2019.12.22 Inter FM「Daisy Holiday!」より
クリスマス回2019
H:こんばんは、細野晴臣です。さて、22日の夜。みなさん、いらっしゃい。
O:こんばんは、岡田崇です。
越:こんばんは、コシミハルです。
H:ひさしぶりだね。
O:ひさしぶりですね、3人。
越:おひさしぶりです…
H:もうね、いろいろ…いろんなことがあったんでね。やっと落ち着きそうですね。
O:お疲れ様です(笑)
H:もう今年もね、あと1週間で…
O:そうですね。あっという間でしたね。
H:だからね、来年のクリスマスがもうすぐ、ってこないだのステージで言っちゃったけど。その前に…
O:今年のが…(笑)
越:(笑)
H:なかなか来なかったね。んー。でも、もうクリスマスって日本から消えてくんじゃないの?
O:なんか、存在感が、ね。
H:ハロウィンに負けてるよね。そのハロウィンもそんなに…今年は盛り上がらなかったしね。
O:んー。
H:だから、スーパーに行くともうクリスマス商品じゃないのね。お正月商品。クリスマスはどこ行っちゃったの?イエス・キリストはどこ行っちゃった?
越:(笑)
H:えー…とはいえ、どうですか、ミハルちゃん?近況。
越:え、近況?
H:なんか欲しいものは?サンタさんに頼む。
越:サンタさんには、枕買ってほしい。
H:枕?
O:(笑)
越:サンタさんに「買ってほしい」っていうのはヘンだけど…(笑)
O:買いに行くんだ、サンタさん(笑)
H:代行だ(笑)
越:(笑)ベッドのマットレスをね、最近買い換えたんですよ。
H:スプリングのね。
越:そうしたら、すっごい気持ちがよくて。だから横になってばっかりいる。
H:(笑)
越:なんかもう、やさしい感じ?
H:そうだろうね。
越:そう。だから、そのマットレスに合った枕が欲しいなぁ、という今日この頃。
H:サンタさん、ラジオ聴いてるよ、たぶん。
越:(笑)
H:買ってきてくれるんじゃないかな。
O:(笑)
H:じゃあ、岡田くんはなにが欲しいんだろうね。
O:んー、レコード…(笑)
H:レコードかい(笑)
越:(笑)
H:相変わらずだわ(笑)自分で買ってるじゃない(笑)
O:先月ユトレヒトまでレコードフェアに行ってきました。
H:ユトレヒトって、国は?
O:オランダ。
H:オランダだ。いやいや…それは、なにしに行ったかって言うと?
O:世界最大級のレコードフェアっていうのがですね、あって。それに、レコードを見に…買いに…(笑)
H:すごいよね、行動力というか。ほんっとに好きなんだね。レコード、アナログ盤なの?
O:アナログですね。まぁ、CDもちょっと売ってますけど。
H:SPもあるの?
O:SPもありましたね。
H:どのくらい買ってきたの?
O:いやでも、SPは重いんで…何枚ぐらいかな…30,40枚ぐらいかな?
越:すごい(笑)
O:重かった…(笑)
H:よく割れないわ。
O:もう、厳重に…
H:で、アナログ盤も買ったわけね。
O:少しは、買いましたね。普通のLP、シングル…
H:なんか掘り出し物はあったんですか?
O:まぁ、ちょこちょこはあったような気もします。
H:どうなんだろう、今、世界のそういう市場って。どんどん品薄なんじゃないの?
O:いやでも、相変わらず盛り上がってましたよ。
H:あ、ホント?広ぉいところでやるわけね。
O:すっごい広いところです。2日間まるまる歩いても見尽くせないぐらい広いです。
H:全部見るの?それを。
O:いやぁ、さすがにそれは…(笑)
H:(笑)
O:今回はわりとSP盤をずーっと見てて。あんまり、全部のショップを見るっていうことはしなかったですね。
H:んー。
O:レコードと同じくらいの巨大な規模で、アンティークのマーケットも同時にやってるんで。そっちも楽しい。
H:あー、そう。アンティークって、例えば…家具とかそういう?
