2021.05.02 Inter FM「Daisy Holiday!」より

手作りデイジー🌼#20

 

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 (以下、すべてH:)

  

 こんばんは。細野晴臣です。ずーっと中学時代のポップミュージックをかけてきましたけど…ホントに広い世界で、豊かで。そこから抜けられなくなって、まだ中学時代を引きずってるんですね。中二病って言うんですかね?こういうの。そんなことはないね。中一病か。

 きょうはちょっと一息つく感じで…そうですね、思いつくままよく聴いてたムード音楽。そういうのをちょっとかけていきたいな、と。世間はゴールデン・ウィークだし。脳内ホリデーという感じで聴いて頂きたいと思います。たぶん、最後まで起きてられる方は少ないかもしれないですね。リアルタイムで聴いてる方はぜひ、寝ちゃってください。寝られる音楽なんです。

 それで3曲ずつくらい紹介しながら…解説はホントに少なく、タイトルだけ紹介しますね。最初はベルト・ケンプフェルト&ヒズ・オーケストラ(Bert Kaempfert And his Orchestra)。これは1960年代、日本の人もよく聴いてましたよ。その中からコーラスが素晴らしい"Nothing's New"。そして2曲目はおなじみのスリー・サンズ(The Three Suns)で"Delicado"。3曲目がですね…リチャード・ハイマン&ヒズ・オーケストラ(Richard Hayman And his Orchestra)で"Eyes Of Blue"。この曲は『シェーン(Shane)』でよく使われていたメロディですね。

 

 

Nothing's New - Bert Kaempfert And his Orchestra

 

 

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Delicado - The Three Suns

 

 

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Eyes Of Blue - Richard Hayman And his Orchestra

 

 

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 それでですね…つい、解説が入っちゃいますけど。いま聴いて頂いた"Eyes Of Blue"。これの元は1953年に…僕も観に行きましたけど、西部劇の『シェーン』という映画。これに使われていた音楽なんです。いま流れているのがそのサウンドトラックです。これはヴィクター・ヤング(Victor Young)が作ったんですが、元は"Put Your Little Foot"というフォークダンスの民謡なんですね。19世紀にはさらにその原型というのがあって…"Varsouviana"という。ホントにこれは踊るための音楽ですね。19世紀から今に至るまで続いているという。まぁそれでも、もう途切れましたけどね。20世紀は終わったので。

 

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 その"Eyes Of Blue"を1953年当時、雪村いづみさんが歌っていたのを僕は聴いてたんです。その歌をまず聴いてもらってですね…その後は、列車の音楽。ザ・コロンビア・オーケストラ(The Columbia Orchestra)という、これはホントにあるのかわからないオーケストラですが。ノヴェルティのセミクラシック、"Running Off the Rails"という曲ですね。それに引っかけてですけど、"The Trolley Song"。これはジュディ・ガーランド(Judy Garland)の映画の中で歌われていたものです。ガイ・ロンバード&ヒズ・ロイヤル・カナディアンス(Guy Lombardo & his Royal Canadians)というすごく有名なダンスバンドだったんですが、アメリカで大ヒットしてましたね。

 

 

Eyes Of Blue - 雪村いづみ

 

 

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Running Off the Rails - The Columbia Orchestra

 

 

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The Trolley Song - Guy Lombardo & his Royal Canadians

 

 

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 この"Trolley Song"、1944年の映画『若草の頃(Meet Me in St.Louis)』でジュディ・ガーランドがトロリーの中で歌ってかなり有名になった曲です。

 

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 さて、最後の2曲。最初の曲はですね…これもまた映画音楽のテーマミュージックなんですけど、フランス映画。1955年の作品で『現ナマに手を出すな』という名前でした。『Touchez pas au Grisbi』という原題ですね。ジャン・ギャバン(Jean Gabin)主演、リノ・ヴァンチュラLino Ventura)とかね。日本でもかなり大ヒットした映画で、そのテーマミュージックが"グリスビーのブルース(Le Grisbi)"。ジャン・ヴィエネル(Jean Wiener)という人の作品なんですが、これはスリー・サンズで大ヒットしました。そして最後の曲。これもまた映画音楽なんです。1960年に封切りされて…僕は観てないですけど。その音楽が大ヒットしました、"The Sundowners"というタイトル。作曲ディミトリ・ティオムキン(Dimitri Tiomkin)です。演奏は101ストリングス(101 Strings Orchestra)。

 

 

グリスビーのブルース(Le Grisbi) - The Three Suns

 

 

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The Sundowners - 101 Strings Orchestra

 

 

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2021.04.25 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:はい、こんばんは。細野晴臣です。きょうはホントに久しぶりに…来て頂きました。くるりの岸田くん。いらっしゃい!

岸田:はい、どうもー。ご無沙汰しております。

H:何年振りかね?

岸田:もう、ずっと会ってないですよね。

H:そうね。前来てもらったときは自分のオリジナルのクラシックスコアの…そのとき以来だよ、だから。

岸田:あ、そっかそっか。そのとき以来ですね。

H:ずっと京都だよね?

岸田:そうですね。京都でこもってるんで…なかなか。

H:京都も行きたいのになかなか行けないんだ。どう?京都は。人は?

岸田:やっぱし、インバウンドがいないので…観光、スーツケースの人がいなくなったというだけで、場所によってはずいぶん人が減った印象があるのと…

H:だろうね。

岸田:京都市の人口動態みたいなものをこないだ調べたんですけど。

H:うんうん。

岸田:ずーっと横ばいやったんですけど、外国の人が帰ったのか、ちょっと減りましたね。2年で2万人ぐらい減ってますね。

H:随分だね。

岸田:やっぱり人口が減ってるんだなぁ、と思って。細野さんは最近行きたいところとか…?

H:んー、もう外国はね、ちょっと諦めてるね。

岸田:あー、まぁしばらくはね。そうですよね。

H:色んな条件が必要になってくるじゃん。

岸田:ワクチンパスポート的な。

H:めんどくさいじゃない、そういうのね。

岸田:そうですね。たしかに…じゃあ国内やったら温泉ですかね?やっぱり。

H:温泉は行きたいね。

岸田:温泉行きたいですね、行きましょう今度。前行きましたもんね。

H:行った行った(笑)あれはいいところだったね。

岸田:いいとこでしたね。東北の…

H:秋田のほうだね。

岸田:乳頭温泉。行きましたね。虹が出てましたよね。

H:出てたねー(笑)

岸田:露天風呂で虹、最高ですよね。

H:平和な時代だよなぁ(笑)

岸田:平和ですよ(笑)たまに思い出すんですけどね。そうですね、東北の温泉行ったから次は…南九州とかね。

H:あ、いいね。

岸田:あっちもいい温泉多いですからね。食べ物おいしいし。

H:そうだよね。

岸田:南九州はね…私は鹿児島が好きで。

H:うんうん。

岸田:自分もカヴァーとかしたんですけど…鹿児島の民謡というんですかね、おはら節。

H:あー、おはら節ね。有名だ。

岸田:あの歌が好きで。「おはら祭」とかやってるんですよ。

H:そういうの行ったんだ。

岸田:やっぱり九州の端っこやから、エキゾチックな感じがするというか。

H:どことなくね。やっぱり南国なんだね。

岸田:そうですね。あと、最近の若い人たちは普通の言葉をしゃべらはるけど、ご年配の方は…

H:あー、独特の言葉だもんね。

岸田:そうそうそう。西郷さん(西郷隆盛)時代の隠語と言うんですかね?暗号みたいになった言葉というか…

H:そっか。そういうの知ってるんだ?

岸田:いやー、僕もぜんぜん知らへんかってんけど…前、うちに付いたレコード会社の宣伝の人で鹿児島の人がいて。鹿児島弁でこれはこういう意味や、みたいなことを教えてくれたんですけど。

H:へぇ。そういう人いないなぁ、周りに。

岸田:で、くるりでライヴ…わりと毎回行くんですけど。

H:あ、鹿児島でやってるのね。

岸田:結構ね、くるり

H:人気あるんだね。

岸田:うん。鹿児島と青森はいつも盛り上がるんですよね。

H:南と北で…おもしろいな。

岸田:で、温泉がいいですね、やっぱりね。

H:前、清志郎忌野清志郎)に連れられて行ったところはよかったなぁ。

岸田:どこですか?

H:もう忘れちゃったな。妙見かな?

岸田:あー、妙見のほうね。ありますよね、いくつか。あとは霧島のほうとか。

H:そうそうそう。で、やってるのが独特な人で色んなもの作っちゃうんだよね。小屋とか温泉とか。自分で広げてっちゃう。

岸田:そういう人いますよね。

H:顔がどうしてもね、「隼人系」と思っちゃうんだけど…隼人というのは海の人たち。

岸田:はい。

H:そういう人は鹿児島、多いと思うんだけど…そういう興味がすごいあるね。

岸田:うんうん。じゃあちょっと次は南九州の温泉に行って。

H:ね、そうしよう。

 

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H:ということで…前振りが長くなっちゃったけど(笑)

岸田:はい(笑)

H:アルバムが4/28に。

岸田:そうです。

H:いつ作ってたの?これ。

岸田:これね…実は2017年ぐらいからダラダラと録りためていたというか。部分録りして放置してあったようなものをちょっとずつ作っていったみたいな感じで。

H:うん。

岸田:去年の夏ぐらいからそういうものを組み立てて、録音して。ポストプロダクションというか。

H:『天才の愛』という。いいタイトルだ。

岸田:はい。ちょっと大それた…

H:これはなんかあるんだろうね、意味が。

岸田:かなり適当に付けたんですけど…(笑)でもなんか「天才の愛」という感じがするなぁ、と。

H:へぇ…いいね。なんかベートーベンだね(笑)

