2018.09.02 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 オレンジ・クレイト・アートになりたいですね。

 

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H:こんばんは、細野晴臣です。先週に引き続いて、岡田崇くん。いらっしゃい。
 
O:こんばんは。
 
H:よろしくね。えーと…もう9月ですよ。
 
O:ねぇ。もうすぐ…
 
H:もうすぐクリスマス、って言うんでしょ?(笑)それ、みんななんか言い出してるね、最近。テレビ見てるとそう言ってる人がいるよ。
 
O:そうですか。
 
H:うん。みんなおんなじこと考えてるのかな(笑)早いからね。
 
O:早いですもんね。
 
H:だって、こないだ正月だったよね。
 
O:んー、お餅食べてた…
 
H:毎日お雑煮食べたい、なんて思ってるうちにこんなになっちゃって。んー…こたつとか懐かしいな。
 
O:(もう)すぐですよ(笑)
 
H:すぐか。んー。お正月?クリスマス?どっち?
 
O:お正月が。
 
H:先に正月が来て、その次クリスマスか、来年。
 
O:(笑)
 
H:えー、来年は2019年か。
 
O:ですね。
 
H:んー…じゃ、去年が2017年…?
 
O:はい(笑)
 
H:えー。じゃあ一昨年は…
 
O:その話で30分…(笑)
 
H:ふふ…えーとね、悪夢の話の途中だったけど、忘れちゃった。
 
O:あの、(話し終えるのに)30分かかるという超大作が…
 
H:そうそう(笑)今度ね…いや、メモに全部書いてあるんで。夢日記
 
O:すばらしい。
 
H:それをもとに30分の番組を作ろうかと。
 
O:作りこむ、と。
 
H:うん。いつになるかな…
 
O:それ、アルバムでいいんじゃないですか?(笑)
 
H:アルバムね…あ、いいねぇ(笑)
 
O:おや?(笑)
 
H:…っていうこと自体がぜんぶ悪夢だったりしてね。
 
O:(笑)
 
 
H:曲、かけようか。いい音楽。
 
O:あ、アタシが。
 
H:うん。
 
O:じゃあですね…ジャック・ティーガーデン(Jack Teagarden)というトロンボーン奏者が。まあ、歌もうたうんですが。ウィラード・ロビソン(Willard Robison)の曲をやっております。
 
H:お、ウィラード・ロビソン。
 
O:"Guess I'll Go Back Home This Summer "という曲でございます。
 
 
 
Guess I'll Go Back Home This Summer - Jack Teagarden
 
 
H:なかなかね、味のあるボーカルですよね。
 
O:そうですね。
 
H:岡田くんは歌わないの?
 
O:歌わないですね。
 
H:歌わないんだ。お風呂入りながら歌わないの?鼻唄。
 
O:歌わないですね(笑)
 
H:歌わないんだ!カラオケは?
 
O:全っ然行かないですね。
 
H:僕も。
 
O:1回ぐらい…入ったことありますよ、カラオケ。
 
H:あ、おんなじだよ。どこで?
 
O:下北…
 
H:あー、すごいとこだね。なに歌ったの?
 
O:いやいや、(歌わずに)見てました(笑)
 
H:なんだ、見てたんだ(笑)。僕はね、2回行ったね。強制的に。
 
O:なに歌ったんですか?
 
H:いやいやいや、歌わないよ(笑)
 
O:強制的に(笑)
 
H:1回はね、ロンドン…昔だよ、ロンドンにカラオケって言う名前で、なんかクラブみたいのがあって。連れてかれたの。
 
O:ええ…
 
H:そしたらなんか、気持ち良さそうにイギリス人が"霧のサンフランシスコ(I Left My Heart in San Francisco)"かなんか歌ってたよね。
 
O:うん。
 
H:まあ、それ以外はないよ。なんかカラオケって…楽しいんだろうね、きっと。
 
O:うーん、わかんないですねぇ…(笑)
 
H:とにかくね、歌うたうの好きじゃないよ、僕。
 
O:…え?(笑)
 
H:あれね、一生懸命歌ってるんだよね。ライヴは。
 
O:(笑)
 
 
H:まあ…(笑)えーとね、次の曲は僕がかけますが…スタンダードという繋がりでかけますが、歌っているのは今の人で、スーシー・フルゴール(Susi Hyldgaard)っていう。
 
O:フルゴール…
 
H:「ヒルデガルド」って書いて「フルゴール」と読む…デンマーク読みなのかね?
 
