2021.05.16 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

 

H:はい、こんばんは。細野晴臣です。ひさしぶりに…来ましたね、おふたり。

O:こんばんは、岡田崇です。

越:こんばんは、コシミハル

H:ずーっとこのメンバーで…数年前までやってたけど。最近はめずらしいね(笑)

O:そうですね、時々ですね。

H:岡田くんともひさしぶりですね。

O:でも、ひと月、ふた月ぐらいですかね?

H:そうか、普通か(笑)

O:(笑)

H:どうですか。どうしてる?日々。

O:いやー、きょうは2週間ぶりに外に出ましたね。

H:ヒエー。

O:ホントに…(笑)

H:そうなんだね。毎日出てるけどね、僕。

O:びっくりするほど外に出てないですね。

H:出ないんだ。ご飯は食べてるんだね?

O:一応、細々と…(笑)

H:じゃあ、あんまり変わんないね(笑)元気そうでよかったよ。

O:なんとかやってますね。

H:ミハルちゃんは?

越:私も外に出たり、出なかったり。

H:それは誰だってそうだよ。

越:やっぱり、なんかね、なんとも言えない気持ちが1年以上…長い。

H:1年前からそうだよね。長すぎるね。もう、ほんっと飽き飽きだね。

O:んー…

H:で、どうなるの?これから。どんな気持ち?どんな風になったらいい?

O:(笑)

H:忘れるのがいいんじゃないかな(笑)健忘症というかね。

O:忘れたい(笑)

越:んー。

H:忘れたほうがいいよ。じゃあ、忘れよう。忘れて…これから番組を進めます。

O:はい。

H:きょうはね、僕は気楽に聴く立場なんで…

O:え?(笑)

越:(笑)

H:1リスナーとして楽しませてもらおうと思って。岡田くんがいろいろ持ってきてくれてるんで…なにか一つ。

O:じゃあですね、えーと…新曲、というか。ヴァン・ダイク・パークスVan Dyke Parks)がヴェロニカ・ヴァレリオ(Verónica Valerio)という、メキシコのヴェラクルスで活動している歌手と新作を作っていまして…

H:ほほう。ヴァン・ダイク・パークス、いいね。

O:4曲入りのアルバムが…アルバムなのかな?来月ぐらいに出る、と。先行で1曲公開されてます。

H:うん。

O:この曲が…細野さんも好きなアグスティン・ララ(Agustín Lara)。同じメキシコの作曲家ですね。

H:うれしい。なんか、だんだん繋がってきたな。うれしいな。

O:じゃあ、"Veracruz"という曲を…

 

 

Veracruz  - Van Dyke Parks, Verónica Valerio

 

 

H:いやいや、すばらしい。曲がいいからまたすばらしい。

O:これ、本人たち会ってないんですって。

H:へぇ、リモートで?そうか…前からそういうことやってたけど。今はまさにね。いやー、ヴァン・ダイク・パークスがいよいよ、狂気の弦アレンジが…すごいな。

O:すごいですよね。

H:なんか、元気がいいな。

 

open.spotify.com

 

H:では、そこでおとなしくしてる…何やってるのかな?

越:(笑)

H:一生懸命探してるね、今ね。曲を。なにかかけてくださいね。

越:はい。じゃあメル・トーメ(Mel Tormé)で…"Makin' Whoopee"という曲です。

H:あー、"Makin' Whoopee"。うん。

 

 

Makin' Whoopee  - Mel Tormé

 

  

open.spotify.com

 

H:最近聞いた話なんだけど、子どもたちが「過去に戻りたい」ということを言ってる…(笑)

O:子どもが?(笑)

H:そうそうそう(笑)気持ちはわかるよね。なんか、未来に展望を持てないじゃん。

O:そうですね。

H:だったら、そういう子どもたちはこの番組を聴くといいと思うんだよね(笑)

2人:(笑)

越:なんでもデータ化されちゃうところがね…モノが無くなっていってるでしょ?今。

H:形が無くなっちゃってね。音楽もそうだよね。

越:そう、音楽。本も。写真もそうだね。

O:そうですね。

H:プリントして見る人がいなくなってきたね、ついに。

O:紙焼き、いいのにな…

越:ね、すごくいいよね。

H:なんかね…だいたい、コロナって見えないしね。データだね、あれは。

O:(笑)

 

H:さぁて、僕はかけるものがない…というか、考えてないんだよね。任せちゃおうかな。

O:そしたら、先ほどの曲のオリジナルを聴いてみましょうか。アグスティン・ララ。

H:お、うれしい。では、アグスティン・ララで"Veracruz"。

 

 

Veracruz  - Agustín Lara

 

 

open.spotify.com

 

H:いやー、ひさしぶりに聴いた。この人、すごいいい男だよね(笑)

O:モテモテですから(笑)10回、結婚してるのかな?