岸田:あー…(笑)こういうこと言うと怪しいですけど、タイミングがめっちゃ合うとか。天才的な巡り会わせみたいなことってあるじゃないですか。

H:あるよね。うん。

岸田:かなり胡散臭いんですけど…ちょっと第六感めいたものというか。僕はとくにオカルト好きというわけではないんですけど、そういうものが好きな友達と話していたときに…松果体ってわかります?(笑)

H:おお松果体、出ました!オカルトだね(笑)

岸田:松果体の話になって…(笑)もしかしたら細野さんもそういう感覚持ってはるのかな、と思ったりするんですけど。

H:僕もオカルトは好きだけどね。最近はあんまり、表で話さないね。

岸田:僕もあんまり話さないですけど。松本さん、松本隆さんと…

H:あ、そうだ、京都の住民同士だ。

岸田:お話ししたときに"風をあつめて"の話になって。路面電車が海を渡るのを見たんです、とか。あれはゆりかもめなんだよ、とか。

H:…そうかい?(笑)

岸田:「摩天楼が衣擦れを起こす」のは、あのときは高い建物がなかったけど…

H:あ、じゃあ未来を予知してたわけだ。すげえ、それは初めて聞いた(笑)なるほどね。

岸田:そんなようなことを仰られていて。もちろんそれって「物は言いよう」という見方はあると思うんですけど…曲を書いてたり、歌詞もそうですけど、ちょっと予測変換めいたことってあるじゃないですか。

H:あるよね。

岸田:ドミナントモーションじゃないですけど、絶対こう解決する、とか。知らなくてもそういう風になって。人とのご縁もそうですし。なんか不思議なことが実現したりとか。

H:音楽やってるとそういうことあるかもね。

岸田:ありますよね。なんかそういうことを感じるような出来事というか。

H:そういうのがあったんだね。

岸田:そういうのがちょっと…小さいことからそれなりのことまで、色々感じることがあって。やっぱり天才はすごいな、みたいな(笑)

H:(笑)

岸田:なんだろう、天才が生み出してるそういう喜びとか。ゆで卵の殻をベロベロと剝いて、ペロンと中身が出てくるような感覚とか。

H:気持ちいいよね(笑)

岸田:そうそう(笑)それをどう言い換えて、どう表現したらいいのかな、と思ったときに…「愛」かなぁ、と思って。

H:あのね、岸田くんが天才なんだよ。

岸田:いやいや…(笑)

H:普通そんなことは考えない(笑)

岸田:別にそこまで考え込んでるわけではないんですけど…僕は天才というよりは変態のほうだと…(笑)

H:おんなじだよ(笑)

岸田:(笑)

H:さっそく聴かせて。『天才の愛』。楽しみ。なにがいい?選んで。

岸田:そうですね…じゃあ、ちょっと長いんでカットしてもらってもいいと思いますけど…あ、こっち行こう。"I Love You"という曲を…すみません(笑)

H:オッケー(笑)

 

 

I Love You  - くるり

(from『天才の愛』)

 

 

H:ほほう…感じが変わったよね、やっぱり。この1年ぐらいで。

岸田:まぁそうですね、こもってるんで…(笑)

H:こもってたならではの…プログラミングやるんだね。

岸田:はい、そんなことばっかりやってました。

H:音像がすごく、今の感じに合うね。

岸田:ちょっと変わったコード進行というんですかね。

H:おもしろいね。

岸田:最初ギターでやってて…そのコード通りにやってるんやけどなんか響きが気持ち悪いな、ということになって。どないかならんかな、と。ちょっと検証したんですよ。そしたら…最初にデモを作ったときに打ち込みでパパッと作ったんですけど、5度の音がちょっと音痴というか、気持ち悪くて。気になってきて、古典調律みたいなのを調べ出して。

H:いやいやいや…行っちゃってますね(笑)

岸田:で、佐藤(佐藤征史)と2人で…これ、純正律でやったらどうなるのかな、みたいなことをやり出して。

H:そうなんだ。純正…バッハ以前の、ということね。

岸田:そうですね。ほんなら、あるコードは気持ちよく響くんやけど移動したら気持ち悪い、とかなって。今はいろんな調律をプリセットで[再現]できるソフトがあるから、聴いてみたら…ここはこれがよくてここはこれがよくて、みたいな。

H:あ、パートで作り上げたんだ。

岸田:それを曲中で変えたらちょっと面倒だから…マリンバみたいのが入ってるんですけど、マリンバのあるフレーズを5つぐらいのトラックに分けて。

H:へぇ。

岸田:で、ここはホ長調の純正、ここはピタゴラス音律とか。色々組み合わせて…

H:すごいな、それ…そんなこと考えてる人いないけどね、最近(笑)

岸田:ギターもCの形で押さえて…バッハが昔使っていたヴェルクマイスターという調律があって。

H:あー、聞いたことはあるけどよく知らないな(笑)

岸田:それでCを弾いたら、Cだけでめっちゃ感動したんですよ。

H:そう?ちょっと興味あるね。

岸田:C弾いて、次C/G弾いて、G7いってCに戻ったら、もうそれだけで…

H:出来ちゃったんだ。

岸田:うん。感動して…これはちょっと、平均律を疑おう、ということになって。

H:おもしろいなぁ。でも聴いてるとそういうのは全然…普通に聞こえるというか。

岸田:そうですね(笑)無駄な努力かもしれないですけど…

H:いやいや。きっとそうやってうまく調整してるから自然に聞こえるんだろうね。

岸田:なんか、そういうことばっかりやってました。時間あったんで。

H:深いね。時間があるっていうのはそういうことだな(笑)

岸田:そうですね(笑)

H:いや、おもしろい曲だなと思って。メロディとかね。あんまり聴いたことがないよね、他では。なるほど…これが"I Love You"というタイトルね。

岸田:あんまり"I Love You"っぽい曲でもないんですけど、一応。

H:なんとなく…音楽って全体像で聴いちゃうから、ふんわーって気持ちよかったんで…それはタイトルのせいもあるかもね。

岸田:ありがとうございます。

 

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H:音作り…ミックスとかは自分でやるの?

岸田:ミックスはある程度のところまでは自分たちで…こういう感じかな、というのはやって。この曲だけは京都に住んでるエンジニアにやってもらって。他はウィーンに住んでるディーツ(Dietz Tinhof)という人がいるんですけど。彼とリモートで。

H:リモートで。なるほどね。

岸田:でも、彼とリモートでやるということ自体は以前もそうやってたんで。

H:あ、そうか。それはいい方法かもしれないね。いやいや…そうだったんだ。1年というのはいろいろ変化があるね、今。

岸田:そうですね、いろいろね。なんか、新しいのとか作ってないんですか?今。

H:えーとね…いまNetflixで上映中の『彼女』という映画の音は1曲作ったの。エンディング用に作ってくれ、みたいなね。テーマ的な。インストですけど。

岸田:うんうん。

H:出来てみたら[劇中の]あっちこっちにそれが使われてるような感じだね。まだちゃんと見てないんですけど(笑)

岸田:そっかそっか。

H:それが今の最新作かな。なんかね、昔…1970年代、80年代にやってたアルバムがアナログ化されて。「レコードの日」みたいな日があるんでしょ?そこに向けていろいろ、いっぱい出るのね。

岸田:はいはい。

H:それのマスタリングとか。そういうことが忙しいね、今。

岸田:結構、チェックして色々やってたら手間かかりますもんね。マスタリングはご自身でやられるんですか?

H:お任せしちゃうこともあるし、これはやりたい!というのがあるんで、そういうのは…プリマスタみたいなことはやってね。

岸田:iZotopeとか使われます?Ozoneとか。

H:使うねぇ(笑)

岸田:あれ、すごいですよね…

H:今聴いた音、それ使ってるなと思ってたんだけど…(笑)

岸田:ありがとうございます(笑)初めてとかではないんですけど…さっきの曲とは他の曲が結構、音圧があるんで。アルバムやし、[音圧を]稼がなあかんから…どうやって上げようかな、というところで。まぁOzoneでしょうな、ということは思ってて。

H:なるほど。

岸田:で、エンジニアさんと話してて。新しい…ヴァージョン9ですかね?

H:うん。

岸田:それの…いくつかプリセットのパターンあるじゃないですか。

H:あるね。もうプリセットしか使わないけどね(笑)

岸田:僕もそうなんです…(笑)それがすごかったですね。

H:新鮮だよ、最初聴いたときどれもよくて。

岸田:すばらしいなぁ、と思って。僕はあんまり機材とか興味ないほうなんで。

H:まぁ僕もそうなんだけど…いい音は作りたいじゃん。

岸田:作りたい!

H:おんなじだよ(笑)

岸田:そうなんですよ(笑)で、たまたま京都のエンジニアさん…谷川さん(谷川充博)というんですけど。昔の機材オタクで。

H:それもいいんだよね。

岸田:ベースとかも…佐藤さんが家で録ってきたやつをリアンプしたりとか。そういうのもしてくれはったんですけど。D.I.もMotown D.I.使ってはったりとか。アウトボードも実機で揃えはる人なんですよね。

H:おお、マニアックだ。そういう人いるといいね。

岸田:そうなんですよ。だいたいそういう…マイクプリとかも昔のやつのリイシューに手を加えてやってはる人で。

H:手を加えられるというのがいいね。

岸田:で、僕はそういうのさっぱりだから、あー、いい音ですねー、って言ってたんですけど。Ozoneが登場してきたときにうわー!と思って。

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H:うんうん…機材の話が続いちゃいますけど(笑)

岸田:すみません(笑)

H:音楽、聴きましょうよ。

岸田:はい。細野さんに聴かせて…いろんなんあんねんけど…打ち込みっぽいのかロックっぽいのか、どっちがいいですかね?

