『サピエンス全史(Sapiens: A Brief History of Humankind)』という本を上梓して大ヒットしたんですけど。

 

 まぁ、こういう重い話をしながらも…音楽はですね、ちょっとアホらしい音楽をこれから聴くんですけど。実は、スリー・サンズがやってる"あめふり"という日本の童謡。これは来日した折にやったんですよね。そのレコーディングが残ってます。続いてですね…これは伝統なんでしょうかね。知らずに僕もおんなじようなことをやってます。"ゆきやこんこ"、スウィング・スロー。続けて聴いてください。

 

 

Amefuri (Rainy Day) - The Three Suns

(from『The Three Suns In Japan』)

 

 

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Yuki-ya-konko - Swing Slow

(from『Swing Slow』)

 

 

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 では次の曲は…ベニー・グッドマンBenny Goodman)、1936年の曲で"This Year's Kisses"。「今年はキスしてないな。失恋が尾を引いてるな」っていうような歌ですね。歌はマーガレット・マクレイ(Margaret McRae)。

 

 

This Year's Kisses - Benny Goodman

 

 

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 きょうの最後はケイ・カイザー&ヒズ・オーケストラ(Kay Kyser & His Orchestra)で"What Are You Doing New Year's Eve"。

 

 

What Are You Doing New Year's Eve - Kay Kyser

 

 

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2020.11.29 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:こんばんは、細野晴臣です。さて、きょうはですね…ホントひさしぶりですね。鈴木惣一朗くんです。

惣:あれ?細野さんじゃないですか。

H:なんだ、コントかい?これ(笑)

惣:まぁ、一生コントなんで…

H:あ、そうなの。何年ぶりかな?

惣:何年ぶりかな…なんつって、先々週でしたっけ?会いましたよね。

H:はい。

惣:六本木で…「ダブル・ファンタジー」展で会ってね。うわー、ジョン・レノンはこうだったんだ、と思って。感心してビックリしてたら…なんか、僕の横にいる人から「細野さんが来てるよ」って言われて。

H:うん。

惣:ジョン・レノンがぶっ飛んじゃった、っていう。

H:なんだそれ(笑)

惣:おー!細野さんのほうがめずらしいや!って…(笑)

H:いやー、しょっちょうそういうところ行くからね。

惣:そしたら…「ヨーコさん(オノ・ヨーコ)来てるの?」とか言って怖がってるから…

H:怖がっちゃあいないけどね(笑)

惣:相変わらずおもしろいなぁ、と思って。そのときに…思ったより柔和な雰囲気で。柔和ってわかります?

H:ますます柔和になってるよ。

惣:ますます柔和?ふにゃふにゃじゃないですか、じゃあ(笑)

H:そう。やわらかいよー。

惣:(笑)それで、元気そう…というか。

H:元気だよ。

惣:なんか安心したというか。取って付けたように言いますけど、毎日まいにち物騒で…

H:ね。煽るね、また。

惣:毎朝起きて、よーし、きょうは元気に明るくいくぞ、なんて思ったりするんですよ。これでも。

H:(笑)

惣:で、テレビつけるじゃない?見なきゃいいのに…

H:はい(笑)

惣:見なきゃいいのに見るわけ。昼の12時くらい。

H:あれはね…元気なくなるよね、たしかに。

惣:で、まぁそのー…「まぁそのー」ってちょっと田中角栄みたいになりましたけど(笑)

H:いや、角栄は「まぁこの…」って言うよ(笑)

惣:まぁこのー…

H:ぜんぜん声がダメ(笑)

惣:細野さん、モノマネ上手だったのに…どうしたんですか?

H:いやいや、ぜんぜん興味がないよ、いま(笑)

惣:柔和になったからね。

H:「なんてったって…」って言ってね。

惣:お、懐かしい。

H:ぜんぜん似てない。

惣:それは巨泉さん(大橋巨泉)ですか?

H:そうですそうです。

惣:そう、だからね…朝起きてニュースとか見ると、数字とか出てくるでしょ。

H:出てくるね。

惣:あれ…がんばろうかなと思ってたけど、半分くらいがんばろうかな、みたいな。

H:ずいぶん影響されるね。

惣:いやー、気が小さいもん。

H:気が小っちゃいんだね。

惣:(笑)

H:いや、僕だって…誰だって影響されてるんだよ、あれ。もう刷り込まれてるんだよみんな。僕もそうだけど。でも、抵抗してるんだよ。抵抗しないとやられちゃうから。

惣:どうやって抵抗するんですか?

H:違う情報を見つけるんだね。真実を。

惣:違う…真実?

H:うん、

惣:僕はね、最近…今度出した新作にも書いたんですけど、「事実と現実が違う」っていう言葉、細野さん知ってます?

H:いやー、知ってるか知ってないかわかんないけど、知ってるよ。

惣:字面は違いますよね、事実と現実って。

H:はいはい。

惣:事実っていうのはありのままで…目の前にあるでしょ?いまのパンデミックの…

H:うん。わかったよ、そのこと、昨日考えてたんだよ。

惣:気が合うね。

H:(笑)

惣:僕、それ書いたんですよ。アルバムに。

H:あ、そうなんだ。読んでなかった、それは。

惣:で、現実っていうのはそれぞれのパーソナリティというか。その人がどういう風に生きてきたかによって…「こういう風に見える」と。つまりそこはそれぞれ…100人いたら100通りの現実が。まぁ、歪んだ形で事実がある。

H:うん。

惣:でも、事実っていうのは…なんかヘンな、堅い言い方だけど、宇宙の目で見ると…100も1,000も10,000もあると。一つの事象に対して。

H:なるほど。

惣:でも人間はその無限のものを、頭の中で抱えきれないから…自分の持ってきた経験値とかそういうもので、「まぁこんな感じかな?」って「現実」にするわけですよ。でも、それはその時点でだいぶ歪んでるというか。それで僕はおびえているんだ、と思うんですね。

H:じゃあ、わかってるじゃない。

惣:いや、その理屈はわかってるんだけど、やっぱりね…理屈だけでは乗り越えられないというか。

H:これからはますます現実が歪んだ形で押し寄せてくるでしょ?波のように。

惣:そうですそうです。

H:コロナに関係なく、これから先はずっとそういう世界が続くわけだ。

惣:うん。

H:そのことを昨日考えてて。

惣:あ、そうですか。

H:で、仮想現実っていう言葉がある。

惣:はいはい、ヴァーチャル・リアリティ。

H:すごい古いじゃん、もう。

惣:うん、古い。

H:今は…ああいうパソコンの中とか、テクノロジーじゃないところでそういうことが行われてるから、報道を通したり。それをなんて言ったらいいんだろうなぁ、って考えてたわけ。

惣:あ、ネーミング得意なのに。

H:日本語で言うと「仮相(けそう)」だね。

惣:仮相?