越:すごい(笑)

H:そっか、そんなにだっけ?ちょっと行き過ぎてるよな(笑)

O:10代の前半から娼館でピアノ弾いたりとかしてて…

H:なんか、メキシコで時の人気女優と結婚したりね。カッコいい人なんだよな。

O:そうですね。歌声もこんなだし、まぁモテますよね。

H:ね。モテるな。いいなぁ…

2人:(笑)

H:ミハルちゃんは、結婚は…まぁいいか。

越:(笑)結婚式したいな。

H:30年ぐらい前から言ってるよね(笑)そういうの、一時期流行ったじゃん。ひとりの女性のための結婚式みたいな…ウェディングドレス着て写真撮るとかね。

越:ね。なんか楽しそう。

H:それで…ボロボロのウェディングドレス着てやる、とか言ってなかった?そういう映画があったんだよね。ウィノナ・ライダー(Winona Ryder)が出てた、吸血鬼の…

越:吸血鬼だっけ?フランケンシュタイン

H:あ、フランケンシュタインだっけ?もうわかんなくなっちゃった。ずいぶん昔の映画だよ。

 

H:じゃあそういうことで…曲をひとつお願いします。

越:はい。じゃあK.D.ラング(K.D.Lang)で…"Love for Sale"。

H:ほほう!意外なものが出てくるなぁ。

 

 

Love for Sale - K.D. Lang

(from『Recollection』)

  

 

H:はい、K.D. ラングで"Love for Sale"。K.D. ラングは最近どうしてるんでしょうか。

越:最近は…どうしてるんでしょうね。

H:なんか、数年前に映画に出てたよね。歌うシーンで…

越:そうですね。

H:すごい変わっちゃってたね(笑)デビュー時代の映像を僕、どこかで見てるんだけど…見たことある?

越:あります。

H:カッコよかったよね、ボーイッシュで。カントリーシンガーとして出てきたよね、最初。

越:そうですね。声がすごくいいですよね。

H:歌がすごくうまいんで、カントリーから逸脱していった人ですけど。

越:はい。

 

open.spotify.com

 

 

H:それで…ミハルちゃんは最近、レコーディングしたりしてますよね。

越:そう。レコーディングしてます。

H:新曲を録ってるわけね?

越:そうですね。

H:えーと、メンバーが…

越:ピアノがフェビアン・レザ・パネ(Febian Reza Pane)さん。ベースが渡辺等さん。ドラムは則武諒さん。

H:みんなベテランですね。

越:あ、ドラムの則武さんはとっても若い方で…今回初めてなんですけどね。で、ギターは今堀恒雄さん。

H:いいメンバーだね。それはいつ出るんでしょうかね。

越:いつですかね?

O:8月ぐらいじゃないですか?

H:そうなの?

越:はい。

H:で、岡田くんは…新作は?

O:新作…(笑)

H:やってないね、最近(笑)

O:やってないですね(笑)

H:グラフィックの仕事は相変わらず忙しそうだよね。 

O:まぁ、ちょこちょこ…そうですね。いまやってるのは、大瀧さんの『LONG VACATION』40周年版というのが3月に出たんですけど。それをやってて…

H:出たね。

O:8月にSACDが出たり、アナログ盤のアンコールプレスがあったり。

H:ほほう…色々あるんだね、まだまだ。

O:それを追加で作業を…ちょうどいましてるところですね。

H:休んでらんないね、大瀧くんも岡田くんも(笑)

O:あと、トモちゃんの…片岡知子さんの作業が、もう大変で(笑)

H:そうだ!いっぱいあるからね。

O:6月から8月までに5タイトル、アナログでリイシューされるんですけど。

H:すごいね。

O:それのマスタリングとカッティングと…立ち会って。

H:あー、全部やってるんだね。

O:検証盤のチェックをして、ジャケットを入稿して…などなどをやって。

H:大仕事だ。

O:それが10月ぐらいまで続きますね。

H:あれ、いつ出すって言ってた?

O:6月9日から…7月7日、8月11日。

H:毎月ね。

O:まとめて出すとちょっと…最近、アナログ盤って高いので。

H:高いね。買うほうが大変だ(笑)

O:ちょっと買うのが大変なんで、ばらけさせて…

H:そうなんだよな。申し訳ないなぁ。

O:(笑)

 

www.110107.com

 

H:で…まぁ別に僕のことはいいや。

O:最近はどうされてますか?

H:最近?なにしてるんだろうな…あ、宿題がいっぱいあるんだよ、そういえば(笑)

2人:(笑)

H:小学生みたいなの、ホントに。1年中夏休みなんだけど。1年中宿題やってるから(笑)

O:(笑)

H:まぁね、いろんな細かい仕事ですけどね。あとね…大仕事もちょっと、これからやらなきゃいけない。

O:お…楽しみにしてます。

H:はい。追々、お知らせします。

 

H:もう時間が来ちゃって…最後の曲。岡田くん、一つお願いします。

O:じゃあレジナルド・フォーサイス(Reginald Foresythe)というイギリスの方なんですが…

H:どうも、馴染みのある名前になってきたね。んー。

O:あんまり知られてない方ですけどね。レイモンド・スコット(Raymond Scott)みたいな音楽を…実はもっと前にイギリスでやってた。

H:イギリスっていうのはヘンな国ですよね。ヘンな人がいっぱいいる。「元」ですよね、やっぱり。

O:そうですね。で、これはニューヨーク録音で…クラリネットベニー・グッドマンBenny Goodman)、ベースがジョン・カービィ(John Kirby)、ドラムがジーン・クルーパ(Gne Krupa)。

H:おお、すごいすごい。

O:この頃、ポール・ホワイトマン(Paul Whiteman)のアレンジとかも…レジナルド・フォーサイスはやっていたんですね。

H:大活躍してたんだね。

O:で、これは1935年の録音で"Dodging A Divorcee"という曲です。

H:はい、ではこれを聴きながら…また来週。

 

 

Dodging A Divorcee - The New Music Of Reginald Foresythe

 

 

www.youtube.com