2021.09.26 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:はい、細野晴臣です。こんばんは。みなさんこんばんは!

O:こんばんは、岡田崇です。

コ:こんばんは、コシミハルです。

H:なんか、レギュラーって言ってるわりには久しぶりだね(笑)

O:そうですよね、なかなか…

H:このDaisy Holidayっていつから始まってるの?

O:もう…

(D:20年前。)

O:20年経つんですね。

H:もう20年経ってるの?すげぇな。

O:2001年からじゃないですか?Daisy Holidayになったのが。その前は「Daisy World」があって…

H:そんなに経つか…

O:ご長寿番組ですね(笑)

H:みんな、歳取った?20年…そりゃ歳取るよな。

O:そうだ、最初に出始めたときは20代ですからね、僕。

コ:(笑)

H:そうか!それはちょっとショックだね。今はいったいいくつか知らないが…(笑)ミハルちゃんはあんまり変わらないんだよな。

コ:いや、まぁ…ダメ(笑)

O:(笑)

H:なんかいつも倒れそう、いつも目が回ってるよね。

コ:思っていることと、身体の動きが合わないの。

H:それは老人みんなそうだよ。

コ:ちょっと遅れてくるな…ってない?

H:しょっちゅうあるよ、それは。しょっちゅうというか、それが普通になったよ。だからよく躓くんだよね。躓く?

コ:そう!あるある。

H:それは立派に老人だね(笑)

コ:あと、ドアに手を挟んだり?あ!なぜこんなところに手を…みたいな(笑)

H:その現場知ってるよ(笑)非常に危険だよ、あれは。骨折しなくてよかったけどね。

コ:危険ですね。危なかった…そんなことはまだないですか?岡田くんは。

O:うーん、ときどきあるかもしれない、ぐらいになってきましたね。危ないですね。

H:部屋の中でよろけるってこともあるからね。で、立て直せないの。崩れ落ちるんだよ(笑)

コ:(笑)

H:そうするとね、いろんなものが散らかるんだよ。つかむじゃない?

O:(笑)

H:イヤになっちゃうよね。きょうはそういう話の特集かな?違うか。そう!先週の9/15に…コシミハルの『秘密の旅』というライヴが渋谷のさくらホールで行われまして。

コ:はい。

H:非常によかったですね。僕も岡田くんも撮影班として行きました(笑)

2人:(笑)

H:毎回駆り出されるという…けっこう腰に来るんだよ(笑)

コ:それでいつも撮って頂くのですが、その後誰もその映像を見ないで…カメラがなくなるっていうのはどういう流れなんですか?(笑)今回もカメラを探すのが前日大変でしたよ、あの日から見てない、とかって(笑)

O:4年前から見てないんですよ(笑)ミハルさんのステージを撮るためのビデオカメラになっちゃってるんで…普段使わないですよね、ビデオカメラ。iPhoneがあると。

コ:ええ…

H:まぁそのコンサートはなかなか…人もちゃんと入ってくれてね。よかったですよね。

コ:はい。来て頂いてほんとに感謝…

H:こんな時期にね。やっぱり固定のファンという人々はすごく大事ですよ。どんなことがあっても来てくれるんだね。その代わり、親戚とかは来なかったんでしょ?(笑)

コ:そう!ちょっと危ないから…(笑)

H:まぁでもね、良い雰囲気でしたね。静かで。照明の関根さん(関根聡)がまたよかったですね。

コ:素晴らしかったですね!本当に。

H:怪我をされてね、復帰第1回目のコンサートだったんですよね。

コ:はい。

H:それじゃあ1曲…その日に出たアルバムの『秘密の旅』。

コ:その1曲目の"Ma petite maman"という…母との思い出。

H:ミハルちゃんのお母さんの話だよね。

コ:そうですね。

 

 

Ma petite maman - コシミハル

(from『秘密の旅』)

  

 

H:いやいや…よかった。テクノファンは喜ぶよね。コシミハルと言えば1980年代、テクノですもんね。

コ:自分では曲の作り方とかぜんぜん変わってないので…

H:打ち込み系から、今はパネくん(Febian Reza Pane)たちの…

コ:そうですね、ここ数年はマダム・クルーナーの生演奏という。

H:ですよね。ただこのところ、80年代に出した『TUTU』と『PARALLELISME』が6月に…マスタリングし直してね。音の次元がちょっと変わったよね

コ:はい。

H:で、今は『秘密の旅』が出て。

O:『BOY SOPRANO』とかも8月に配信が始まりましたね、

H:そうだ、『BOY SOPRANO』。あれはイーロン・マスクの奥さんが聴いてたっていう話を聞いたけど…すごいね、それ(笑)

