2021.07.25 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:こんばんは、細野晴臣です。さぁ、今週もですね…先々週に高田漣くん、伊賀航くんが来て。一堂に集まれないからね。2人ずつ、と。

大地:そうですね。

H:一応…メンバーだった人たちというか(笑)

2人:(笑)

H:1年前にリモートでやったんだね。

大地:早いですね。

卓史:うんうん。

H:あれは全部4人でやったわけだね。1年前か…それってどう思う?昔なの?最近なの?遠いよね。

大地:その判断がつかないくらいごちゃごちゃになってますね。

H:さっき言ってたよね、時空が歪んでるって。

大地:歪んでませんか?なんか。

H:歪んでるよ。めちゃくちゃ歪んでる。明日って昨日?

2人:(笑)

卓史:その細野さんの感じ…(笑)

H:なんか「今日」っていう感じがないんだよな。

大地:今もいつなのかわからないですね。

H:わからない。今日はやるぞ!みたいな気持ちにならないんだよね。

2人:(笑)

 

H:じゃあ、その1年間はどうしてた?仕事…大地くんは結構忙しいでしょ?

大地:いや、それが…あ、じゃあいいですか?俺から。伊藤大地です。こんばんは。

H:…あ、そうだ。名前まだ言ってなかった(笑)えー、いま喋ってる伊藤大地くん。

大地:こんばんは。

H:そして隣が、野々村…

卓史:野村です、細野さん(笑)

H:わざと言ったんだよ(笑)

大地:芸能人みたい(笑)

H:卓史くんね。野村卓史

卓史:よろしくお願いします。

H:はい、ごめんなさい。

大地:そうですね、忙しいのと、全然仕事がないヒマな時間とが交互に…

H:あ、そうなんだ。どういう配分なの?結構スタジオやってるよね。

大地:録音がバーッとある時もあれば、まったくない時もあるし。まぁ今年は結構ライヴも…去年の秋ぐらいから始まったじゃないですか。

H:そうだね。

大地:7月は結構ヒマですね。

H:野村くんは?

卓史:僕はわりと満遍なくヒマでしたね。

H:満遍なくね(笑)安定してるよね。

卓史:(笑)

H:あの…フジロックとかやるんでしょ?今年。そういうのは出ないの?

卓史:大地は?

大地:僕は予定ないですね。

H:ないか。ツアーやってる人は結構多いでしょ?わりとみんな活発にやってるな、という印象が最近はあるね。

卓史:うんうん。

大地:だんだん、お客さんを入れても大丈夫、という感じになってきて。

H:なってきたね。1年前は全然ダメだったけどね。

大地:そうですね。「無観客配信」というのに慣れていく時でしたね。

 

H:それはさておき…1年どころじゃない、2年前。あの時の印象ってもう薄れちゃってるよね。どう?

大地:アメリカですか。ちょうど夏…

卓史:ちょうどこのタイミングですかね。

H:そうそう。今頃やってたんだっけね。2年前は。

大地:ホント、2年前に行っててよかったですよね、細野さん。ニューヨークに。

H:いや、ほんっとにそう思うよ。

大地:[2018年の]ロンドンも5月、6月ぐらいで行ったじゃないですか。で、1年後にニューヨーク、ロサンゼルス。

H:そうそう。いい天気だったよね。素晴らしかった。

大地:ですよね。いい季節に行ってたし。だから1年後になってたら実現しなかったし。

H:もう、ホントだよね。なんにもできないただのおじさんになっちゃうよね。

2人:(笑)

H:今そうだけどね。

大地:そうなんですか(笑)

H:そう。年老いた、哀れな…(笑)

大地:マイク越しに細野さんの声を聴くのも久しぶりだし、お姿を見ても変わらないですよね。

H:そう?変わらないかな。

卓史:なんかむしろ…髪も伸びて強そうになってて…

大地:(笑)

H:強そうになった?(笑)髪伸びると強くなるのかな。そういえば偉人はみんな髪を伸ばしてるよね。キリストさんとか。

大地:そうなっていくんですか?細野さんも。

H:いや、どうかな?(笑)漣くんたちとも話したんだけど…だんだん、家があるのに家のない人みたいな気持ち。なんて言うんだろう…世の中にはそういう人もいるじゃない?

大地:はい。

H:こないだ銀座に行ったら、GINZA SIXの前の通りにポールが立っててね。照明かな?外だよ?路上で僕ぐらいのおじさんが瞑想してるんだよ。座って(笑)みんなは見ないんだけどね。まじまじと見ちゃったよ。で、探しちゃうんだよね、次に行った時も。あれ、いないな?とかね。

大地:いつもそこにいるような人ですかね。

H:うん。僕もああいう風になるのかな、って。

大地:ならないと思いますけど…

H:いや、結構近いんだよね。気持ちが。

大地:この1年ぐらいで?

H:そう。なんて言うか、具体的に動く動機がないんだよ。ライヴとか…こういう時代、こういうことにならなければオーストラリアに行ったりとか。

大地:そうでしたね。

H:あとはいろんな…パリとかでイベントがあったんだけどね。全部そういうのも忘れちゃったじゃない。

大地:そうですね。

H:だから淡々としちゃうというか…もう、未来はないな(笑)

2人:(笑)

大地:髪を切ってください、そしたら(笑)

H:髪切ろうか(笑)

大地:俺、ドラマーだから呼んでもらうしかありえないじゃないですか。

H:そうだよね。

大地:でも細野さんと卓史は作る人。で、こうなって…ライヴじゃない音楽の場面もあるわけじゃないですか。2人は。

H:そうだね。うん。

大地:だからちょっと違いますよね、そういうときの気持ち…俺は全然わかんないですけど。こっちは呼んでもらう待ちなので。

H:そうか。いやー、ごめんね。全然呼んでなかったな。

大地:いやいや、そういう意味じゃないんですけど…(笑)だから自分が「作る!」っていう気持ちになれば…

H:でも2人はバンドやってるじゃない。名前忘れちゃった(笑)

2人:(笑)

大地:グッドラックヘイワと申します(笑)よろしくお願いします。

H:もう、すべて忘れてるんだよ(笑)その活動はやってないの?

卓史:こないだ1年半ぶりにライヴを…

大地:そうですね。

H:あ、やったんだね。どちらで?

卓史:愛知県ですね。フェスティバルに呼んでもらって。

大地:あとは卓史の地元の山口県、徳山で…

H:あ、山口なんだね。

大地:だから、去年はライヴやってないです。1本も。

H:あ、それは今年の話か。そうか。

大地:こないだです。緊張はしなかったけど、やっぱり感覚は…忘れそうになってる中やる感じというか…

卓史:うん。

H:そうだよね。

大地:こんなに、20何年以上音楽やってきて初めてというか。

卓史:お客さんも「声出さないでください」とか言われてることが多いから、こっちもぎこちないけどお客さんもぎこちないし…不思議な緊張感があるというか。

H:そうか。

大地:みんなそこと戦ってますよね。お客さんの…

H:なんか、楽しくないよね…(笑)

大地:そうですね。

卓史:でも、たまたまロケーションがビーチで。目の前に砂浜と海と…みたいな。で、天気も晴れてきて…というのがあったのでちょっといい感じでやれたんですけど。

 

 

 

H:うんうん。まぁでも…本当はこの5月に福岡でそういうシチュエーションがあったじゃない。

大地:そうですね。CIRCLE。

H:あれはやるつもりだったんだよね。

卓史:直前まで。

H:直前までね。急に中止になった。だから結局、なんにもやらない人間になっちゃったんだね。だって、1年以上ギターに触ってないんだよ。

大地:ホントですか?

H:うん。ケースに入れたまんまで。でも毎日挨拶はしてるよ。

2人:(笑)

卓史:ケース越しにですか?(笑)

H:そう。「元気?」って(笑)でもなんで触らなくなっちゃったんだろう、と。やっぱりね、何か大きな変化があったね。自分の中で。もう音楽できないのかもしれないな、と思ってね。

大地:作ったりは?

H:全然してない。

大地:してないんですか…

H:なんてね、してるわ(笑)

2人:(笑)

H:ギターじゃなくて鍵盤で。でもそれは去年だね。去年閉じこもってて…世界中で自分の家でやり出したじゃない。「Stay Home」とか言ってね。もうそういう人は今いなくなっちゃったけどね(笑)

卓史:そうですね。

H:だんだん復活してきてるよね。で、僕も「Stay Home」じゃないけど、元々…なんだろう、90年代から僕は「Stay Home」だったから。

大地:(笑)

H:その流れで映画の音楽をやったりしてたんですけどね。うん。でも、音楽は聴いてるんでしょ?

卓史:聴いてますし…なんか、YouTubeを見るのが増えましたね、すごく。

H:あ、同じだ。

大地:外国の「Stay Home」の音楽を見たり、見てる中でお笑いのが出てきたらそっちを見ちゃったり…(笑)

H:ずっと見てるよ、YouTube(笑)

大地:おもしろいですよね。自分の中ではこの1年で価値が上がりました。

卓史:え、プレミアム入ってるんでしょ?いつから?

大地:入ってる。それはでもね、コロナ禍になる前に…真心ブラザーズYO-KINGに勧められて。

H:そうなんだ。それは映画なの?

大地:YouTube Premiumという…お金を払うとCMがなくなるやつです。

H:ああ、それか。僕も入ってるはずなんだけどね。よくわかんなくて。

大地:(笑)

H:でも最近のYouTubeは急に…なんて言うんだろう、普通の人たちが目覚めた感じで。このコロナのこととかアメリカの大統領選のこととか。みんな語るようになったんだよね。情報源は限られてるんだろうけど。

大地:あー…

H:それは最近おとなしくなったけど。いっぱい、飽和状態だった。でも画面が動いてるわけじゃないから…YouTubeってラジオみたいになっちゃった(笑)

大地:流しっぱなしでも聴けますしね。

H:そう。「聴くもの」だよね。聞きながら他のことやれるし…[画面を]見なきゃいけないということがだんだんつらくなってきちゃって。だからラジオを聴いたりしてるんだよね。で、ラジオをやってると、ラジオの番組同士で最近、コミュニケーションがあるんで…(笑)今度その話するけど、今はしないよ。

大地:へぇ。なんか企画があるんですね。

H:企画じゃないの、自然現象。おもしろい。これはテレビではありえないね。

大地:なるほど。なんかわかる気がします。

H:まぁそれは今度、追々話します。

大地:ぜひ。

 

H:じゃあね、なにを聴いてるか…音楽聴かせて。

大地:きょうかけてもらおうと思ったのは…たまには自分が演奏してる曲もいいかな、と思って。

H:お、いいね。

大地:こんな感じをやってます、という…吉田省念くんのアルバムが今年出たんですよ。ずっといっしょに録ってきていて。1stアルバムはたしか、細野さんも声で参加してくださって。

H:そう。ユニークな音楽だったね。

 

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大地:そうですよね。あれから3作目が…

H:そんなに作ったんだね。

大地:いっしょに作っていて…じゃあ俺からかけさせてもらって…

H:うん。どうぞどうぞ。

大地:今年出た吉田省念くんのニューアルバムから、"DEVO"という。

H:お、ディーヴォ

大地:はい。D-E-V-O、"DEVO"。

H:DEVOっていうグループは知ってるよね?

大地:ディーヴォ?あ、俺知らないですね…

H:世代の…(笑)

大地:でも、そこから来てるかもしれないですね。

H:そう。テクノ時代のね。80年代。

卓史:スペルも同じっぽいね。

大地:うん。曲調はあれですけど…ちょっと聴いてみてください。

H:はい。聴かせてください。

 

 

DEVO  - 吉田省念

(from『空前のサミット』)

  

  

H:素晴らしい。いやー、おもしろい…なんだこりゃ。

大地:これ、省念くんと2人で…細野さんも行かれたことあると思うんですけど、スタジオ。

H:あるある。京都ね。

大地:はい。自宅スタジオで。2人だけで録って…そこから彼がいろいろ重ねていった。

H:器用な人だね。

大地:すごいですよね。

H:なんか、1枚目の時もこんな感じで…ビックリしたんだよね。ビックリするね、この人の音楽。

大地:そうなんですよ。彼自身にとって締切とかないから、納得がいくまで時間をかけて作ってて。

H:いいねぇ。

大地:すごく完成度が高い…

H:なんか、全部聴きたくなるね。いつ発売なんですか?

大地:もう出てます。サブスクでも聴けますし。

H:出てる?じゃあちょっと買ってみようかな…

大地:あ、買ってくれる…よろこびます(笑)

卓史:(笑)

H:もらうよりは買ったほうが全然いいからね。

大地:そうですね。

  

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H:では…野村くん。

卓史:はい。えーと…なんて読むのかわからないな。

H:え?(笑)

大地:曲名?

(♪流れ出す音源)

卓史:あー、違う違う違う…

H:え?

卓史:えっと、ごめんなさい(笑)この…

大地:動画?

卓史:いや、これはSpotifyの自動で動画を流してくれるやつ…

(D:それ持ってます。)

卓史:あ、そうですか。

H:誰?

(D:たぶん細野さん知ってます。)

卓史:あ、じゃあ…(笑)

H:誰だ…(笑)

大地:Spotify派?

