2022.05.01 Inter FM「Daisy Holiday!」より

手作りデイジー🌼#32

 

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 (以下、すべてH:)

  

 はい、細野晴臣です。こんばんは。早くも5月ですね。今年は桜も早かったし、新緑の時期も早かったしね。雨が続いたり。不思議な天気です。この月初めの手作りが始まって…もう2年以上経つんじゃないかな。どんどんどんどん深みにはまってきてまして、ついに今回は1972年から1973年の間に体験したはっぴいえんどから見た音楽の世界を紹介していきたいと思います。

 

 はっぴいえんどアメリカでレコーディングをしたのが1972年でした。その頃、頭の中にはまだバッファロー・スプリングフィールドBuffalo Springfield)とか。そういったロサンゼルスを中心とした音楽があったんですけど、このアメリカのレコーディングを境に…帰ってきてからいろんな発見があったんですね。その中でもいちばん大きかったのがアラン・トゥーサンAllen Toussaint)という存在です。これは1971年にザ・バンド(The Band)が『Cahoots』で発表した"Life Is A Carnival"という曲、そのホーンセクションがアラン・トゥーサンだったという…これは誰だ?と。同時期にリトル・フィートLittle Feat)も取り上げていたし。レコーディングで一緒だったヴァン・ダイク・パークスVan Dyke Parks)の…日本に帰ってきてよく聴いたアルバムが『Discover America』で、その中にトゥーサンの曲が2曲入ってたんですね。

 まぁそういうわけで。その最初の出会いですね。ザ・バンドの『Cahoots』。その中から"Life Is A Carnival"。1971年です。

 

      

Life Is A Carnival - The Band

(from『Cahoots』)

 

 

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 さて。そのアラン・トゥーサンの曲で"On Your Way Down"という。これを初めて聴いたのがリトル・フィートの1973年のアルバム『Dixie Chicken』に入っていました。それに続けてアラン・トゥーサン本人の歌声を聴いてもらいます。それが1972年に発表したんですね。続けてですね、繋いだんですけど…リー・ドーシー(Lee Dorsey)のヴァージョンがあって。これが1973年なんですけど、なぜかオケが一緒だったので繋ぎやすかったんです。これはラジオをやってないとわからないことだったんですね。では3曲続けて…繋ぎ目を聴いてください。

 

      

On Your Way Down - Little Feat

(from『Dixie Chicken』)

 

       

On Your Way Down - Allen Toussaint

(from『Life, Love And Faith』)

 

      

On Your Way Down - Lee Dorsey

 

 

 

この声がリー・ドーシーなんですね。このリー・ドーシーは1961年からずっとアラン・トゥーサンの曲をヒットさせた重要人物なんですけど、ニュー・オーリンズの代表格と言えるシンガーです。

 

 

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 次の"Occapella"という曲。これを知ったのはヴァン・ダイク・パークスの『Discover America』に入っていたからなんですね。オリジナルのリー・ドーシーと繋げてあります。これは1970年の発表ですね。

 

      

Occapella - Van Dyke Parks

(from『Discover America』)

 

       

Occapella - Lee Dorsey

 

 

コーラスでアラン・トゥーサンの声が聞こえますね。

 

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 次に、"Yes We Can"というヒット曲があります。これはポインター・シスターズ(The Pointer Sisters)で1973年に大ヒットしましたが、オリジナルはリー・ドーシーが1970年に発表したものです。これは後にバラク・オバマ大統領が使ったフレーズでもありますね。これももちろんアラン・トゥーサンの曲なんです。では、"Yes We Can"。

 

       

Yes We Can - Lee Dorsey

 

 

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 1973年に出た『Gumbo』というアルバム。ドクター・ジョン(Dr. John)です。ジェリー・ウェクスラー(Jerry Wexler)という有能なプロデューサーの下で作られたこのアルバムにはすごい影響力があって、大瀧詠一くんと僕で深く聴きました。その中からプロフェッサー・ロングヘアー(Professor Longhair)がオリジナルなんですけど、"Big Chief"。このオルガンは盟友のロニー・バロン(Ronnie Barron)が弾いてます。

 

      

Big Chief - Dr. John

(from『Dr. John's Gumbo』)

 

   

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 1955年に大ヒットしたのがウィー・ウィリー・ウェイン(Wee Willie Wayne)、またの名をジェイムス・ウェイン(James Wayne)というシンガーで"Travellin' Mood"。これはとても不思議な歌ですね。ドクター・ジョンのヴァージョンも続けて聴いてください。

 

       

Travellin' Mood - Wee Willie Wayne

 

       

Travellin' Mood - Dr. John

 

 

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Big Mac - Dr. John

 

 

 このようにドクター・ジョンのピアノの腕は素晴らしいです。このように弾ける人は本当にもういなくなったんじゃないか、と思うほど…ニュー・オーリンズのスピリットがあふれてますね。残念ながらいなくなって寂しい思いがします。そのドクター・ジョンとの出会いもあるんですが、そういうことを話していると時間がどんどん経っちゃうのでまた次の機会に…30分でまとめるというのは無理ですね。また別の機会を近々設けたいと思います。ドクター・ジョンのバッキングはミーターズThe Meters)、それからアラン・トゥーサンも色々関わってます。リー・ドーシーのバッキングもミーターズだったんですね。

 

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 最後の曲はまたドクター・ジョンで"Let's Make a Better World"。ではまた。Bonnaroo!

 

      

Let's Make a Better World - Dr. John

(from『Desitively Bonnaroo』)

 

  

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