O:家具とかはもちろんですし…
H:東京ではシェルマンっていう、ヴィンテージ蓄音器のあるお店がフェア、やってましたね。欲しいものはいっぱいあるんですけどね…
O:うちにも知らせが来ましたけど…「お問い合わせください」って書いてあるんですよね、値段…(笑)
H:そうそう、値段がね(笑)値段、付けられないんだろうね。
O:だって、高いのは百何十万って書いてあるのに…(笑)
H:それ以上なんだろうね(笑)
O:問い合わせる…もっと高いんだ、と思ってね(笑)
H:だって、すごい立派な蓄音器ですよ。ほしいねぇ…
越:すごいキレイですよね。
H:ね。何台も何台も欲しいね。
O:博物館に…(笑)
H:一台あればもう、他に置くところ無いしね…(笑)実は僕もシェルマンで昔買ったんですよね、蓄音器。手ごろなのを。最近使ってないですね。
O:脚が折れちゃったやつ?
H:折れちゃったんですよ(笑)地震でね、倒れちゃったのよ。中に入ってたSP盤が、"Hong Kong Blues"。
O:お。
H:ホーギー・カーマイケル(Hoagy Carmichael)の。それは無事だったんだけど(笑)
O:(笑)意外と地震でSP、大丈夫でしたね。うちもレコード棚とか全部倒れてきましたけど、SPだけじっと…場所が変わらなかったという。
越:(笑)
H:さすがだね。SPはすばらしいね。意思が強いっていうかね。んー。がんばってくれるという。
H:さぁ!お話だけではないよ、きょうは。クリスマスと言えばね、やっぱり音楽ですよ。ね?
2人:(首肯)
H:ん?違うの?同意してくれないと…(笑)
O:ラジオだったんだ…(笑)
越:(笑)
H:クリスマスの良さっていうのはいま、音楽の中にだけあるような気がしちゃう。自分ではね。
O:確かに。
H:でも、巷ではあんまりかかってないね。イルミネーションばっかりだね。
O:そうですね。
H:あれがまぁ、クリスマスなんだろうね。今は。だからずーっと…いつまで点いてるのか知らないが、イルミネーション、けっこう人が集まるみたいですよ。
O:んー。
H:じゃあね…ミハルちゃん、クリスマスと言えば?
越:え?じゃあ、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)ですね。
H:だろうね。んー。
越:でも、ちょっと新しいフランク・シナトラの…"Mam'selle"です。
H:クリスマスソングではないのね。んー…
越:え?トミー・ドーシー(Tommy Dorsey)がいいですか?
H:いや、わかんないよ(笑)なんでもいい(笑)
O:(笑)
越:トミー・ドーシーとやってる…ちょっと待ってください…どっかに行ってしまいました。これってどうなってるんだろ?
O:相変わらずですね、そういうところは。
越:あ、ちょっと、ホントに…
H:じゃあ、ミハルちゃんを飛ばして、岡田くんから始めます。
越:えー!どこに行っちゃったんだろ…
O:(笑)
H:なにがいいですか?
O:どうしましょうか。じゃあ、ジョニー・マーサー(Johnny Mercer)で"Jingle Bells"。
H:お、いいね!これだよ、やっぱり。
Jingle Bells - Johnny Mercer & The Pied Pipers
H:いいねぇ…なんだろう、この良さは。
O:パイド・パイパーズ(The Pied Pipers)といっしょにやってますね。
H:ジョニー・マーサーのこの鼻声、好きだなぁ。いちばん、なんか、アメリカの都会の感じがする。この人。
O:(笑)
H:このアレンジ、いいね。モノっていうのはいいね。
O:良いですね。
H:ビッグバンドがうるさくないっていうのがいいね(笑)
O:(笑)
H:そんなこと言っちゃあ失礼ですけど(笑)ちょうどいいバランスなんだよな。音が。これは…1950年代かな?
O:今ので1947年ですね。
H:あ、47年なんだ。終戦の年だよ。あ、終戦2年目だ。あ、誕生日の年だ。僕の。
O:生まれた年ですね。
H:さぁ、用意できましたかね?