卓史:有料会員になってるのはSpotifyだけだね。

大地:そうなんだ。一本で…細野さんはなにで聴いてます?

H:僕は相変わらずね、iTunesから離れられない(笑)

大地:iTunesApple Musicと?

H:そうね。

大地:俺もそうなんですよ。最近、音質がすごくよくなって…

H:はいはい。

卓史:…あ、じゃあお願いします。

H:じゃあちょっと曲、紹介して。

大地:曲名がわからない…

卓史:読めない…(笑)なんて読むんだろう、これ…「ジュラーケル」?

大地:ピノ・パラディーノ(Pino Palladino)の…

H:あ、ピノ・パラディーノ。ブレイク・ミルズ(Blake Mills)とやってるやつ?

卓史:そうです。めちゃめちゃカッコいい…

H:みんなそれ聴いてる!(笑)

卓史:(笑)

大地:俺も聴いてます(笑)

H:なんだろう、これ(笑)

卓史:曲はかぶってないですか?

H:かぶってない。

卓史:よかった(笑)

 

 

Djurkel  - Pino Palladino, Blake Mills

(from『Notes With Attachements』)

  

 

卓史:たぶんホーンを吹いてるのは…

大地:あー、サム・ゲンデル(Sam Gendel)。

卓史:サム・ゲンデル。で、途中からドラムが入ったと思うけど…

H:ドラムは後でかぶせたみたいだよ。

卓史:あ、そうなんですか?

大地:じゃあ、あれですよね…クリス・デイヴ(Chris Dave)とかも叩いてますよね。

卓史:クリス・デイヴだった気がする。

大地:そうだよね。

H:誰?

大地:ディ・アンジェロ(D'Angelo)とかで叩いてる…

H:あ、そうか。

卓史:ディ・アンジェロ組ってことだよね。

H:そうだよね。パラディーノが…

卓史:うんうん。

   

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H:いやいやいや…サム・ゲンデル、ブレイク・ミルズ、ピノ・パラディーノって、今みんな聴いてるんだよね(笑)どういう現象なんだろう。

卓史:僕、あんまり横のつながりとかでその話になったことなくて…

H:いや、僕もそうだったんだよ。ついこないだまで。

卓史:あ、そうなんですね。

H:そしたら…例えばここでかけるじゃない?そうするとすごく反応があるしね。あとはゲストの人たちとか、みんなかけるんだよね。

大地:自分も結構、行く現場現場で「聴いた?」みたいになってますよ。

H:そうかそうか。なんだろう?なにがみんなを引き寄せてるんだろう。

大地:YouTubeとかでセッションしてる映像が上がってきてて。たぶんそれを見てから音源が出てるから…

H:そっかそっか。

大地:YouTubeの、彼らが狭い…

卓史:ね。スタジオでもないようなところでね。

大地:うん。みんなが集まる場所でお酒飲みながら、みたいな…

H:雰囲気がいいよね。セッションだもんね、こういうのは。曲というよりも。

卓史:そうですね。

H:サム・ゲンデルとかブレイク・ミルズは曲になってるけどね。このパラディーノはセッションっぽい。

大地:ぽいですよね。

H:こういう自由な感じがいいのかな。でも、本国アメリカでもすごく評価されてるじゃない?新しい潮流なのかもしれないですよね。

卓史:うんうん。

 

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H:ジョン・ハッセル(Jon Hassell)というトランペッター、亡くなっちゃったんだよね。

卓史:あ、そうなんですね。

大地:そうなんだ…

H:うん。ついこないだ…6月26日だったかな?

大地:ホントに最近。

H:84歳かな。結構、お年だったんだね。まぁブライアン・イーノBrian Eno)とやってたからその時代…70年代から聴いてたけどね。あの人もトランペットにハーモニー付けてるじゃん。

卓史:そうですよね。サム・ゲンデルにちょっと近い…

H:うん。エフェクターとしてね。他の誰もやってないことやってたよね。

卓史:発信音みたいのを使ったり。

H:ああいうのを聴くと「あ、ジョン・ハッセルだ!」ってすぐわかるじゃない?その流れがつながってるよね。サム・ゲンデル、ブレイク・ミルズ…みんなハーモニーを使ってる。あと、ボン・イヴェール(Bon Iver)も声にそれを使ったりね。サックスにも入ってるけど。

大地:その音響効果のシステムはなんなんだ?みたいのをみんな知りたがってて。それを誰かがこないだ現場で教えてくれて…実はBOSSの小っちゃいやつを使ってるんだ、みたいな(笑)

卓史:(笑)

H:Rolandとかね(笑)

大地:そう!大したもんじゃないという(笑)

卓史:そこはカッコいいね(笑)

H:そういうもんなんだよな。

大地:ホントに、センスのある使い方をしている、みたいな。みんな言ってて…

H:いいね、音楽の話は(笑)

2人:(笑)

H:ホッとするよ(笑)なんかこう、こんな時代でも音楽聴いてるとその世界に入れるからね。あー、やっぱり音楽やめるのやめた(笑)

大地:やったー(笑)

卓史:ぜひぜひ…(笑)

H:音楽、おもしろいわ。自由だよ。

大地:自由ですよね。

H:ね。マスクいらないから。

大地:音楽やってると…つけてると演奏できないんで、外してます。

H:そうでしょう。そりゃそうだよ。

大地:つけると音変わるじゃないですか。ハイが落ちるというか…

卓史:感覚的にはかなり変わるよね。

H:声はね。ドラムが?

大地:聞こえる音が。

H:あ、聞こえる音がね。

大地:それは誰かが…鼻から音を聴いてるから変わるんだ、って言ってて。

H:鼻!鼻って耳なのか!(笑)

大地:たしかにそうかも!と思って。

H:へぇー!

大地:へぇですよね。

H:初めて聞く。だったら口もそうかも。目も。

大地:響いてる…

H:まぁ皮膚でね、聴くから。そうかそうか。それは知らなかった。

大地:そうですよね。ドラムは無理です、マスクしながらは。

H:まぁでもしてないほうが…見た目もね。

大地:(笑)

H:だって最近の子どもは…家庭でお母さんがマスクしてると「マスクを取った顔が怖い」っていう子どもがいるって…

大地:そうか、逆に…

H:あと、「昔に戻りたい」っていうのはニュースで聞いたんだよ。子どもたちが。

卓史:「昔」というのはその子たちのちょっと前の…

H:コロナ以前の。それはおんなじ気持ちかもしれないね。あ、でも僕は昔に戻りたいとは思わないけどね。どう?

大地:うーん…

卓史:いやー…

H:(笑)

卓史:「どうしていくか」みたいなことばかり考えてたんで、もし不思議なスイッチがあって戻れるというんだったら押してみたい、という気持ちはありますけどね。

H:うんうん。ボタンね。なるほど…まぁ今後、どうするのかな?予定っていうのは別にないんだよね、僕もね。

大地:グッドラック的にも…なにも立ててないよね。

H:立ててないか。なんかやろうかな!

2人:お…

H:このまんまじゃイヤだ!(笑)

大地:おお!(笑)

H:(笑)

大地:これは…細野さんフェスティバルみたいな(笑)

H:それは無理だよ(笑)

大地:そうですね(笑)

H:まぁでもなんかしら…やんないとおもしろくないや。レコーディングでもいいんだけどね。でも、いまはそういう音楽…さっきみたいな音楽聴いてて影響されちゃうとイヤだな、と思ってね。2年前はブギウギやってたじゃない?

大地:そうですね。

H:もう今はちょっとできないけどね…

大地:ですよね。2年もやってない…

H:そう。ずいぶんやってたじゃん。10年ぐらい?

大地:そうですね。やってました…

H:まぁその集大成だったじゃない、2年前のアメリカはね。

大地:ホントにそうだと思います。

H:だから、これが終わったら休もうと思ってたから、ちょうど休めたという。で、今後どうするかっていうのは白紙状態。聴いてるけどね。いろいろ。聴いてるけど自分は白紙状態で。どうするんだろう?と思ってね。まぁみんなもそうらしいね。どうやらね。

大地:そうですね。

H:まぁじゃあこんな感じで…締めちゃうよ?

大地:はい。

卓史:はい。

H:いいの?(笑)

2人:(笑)

大地:またしばらく細野さんと会えなくなるのか、と思うとアレですけどね…

H:前、家の前で会ったね。僕の母親が亡くなって…

大地:すみません、そのときは…(笑)

H:いやいや!すばらしいよ。なんか…奇跡だよ。位牌を持って、外に出たんだよね。

大地:ちょうどみなさんがお帰りになられたとき…

H:そう!そしたらそこに通りかかって、なんかくれたんだよね。

大地:細野さんにちょっと、夏のお届け物を…と思って来たら、細野さんとみなさんが喪服の姿で…

卓史:あー…

H:そうそうそう。どうもありがとうございました。

大地:いえいえいえ…(笑)

H:野村くんも、ありがとうございました。

卓史:いやいやいや…(笑)

大地:また、呼んでください。

卓史:ぜひ!

H:はい、またやりましょうね!では、伊藤大地くんと野村卓史くんでした。ありがとう!

2人:ありがとうございました!

 

 

2021.07.18 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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~~~~~~~~~~~~~ 