H:うん。借り物の現実っていうような意味だよ。でも英語では難しいんで…やっぱり今の時代の象徴がマスクなんだよ。

惣:はい。

H:マスク(mask)っていうのは「隠す」っていう意味だよ。

惣:うん。マスキングですよね。

H:そうそうそう。だから「マスキング・リアリティ(Masking Reality)」。

惣:お、出ましたね。

H:出た。次のアルバムはそれだ(笑)

惣:「マスキング・リアリティ」、すごい(笑)前はタバコ吸ってたのにね。今度はマスキングですか。

H:タバコを吸いながらマスクしてる…(笑)

惣:やりにくいでしょ、それ(笑)

H:ちょっと失礼、タバコ吸わせて頂いて…

 

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惣:マスキング・リアリティね。MRですね。

H:そうだね。

惣:あー、でもわかるような気がしてきた。

H:だからね、3月11日の大震災。

惣:ええ。

H:あれは「現実」と「事実」が重なってる。ピッタリと。で、報道は逆にそれがなかったかのように…というのは言い過ぎだけど。放射線に関してね。

惣:いやー、うん、わかります。

H:それと今は逆なんだよね。

惣:同じ「目に見えないもの」なんだけど質が違うというか。音楽も本当は目に見えないもので…

H:うんうん。

惣:たぶん、音楽に携わる人が長けているものがあるとしたら、目に見えないものに対する対抗力…対抗力というか、慣れてるというか。普通の人よりも。

H:そうね。

惣:だって見えないんだもん、音楽は。それで一喜一憂してるでしょ?

H:そうだね。

惣:で、今も目に見えないもの…それが2011年のことと、2020年は質が違うと思います。2011年のときに細野さんと話をしている中で最も印象的だったことは、『陰翳礼讃』という谷崎潤一郎さんの本のことを教えてくれたんですよ。

H:ああ、そうか。

惣:で、僕は読んでなくて…10年経ちますけど、10年かけて読んでる。

H:読んでるんだ(笑)

惣:まだ読んでる。

H:まだ!すごい(笑)読み込むねぇ。

惣:共存、という言い方はちょっとアレですけど。光がやわらかい、トワイライトの色になっているとすれば、それもまた美しいという、という風に本当に思えるかどうか、というのが…

H:うん。

惣:つまり、今はとても明るいときではないので、斜がかかっているというか…僕はトランポリンの上でふわふわしているような日々の感じもするんですけども。でも、共存しているという感じがするんですよね。払いのけれない。

H:んー、なんとなくわかるね。

惣:それが僕にとっての『陰翳礼讃』の解釈。

H:そこはちょっとわからない(笑)

惣:すみません、あと10年ぐらい読みます(笑)

H:僕はあれ、1日しか読んでないけど…(笑)

惣:え!(笑)

H:(笑)

惣:なんだ…(笑)

H:一回読めば…自分に響いてくる言葉とか、もう、それで充分じゃん。読み込む、裏読みは必要ないんじゃないかな…(笑)

惣:細野さんはけっこう速読法ですよね。いろんな本読んでるのに。

H:まぁね…あんまり最近読んでないな。んー。

惣:僕、なんだっけな…京都でイベントの仕事があって、たまたまそれが終わった後、細野さんの部屋に行ったら、枕元に…

H:うん。

惣:細野さんがネイティブ(アメリカン)にかなりディープにはまってるときで、『死ぬにはいい日だ(Today is good day to die)』っていう本を読まれていて。

H:あー、あれね。うんうん。

惣:うわ、この人大丈夫かな…みたいな。

H:気が弱いね(笑)

惣:いやいや…その後それ読んだんですよ。そしたらそんなね、ネガティブな内容じゃなくて…

H:そらそうさ。ネガティブな本じゃないから。

惣:ひとつの覚悟というかね…なんて言うんですかね、生きる知恵というか。

H:北米インディアンのカルチャーを知ればね、いいことで。

惣:そうですよね。なるほど、なるべくこういう本を読もうかな、と思って…『夜と霧(Man’s Search For Meaning)』とか買ってきて。

H:ぜんぜん違う…(笑)

惣:あとレイチェル・カーソン(Rachel Carson)、『沈黙の春(Silent Spring)』。あれを買ってきて読んだり。

H:うん。

惣:これはよく細野さんと話をしてましたけど、2011年とか今回のパンデミックの前は、僕、パニック映画をよく観てたんですよね。

H:おんなじじゃん。

惣:そうそう、細野さんもよく観てるってね。劇場に観に行って、わーわーよろこんでたんですよ。隕石が飛んで来たり、地球にコアがあったり。

H:あの頃多かったんだよ、そういう映画が。

惣:それで、細野さん、怖くないですか?って。僕はおもしろいんですけど、そういうの。「怖いけど、準備してるんだよ」って言うわけ。

H:(笑)

惣:準備してる?なんですか?って。「いや、そういうことが起きたときのために準備してるんだよ」って…(笑)

H:そうそうそう(笑)いや、役に立ったよ、だって。

惣:そう、今役に立ってるでしょ?

H:うん、立ってる。

惣:立ってるから観なくなっちゃったの。『感染列島』とかさ。あるじゃない。

H:あー、なるほどね。あるね、いっぱい。感染ものもね。んー。

惣:ちょっとさ、そういうのを…サブスクリプションって言うんですか?で、いっぱいあるけど、それはちょっともう、観れなくなっちゃったわけ。

H:なるほど。

惣:で、観れなくなっちゃうと…2011年も僕、そうだったんですけど、チャップリン(Charlie Chaplin)とか、小津安二郎とか、ヒッチコックAlfred Hitchcock)とかを観はじめるというのが…

H:あー、そうなんだ。

惣:今年もまた同じ状態になって。

H:なるほどね。

惣:それは自分にとってなんなんだ?っていう…

H:バランス取ってるんだね。

惣:そう。なんか…確固たるものがそこにあって。その確固たるものを持てないから、日常で。

H:わかるわかる。あのね…芸能・文化・芸術っていうのは強い助けになる。

惣:礎というかね、助けになるでしょ?

H:うん。

惣:映画っていうのは、どんなお話かな?って思いながら観るときが楽しいですけど、音楽…というかアルバムといっしょで、何度も何度も同じ映画を観れるんですよね。

H:うんうん。

惣:例えば『ライムライト(Limelight)』とか。もうわかってるのに…

H:そうね。最初だけだよね、ストーリーを追うのは。

惣:うん。もう、アンビエントみたいなもんで…印象だけで自分の周りの空気をあっためてくれるから。

H:で、好きなシーンっていうのがあるんだよね。

惣:あるある。パンデミックになったときにいちばん最初にやったのが…『ツイン・ピークス・リターンズ(Twin Peaks: The Return)』のブルーレイボックスを買ってきて…

H:(笑)

惣:とにかく、これを観てる間は考えないようにしよう、と。

H:そっか。

惣:これはお笑い映画なんだな、と思って…(笑)

H:(笑)

惣:観直したらホントにお笑い映画で…ぜんぜん怖くないわけ。ビックリしないし。

H:たしかにね、そういうとこあるね。

惣:わりと、逆にほのぼのしちゃって。デヴィッド・リンチDavid Lynch)という人にほのぼのした。

H:なるほど。

惣:それはちょっと独特な感覚だな、みたいな。ぜんぜん怖くないんだなぁ、と思って。

 

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惣:あ、そうだ、この話をしたかった。いいですか?

