2020.12.27 Inter FM「Daisy Holiday!」より
H:こんばんは、細野晴臣です。さて、先週と同じメンバーで今年最後のDaisy Holidayをお送りしますが…いらっしゃい!
O:こんばんは、岡田崇です。
越:こんばんは、コシミハルです。
H:なんか落ち着くね。リラックスしちゃう。
O:(笑)
H:最後ですよ、今年。
O:ね、あっという間。
H:もう毎回言ってるけど…(笑)
O:あっという間、ホントにあっという間。
H:最近、実はね、なんで時間間隔が早くなるか、っていうことを僕、解明したんだよね。
O:お。
H:でも、忘れちゃった(笑)
2人:(笑)
H:いっつも忘れちゃう(笑)
O:みんな知りたいと思いますよ。
H:ちょっと…うっすら憶えてるんだけどね。説明が難しくて。
O:んー。
H:哲学なんで。物理学と。胡散臭い話だけど(笑)
2人:(笑)
O:でも、ホントに早くなってますよね。
H:これはね、誰しもがそうなんだよね。子どももそう思ってるはずだよ、たぶん。
O:そうですか。
H:うん。2歳児ぐらいが「はえーなぁ」って(笑)
O:(笑)
H:えー…今年を振り返る前に1曲。ミハルちゃん、今年最後の1曲をここでひとつ、お願いします。
越:えっと、アンジェル(Angèle)っていうベルギー出身の…
H:誰も知らないよ(笑)
O:(笑)
越:"La loi de Murphy"、「マーフィーの法則」っていう。
H:お、なんか新しいねそれ。んー、なんだろう。
La loi de Murphy - Angèle
H:なるほど。意外だね。
越:意外?
H:ミハルちゃんもよく、こういうの聴いてるもんね。
越:そう、こういうの聴いてお掃除するの。お掃除タイム。
H:踊ったりね。
越:踊りながら掃除するの。
O:(笑)
H:マーフィーの法則ってなんだっけね。よく知らないんだよ、僕。
越:マーフィーの法則…ね、なんだっけ。トーストにバターを塗って床に落ちるとき、いつも…バターを塗ったほう[側面]が床に付く、それはなぜだ?みたいな。そういう法則?ものには法則があって?みたいなのじゃなかったっけ。
H:なるほどね。
越:失敗しそう、と思ったらいずれ失敗する…とか。
H:よく知らないんだけど、そんな感じだよね。
越:…ぜんぜん違う?よくわかんないけど(笑)
H:まぁ、そんなようなことを歌ってるのかしら。
越:うん。
H:ベルギーの人ね。
越:ミュージックビデオがね、おもしろいのがいっぱいあります。ダンサーが出てるのもあるので…
H:なんか最近…ポール・マッカートニーも出すね。あ、出したのかな?新しい動きもね、目が離せないということで…古い動きも目が離せない。
越:(笑)
H:どうですか?岡田くん。
O:じゃあ中途半端な1993年のですね…
H:うわあ、半端だな(笑)
O:オランダのカペリノ(Capelino)っていう楽団があって。ジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt)の"Melodie Au Crepuscule"、「黄昏のメロディ」を…ステファン・グラッペリ(Stephane Grappelli)をフューチャリングしてやってますね。
H:なんかよくわかんないけど…クレプスキュール・レーベル?
O:いや、違います。
H:あ、違うのか。
O:"Melodie Au Crepuscule"という曲名です。
H:あー、そういうことか。
Melodie Au Crepuscule - Capelino featuring Stephane Grappelli
(from『La Copine』)
H:なんでしたっけ?
O:カペリノ…
H:…な、なんだ、この低調な感じは…(笑)
2人:(笑)
H:まぁ現実はね、けっこう厳しいですよね。どうでした?岡田くん。
O:いやー…ね(笑)
H:いいや、語らなくて。わかる。話さなくてもいいよ。
O:ちょっと…大変な年でした。
H:みんなそう思うよね。歴史に残る…ユーミンもそう言ってたけどね(笑)ミハルちゃんはどうですか?
越:もうね…前半は絶望的だった。
H:最初の頃ね。
越:最初はね、ホントに怖かった。それからいろんな情報を集めたり、調べたりして心を落ち着けた。
H:ね。落ち着かせてくれるような…理論的なね、サイトがあったりね。
越:うん。
H:それはずいぶん助かったよね。たしかに。ただ、ホントに少数派だね。削除されがちなね。
越:でもなんか…人が人に会わなくなったりとかさ、いちばん怖いでしょう?
