2021.07.25 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

H:こんばんは、細野晴臣です。さぁ、今週もですね…先々週に高田漣くん、伊賀航くんが来て。一堂に集まれないからね。2人ずつ、と。

大地:そうですね。

H:一応…メンバーだった人たちというか(笑)

2人:(笑)

H:1年前にリモートでやったんだね。

大地:早いですね。

卓史:うんうん。

H:あれは全部4人でやったわけだね。1年前か…それってどう思う?昔なの?最近なの?遠いよね。

大地:その判断がつかないくらいごちゃごちゃになってますね。

H:さっき言ってたよね、時空が歪んでるって。

大地:歪んでませんか?なんか。

H:歪んでるよ。めちゃくちゃ歪んでる。明日って昨日?

2人:(笑)

卓史:その細野さんの感じ…(笑)

H:なんか「今日」っていう感じがないんだよな。

大地:今もいつなのかわからないですね。

H:わからない。今日はやるぞ!みたいな気持ちにならないんだよね。

2人:(笑)

 

H:じゃあ、その1年間はどうしてた?仕事…大地くんは結構忙しいでしょ?

大地:いや、それが…あ、じゃあいいですか?俺から。伊藤大地です。こんばんは。

H:…あ、そうだ。名前まだ言ってなかった(笑)えー、いま喋ってる伊藤大地くん。

大地:こんばんは。

H:そして隣が、野々村…

卓史:野村です、細野さん(笑)

H:わざと言ったんだよ(笑)

大地:芸能人みたい(笑)

H:卓史くんね。野村卓史

卓史:よろしくお願いします。

H:はい、ごめんなさい。

大地:そうですね、忙しいのと、全然仕事がないヒマな時間とが交互に…

H:あ、そうなんだ。どういう配分なの?結構スタジオやってるよね。

大地:録音がバーッとある時もあれば、まったくない時もあるし。まぁ今年は結構ライヴも…去年の秋ぐらいから始まったじゃないですか。

H:そうだね。

大地:7月は結構ヒマですね。

H:野村くんは?

卓史:僕はわりと満遍なくヒマでしたね。

H:満遍なくね(笑)安定してるよね。

卓史:(笑)

H:あの…フジロックとかやるんでしょ?今年。そういうのは出ないの?

卓史:大地は?

大地:僕は予定ないですね。

H:ないか。ツアーやってる人は結構多いでしょ?わりとみんな活発にやってるな、という印象が最近はあるね。

卓史:うんうん。

大地:だんだん、お客さんを入れても大丈夫、という感じになってきて。

H:なってきたね。1年前は全然ダメだったけどね。

大地:そうですね。「無観客配信」というのに慣れていく時でしたね。

 

H:それはさておき…1年どころじゃない、2年前。あの時の印象ってもう薄れちゃってるよね。どう?

大地:アメリカですか。ちょうど夏…

卓史:ちょうどこのタイミングですかね。

H:そうそう。今頃やってたんだっけね。2年前は。

大地:ホント、2年前に行っててよかったですよね、細野さん。ニューヨークに。

H:いや、ほんっとにそう思うよ。

大地:[2018年の]ロンドンも5月、6月ぐらいで行ったじゃないですか。で、1年後にニューヨーク、ロサンゼルス。

H:そうそう。いい天気だったよね。素晴らしかった。

大地:ですよね。いい季節に行ってたし。だから1年後になってたら実現しなかったし。

H:もう、ホントだよね。なんにもできないただのおじさんになっちゃうよね。

2人:(笑)

H:今そうだけどね。

大地:そうなんですか(笑)

H:そう。年老いた、哀れな…(笑)

大地:マイク越しに細野さんの声を聴くのも久しぶりだし、お姿を見ても変わらないですよね。

H:そう?変わらないかな。

卓史:なんかむしろ…髪も伸びて強そうになってて…

大地:(笑)

H:強そうになった?(笑)髪伸びると強くなるのかな。そういえば偉人はみんな髪を伸ばしてるよね。キリストさんとか。

大地:そうなっていくんですか?細野さんも。

H:いや、どうかな?(笑)漣くんたちとも話したんだけど…だんだん、家があるのに家のない人みたいな気持ち。なんて言うんだろう…世の中にはそういう人もいるじゃない?

大地:はい。

H:こないだ銀座に行ったら、GINZA SIXの前の通りにポールが立っててね。照明かな?外だよ?路上で僕ぐらいのおじさんが瞑想してるんだよ。座って(笑)みんなは見ないんだけどね。まじまじと見ちゃったよ。で、探しちゃうんだよね、次に行った時も。あれ、いないな?とかね。

大地:いつもそこにいるような人ですかね。

H:うん。僕もああいう風になるのかな、って。

大地:ならないと思いますけど…

H:いや、結構近いんだよね。気持ちが。

大地:この1年ぐらいで?