H:打ち込みっぽいのはちょっと聴いてみたいなぁ。1曲目がそんな感じだったし。

岸田:そうですね。じゃあ…女の子がね、歌ってくれてる曲があって。これ打ち込みっぽいので。

H:はい。

岸田:じゃあね、四国の電車の歌なんですけど。"コトコトことでん"という曲があって。

H:かわいらしい。

岸田:聴いてください。

H:はい。じゃあ、これが最後の曲で…また出てください。

岸田:ありがとうございます。

H:くるり岸田繁さんでした。

岸田:どうもー。

 

 

コトコトことでん - くるり feat. 畳野彩加

(from『天才の愛』)

 

 

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2021.04.04 Inter FM「Daisy Holiday!」より

手作りデイジー🌼#19

 

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 (以下、すべてH:)

 

 

 はい、細野晴臣です。1ヶ月は早いですね。4月4日ですか、もう。桜も早かったなぁ。なんか急いでる感じで。去年はわりとのんびり咲いていたような気がするんですけど。人が少なかった所為でしょうかね。まぁ、そういう世間とはちょっと距離を置いて、音楽を楽しんでいきたいと思います。

 きょうは前半に…チェンバロですね。ハープシコードとも言う。バロック音楽でよく使うあの楽器がいかにロックやジャズに合うか、という。それを聴いていきたいと思います。で、最初にフロイド・クレイマー(Floyd Cramer)。前回かけた"On The Rebound"の次の年に大ヒットしました、"Hot Pepper"。

 

 

Hot Pepper - Floyd Cramer

 

 

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 ジャズ界で最初にやったのはたぶん、アーティ・ショウ(Artie Shaw)なのかもしれないんですけど。アーティ・ショウのスモールバンド、グラマシー・ファイブ(Gramercy Five)の演奏で…1941年にヒットしました、"Summit Ridge Drive"。

 

 

Summit Ridge Drive - Artie Shaw and his Gramercy Five

 

 

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 1951年に大ヒットしたローズマリー・クルーニー(Rosemary Clooney)の"Come On-A My House"。このチェンバロのブギがすごいですね。スタン・フリーマン(Stan Freeman)が弾いています。プロデューサーはミッチ・ミラー(Mitch Miller)ということで…では、"Come On-A My House"

 

 

Come On-A My House - Rosemary Clooney

 

  

今、アメリカで横行している「キャンセル・カルチャー(cancel culture)」というのがあるんですけど…それを恐れずにかけています。

 

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 ところで、チェンバロでブギを弾く…なんてことはスタン・フリーマン以外にはできないですね。硬い鍵盤なので。"Come On-A My House"の大成功ということもあって、翌年にミッチ・ミラーとまた組んでレコーディングしてます。"Horn Belt Boogie"。

 

 

Horn Belt Boogie - Mitch Miller with Stan Freeman

 

 

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 さて、ここからはですね…ブルース・ルンバとかマンボ・ブギという、ラテンの影響を受けたリズム&ブルースの歴史をちょっと…ちょっとだけですけど、紐解いてみたいと思います。1940年代ぐらいからジャンプ系の音楽ではそういうことがあったんですね。カリプソとかルンバとか。でも、非常に有名になったきっかけは1952年の"Hound Dog"という曲です。ビッグ・ママ・ソーントン(Big Mama Thornton)の歌でヒットしました。このリズムが大反響を呼んでみんなカヴァーしたんです。そのきっかけというのがジョニー・オーティス(Johnny Otis)というロックンロール界のゴッドファーザー。その人が17歳の2人の少年たちに曲を依頼したんです。「ビッグ・ママ・ソーントンのために新しい曲を書いてくれ」と。その2人の名前は…リーバー&ストーラー(Jerry Leiber & Mike Stoller)というビッグネームになった人たちですね。それで"Hound Dog"が出来て、いざレコーディング…というときに、「なんかリズムが違うんで…ジョニー・オーティスさん、あなた叩いてくださいよ」ということで。ジョニー・オーティスがドラムを叩いたらすごく良い出来になったという…これが"Hound Dog"。そして、そのアンサーソングでルーファス・トーマス(Rufus Thomas)が"Bear Cat"という曲を歌っているのを、両方いっしょに重ねてみました。

 

 

Hound Dog - Big Mama Thornton

 

 

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Bear Cat - Rufus Thomas

 

 

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 そのジョニー・オーティスがやった、「史上初のロカビリー・マンボ」とも呼ばれているんですけど…まぁ、そうとも言えないんですけどね(笑)"Mambo Boogie"!

 

 

Mambo Boogie - Johnny Otis

 

 

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  先ほども言いましたけど、1940年代のジャンプスタイルの…ルイ・ジョーダン&ヒズ・ティンパニ・ファイブ(Louis Jordan and his Tympany Five)という。彼らがやっているカリプソ系やルンバ系がすごく良かったんですね。それを聴いてください。"Early in the Mornin"。

 

 

Early in the Mornin' - Louis Jordan and his Tympany Five 

 

 

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 これは1947年のレコーディングなんですが、だいたいこの頃にはニュー・オーリンズでもすごいことが起こっていました。プロフェッサー・ロングヘア(Professor Longhair)という…「ロックンロール界のバッハ」と呼ばれていますけども…(笑)プロフェッサー・ロングヘア、またの名をロイ・バード(Roy Byrd)の"Hey Little Girl"。

 

 

Hey Little Girl - Professor Longhair

 

 

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 ちょっとモードが変わって…次はですね、アーニー・フリーマン(Ernie Freeman)という人を紹介したいと思います。この人のことを一言で言うのは大変なので、解説に書いておきました。そのアーニー・フリーマンのセッションバンドで、"Jivin' Around"。

 

 

Jivin' Around - Ernie Freeman

  

 

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このレコーディングは1955年ですけど…この後、アーニー・フリーマンはすごい活躍しますね。サイモン&ガーファンクルSimon & Garfunkel)で"明日に架ける橋(Bridge Over Troubled Water)"の弦のアレンジをしたりとか。ボビー・ヴィー(Bobby Vee)のアレンジがすばらしかったんですけどね。

 

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 ここで1957年に参加するドラマーがアール・パーマー(Earl Palmer)です。"Teen Beat"。

 

 

Teen Beat - Earl Palmer

(from『Drumsville!』)

  

 

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 じゃあ次の曲がですね…レイ・オ・バックス(The Ray-O-Vacs)というヴォーカルグループです。"My Baby's Gone"。

 

 

My Baby's Gone - The Ray-O-Vacs  

 

 

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 きょうの最後の曲は…お口直しということで、プエルトリコのピアニスト、ジョー・ロコ・ヒズ・ピアノ・クインテット(Joe Loco His Piano & Quintet)で、"Why Don't You Do Right"。

 

 

Why Don't You Do Right - Joe Loco His Piano & Quintet

 

 

2021.03.28 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:こんばんは、細野晴臣です。久しぶりですね、テイ・トウワ

テイ:こんばんは、テイ・トウワです。

H:いつから会ってないかな?去年会ってないんじゃない?

テイ:会ってないです、丸々。

H:新年会をやるつもりが…飛ばしちゃったんだよね。

テイ:そうですね。そこら辺から今の感じが始まって…なんもできなくなったという。

H:そうだよな。まぁ無事に過ごしたわけだね、1年。

テイ:そうですね、今のところ。

H:顔の色ツヤいいよね。免疫高そうだよね。

テイ:マジですか?(笑)免疫だけは高いと思いますよ。あ、健康診断しましたわ、こないだ。なんも問題ないって言われて。

H:したの?PCR検査もするの?そのとき。

テイ:PCRはその前の…大腸検査のときにしなきゃいけなかったですね。

H:そうなんだ。なんも問題がない?すばらしい。うらやましいな(笑)健康の秘訣はなに?

テイ:温泉じゃないですかね?

H:そうか。温泉は効くっていうしね、コロナに。

テイ:あ、そうですか?そういえば草津温泉がなんだか、って出てましたね。だって、あそこは釘を入れておくと1週間でなくなっちゃうという…

H:おそろしい(笑)

テイ:強酸性ですから(笑)

H:人間も危ないね。溶けちゃう(笑)

テイ:そうですね(笑)

H:じゃあきょうは…山のほうから来たのね?

テイ:はい(笑)空いてましたね、新幹線。

 

H:こないだね、高橋幸宏と久しぶりに会ったよ。

テイ:写真で拝見しました。

H:すごい元気そうだったんだよね。

テイ:そうですよね。言っていいのかな?一度退院なさって、お祝いということで…

H:そうだよね、それも知ってる。

テイ:はい。うちの向かいで…(笑)

H:近所だからね(笑)

テイ:うちの近くの最寄りのお店、4人でよく行くんですけど。そしたら…うちの家内と、きょうは飲まないでがんばろうね、って言ってたら、いきなり幸宏さんがシャンパン飲みだして(笑)

H:相変わらずだ(笑)

テイ:3杯飲まれてました。もう、僕のほうが先に…ちょっと帰っていいですか?みたいな。

H:元気だなぁ(笑)食欲もあるって言ってたし。見た目は会う前とぜんぜん変わらなかったな。

テイ:ちょっとお痩せになられてましたけどね。でもまた戻ってきてる…?

H:戻ってきてるね。

テイ:すごい生命力というか…よかったです、ホントに。

H:月に1回検診してるらしいから、そのときに会おうかな、と思って。

テイ:はい、ぜひ。

 

H:さて…テイ・トウワ。こないだ車でラジオ聴いちゃった。出てたでしょ?

テイ:出たりしますよ(笑)

H:特集やってたね。あの、なんていう人だっけ…宇多丸さん?

テイ:はいはいはい、えーとね…宇多丸かな?