H:どうぞ。

惣:自分の新譜の話はしませんけど、あんまり。

H:しようよ(笑)

惣:『ニーチェの馬(A torinói ló)』っていう、細野さんも好きな映画がありますよね。

H:うん。

惣:で、今度『サタンタンゴ(Sátántangó)』っていう8時間くらいある映画が…

H:それは、観れないんだよね。

惣:あ、ホント?

H:観たの?

惣:あのですね、劇場に行ったら終わってて…3回休憩があるっていうのね、長いから。

H:うん。

惣:で、今入ってるんですよ、サブスクに。

H:あ、観れるんだ。

惣:観ました(笑)何度も寝落ちして…

H:すごい…

惣:でもね…一つのシーンが出てくるとするでしょ?例えば女の子が森の中を歩き始めますよね。

H:うん。

惣:15分くらい続くの。なんにも起きないの。

H:(笑)

惣:普通、なんか起きますよね。で、一回寝るんですよ。それで起きるでしょ?

H:うん。

惣:そうすると、気持ちがいいわけ。

H:なるほど。

惣:なんて言うんですか?まどろみ?監督の発言にもあるんですけど、「それを体験してほしくて映画を作った」みたいな言い方もしてるんですけど。

H:んー。

惣:でもこの感じはたぶん…細野さんの音楽は怖くて気持ちがいい、って最初に思った…『泰安洋行』の感覚ですけど。聴いてるうちに寝ちゃうんですよね。

H:そうだろうね。

惣:気持ちがいいし…例えば『花に水』。

H:うんうん。

惣:細野さん、作りながら寝てたって言ってましたよね。

H:(笑)

惣:いつ作ってるんだ、っていう…エンジニアが横で寝てるっていうさ…スタジオには「無」なわけじゃん(笑)作ってる人が寝ててエンジニアも寝てて、どうやって『花に水』は出来たんだ、という…

H:不思議だよね(笑)

惣:最近は再評価されてますけど。眠たくなるっていうのは、だいたい…寝る前に本読んだりしますけど。

H:うんうん。

惣:だいたい気持ちがいいもので。

H:そうさ。

惣:そうするとすぐに細野さんの言葉を思い出して。「睡眠は失神だ」って。

H:そう(笑)

惣:失神してるんだ、と思って…だから寝床に入って寝ない、と。今はどうですか?

H:おんなじだよ。もう、何十年と続いてる。

惣:ソファーで寝てるって言ってて。今も?(笑)

H:うん。身体、壊れないね。

惣:すごいなぁ…

H:ベッドで寝ると足腰痛くなるけどね。背中とか。

惣:痛くなるんでしょ?それで「鈴木くんは布団で寝てるの?」って言われて、布団で寝てますよって。

H:(笑)

惣:しかもパジャマに着替えて寝てます、って言ったら、「パジャマなんて着たら緊張して寝れない」って言われて…(笑)

H:そう(笑)

惣:パジャマってリラックスするために着てるんだけど…緊張して寝れないかな、みたいなさ。

H:「さぁ寝よう!」と思って寝るわけでしょ?

惣:そうそう、入眠…入眠、いま大事じゃない?パンデミックになってから。

H:まぁね。

惣:だけど失神して寝るのがいちばん深く寝られるから、音楽聴いたり…

H:じゃああのさ…(笑)

惣:あ、ごめんなさい。

H:音楽聴こうよ、1曲でもいいから…(笑)

惣:あ、聴くの?しょうがないなぁ…(笑)

H:新譜出たんでしょ?

惣:新譜が出たんですよ。

H:出たばっかりね。

惣:『色彩音楽』っていうタイトル付けたんですけど。このモノクロームの世界に色彩のある音楽をお届けしたいな、という風に。地味なアルバムを…

H:すばらしい。

惣:聴いたんですか?

H:聴いたよ。映画音楽を聴いてるような感じだったね。

惣:お、うれしい。インストゥルメンタルを主体としてやってきたので…

H:歌ってるでしょ、でも。

惣:ごめんなさい(笑)

H:歌は…ちょっと良くなってない?

惣:あー、ありがとうございます(笑)おべんちゃらだとしてもうれしいです。

H:いやいやいや(笑)

惣:インストゥルメンタルを主体としてきたので、アンサンブルを作るのは比較的得意なほうだと思ってるんですけど。

H:うん。

惣:自分の声がそこに介入するのに抵抗感があったんですが…自分の声がそのサウンドの一部になれるのかな、ってずっと思ってて。そしたらですね、これは加齢なんだ、と。カレイってわかります?カレーじゃないですよ?

H:カレーライスじゃなくて?(笑)

惣:加える齢。

H:あー、加齢ね。

惣:声がね、やっぱりうちの父の声に自分がどんどん似てくるんですけど。

H:あるね、そういうこと。

惣:すごくサウンドに溶け込みやすい感じに思えたんですよ。

H:なるほど。

惣:そしたら歌うことに、少し積極的になれた。

H:よかったよかった。

惣:つまり…ギターも古いギターのほうがいいでしょ?

H:加齢ってね、そういう効果があるね。

惣:そう。加齢礼讃。

H:カレーライサン?

惣:そう、カレーライサンで…(笑)

H:鈴木くんが作ってる音楽は加齢気味だから…(笑)

惣:デビューしたときから加齢気味なんで…(笑)

H:そうそう、ちょうど合ってきたんだね、声が。

惣:まぁ細野さんも「おっさんのリズム」と若いときから言っているように…さっき茶色のおまんじゅうを食べてましたけど。

H:(笑)

惣:「茶色の音楽」っていう言い方を…細野さんは一時期使われていて。

H:そうだっけ?

惣:うん。だから「緑」ではないんですよね。茶色っていうのは枯葉だったり、土だったり。朽ち果てていく前のような音楽。

H:うんうん、そうね。

惣:それがある意味ザ・バンド(The Band)であり…

H:そうだね、ザ・バンドを思い出すね。若いうちから枯れた声出してたから。

惣:僕も十代のときにそういう音楽を聴いて、憧れるわけですよね。ところが、はっと気づけば61歳で。もはや…細野さんは73歳でしょ?

H:そう。

惣:61歳と73歳が話している、という現実が待ってるとは…1980年代のニュー・ウェイヴのときには思いませんでした(笑)

H:そりゃそうだな(笑)

惣:だから、長くやってみるもんだな、と思って。

H:うん。

惣:なーんて話してるから音楽がかけられなくなっちゃうんで、聴いてみますか?

