2021.08.01 Inter FM「Daisy Holiday!」より
手作りデイジー🌼#23
(以下、すべてH:)
はい、細野晴臣です。夏ですね。ホントに悩ましい世の中ですけど…まぁひと時のお楽しみということで。今回はサーフィン、ホット・ロッドを大雑把ですけど紹介していきたいと思います。
僕は中学生の頃はずっと、ラジオばかり聴いていまして。1963年のある日のことなんですけど、ヒットチャートに素晴らしい曲が上がってきたんですね。それがビーチボーイズ(The Beach Boys)の"Surfin' USA"だったんです。ということで、前半はそこに至る系譜をつなげてみたいと思います。イントロに注目して頂きたいと思いますが、まずはルイ・ジョーダン(Louis Jordan)の"Ain't That Just Like A Woman"。そして10年後、1958年のチャック・ベリー(Chuck Berry)の"Johnny B. Goode"、同じく1956年のチャック・ベリーの"Brown Eyed Handsome Man"。その2年後の1958年はデュアン・エディ(Duane Eddy)の"Movin’ N' Groovin'"。そして、1963年のビーチ・ボーイズの"Surfin' USA"につながっていきます。前半の最後はその元ネタであるチャック・ベリーの"Sweet Little Sixteen"。ではまず最初のルイ・ジョーダンから。"Ain't That Just Like A Woman"。
Ain't That Just Like A Woman - Louis Jordan And His Tympany Five
Brown Eyed Handsome Man - Chuck Berry
Moovin'N' Groovin' - Duane Eddy
Surfin' USA - The Beach Boys
Sweet Little Sixteen - Chuck Berry
Wipe Out - The Surfaris
このサファリーズ(The Surfaris)の"Wipe Out"は大ヒットしましたけど…このイントロにはビックリしましたね。
サーフ・サウンドというのはやっぱりインストが主役で、いわば「サブカル系」と言っていいんでしょうか。その中でも「King Of Surf Guitar」と呼ばれたディック・デイル(Dick Dale)。そのディック・デイルで"The Wedge"。
The Wedge - Dick Dale & The Del-Tones
「Ghostly Sound」と呼ばれた"Pipeline"。やってるのは…これはオリジナルヴァージョンですよ、シャンティーズ(The Chantays)。
Pipeline - The Chantays
1963年のヒット曲、"Pipeline"。シャンティーズでした。
次は同じく1963年のヒット曲、ザ・トラッシュメン(The Trashmen)の"Surfin' Bird"。
Surfin' Bird - The Trashmen
うるさいけどおもしろいなぁ。海のないところでやってるサーファーバンドなんですけどね。これ、リビングトンズ(The Rivingtons)というグループのパクリで…著作権、取られちゃいました。
さぁ、いよいよここからホット・ロッドですね。主役はビーチ・ボーイズとジャン&ディーン(Jan&Dean)。ビーチ・ボーイズで"409"、そして"Little Deuce Coupe"。
409 - The Beach Boys
Little Deuce Coupe - The Beach Boys
ロニー&デイトナズ(Ronny & The Daytonas)で、"G.T.O."。
G.T.O. - Ronny & The Daytonas
ジャン&ディーンの"Drag City"。これはブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)との共作です。1963年。
Drag City - Jan & Dean
次のリップ・コーズ(The Rip Chords)はテリー・メルチャー(Terry Melcher)とブルース・ジョンストン(Bruce Johnston)がリードを取ってたりするんですね。テリー・メルチャーについては色々と話すことが多いんですが…端折ります。"Hey Little Cobra"。
Hey Little Cobra - The Rip Chords
ホット・ロッドの締めはですね、ビーチ・ボーイズの"Our Car Club"。
Our Car Club - The Beach Boys
ホット・ロッドは独自のポップススタイルを形作っていておもしろかったんですけど、サーフィン、ホット・ロッドは1962~64年…まぁ数年の出来事だったということですね。その騒ぎたるやすごいですけど。エネルギッシュですね。そういうところを潜り抜けてビーチ・ボーイズは発展していくわけです。とくにブライアン・ウィルソンは非常に内向的だし、サーフィンがあまり好きではなかったみたいですね。そのブライアン・ウィルソンの作曲で3曲、最後にお送りします。"Girls On The Beach"、"The Warmth Of The Sun"、そして最後は"Passing By"。
Girls On The Beach - The Beach Boys
The Warmth Of The Sun - The Beach Boys
Passing By - The Beach Boys
(from『Friends』)