H:(笑)

テイ:僕ね、歌麿って言っちゃって。「違います」って。宇多丸さんです、ライムスター(RHYMESTER)の。

H:宇多丸さんがいっぱいしゃべってて、テイくんがほとんどしゃべんなかったんだけど…(笑)

テイ:そうですね(笑)

 

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H:で、そのテーマがね、新作アルバム『LP』。ジャケットカッコいいね、相変わらず。

テイ:ありがとうございます。これは五木田智央先生で…コラージュなんですけど。

H:あ、そうなんだね。いいコンビですね。僕の『No Smoking』もやって頂いて…いま、原画を頂いたところですね。ありがとうございます。

テイ:今の、2回貼っといてください(笑)

H:2回ね(笑)

 

H:僕の『No Smoking』もやって頂いて…いま、原画を頂いたところですね。ありがとうございます。

H:僕の『No Smoking』もやって頂いて…いま、原画を頂いたところですね。ありがとうございます。

 

H:(笑)

テイ:そういえば、五木田くんの息子さんが中1になられて…敬語じゃなくていいのか、ゲンちゃんは。

H:(笑)

テイ:すごい、ベースにハマってて。

H:へぇ。

テイ:細野さんの…「神様」のをYouTubeでいろいろ見たりして、弾きまくってて。

H:ホント?なんでベースなんだろうね。不思議。

テイ:ベースにいっちゃいましたね。

H:最近そういう人多いよね、ベース多い。

テイ:お孫さんもそうですしね。

H:そうなんだよ。

テイ:絵を描いてたの辞めちゃって。

H:辞めちゃったの?大丈夫なの?(笑)

テイ:聴いてますかね、ゲンちゃん。

 

H:じゃあね、さっそく聴いていきましょうかね。『LP』から…やっぱり"HAPPY BIRTHDAY"かな?

テイ:「HAPPY」は付かないんですけどね。

H:あ、そうか(笑)ごめんね、"BIRTHDAY"。

テイ:(笑)

 

 

BIRTHDAY  - TOWA TEI

(from『LP』)

 

 

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H:おお…相変わらずだね。

テイ:いやー、神様の前で聴いてもらうのは恥ずかしい…申し訳ない気がするんですけど。大丈夫でした?

H:なんで(笑)いやいや、楽しい。

テイ:ゴウ・ホトダさんがミックスを。熱海でしてくれて。

H:そうなんだ。熱海なんだね。

テイ:シングルを先に出したんで、アルバムをやった後にまた…ゴウさんがちょっといじって。細野さんのヴォコーダーをちょっと下げたほうが、アルバムヴァージョンではいいんで、という。

H:シングルと違うんだね。下げられちゃったか(笑)

テイ:いやいや、ヴォコーダーを下げたんです(笑)

H:あ、そっかそっか(笑)

テイ:ちょっと生を多めに…大丈夫ですかね?

H:そうなんだ。いいじゃん、もちろん。

テイ:あ、よかったです。こないだ美雨ちゃん(坂本美雨)に会ったときに、"BIRTHDAY"を聴いて「あれ、教授(坂本龍一)だ」と思ったらしいんですよ。

H:あれ?ショック(笑)

テイ:近いけどなぁ、って。ショックですよね(笑)

H:いやいや(笑)でも、ヴォコーダーっぽいからかな?

テイ:そうですね、ヴォコーダーですね。きっと。なので、アルバムヴァージョンでは多少、ヴォコーダーが減っております。

H:なるほどなるほど。

テイ:ホントに僕…ベースを頼むのはもちろんおこがましい話なんですけれども。

H:いやー、そんなことないよ。

テイ:歌を頼むのは初めてで。

H:初めてだっけ?そっか。

テイ:ひと言ぐらいは…"GERMAN BOLD ITALIC"とか"LOVE"とか。

H:あー、あったね(笑)いやいや、入れてくれるのはうれしいですよ。忘れてくれてないな、と思って。

テイ:そんなことないですよ(笑)

H:いや、ホントに…(笑)もう忘れられてもおかしくないからね、今は。

テイ:いやいや…いっしょに歌ってるのはHANAちゃんといって…

H:その人のことを僕はよく知らないんですよね。

テイ:でも、お孫さんとかといっしょにステージに立ったでしょ?

H:そうなの?(笑)

テイ:イエローマジック…

H:あー、そうか、あのときの。あのすごく若い女性ね。

テイ:そうです。この時はまだ14歳とかで…最近15になって。

H:やっぱり1年、年取るんだね。

 

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テイ:そうですね。で、出来上がったときに気が付いたのは…細野さんはいま73でしたっけ?

H:はい、そうです。

テイ:HANAちゃんは15、僕は56…20代も30代も40代もいない(笑)

H:いないね(笑)

テイ:60代もいないんですけど…

H:ふしぎ。そういうことを考えたのは初めてだな。そうか、なるほど。

テイ:そういう意味では「HAPPY BIRTHDAY」かな、という。

H:そういうことだね。

テイ:はい。でした。

H:テイくんは誕生日だったの?

テイ:いや、全然(笑)

H:関係ないんだね(笑)

 テイ:でもホントまじめな話…いろんな人に言わせたいんでしょうね。コロナでどう変わりました?って。でもあんまり、大きな幹は変わってなくて。ずーっと在宅、30周年なんで。

H:(笑)

テイ:毎日、レコード買ったのが届いたりとか。

H:おんなじだ(笑)

テイ:それぐらいしか社会とのパイプがない気がして。心のどこかで…祝ったりも。

H:あー、そういう気持ちだったんだね。

テイ:スティービー・ワンダーStevie Wonder)ばっかりじゃなくてこの曲もどうですか?

H:そうだよな(笑)そういう気持ちね、わかるな。おんなじ気持ちがどっかにあるな、僕も。

テイ:あ、よかった。

 

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H:じゃあ、30周年の記念アルバムということなの?

テイ:まぁ去年が30周年で…いろいろ出来なくなっちゃったんですけれども。去年中に作って…10枚目なので。

H:まだ10枚目?これ。

テイ:そう、少ないですよね(笑)

H:そうだよ(笑)

テイ:やっぱ、YMOの本とか見てるとどんだけ?って思いますよね。

H:いやー、オリジナルアルバムはそんなもんかな。10枚くらいかな?YMOも。

テイ:でも細野さんのソロって…数えたことないけど、紛らわしいタイトルあるじゃないですか。あ、タイトルじゃないや(笑)ほとんど細野さんなんですけど、一応これはバンド扱い、みたいな。

H:あー、そういうときもあったね。

テイ:ありましたね。最近はソロですけど。

H:ぜんぶソロだね、最近は。

テイ:あれ、でもなんか…名前が出てこないですけど…

H:いいよいいよ、僕のことなんか。

テイ:いやいや…(笑)まぁでも[30周年で10枚は]全然少ないほうだとは思うんですけど。

H:たしかに。もっと出してるような気がしてるんだけどね。

テイ:いやいや…

H:じゃあクラブの仕事とかはもう、もちろんしてないね。

テイ:してないです、もう1年以上…新年会がなくなり、4月とかに決まってたイベントがぜんぶなくなって。

H:そうだろうね。

テイ:もうこの際、休止するのもおもしろいかな、と思って。DJの機能を。昔だとエクステンションを外したりできたじゃないですか、マックの。

H:…え、どういう意味?(笑)

テイ:システムの中から機能拡張っていうやつを…

H:ああ、そういうことね。軽くするためにね。

テイ:そうです。アンビエント・ドライヴァーを外す、みたいな。

H:そんなドライバはないよ(笑)

テイ:(笑)

H:そうかそうか。じゃあもう自分の部屋というか、自分のテリトリーでずっと作ってたんだね、これも。

テイ:そうですね。東京に来ることも本当に減ったので。

H:んー。でもいろいろ…作ることは多かったでしょ。メタファイヴ(METAFIVE)もなんかやってなかった?

テイ:やってますね。あと、順番が変わっちゃったんですけど、実はサントラもやりまして。

H:あ、そうなんだ。

テイ:10曲、オリジナルを作りました。

H:多いね。

テイ:細野さんが少ないんですよ(笑)

H:そっか(笑)

テイ:でも僕、細野さんの『万引き家族』って…いいんですかね?「万引き」って放送で言っちゃって。

H:いいんじゃない?映画のタイトルだから(笑)

テイ:『万引き家族』のドップラー効果みたいな曲とか。

H:あー、あれね。

テイ:曲というか、劇伴ですよね。ホントに効果的で。

H:へぇ。

テイ:あの、偉そうなことをすみません。

H:いやいやいや(笑)

テイ:少ないのが好きなんです、やっぱり。音楽が。

H:あ、音楽がね?映画の中で。

テイ:映画の中で。あれはだから10曲もなかったんじゃないですか?書下ろし。

H:そうなんだよ。で、映画を観たらすごく小っちゃかったしね(笑)

テイ:作った人はやっぱりそう思うものなんでしょうかね。

H:まぁ別にそれがイヤだとかではなくて。あ、小っちゃいなと思うだけで。これはこれでいいな、と。

 

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テイ:逆に日本の邦画とか…申し訳ないけど、音楽で会話が聞き取りにくい、日本語なのに。というのはありません?字幕が欲しくなるような。

H:あるね。字幕欲しいね、日本の映画も。テレビもそう。ドラマも。

テイ:で、これはまだ内容は言えないんですけど…新しく10曲作ったのと、今までの僕の曲がすごいいっぱい使われてて。それを全部ゴウさんにマルチを渡して。

H:ミックスね。

テイ:やっぱし、昔普通に2ミックスしたものじゃダメらしくて。

H:わかるわ。

テイ:セリフをセンターとかで聞かせるために位相を変えて。

H:映画の音はぜんぜん違うもんね。CDよりもいい場合があるけどね(笑)

テイ:違いますよね。いまはドルビーアトモスDolby Atmos)とか…

H:それなんだよ。使いたくてしょうがないんだけど、使えない。

テイ:あー、じゃあ…これはカットでもいいですけど、ゴウさんはドルビーアトモスを部屋の中に…多用してますよ。

H:自分ちにあるわけ?なんだ!今度頼もう(笑)あのシステムはね、自分で揃えられないよ、普通。

テイ:ぜひ細野さんもドルビーアトモス…やって頂きたいです。

H:やりたい。伝えといて。

テイ:言っときます。なんか、すごい営業されるんですよ(笑)

H:そうなの?(笑)

テイ:アトモスだとiPhoneとかでも再生できるから…とか。

H:そうだよね。いやー、いい情報だよ。やっと手掛かりがつかめた。どうしていいかわからなかったんだよね。

テイ:ゴウさんも見よう見まねで…ドルビーの人とやりとりしてやってますけど。何十個あるんでしょうね、モニター。

H:どこなの?場所は。

テイ:熱海の地下1階なんですけど…

H:熱海ね。行こうかな。

テイ:ぜひ。いい温泉ありますから(笑)

H:いいねぇ!いい話だ。ありがとう!(笑)

テイ:いやーよかったです、きょう来られて。ホントに。

 

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H:じゃあ音楽いきます。なにかけていいの?