 水原佑果:…そこに行ったときにホケキョーがたくさん鳴いてて。頂上に行ったときに。

 H:あー、ウグイスってやつね。

 佑果:♪ピピピピピピピ…

~~~~~~~~~~~~~

 

H:「いいねぇ、佑果ちゃん。」ということで…なんかごめんね(笑)

安部:(笑)

H:ちょっと他の番組に影響されちゃって…いけないね。

 

 

H:今日のゲストはnever young beach…って言っていいの?

安部:大丈夫です(笑)

H:大丈夫ね。安部勇磨くんです。

安部:よろしくお願いします。

H:ソロが6/30に出ましたよね。

安部:そうなんです。

H:いまCDを初めて見たよ、僕は。あれ、そんなことないかな?

安部:(笑)

H:ソロが出て、反響はどうですか?

安部:やっぱりすごい反響があって…リリースするにあたってSNSを始めたんですけど。

H:あ、今までやってなかったんだね。

安部:やってたんですけど、ちょっとお休み…というかやめてたんですけど。今回リリースしました、ということをやったら、海外の方がすごい…今までになかったくらいパーッと書いてきてくれて。

H:すばらしいね。

安部:なんかうれしい、届いてないところや人に届き始めてるのかも、と思ってすごくうれしくて。

H:やっぱりいいね。SNSとか。そういうのね。

安部:でもホントに細野さんやデヴェンドラさん(Devendra Banhart)のお力もありがたいというか…ワクワクして楽しかったので。

H:僕も楽しかったよ、ミックス。

安部:あ、ホントですか。なんかちょっと…あー、一個終わっちゃったんだ、みたいな。夏休みが終わっちゃったみたいなみたいな寂しさもあるんですけど。

H:いやいや、始まったんだよ(笑)

安部:そうですね(笑)ホントに楽しかったです。ありがとうございました。

H:じゃあその中で…1曲かけましょう、まずはね。

安部:じゃあ…僕の中で思い入れが強い曲なので、"おまえも"という曲をお聴きください。

H:あ、これ僕がミックスしたやつだ(笑)

安部:そうですそうです(笑)これ音がいいんだよな…なんでシンセサイザーとか…まぁ後で聞きますけど、なんでこんな…

H:(笑)

 

 

おまえも - 安部勇麿

(from『fantasia』)

  

 

H:いやいや、いい歌だね。

安部:えー!うれしい!(笑)

H:歌を聴きながらミックスすると楽しいね。つい聴いちゃうんだよね。だからすごく[ボーカルを前に]出しちゃったよね(笑)

安部:出してくれたんですね(笑)ありがとうございます。うれしい…

H:出過ぎてない?大丈夫?

安部:ぜんぜん!でも僕は初めて聴いたときビックリしちゃって。ミックスってこんなに変わるんだ、というか。

H:元をみんなは知らないからね(笑)

安部:僕が自分で、なんとなくでやってたやつがあったんですけど。細野さんがやるとこんなに違うんだ、すげー!って…ちょっと感動しちゃいました。

H:そこまで言われるとなんか恥ずかしいんですけど…もっともっと良くなるかもしれないし、力が足りない…

安部:いやいや!僕は音楽やってる友達に自慢気に、鼻高々に、聴いてくれよ…とか言って(笑)細野さんがミックスしてくれたんだ、って。で、みんな聴いてうわー、すげー…って。楽しかったですね。

H:よかった。これはギターがデヴェンドラ。

安部:そうです。デヴェンドラさんが弾いてくれて。

H:いいね。いい仲間だね。

安部:ホントに素敵なギターが入って、しかもこれに細野さんのミックスという形で…5,6年前の自分とか、ビックリするだろうな、と。

H:それはみんなそうじゃない?僕もそうだよ。

安部:そうですね(笑)ホントに感動して…一生モノのワクワクする楽しい経験だったなぁと思って。すごく楽しかったです。

H:いやいや、これが始まりなんで。

安部:そうですね、ありがとうございます…

 

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H:曲の特徴があるんだよね。なんだろう、なんか惹かれるものがあるんだよ。

安部:ホントですか!うわー、よかったー!僕、昨日…明日細野さんに会うんだと思って、細野さんのインタビューをなんとなく見てたんですよ。そしたら「細野さんの音楽に影響された若い人たちの音楽は聴きますか?」みたいな、何年か前のインタビューだったんですけど。細野さんは「聴かないな」って。

H:(笑)

安部:「お茶とかもそうだけど、一番は美味しいんだけど二番煎じ・三番煎じはあんまり美味しくないんだよ」と書いてあって。あっ!僕はまだがんばらなきゃ、みたいな…

H:いやいや…(笑)

安部:でもそう言って頂けるとよかった、うれしいな、と思います。

H:その頃はたぶん、聴いてなかったのかもしれない(笑)

安部:(笑)

H:今はみんな成長してきたじゃない。勇麿くんもね。もう大人だよ。あの頃はたぶん、子どもだったんじゃない?(笑)

安部:そうですね(笑)細野さんからデータでもらうときに一言、「素敵な曲だったよ」と添えてくれて。

 

H:その通りだよ、正直に。

安部:あれがホントにうれしくて。こんなことってあるんだなぁ、としみじみしてしまいました。

H:いやいや…でも歌とか曲がよかったんで、ホントにホッとしてるというか(笑)

安部:(笑)

H:これがダメだったらミックスってすごくつらくなるからね(笑)

安部:やっぱりそういうのありますよね、そうですよね。だから僕も…頼んだら細野さんは「いいよ」って言ってくれたけど、いざ渡してあんまり好きじゃないとかだったら大変なことを言っちゃったよな、と。大丈夫かな細野さん…と思って。

H:いや、たぶんね、お互いにあんまり考えないでやり取りしたのがよかったんだよね。突然会ったわけじゃないしね。お互いに知ってるし。

安部:そうですね。僕もいい意味で…細野さんとなんとかやるぞ!とか気合い入れるのもダメなんだな、と思って。スーッと普通のテンションで…

H:そうそう。普通で行こう、普通で(笑)

安部:よかったよかった(笑)ありがとうございます。でも、そう、出したら出したで…出すまでは宝物みたいな時間だったんですよ、僕の中では。

H:わかるなぁ、それ…みんなそうだよね。

安部:やってるときはすごい、うわーうれしい!とかだけだったんですけど、出てからは緊張というか。

H:そういうもんだよね。作っちゃった後って誰でもそう。僕もそうだよ。

安部:そうなんだ…

H:恋愛してるときって楽しいでしょ?でも家庭を持つわけじゃん。そうすると子どもができて。養育費とか。学校、どこに入れようとかね。すごい社会性を帯びてくる。音楽もそうやって生まれてくるんだよね。

安部:ホントそう、そうですね。だから僕もなんも考えず…なんも考えないから皆さんもファーって受け入れてくれたのかな、と思うんですけど。デヴェンドラさんも。

H:うんうん。

安部:なんも考えずに友達とやってた…細野さんのことを友達って呼ぶのもすごく失礼なんですけど。

H:いやいや、友達だよ(笑)

安部:音楽が大好きな、歳は離れてるけど大好きな人にやってもらえた!というだけでやってたのに、ちゃんと…こういう媒体でこういうインタビュー受けて、とかやっていくうちにどんどんどんどん…自分の感覚を言葉にしていくうちに、この言葉で合ってるのかな、とか。それは言葉にできないなぁとか。いろいろ考えちゃって。

H:なるほどね。なんも考えなくていいってば。

安部:(笑)

H:もう、まんまで…だって他の曲もいいからね。

安部:え、ホントですか!

H:ホント。嘘つかないよ、僕。嘘ついてもしょうがないからね(笑)

安部:よかった!(笑)うれしいー!

H:自分でも作ったとき、あ、いいのができた、と思うわけでしょ?さっきも言ってたように思い入れがあるわけでしょ。

安部:そうですね、作ってるときは…僕、ひょっとしてすごい才能あるんじゃないの?とか(笑)

H:それそれ(笑)それでいいよ。

安部:作ってるときは無敵のような感覚でやるんですけど。

H:それが大事なんだよ。

安部:じゃあ、細野さんも作ってるときがいちばん楽しい、というか…

H:まぁ、最近はちょっと落ち込んでるけどね。

安部:え!それはなんでなんですか?

H:やっぱりもうね、歳だから…才能がもうないというか(笑)

安部:いやいやいやいや…

H:いやいやいや…と言われてもね(笑)いや、ホントそうだよね。枯れてくるね。

安部:え、枯れるんですか!

H:枯れるよ。

安部:えー、だって『HOCHONO HOUSE』でも…2年前ですか、もう。

H:あれも勇麿くんの一言でつらい思いを…

安部:いやいや(笑)でも僕も『HOCHONO HOUSE』を聴いて…細野さんとかとお話しさせて頂いて、自分よりもぜんぜん歳が上の人でも…

H:ものすごく上だよ(笑)

安部:(笑)だけど、作る力ってやっぱりなくならないんだな、って。こんなにおもしろいものを作る…古いも新しいも超越した細野さんの…

H:でもね、やり出すとそうなるんだよね。やる前がダメなの。枯れてて。考えられない。

安部:へー。じゃあやると湧いてくるんですか?

H:やれば仕方なくやるというか。

安部:そうなると楽しくなってくるんですか?細野さんも。

H:無理やり楽しくなってくるね(笑)

安部:(笑)

H:とにかくね、持続力というか、若い頃の…例えば徹夜でやるじゃない。レコーディングもね。それができなくなってくる。

安部:あー、ホントに体力的なところで…

H:体力。気力もね。体力に気力が引っ張られちゃうから。

安部:なるほど。

H:昔は気力で体力をごまかしてたわけ。例えば…ずーっと徹夜でやってるじゃない、スタジオで。ひとりでやってるんだよね。そうするとなんかね、足踏みしてるんだよ。自分が。なんだろうと思って。なんで足踏みしてるんだろう、と。自分の足が。あ、オシッコしたいんだ、と思って(笑)

安部:(笑)え、それがわからなくなるぐらい…

H:集中しちゃうんだよね。昔はそうだったね。

安部:へぇ…昔って、細野さんの作品で言うとどのあたりの時期からそんな感じだったんですか?はっぴいえんどとかもですか?

H:いや、その頃はそんなことなかったね。集中したりする時間もそんなに長くないじゃない。短期集中で。

安部:じゃあ、その後のご自身の活動というか。

H:そうそう。ソロを作るとやっぱりすごい時間をかけちゃうじゃない?

安部:そうですね。

H:この前の『HOCHONO HOUSE』もすごい時間をかけて。消耗しちゃって。だからアルバム1枚作ると、背が1cmくらい縮むんだよ。

安部:(笑)

H:ホントに。体重は1kg増えるけどね(笑)

安部:細野さんって、アルバムを制作するときがいちばん楽しくなってきて、朝とか夜中までパソコンの前でやるじゃないですか。

H:うん。

安部:で、リリースになる頃って…完成品になるまでに自分で何回も聴いてるじゃないですか。

H:そうなんだよ。

安部:リリースしたときには、聴いてくれる皆さんはすごくワー!って言ってくれるけど、意外と自分は次の作品に向かってたりとか。

H:冷めてる。

安部:聴き飽きたりとかして。そのとき細野さんって、自分のアルバムができたらすぐに次の作品とかに行くんですか?それとも疲れちゃって行けないんですか?

H:気持ちはね…レコーディングをやってると次のアイディアが出てくることがあるでしょ?

安部:ありますあります。

H:映画作ってる人もそうじゃない。監督とか。次の作品の構想がその映画の制作中に出てきちゃうんだよね。

安部:うんうん。

H:それはあって。やろうと思うんだけど、できないね。疲れてて(笑)

安部:いやー、そうなんだ…僕も最近、やりたい気持ちとか、やるぞ!って思ってたのに…

H:ちょっと待ってよ、おじいちゃんの意見だからね?(笑)

安部:(笑)

H:自分に当てはめないでよ(笑)

安部:細野さんも昔はそうやってずーっとやってた…ただ僕は今、けっこう休んじゃうというか…この前も新しい曲を作ってたんですけど。

H:あ、また作ったんだ。それだよ、若さ。

安部:今回のアルバムを作って…細野さんのミックスとかで、こんな音像で気持ちいい…いろいろ勉強だなぁと思って。

H:それはいいね。

安部:僕だったらこうしてたのに、こういうやり方をするとこんな風に自分の曲が思いもしてなかったように聞こえるんだ、とか。

H:それっていいの?大丈夫?(笑)

安部:すごくいい意味で!ホントに素敵な意味で…自分は音楽の知識とかがなくて、閉鎖的に「こういうものだ」と思ってやってきたけど、細野さんみたいにいろんな音楽を知ってる方が「こういうやり方もあるんじゃないの?」ぐらいの感じでやってくれたような気がして。こういう音像があってこんな気持ちいいんだ、って。すごくハッとして、それでまたこういう音像でやってみたいな、とか。どんどんワクワクしてきて。

H:そうか。それはいいことだよね。

安部:で、今また曲を作り始めたんですけど。そしたらある程度形になってから詰めていくところで妙に体力が必要になってきて…今は一回やめちゃおう、とか思ってなんにもできなくなっちゃって。

H:いいんじゃない?一回放っておいたほうがいいよ。

安部:やっぱり一回放っておいたりする時期はあるんですか?細野さんも。

H:ある…かな?

安部:放っておいてる時期って音楽から全然離れるんですか?

H:そう。それでもう10年ぐらい経っちゃったりするんだよね。

安部:(笑)

H:いや、ホントに(笑)

安部:1990年代とかですっけ?

H:一時期ね、部屋でギターでいっぱい録り溜めてたの。メモ代わりにね。そういう断片がいっぱいあるんだけど。もう20年、30年前のもあるわけ。

安部:へぇー。今も残ってるんですね。

H:残ってるよ。これはいつか使おう、と思ってるうちに忘れちゃって。もう何十年も経っちゃってる。

安部:そういうのって、もう一回作ろうとかはあんまり…

H:いや、実はね…あるんだよ。

安部:お!じゃあ最近も実はなんか作ってるみたいなことなんですか?

H:ときどき使ったりするね。

安部:へぇー!

H:捨てないで取っておくという…もうなんでも取っておくんだよね。

安部:そうですよね。細野さんの六本木でやってた展示行ったら、小学生の時の漫画とか…すごいなと思って。

H:あれはね、母親が隠して持ってたんだね。

安部:いま見るとおもしろい…こんなものが残ってるなんてすごくありがたいなというか、ファンとしてはうれしくて。

H:まぁ、だからちょっと恥ずかしいんですけど。いろんなものが残りすぎててね。

安部:そうですよね。だってあれ赤裸々というか…自分の小さい時の写真とか恥ずかしかったりするのに。見せてくれるのはうれしくて。

H:だから…捨てる人も多いんだろうけど、捨てられない人ってけっこういるでしょ?捨ててないでしょ?

