2020.11.15 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:こんばんは。細野晴臣です。さて、きょうはですね、ひさしぶり、今年初めて…いつもやっていたレギュラーと言っていいんでしょうかね。お2人に来て頂いてます。

O:こんばんは。岡田崇です。

H:はい、どうも。

越:こんばんは、コシミハルです。

H:今年初めてなの?これ。

O:3人は初めてじゃないですかね。

H:だよね。そうそう。個別にはやってるけど、3人そろってるのは初めて。

O:そうですね。

H:えーと…まずはちょっと、最近聞いてないんで…ミハルちゃんが最近なに聴いてるのかね、紹介してくれますかね。

越:はい。じゃあ…ジョージ・メルクリーノ。

H:メラクリーノ(George Melachrino)ね。うん。

越:メラクリーノ…ごめんなさい(笑)

H:いいんだよ(笑)

越:ちょっともう1回やります…(笑)

H:もう1回?はい、どうぞ(笑)

越:…ジョージ・メルクリーノ。あ、また間違った!ちょっと待って…(笑)なんで言えないんだ…すみません、もう1回やります…ん?(笑)

H:これ全部使うからね、悪いけど(笑)

O:(笑)

越:「ジョルジュ」じゃないんだ(笑)

H:フランス人じゃないから(笑)

越:…ジョージ・メラクリーノ。

H:あー、合ってる。

O:うん。

越:やっと合った!(笑)"Paris Metro"という曲です。

H:ホリデーミュージックですね。

 

 

Paris Metro - George Melachrino and His Orchestra

 

 

H:えー、ジョージ・メラクリーノ&ヒズ・オーケストラで…"Paris Metro"ね。

 

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H:さて、ということでですね…岡田くん。

O:はい。

H:いろんなことがありましたね。

O:ありましたねー。もう、2020年…やり直したい(笑)

越:(笑)

H:ね。いやホント、みんなそれぞれそうだけど…特に岡田くんは長年連れ添った片岡知子さん。

O:はい。

H:みんなでトモちゃんって言ってましたね。

O:そうですね。10月20日に…他界しまして。

H:他界されて…大丈夫?岡田くん。

O:いや、ちょうどこの収録が…ちょうど2週間ですね、亡くなって。

H:2週間目ね。

O:いやー…もう、23年ぐらい一緒に住んでいたので。

H:そうね。そっかそっか。

O:なんかね、もう…

H:わかるよ。しばらく尾を引くと思うけどね。

O:んー…なんかこう、僕がレイモンド・スコット(Raymond Scott)を研究したりとかしてるのも、全部一緒にやってくれてましたからね。カンザスの図書館まで行って…

H:あー、そうだよね。いつも一緒に旅してましたよね。

O:やっぱり音楽分析力に長けていたので、彼女がずーっと…僕が聞いてる横でメモを全部してて。

H:すごい。それは知らなかった。

O:それがすごい役に立って。「ソングブック(Raymond Scott Songbook)」作るときに。

H:そうか…

O:それでさんざん隣で聞いて、それをまた自分の作品に活かしたりとかね(笑)

H:そうかそうか。忙しそうだったもんね。

O:そうですね、ずっと…9月15日まで仮歌入れてましたからね。

H:ヒエー!

O:(笑)

H:(笑)

O:デモ出しして。ギリギリまで音楽やってたんですけど…

H:やってたんだね。とうとうこの番組に呼ぶチャンスがなくなっちゃった。

O:そうですね、何度かお話はね、細野さんから頂いてたんですけど。タイミングが合わずで…

H:合わなかったね。だから…トモちゃんの全貌をつかんでないんだよね、僕(笑)

O:全貌はね、わからないですよ(笑)すっごいいろんなものを作っているので…

H:まぁ、テレビを見てる子どもたちはよく知ってるみたいね。

O:そうですね。Eテレの「みいつけた!」とか。そういう子ども番組の音楽をずっとやっていたので。

H:なるほど。じゃあね、曲をちょっと紹介してもらおうかな。

O:じゃあですね、さっきレイモンド・スコットの話が出たので…これはなんだったっけ…「たまこまーけっと」という京都アニメーションのテレビアニメ。

H:あ、京都アニメーション…んー。

O:で、作った"商店街のピンチ"という曲があるんですが…まぁ、僕が普段ここでかけてるような音楽ですね(笑)