H:そう。なんて言うか、具体的に動く動機がないんだよ。ライヴとか…こういう時代、こういうことにならなければオーストラリアに行ったりとか。

大地:そうでしたね。

H:あとはいろんな…パリとかでイベントがあったんだけどね。全部そういうのも忘れちゃったじゃない。

大地:そうですね。

H:だから淡々としちゃうというか…もう、未来はないな(笑)

2人:(笑)

大地:髪を切ってください、そしたら(笑)

H:髪切ろうか(笑)

大地:俺、ドラマーだから呼んでもらうしかありえないじゃないですか。

H:そうだよね。

大地:でも細野さんと卓史は作る人。で、こうなって…ライヴじゃない音楽の場面もあるわけじゃないですか。2人は。

H:そうだね。うん。

大地:だからちょっと違いますよね、そういうときの気持ち…俺は全然わかんないですけど。こっちは呼んでもらう待ちなので。

H:そうか。いやー、ごめんね。全然呼んでなかったな。

大地:いやいや、そういう意味じゃないんですけど…(笑)だから自分が「作る!」っていう気持ちになれば…

H:でも2人はバンドやってるじゃない。名前忘れちゃった(笑)

2人:(笑)

大地:グッドラックヘイワと申します(笑)よろしくお願いします。

H:もう、すべて忘れてるんだよ(笑)その活動はやってないの?

卓史:こないだ1年半ぶりにライヴを…

大地:そうですね。

H:あ、やったんだね。どちらで?

卓史:愛知県ですね。フェスティバルに呼んでもらって。

大地:あとは卓史の地元の山口県、徳山で…

H:あ、山口なんだね。

大地:だから、去年はライヴやってないです。1本も。

H:あ、それは今年の話か。そうか。

大地:こないだです。緊張はしなかったけど、やっぱり感覚は…忘れそうになってる中やる感じというか…

卓史:うん。

H:そうだよね。

大地:こんなに、20何年以上音楽やってきて初めてというか。

卓史:お客さんも「声出さないでください」とか言われてることが多いから、こっちもぎこちないけどお客さんもぎこちないし…不思議な緊張感があるというか。

H:そうか。

大地:みんなそこと戦ってますよね。お客さんの…

H:なんか、楽しくないよね…(笑)

大地:そうですね。

卓史:でも、たまたまロケーションがビーチで。目の前に砂浜と海と…みたいな。で、天気も晴れてきて…というのがあったのでちょっといい感じでやれたんですけど。

 

 

 

H:うんうん。まぁでも…本当はこの5月に福岡でそういうシチュエーションがあったじゃない。

大地:そうですね。CIRCLE。

H:あれはやるつもりだったんだよね。

卓史:直前まで。

H:直前までね。急に中止になった。だから結局、なんにもやらない人間になっちゃったんだね。だって、1年以上ギターに触ってないんだよ。

大地:ホントですか?

H:うん。ケースに入れたまんまで。でも毎日挨拶はしてるよ。

2人:(笑)

卓史:ケース越しにですか?(笑)

H:そう。「元気?」って(笑)でもなんで触らなくなっちゃったんだろう、と。やっぱりね、何か大きな変化があったね。自分の中で。もう音楽できないのかもしれないな、と思ってね。

大地:作ったりは?

H:全然してない。

大地:してないんですか…

H:なんてね、してるわ(笑)

2人:(笑)

H:ギターじゃなくて鍵盤で。でもそれは去年だね。去年閉じこもってて…世界中で自分の家でやり出したじゃない。「Stay Home」とか言ってね。もうそういう人は今いなくなっちゃったけどね(笑)

卓史:そうですね。

H:だんだん復活してきてるよね。で、僕も「Stay Home」じゃないけど、元々…なんだろう、90年代から僕は「Stay Home」だったから。

大地:(笑)

H:その流れで映画の音楽をやったりしてたんですけどね。うん。でも、音楽は聴いてるんでしょ?

卓史:聴いてますし…なんか、YouTubeを見るのが増えましたね、すごく。

H:あ、同じだ。

大地:外国の「Stay Home」の音楽を見たり、見てる中でお笑いのが出てきたらそっちを見ちゃったり…(笑)

H:ずっと見てるよ、YouTube(笑)

大地:おもしろいですよね。自分の中ではこの1年で価値が上がりました。

卓史:え、プレミアム入ってるんでしょ?いつから?