H:聴こうよ。紹介して。

惣:じゃあ…World Standardで"世界の標準"を聴いてください。

 

 

世界の標準 - World Standard

(from『色彩音楽』) 

 

 

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惣:このアルバムは、実はコロナ前から作ってて…2019年の秋くらいからちょっとずつ作ってたんですよ。そしたら自粛期間ということで…途中で頓挫しまして。

H:うん。

惣:やる気もなくなっちゃって。止まってたんですけど、10曲くらいは出来てて。どうしようかな、みたいな。で、いろんなライヴの話が中止になったんですが、香川県で屋外ライヴをする話が来て。6月か、7月の頭だったと思うんですけど。

H:うんうん。

惣:僕はすごく怯えていて。怯えたときには細野さんにメールをするという。返事が来ようが来まいが。

H:(笑)

惣:そしたらすごい、ね…「大丈夫だよ」みたいな。「コロナに子守唄を聞かせるつもりで」…憶えてます?

H:そんなこと書いたの?

惣:そんないいことを書いてくれたんで…

H:ホント?ぜんぜん憶えてない(笑)

惣:それで行ったんですよ。で、ライヴは無事終わって。打ち上げがある、と。

H:抵抗あるね。

惣:3密どころか5密ぐらいあるわけ。そしたら…フォークシンガーの友部正人さんという人と一緒だったんですよ。

H:おお!それはめずらしい。

惣:あとサックスの梅津さん(梅津和時)とか。

H:いいメンツだね。

 

 

惣:すばらしいお2人で…そのときに、人生相談していいですか?って、友部さんに僕は相談したんです。

H:へぇ。

惣:今、アルバムがほぼ出来てるんですけど、発売を躊躇している、と。発売しても物流が動いているかわからないし、プロモーションもできないし…と。そしたら怒られまして。「鈴木くん、それは違うよ」と。

H:うん。

惣:アルバムには出すべき時期っていうのがあって。天命が。鈴木くんが決めることじゃないよ、と。出来てるんだったら出すべきだし…そのとき、伊賀(伊賀航)とかも参加してる、友部さんの新作も…「僕は出すよ」というわけ。

H:そう。

惣:実際友部さんの新作も出て。夏に。

H:うん。

 

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惣:で、東京に帰ってきて。11月だったら少し状況はよくなってるかな、という願いも込めて、11月28日という発売日を決めたんです。

H:なるほど。

惣:まぁ、それは僕が勝手に決めたんですけれども。

H:いいんだよ、勝手に決めて。

惣:まぁ、アルバムって出すと…細野さんもそうだけど、ライヴ・プロモーションしろ、って言われてきたでしょ?

H:そうね(笑)

惣:「ライヴできなきゃダメだよ」みたいな…それは誰のことを言ってるんだ(笑)

H:まぁ、なんかしらやんないといけないよね。

惣:だけど、できないなぁ、みたいな。じゃあ、内容を濃くする時間が用意されたんだな、と。作品のね。

H:うんうん。

惣:でも、アルバムはほぼ出来ている。出来ているんだけど…よーし、と思って。"ステラ"という曲を…

H:うん。

惣:この時期だから、追加録音したいな、と思って。

H:あ、追加録音したんだ、"ステラ"。

惣:うん。[アルバムは]もう出来てたんだけど…パンデミックの渦中に"ステラ"を録音したんですよ。

H:あー、そっか。

惣:で、細野さんにメールして。やっていいですか?って。「ぜひ」って言ってくれたので、録音して…

H:うん。

惣:なんとなく、自分の中でバラバラになっていたものが一つに…アルバムってできるタイミングがあるじゃないですか。つまり、放っておけばいつまでもやっているような気もするんだけど。その"ステラ"を録音したら、あ、出来たな、と。

H:完成したんだね。うん。

 

 

ステラ - World Standard

(from『色彩音楽』) 

 

 

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H:すごい眠くなってきたんで、そろそろ、じゃあ…(笑)

惣:あれ?よかったのかな?

H:いやいや、気持ちいい。ありがとう。

惣:結局、僕がいっぱい喋っちゃいました。

H:いやー、大幅にカットします(笑)

惣:(笑)

H:またね。

惣:はい、またお会いしましょう。

H:鈴木惣一朗くんでした。

 

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2020.11.22 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:こんばんは。細野晴臣です。きょうはね…1年ぶりくらいかしら?

?:はい。

??:はい。

H:ぜひ、自己紹介をしてください。

??:せーの…

原田・角銅:「くくく」です。

H:あれ?そうか…(笑)

??:はい(笑)

H:個人名でね。

原田:原田郁子です。ごぶさたしてます。

角銅:角銅真実です。こんばんは。

H:こんばんは。なんかこないだ…角銅さんの記事、読んでたな。

角銅:え!

H:あれ、ライヴ活動は…みなさんやってるんだっけ?この間。やってなかったか。

角銅:この間…

原田:あまりやれてはいないですね。

H:そっか。じゃあなんの記事だったんだろう(笑)

角銅:(笑)

H:それで、YouTubeでちょっと見てたの。

角銅:あ、そうだったんですか!

原田:…なにを見てもらったんだろう(笑)

H:なんだろう、"December"というやつかな?

角銅:はー!ありがとうございます。あらー…

 

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H:郁子ちゃんはどういう日々を暮らしてるの?

原田:えーと、自粛の頃は静かにしてましたけど…宅録を、必要に迫られて始めて…

H:へぇ、いいね。

原田:なんかすごいおもしろくて。

H:おもしろいでしょ?

原田:うん。今まではメモ書き…レコーディングのスタジオでこういうことがやりたい、というのを[宅録で]ざっと作っていくことはあったんですけど。ホントにそれがそのまま世の中に出るということがなくて。

H:うん。それはすばらしい。

原田:これを細野さんはずっとやっていたのか、と…(笑)

H:やってた(笑)自分の部屋に[機材を]そろえたわけ?

原田:ホントにまだ有り合わせのものなんですけど…

H:そういうの、いつ聴けるんだろう?

原田:…あとで(笑)

H:聴けるんだ。うれしい(笑)角銅さんはどう?

角銅:私は…音楽もだけど、ラジオ体操と…金継ぎ?割れた陶器を漆でくっつけて…

H:お!僕ね、この間に陶器をいっぱい割ったんだよね(笑)

2人:(笑)

原田:じゃあ、継いでもらえるかも(笑)

H:捨てるのも忍びないんで、自分でボンドを買ってきていつかやろう、と思ってるんだけど…うまくいくのかどうかイヤだからやってないのね。

角銅:金継ぎおもしろいですよ。

H:へぇー、金継ぎっていうんだ。ぜんぜん知らない。漆で?

角銅:漆です。漆と…ご飯の粒を練ったり、澱粉の多い小麦粉を水で溶いて…

H:あ、そういうのを使うの?天然素材。

角銅:そう。それと漆を合わせて…それだけで、水とか付いてもずーっとくっつく…なんか、それがおもしろいな、と思って。

原田:へぇー。

H:その繋ぎ目ってどうなるわけ?

