2020.10.04 Inter FM「Daisy Holiday!」より

手作りデイジー🌼#12

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

(以下、すべてH:)

 

 はい、細野晴臣です。もう10月になってしまいましたが…思えばですね、この1年を振り返ると、ずっとマスクをして毎日手を洗ってたような気がしますね。手の常在菌が悲鳴を上げてて。これでいいのかな、と思いますけど。まぁ、習慣になってしまいました。

 

 そしてきょうも、また相変わらずなんですけど…ひとつのテーマではなくて、あれこれとやってみたいと思います。最初はですね、先月にかけた口笛の名手マジー・マルセリーノ(Muzzy Marcellino)の大ヒット曲というかな。クレジットされてなかったと思うんですけど。1954年の映画『紅の翼(The High and the Mighty)』という。これは僕、小学生のときに観ているんですけど。飛行機が墜落しそうになって、なんとか助かっていくというジョン・ウェイン(John Wayne)主演の映画でした。それではディミトリ・ティオムキン(Dimitri Tiomkin)作曲によるヴィクター・ヤング・オーケストラ(Victor Young and His Orchestra)で「紅の翼」、"The High and the Mighty"。

 

 

The High and the Mighty - Victor Young and His Singing Strings

 

 

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Provence-The Bull Fight - Jean Prodromides

(from『Le Voyage en Ballon』)

 

 

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 いま流れてる音楽は1960年に制作された『素晴らしい風船旅行(Le Voyage en Ballon)』というフランス映画の音楽なんですけど。作ったのはアルベール・ラモリス(Albert Lamorisse)という…この方はですね、その前に『白い馬(Crin-Blanc)』、『赤い風船(Le Ballon Rouge)』という大変すばらしい短編を作った人で。その2本も幼稚園の頃に観てますけど。このアルベール・ラモリスさんはですね、その後…この映画の後ですね、空中撮影の事故で亡くなってしまいました。そして音楽はジャン・プロドロミデス(Jean Prodromides)という、あんまり多くは作ってない方ですけど、本当にすばらしい音楽だな、と。子供の頃から思ってました。そういえば、『銀河鉄道の夜』のアルバムを出した後にフランスから手紙が届いたんですね。妙齢の女性なんですけど、なんとこの「ジャン・プロドロミデスという作曲家を思い出させる」、と書かれてました。なんかうれしかったですね。その後、ラジオで…歌詞付きのポップミュージックとしてヒットしてたんですよね。それをやっと、最近手に入れました。レ・リフ(Les Riff)による"Le Voyage en Ballon"。

 

 

Le Voyage en Ballon - Le Riff

 

 

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 時代がガラッと変わりまして…かつてあった大恐慌とか、世界大戦とか。そういった不況の時代の音楽を集めてみました。最初はランブリン・ジャック・エリオット(Ramblin' Jack Elliott)が歌う、1927年にブラインド・レモン・ジェファーソン(Blind Lemon Jefferson)が歌ってました、"Rising High Water Blues"。

 

 

Rising High Water Blues - Ramblin' Jack Elliott

(from『A Stranger Here』)

 

 

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  次の曲はですね…ちょっと時代がまた飛んじゃいますけど、1947年にジェシ・アシュロック(Jesse Ashlock)が発表した"My Bank Account Is Gone"。僕がカヴァーしたのを聴いてください。

 

 

My Bank Account Is Gone - 細野晴臣

(from『Heavenly Music』)

 

 

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 次は"I Done Made Up My Mind"という曲。これも1947年、スワン・シルヴァートーンズ(Swan Silvertones)というゴスペルの…ホントに最初の輝かしいグループが歌ったものですが、ここではアーロン・ネヴィル(Aaron Neville)です。

 

 

I Done Made Up My Mind - Aaron Neville

(from『I Know I've Been Changed』)

 

  

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 感染が拡大しているというこの世界状況。これはどういうカラクリなんでしょうかね。そんな中で今の音楽家たちがどういう動きをしているのか。僕が思うに、彼らはとても内省的になってるし、とても静かな音楽をやり出してるように思うんですけど。まぁ、前からやってる人がだんだん脚光を浴びてるという側面もありますね。そんな中で…テイラー・スウィフト(Taylor Swift)[の新作『folklore』]に1曲参加している人物、ボン・イヴェール(Bon Iver)。これはバンド名なんですね。実際はですね、ジャスティン・ヴァーノン(Justin Vernon)という人がひとりでやっているようなところがあります。インディーズ的な動きをしてますけど、グラミー賞も獲ったり、非常に売れてる人です。それでは2016年に出た『22, A Million』というアルバムから、"45"。

 

 

45 - Bon Iver

(from『22, A Million』)

 

 

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 次はイギリスから、ジェイミー・ウーン(Jamie Woon)。今から5年前に出したアルバム『Making Time』から"Skin"という曲。

 

 

Skin - Jamie Woon

(from『Making Time』)

 

 

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 きょうの最後は…色んなアーティスト、例えばビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)などからとても尊敬されているというブルーノ・メジャー(Bruno Major)、"Regent's Park"。

 

 

Regent's Park - Bruno Major

(from『To Let A Good Thing Die』)

 

  

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