安部:僕はでも…細野さんみたいになんとなくギターでつま弾いたやつをデータで残しておく、とかはあるんですけど。昔のノートとかはどこかで捨てちゃってたりしてて。細野さんのを見てやっぱり残しておけばよかったかな、とか思って。

H:残そうと思ってるんじゃないんだよ。捨てられないだけなの。めんどくさくて(笑)

安部:(笑)

H:誰かが捨てちゃったらしょうがないけど、自分ではできないね。考えちゃうもん、1個1個。

安部:へぇ…

H:これは捨てていいかな…とか、考えてるうちに1時間くらい経っちゃうでしょ?だったら捨てないほうが早い、というか。

安部:あー。でも細野さんのあの展示を見てから、ちょっとノートに書いたやつとかは僕も残しておこうと思って。

H:だから…亡くなる前に整理したりする人がいるけど、そういうのはすごいなと思うよね。身辺整理してあの世に行く、という。たぶんそれはできないね、僕は。もう、迷惑かけながら…っていう感じになっちゃうよね。「なにこれ、こんなに残っちゃって」って言われるタイプ。

安部:(笑)

H:みんなそうだよ。音楽やってる人はだいたいそうかな?

安部:たしかに愛着というか、わきますもんね。

H:そのおかげで…亡くなった後も色々、音源が出たりするじゃない(笑)

安部:はいはいはい…そうですね。僕とかは自分が亡くなった後に、隠してた音源とかが世に出たらちょっと恥ずかしいかも、とか思うんですけど、どう思います?そういうのオッケーですか?

H:いやもう、死んじゃったらわかんないからね(笑)

安部:そっか、死んだらたしかに恥ずかしいもなにもないですもんね(笑)

H:ただし、生きてる間にあんな展示会やったり…まるで死んでるみたいな。

安部:(笑)

H:それがいちばん恥ずかしいよ。生きてるんだから(笑)

安部:そうですよね、赤裸々ですもんね。あんなにたくさんの過去のものが…

H:まずいもの展示してないかな?とかね。全然チェックしてないよ、自分では。

安部:あ、チェックしてないんですね!

H:大雑把に、いいよいいよ、みたいなね。

安部:へぇー!でもホントおもしろかったです。僕、2回行きましたもんね。

H:あ、ホント?そうですか。

 

安部:お…

H:おしゃべりをしてるとすぐ時間が経っちゃうんだよ(笑)1曲かけてお別れだね、これはね。

安部:あ、ホントですか!ちょっと早くて申し訳ないんですけど、最後に1個だけ…今度ホントに、ミックスを…ミックス講座みたいな感じで教えてほしいです。

H:いや、僕はなんのノウハウもないんだよ。

安部:いやー、そんなの嘘です。ダメですよ、細野さん(笑)

H:いやいや、ホントに。気力でやってるだけだから…

安部:あー!(笑)あ、話がまた長くなっちゃつてホントに申し訳ないんですけど…

H:(笑)

安部:ずーっときょう聞きたかったんですけど、先ほど流して頂いた"おまえも"とかのシンセがすごく空間があって広くて。あれってどうやってやってるんだろう、って。

H:…忘れちゃった(笑)

安部:あー!(笑)

H:その場でしかやらないから…(笑)

安部:最近僕、インタビューとかで…「アルバム出ましたよね」「細野さんのミックスはどうでしたか?」って聞いてくれて。

H:うん。

安部:いや、すごいんですけど、どうやったんですか?って訊くと「わかんないんだよね」って言われてわからないままなんです、って言って…(笑)

H:あとでデータを見れば思い出すというかね。

安部:あ!ちょっと今度、いつかデータを見せてもらっても…

H:いいよいいよ。

安部:やったやったうれしい!ありがとうございます!

H:ヘンな会話だ、ミュージシャン同士の…誰もわからない(笑)

安部:ありがとうございます(笑)

H:はい、じゃあ音楽…かけられる?1曲選んで。

安部:じゃあ、これも細野さんにミックスして頂いて…デヴェンドラさんがギター弾いてくれた曲で、"さよなら"という曲があるので…

H:あー、あれね。では、これでお別れします。ゲストの…今野雄二、じゃなくて…(笑)

安部:安部勇麿です(笑)

H:安部勇麿くんでした。なんで今野雄二が出てきたんだろ?(笑)

 

 

さよなら - 安部勇麿

(from『fantasia』)

  

 

H:お、いい音だな。

安部:あ、あと僕、そう、このギターの…ディレイみたいのかかってるじゃないですか。

H:はいはい。

安部:これが、『HOCHONO HOUSE』とかでもドラムにディレイがかかってたのを憶えてて。あ、細野さんのディレイだ!と思って興奮した…

H:いやいや、僕のディレイじゃないよ。みんなのディレイだよ(笑)

安部:みんなのディレイっていいですね(笑)

  

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安部:最近、源さん(星野源)とかとも…「勇麿くんって細野さん、大好きでしょ?僕も大好きで…」みたいな話をして。

H:あ、ホント?へぇ。

安部:「でも細野さんってさ、好きすぎると逃げちゃいそうじゃん」みたいな。

H:逃げちゃう?

安部:「スキスキ!」って言うと、細野さんってヒラヒラヒラ~、って…(笑)

H:(笑)

安部:だから「あんまり好きって言っちゃうと、どっか行っちゃいそうで言えないよね…」みたいな話をして。

H:それ、男女の話じゃないの?(笑)

安部:(笑)だから今回も…僕が細野さんに影響されて好きで作ったから、嫌われたらどうしよう…

H:いやー、嫌いなわけがないよ。でもなんか、こういうメロディーラインとかコードラインとかは自分の中にもあるからね。親戚だよね。

安部:マジでホントに、ありがとうございます。あー、よかった…うれしい…

H:声に特徴があるんだね。

安部:あ、ホントですか?

H:最近の人ってキンキンで高いじゃん。

安部:そうですね。高い人が多いですね。

H:低くはないけど、歌手の声…おもしろい。

安部:よかったー、うれしい!いや、それもすごいコンプレックスというか…今はちょっと低いくらいなんですけど、「細野さんの声と近いものがありますよね」ってインタビュアーの方から言われるんですけど。

H:あ、言われるんだ。

安部:でも僕からすると、細野さんほど低いところはあんなにどっしり出てないし。どっちつかずだな、なんかもっと自分の歌い方はないかな、とか。

H:悩むね(笑)

安部:そう、悩んでるんです(笑)

H:僕から見るとね、まだ半分子どもみたいに見える(笑)

安部:いや、そうですよね(笑)でもホント、細野さんにそういうこと言われると3日間くらい心がホカホカして…

H:よかったよかった(笑)

安部:ホントにそんなこと言ってくれてたっけ?とか、何回も考えたりしてわかんなくなってきて。

H:お父さんとお母さんはなんて言ってるの?

安部:あ、僕お父さんとお母さんが天界に行ってるタイプなんですよ。

H:あ、そっか。おんなじだよ、僕と。

安部:細野さんの世代の人たちとあんまり接点がないから…もしいたらおじいちゃんとかお父さんってこんな感じだったのかな、みたいな。

H:え、浸ってるの?やめてよ?(笑)

安部:(笑)そう、だから親しすぎると嫌われちゃいそうな感じがして…

H:お父さんって呼ばないで、絶対(笑)

安部:(爆笑)

 

 

 

 

2021.07.11 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:細野晴臣です。こんばんは、おはようございます。きょうはほんっとに久しぶりに、メンバーの高田漣くんと伊賀航くん。

高田:はい。

伊賀:こんばんは。

H:いらっしゃい。よろしく。

2人:よろしくお願いします。

高田:ご無沙汰しております。

H:ホントに会わなくなっちゃったね(笑)

伊賀:そうですね。

高田:1年ぶり?

伊賀:1年、2年…

H:2年は経ってないけど、まぁ一昨年だもんね。

伊賀:そうですよね。

H:あれから何もやってないんだよ、僕。みなさんはやってるんでしょ?ライヴ。

高田:伊賀くんはやってるよね。

伊賀:ちょっとずつですけど。

H:伊賀くんはやってる噂を聞くね。

伊賀:ホントですか。細野さんもご存知の猪野秀史さん。

H:そうそう。それやったんでしょ?

伊賀:はい。この前ビルボード東京とかでライヴがあって…そうですね、それはやってましたね。

H:他にもけっこうやってるでしょ?

伊賀:他はまぁ、小っちゃく小っちゃく…小っちゃく(笑)

高田:(笑)

H:じゃあわりとこの1年は…ライヴはほんの少しで。あとは何やってたの?

伊賀:あとは…音をもらって家で録音するとか。ベースだけ録るとか。そういうのをやったりですね。

H:なるほど。

伊賀:そんな感じですね。もう、静かにしてます。

H:(笑)漣くんの小説はどうなった?

高田:小説も書いてたんですけど…細野さんにもお手伝いをお願いしたと思いますけど、去年の半分くらいからはうちの父親の写真集の作業がほとんどで…

H:出たね。大変だった?

高田:ものすごい大変で…それで気がついたら終わっちゃってた感じですね(笑)まずデジタル化して、それをメールで皆さんとやり取りして、今度は実際に使いたい写真を皆さんにご連絡して…それも細野さんみたいに交流がある人だったらいいんですけど、もう今どこにいらっしゃるかわからないような人はその素材を探したりとか…それこそ、その顛末をいつかまた書きたいなというぐらい…(笑)

H:1冊になっちゃう(笑)

高田:もうね、おもしろいことがいっぱいありました。

伊賀:写真がすごい量だしね。

高田:うん。それを見るだけでもほんとに…ハードディスクがパンパンになるほど(笑)

 

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H:じゃあ、画面上の問題で一人ずつ伺いますが…伊賀くんは自分のソロとかは作んないのね?

伊賀:ソロですね…(笑)そんなに考えてはないですけど、でもちょっとは…え、なんでそんなお話をいきなり?

H:いや、他に話はないよ。

高田:(笑)

伊賀:そうですよね(笑)いや、自分でも好きで録音とかしてたから、そういうものをなにか形にしたいな、と思ったりとか。

H:どんどんやったほうがいいよ。今すぐ、明日にでもやったほうがいい。

伊賀:そうですね(笑)去年…あ、これは別に放送されなくてもいいんですけど。

H:うん(笑)

高田:(笑)

伊賀:アナログのレコードを自分でカッティングできるというマシンが学研から発売されて。

高田:え、学研?

H:おもちゃなの?

伊賀:おもちゃなんですよ。小っちゃい箱に入ったやつで。

H:付録ね。欲しかったやつだ。

伊賀:あれを買って…盤が付いてくるんですけど、自分で作ったものをカッティングしたりとかして。

H:どうなの?それ。音は。

伊賀:音はね、すごいノイズですよ。ザラザラ。

2人:(笑)

H:おもちゃだね、やっぱり(笑)

伊賀:でもそれがまた、ちょっと味わいっぽくなるというか。

H:なるほど。なんかに使えそうな感じはあるね。

伊賀:そんな感じで…ちょっと録音してみたりとかは考えてます。

 

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H:じゃあ漣くんはどうですか?

高田:僕は…自分のソロと呼ぶのかはちょっとわからないんですけど。先々週まではずっと、とある洋服のブランドのコレクション用の音楽。

H:ほうほう。

高田:このご時勢なのでパリコレとかはできないので、それを映像でやるということになって。それの音楽を作ったりしてて。

H:なるほど。いいね。

高田:で、先週からは…まだだいぶ先なんですけど、来年公開になるある映像作品のサウンドトラックをご依頼頂いたので、まずはその作曲作業がこの夏はずっと続くというか。

H:あ、これからね。

高田:だからしばらくは籠もって…まぁずっと籠もってたんですけど(笑)そのまま継続して籠もって…弦楽四重奏とかが多いと思うので、どちらかというと譜面作業が多いと思います。たぶん。

H:それはおもしろそうね。じゃあ、一昨年に帰って来てから…こんなになっちゃったじゃない。

高田:そうですね。

H:どうなの?なんか集まったりしてるの?

高田:そんなにないんですけど、それこそ伊賀くんの話じゃないですけど、レコーディングも今はだいぶ状況が変わってきて。「せーの」でやるということがどんどんなくなって来てて。僕がこないだやったプロジェクトでも、本当だったらドラムとベースを一緒に録りたいんですけど、いろいろと密にならないように考えられて…結局個別に録音するという方法になってて。ちょっと前にめずらしく伊賀くんと…レコーディングでね。

伊賀:うん。

高田:すごく久しぶりに「一緒に演奏する」というか。

伊賀:そうだね。4月くらいかね。

高田:その前はだって、その前の4月ぐらいだもんね。それも同じレコーディングだったんですけど。そのとき、伊賀くんと一緒に演奏したのが本当に…

伊賀:久々。

高田:人と一緒に演奏したのは本当に久しぶりというか。録音上はあるんですけど、生でやったのはね。

伊賀:久々に録音スタジオに行ってね。

高田:そうそうそう(笑)

H:あの『あめりか』のアルバム、皆さんに確認しないまま出しちゃったような気がするんだけど、大丈夫だった?

高田:いや?たぶん発売する前に聞いてます。

伊賀:来てます。

H:全然、直しはなかったでしょ?

伊賀:そうだと思います。

H:僕も歌の直しがなくて、そのまんま。ほとんどね。ちょっとだけ…声がひっくり返っちゃったから(笑)

高田:すごく臨場感があるというか。やっぱりそのときの空気みたいのをなんとなく思い出すし。でも細野さんが仰るように、それがもう何十年も昔のような気がしてしまうというか。

伊賀:たしかに。

高田:なんというか、元の…どういう生活をしてたのか、正直思い出せないというか(笑)僕、とあるイベントに呼ばれたとき、18時から本番だと言われて、じゃあ17時半くらいに行けばいいですかね、って言ったらリハーサルがあるんで、って言われて。そのときに初めて、そういうイベントにはリハーサルがあるんだということを思い出したぐらいで…(笑)それぐらい色んなことを忘れちゃってるというか。

伊賀:そうだよね。

高田:もう、普通の生活に戻れなくなってることは確かですね。

H:いやホントだよ。もう戻っててもおかしくないはずなんだけど、ダラダラと続くよね(笑)

高田:ほんとですねぇ。

H:だから、あの頃と今と何が違うかといったら、やっぱり自由が制限されてる。そこがいちばん強いよね。

高田:うんうん。

H:だからあの頃の映像を見ると誰もマスクしてない。当たり前だけど(笑)