越:用意できました(笑)フランク・シナトラで、"Mam'selle"。
H:クリスマス関係無いんだけどな…
O:(笑)
越:え?クリスマスの曲がよかったの??(笑)
H:そうだよ!(笑)
O:えー!(笑)
H:なんだそれ(笑)信じらんない(笑)
越:なんか、クリスマス…っぽい?クリスマスのような?
H:まぁいいよいいよ、それで。大丈夫。
越:え、じゃあもう1回選曲しましょうか?
H:いいよいいよ、もう始まっちゃったから。
越:(笑)
Mam'selle - Frank Sinatra
H:歌の内容は関係ないよね、夜景にはね(笑)
越:うん(笑)
O:(笑)
H:こんな感じでいいわけね、雰囲気でね。いいよね、洋楽ってそうだよね。洋楽大好き(笑)
2人:(笑)
H:えーと、僕はサンタさんになにが欲しいかって…みんな訊いてくれないから僕が言うけど、あのね、山高帽…なんて言うの?ホントは。
越:あー、あのね、探してる帽子。
H:探してるのよ、ずっと。まんまるの。最近の帽子ってみんな楕円形じゃない。オーバルっていうんだよね。たまご型っていうやつ。
越:うん。
H:でも、ダンス用はまんまるじゃないと、ハット・トリックっていうのができない。
越:あ、ダンサーになるの?
H:そう!(笑)
O:(笑)
越:来年はダンサーになるの?
H:そうなの(笑)
越:踊るんだ!
H:踊るよ!(笑)
2人:(笑)
H:ダメ?
越:楽しみだ(笑)
H:あのね、ハット・トリックって…「クルリンパ」はできるんだよ。
O:「クルリンパ」(笑)
H:あの…日本のコメディアンの人ね(笑)「クルリンパ」の人。
O:ダチョウ倶楽部の…[上島竜平]
H:あの人のは、ぜんぜん上手くないよ、あの人(笑)
O:(笑)
H:あれは「クルリンパ」。僕のは「クルリンパ」じゃない。えーとね、ずーっと見てるのはやっぱりボブ・フォッシー(Bob Fosse)かな。
O:うんうん。
H:"Steam Heat"とか、帽子すごい使うじゃん。
越:なんで急にそこに…そうなったんですか?
H:ん?なんでだろう?どうしてかな?
越:どうしちゃったの?(笑)
H:どうしちゃったんだろう?(笑)最初ね、ローレル&ハーディ(Laurel & Hardy)見直してたの。そしたら去年、新作で…
O:ああ、ありましたね。
H:あったでしょ?えーと、なんだっけ…『Stan & Ollie』っていう映画。この役者たちがね、なかなかそっくりだったんだよね。で、スタン・ローレル(Stan Laurel)っていう人は、実は僕の小技ね。指の芸とか。親指がこう、離れちゃうやつとか。
越:あー、あれね。
H:あれの元祖なんだよね。あれをやってるんだよ。あれのやり方をね、短編とかオリジナルの作品でやってるんだよ。フィンガー・レッキングっていうんだよ。
O:フィンガー・レッキングっていうんだ。
H:で、帽子も得意なの。指でぷーって、指くわえて息を吹くと、帽子が上がっちゃうわけ。それって僕、父親から習ったんだよ。小学校のときに。
O:(笑)
H:指の芸もそう。それのオリジナルがスタン・ローレルなんだよ。
O:細いほうですよね。
H:そう、細いほう。すぐ泣いちゃう人。あの泣くのがいいんだよね(笑)
O:(笑)
H:えー…まぁ、そんなようなことやってたら、だんだん帽子を…どうやったらいいんだろう、って。その流れでボブ・フォッシーを見だしたんだよ。昔ね、"Steam Heat"っていう振り付けは日本では金井克子さんがやってたの。観たことある?ミハルちゃんは。
越:うん。
H:あ、ホント?で、なんかそれが記憶に残ってて。「Steam Heat 金井克子」って検索しても無いんだね、動画が。まぁその代わりオリジナルがあるんで、シャーリー・マックレーン(Shirley MacLaine)の主演した映画(『The Pajama Game』)とか観たりね、してたの。
越:んー。
H:で、あの人[ボブ・フォッシー]は…若い頃はアステア(Fred Astaire)にすごいあこがれたじゃん。でも、ああいう風にはなれなくて。アステアには誰もなれないじゃん。で、独自のをやり出して…裏方に回って、振り付けはやり出したりして。アステアが亡くなったのは1987年…かな?