O:んー。
 
H:ニューヨーク生まれでデンマーク人という。いまデンマークスウェーデン辺りでやってるジャズシンガーなんだけど、なんかすごい音響的で暗ーいアルバムをいっぱい作ってたんだけど、これはちょっと明るめで"Baby It's Cold Outside"というスタンダード歌ってます。
 
 
 
Baby It's Cold Outside - Susi Hyldgaard & Aldo Romano
 
  
H:えー、スーシー・フルゴール。彼女は1963年生まれですね。このスタンダードを歌ってるのは聴きやすいけど、実は侮れないシンガーなんです。なかなか手ごわい人なんですよね(笑)
 
O:そうなんですか。
 
H:ええ…もう、本当は低い声なの。なんか、(この曲では)かわいぶって歌ってるけど、こわいんだよ(笑)
 
O:そういう感じには聞こえなかったですけどね。
 
H:この曲だけがこういう感じで、あとはすごいよ。音響的だし。ワケわかんないっていうか、惹き込まれるよ。おもしろい。そういうシンガー…女性シンガーいっぱい出てきてますけどね、出て来たと思ったら、静かになっちゃったり(笑)2018年。もうすぐ2019年。音楽はどうなっていくんだろう、という。
 
O:はい。
 
H:いっぱいいろんな人が出てて…例えばあの人はどうしたんだろう、という。フアナ・モリーナ(Juana Molina)という人が、去年かな、来日して。
 
O:はい。
 
H:なんかね、ちょっとチラッとコンタクトされたんですよ。でも、僕ぜんぜん時間ないんで、まったく接触しなかったんですけど。ちょっと観たかったなぁ、と思って。なんて言うんだろう、「オルタナ系」って、呼ぶのはあんまり好きじゃないけど、そういう女性シンガー多いんですよね。男より多いんだよね。
 
O:そうかもしれないですね。
 
H:だからおもしろいのは特に、女性シンガーが多いんですよね。…ということの流れで、どうぞ。
 
O:(笑)その流れに、僕が持ってきたものには全くない…
 
H:だろうね(笑)いいよ、流れ変えて。
 
 
O:さっきはジャック・ティーガーデンだったので、作曲者本人、ウィラード・ロビソンの歌で、"Heard A Mocking Bird Singing (in California)"という曲を。
 
 
 
Heard A Mocking Bird Singing (in California) - Willard Robison & His Deep River Music
 
 
H:これはね…ヴァン・ダイク・パークスVan Dyke Parks)が歌ってるとしか思えない(笑)
 
O:そっくりですよね、声。
 
H:おんなじ声だよ!で、曲も…ヴァン・ダイク・パークスが作ったみたいな曲もあるしね。不思議な関係だ…とにかく、このウィラード・ロビソンという人は…なんだろうね、隠れた天才ですよね。
 
O:んー、ほんと知られてないですよね。
 
H:ヴァン・ダイク・パークスがこのスタジオに来て、ピアノを弾いて、「これがウィラード・ロビソンという人の曲だ」って言って歌ったんだよね。そしたら、ヴァン・ダイク・パークスの曲にしか聞こえない…(笑)
 
O:(笑)
 
H:やっぱりじゃあ、ヴァン・ダイク・パークス聴きましょうよ。
 
O:はい。じゃあですね、次…これ去年出たオムニバスに入っているヴァン・ダイク・パークスの曲で、"Sun's Always Shining (in Roma)"という曲です。
 
H:一番新しいやつですね、ヴァン・ダイク・パークスの中で。
 
 
 
Sun's Always Shining (in Roma) - Van Dyke Parks
 (from "Unsung Heroes: Songs of Eleni Mandell")
 
 
 
H:すっばらしい…こういう音楽がまだあるんだね。
 
O:今のは…僕もよくわからないんですけど、エレニ・マンデル(Eleni Mandell)という…イナラ・ジョージ(Inara George)といっしょにリヴィング・シスターズ(The Living Sisters)というのをやっている女性の曲で…
 
H:あ、そうなんだ。
 
O:彼女の曲ばっかりを集めた…いろんな人がカヴァーしたアルバムが去年出たみたいですね。
 
H:それは初耳だ…
 
O:ベネフィットコンサートをイナラの(呼びかけで)やって…だから、ライヴ音源なのかもしれないですけど。
※引用者註:時系列的にはアルバムのリリースが先(2017.01.20)。同1.25に行われたコンサートには残念ながらVan Dyke Parksは不参加。
 
H:その作曲者の女性、もう1回言ってくれる?
 
O:エレニ・マンデル。
 
H:今度ちょっと詳しく聴かせてね。
 
 
H:まあ、あの…元気でよかったな、ヴァン・ダイク・パークスがね。
 
O:そうですね。
 
H:(ヴァン・ダイク・パークスが)ブライアン・ウィルソンBrian Wilson)を復帰させた時にね…一緒に作りましたよね。
 
O:『Orange Crate Art』ですか。
 
H:そうです。
 
O:すばらしいアルバムですね…
 
H:ねえ。すごい初々しい。もう、なんか…キュンとするような。あれでブライアン・ウィルソンってポップスの歴史を生きてきたというね。生き証人というかね。ビジネス以外のところがおもしろいというか…おもしろいっていうよりも、感動するよね。じゃあその"Orange Crate Art"。ヴァン・ダイク・パークスブライアン・ウィルソンです。では、この曲を聴いてきょうはおしまいにします。また来週。
 
 
 
Orange Crate Art - Brian Wilson & Van Dyke Parks
 
 

2018.08.26 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 ぐうたらバンザイ!