コ:なんか出産のときに…というお話を聞きました(笑)

H:すげぇな、イーロン・マスク…制作費出してくれないかな(笑)

2人:(笑)

H:ロケットに載せられちゃいそうだけどね(笑)

コ:他の惑星でライヴするのもいいですね(笑)

H:そうね(笑)それで『swing slow』が12月に出るというね。

O:そうですね。

コ:はい。

H:旧譜がずらっと…ぜんぶ音が良くなってるので、楽しみですね。

コ:そうですね。

 

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H:岡田くんの新譜は?

O:今年はアナログいっぱい作ってるんですけど…10/20に片岡知子さんの『スキマの国のポルタ』というアニメーションのサントラを出します。

H:それはアナログ、CD?

O:それはアナログだけです。ライセンスなので…アナログだったらライセンス、いいですよ、ということで。

H:あ、そうなんだ。そういうことがあるんだね。

O:元々は指人形とかDVDとか絵本が入ってるボックスセットでしか買えなかったサントラだったので。サントラ単体としては初めての商品化ですね。

H:そういうめずらしいものがすごく出揃う時期だね、いま。すばらしい。じゃあね…コシミハル第2曲目。

コ:なににしようかな…"Domino"とか?シャンソンですけどね。

H:いいね。僕が子供の頃にヒットしてた曲ですよ。では、"Domino"。

 

 

Domino - コシミハル

(from『秘密の旅』)

  

 

H:"Domino"、良い曲ですね。

コ:うん。

 

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H:あの…メンバーを紹介して?

コ:えーと…ピアノがフェビアン・レザ・パネさんで、ベースが渡辺等さん。ドラムスが則武諒さん、ギターが今堀恒雄さんです。

H:ずっとそのメンバーでやってて…ドラムの方が新しく変わったんだよね。で、バンドリーダーがパネくん。

コ:はい、そうです。で、これはレコーディングなのでグロッケンだとか…その辺を後からダビングしたりして…

H:なるほど…

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

コ:それは言っちゃダメ…(笑)

H:ダメなの?これダメなんだ(笑)おもしろいよ、この話(笑)

コ:ダメダメ!それはほんとにダメだから!(笑)

O:(笑)

H:じゃあもう、ちょっと話を変えて…(笑)僕はきょうなんにも素材を持ってきてないんですけど…ですから岡田くん、お願いしますね。

O:じゃあ、先ほどお話しに出した片岡さんの…トモちゃんの曲を1曲。

H:サントラね。

O:"アッチェルはおかんむり"という曲を。

 

 

アッチェルはおかんむり - 片岡知子

(from『スキマの国のポルタ オリジナル・サウンドトラック』)

  

 

H:いやー、おもしろい(笑)

コ:かわいい曲ですね。

H:トモちゃんって、レイモンド・スコット(Raimond Scott)をいつから聴いてるんだろう?

O:僕と同じくらいだと思いますね。1990年代中盤ぐらいじゃないですかね?

H:あ、90年代か。なんだかその色が時々出てるね。

O:そうですね、かなり出てますね。で、この後にカンザスのレイモンド・スコットの倉庫に行って、アセテート版をさんざん、1週間聴くという修行をやったので…それ以降はさらに(笑)

H:あれね。それはいい経験をしてるよなぁ。

O:聴いた曲の印象を事細かに、ぜんぶメモに取ってましたからね。それは相当、血となり肉となり…になったと思いますね、あの修業は(笑)

H:なるほど。そういう人はあんまり多くはないよな。

O:そうですね。

H:そういう岡田くんは音楽やらないの?

O:トンと…

H:トンとご無沙汰してるよね(笑)

O:そうですね、やってないですね…

H:もう、グラフィックの仕事が忙しすぎるのかね。

O:いや、そうでもないです…(笑)

H:そうでもないか(笑)でもほとんど…こっちの仕事はぜんぶやってもらってるけどね。

O:ありがとうございます(笑)

 

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H:いやいやいや…さて、ミハルちゃんのめまいの話でもするかね。

コ:えー!(笑)

O:(笑)

コ:言ってはいけないことばかり…

H:なんで?(笑)