大地:入ってる。それはでもね、コロナ禍になる前に…真心ブラザーズYO-KINGに勧められて。

H:そうなんだ。それは映画なの?

大地:YouTube Premiumという…お金を払うとCMがなくなるやつです。

H:ああ、それか。僕も入ってるはずなんだけどね。よくわかんなくて。

大地:(笑)

H:でも最近のYouTubeは急に…なんて言うんだろう、普通の人たちが目覚めた感じで。このコロナのこととかアメリカの大統領選のこととか。みんな語るようになったんだよね。情報源は限られてるんだろうけど。

大地:あー…

H:それは最近おとなしくなったけど。いっぱい、飽和状態だった。でも画面が動いてるわけじゃないから…YouTubeってラジオみたいになっちゃった(笑)

大地:流しっぱなしでも聴けますしね。

H:そう。「聴くもの」だよね。聞きながら他のことやれるし…[画面を]見なきゃいけないということがだんだんつらくなってきちゃって。だからラジオを聴いたりしてるんだよね。で、ラジオをやってると、ラジオの番組同士で最近、コミュニケーションがあるんで…(笑)今度その話するけど、今はしないよ。

大地:へぇ。なんか企画があるんですね。

H:企画じゃないの、自然現象。おもしろい。これはテレビではありえないね。

大地:なるほど。なんかわかる気がします。

H:まぁそれは今度、追々話します。

大地:ぜひ。

 

H:じゃあね、なにを聴いてるか…音楽聴かせて。

大地:きょうかけてもらおうと思ったのは…たまには自分が演奏してる曲もいいかな、と思って。

H:お、いいね。

大地:こんな感じをやってます、という…吉田省念くんのアルバムが今年出たんですよ。ずっといっしょに録ってきていて。1stアルバムはたしか、細野さんも声で参加してくださって。

H:そう。ユニークな音楽だったね。

 

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大地:そうですよね。あれから3作目が…

H:そんなに作ったんだね。

大地:いっしょに作っていて…じゃあ俺からかけさせてもらって…

H:うん。どうぞどうぞ。

大地:今年出た吉田省念くんのニューアルバムから、"DEVO"という。

H:お、ディーヴォ

大地:はい。D-E-V-O、"DEVO"。

H:DEVOっていうグループは知ってるよね?

大地:ディーヴォ?あ、俺知らないですね…

H:世代の…(笑)

大地:でも、そこから来てるかもしれないですね。

H:そう。テクノ時代のね。80年代。

卓史:スペルも同じっぽいね。

大地:うん。曲調はあれですけど…ちょっと聴いてみてください。

H:はい。聴かせてください。

 

 

DEVO  - 吉田省念

(from『空前のサミット』)

  

  

H:素晴らしい。いやー、おもしろい…なんだこりゃ。

大地:これ、省念くんと2人で…細野さんも行かれたことあると思うんですけど、スタジオ。

H:あるある。京都ね。

大地:はい。自宅スタジオで。2人だけで録って…そこから彼がいろいろ重ねていった。

H:器用な人だね。

大地:すごいですよね。

H:なんか、1枚目の時もこんな感じで…ビックリしたんだよね。ビックリするね、この人の音楽。

大地:そうなんですよ。彼自身にとって締切とかないから、納得がいくまで時間をかけて作ってて。

H:いいねぇ。

大地:すごく完成度が高い…

H:なんか、全部聴きたくなるね。いつ発売なんですか?

大地:もう出てます。サブスクでも聴けますし。

H:出てる?じゃあちょっと買ってみようかな…

大地:あ、買ってくれる…よろこびます(笑)

卓史:(笑)

H:もらうよりは買ったほうが全然いいからね。

大地:そうですね。

  

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H:では…野村くん。

卓史:はい。えーと…なんて読むのかわからないな。

H:え?(笑)

大地:曲名?

(♪流れ出す音源)

卓史:あー、違う違う違う…

H:え?

卓史:えっと、ごめんなさい(笑)この…

大地:動画?

卓史:いや、これはSpotifyの自動で動画を流してくれるやつ…

(D:それ持ってます。)

卓史:あ、そうですか。

H:誰?

(D:たぶん細野さん知ってます。)

卓史:あ、じゃあ…(笑)

H:誰だ…(笑)

大地:Spotify派?

卓史:有料会員になってるのはSpotifyだけだね。

大地:そうなんだ。一本で…細野さんはなにで聴いてます?