H:聴いたことないんだよな。楽しみ。

 

 

商店街のピンチ - 片岡知子

(from『Snappy Music Around of Tamako: TVアニメーションたまこまーけっと」オリジナル・サウンドトラック』) 

 

 

H:いやいや、おもしれぇ。

O:(笑)

越:(笑)

H:やっぱり、アニメーションに合うんだろうね、こういうの。

O:そうですね。こういうのをいっぱい作ってましたね。

H:んー、いっぱいありそうだな。でもこれ、生だよね?

O:生ですね。放っておくと全部生に差し替えるんで…

H:すごいね(笑)

 

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H:トモちゃんって…音楽教育されてるわけだね、じゃあ。

O:小っちゃい頃にピアノ…ピアノと作曲を習っていて。

H:あ、すごい。作曲を習うかね。

O:ピアノはずーっと習ってて…で、高校からバンドでベースを弾いたりとか。

H:ほう、高校からもうやってたっけね。インスタント・シトロン(Instant Cytron)じゃないよね?それ。

O:その頃はまた別ですね。で、シトロンで1995年にメジャーデビューするんですけど、その頃にアレンジとか習ったりしてたみたいですね。

H:あ、そうなんだ。

O:ストリングスとブラスのアレンジはがっつり決めて、ドラムとかはわりとヘッドアレンジで自由にさせるっていう。

H:んー。いや、すごい…職人さんっていうか…(笑)

O:(笑)

H:得ることが多かったでしょうね、岡田くんも。

O:そうですね、ホントに…まぁ好きなものもかなり被ってたんで。

H:うんうん。いやー…そうとは知らず(笑)

O:(笑)子ども番組とかでこういうのを結構差し込んでたんで…こういうのを聴いて育ったお子さんたちが…

H:知らず知らずレイモンド・スコットが刷り込まれて…(笑)

O:種は蒔いてるんで…おもしろい子たちが出てくるといいんですけどね。

H:そういうことなんだな。不思議なことだ。去年のニューヨーク[公演]に一緒に来てくれたじゃない。

O:ええ。

H:あの頃はまだね、こんなことになるとは思ってない頃ですよね。

O:んー、でもあの頃ってもう、いちばん最初に言われた余命宣告を過ぎてたんですよね。

H:え!そうか…よく来たね。

O:あの後…去年の11月はユトレヒトまでレコードフェアに行ってるんで…

H:あ、そうだよね。

O:まだまだ…ホントに、今年の8月くらいまでは元気に…

H:ね。9月に歌入れやってたんだからね。いやー、今年はね東くん(東榮一)もバイバイして…実はまだラジオでは正式に言ってないけど、7月15日に僕の母親がやっぱり旅立っちゃったんですよね。97歳でしたけど。だからね、2020年、大変な年ですね。

O:ね、ホントに。

H:じゃあ…なるべくいっぱい聴きたいもんだな。次もなんか…聴きたいですね。

O:じゃあですね、"Jacques-In-The-Box"という曲を。

H:うん。

O:これは「スキマの国のポルタ」という荒井良二さんが原作の絵本があって。それのアニメにつけた音楽です。

 

 

Jacques-In-The-Box - 片岡知子

(from『「スキマの国のポルタ」オリジナル・サウンドトラック』) 

 

 

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H:トモちゃんはパソコンでも作るんでしょ?

O:はい。こういうのはLogicで。

H:あ、Logic使ってるんだ。

O:基本的にはLogicでしたね。

H:頭がいいんだな(笑)

O:そんな…(笑)

H:えー…インスタント・シトロンの音もあるよね?