H:ね。だから…まだ続いてるっていうことがね、困っちゃうよね。
越:うん。
H:でもコロナウイルス…新型に限らず、ウイルスは普通に2波、3波っていうのがあるんだよね。どんなものも。
越:そうですね。
H:冬とか湿度とか、そんなに関係ないんだよ。法則があるから。2波、3波と。それで終息していくっていうようなことなんでしょうね。
H:ところで…きょうは12月27日でしょ?
O:はい。
H:ちょうどたまたまなんですけど、ホーギー・カーマイケル(Hoagy Carmichael)の命日なんです。だからちょっと、そこでかけようと思ってます。"Stardust"です。
Stardust - Hoagy Carmichael
H:ホーギー・カーマイケル。1899年の11月22日に生まれて、亡くなったのが1981年のきょうですね。シンガーソングライターの走りですね。
O:そうですね。
H:『ララミー牧場(LARAMIE)』って、観てた?テレビの西部劇。
O:いや、時代が…(笑)
H:違うか(笑)いなかった?まだ。
O:はい(笑)
H:信じらんないなぁ…僕はいたんだよね。ミハルちゃんいたの?
越:…
H:ああ、いないよ。たぶん。そこでレギュラーで出てたおじいちゃんなんだよね。で、ときどきピアノ弾いてて。おもしろいなぁ、と思って。
O:(笑)
H:淀川長治さんが…毎週ね、後で解説してくれるんだけど、そこで初めてあのおじいちゃんが"Stardust"の作曲をした人だ、っていう。小学生だったから、僕。小学校5、6年の頃。「ハフーン!そうなの!」と思って(笑)
2人:(笑)
H:それ以来ですよ、その後ずーっと聴いてますね。
H:いろんな方がお亡くなりになってですね。キム・ギドク(金基德)さんとかね。
越:ホントですね。今年は…
H:今年は大変な年だね、やっぱり。20世紀はどんどん離れていくね、ますます。
O:うん。
H:なんて言うんだろう…その時代に生きてた人は少なくも生きてたじゃない、最近までね。で、どんどん亡くなって…もういないんじゃないの?
O:ね。
H:なんかそんな感じで…来年から「20世紀、さようなら」っていう気持ちでやっていこうかな、と思いますね(笑)
2人:(笑)
H:古い音楽かけるときはどうしてもそう思っちゃうね。えーと、じゃあ…では。
越:はい。今年ね、亡くなってしまった人の…パリ・コンボ(Paris Combo)っていうフランスのバンドなんですけど。そこのヴォーカルのベル・デュ・ベリー(Belle du Berry)っていう人が夏に亡くなってしまったので。
H:そうか、知らなかった。
越:えーと…"Attraction"という曲です。
H:初めて聴くな…知ってる?
O:知らないです。
Attraction - Paris Combo
(from『Attraction』)
H:ミハルちゃんはマヌーシュ・サウンドが最近好きそうですよね。
越:うん、そうですね。ずっと好きですね。これはマヌーシュっぽい感じと…まぁフランスの人だし、シャンソンの古い感じもあって、スウィングもあって。
H:そういえば、アルバムはもう完成した?
越:あー、いま作ってます。
H:いつ出るんですか?
越:いつなんだろう…来年の春以降に。
H:こういうサウンドも入ってるというね。
越:そうなの?
H:違うの?(笑)
2人:(笑)
H:動画もね、そのうち観れるんですかね。
越:あ、そうですね。
H:それは楽しみにしましょうね。まぁ、来年ですね。
越:はい。
H:それでは!今年最後の1曲。
越:ヒェー!
H:岡田くんにお任せしちゃおう。
O:じゃあですね、フランク・バルセリーニ(Frank Barcellini)という…ジャック・タチ(Jacques Tati)の『ぼくの伯父さん(Mon Oncle)』のテーマ曲を作曲した。
H:ああ。
O:そのフランク・バルセリーニのソロアルバムが1枚出てて。
H:え、そんなのがあるんですか?
O:『ぼくの伯父さん』と同じ1958年に出てるんですけど、その中に入ってる"Adieu Mario"を。「さよならマリオ」を聴いて…
H:それは良さそうだな。
O:バイヨンのリズムでやっておりますので…
H:ホント?うれしい。では、それを聴きながら…みなさん、よいお年を。
2人:…
H:あれ、静かになっちゃった(笑)
O:(笑)
越:よいお年を!(笑)
O:よいお年を!おやすみなさい。
H:はい、おやすみなさい。
Adieu Mario - Frank Barcellini
(from『Dansez Avec... Franck Barcellini』)