越:うん。
H:ボブ・フォッシーもその年に亡くなってるんだよ。同時に。フォッシーが60歳で、アステアが88歳。
O:そうですよね。
H:その年以来、その伝統が…
O:途絶えちゃった。
H:途絶えた。
O:それを、来年から細野さんが…
H:(笑)
越:(笑)
H:で、なにが言いたいかと言うと、そのまんまるい帽子をサンタさん、ください…(笑)
2人:(笑)
H:はい、じゃあ僕が音楽かけますね。最近ね、やっぱりナット・キング・コール(Nat King Cole)のクリスマスソングを聴くと心が躍るんだよね。えー…"Mrs.Santa Claus"。
Mrs. Santa Claus - Nat King Cole
H:えー、ナット・キング・コールで"Mrs. Santa Claus"。えーと…なんかここでしゃべると、それ聴いてる人が「あ、そうなのか」って[プレゼントを]贈ってくれたりする…(笑)
O:(笑)
H:聴いてる人がサンタさんなんだね。
2人:(笑)
H:前ね、『プロデューサーズ(The Producers)』っていう映画の話をしたんだよね。なかなか[DVDが]手に入らないと。オリジナルがね。そしたら贈ってくれて…2人の方がDVD贈ってくれたんだよ。サンタさん、ありがとう。
2人:(笑)
H:ここでお礼を言いたいと思います。はい。
H:さて…もうクリスマスは終わり?
O:終わるんだ(笑)
越:(笑)
H:あんまりしゃべることないよね(笑)どうなんだ?もう、さんざんやってきたよね。20年。
O:20年ぐらい…
H:で、いっつも同じ曲かけてるよね(笑)そういうもんだよね。だって、ぜんぜん飽きないでしょ?
O:しょうがないですよね。うん。
H:もう、なんだろう、良い曲って飽きないよ。「もう聴きたくない!」ってこと、ないよね。
O:(笑)
H:そういうことある?なんか。
O:いやー、あんまり無いですね。クリスマスソングは特に。
H:ね。「もう聴き飽きた!もういいや!」ってことはないからね。ずーっと聴くね。
O:(笑)
H:じゃあ定番で、最後の締めを誰か…推薦してくれない?
越:(笑)
H:譲り合ってもしょうがない。じゃあ、岡田くん。
O:(笑)じゃあですね、"Mrs.Santa"と言われちゃったんで、"Mr.Santa"を。
H:おお!
O:これ、クリスマス・ジャグ・バンド(The Christmas Jug Band)…ダン・ヒックス(Dan Hicks)ですけど。
H:あ、ダン・ヒックス。んー。
Mr. Santa - The Christmas Jug Band
(from 『Rhythm On The Roof』)
H:えー、そういうわけで…シナトラの"White Christmas"を聴きながら、今晩はこれで…なんか、これからどうするの?みなさんは。
2人:??(笑)
H:いやいや、クリスマスはどうするのか、という…特にないの?
O:家でじっと…
H:チキン食べる?
O:そうですね。それぐらいです。
H:ミハルちゃんも食べてるよね、チキン。毎年。
越:食べてますね。今年は親戚と、家族と…お食事会をして。
H:あ、ホント?いいね。幸せそうで。
O:(笑)
H:幸せなの?(笑)
越:(笑)
H:あ、泣いちゃった(笑)まぁ、クリスマスはそういう感じで、僕も…さびしい(笑)
O:(笑)
H:それではみなさん、また来週。
一同:おやすみなさい。
White Christmas - Frank Sinatra