高田:そうですね、ぎゅうぎゅうにお客さんがいて…とかね。

H:まったく予想もしてなかったよね。こういう事態。たぶんこれがなかったら去年も今年もライヴやってただろうね。

伊賀:そうですよね。行く予定も…

H:あったね。3か所くらい外国もあったけど、もう行く気がぜんぜんなくなっちゃった(笑)

 

 

Sports Men [Live]  - 細野晴臣

(from『あめりか』)

  

 

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高田:なんかこう…仕事は仕事として。そうじゃなく、うかつに外に出るのもどんどんどんどん怖くなってくるというか、今。ようやく出れるようになるかな、と思うと必ず次のことが起きて、というか、次の悪いキャラクターが現れるように…(笑)

伊賀:(笑)

高田:どんどんどんどんボスキャラが増えていくような感じで、どんどん籠もるようになってきて。だからだんだん…そもそも自分は外に出てなかったんじゃないか?という気がしてきちゃってる…(笑)今まで生きてきたことが幻だったんじゃないか、というぐらい遠いもののように思いますね。前の世界が信じられない。

H:たしかにそうだよね。そういうことを言葉で言える?伊賀くんは。

高田:(爆笑)

伊賀:そうですね…いやもう、幻だった…(笑)

H:おんなじじゃん(笑)

高田:すごい近いところに立ったね(笑)

伊賀:そうですね…細野さんはほんとに、なんにもされてないんですか?(笑)

H:いやいや(笑)なにか宿題みたいなことはいっぱいある。いつも言ってるんだけど、夏休みの小学生が一生続いてるみたいな。なんで…本当はもっとヒマでもいいんだけどね。なんか追われてて。ほら毎週、この番組やってるじゃない。

高田:そうですね。

H:で、月に1回手作りでコツコツ作ると、これが時間かかるんだ。ミスがあったり、やり直したりね。

高田:でもまぁ、そうやってちょっと出る機会があるのとないのとでエラい違いというか…僕らも全く出なくてよくなってしまうと、きっとほんとに籠もりがちだから…どこかで強制的に出る機会があるということが自分たちにとっていいときもあるかもしれないよね。

伊賀:やることがある。

高田:もしなんにもしなくてよかったり、少なくとも家から出ないでずっと過ごしてろと言われたら…たぶん伊賀くんも僕もどちらかというとできる人同士なんですけど(笑)

H:なんにもしなさそうだよね(笑)

高田:なんですけど、そうなるとどんどん元に戻れなく…それこそさっきの話じゃないですけど。戻れなくなりそうで。その恐怖感がいっつもあるような気がしますね。

H:おんなじだ。だからテレビに出てる人とかは出ていくのが自然な感じになってるんだろうけどね。ミュージシャンはそうはいかないよね。

高田:そうですね、本当に。

H:僕なんかはステージがない限り、服を新調しないんだよ(笑)

2人:(笑)

H:毎日同じのを着てる(笑)

高田:でも僕もそうですね。とにかく家から出ないので、ほとんどの時間が寝巻ですね。そう言われてみると(笑)

2人:(笑)

H:ホントになんか、だんだん気持ちが家のない人に近い…

伊賀:(笑)

高田:家にずっといるのに…(笑)

H:さまよってるというかね。

高田:なんだか不思議なもので、今の状況が…細野さんもあったと思うんですけど、ツアーに行ってなんかの事情で外に出られないで、ホテルにずっといなきゃいけないみたいな。言葉は悪いですけど、監禁されてるみたいな。そんな感じなんですよね、家にいても。

H:あのさ、感染から隔離するという「quarantine」という言葉があるんだけど、「監禁」という意味だからね。いやー、監禁されてるのか、僕たち(笑)

高田:でもなんか…コロナ禍になって割と早い時期に、たまたま伊賀くんのところにある海産物が大量に届いたというので、ちょっと自分で処理しきれないからみんなに配りたいんだけど、と言って。伊賀くんがわざわざうちの近くまで持ってきてくれたんですよ。その伊賀くんに会う…というか人に会うのがものすごく久しぶりだったので、伊賀くんが救世主のように見えて(笑)アワビだったんですけど、アワビを持った救世主が現れた、みたいな(笑)

H:神話だね。

伊賀:(笑)

H:で、アワビをみんなで食べたの?

高田:いや、それぞれ分けてもらって。

H:これはね、日本の古代の神話に近い。海幸彦…(笑)

2人:(笑)

伊賀:年末にね。

高田:年末だったっけ?そうか。

 

H:最近は…じゃあ一人ひとり。伊賀くんは音楽は聴いてるの?

伊賀:音楽は…逆に前よりも聴く時間がいっぱいできて。たくさん聴きますね、僕は。

H:どんなの?

伊賀:古い音楽よりも新しい、今の音楽のほうが聴いてますね。

H:例えば?かけるかもしれない。

伊賀:例えばね…サム・ゲンデル(Sam Gendel)という。

H:あ!やっぱりね。先週かけたばっかり。

伊賀:かけましたか(笑)サム・ゲンデル、やっぱりそうですか。じゃあやめますか…

H:やめなくてもいいよ(笑)

伊賀:それは最近聴いてました。

H:やっぱりそうか。その気持ちはわかるよ。今の音楽がどうなのか、というのはすごく興味があるし。音楽が伝えてくるものがあるじゃない。

伊賀:細野さんもサム・ゲンデル聴いてますか。

H:聴いてるよ。ブレイク・ミルズ(Blake Mills)とかね。繋がってく。でもラジオでは古い音楽をいっぱいやったりしてて。それも…今度サーフィンとかやらなきゃいけないというか。義務じゃないんだけどね、別に。

伊賀:サーフィン。

H:中学時代になにを聴いてたのか、というのをずーっとやってて。とんでもなくいっぱい聴いてるんだよ、あの頃って。もう30分じゃ収まらないからしょうがないんだよ。でも、いざサーフィンのを聴いてみたら騒がしくて騒がしくて(笑)

高田:そうですね(笑)

H:とても今の気持ちに合わないんだよ(笑)どうしようと思って、ちょっと悩んでるところ。やめちゃおうかな。

2人:(笑)

H:中学のときは夏だ!サーフィンだ!なんてね。♪ジャンジャンジャンジャンジャン…うるさいんだ、いま聴くと(笑)

高田:おもしろい(笑)

 

 

Afro Blue - Sam Gendel

(from『Satin Doll』)

  

 

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H:で、漣くんはなに聴いてるの?

高田:僕はですね…こういう放送でわざわざ、偉そうに言うことじゃないんですけど。

H:いやいや(笑)

高田:伊賀くんには以前話したんですけど、僕、このコロナ禍でお酒をやめまして。まったく飲まなくなったんですよ。

H:おお。すごいね。

高田:それで…その時間がすごい余るというか。飲んでた時間がたくさんあって、こんなに時間を使ってたんだ、と思って。その時間にとにかく本を読むようにしてるんですよ、今。で、その本を読んでる時間に音楽も聴くので、聴く音楽の種類が変わってきたというか。お酒を飲んでるときは、それこそサーフィンじゃないですけど、気持ちが高揚するようなものとか。そういうおもしろみを求めていたのが…それこそ宇宙から侵略者がやってくる、みたいなSFを読んでたらさすがに合わないので(笑)自然と昔のブライアン・イーノBrian Eno)の作品とかみたいなアンビエントや…恐怖映画のバックで流れてそうなものとか。そういうのばかり聴くようになってますね。

H:なるほど。アンビエント、合うよね。本を読まなくても。

高田:なんか怖い気持ちになったりとか。その時聴いてたのがブライアン・イーノの『Music For Installations』というやつだったかな?今度はなにもなしにもそれを聴くとSFの景色が目に浮かんできちゃうというか…そういう抑揚のない音楽というか、あんまり流れないものを…普段生きてるとテレビやなんかで急かされるというか…いろいろあるから、せめて音楽はゆるやかなものを聴きたくなってますね。なんとなく。

H:その気持ちはよくわかる。だからもう2年前にやってた、ああいうライヴはできない(笑)

2人:(笑)

H:まぁでも時々はやりたくなるかもしれない。またやるときは…一緒にできるのかな?全然違っちゃってたりして(笑)

高田:そうですね、10年ぐらい練習しないといけないでしょうね、リハーサルを…(笑)

伊賀:(笑)

H:たしかに(笑)10年ぐらいの感覚はあるよな。懐かしいもん。

伊賀:そうっすね…

高田:不思議と練習って…細かいテクニックは憶えてるんですけど、細野さんがさっき言ってたような、その場で感じていた言葉にできない何かが、全然今は変わっちゃってるから…

H:その通り。

高田:そういうスイッチだけが入らない。身体は憶えてるし、テクニックは残ってるのかもしれないけど、なにかがないんですよね。動かすための動力というか。

H:そうなんだよ。さぁ大変だ(笑)

2人:(笑)

 

 

Unnoticed Planet - Brian Eno

(from『Music For Installations』)

  

 

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H:いっぱい話しちゃって、すぐ時間が経っちゃうね、30分。じゃあ今度はね、大地くん(伊藤大地)たちを呼ぶんで…またおんなじような話を聞こうと思ってる。

高田:よろしくお伝えください。

H:はい、ありがとう。高田漣くん、伊賀航くんでした。

伊賀:ありがとうございました。

高田:ありがとうございました。

 

 

 

2021.07.04 Inter FM「Daisy Holiday!」より

手作りデイジー🌼#22

 

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 (以下、すべてH:)

  

 はい、細野晴臣です。いやいや…暑いですよね。毎年学生の頃はこの時期、梅雨と暑さと試験勉強で本当に鬱陶しい時期だったんですけど。まぁ、その後は海に行ったりサーフィンやったり…サーフィンはやってないですね。1日だけやったことありますけど。

 僕は中学の頃に…1962, 63年頃、サーフィン・ミュージックに出会いました。きょうはですね、それ以前の音楽…たかだか1,2年の差があるだけなんですけど、ロックンロールのインストバンドがいっぱい出てきたんですね。それはだいたいみんなジャズをやっていて、ジャズミュージシャンがロックビートになだれ込んでいった時代です。ですからベテランが多いわけで…エレキギターというものがだんだんメインに出てきたんですけど、相変わらずメロディーはサックスが取っていたりするという。いわゆる「大人のバンド」が多かったんですよね。それが62年ぐらいからだんだん青少年がエレキだけでやり出した、というのがサーフィン・ミュージックとかね。そこら辺なんですけど。その後に発展していったのがビーチ・ボーイズThe Beach Boys)のようにコーラスが入っている音楽なんです。ですから、きょうはそのインストバンド、「大人のロック」…サックスがいっぱい入っている。そこら辺を…まぁ30分では無理ですけど、少しずつ紹介していきたいと思います。

 まず最初はチャンプス(The Champs)という…このグループは"Tequila"という有名な曲、ありますね。これが1958年に100万枚も売れちゃったんです。日本でもよく知られてるんですけど、この"Tequila"という曲のオリジナルなんですね。なかなかそれはね…あまりにもヒットしすぎて、僕は飽きちゃってかけられないんですけど。でも、聴いてない人も今は多いでしょうからね、若い世代は。ですから"Tequila"をかけて…その後は"Red Eye"というビートがすばらしい、玄人はだしの…玄人はだしっていうか、ホントに玄人の音ですね。それから"Jumping Bean"という…これは付点のビートを使った非常に斬新な音楽。この3つを続けて聴いてください。

 

 

Tequila - The Champs

  

  

Red Eye - The Champs

  

  

Jumping Bean - The Champs

   

 

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 ヨルゲン・イングマン(Jørgen Ingmann)というデンマークのギタリスト、大人気だったんですけど。1961年に"Apache"を大ヒットさせました。元々この曲はイギリスのギタリストのバート・ウィードン(Bert Weedon)という人が発表したんですけど、のちに同じイギリスのグループ、シャドウズ(The Shadows)のレパートリーで有名になった曲です。でも、いちばんヒットしたのはこのヨルゲン・イングマンの"Apache"です。

  

  

Apache - Jørgen Ingmann

 

 

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 そのバート・ウィードンというイギリスのギタリスト。ベテランです。イージーリスニング的な音楽が多かったんですけど、次にかけるのはすばらしい…リズム&ブルースっぽい音なので、色々アルバムを聴きましたけどこれがいちばんよかったんですね。バート・ウィードンで"Big Beat Boogie"

  

  

Big Beat Boogie - Bert Weedon

 

  

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 大人といえばビル・ブラック(Bill Black)というベーシストですね。プレスリーElvis Presley)の初期の頃からベースをやっていました。いちばん最初に有名になったのは"Heartbreak Hotel"ですね。そこでウッドベースを弾いていました。そのビル・ブラック・コンボで、"Two O'clock Jump"!

  

  

Two O'clock Jump - Bill Black's Combo

 

   

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ビル・ブラックはこの曲ではエレキベースなんですけど、初期の頃…プレスリーのバッキングの頃はダブルベース、つまりウッドベースを弾いてました。そのウッドベースポール・マッカートニーPaul McCartney)が手に入れたんですよね。そういえば先ほどのバート・ウィードン。彼の教則本というのをポール・マッカートニーも読んでたり、エリック・クラプトンEric Clapton)も読んでたり…色んな人に影響を与えてましたね。両者ともすばらしいミュージシャンです。

 