H:僕は相変わらずね、iTunesから離れられない(笑)

大地:iTunesApple Musicと?

H:そうね。

大地:俺もそうなんですよ。最近、音質がすごくよくなって…

H:はいはい。

卓史:…あ、じゃあお願いします。

H:じゃあちょっと曲、紹介して。

大地:曲名がわからない…

卓史:読めない…(笑)なんて読むんだろう、これ…「ジュラーケル」?

大地:ピノ・パラディーノ(Pino Palladino)の…

H:あ、ピノ・パラディーノ。ブレイク・ミルズ(Blake Mills)とやってるやつ?

卓史:そうです。めちゃめちゃカッコいい…

H:みんなそれ聴いてる!(笑)

卓史:(笑)

大地:俺も聴いてます(笑)

H:なんだろう、これ(笑)

卓史:曲はかぶってないですか?

H:かぶってない。

卓史:よかった(笑)

 

 

Djurkel  - Pino Palladino, Blake Mills

(from『Notes With Attachements』)

  

 

卓史:たぶんホーンを吹いてるのは…

大地:あー、サム・ゲンデル(Sam Gendel)。

卓史:サム・ゲンデル。で、途中からドラムが入ったと思うけど…

H:ドラムは後でかぶせたみたいだよ。

卓史:あ、そうなんですか?

大地:じゃあ、あれですよね…クリス・デイヴ(Chris Dave)とかも叩いてますよね。

卓史:クリス・デイヴだった気がする。

大地:そうだよね。

H:誰?

大地:ディ・アンジェロ(D'Angelo)とかで叩いてる…

H:あ、そうか。

卓史:ディ・アンジェロ組ってことだよね。

H:そうだよね。パラディーノが…

卓史:うんうん。

   

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H:いやいやいや…サム・ゲンデル、ブレイク・ミルズ、ピノ・パラディーノって、今みんな聴いてるんだよね(笑)どういう現象なんだろう。

卓史:僕、あんまり横のつながりとかでその話になったことなくて…

H:いや、僕もそうだったんだよ。ついこないだまで。

卓史:あ、そうなんですね。

H:そしたら…例えばここでかけるじゃない?そうするとすごく反応があるしね。あとはゲストの人たちとか、みんなかけるんだよね。

大地:自分も結構、行く現場現場で「聴いた?」みたいになってますよ。

H:そうかそうか。なんだろう?なにがみんなを引き寄せてるんだろう。

大地:YouTubeとかでセッションしてる映像が上がってきてて。たぶんそれを見てから音源が出てるから…

H:そっかそっか。

大地:YouTubeの、彼らが狭い…

卓史:ね。スタジオでもないようなところでね。

大地:うん。みんなが集まる場所でお酒飲みながら、みたいな…

H:雰囲気がいいよね。セッションだもんね、こういうのは。曲というよりも。

卓史:そうですね。

H:サム・ゲンデルとかブレイク・ミルズは曲になってるけどね。このパラディーノはセッションっぽい。

大地:ぽいですよね。

H:こういう自由な感じがいいのかな。でも、本国アメリカでもすごく評価されてるじゃない?新しい潮流なのかもしれないですよね。

卓史:うんうん。

 

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H:ジョン・ハッセル(Jon Hassell)というトランペッター、亡くなっちゃったんだよね。

卓史:あ、そうなんですね。

大地:そうなんだ…

H:うん。ついこないだ…6月26日だったかな?

大地:ホントに最近。

H:84歳かな。結構、お年だったんだね。まぁブライアン・イーノBrian Eno)とやってたからその時代…70年代から聴いてたけどね。あの人もトランペットにハーモニー付けてるじゃん。

卓史:そうですよね。サム・ゲンデルにちょっと近い…

H:うん。エフェクターとしてね。他の誰もやってないことやってたよね。

卓史:発信音みたいのを使ったり。

H:ああいうのを聴くと「あ、ジョン・ハッセルだ!」ってすぐわかるじゃない?その流れがつながってるよね。サム・ゲンデル、ブレイク・ミルズ…みんなハーモニーを使ってる。あと、ボン・イヴェール(Bon Iver)も声にそれを使ったりね。サックスにも入ってるけど。

大地:その音響効果のシステムはなんなんだ?みたいのをみんな知りたがってて。それを誰かがこないだ現場で教えてくれて…実はBOSSの小っちゃいやつを使ってるんだ、みたいな(笑)

卓史:(笑)

H:Rolandとかね(笑)

大地:そう!大したもんじゃないという(笑)

卓史:そこはカッコいいね(笑)