角銅:繋ぎ目は漆だからちょっと…

H:はみ出てくる?

角銅:そう。赤と茶色の混ざったような色がはみ出るんですけど、それを金でなぞって…

H:あ!なるほど…

原田:膨らむんだよね。割れたところ…はんだ付けのモコっ、みたいなやつの金色みたいのが…

角銅:そう。そこに金を塗って…

H:芸術だな。

原田:そういう…昔からあるんでしたっけ?金継ぎって。

角銅:うん。ホントはたぶん…ホントはっていうか、専門の金継ぎ職人さんがいて。

H:いるんだ。まだ。

角銅:はい。その人たちはきれいに継ぐんですけど、私とかはもう…ぐちゃっ、みたいな。

H:それをこの期間ずっとやってたわけ?

角銅:はい。なぜか漆のことをずっと考えてました。

H:漆。

角銅:金継ぎにも漆を使うから…あ、そうだ。やたら散歩をしてて、漆によくかぶれるんです。公園にあるじゃないですか、漆の木って。漆か毛虫かどっちかにかぶれて…コロナの最初ぐらいのときに。

原田:(笑)

角銅:で、2週間ぐらい…

原田:え、そんなに?

角銅:そう…かゆかゆになっちゃって。ずっと寝てて…

H:(笑)

角銅:それでそこから金継ぎに行きました(笑)

原田:(笑)

H:すごいな。普通、嫌がるよ(笑)

角銅:強いじゃないですか。ちょっと通っただけでかぶれるから…

H:あ、そう?触らなくても?

角銅:そうなんです。

H:へぇ…だからあの、植木職人が嫌がるんだよね。

原田:へぇ…

角銅:そうですよね。そうそう、強いな、と思って。それがなんかおもしろい…

H:それはおもしろい話。じゃあきょうはこの辺で…なんて(笑)

2人:(笑)

原田:いま始まったのに…(笑)

H:音楽聴こう。どなたから聞かせてくれるのかな。2人で決めてもらおう。

角銅:郁子さんの録音した…

原田:あ、じゃあ先いいですか?まだマスタリングもしてないんですけど…

H:いいよいいよ。

原田:『青い、森』という映画のエンディングの曲を作ることになって。で、誰にも会えなかったのでひとりでコツコツやってみて…(笑)

H:そう。楽しいでしょ?(笑)

原田:はい。おもしろいですね(笑)で、最後のミックスは…角銅さんのアルバムとか、いろんな方をやっている奥田さん(奥田泰次)というエンジニアの方がやってくれて。

H:うん。

原田:私、なんかもう、仮のつもりだったんで…歌も。のど飴をなめながら歌ってて…で、歌と歌の間にのど飴がカラン…って言っちゃってて(笑)

H:いいね(笑)

原田:それを小っちゃく、パスパスって切って。奥田さんに聞いてもらったら「これはどうなってるの?」って…プツプツしてるのがおもしろい、ということになって(笑)

H:そういうのを活かしちゃった?

原田:はい(笑)

角銅:楽しみ!

H:それはおもしろい…じゃあちょっと、聴かせてください。

 

 

青い森 - 原田郁子

 

 

H:いやいや、すごいよ。クオリティ高いね。

原田:~~~!!(笑)

H:宅録の域は超えてるよ。ミックスのテクニックもすごいよね。

角銅:素敵や…

原田:奥田さんが…本当は全部スタジオで録り直すつもりで。最初の歌い出しとかもやってみたりしたんですけど、なんか…「家のほうがおもしろいんじゃない?」って言ってくれて。

H:そうなんだよ…何かが違うんだよね。

原田:なんですかね?

H:位相がすごいな…

角銅:星、飛んできましたね。

H:そうそう、飛んできた。

原田:ちょうど、森の中にどんどん分け入っていく、という最後のシーンだったから…もうちょっと先に行けるような感じにしたかったっていう…(笑)

H:そう。でもそう言われると森の感じが…森だね、これ(笑)

原田:"青い森"という曲でした。

H:いやいや…ありがとう。発表しちゃっていいのかね?

原田:ありがとうございます…発表…今年の発表会でした(笑)

 

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H:そういえば僕もね、エンディングだけ、っていうのを頼まれたね。2つか3つ。

原田:あ、そうですか。

H:うん。で、映画を観てないでエンディングだけ…どんな映画かわからないまま作ったりね(笑)

2人:えー!

H:いや、もちろん少しは情報あるんだけど。

原田:なにか読んだりして、想像して…

H:そうそう。脚本…で、だんだんいろいろ送られてきて。ビックリするような映画だったりね(笑)こないだはマレーシアの監督の…エドモンド・ヨウ(Edmund Yeo)さんね。うん。という人が来て、試写をやったのね。東京国際映画祭か。で、僕はそれで音楽をつけたんだけど…全編、わりとね。

原田:へぇ…

H:初めて観たのね。そしたら、思わぬところに編集して使ってるんでビックリしちゃったんだけど…(笑)音楽が好きな監督だとそうなるんだね。おもしろかった。

原田:おもしろいですね。

角銅:楽しみ…

H:『Malu』という映画。うん。

 

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H:さて…角銅さんですね。

角銅:はい。そしたら…歌詞をつけて歌を歌った曲があるんですけど…

H:なんて曲ですか?

角銅:"Messe Basse 1"。

H:"メッセ・ベッセ"。

角銅:はい。4つの組曲のうちの1曲目です。

 

 

Messe Basse 1:B-dur - 石若駿 feat.角銅真実,西田修大,Marty Holoubek,Niran Dasika,佐藤芳恵

(from『Songbook5』) 

 

 

H:いやぁ、これも良いな…

角銅:緊張した…

H:なんか、お2人とも肌合いが…すごい近いよね。だから仲良いのかな?(笑)

2人:(笑)

原田:角銅さんから出てるものが…なんか気持ちがいいですよね(笑)

H:気持ちいいね。

原田:なんか、気持ちいい~って…声なのかわかんないですけど(笑)

角銅:(笑)

H:声もそうね。前来たときはパーカッションの部分がすごい印象深かったけどね。今回は…楽器はなに?

角銅:このアルバムは全部、言葉と歌だけでした。

H:あ、なんかユニット…なんていうユニットなの?

角銅:えーと、「Songbook」という…作曲は全部、石若駿くんという人がやっていて。

H:そうなんだ。うんうん。

角銅:それに…これ、5枚出てて。1年に1枚ずつ出してるんですけど。

H:5年経った、っていうことね。

角銅:はい。

 

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H:なんか、お2人の世代の周りにはいっぱい…豊かな音楽環境があるよね。人が多いでしょ。

角銅:みんな…楽しい人がいっぱいいますね。

H:それがすごいうらやましいね。

角銅:えー!

原田:(笑)

H:ホントに(笑)

原田:細野さん!(笑)

角銅:細野さん…(笑)

H:いやいや、ホントに…(笑)

原田:その遺伝子がみんなに来ております…

H:そうかそうか。

原田:去年、「くくく」で…「くくく」ってなに?っていう感じですけど(笑)初めてその名前でライヴをやらせてもらった「細野観光」が…

H:あれが初めてなの?