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 次は…やはり欠かせないギタリスト。ブルースギターは欠かせませんね。B.B.キングB.B.King)の"Hully Gully Twist"。1962年。

  

  

Hully Gully Twist - B.B.King

 

 

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Walk Don't Run - The Ventures

 

  

 これはもう有名な"Walk Don't Run" by ザ・ベンチャーズThe Ventures)。日本のエレキ少年たちはみんなこれを聴いてました。1960年のヒットなんですけど、実はこれはベンチャーズのオリジナルではなくて。1954年にジャズギタリストのジョニー・スミス(Johnny Smith)が作った曲なんです。ではそのジョニー・スミスのオリジナルを聴いてください。"Walk Don't Run"。

 

  

Walk Don't Run - Johnny Smith

 

 

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このように、原曲はとてもしっとりとしたジャズナンバーなんですけど。やはりベンチャーズの"Walk Don't Run"というのはのちのサーフィン・ミュージックの原型になったスタイルですよね。そういえばそのベンチャーズと一緒に、我々日本人の「テクノ軍団」というのかね?(笑)1980年に制作したアルバムがあります。『カメレオン(Chameleon)』という。これはもう幻に近いアルバムで、日本だけの発売でした。加藤和彦プロデュースによるYMO、そして鈴木慶一ヒカシュー近田春夫という面々の参加があってできた曲です。僕が担当した1曲、聴いてください。"Octopus Tree"。

 

  

Octopus Tree - The Ventures

(from『Chameleon』)

 

 

ベンチャーズといえばもう、日本にエレキブームを巻き起こした張本人ですから、いっぱい語らなくちゃいけない存在なんでしょうけど。たまたまこういうレアな音源が残っていたのでかけちゃいました。

 

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 次の曲はですね…1963年にラジオのヒットチャートに入ってきて、それを聴いてすぐにシングル盤を買いに行ったんです。その曲は"Memphis"。チャック・ベリーChuck Berry)の曲なんですけど、それをインストの…ギターをメインにした非常にテクニカルな、すばらしい演奏を提示したのがロニー・マック(Lonnie Mack)です。"Memphis"!

 

  

Memphis - Lonnie Mack

   

 

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 きょうの最後はですね、ザ・シャドウズ。これはイギリスのグループなんですけど。日本でいちばん有名な曲は"春がいっぱい"という曲です。これは我々のかつての仲間のギタリスト、大村憲司くんもカヴァーしてました。"Spring Is Nearly Here"。

 

  

Spring Is Nearly Here - The Shadows

    

 

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2021.06.20 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:こんばんは、細野晴臣です。えー、6月20日になっちゃいましたが…どうですか?岡田くん。

O:こんばんは、岡田崇です。えーと…なんでしたっけね(笑)

H:そういう感じだよね(笑)

O:暑くてもう…梅雨だし暑いし、眠いし…

H:これからもっと暑くなるんでしょ?

O:これから夏なんて、想像するとね…

H:今年は夏いらないよね。

O:うーん、秋になってほしい…早くクリスマスに。

H:なるよ。すぐだよ(笑)

O:あっという間ですよね(笑)

H:もう、ますますだね。ん-。「年取ると早く時間を感じる」って前話して、[その理由が]わかった!って言って…忘れちゃったじゃん。

O:はい(笑)

H:で、そういう記事が正式にあるのかと思ったら、あったんだよね。

O:お。

H:「ジャネの法則」という。その中身は、忘れた(笑)

O:一歩前進しましたね(笑)

H:ホントね、記憶力もひどいよ、もう。どうですか?

O:いやー、記憶力はダメですね。昨日なに食べたかも憶えてないくらい。

H:もうこの時代、憶えてなくてもいいことばっかりだけどね。

O:毎日変わらないですしね。ずっと家にいるし。

H:なんだっけ?あれ。流行ってるの。あ…コロナだ(笑)

O:それも忘れちゃったかぁ…(笑)

H:忘れそうになっちゃうんだよ(笑)

O:流行ってるらしいですよ?

H:そう?もう終わったんだと思ってたよ。

O:まだまだ…

H:そうなの?いやー、人によって違うんじゃない?それ。

O:まぁ感覚はね、個人個人違いますよね。

H:これはナントカの法則って言うんだよ(笑)

O:(笑)

 

H:じゃあ近況…特にないだろうけど、近況を聞こうかな。あるの?

O:あ、ありますよ。あるある。

H:近況あるんだ。聞きたいな。

O:ずっとなにをやっていたかと言うと、去年の10月に亡くなったうちの奥さまの…

H:片岡知子さん。インスタント・シトロン。

O:インスタント・シトロンのアナログリイシューというのを。

H:そうですよね。

O:彼女の誕生日が6月7日なので、その日からスタートしようと思って。

H:ついこないだですね。

O:6月9日に第1弾、1stアルバムと2ndアルバムがユニバーサルから発売されました。

H:出たんだね。

O:で、ちょうど先週で…8月発売の5枚目のアルバムまでテストプレスが終わって。OK出して。

H:もう準備はできてるんだ。

O:はい、順調に。10月まで続くので。

H:続くね。

O:10月の命日には…『スキマの国のポルタ』という荒井良二さん原作のアニメがあって。賞とかも獲ったりしてるんですけども。

H:それはそれはすごい。

O:それのサントラ盤というのが…昔、指人形とかDVDと絵本が付いて、その中にサントラも入ったボックスセットが出たんですけど。

H:うん。

O:それでしか買えなかったので、サントラ盤をアナログで…なんとリルデイジーから出せることになりまして。

H:じゃあ10月まで…結構大変ですね。

O:そうですね。まぁなんか、「自分の作品と岡やんの作品を世に残したい」と言って去っていったので…出せるものはいろいろ、極力出していこうと思って。

H:うん。それはそうだね。とにかく今、リリースが多くてね。

O:「レコードストアデイ」が直後にあったんで…絶対、レコードストアデイには合わせたくなかったんでね、僕は(笑)

H:そうなんだ(笑)

O:なんか限定…まぁ限定は限定なんですけど、争奪戦になったりね、予約ができなかったりとか…いろいろあるんですよ、ストアデイはね。いろんな弊害が。

H:なんかね、いろんな声は聞くけど。あんまり自分では実感がないからね。

O:転売の人がいっぱいいたりね。まぁ、シトロンだとそういう人はいないかもしれないですけど(笑)なんとなく、ちゃんと作品として丁寧にリリースされていくのがいいかな、と思って。

H:それがいいね。で、CDも出るのね。

O:えーと、それは出ないです。2枚とも配信もされていたので…今どきはね、CDはなかなか。

H:CDね、あんまり見ない。

O:7月に出る『Little Gang Of The Universe』というやつはCDも出ます。それはソニーから出るんですけども。

 

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H:えーと、配信というのは…僕が最近困ってるのは、最新のiTunesは隠れちゃうんだよね。

O:なんかね…どんどんイヤな仕様になっていって…(笑)

H:(笑)

O:ホント、やめてほしいですよね。

H:うん。だからアップデートできないんだよね。

O:絶対しないぞ!と思ってますね。

H:アップデートは怖いよね。

O:怖いですね。今まで普通に使ってたものとか…ライブラリーのように音源を全部iTunesで整理してるので。

H:そうそう。

O:そういうのが使えなくなると思ったら…

H:音楽に携わってる人間にとってはかなりキツくなってくるよね。

O:うーん…脳みそみたいなもんですもんね(笑)

H:そうなんだよ。今までは自分の頭の中だけに入ってたのが、いっぱいになっちゃったから外に出さなきゃいけない(笑)

O:外部記憶装置としてね。

H:そうそうそう。それが取り出せなくなっちゃうと困っちゃうしね。

O:んー…いまいち仕様をよくわかってないんですけどね、どうなってるのか。

H:うん。まぁいろんな手段はあるんだろうけど、表からは見えにくくなってきちゃうという。

O:ね。

 

H:えー、じゃあ音楽を聴かせてください。

O:じゃあせっかくなので、インスタント・シトロンの2ndアルバムから…元気なやつがいいかな。"Walkin' in Wonderland"を。

 

 

Walkin' in Wonderland  - INSTANT CYTRON

(from『Cheerful Monsters』)

  

 

H:元気ですね。

O:いちばん元気な曲かな?(笑)

H:いちばんなんだ(笑)

O:ベースは渡辺等さんですね、これ。ミハルさんと今、トリオでやってる…

H:あ、器用ですね。不思議な人ですよ、才能ある。なんか、ミハルちゃんとちゃんと話してないらしいんだけどね…(笑)

O:(笑)

H:ちゃんと話したことないらしいんだよね(笑)

O:でも、ノンスタンダード時代から一緒ですからね。SHI-SHONENの人ですもんね。

H:そうそう。当時はああいうウッディなベースを弾く人だとは知らなかったね。

O:マルチ弦楽器奏者として…なんでもやりますよね。

H:そうだね。なんか、才能ある人が多いね。そういう人を見ると…あー、自分はなんにもできない!とつい思っちゃうんだよね…(笑)

O:いや…なんでもできるじゃないですか(笑)

H:いやいやいや…だって楽器って触れば音が出るから…それはもう誰でも音は出せるっていうことです(笑)

O:(笑)

H:いや、すごいよホント上手くて。ピアノも練習したけどもう、できないわ。

O:ピアノはね…

H:岡田くんはどうですか?

O:あ、全然ダメですよ(笑)

H:知ってるよ(笑)

O:楽器ねぇ…

H:でも、絵は描けるよね?

O:絵ねぇ…

H:あれ?(笑)

O:もう、なにもできないなぁ…(笑)

H:あららら…まぁでもね、音楽っていうのはそういうもんだよ。できなくてもできるんだよね。

O:打ち込みばっかりですからね、僕は。

H:打ち込みだって立派な楽器だからね。いいなぁ、打ち込みか。やったことないや、最近(笑)

O:(笑)

 

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H:えーと…最近の話題といっても、ホントに単調な日々が続いてるでしょ?もう1年半経っちゃいましたよ。

O:そうですね。

H:6月30日で夏越の大祓ですからね。去年も行きましたけど、ついこないだですね。茅の輪くぐり、やってます?

O:やってないです。

H:やったほうがいいですよ。蘇民将来蘇民将来…疫病除けですから。だいたいどこの神社でも…氷川様系とか。八幡様もあるしね。目黒だったら大鳥神社とか。

O:そうですね。近い。

H:…はい、きょうはこの辺で。

O:おやすみなさい(笑)

H:いやいや……なんか話して?(笑)

O:えーと…

H:他の話題、仕事でもいいですよ。音楽はどうですか?なんか発見はありますか?

O:いやー、最近全然ですね。あんまりレコードを買うことに勤しんでいない。

H:めずらしいね。まぁそういうときもあるよね。

O:ですが、最近届いたのを聴きますかね。

H:やってるじゃん(笑)

O:じゃあヘンなやつでですね…これはロシアのソノシートなんですけど。

H:それはヘンだな…(笑)

O:"ぼくの伯父さん(Mon Oncle)"をやってるのがあって…(笑)

H:僕、その音源は聴いたことあるんだよ。なんか馴染めない…ロシア語と合わないっていうか。

O:これはね、インストなんですけど。

H:あ、そうなの?じゃあ違うやつだ。ロシア人って『ぼくの伯父さん』好きみたいね。

O:そうなんですか?ジャケット見ても全然、なんて書いてあるかわかんないんですけどね(笑)

H:キリル文字ね。

 

 

Моя Дядя (Mon Oncle) - (Unknown Ensemble)

 

   

H:ここにソノシートの現物がありますけど…おもしろいですね、ペランペラン(笑)

O:ペランペランですよね(笑)

H:ソノシートって音良いんだね。良くない?

O:まぁちょっと、調節はしてますけど…意外と聴ける音質ですね。

H:わりとね。たいしたもんだよね。いまだに聴けるってすごいな、これは。

O:(笑)

H:たしかに読めないですね。「モノンクル」っていう発音だけど…「モン」っていう部分はなんとなく読める。

O:そうですね。

H:その次に…「A」みたいなのと「R」がひっくり返ったのが…(笑)

O:(笑)

H:えーと、僕が持ってるロシア語の"ぼくの伯父さん"はちょっと見当たらないので今度かけますね。

O:はい。楽しみにしてます。

 

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H:…さて、なんにもない(笑)

O:じゃあですね、もう1枚…ちょっと音質がいまいちですけど、『原始家族フリントストーン(The Flintstones)』ってあったじゃないですか。

H:あったね。ハンナ・バーベラ(Hanna-Barbera)のTVアニメーションアメリカです。

O:はい。そのフリントストーン&ヒズ・オーケストラ(Fred Flintstone and His Orchestra)。

H:そんなのあるんですか。

O:バンドを率いてたんですね。その"A Night in Bedrock Forest"という曲を。1961年の盤ですけど、レイモンド・スコット(Raymond Scott)ですね、こりゃ。ほとんど。