H:そういうもんなんだよな。

大地:ホントに、センスのある使い方をしている、みたいな。みんな言ってて…

H:いいね、音楽の話は(笑)

2人:(笑)

H:ホッとするよ(笑)なんかこう、こんな時代でも音楽聴いてるとその世界に入れるからね。あー、やっぱり音楽やめるのやめた(笑)

大地:やったー(笑)

卓史:ぜひぜひ…(笑)

H:音楽、おもしろいわ。自由だよ。

大地:自由ですよね。

H:ね。マスクいらないから。

大地:音楽やってると…つけてると演奏できないんで、外してます。

H:そうでしょう。そりゃそうだよ。

大地:つけると音変わるじゃないですか。ハイが落ちるというか…

卓史:感覚的にはかなり変わるよね。

H:声はね。ドラムが?

大地:聞こえる音が。

H:あ、聞こえる音がね。

大地:それは誰かが…鼻から音を聴いてるから変わるんだ、って言ってて。

H:鼻!鼻って耳なのか!(笑)

大地:たしかにそうかも!と思って。

H:へぇー!

大地:へぇですよね。

H:初めて聞く。だったら口もそうかも。目も。

大地:響いてる…

H:まぁ皮膚でね、聴くから。そうかそうか。それは知らなかった。

大地:そうですよね。ドラムは無理です、マスクしながらは。

H:まぁでもしてないほうが…見た目もね。

大地:(笑)

H:だって最近の子どもは…家庭でお母さんがマスクしてると「マスクを取った顔が怖い」っていう子どもがいるって…

大地:そうか、逆に…

H:あと、「昔に戻りたい」っていうのはニュースで聞いたんだよ。子どもたちが。

卓史:「昔」というのはその子たちのちょっと前の…

H:コロナ以前の。それはおんなじ気持ちかもしれないね。あ、でも僕は昔に戻りたいとは思わないけどね。どう?

大地:うーん…

卓史:いやー…

H:(笑)

卓史:「どうしていくか」みたいなことばかり考えてたんで、もし不思議なスイッチがあって戻れるというんだったら押してみたい、という気持ちはありますけどね。

H:うんうん。ボタンね。なるほど…まぁ今後、どうするのかな?予定っていうのは別にないんだよね、僕もね。

大地:グッドラック的にも…なにも立ててないよね。

H:立ててないか。なんかやろうかな!

2人:お…

H:このまんまじゃイヤだ!(笑)

大地:おお!(笑)

H:(笑)

大地:これは…細野さんフェスティバルみたいな(笑)

H:それは無理だよ(笑)

大地:そうですね(笑)

H:まぁでもなんかしら…やんないとおもしろくないや。レコーディングでもいいんだけどね。でも、いまはそういう音楽…さっきみたいな音楽聴いてて影響されちゃうとイヤだな、と思ってね。2年前はブギウギやってたじゃない?

大地:そうですね。

H:もう今はちょっとできないけどね…

大地:ですよね。2年もやってない…

H:そう。ずいぶんやってたじゃん。10年ぐらい?

大地:そうですね。やってました…

H:まぁその集大成だったじゃない、2年前のアメリカはね。

大地:ホントにそうだと思います。

H:だから、これが終わったら休もうと思ってたから、ちょうど休めたという。で、今後どうするかっていうのは白紙状態。聴いてるけどね。いろいろ。聴いてるけど自分は白紙状態で。どうするんだろう?と思ってね。まぁみんなもそうらしいね。どうやらね。

大地:そうですね。

H:まぁじゃあこんな感じで…締めちゃうよ?

大地:はい。

卓史:はい。

H:いいの?(笑)

2人:(笑)

大地:またしばらく細野さんと会えなくなるのか、と思うとアレですけどね…

H:前、家の前で会ったね。僕の母親が亡くなって…

大地:すみません、そのときは…(笑)

H:いやいや!すばらしいよ。なんか…奇跡だよ。位牌を持って、外に出たんだよね。

大地:ちょうどみなさんがお帰りになられたとき…

H:そう!そしたらそこに通りかかって、なんかくれたんだよね。

大地:細野さんにちょっと、夏のお届け物を…と思って来たら、細野さんとみなさんが喪服の姿で…

卓史:あー…

H:そうそうそう。どうもありがとうございました。

大地:いえいえいえ…(笑)

H:野村くんも、ありがとうございました。

卓史:いやいやいや…(笑)

大地:また、呼んでください。

卓史:ぜひ!

H:はい、またやりましょうね!では、伊藤大地くんと野村卓史くんでした。ありがとう!

2人:ありがとうございました!