O:ありますよ。

H:じゃあそれはあとで聴かせてもらって…ちょっとここでミハルちゃん、ね、ほっとくとアレだから(笑)

O:(笑)

越:はい。ちょっと待ってください、いま出すので…

H:どうぞ。待ちましょう。

越:ちょっと…結構待ってください。

O:(笑)

H:結構待ちますよ(笑)

越:休憩、休憩しててください…

H:休憩。

 

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡

 

越:はい。

H:お、じゃあね、えー…

越:あ…

H:あ?(笑)

O:(笑)

越:あれー…?(笑)

H:「あ」とか「あれ?」とか多いんだよな…

越:これだ……"ズビズビズー(Zou bisou bisou)"。

H:はい(笑)待ってました。誰がやってるんでしょう?

越:ルネ・コンビアンとオーケストラ(René Cambien et son orchestre)。

H:"Zou bisou bisou"なんて、僕は小学校以来聴いてないんじゃないかな?

越:ね、懐かしい。日本の人もカヴァーしてたんですか?

H:日本の歌手が歌ってたんだね。誰か忘れちゃったけど。

 

 

Zou bisou bisou - René Cambien et son orchestre

 

 

H:これに歌で…♪ズビズビズー、っていうね。

越:うん、ソフィア・ローレンSophia Loren)とか。だいたい1960年代ですよね。数年前にムーラン・ルージュ(Moulin Rouge)…クレイジー・ホース(Crazy Horse Paris)の映画ありましたでしょ?ドゥクフレ(Philippe Decouflé)が演出してる…

H:そっちのほうね。

*2012年公開の映画『Crazy Horse(クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち )』。パリの老舗のナイトクラブの舞台裏を描いたドキュメンタリー作品。「ムーランルージュ」も「クレイジー・ホース」もお店の名前です。

越:パリでも観たんですけど、この曲を使ってクレイジー・ホースのダンサーが踊ったりして…すごいかわいらしかった。

H:なるほど。どうなんでしょうね?…なにが?(笑)

O:(笑)

越:(笑)

 

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H:ミハルちゃんはトモちゃんとは…そんなに親しくなかったっけ?

越:あの…ね、一度、帽子を…(笑)

O:(笑)

H:どうしたの?

O:帽子の貸し借りが。

越:トモちゃんがライヴをするんで、テンガロンハットをね。

O:お借りしました(笑)

H:あ、そうなの。

越:白いテンガロンハットを…(笑)

H:そういえば…音くん(福原音)。

O:はい。

H:前、この番組に出た学生さんね(笑)最近会ってないんで…

O:一昨日会いましたよ。

H:ね。会ってないと思ったら、岡田くんの家にしょっちゅう行ってるっていう…(笑)

O:一昨日帰ってきて、東京に。会いました。

H:で、なんかトモちゃんもすごく、音くんと…通じるものがあったっていうね。

O:そうですね、なんか…音くんも結構、トモちゃんが音楽やってたようなものをめちゃくちゃ観てて。

H:あ、そういうことか。

O:あとは僕らがやってた「バーディー(南の島の小さな飛行機 バーディー)」とか…

H:「バーディー」!「バーディー」観てたんだね。

O:「バーディー」は、友達の中では見てる人がほとんどいなかったらしくて…(笑)

H:やっぱりね(笑)

越:(笑)

O:隠しネタのように僕、言われて…(笑)「「バーディー」っていうのがあって…」って。「音楽がすごい良かった!」って言われて。

H:(笑)

O:いや、作ってたよ!って(笑)すごい驚いてましたけど。

H:そうか、知らなかったんだね。

O:他も…妹ちゃんが2人いるし、トモちゃんが音楽やってるものを結構、実は観てて。気にしてないうちに刷り込まれてて。

H:刷り込まれてる世代ね。はー…そういうことがあるんだね。おもしろいなぁ。なんかグルグル続いてるよね。

 

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H:じゃあ、音くんはもう、そこに住みこんじゃうんじゃないの?岡田くんのとこに。

O:いやいや…(笑)

H:だいたい、岡田くん、一人暮らしに慣れてないんじゃないの?