テイ:なんでも。

H:じゃあ…さっきせっかく幸宏の話をしたからね。

テイ:いいですね。

H:幸宏の声が入ってます。なんという曲でしょうか。

テイ:"CONSUMER ELECTRONICS"。

H:おお!(笑)

 

 

CONSUMER ELECTRONICS  - TOWA TEI

(from『LP』)

 

 

H:…なんて?(笑)

テイ:「家電は静かなほうが良き」って。

H:ヘンなの(笑)

テイ:あの…このアルバム、宗教ですから(笑)

H:宗教なの?(笑)

テイ:レコード教会ですね。レコード教の。

H:あー、そっかそっか。『LP』ね。だいたいこの…"CONSUMER"っていうのは英語表記だと、なにこれ?

テイ:"CONSUMER ELECTRONICS"ですけども、邦題は「家電」というタイトルです。

H:あー、引っかけてるわけだ。ヘンだなぁ…

テイ:でももう、ホントなんかこういう…Siriとかの音も使ってますけど。ピコーン、みたいな。

H:んー、Siriも使ってるんだね。

テイ:あとはマックで僕の声をタイプできる…

H:あー、それもやってるんだ。

テイ:細野さんもどうですか?ご紹介…

H:やりたい。うん。うれしい。

テイ:あ…2回貼りましょう。

 

H:あー、それもやってるんだ。

テイ:細野さんもどうですか?ご紹介…

H:やりたい。うん。うれしい。

 

H:あー、それもやってるんだ。

テイ:細野さんもどうですか?ご紹介…

H:やりたい。うん。うれしい。

 

H:(笑)それはなに?自分で開発したの?

テイ:いやいや…東芝さん聴いてますかね?

H:へぇ、東芝製…ぜんぜん最近そういうの使ってないんだよ。昔は使ってたけど。

テイ:作りましょう。入口までお供します。

H:あ、うれしいな。自分の声で作っていいわけね?

テイ:なんかたぶん、親族とかにサービスで…細野さんがこの世からいなくなられても…(笑)

H:遺るわけね(笑)

テイ:孫とかが「おじいちゃん、きょう僕、就職決まったよ」って、自分でタイプして「よかったね」ってしゃべる…

H:おもしろいね。それいいね。

テイ:じゃあ2つ、きょうは…

H:いやー、いいニュースが2つも。

テイ:ブッ込みましたよ!

H:すばらしい。メッセンジャーRNAだ。

テイ:うれしいな。ちょっと2枚はサインしてもらっていいですか?後で。

H:もちろん(笑)

 

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テイ:いやいやいや…

H:全然、でも、年取ってないね。見た目も。

テイ:いやいや、そんなことないですよ。

H:いやホントに。ずーっとテクノだし(笑)

テイ:いやー、それしかできないですね。きっと。

H:それがいいんだよ!うらやましい(笑)あれもこれもやってるとダメなのよ。僕みたいな…ホントにもう、なにしていいかわかんなくなっちゃうけど。ぶつぶつ…

テイ:そうですかね?

H:そうなんですよ。

テイ:でも教授もよく…ニューヨーク時代、ピンポンって来て。

H:近いんだね(笑)

テイ:「なにやってんの?」って。聴かせて。その頃まだ教授はタバコ吸われてて。ブワーって吸いながら、「トウワはいいよな、やりたいことがあって」って(笑)

H:それはまた別…(笑)ちょっと種類が違うけどね。

テイ:(笑)

H:やりたいことなかったのかな?(笑)

テイ:いや、やりたいことはあるけどできない。スキルが追いついてなかったんです。教授はなんでもできちゃうんで。音符的なことは。

H:そういう人にはそういう悩みがあるんだよね。

テイ:いやー、正直ちょっとなに言ってるかわかんないんですけど、っていう(笑)

H:サンドウィッチマンだ(笑)

テイ:まぁみんなそれぞれ…煩悩を抱えて。

H:それはそうですよ。ない人はいないね。テイくんはないでしょ?

テイ:いやー、でも…あんまりないかな?

H:でしょ?なんかわかるよ、それ。

テイ:ホントですか?3人ぐらいに言われたんですよ。「上がり」だって。

H:上がり?

テイ:次はもう…リボーンしない、って。

H:そういうことか。いや、そうかもしれないね。やりたいことをやって、30年。

テイ:はい。テクノを(笑)

H:で、なにも困ってない。すばらしい。

テイ:いや、困ってないっていうか…そういうことにしときましょうかね(笑)

H:(笑)

テイ:でもなんか…わかんないですけど、お金とかがもっといっぱいあったりしたら。

H:それはキリがないわ。

テイ:じゃあお金があったら作らないのか、という話でもないですし。やっぱり作ってるのは楽しい。

H:うんうん。それが楽しいんだよね。

テイ:そうですよね。いやー、神様が仰られると…(笑)

H:神様か…(笑)

テイ:下世話な話ですけど、印税とかっていくら欲しいとか、そういうものじゃないですからね。

H:あんまり考えないよね。先に作っちゃってるから。

テイ:そうなんですよ。それが後から、3か月後とかに来るんで。

H:作ったものがちゃんと[世に]出る、というだけでもう、うれしいんだよね。出ないとやっぱり悲しいからね(笑)

テイ:あと、データだといつになったら「終わった」んだ、という感じが僕はして。

H:はいはいはい。あるね。

テイ:一応ファイル名に「T.D.」とか「MA」とか付けて。終わるんですけど、やっぱし僕の場合はこうやって印刷物になって、人に手で渡せたりとか。

H:商品としてね。それが完成形だよね。

テイ:細野さんはテクノだ、って仰いましたけど、僕は…まぁハズレではないんですけど、音楽の中のレコードが好きなんですよね、たぶん。

H:はい。すみませんでした(笑)

テイ:そんな…(笑)

H:うんうん、LPがね。

テイ:そうですね。LPって基本的に12インチの…

H:うん。ロングプレイ。

テイ:そうですよね。アルバムのことをLPというわけですよね。

H:僕の世代はそうしてきたけど。今はどうなの?

テイ:同じだと思うんですけど…

H:LPってあんまり言わないよね。「アナログ」?

テイ:アナログって言いますかね。ヴァイナルとか。僕は単純に2文字にしたかったので…

H:いつもカッコいいなぁ、と思うよ。タイトルとか。ジャケットがいいなぁ、ホントに…また頼もう。

テイ:そう言って頂けると…あのね、音楽は気張って下げないようにしてるんですけど、ジャケは安いんで。

H:そうなの?(笑)

テイ:もう、おいくらでも…

H:趣味なのかね?

テイ:趣味です趣味です。たぶん、練習する代わりにたまにコラージュ作ったりとか。僕はそっちですかね。

H:なるほどね。やっぱり、根っこがグラフィックの人なんだね。音楽もそうだよ。すごいグラフィカルだしね。

テイ:いやいやいや…もう1曲ぐらいかかりますかね?かからないか。

H:話をカットすればかかるかな?(笑)でもカットしないほうがいいね、おもしろいから。

テイ:そうですか。

H:じゃあもうね、音楽かけられないから。また来てくださいね。

テイ:はい、ありがとうございます。

H:テイ・トウワさんでした。

テイ:でした。

 

 

2021.03.21 Inter FM「Daisy Holiday!」より(抜粋)

 

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H:こんばんは、細野晴臣です。きょうはですね…初めてですね、澤本さん。電通の…フルネーム忘れちゃった(笑)

澤本:大丈夫です!澤本嘉光といいます。

H:あ、嘉光ね。難しいや。えーと、何年ぶりかな?

澤本:もう、お話しするのは…結構ですね、3年とか。

H:そうですよね。前、ここに遊びに来て…不思議な話をいっぱいしましたよね。

澤本:そうですね、神社系の話とか。あとは1回、スカパラの沖くん(沖祐市)といっしょに来たことがあります。

H:そうそうそう。で、僕は澤本さんの番組に1回出たことがある。

澤本:はい。ありがとうございます。

H:それもずいぶん昔だよなぁ。

澤本:そうですね、もう5年ぐらい前ですね。

H:あの頃と今は違いますよね、やっぱりね。

澤本:違いますね。この1年で相当なものが変わりましたもんね。

H:でしょうね。いや、みんなそうだとは思うけどね。

澤本:きょう、こちらに伺う前に会社に寄ってきたんですけど。表現として「会社に寄ってきた」というぐらいに、会社に行ってないんですよ。

H:そうかそうか(笑)そうだよね。いろいろ…電通もニュースになるしね。

澤本:そうですね。ものすごくニュースになった1年でしたね。

H:でもお仕事はずっと…相変わらずなんですか?

澤本:そうですね。相変わらずテレビコマーシャルとか、Web動画とかのほうですね。電通の仕事としては。

H:個人ではなんか…YouTuberじゃないの?

