2021.11.07 Inter FM「Daisy Holiday!」より

手作りデイジー🌼#26

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

 (以下、すべてH:)

  

 はい、細野晴臣です。こんばんは。11月に入って…いよいよ1960年代特集も大詰めということになってきました。きょうはサイケデリックを中心に、僕が20歳のときに聴いていた…まぁロック全盛期ですね、その頃は。そういう音楽を聴いていきたいと思います。抜けてるものがいっぱいありますけど悪しからず、と。ともかくザワザワしてますよ~。覚悟してください。

 年代はだいたい1969年前後で、この数年間でその後の音楽の原型が生まれたということがよくわかりますね。それはともかく、1969年に僕は初めてエイプリル・フール(APRYL FOOL)という、プロのバンドに参加しました。そこではきょうかけるような音楽を聴いてコピーしたり、クラブで演奏していたんです。その後、1970年代以降にはっぴいえんどがスタートするわけですね。そこに至る音楽遍歴を確認するという…今までわりと置き忘れていたことをやってるわけです。そしてこの特集は来月12月で一応、区切りを付けたいんです。まぁつまり、12月の特集ははっぴいえんど結成時に影響されていた音楽を特集しますね。そこでめでたく「さよならアメリカ、さよならニッポン」という…さよなら2021年というのが来月ですね。

 では最初に3曲続けて紹介します。1967年という年はすごい年で…3つのグループがかなり衝撃的なデビューを果たしましたね。最初はジミ・ヘンドリックスJimi Hendrix)で"I Don't Live Today"。そのジミヘンもファンで、同期のクリーム(Cream)。エリック・クラプトンEric Clapton)…いまちょっとね、いろいろなことで話題になってますけど。そのクリームで"Strange Brew"。これはクラプトンがリードヴォーカルをとってますね。そしてヴァニラ・ファッジ(Vanilla Fudge)。シュプリームス(The Supremes)の"You Keep Me Hangin' On"をカヴァーしてます。これも印象深いです。ベースはティム・ボガート(Tim Bogert)、カーマイン・アピス(Carmine Appice)がドラムス、憶えてますね。

    

  

I Don't Live Today - Jimi Hendrix Experience

(from『Are You Experienced』)

 

 

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Strange Brew - Cream

(from『Disraeli Gears』)

 

 

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You Keep Me Hanging On - Vanilla Fudge

(from『Vanilla Fudge』)

 

 

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 さて、先月紹介したテリー・メルチャー(Terry Melcher)のように、カリフォルニアではサーフロックバンドがサイケデリックを始める例が多くて。次のエレクトリック・プルーンズ(The Electric Prunes)もクリエイターが集まってヒットしたケースなんです。1966年のヒット「今夜は眠れない」、"I Had Too Much To Dream Last Night"。

 

     

I Had Too Much To Dream Last Night - The Electric Prunes

 

 

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 続くブルー・チアー(Blue Cheer)。これは1968年、史上初のヘヴィ・ロックなんじゃないかと思います。"Summertime Blues"。

 

     

Summertime Blues - Blue Cheer

(from『Vincebus Eruptum』)

 

 

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 ヘルマン・ヘッセの小説『荒野のおおかみ』から取ったグループ名を持つ、ジョン・ケイ(John Kay)率いるステッペンウルフ(Steppenwolf)。映画の『Easy Rider』で使われました、"Born To Be Wild"が大ヒットしました。"Magic Carpet Ride"。

 

     

Magic Carpet Ride - Steppenwolf

(from『The Second』)

 

 

いやー、魔法の絨毯で飛んでいくような気分で聴いてました。"Magic Carpet Ride"、1968年のヒット曲です。

 

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  次は1967年に…これもヒットしました。トラフィック(Traffic)の"Heaven Is In Your Mind"。

 

     

Heaven Is In Your Mind - Traffic

(from『Mr. Fantasy』)

 

 

イギリス人なのにまるでレイ・チャールズRay Charles)のように歌うトラフィックスティーヴ・ウィンウッドSteve Winwood)ですけど。エリック・クラプトンはクリームにウィンウッドを入れたがっていたみたいですね。その後、ブラインド・フェイス(Blind Faith)を結成します。

 

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 さて、最後の1曲。それはプロコル・ハルム(Procol Harum)です。僕にとってはザ・バンド(The Band)とともにかなり影響されたグループです。ザ・バンドアメリカ大陸の山や草原のグループだとすれば、プロコル・ハルムは海の音楽。さすが海洋国家イギリスのグループですね。そのプロコル・ハルムで1969年のアルバム『Salty Dog』からマシュー・フィッシャー(Matthew Fisher)の作曲・歌で「巡礼者の道」、"Pilgrim's Progress"。

 

     

Pilgrim's Progress - Procol Harum

(from『A Salty Dog』)

 

 

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