O:慣れてないですよ。

H:でしょう?どうしよう。

O:僕、いま初めて一人暮らししてるんですから…(笑)

H:そうか…まぁ、慣れるけどね。まだダメだね。2週間じゃあね。

O:そうですね。もう、なんかね…グスングスンしてますよ、家では。

H:今、してもいいよ、別に。

O:(笑)

H:あのー…仕事してる?

O:仕事してますよ、ちょこちょこ。

H:あ、それはもう、仕事したほうがいいよね。気が紛れるよ。

O:うん。そう思って…

H:で、いまも僕から頼んでることあるもんね、そういえば。

O:そうですね。はい。

H:えー…じゃあ、きょうはラジオでトモちゃんの曲をかけて、思い出に浸る晩になりますけど。

O:はい。

H:またかけてくれますか?じゃあ。

O:じゃあ、インスタント・シトロンで…これは1995年のアルバムですけど、"MARCHIN' IN THE RAIN"という曲を。

H:うん。

 

 

MARCHIN' IN THE RAIN - Instant Cytron

(from『CHANGE THIS WORLD』) 

 

 

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H:そうか、インスタント・シトロンも生が多いんだね。

O:そうですね。

H:歌声、キュートだよね。

越:うん、すごいかわいい。

O:しゃべり声もね、あんまり変わらなかったですけどね。

H:そうだね。もっと歌、大きくてもよかったね。90年代って引っ込めちゃうよね(笑)

O:(笑)

H:もっと聞きたかった。

越:でもなんか、今の時代にピッタリ。

H:これからだったかもしれない。

越:うーん…

O:ねー。

H:残念だよね。なんか、仕事を頼みたかった(笑)

O:(笑)

越:(笑)

O:ね、もっとアピールしておけばよかったですね。

H:なにしろね、トモちゃんはすごい忙しい、っていうイメージがあるの。

O:あー…たしかにね。

H:だからね、あー、なんか…岡田くんはヒマそうだな、と思って(笑)

越:(笑)

O:ガーン!(笑)

H:いやいや…(笑)だから頼めなかったね。どのくらい忙しかったのか想像できないけどね。

O:んー…でも制作に入っちゃうとすごい集中するんで…

H:うんうん。

O:食べるのも忘れて…っていう感じですね。

H:あらまぁ…やっぱり身体壊すかなぁ、そういうことやってるとなぁ…

O:もう最後…どこまで仕事をやるかっていうのはすごい問題でね。

H:うんうん。

O:でも、「音楽作ってると死ぬのを忘れる」っていう風に言ってたんですよ、ホントに。

H:すごい話(笑)

O:楽しいから…集中してるから、なんか、このまま行けるんじゃないか、っていう感覚があったみたいで。

H:あー、なるほどね。

O:で、ギリギリまで…量は減らしてもらったんだけど、時間に余裕のあるやつを振って頂いて。

H:やっぱり、アニメーションが多いわけでしょ?

O:そうですね。子ども番組のものが多いですね。

H:そういう業界の中ではいちばん忙しそうだったような気もするなぁ。

O:相当忙しかったでしょうね。

H:わりとそういう人材は限られてるもんね。うん。

O:んー…

H:あの…いちばん子どもたちが聴いてた音楽、かけてよ。

O:なんだろうなぁ…いちばん聴いてたのはたぶん、「みいつけた!」のオープニングテーマでしょうね。

 

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H:あー、そうか。じゃあ2番目でいいよ。

O:2番目か…じゃあですね、すっごい元気なやつですけど。

H:うん。

O:最後に…8月に完パケた…

H:お、最新作だ。

O:最後に自分が手掛けた…アレンジまで全部やったやつがあるんで。

H:それはぜひ聴かなきゃね。

O:"マンボ831"って言うですね…(笑)

H:"マンボ831"。

O:これは「みいつけた!」のCDにも入ってます。

H:じゃあ、これが最後の曲になりますね、きょうの。それを聴きながら…岡田崇くんでした。

O:ありがとうございました。

H:コシミハルでした。

越:ありがとうございました。

H:じゃあまた来週。

 

 

マンボ831 - おこんさん (池谷のぶえ)

(from『NHKみいつけた!ヤッホー』)

 

 

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