澤本:YouTuberほどしゃべれないので…(笑)相変わらず映画の脚本をたまに書いてます。

H:あ、そうなんだ。それは…今までどんな映画になったんだろう?

澤本:直近だと…それこそ去年の3月に公開になった直後に、コロナで劇場が封鎖されちゃったんですよ(笑)

H:そうだ!そうなんだね。

澤本:『一度死んでみた』という不謹慎なタイトルの…

H:でも公開は…?

澤本:公開はして頂いて…広瀬すずさんと吉沢亮くんという2人が出てくる映画で。

H:いいメンバーだね。

澤本:そうですね、メンバー的には大変良かったんですけども。コロナのとき…映画の番宣でテレビに出るじゃないですか。

H:うん。

澤本:そのときに「見てね」って言えなかったんですよ。

H:それはつらいね(笑)

澤本:「劇場に来てね」とも言えないし…映画をやるという告知はいいけど、「見てね」とか「来てください」とはなかなか言えなかったですね。

H:そうか。でも、このCMの撮影とかへの影響はあんまりないわけ?

澤本:撮影もですね…昨年の緊急事態宣言のときはやはり全然なくて。で、夏ぐらいからちょくちょく出てきましたが、撮影環境がまったく違いますね、もう。手洗いとかマスクとかだけではなくて。

H:まぁ、それはみんなやってるもんね。

澤本:距離を取らないといけないんで…そうすると、撮影をしている場所に僕たちは近づけないんですよ。

H:あ、そう。

澤本:だから…コマーシャルをつくってるときに僕はセリフを現場で思いついて、「こういうのもできますか?」っていう風に通ったりするのが仕事だったんですけど、「来るな」っていうオーダーがあるので…(笑)

H:厳しいね(笑)

澤本:厳しいですね。仕事のスタンスがちょっと…

H:ギクシャクするね。いや、どの現場でもそういう話は時々聞いてましたけどね。

 

澤本:細野さんのほうはどうだったんですか?

H:いや、僕はね…あんまり変わらないですね。

澤本:変わらない?(笑)

H:普段からこのスタジオに閉じこもってるしね。

澤本:たしかに、このスタジオに降りてくる階段から雰囲気はまったく変わらなかったですね(笑)

H:変わらないでしょ?(笑)だから…1990年代にずーっとここで、ひとりでやってたのね。アンビエントみたいな音楽を。そこにまた戻っちゃった、みたいなね。

澤本:うんうん。

H:このラジオが救いというかな。ラジオの仕事…仕事というか、遊びなのか(笑)時々、月に1回は1から全部作ってたりして。それが結構おもしろくて。没頭できますね。だから、ものづくりには没頭できる時期なんだろうなぁ、とは思いますね。

澤本:そうですよね。

H:でも、みんなで作るというのは難しいね。だからライヴは全然やってませんよ。

澤本:僕たちも打ち合わせというものが…直でお会いして、というのがほとんどなくなってしまったので。

H:今はまた復活してるんじゃない?そうでもない?

澤本:比率としてはものすごく低いですね。

H:低いか。急には変われないんだね。んー。

澤本:場を読む、という作業がなくなったんですよね。例えばこうやってお話ししているときに細野さんのお顔を見て、あ、ちょっと怒ってるかな?とか。

H:(笑)

澤本:でも、今は並んで画面に映ってるので…

H:わかんないや。

澤本:もう「発言」という感じですね。

H:あれは僕は苦手だな…

澤本:(笑)

 

H:最新作は何を観られるんだろう、テレビで。

澤本:僕はまだソフトバンクの担当を…

H:ずっとやってますよね。

澤本:はい。で、最近はソフトバンクドラえもんを持ってきて…

H:そうだ。

澤本:それをやってますね。

H:最初に僕がお会いしたのは妻夫木さん(妻夫木聡)とロケで…あの島は…

澤本:屋久島ですね。

H:屋久島だ(笑)呼ばれてね、僕も行ったんですよね。あれはディレクターだったんですよね?

澤本:あれはですね、僕はコマーシャルの企画、プランナーなので…まぁ脚本家ですね。ディレクターは別にディレクターの方がいらっしゃって。

H:あ、そうか。

澤本:でも、ああいうロケは最近…

H:ないでしょ。

澤本:外ロケはないですね。あのロケは特別に楽しかったですけどね。

H:楽しいね。あれから急に…なんだろうな、どういう縁が出来たのか…そうそう、澤本さんのベルトが左前か右前か、っていう話が…

澤本:はいはい!

H:それが…あ、ヘンな人!と思ってね(笑)

澤本:そうなんですよ(笑)ベルトって普通は反時計回りに巻くじゃないですか。

H:そうだよね。右利きだしね。

澤本:でも僕、ずーっと逆に巻いていて。

H:わざとね。

澤本:わざとです。最初それは、人と違うことをしよう、というのをベルトの巻き方ぐらいから始めたという…(笑)

H:そこから入って行ったんだ(笑)

澤本:あとは身体の向き…螺旋の向きとしてそっちのほうがいい、と言われたんですよ。気功をやっていたときの先生に。

H:あ、そうなんだ。

澤本:向きとして本来はそっちで巻いたほうがいいよ、と言われて。そっちのほうが地球に対していい、と言われて。ホントかな?と思ったけど…

H:いや、あるかもね。東半球と西半球で違うだろうけどね。

澤本:おそらく逆ですね。

H:水が穴からぐるぐる回って落ちてくるでしょ?そのときは右回りなのかな?

澤本:そうですね。北半球と南半球で逆なんですよね。台風の向きもたしか…

H:だったらベルトも逆がいいかもね(笑)

澤本:という理屈かもしれないですね(笑)

H:じゃあ、いまもずっとやってるんだ。

澤本:いまもずっとやってますね。これが元に戻っちゃうと普通の人に戻っちゃう…まぁ普通の人なんですけど(笑)

H:他になにかそういうことはやってるんですか?

澤本:そうですね、あとは日課として神棚を拝むというのと…どこへ行っても近くに神社があると必ずお参りするというのはやってますね。

H:おんなじだ。そういう人が増えてるような気もするんですよね、若い人に。

澤本:そうですね。それと同義かわからないですけど、御朱印を集めて回ってらっしゃる方が。

H:いますよね。まぁ、趣味だよね、それは。根っからですか?そういうのって。子どもの頃から?

澤本:神棚に手を合わせるのは子どもの頃からの癖でして…かつ、やっぱり神社に行くのは好きでしたね。空間として好きでした。

H:空間がいいですもんね。僕もね、子どもの頃から…ちょっとヘンだったな。

澤本:どんな風にヘンだったんですか?(笑)

H:いや、孫悟空に憧れてね。小学校の頃に『西遊記』の分厚い本を買ってもらって読んでたんです。呉承恩の原作に近いやつ。その中で、三蔵法師一行が困ったときにインドからお釈迦様と観音様が助けに来たりするので…こりゃあいいな、と(笑)

澤本:(笑)

H:で、その本の最後にお経が出てたんですよ。最後の1ページにお経が1行。短いんですよ。これだ!と思ってね。それをノートに書き写してね。それが先生に見つかって…「小学生のくせになんだ」と。そんなことがあって、その先生とはちょっと仲良くなったんですけど。そのお経がね、「十方三世一切諸佛、諸尊菩薩…摩訶般若波羅蜜」というのを漢字で模写して覚えたんですけど。

澤本:はい。

H:これはいまだに好きなお経ですね。この世の神仏全部尊敬してます、というような。その分で『西遊記』が締められるんですよ。それの影響はすごく強かったですね。それ以来、神仏の形とかが好きになって…いまもそういう人はいますけどね、みうらじゅんさんみたいな。

澤本:はいはいはい…

H:広辞林という古い辞書があって。そこにお釈迦様とか名もない仏様とか、全部絵が描いてあるんですよね。

澤本:あ、絵付きなんですか。

H:古い絵なんですけどそれがすごく好きで、模写してたんですね。

澤本:絵の模写ですか。

H:うん。それとおんなじことを僕の祖母がやってたんですよね。だから遺伝なのかな?んー。

澤本:それは、細野さんはおばあさんがやってらっしゃったのを見た記憶からやってらっしゃったんですか?

H:いや、後から。そのおばあさんがなんでそういう絵を描いていたかというと…僕は会ったことないんですよ。祖父がタイタニックに乗って生還してきたでしょ?そのときの感謝で南無阿弥陀仏…って、阿弥陀仏の絵を藁半紙に並べて奉納したんですよね。それが形見で出てきてビックリしちゃって。おんなじ配列なんで…(笑)

澤本:じゃあ、ホントにそれは偶然そうなった…

H:偶然です。そういうのがあって、そんなことばっかり考えてたら、母親から「そんな教育をした覚えはない」と言われて(笑)

澤本:(笑)

H:あの時代の家庭というのはだいたい…敗戦後だから、うちの宗教は何だ?と訊くと無宗教だ、と。ああそうなのか、と思ってね。自分はちょっと違うけど、と。そういう母親から見ると僕はやっぱりヘンなんですね。

澤本:(笑)

H:そのくらいへんだった?(笑)

澤本:そうですね、細野さんに比べるとヘン度は低いと思いますけどね…(笑)お墓参りが好きなんですよ。

H:これはすごい!いい日本人だ(笑)

澤本:いやいや…僕は祖父祖母のお墓が鎌倉と北海道の余市という漁村にあるんですけど。

H:いいところにあるなぁ。

澤本:その余市のお墓に…札幌出張だと無理やり行くんですよ。

H:結構遠いかな?