H:そう。なんでそんなもの持ってるんだろう、と思うね。

O:(笑)

 

 

A Night in Bedrock Forest - Fred Flintstone and His Orchestra

 

 

H:なるほどね。なんでこういうのってみんなレイモンド・スコット系になるんだろうね(笑)

O:ね(笑)

H:おんなじだよね(笑)影響力がすごいんだね、業界的に。

O:そうですね…アニメを作ろうと思うと、ついついこういう音楽になっちゃうんでしょうね(笑)

H:なっちゃうんだね。

 

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H:そういえば最近は…観たいと思っててまだ観てない映画があって。それはデヴィッド・バーンDavid Byrne)の『アメリカン・ユートピア(American Utopia)』。観てないよね?

O:観てないです。

H:いやー、なんかあの人、すごい気になるんだよね。デヴィッド・バーン

O:デヴィッド・バーンね、カッコいいですよね、ずっと。

H:アメリカでいちばんカッコいいんじゃないか、と思っちゃうよね。ずーっとでも、音楽性は変わらないのね。80年代から。

O:ね。『ストップ・メイキング・センス(Stop Making Sense)』から。

H:すごくあの頃、影響されたんだよね。"Once in a Lifetime"という曲のPVがあって。踊りながら歌うっていう。

O:うん。

H:当時、原宿に竹の子族がいた頃で…それの振付けを取り入れてるの(笑)ビックリしちゃって。

O:(笑)

H:腕を手刀でポンポンッと叩くんだよね。あと鳥のような恰好したりね。ちょっとなんか気持ちがわかるというかね。いまだにあれやってるんだよね、その映画の中でも。変わらない!すごい!全然自分と違う。どんどん変わってっちゃったから(笑)

O:(笑)

H:変わらないものを見るというのは心が落ち着くよ。いいなぁ、うらやましい存在ですよね。カッコいいですよ。アーティストっぽい。

O:そうですね。

 

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H:…あ、話が途切れちゃった。

O:(笑)

H:それで最近、ずっと自分が中学の頃聴いてたのをかけてて。もう疲れちゃって休んでるんだけど(笑)夏だから、と思って、7月…もうすぐだよ、あと2週間先くらい。いよいよ中2の頃に聴いてたサーフィンを…

O:おお…

H:できるのかな?ひとりで聴くのはいいんだけど…並べて聴くとげんなりしないかな、と思って(笑)

O:(笑)

H:でも、ついでだからやっちゃわないとね。

O:この機会に。

H:うん。サーフィン、ホットロッド…聴いてた?聴いてないでしょ。世代が違うよな。

O:いやー…そうですね、ビーチ・ボーイズだとやっぱり『Pet Sounds』とか『Sunflower』とか、あっちから始まっちゃう感じなので…

H:そうだろうね。その前は全然違う世界だもんね。だからその当時、現役で聴いてた世代って僕ぐらいなんだよね。あっという間に終わっちゃうから(笑)1,2年で終わっちゃうからね。それをかけて誰か反応するかなぁ、と思って。

O:いやー、反応するでしょう。

H:するか。だってね、うるさいんだよ(笑)

O:うるさいって言っちゃあ…(笑)

H:だって「ワイプ・アウト」だよ?イヤになっちゃうよ、聴いてて(笑)

O:でも、衝撃だったわけですよね、当時。

H:当時…だって中学生ってそういうのに飛びついちゃうんだよね(笑)おもしろかった…で、高校生ぐらいの連中が始めたの。アメリカで。ヘタクソなんだよね(笑)

O:(笑)

H:それが良かったんだけど、だんだんスタジオミュージシャンがやり出す。取って代わって上手くなっちゃうというね。だいたいそこら辺に…アル・ケイシー(Al Casey)とか、ああいう人がいたんだよね。

O:そうですね。上手い人が…(笑)

H:上手い人がやってたんだよね。ドラムスはハル・ブレイン(Hal Blaine)だったりね。まぁそんなことを予告しておきますが…

O:楽しみです。

H:よろしくお願いします。

  

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H:じゃあ最後の曲、お願いします。全然僕はかけないよ(笑)

O:かからないですね(笑)じゃあ最後もインスタント・シトロンで…1stアルバムのタイトル曲、"Change This World"を聴いてお別れです。

H:はい。じゃあこれを聴いて、また来週。

 

 

Change This World  - INSTANT CYTRON

(from『Change This World』)

  

 

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2021.06.13 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:こんばんは、細野晴臣です。さて、今週は先々週に放送したゲストのあっこゴリラ、ハマ・オカモトくん…その回の続きを放送します。お楽しみください。

 

 

@@@@@@@@@@@@@

 

H:いやー、どんな生活してるのか。全然わかんないけどね…みなさん。

ハマ:あ、我々ですね。あっこは?

あっこ:どんな生活?私は週4でラジオやってて。それ以外の時間は曲作ってて。で、週末ライヴやって…みたいな。で、キツくなったら仕事ちょっとセーブしようかな、みたいになって…島とかに行くみたいな(笑)

ハマ:あー、そうだよね。こういうご時世になる前とか…マラウイとかも行ってるしね。

あっこ:そうそうそう。

H:へぇ、そうなんだ。

あっこ:アフリカ大陸が好きで、いろんな国に行ったりとか…そうっすね、「自律神経乱れ出したな」ってなったら1回ちょっとどっか行こう、みたいな。

ハマ:すごいね。でもそれは効くんだ?あっこ的には。

あっこ:めっちゃ効く。そのときに追い込んでも絶対いいことないから、1回海とか入りに行く、みたいな。

ハマ:土地を変えるんだね。

H:昔そうだったよ、僕も。20代、30代…島めぐりしてた。海に入るのが大好きっていうのはおんなじだ。

あっこ:海、最高なんですよね。海に入って全力でデカい声で歌うと最高。マジでやってほしい。

ハマ:へぇ…え、水中で?

あっこ:違う違う(笑)腰ぐらいまで浸かりながらCoccoとか歌うの(笑)♪飛魚の~…

2人:(笑)

ハマ:笑うのもアレだけど…Coccoさんってたしかに海のイメージが強いから。

あっこ:そうそうそう。海っぽい歌とか…自分なりにその時思いついた曲を全力で歌ったりすると超楽しい。もうどうでもよくなるね、すべてが。

ハマ:へぇ。吹っ切れるんだ?

あっこ:やっちゃおうぜ!みたいになる。どうせくたばるんだしやっちゃおうぜ!みたいな(笑)

ハマ:細野さんの30代の島めぐりのときはそこまでじゃない…?

H:ぜんっぜんそれは違う(笑)

ハマ:(笑)

あっこ:違いました?(笑)

ハマ:でも何かがゼロになるみたいな…

H:そこはね、基本的には似てるけど。表現がぜんぜん違う。

あっこ:アウトプットが違うだけでね。やっぱね、タイプが。そこはね…え、でもほぼ一緒じゃないですか?細野あっこゴリラほぼ一緒説(笑)

H:意外な結末…(笑)

ハマ:でも細野さんの締切が…っていう話も聞いてたし、あっこがメンタルの四つ打ちの波をコントロールするのも見てきたから、そこの共通項はあるんじゃないかな…って。きょうを迎えるにあたって思ってたから、それは安心してました。

あっこ:おー。だってハマさん鋼鉄だもんね。

ハマ:なに?鋼鉄って(笑)揺るがないってこと?

あっこ:揺るがない。なんて言ったらいいんだろう…変拍子じゃないよね、常に一定のリズムだよね。それをキープするように意識してる人だよね。

H:なるほど。

ハマ:あっこの話を聞いてるとそうかもね、俺は。そっち側なのかもしれない。

あっこ:私のヒップホップはワンループが基本なんですけど、やっぱり。ずーっと同じタイム感で。結構退屈なんですよね。自分のメンタリティがわりと激しい人間だから、ちょっと揺れ動いたりしてるほうが自分とはフィットしやすいのかもしれない…っていうのは最近思ってる。

ハマ:じゃあ好きなトラックの傾向が変わってくるっていうこと?

あっこ:そうっすね。元々、ワンループでラップやったほうが自分の中ではカッコいいな、みたいのがあって。ワンループだとズル剥けだな、みたいな感じがして。

ハマ:さらけ出してるというかね。

あっこ:そう。さらけ出してる…自分、これですけど何か?みたいな感じの強さがあっていいなぁ、と思って。だからワンループをいっぱいがんばったりしてたんだけど…でも、自分自身が揺れ動くタイプだから、ビートも揺れ動いてるほうが自分に嘘ついてない感じがすごいするなぁ、っていうのはここに来て改めて思ったりする。

ハマ:へぇ。

H:それは新しい境地だよね。

あっこ:そうかもしれないっすね。

ハマ:なんか、変わってくるよね。

あっこ:んー。

 

 

I'm here  - あっこゴリラ

 

 

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あっこ:でもそれで言うと細野さん、いろんな曲・音楽にトライされまくるじゃないですか、常に。実験、実験、実験、みたいな。それもやっぱりそういうことだったりするんですか?その時の自分にフィットするもの?

H:そうだなぁ…それもあるけどね。なんだろう、自分でわかんないな。いろんな事やりすぎてて。みんなに申し訳ないな、っていう。

2人:(笑)

H:たぶん把握されてないだろうな、って思っちゃう。やってる頃はね。今は全部見えるじゃない、アーカイブが。

ハマ:そうですね。

H:やってる当時は誰も聴いてないから。僕の音楽なんて(笑)

ハマ:当時は余計実感もあった、と仰ってましたもんね。

H:ネットがないし、全然フィードバックがないから。自分でやって自分で聴いてるだけだから…(笑)

あっこ:そっか!じゃあ感覚としては「ブラックホールV.S.自分」ぐらいの感じなんですか?

H:そうそう(笑)いいなぁ。ああいう表現力身に付けたいな(笑)

2人:(笑)

ハマ:そうですよね。だから我々の世代とか…我々より上の世代ももちろんですけど。「細野さんの音楽聴いてました。好きです。」とか言われるとビックリする…聴いてくれてる人と直に話すというのが新鮮だ、って仰ってましたよね。

H:そう。この4,5年でやっとそれが届いてきたというか。

あっこ:マジすか!そうなんだ。

H:で、アメリカ行って…観に来た人が行列で並んでるんで、それを誰かがインタビューしてくれたのね。フィルムに収めてくれたわけ。その人たちが喋ってるのを今聴いてるんだけど、なんでこんなに僕のことを知ってるんだろう、と思うわけ。

あっこ:へぇー。

H:日本の人とほとんどおんなじかな。よく聴いてて、的確なの、それが。ビックリしちゃう。それが勉強になるなぁ、と思ってて。それに比べて今の自分は…って(笑)

ハマ:ループなんだ…(笑)

あっこ:え、待って!きょういい話過ぎてどうしよう!(笑)

ハマ:刺さってるね(笑)

あっこ:刺さりすぎてヤバい(笑)めっちゃいい。

H:そうなんだ(笑)どこがいいんだかわかんない…(笑)

あっこ:なんか…こう言っちゃアレだけど、なんか自分みたいっていうか。同じ人間なんだな、じゃないけど…(笑)

H:そうか(笑)

あっこ:あと、自分もずーっともっと評価されたい、っていうか。なんでわかってくれないんだよ!もっと聴けよ!みたいな。あとは何年か前に言ったことをいまさら言われたりとか。今かよ!とか。そういうのがいつも思ってることなんですけど、細野さんがそうなんだ、と思ったらちょっとがんばれそう(笑)

H:おんなじだよ。

あっこ:で、今の俺はどうなんだろう、ってなるんですね。そこがいい!つまり向上心があり続けるってことなんすよ(笑)最高、最高最高!

H:(笑)

ハマ:最高だよね(笑)

あっこ:つまり…おじさんとかおばさんっていうワードあるじゃないですか。要するに「重鎮」みたいな。そういうのって要するに「そうだろ?」なんすよ。でも人間って簡単にそっちに振れることってできるんすよ、楽だから。でもそこで、それに比べて今の自分は…になるっていうのは…まぁ本人からしたらずっと苦しいけど、下の世代から言わしたら「あ、細野晴臣もそうなんだ」って思うとすげぇうれしいし、私もその苦しみの中生きていこう、って思えるっていうか。がんばろう、みたいな。めっちゃカッコいい。

H:(笑)

ハマ:でもその通りで…細野さんからするとこの状況をカッコいいと言われると、ちょっとどう言ったらいいのかわからないな、ってなっちゃう…のもわかった上でカッコいいよね。

あっこ:そうですよね。すみません、細野さん的にはうれしくないかもしれないですけど。

H:いやいや…

ハマ:でもそれは俺らもそうじゃん。だってそういう話をして「でもカッコいいじゃないですか、それ」って言われてもさ。「いやー…カッコいいかな?」みたいな。それと全く同じことが起こっちゃってる。

H:おんなじだよ。人間の…同じ心理だよ。

あっこ:いやー、ちょっとどうしよう。最高の月曜日じゃん(笑)

2人:(笑)

 

 

M  - OKAMOTO'S

(from『Band Music』)

 

  

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ハマ:いいね。よかった。そういう話してほしかったんで…

H:そうかそうか。思わぬ方向に来たなぁ、と思って。

ハマ:そうですよね。細野さんからするとあっこはどういう人なのかわかんない…

あっこ:ワケわかんないっすよね。お察ししますよ。

ハマ:だから…我々世代の「アッコちゃん」なんですよ。細野さん世代の「アッコちゃん」は矢野さん(矢野顕子)ですけど。

H:そうだよ(笑)

ハマ:我々世代の「アッコちゃん」…(笑)

あっこ:(笑)

H:だから、細野さんの人生の中に新しい「アッコちゃん」が…

あっこ:ラッパーのほうの。

ハマ:その2人がどんな話を…と思ったらいいですね。俺も細野さんと話して…おんなじ風に「細野さんも一緒なんですね!」っていうのがいっぱいあったから。それを分かち合えるのはすごくうれしい。

H:ハマくんとはもう、ベーシスト仲間だからね。

ハマ:ありがとうございます。そう、楽器の話もあるから…おんなじようなことで悩んだことがあるって聞くとうれしいよね。

あっこ:めちゃめちゃうれしいです。