 

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H:こんばんは。…(咳払い)こんばんは。細野晴臣です。ちょっと喉が…おかしいんで。岡田くんどうも~
 
O:こんばんは、岡田崇です。
 
H:いやー、やっと涼しくなったね。
 
O:ようやくですね…なんだったんでしょう、7月、8月。
 
H:世界中がね、すごかったんだよね。目を見張る、出来事がいっぱいあったよね。世界では。洪水とかね。がけ崩れ、山火事、噴火。
 
O:橋が落ちたり。
 
H:うん、そうそうそう。こないだはフィジーですごい地震があったけど、(日本は)あんまり揺れなかったね。硫黄島が、揺れてるけどね。
 
O:そうですね。
 
H:んー。まあ、無事でいられてるよね、いまのところ。
 
O:なんとか…
 
H:えー、それで…やっと涼しくなったんで、自分の作業を始め…遅れてるんだよ、すごい(笑)あの暑さではできないよ。
 
O:ですよね(笑)
 
H:できない。やってる人、いるんだろうけど(笑)なんかやってた?
 
O:いや。ぐうたらしてました。
 
H:やってないんだ。まあね、それが自然だよ。じゃあ、なんか、かけてくださいよ。
 
O:お。
 
H:古い音楽担当。僕はきょう、ちょっと新しい音楽担当で。
 
O:じゃあですね、"Home Cookin'"って曲があるじゃないですか。
 
H:もう、いつかやりたい曲なんだけどね。なかなかできない。
 
O:その作曲家、でいいのかな…ジェイ・リヴィングストン(Jay Livingston)という方が。レイ・エヴァンズ(Ray Evans)とジェイ・リヴィングストンの共作ですけど。
 
H:うん。
 
O:ホームページ(http://livingstonandevans.com/home-cookin/)がありまして、そこになんと、デモというのが…
 
H:デモ?そんなのがあるの…
 
O:こっそり(笑)
 
H:こっそりね。
 
O:かけまーす。
 
 
Home Cookin' (DEMO) - Jay Livingston
 
 
H:いやー、完成されてるね。いやいや…いい曲だ。
 
O:ぜひ(笑)
 
H:歌ってる人は誰?これ。 本人か。
 
O:本人…なのかな、とは思ってるんですけどね。
 
H:なかなかいい、味ですよね。
 
O:作曲家の歌っていいですよね。
 
H:いいね。もう完全になんか…原型が出来てるもんね。んー、いい曲だ…これはなんでいい曲だと思うんだろう(笑)
 
O:(笑)
 
H:うーん、なんだろうね。違うんだよ、他の曲と。んー、不思議…
 
 
 じゃあね…新しいのかけにくいなあ、なんか(笑)
 
O:いやいやいや(笑)
 
H:つながるかな…じゃあね、言い訳をしながら聴こうかな。この暑い夏は…なんだか知らないけど、僕は黒澤明の映画を部屋で観てたの。
 
O:うんうん。
 
H:前にもいっぱい観てるんだけど、また観なおして。やっぱりすごいなあ、とかね。『七人の侍』とか観てたら…あの音楽とかは最近なんかで使われたよね。あっ、『犬ヶ島(Isle of Dogs)』だ。アニメの。
 
O:あー。
 
H:あれに使われてたんで、それでちょっと聴きたくなったっていうんで探してたら…日本のスカバンドというか、ロックステディ・スタイルなんだけど。
 
O:はいはい。
 
H:Matt Soundsっていうグループがね、「七人の侍」やってるんで、聴いてください。
 
 
七人の侍のテーマ(Theme Of Seven Samurai) - Matt Sounds
 
  
H:ジャマイカのバンドみたいだよね(笑)えー、日本のバンドでMatt Soundsといいます。…つながる?これで。
  
 
O:(笑)どうしよう。じゃあですね…
 
H:つなげて。
 
O:ディミトリ・ティオムキン(Dimitri Tiomkin)のサントラから。
 
H:つなぐねぇ。
 
O:じゃあですね、これは『北京の55日(55 Days at Peking)』という映画のタイトルなんですけど、"So Little Time"という曲を。
 
 
So Little Time - Dimitri Tiomkin
 
 
H:あの、このギターのチャカッていうのがリズムと合ってないのがすごい気になるんだけど(笑)
 
O:(笑)
 