原田:そうなんです!(笑)

角銅:(笑)

原田:2人では何回かあるけど、「くくく」にしたのが初めてで。

H:へぇ。

 

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原田:まさに細野さんの音楽体験って、行ったことない国とか街の空気が伝わって来たり…それはたぶん、すごい影響を受けてますよね。

角銅:うん。

原田:いろんなところに旅行できる感覚っていうか…誰かに、音楽の授業で教わったわけじゃないけど、聴いてて、感覚として受け継いでると思います。

H:ね、音楽の授業ってそういうのはないね(笑)

角銅:(笑)

H:だから、僕だっていろんな人の音楽を聴いて育ってここまで来たから。それは誰だってそうなんだろうな、と思うよね。

原田:その感動みたいのって、ちゃんとあるんですかね。音の中に入って…伝染していくんですかね。

H:入ってると思うよ。うん。

原田:おもしろいね。

角銅:おもしろい…なんか、人間でよかったな、と思います(笑)

H:(笑)

原田:(笑)

角銅:細野さんの音楽…その「細野観光」という…あれも本当に観光してるみたいだし。「細野さん街」を観光しましたよね。

原田:うんうん。

角銅:観光するって…まぁ、虫とかもしてるのかもしれないけど、すごい人間っぽい…

H:まぁ、そうかもね。

角銅:なんか、よかった。

H:大昔ね、イタリアのジェノヴァという街に呼ばれて、インスタレーション…造形物を街に置いて、その中に音を仕込んで。イタリアのメンフィス(Memphis)っていうアーティスト集団と一緒にコラボレーションしてね。彼らが…ジェノヴァに丘があるんだけど、公園になってて。そこにインスタレーションをポンポンポンと置くのね。その造形物はけっこうおもしろいんだけど。動物的だったり。で、そこにエンドレステープを仕込んで…日がな一日中、音を出してたの。『Endless Talking』っていうタイトルにしてね。

角銅:あ、テープで、無限にずーっと回ってる…

H:そうそうそう。

角銅:細野さんの音が。

原田:へぇ…

H:で、どうなってるんだろうと、思ってその丘に登って行ったら誰も人がいないのね。でも、猫がいる(笑)

原田:わー!(笑)

H:猫とかが何匹か聴いてるっていう…(笑)

角銅:わー、いいなぁ…

H:だから、人間に限らず観光してるのかもしれない。

角銅:そうですね(笑)

原田:そうだと思います。

H:なんか、誰もいなかったのはちょっとショックだったけどね(笑)

 

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原田:そっか…ちょっと、どうする?(笑)

H:え?どうする?(笑)

原田:実はきょう…

角銅:(笑)

原田:実は「くくく」のね、短い曲を…ここで、音源とかないので…

H:え!生で?

角銅:はい、公園で遊びながら…

原田:じゃあ、ちょっと薄目で…あまり見ないで頂いて…

H:いいよ(笑)うれしいな。

原田:どんな始まりだっけ?

角銅:なんでしたっけ…最初は声で始まってましたよ。

H:(笑)

 

 

やる気がない(生演奏) - くくく(原田郁子&角銅真実)

 

 

2人…(爆笑)

H:(拍手)

原田:すみません…(笑)

H:すばらしいもの聴かせてもらっちゃったな(笑)いい…やる気がないよ、僕も。あるようなないような…

2人:(爆笑)

H:これはいつ作ったの?いま?

原田:さっき(笑)

H:さっき?公園で?(笑)

角銅:はい。紅葉を見ながら(笑)

原田:ホントにやる気が全くわかないときに、自分でこれを歌ってたやつを録ってたんです。

角銅:それもすごいよかったです。小っちゃい声で、やる気が…って歌ってて、すごい素敵だった…(笑)

原田:(笑)

H:正直な歌だね(笑)

原田:すべての方のやる気を削いでしまう可能性が…(笑)

H:いやー…これはやっぱり、恐るべき才能だな…(笑)

2人:(爆笑)

原田:よかったね、聴いてもらえて。

角銅:よかったです。はい。

原田:細野さんに聴いてもらうためにアレンジをしました…(笑)

H:うれしい…ありがとうございました。ホントにね、うれしいわ…

原田:おもしろい…(笑)

角銅:(笑)

H:なんかね、心に残っちゃったよ。

2人:(爆笑)

H:まぁ、じゃあ、一応締めようかね。ホントに楽しかったです。ありがとうございました。

2人:ありがとうございました。

H:なんかでまた…ね、呼んだり呼ばれたりしたいもんですね。

原田:はい!ぜひ…

H:また会いましょう。

角銅:はい!

 

 

2020.11.15 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:こんばんは。細野晴臣です。さて、きょうはですね、ひさしぶり、今年初めて…いつもやっていたレギュラーと言っていいんでしょうかね。お2人に来て頂いてます。

O:こんばんは。岡田崇です。

H:はい、どうも。

越:こんばんは、コシミハルです。

H:今年初めてなの?これ。

O:3人は初めてじゃないですかね。

H:だよね。そうそう。個別にはやってるけど、3人そろってるのは初めて。

O:そうですね。

H:えーと…まずはちょっと、最近聞いてないんで…ミハルちゃんが最近なに聴いてるのかね、紹介してくれますかね。

越:はい。じゃあ…ジョージ・メルクリーノ。

H:メラクリーノ(George Melachrino)ね。うん。

越:メラクリーノ…ごめんなさい(笑)

H:いいんだよ(笑)

越:ちょっともう1回やります…(笑)

H:もう1回?はい、どうぞ(笑)

越:…ジョージ・メルクリーノ。あ、また間違った!ちょっと待って…(笑)なんで言えないんだ…すみません、もう1回やります…ん?(笑)

H:これ全部使うからね、悪いけど(笑)

O:(笑)

越:「ジョルジュ」じゃないんだ(笑)

H:フランス人じゃないから(笑)

越:…ジョージ・メラクリーノ。

H:あー、合ってる。

O:うん。

越:やっと合った!(笑)"Paris Metro"という曲です。

H:ホリデーミュージックですね。

 

 

Paris Metro - George Melachrino and His Orchestra

 

 

H:えー、ジョージ・メラクリーノ&ヒズ・オーケストラで…"Paris Metro"ね。

 

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H:さて、ということでですね…岡田くん。

O:はい。

H:いろんなことがありましたね。

O:ありましたねー。もう、2020年…やり直したい(笑)

越:(笑)

H:ね。いやホント、みんなそれぞれそうだけど…特に岡田くんは長年連れ添った片岡知子さん。

O:はい。

H:みんなでトモちゃんって言ってましたね。

O:そうですね。10月20日に…他界しまして。

H:他界されて…大丈夫?岡田くん。

O:いや、ちょうどこの収録が…ちょうど2週間ですね、亡くなって。

H:2週間目ね。

O:いやー…もう、23年ぐらい一緒に住んでいたので。

H:そうね。そっかそっか。

O:なんかね、もう…

H:わかるよ。しばらく尾を引くと思うけどね。

O:んー…なんかこう、僕がレイモンド・スコット(Raymond Scott)を研究したりとかしてるのも、全部一緒にやってくれてましたからね。カンザスの図書館まで行って…

H:あー、そうだよね。いつも一緒に旅してましたよね。

O:やっぱり音楽分析力に長けていたので、彼女がずーっと…僕が聞いてる横でメモを全部してて。

H:すごい。それは知らなかった。

O:それがすごい役に立って。「ソングブック(Raymond Scott Songbook)」作るときに。

H:そうか…

O:それでさんざん隣で聞いて、それをまた自分の作品に活かしたりとかね(笑)

H:そうかそうか。忙しそうだったもんね。

O:そうですね、ずっと…9月15日まで仮歌入れてましたからね。

H:ヒエー!