澤本:最近ちょっと近くなったんで、車で1時間ぐらいですけど。レンタカーを借りてお墓参りするんですけど…人がみんないないので、お墓の前で喋るんですよ。来たよー、と。そこにいる人と普通に喋っているかのように。最近ちょっと来てなかったね…とか。

H:(笑)

澤本:きょうは晴れてて海が見えるよね、ということをずーっとお墓に言って。

H:それはね、正しい対話の仕方ですよね。

澤本:なかなか、東京のほうでそれをやると大丈夫かな?っていう感じに見られるけど。でも、その様子を北海道で見ていた人がいると、ちょっとヤバいやつがお墓と喋ってる、ってなると思います(笑)

H:だから、人がいないところでやるのはいいね。誰かに見られるのはイヤだな。ネイティブアメリカンも…薬草を摘む人たち。メディスンマンとか。必ず声に出してお礼を言え、と言うんですよね。思ってるだけじゃダメなんだ、声を出すから伝わるんだ、と。

澤本:はいはい。

H:それ以来、僕も声を出すようにしてます。だから正しいやり方ですね(笑)

澤本:よかったです。間違ってると言われたらどうしようかと…(笑)

H:いやいや…でもやっぱり、なかなかいないかな。お墓の前でブツブツ言ってる人は(笑)

澤本:そうですよね(笑)あまりいてほしくもないかもしれないですけど…

H:仲間の人たちはそういうことを知ってるんですか?

澤本:いや、あんまり言ってないですね…こんなことを言っちゃうのは細野さんだから…(笑)この空間が言わせてる感じがします。

H:いいのかな?ラジオでみんな聴いてるけど(笑)

澤本:大丈夫だと思います(笑)

H:でも、正しいことなんだと思って聞いてましたけどね。それは別に恥ずかしいことではないと思います。

澤本:ホントですか。ありがとうございます。

 

H:…ずーっと話してていいのかな?(笑)なんか音楽かけようかな。音楽ってどういうのを聴いてるんだろう。

澤本:聴いてるのは最近のやつというよりは…昔って言うと失礼ですけど。結局、自分が中学生までに聴いたものが全部好きなので、その辺りのものを聴いてたりします。

H:中学校のときはなにを聴いてたんでしょう?

澤本:僕は小学校の終わりころからビートルズだったので…それこそYMOビートルズが同時期です。

H:なるほどね。そうか。自分的にはYMOよりビートルズをかけたいかな、いま。

澤本:(笑)

 

 

Dear Prudence - The Beatles

(from『The Beatles』)

 

 

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2021.03.14 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

H:はい、こんばんは。細野晴臣です。こんにちは。

O:こんばんは、岡田崇です。

越:こんばんは、コシミハルです。

H:こんにちは、かもしれないしね。

O:もう、いつ聴いてるかわからないですよね、今。

H:わかんないよね。

越:そうですね。

O:深夜にひっそりやってたのに。

H:そうだよね(笑)やっぱりラジオって聴くんだね。聴いてる人がいるんだね…(笑)

O:たくさんいるみたいですよ。

H:ありがたいことだよね。昔は3,4人しか聴いてなかったんじゃないかな。そんなことはないか(笑)

2人:(笑)

O:そこまでではないですけど…(笑)でも今ほどじゃないですよね。やっぱりリアルタイムで…深夜にやってたんで。

H:そう。リアルタイムの時期だったね、そういえば。

O:それがよかったんですけどね。深夜に流れていくのがね。

H:まぁラジオは…深夜のつもりで作ってるからね、今でも。「おはようございます」とはさすがに言えないよね(笑)

O:でも、通勤のときに聴いてる、とかね。そういう方もいるみたいです。

H:そうだよね。もう、自由だね。うらやましい。

 

H:いや、ひさしぶりですね、この3人はね。

O:そうですね。

越:はい。

H:最近はゲストが多いんですよね。どうしてたのかな?忙しそうだよね。

O:まぁ、ちょこちょこですね…じゃあここで。

H:あ、告知。

O:6月から片岡知子さん…あ、僕の奥さんですけど。去年亡くなって。6月7日が彼女の誕生日なので、その辺りから…彼女がやっていたインスタント・シトロン(Instant Cytron)というグループのアルバム5枚を3か月にわたって、アナログ盤で…(笑)

H:いや、すごいね。3か月にわたって…それは各社で出るっていうこと?

O:そうですね。東芝EMI時代のはユニバーサルさんから出て、ソニーから1枚出て。あとはドリームスヴィルっていう長門芳郎がやっていたレーベルから2枚出しているんで、それをリルデイジーのほうから出す、という。

H:なるほど。6月ね。皆さんよろしく、と。

O:アナログ盤で…もう、CD買わなかった人なんでね。

H:そうかそうか(笑)

O:CDをほぼ1枚も買わなかった…徹底してアナログだったんで。アナログで出さないと怒られちゃいそうで…(笑)

H:まぁ、今の時代に合ってるね。うん。

O:そうですね。お楽しみに…ということで。

 

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H:じゃあ、ミハルちゃん、告知あるでしょ?

越:え!告知?

H:(笑)

O:いろいろやってますよね、水面下で。

越:いろいろやってる。レコーディングとか…ずーっとしてますけどね。

H:そのうち正式な告知ができるようになりますよね。

O:映像もね。

越:はい。映像も。

 

H:さて、では音楽を…じゃあ岡田くん。

O:はい。きょうはミッチ・レイ - アート・ハリス(Mitch Liegh - Art Harris)というグループで…1956年の録音です。"Voltaire's Vamp"という曲です。

 

 

Voltaire's Vamp - Mitch Liegh-Art Harris

(from『Jean Shepherd – Into The Unknown With Jazz Music』)

 

  

H:おお…この人は?ジーン…

O:ジーン・シェパード(Jean Shepherd)というテレビパーソナリティーやラジオで活躍していた方で…その人のスポークン・レコードなんですよね、これ。スポークンの間に木管五重奏のジャズが挟まっている、というレコードで…

H:めずらしい。じゃあこの人は有名だったんだね、当時。

O:テレビとかに出てたぐらいなんで、その人は有名みたいですね。

H:アレンジャーとプレイヤーで、コンピレーションを作ったのはミッチ・レイ…

O:ミッチ・レイとアート・ハリスという…

H:アート・ハリスという人がピアノ、チェレスタハープシコードだ。

O:そうですね。ミッチ・レイが木管

H:ぜんぜん知らなかったな、僕は。

越:おもしろい。

O:この人たちのソロアルバムもあって、そっちもすばらしいですよ。

H:なかなか品があるよね。

O:クラシックとジャズがいい感じに融合してて。

H:こういう人たちって1950年代、わんさかいるんだよね。

O:でも、わんさかもいないですかね。おもしろいものを探していくとなかなか…まぁ数名。

H:そっか。でも、そういうのは全部集めてるね、岡田くん。

O:そうですね(笑)

 

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H:これはそのうち、みんなが聴けるようにしないといけないんじゃない?

O:したいですね。

H:これは楽しみだな。

O:いろいろね、そういうことをやっていかないとな、と思ってますよ。

H:それにはラジオがピッタリだね。まぁもちろん、アナログ盤も出すといいね。

O:アナログ盤…ちょっとね、ハードルが高いですよね(笑)

H:そう?

O:いやー、製造コストがやっぱりかかるんで…

H:そうなんだ。

O:ブックレットの解説をちゃんと入れてCDで出して、というのが…でも、最近はCDを持ってない人というのが多いんですよ。40代の人でも持ってないという人がいるんで。

H:あらまぁ…

O:CDプレイヤーの使い方もわからない、という方が10代だといるんで…CDにダウンロードコードを付ける時代が来るんじゃないか、という…(笑)

H:そうだよね(笑)もうそれはやってもいいんじゃないかな。自分自身もだんだん、CDが遠くなってきてる…

O:でも配信だけだと、配信してる会社がなくなっちゃったら…いつまでも今みたいにあるとは限らないので。

H:そうなんだよ。デジタル音源は儚いよね。

O:やっぱりCDにブックレットを付けて…というのが。

H:じゃあ、CDは定番として残すべきだね。

O:そう思いますね。

H:勉強になった。[CDは]もういいんじゃないかな、なんて思っちゃってたから(笑)

O:いやいや…あのパッケージがやっぱりいいんじゃないですかね?ちょうど70分ぐらい入る箱ということでね。

H:まぁ、理想だよね。

O:デジタルだと無尽蔵にコンピレーションが作れちゃうんで…選曲の妙、というか。

H:まとまりがないよね。いちばん大事なのは…配信の場合はデジタル・ブックレットがないとね。自分の場合もちょっと気になってるんだけど。

O:そうなんですよね。やっぱり、ちゃんと意志を持ってセレクトしているわけなので…ただ音が並んでるわけじゃない。

H:だって僕、中学生ぐらいからクレジット読んでたからね。

O:その文化がね、もう今はないので…よくないと思いますね。

H:プロデューサー、アレンジャー、[参加している]ミュージシャン…

O:「ああ、この人が…読めないけどこの字面の人が…」って買うじゃないですか(笑)

H:そうそう。そうやって勉強していったんだよね。これはもう、勉強だよ。

O:そう。それで失敗もしてね…

H:学校では教えてくれない勉強、大事だよ。えー、その点、どうでしょうかね。ミハルちゃんは。クレジット見てた?

越:クレジット…

H:あれ?(笑)

越:譜面とか見てたね。譜面買うの好きだった。

H:あ、なんか種類が違うな(笑)

2人:(笑)

H:じゃあ、なんか音楽かけてください。

越:メロディ・ガルドー(Melody Gardot)の"C’est Magnifique"という歌を…ファドのアントニオ・ザンブージョ(António Zambujo)という人とデュエットしてます。

 

 

C’est Magnifique (feat. António Zambujo) - Melody Gardot

(from『Sunset In The Blue』)

 

    

H:いやー、落ち着いちゃったね。

越:なんか、空気感がいいでしょ?

H:ボサノヴァだね、これは。

越:ゆったりとした…アルバム全体がこういうオーケストレーションで、半分ぐらいはスタンダード。"Moon River"とかいろいろやってるんだけど。オリジナルもその中に…

H:この女性はどこの国の人?