O:コンサートの前日の夜、僕と細野さんのところに連絡があって。

H:そう!なんか、倒れたら…

O:「めまいが大変だから、倒れたら細野さんにMCをお願いしたので2人でDaisy Holidayをやってください」という連絡が来たじゃないですか(笑)

H:いやー、ほんとにそうなるかもしれないな、と思って…ステージ立つか、なんてね。ウソだけど(笑)

O:(笑)

コ:ほんとになんか、具合が悪くなっちゃうんですよね。

H:最近はストレスに弱いよね。

コ:弱いですね。追い込まれるとダメですね。

H:前もね、なんか…ライヴの後に大変なことになってたでしょ。

O:毎回そうですね。

H:毎回だね。大変だな、これは(笑)

コ:(笑)

H:さぁ、もう話すこともない…

O:今回、Blu-rayがついてるんですよね。

H:あ…ごめん(笑)

O:(笑)

コ:あ、そうだ…映像がね。去年こういう状態になってしまって、コンサートを開催することができなかったので…で、会場は…

O:押さえてあったので。

コ:そこでライヴを…演奏だけして映像を撮りました。

O:Blu-rayで一緒に入ってます。

コ:2枚組なので。

H:何曲分?

コ:4曲入ってます。『TUTU』の時代の"Petit paradis"を生で演奏していたりしますね。

H:撮影が…

コ:ジャケットなどを撮影して頂いている秦淳司さんが。

H:ずいぶん昔から付き合いがあるよね。

コ:そうですね、『CORSET』くらいからかな?

H:ファッション写真の人ですよね、元々は。

コ:はい。とても好きなんです、秦さんの写真が。

H:そうね……もうこれでおしまいかな。

O:裏話はいっぱいありそうですけどね(笑)

H:裏話は…これは話せないでしょう、それこそ(笑)

O:それがいちばん話せない話ですよね、たぶん(笑)

H:でもいちばんおもしろい(笑)

O:信じられない…(笑)

H:その過程に付き合ってるからね、我々ね。岡田くんも。巻き込まれてるよね、多少は。

O:何か月やってたんだかね…

H:いや、ほんと…終わってよかったね。

コ:よかったですね。

O:ほんと、締め切りがあるって素晴らしいですね。

H:素晴らしい、ほんと。とくにミハルちゃんにはね。

O:んー…

コ:(笑)

H:普通は終わってから倒れるんだよ、ミハルちゃんはね。今回は元気そうだよね。なんか吹っ切れたのかね。

コ:あれじゃないですか?先に倒れたから…(笑)

H:先のほうがいいよね。あとからは大変だから、ほんとに。いやー…さぁこれで(笑)

O:(笑)

H:もうこういうテンションが…元々こうだったんだよね、20年前はね。違うか(笑)ギャグはよくやってたけど。

O:そうですね。

H:最近やらなくなっちゃった。

O:すごかったですよね。台本とかもありましたね、最初の頃。

H:東くん(東榮一)が中心になって。

O:スタジオに来ると台本渡されて(笑)コントとか…

H:前、ときどき流してたけどまだまだいっぱいあるんで…僕が気に入ってるのは「IT革命」というやつで。あれはおもしろかったけど…流せないな、あれはね。

O:ちょっとね…(笑)

H:だから新しく作ろうか、また。

O:ミハルさんと秦さんで「IT革命」を2021年ヴァージョンを作ると…かなり、ほんとに「IT革命」ですね…(笑)

コ:(笑)

O:この電話録音しようかな、という状況がしょっちゅうあります。

H:そうだよね。いや、やろうやろう。ぜひぜひ…そろそろまたギャグに戻らないとね。コロナでユーモアがなくなっちゃったじゃん。

O:うん。

H:ユーモアが死んじゃってるから…こないだね、僕「オリバーな犬」というのに出たんだよ。

O:はい、見ました。

H:あ、見た?よかった、見てくれて…

O:おもしろかったです。

H:おもしろかった?よかった…オダギリさん、よかった(笑)おもしろい人だなぁ。この時期にああいうのってちょうどよかったみたいね。なんか、デヴィッド・リンチDavid Lynch)っぽいところもあるし。

O:何回も繰り返し見れそうなドラマですね。

H:うんうん。まぁそんなようなところで、先週はオダギリさんが出てくれましたけどね。まぁこんなところでひとつ…じゃあ"秘密の旅"を聴きながら、これで今週は…さよなら?

O:おやすみなさい。

コ:おやすみなさい

H:おやすみ。

 

 

秘密の旅 -Voyage secret- - コシミハル

(from『秘密の旅』)

  

 

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