O:(笑)

H:(笑)

O:デモ出しして。ギリギリまで音楽やってたんですけど…

H:やってたんだね。とうとうこの番組に呼ぶチャンスがなくなっちゃった。

O:そうですね、何度かお話はね、細野さんから頂いてたんですけど。タイミングが合わずで…

H:合わなかったね。だから…トモちゃんの全貌をつかんでないんだよね、僕(笑)

O:全貌はね、わからないですよ(笑)すっごいいろんなものを作っているので…

H:まぁ、テレビを見てる子どもたちはよく知ってるみたいね。

O:そうですね。Eテレの「みいつけた!」とか。そういう子ども番組の音楽をずっとやっていたので。

H:なるほど。じゃあね、曲をちょっと紹介してもらおうかな。

O:じゃあですね、さっきレイモンド・スコットの話が出たので…これはなんだったっけ…「たまこまーけっと」という京都アニメーションのテレビアニメ。

H:あ、京都アニメーション…んー。

O:で、作った"商店街のピンチ"という曲があるんですが…まぁ、僕が普段ここでかけてるような音楽ですね(笑)

H:聴いたことないんだよな。楽しみ。

 

 

商店街のピンチ - 片岡知子

(from『Snappy Music Around of Tamako: TVアニメーションたまこまーけっと」オリジナル・サウンドトラック』) 

 

 

H:いやいや、おもしれぇ。

O:(笑)

越:(笑)

H:やっぱり、アニメーションに合うんだろうね、こういうの。

O:そうですね。こういうのをいっぱい作ってましたね。

H:んー、いっぱいありそうだな。でもこれ、生だよね?

O:生ですね。放っておくと全部生に差し替えるんで…

H:すごいね(笑)

 

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H:トモちゃんって…音楽教育されてるわけだね、じゃあ。

O:小っちゃい頃にピアノ…ピアノと作曲を習っていて。

H:あ、すごい。作曲を習うかね。

O:ピアノはずーっと習ってて…で、高校からバンドでベースを弾いたりとか。

H:ほう、高校からもうやってたっけね。インスタント・シトロン(Instant Cytron)じゃないよね?それ。

O:その頃はまた別ですね。で、シトロンで1995年にメジャーデビューするんですけど、その頃にアレンジとか習ったりしてたみたいですね。

H:あ、そうなんだ。

O:ストリングスとブラスのアレンジはがっつり決めて、ドラムとかはわりとヘッドアレンジで自由にさせるっていう。

H:んー。いや、すごい…職人さんっていうか…(笑)

O:(笑)

H:得ることが多かったでしょうね、岡田くんも。

O:そうですね、ホントに…まぁ好きなものもかなり被ってたんで。

H:うんうん。いやー…そうとは知らず(笑)

O:(笑)子ども番組とかでこういうのを結構差し込んでたんで…こういうのを聴いて育ったお子さんたちが…

H:知らず知らずレイモンド・スコットが刷り込まれて…(笑)

O:種は蒔いてるんで…おもしろい子たちが出てくるといいんですけどね。

H:そういうことなんだな。不思議なことだ。去年のニューヨーク[公演]に一緒に来てくれたじゃない。

O:ええ。

H:あの頃はまだね、こんなことになるとは思ってない頃ですよね。

O:んー、でもあの頃ってもう、いちばん最初に言われた余命宣告を過ぎてたんですよね。

H:え!そうか…よく来たね。

O:あの後…去年の11月はユトレヒトまでレコードフェアに行ってるんで…

H:あ、そうだよね。

O:まだまだ…ホントに、今年の8月くらいまでは元気に…

H:ね。9月に歌入れやってたんだからね。いやー、今年はね東くん(東榮一)もバイバイして…実はまだラジオでは正式に言ってないけど、7月15日に僕の母親がやっぱり旅立っちゃったんですよね。97歳でしたけど。だからね、2020年、大変な年ですね。

O:ね、ホントに。

H:じゃあ…なるべくいっぱい聴きたいもんだな。次もなんか…聴きたいですね。

O:じゃあですね、"Jacques-In-The-Box"という曲を。

H:うん。

O:これは「スキマの国のポルタ」という荒井良二さんが原作の絵本があって。それのアニメにつけた音楽です。

 

 

Jacques-In-The-Box - 片岡知子

(from『「スキマの国のポルタ」オリジナル・サウンドトラック』) 

 

 

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H:トモちゃんはパソコンでも作るんでしょ?

O:はい。こういうのはLogicで。

H:あ、Logic使ってるんだ。

O:基本的にはLogicでしたね。

H:頭がいいんだな(笑)

O:そんな…(笑)

H:えー…インスタント・シトロンの音もあるよね?

O:ありますよ。

H:じゃあそれはあとで聴かせてもらって…ちょっとここでミハルちゃん、ね、ほっとくとアレだから(笑)

O:(笑)

越:はい。ちょっと待ってください、いま出すので…

H:どうぞ。待ちましょう。

越:ちょっと…結構待ってください。

O:(笑)

H:結構待ちますよ(笑)

越:休憩、休憩しててください…

H:休憩。

 

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡

 

越:はい。

H:お、じゃあね、えー…

越:あ…

H:あ?(笑)

O:(笑)

越:あれー…?(笑)

H:「あ」とか「あれ?」とか多いんだよな…

越:これだ……"ズビズビズー(Zou bisou bisou)"。

H:はい(笑)待ってました。誰がやってるんでしょう?

越:ルネ・コンビアンとオーケストラ(René Cambien et son orchestre)。

H:"Zou bisou bisou"なんて、僕は小学校以来聴いてないんじゃないかな?

越:ね、懐かしい。日本の人もカヴァーしてたんですか?