越:アメリカの人だと思う。

H:ミハルちゃんもこういうの聴くんだね。まぁ、なんでも聴くもんね…あれ、黙っちゃった(笑)

O:電話が…(笑)

越:電話だ(笑)

H:電話?(笑)誰から?

越:おばさんだ…(笑)

H:いいよ、話しても(笑)急用じゃないの?

越:大丈夫です(笑)

 

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H:じゃあ、僕はもうかけるものがなくて…最近かけすぎてて。

O:手作りデイジーで…(笑)

H:いやー、聴くのが楽しみだから…聴かせて、岡田くん。

O:じゃあ…たしか1月の放送のときに話題に出た水森亜土さん。

H:わーい!いよいよ聴けるね。

O:その"Cow Cow Boogie"を。

H:これ、アルバム2枚をリルデイジーで…もう出してるの?

O:通販で…まだ買えます。

H:あ、ホント?ぜひぜひ。聴きたい、"Cow Cow Boogie"。

 

 

Cow Cow Boogie - 水森亜土

(from『COW COW BOOGIE』)

     

 

H:うわー、おもしろい…すばらしいね。

越:うん。すごくいいですよね。

H:音も良いよね。

O:オーディオパークという…深沢のほうにあったオーディオマニアの方がやっていたスタジオ…なのかな?蓄音器が100台くらいあって、SP盤がどわーっと並んでて。そこにホールみたいのがあって、スタジオレコーディングが出来て。

H:知らなかった。

O:昔、十数年前に行ったことがあって。SPレコードコンサートみたいな…行くともう、瀬川さん(瀬川昌久)級のおじいちゃん・おばあちゃん…音楽業界、ジャズ界、映画業界をリタイアされた方々がみんな集まってて。お茶とお菓子を飲みながらSPを聴くという…(笑)

H:いい時代だね。

越:うん。

O:すごくいい感じでしたね。

H:でもそんな感じの音が出てるよね。ホントに音が好きなんだろうな、という。いやー、それにしても先輩だよ。水森さん。

越:ね、ホントに。

O:すばらしいですよね。いまのが2008年の録音。

H:わりと新しいよね。なんか、ご挨拶に行かないと…(笑)

越:(笑)

O:ね、ライヴ観に行きたいですけどね。

越:YouTubeにちょっとだけ観れるけど…

O:最近はちょっとやってないみたいですけどね。コロナで…

H:そうでしたか…

O:よくよく考えたら僕、1枚ジャケットをやったことがある、というのを思い出して…(笑)

H:やってるんだね(笑)縁があるなぁ。おもしろい。

 

lildaisy.theshop.jp

 

www.audiopark.gr.jp

 

 

H:じゃあ、またひとつ…

越:はい。じゃあ次はパトリシア・スコット(Patricia Scot)という人で…ノエル・カワード(Noël Coward)の曲で"Mad About The Boy"というのを。

H:ノエル・カワードね。「臆病」っていう意味なんだよね、「Coward」って。

 

 

Mad About The Boy - Patricia Scot

(from『Once Around the Clock』)

      

 

H:いやー、さらに落ち着いちゃったな。

越:これはなんか、ナイトクラブっていう感じですね。

H:まぁ、行ったことないけどね。

越:(笑)

O:行ってみたい…(笑)

越:昔のシカゴのナイトクラブとかで活躍してた人なので…

H:こういうシンガーになりたいんでしょ?

越:うん、いいね。大人の…遠いなぁ(笑)

O:(笑)

 

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H:どんどん時間が経っちゃって…最後の曲らしいな。

O:あら…

H:なんか、日本の女性歌手の…

O:じゃあですね、48曲ぐらい入ってるすばらしいCDが出たんですけど。沢村みつ子さんという。

H:復刻版ですよね。沢村みつ子さんって…子どもの頃、テレビで観たりしてたよ。

O:1942年生まれで、6歳ぐらいのときから沖縄の進駐軍の将校クラブで歌うようになって。アメリカに渡って…「ジュディ・ガーランド・ショウ(The Judy Garland Show)」に出たりとかして。

H:あ、そうだったんだ。知らなかった。

O:で、日本コロムビアと契約してレコードにたくさん吹き込みをしていて。向こうの映画にも何本か出ていたり。

H:あ、ホントに?へぇ。

O:きょうは…『ラスヴェガスで逢いましょう(Meet Me in Las Vegas)』という1956年の映画があるんですけど、その中で沢村さんがダン・デイリー(Dan Dailey)といっしょに歌っている曲の日本語カヴァー。"マイ・ラッキー・チャーム"という曲を。

H:それは初めて聴くなぁ。じゃあそれを聴きながら、また来週ということで…

 

 

マイ・ラッキー・チャーム - 沢村みつ子

(from『沢村みつ子 スーパー・ベスト』)

      

 

O:13歳とかですよ、これ。

H:え!すごい…(笑)

越:ジュディ・ガーランドみたい…(笑)

O:YouTubeにこのシーン上がってるんで…それを見るとほんとに小っちゃい子どもが…(笑)すばらしいですよ。

H:ホント?いい感じだね。

 

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diskunion.net

 

 

2021.03.07 Inter FM「Daisy Holiday!」より

手作りデイジー🌼#18

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

(以下、すべてH:)

 

 はい、細野晴臣です。きょうは忙しなくなりますよ?小中学生のときに聴いていた音楽をずっと特集してますが、きょうはカントリー&ウェスタンです。最初の曲、フロイド・クレイマー(Floyd Cramer)の"On The Rebound"。1961年。

 

 

On The Rebound - Floyd Cramer

 

 

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 前回紹介しそびれてました、ブーツ・ランドルフ(Boots Randolph)のサックス。"Yakety Sax"です。1963年。

 

 

Yakety Sax - Boots Randolph

 

 

ブーツ・ランドルフは「ヤケティ・サックス」というスタイルを確立した人なんですけど、やはり元はコースターズ(The Coasters)のキング・カーティスKing Curtis)の影響があると思います。まぁ、そこら辺は解説に詳しく書きたいと思います。

 

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 それで、こういうのは「ヒルビリー(Hillbilly)」スタイルだと僕は思うんですけど。「ケイジャン(Cajun)」というのはフランス系で、ヒルビリーアイリッシュ系ということになってますね。いま流れてるのもヒルビリー系…アイリッシュです。2016年に公開された『ブルックリン(Brooklyn)』という映画。これがすばらしかったんですけど、その中のダンスパーティーのシーンでサックスを吹いているのがシーマス・オドネル(Seamus O'Donnell)という人です。"Yellow Rose of Texas"。

 

 

The Yellow Rose of Texas - John Carty, James Blennerhassett, Paul Gurney, Seamus O'Donnell and Jim Higgins

(from『Brooklyn: Original Motion Picture Soundtrack』)

  

 

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 門間さん(門間雄介)の本の29ページ…だったと思うんですけど、僕が中学1年生のときに初めて聴いたヒルビリー系の音楽。これをコピーしてギターで弾いていたのが、ハンク・ウィリアムズ(Hank Williams)の"Kaw-Liga"。

  

 

Kaw-Liga - Hank Williams

  

 

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 ビッグ・ママ・ソーントン(Big Mama Thornton)のヒット曲、"Hound Dog"。プレスリーElvis Presley)もやってましたね。それのヒルビリー・スタイルで…トミー・ダンカン&ミラー・ブラザーズ(Tommy Duncan & The Miller Brothers)。

  

 

Hound Dog - Tommy Duncan & The Miller Brothers

  

  

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 さらに古い録音なんですけど…僕もこれをカヴァーしたんです。ジェシ・アシュロック(Jesse Ashlock)のディプレッション・ソング、"My Bank Acount Is Gone"。

   

 

My Bank Acount Is Gone - Jesse Ashlock

  

  

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 次はもっと古い曲ですが…ウェスタン・スウィングのはしり、アル・デクスター(Al Dexter)の"Pistol Packin' Mama"。

 

 

Pistol Packin' Mama - Al Dexter & His Troopers

  

  

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 スピーディ・ウェスト(Speedy West)とジミー・ブライアント(Jimmy Bryant)のすばらしい演奏。"Stratosphere Boogie"。

 

 

Stratosphere Boogie - Jimmy Bryant, Speedy West 

  

  

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 このような、粋なウェスタン・スウィングが花開いたのが1950年代ですね。次はテックス・ウィリアムス(Tex Williams)の"Smoke, Smoke, Smoke"。これは僕の"No Smoking"の元ネタと言ってもいいです。

 

 

Smoke Smoke Smoke (That Cigarette) - Tex Williams 

    

 

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  1950年代、60年代。スターたちが星の数ほどいましたね。ホントに豊かな音楽の時代だったと思います。もうそれは失われてしまったんでしょうか?いや!いましたいました。ディーク・ディッカーソン(Deke Dickerson)の"Ecco-Fonic"!

 

 

This Is "Ecco-Fonic" - Deke Dickerson

 

 

ディーク・ディッカーソンという人。このギタリストはホットロッド、ロカビリーみたいなことを言われてますが…1990年代から活躍している人で。てっきり昔の人だとばっかり思ってました。いや、頼もしいですね。

 

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 では、60年代に戻りまして…とても肯定的な歌を歌う、ボブ・ルーマン(Bob Luman)の"Let's Think About Living"。

 

 

Let's Think About Living - Bob Luman

 

  

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 次は毎日のように聴いていたマーティ・ロビンスMarty Robbins)のヒット曲です。"White Sport Coat"。1957年。

 

 

White Sport Coat (And A Pink Carnation) - Marty Robbins

   

 

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 きょうの最後の曲は、少しクールダウンして…エルトン・ブリット(Elton Britt)の"Trip To The Moon"。

 

 

Trip To The Moon - Elton Britt

   

 

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