H:だってほら、5弦ベースをパッキンパッキン弾くタイプだと…ちょっと話はできない(笑)

ハマ:できないですね(笑)とかね、そんな話をいろいろして。

あっこ:なるほど…え、細野さんってヒップホップとかやりたいとか思わないですか?

H:いやー…好きだけどね、もちろん。歌えないから。

ハマ:ラップということに関して。

H:昔からそうだよ。ベース弾くとファンクになるからね。で、ソロを作るときにそういうオケを作ったら、歌えないんだよ(笑)それで止めちゃったんだよね。1曲録ったんだけど止めて…で、トロピカルに行っちゃった。

あっこ:あー。いや、トロピカル最高です。

H:(笑)

ハマ:いいよね。そうか。いざ歌唱となると…という話ですよね。音楽性としてはお好きじゃないですか、確実に。

H:もちろん。だからプレイヤーとしてはどんどんやりたい感じ。オケも作るの好きだけどね。

あっこ:作ってみてほしい…(小声)

ハマ:(笑)

H:いや、やりたいね。

あっこ:もしヒマすぎて…ガス抜きしてぇなぁ、みたいなときに。もう、1時間集中スタイルで…細野トラック…

H:いいね、やらして。

あっこ:やったー!!細野トラックー!

2人:(笑)

ハマ:それは聴きたいね、超聴きたい。

あっこ:じゃあハマさんといっしょに…

H:やろうよ。一緒にやろう。

あっこ:え、これを機に…マジすか?(笑)

H:じゃあなんか…取っ掛かりは自分で作るんでしょ?デモみたいな。

あっこ:はい。

H:じゃあそれを待ってればいいね。

あっこ:あ、じゃあデモ送ります!そしたら。こんな感じで…みたいな。それをブッ壊して頂いて、そこからさらにこっちも…みたいな…え、ヤバい!

ハマ:お聴きのみなさん、今あっこは震えています。

H:(笑)

ハマ:でもいいですね、それは。絶対カッコいいもんね。

あっこ:やべー…言ってみるもんだな(笑)

ハマ:でも細野さんは…俺、ネバヤン(never young beach)の安部ちゃん…安部勇磨と「細野ゼミ」っていうのをやってるんですけど、3人で。元々細野さんのソロアルバムの新しいやつも、制作にあたっては安部ちゃんの何気ない一言が大きかった、って言ってて。

H:そうなんだよ。安部くんの所為だよ、『HOCHONO HOUSE』っていう。

ハマ:最初のソロアルバムをこのタイミングで再構築したやつ…

あっこ:はいはいはい…

ハマ:それは安部ちゃんの一言がデカかったんだって。

あっこ:あ、そうなんですね。へぇ。

ハマ:だから、いまのあっこのそれも…

H:影響力あるよね。

あっこ:ヤバい。絶対やりたいし、まず私が聴きたい、っていうのもある。

ハマ:俺も「一緒に」って2人に言ってもらえてすごくうれしかったんだけど、俺からするとさらに細野さんにもベースを弾いてもらいたい。これはずっと言ってるの。

H:えー…(笑)

あっこ:たしかに。ベース弾いてほしい。見たい、聴きたい。

H:弦、張り替えなくていいかな。

ハマ:いいですいいです。全然大丈夫です(笑)

あっこ:でもなんか…ヒップホップって元々アメリカの文化だから、アメリカのヒップホップに影響を受けたスタイルっていうのがやっぱり日本でも多いんですけど。私、細野さんのいちばんカッコいいな、って思ってることの一つが、日本で生まれたロックとか、日本で生まれた音楽を追求されている…もちろん、いろんな国からの影響もあるんだけど、根本をそこに置いてるところがすごいカッコいいな、というのがあって。

H:なるほど。日本風?

あっこ:だから…日本風って言ったらアレですけど(笑)それで今オリンピックがあるからっていうことで、わかりやすい「日本っぽい」トラックみたいなのを作られたりするんですよ。和太鼓とか三味線とかそういう…

H:あるある。最近多いね。

あっこ:わかりやすい…「ジャパン」みたいな感じの(笑)そういうのではなくて、私が細野さんの音楽から感じてるのって、もっと「におい」っていうか…言語化するのは難しいですけど。

H:「醤油、みりん」だ。

あっこ:そう!「醤油、みりん、砂糖」(笑)

ハマ:日本の調味料のにおいですね。

あっこ:「醬油、みりん、砂糖、細野」っていう曲を…(笑)

2人:(笑)

ハマ:たしかにね。それが事の発端だからね、元々。

あっこ:たしかに事の発端だから…仮タイトル、これで。プリフックこれにします。そしたら。

ハマ:いやー、いいなぁ。それはすごい聴きたいね。

H:まぁなんか…なんだろう、若い世代と一緒にできるんだと思うと嬉しいね。

あっこ:きゃー!

ハマ:そういうほうがやっぱりワクワクするんですか?

H:やる気が出るんだよね。まぁ、きょうの時点ではまだダメだけどね。落ち込んでるから(笑)

ハマ:今の落ち込みからの脱却の…なにかひとつになればいいですよね、この話が。

H:そうかもしれない。

ハマ:だって激白したわけじゃないですか、細野さんが。「落ちてる」って(笑)

H:(笑)

あっこ:でも私ね、すごくいいと思うんですよ。なんか、落ちてるって言えない感じじゃん。世の中的に。でもホントはこれくらいナチュラルなことじゃん。「落ちてるんだよね」みたいな(笑)

ハマ:あるからね。

あっこ:「ここ2,3日落ちてるんだよね」って結構リアルというか。いいなぁ、って。わかります。すごく。

H:もうね…結論が出たから。

あっこ:個人的にすごくいい放送でした(笑)ありがたい、ありがたいなぁ…

ハマ:いいところに居れたな、俺は。見届け人みたいなつもりで来たんだけど。やっぱりさすがあっこさんは番組やってるからね。途中からミュージシャンとしてインタビュアーみたいなスイッチ入ってたよ。

あっこ:入ってました?(笑)週4でやってるからね。

ハマ:そうだよね。最初それもさ…ここで言う話じゃないけど、ちょっと悩んでたじゃん。

あっこ:悩んだ悩んだ!2年ぐらい経ってようやく楽しくなった。四つ打ちを感じ出した(笑)あと、言葉が通じない人っているじゃないですか?あ、これはあんまり放送できない…(笑)

ハマ:いやいや、わかるからいいと思うよ(笑)

あっこ:言葉が通じないというか…いろんな物事の認識の仕方ってそれぞれ違うじゃん。でもその前提を共有していない人と関わる、っていうのがめっちゃ多い。ツーカーで話せる人ってそこまでいない。だから、そこに対していちいち「なんでわかってくれないの?」とか「また私がめんどくさいやつになっちゃった」みたいな。そういう苛立ちが毎日のように繰り返される…っていうのを2年ぐらいやっていくと、ホントに四つ打ちみたいになってくるというか。楽しくなってくる。「来たぜこのキック!」みたいな(笑)

H:(笑)

ハマ:術がわかったんだね。

あっこ:解脱のグルーヴと個人的に呼んでるんですけど。

ハマ:解脱のグルーヴ!すごいワードだな。

H:すごいな。

ハマ:でもその先に…トラック作ってほしいっていうのはいいゴールだね。

あっこ:いやー、もう嬉しすぎますね。

ハマ:おもしろいな…みんないい意味でうらやましがるよ、それは。

あっこ:ヤバいね、やっかみが(笑)

ハマ:でも、あっこだから言えたことだよ。

あっこ:そうっすね。一度きりの人生なんで、やれることはやりたいです(笑)楽しみ尽くしたいっす。

ハマ:すばらしい(笑)

あっこ:だって、細野さんとお会いできるなんて…お会いしてお話しできて。しかも一緒に曲できるかもしれないとか。そんなの同じ時代に生きてるからこそだからね。

ハマ:ホントそうだね。

H:そうだね。豊臣秀吉じゃないから。

あっこ:そうなんですよ!細野晴臣はいるんだよ、ここに!生きてんだよ!(笑)

H:(笑)

ハマ:毎週聴いてるのよこれ、たぶん、みんな(笑)

2人:(笑)

あっこ:そうですよね、ホントすいません(笑)

ハマ:でもそういう理解があった瞬間じゃん、きょうは。パッキングされてますよ。

H:ホント、全然予想してなかったよ。こういう感じになるのは(笑)

ハマ:大丈夫ですよ。フリースタイルバトルを吹っ掛けられるとか、そういう…(笑)

あっこ:(笑)

H:ラップで?あんなことできないわ…(笑)でも、縁があるということで…じゃあね、このまんまでいいかな?曲は適当に選んでかけていいかな?

あっこ:はい!ありがとうございます。

H:ということで…すげぇおもしろかった(笑)

ハマ:よかった!こちらこそです。

H:じゃあ、また来てください。

あっこ:やった!

H:ハマくんとあっこゴリラでした。ありがとうございました。

2人:ありがとうございました!

 

 

ウルトラジェンダー × 永原真夏 - あっこゴリラ

 

 

あっこ:いやー、楽しかったー。最高だった。

ハマ:いやいやいや…よかった。この2人のユニゾンすごい。ハモというかユニゾンだったな。

H:(笑)

あっこ:いやー、ハマさんありがとうございます。

ハマ:いやいや、なにも…

 

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2021.06.06 Inter FM「Daisy Holiday!」より

手作りデイジー🌼#21

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

 (以下、すべてH:)

  

 はい!細野晴臣です。いやーもう、一生夏休みの小学生みたいなんですよ、僕は。宿題に追われてて。落ち込んでる暇もないんです。ですので、今回はインスタのストーリーもちょっとお休みさせて頂きたいと思っています。あれはすごく評判がいいんですけど…少なくともソングリストだけは上げておきたいな、と思ってます。

 ところで中一病というかね…中二病なのか。1950年代、60年代をずっとやってきて、あまりにも深くて広すぎて…一息入れたいまま6月になってしまいましたけど(笑)今回はエキゾチカ特集をやりたいと思ってます。梅雨時の気分でやりたいと思います。1曲目はですね…「Exotic」といえばマーティン・デニー(Martin Denny)です。曲は"Happy Talk"。そして続いてマーティン・デニーの師匠、レス・バクスター(Les Baxter)による"Mist O' the Moon"。そのレス・バクスターは"Quiet Village"を作った人なんです。マーティン・デニーで大ヒットしましたけど。その元ネタといわれる3曲目はですね…ブラジルの巨匠、アリ・バホーゾ(Ary Barroso)による"Na Baixa do Sapateiro"。演奏はアンジャス・ドゥ・インフェルノ(Anjos do Inferno)です。

 

 

Happy Talk - Martin Denny

 

 

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Mist O' the Moon - Les Baxter

 

 

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Na Baixa do Sapateiro - Anjos do Inferno

 

 

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 えー、次は"The End"という曲が大ヒットしましたシンガー&オルガニスト、アール・グラント(Earl Grant)の"Japanese Farewell Song"です。このウソっぽい中国語は僕も20代の頃、『泰安洋行』でカヴァーしました。

  

 

Japanese Farewell Song - Earl Grant

 

 

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 最近発見した日本のミュージシャン、壷阪健登という人。おもしろいので紹介します。アルバムは出してないみたいなんですが、シングル盤を見つけました。あ、いまバックで流れてるのはインスタでアップされている"Begin the Beguine"で…すごくいいんですよね。「おっちゃんのリズム」やっててビックリしました。で、かける曲は"港にて"というシングル盤です。続けて、マーティン・デニーの弟分であるアーサー・ライマン(Arthur Lyman)のとてもヘンテコリンな"Otome San"という…これは「お富さん」が訛っちゃってます。

  

 

港にて - Kento Tsubosaka

 

 

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Otome San - Arthur Lyman

(from『Bwana À』)

 

  

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 マーティン・デニーで知った曲…"Rush Hour in Hong Kong"という。これはエイブラム・チェイシンス(Abram Chasins)という人が作曲して、演奏はその奥さん、コンスタンンス・キーン(Constance Keene)のピアノです。

  

 

Rush Hour in Hong Kong - Constance Keene

  

 

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 次はティム・バートン(Tim Burton)の映画『Ed Wood』にも出ていたインド風…を装っているコルラ・パンディット(Korla Pandit)の"I Got Rhythm"。

 

 

I Got Rhythm - Korla Pandit (Juan Rolando)

 

 

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 あと2曲、紹介します。まずはおなじみ、ローズマリー・クルーニー(Rosemary Clooney)が日本の童謡"あめふり"を歌ってるのを見つけたんです。まぁ、いろんなことをやるんですね。"Peachy Peachy"というタイトルです。最後の曲はザ・スミスグラマンクインテット(The Smith-Glamann Quintet)で"Poinciana"です。後味はすっきりとね。ではまた!

  

 

Peachy Peachy - Rosemary Cloooney

  

 

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Poinciana - The Smith-Glamann Quintet

(from『Poinciana』)

  

 
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