H:日本の歌手が歌ってたんだね。誰か忘れちゃったけど。

 

 

Zou bisou bisou - René Cambien et son orchestre

 

 

H:これに歌で…♪ズビズビズー、っていうね。

越:うん、ソフィア・ローレンSophia Loren)とか。だいたい1960年代ですよね。数年前にムーラン・ルージュ(Moulin Rouge)…クレイジー・ホース(Crazy Horse Paris)の映画ありましたでしょ?ドゥクフレ(Philippe Decouflé)が演出してる…

H:そっちのほうね。

*2012年公開の映画『Crazy Horse(クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち )』。パリの老舗のナイトクラブの舞台裏を描いたドキュメンタリー作品。「ムーランルージュ」も「クレイジー・ホース」もお店の名前です。

越:パリでも観たんですけど、この曲を使ってクレイジー・ホースのダンサーが踊ったりして…すごいかわいらしかった。

H:なるほど。どうなんでしょうね?…なにが?(笑)

O:(笑)

越:(笑)

 

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H:ミハルちゃんはトモちゃんとは…そんなに親しくなかったっけ?

越:あの…ね、一度、帽子を…(笑)

O:(笑)

H:どうしたの?

O:帽子の貸し借りが。

越:トモちゃんがライヴをするんで、テンガロンハットをね。

O:お借りしました(笑)

H:あ、そうなの。

越:白いテンガロンハットを…(笑)

H:そういえば…音くん(福原音)。

O:はい。

H:前、この番組に出た学生さんね(笑)最近会ってないんで…

O:一昨日会いましたよ。

H:ね。会ってないと思ったら、岡田くんの家にしょっちゅう行ってるっていう…(笑)

O:一昨日帰ってきて、東京に。会いました。

H:で、なんかトモちゃんもすごく、音くんと…通じるものがあったっていうね。

O:そうですね、なんか…音くんも結構、トモちゃんが音楽やってたようなものをめちゃくちゃ観てて。

H:あ、そういうことか。

O:あとは僕らがやってた「バーディー(南の島の小さな飛行機 バーディー)」とか…

H:「バーディー」!「バーディー」観てたんだね。

O:「バーディー」は、友達の中では見てる人がほとんどいなかったらしくて…(笑)

H:やっぱりね(笑)

越:(笑)

O:隠しネタのように僕、言われて…(笑)「「バーディー」っていうのがあって…」って。「音楽がすごい良かった!」って言われて。

H:(笑)

O:いや、作ってたよ!って(笑)すごい驚いてましたけど。

H:そうか、知らなかったんだね。

O:他も…妹ちゃんが2人いるし、トモちゃんが音楽やってるものを結構、実は観てて。気にしてないうちに刷り込まれてて。

H:刷り込まれてる世代ね。はー…そういうことがあるんだね。おもしろいなぁ。なんかグルグル続いてるよね。

 

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H:じゃあ、音くんはもう、そこに住みこんじゃうんじゃないの?岡田くんのとこに。

O:いやいや…(笑)

H:だいたい、岡田くん、一人暮らしに慣れてないんじゃないの?

O:慣れてないですよ。

H:でしょう?どうしよう。

O:僕、いま初めて一人暮らししてるんですから…(笑)

H:そうか…まぁ、慣れるけどね。まだダメだね。2週間じゃあね。

O:そうですね。もう、なんかね…グスングスンしてますよ、家では。

H:今、してもいいよ、別に。

O:(笑)

H:あのー…仕事してる?

O:仕事してますよ、ちょこちょこ。

H:あ、それはもう、仕事したほうがいいよね。気が紛れるよ。

O:うん。そう思って…

H:で、いまも僕から頼んでることあるもんね、そういえば。

O:そうですね。はい。

H:えー…じゃあ、きょうはラジオでトモちゃんの曲をかけて、思い出に浸る晩になりますけど。

O:はい。

H:またかけてくれますか?じゃあ。

O:じゃあ、インスタント・シトロンで…これは1995年のアルバムですけど、"MARCHIN' IN THE RAIN"という曲を。

H:うん。

 

 

MARCHIN' IN THE RAIN - Instant Cytron

(from『CHANGE THIS WORLD』) 

 

 

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H:そうか、インスタント・シトロンも生が多いんだね。

O:そうですね。

H:歌声、キュートだよね。

越:うん、すごいかわいい。

O:しゃべり声もね、あんまり変わらなかったですけどね。

H:そうだね。もっと歌、大きくてもよかったね。90年代って引っ込めちゃうよね(笑)

O:(笑)

H:もっと聞きたかった。

越:でもなんか、今の時代にピッタリ。

H:これからだったかもしれない。

越:うーん…

O:ねー。

H:残念だよね。なんか、仕事を頼みたかった(笑)

O:(笑)

越:(笑)

O:ね、もっとアピールしておけばよかったですね。

H:なにしろね、トモちゃんはすごい忙しい、っていうイメージがあるの。

O:あー…たしかにね。

H:だからね、あー、なんか…岡田くんはヒマそうだな、と思って(笑)

越:(笑)

O:ガーン!(笑)

H:いやいや…(笑)だから頼めなかったね。どのくらい忙しかったのか想像できないけどね。

O:んー…でも制作に入っちゃうとすごい集中するんで…

H:うんうん。

O:食べるのも忘れて…っていう感じですね。

H:あらまぁ…やっぱり身体壊すかなぁ、そういうことやってるとなぁ…

O:もう最後…どこまで仕事をやるかっていうのはすごい問題でね。

H:うんうん。

O:でも、「音楽作ってると死ぬのを忘れる」っていう風に言ってたんですよ、ホントに。

H:すごい話(笑)

O:楽しいから…集中してるから、なんか、このまま行けるんじゃないか、っていう感覚があったみたいで。

H:あー、なるほどね。

O:で、ギリギリまで…量は減らしてもらったんだけど、時間に余裕のあるやつを振って頂いて。

H:やっぱり、アニメーションが多いわけでしょ?

O:そうですね。子ども番組のものが多いですね。

H:そういう業界の中ではいちばん忙しそうだったような気もするなぁ。

O:相当忙しかったでしょうね。

H:わりとそういう人材は限られてるもんね。うん。

O:んー…

H:あの…いちばん子どもたちが聴いてた音楽、かけてよ。

O:なんだろうなぁ…いちばん聴いてたのはたぶん、「みいつけた!」のオープニングテーマでしょうね。

 

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H:あー、そうか。じゃあ2番目でいいよ。

O:2番目か…じゃあですね、すっごい元気なやつですけど。

H:うん。

O:最後に…8月に完パケた…

H:お、最新作だ。

O:最後に自分が手掛けた…アレンジまで全部やったやつがあるんで。

H:それはぜひ聴かなきゃね。

O:"マンボ831"って言うですね…(笑)

H:"マンボ831"。

O:これは「みいつけた!」のCDにも入ってます。

H:じゃあ、これが最後の曲になりますね、きょうの。それを聴きながら…岡田崇くんでした。

O:ありがとうございました。

H:コシミハルでした。

越:ありがとうございました。

H:じゃあまた来週。

 

 

マンボ831 - おこんさん (池谷のぶえ)

(from『NHKみいつけた!ヤッホー』)

 

 

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