H:テープエコーかな、あれは。
 
O:ですかね。1963年の録音ですね。これは。
 
H:スピードがね、合わないんだよね。なかなか(笑)
 
 えー…これはつながるかな…つなげらんないかもなあ。ちょっと待ってね。えーとね…映画続きだな、これは。ちょっと古くなりますけど、『Shape of Water』、あの中で結構いい音楽がかかってたんだけど。前かけたかな?これ。マデリン・ペルー(Madeleine Peyroux)のちょっとシャンソンっぽいフランス語の曲で、"La Javanaise"。
  
 
La Javanaise - Madeleine Peyroux
 
 
H:どうでしょう。
 
O:いいですね。
 
H:…落ち着いてるね(笑)出掛けに最近の新譜をいっぱい聴いてきたんですけど、国内外問わず。
 
O:どうでした?
 
H:落ち着いたものが一個もないんだよ(笑)年寄りにはちょっとね…ムリがあるっていうかね。自分には関係ねぇかな、っていう(笑)
 
O:(笑)
 
H:あらゆることが関係無いんだけどね。向こうから関係無いって言われてるんだけどね、こっちじゃなくて。「アンタ関係無いよ」って言われてる(笑)居場所が無くて…なんかかけて。
 
O:お、じゃあですね…また、サントラで。
 
H:映画続きだね。
 
O:ウラジミール・コスマVladimir Cosma)という人で『ぐうたらバンザイ(Alexandre le bienheureux)』という映画の…
 
H:ヒエー。
  
 
Thème du Chien (from "Alexandre le bienheureux") - Vladimir Cosma
 
 
H:なるほどね…のんびりしちゃうね(笑)「こんな曲ができました」って言って(僕が)これを発表したらどう思うんだろう、みんな(笑)
 
O:(笑)
 
H:さて、どうしようかな…(笑)映画から離れていいかな。
 
O:もちろんです。
 
H:すごい感慨深かった出来事っていうのが、やっぱりアレサ・フランクリンAretha Franklin)が…
 
O:あー、亡くなりましたね…
 
H:78歳で。お世話になりました。本当に。20代の頃ね。もう、すべてのヒット曲が素晴らしかった。じゃあね…絶対これは(他では)かからないような…アレサ・フランクリンの初期の…たぶんCBSというかColumbiaかな。Atlanticの前に作っていたような。ちょっと変わってる、まだ本領発揮してない時代の…『Essential Classic』というアルバムに入ってるんですけど、"Won't Be Long"。
 
  
Won't Be Long - Aretha Franklin
 
 
H:いやー、このアレンジというか、バッキングがAtlanticとは全然違う(笑)
 
O:んー、20歳か…
 
H:えーっと…これにつなげてなにか(笑)
 
O:お、お、お…最後ですね。
 
H:最後の曲だよ。
 
O:じゃあですね、ケニー・ランキン(Kenny Rankin)かけていいですか?
 
H:好きだねえ、いいよ(笑)
 
O:最近ですね、ようやくCDが出たんですよ。去年LPだけ出て。海外、ヨーロッパで各国版…フランス語で歌ったりとか、いろいろあったんで、その辺も入れてCDを出そうっていう話をしてて。
 
H:あ、そうか。
 
O:それがようやく、先月かな。
 
H:日本盤で?
 
O:日本盤で。長門(芳郎)さんの監修で出ましたので。
 
H:素晴らしい。
 
O:その中から、"In The Name Of Love"を。
 
H:では、これを聴きながら…また来週。
 
 
In The Name Of Love - Kenny Rankin
 
 
 
 

2018.08.19 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 真夏の夜のホニャララ…

 

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H:こんばんは。細野晴臣です。えーっと、久しぶりですね、岡田くん。
 
O:こんばんは、岡田崇です。
 
H:はい。よろしく。
 
O:よろしくお願いします。
 
H:新入荷、持ってきてくれましたよね。
 
O:新入荷…(笑)
 
H:新入荷っていうか、入荷…なんていうの?新しい音楽を…(笑)
 
O:いやいやいや…(笑)
 
H:この夏は大丈夫?暑さ。
 
O:いやー、もう、ダメ…ダメです。もう、どうしようっていうぐらい。
 
H:でも、街出るとみんな平気で歩いてるじゃない。
 
O:信じられない…
 
H:なんか暑そうにみえないんだよね、人がね。平気で歩いてるんで。まあ、でも、これからずっと夏はこうなるのかなと思うとね。
 
O:うんざりしますね。
 
H:だから、悪夢ばっかり見てるんだよね、僕。
 
O:あ、そうですか。
 
H:あとで話すよ。
 
O:はい(笑)
 
H:音楽ひとつ、ちょっと…入荷したやつを。
 
O:入荷…まあ、家から持ってきたものですが。じゃあ"Very Nice Is Bali Bali"というですね…
 
H:んー?
 
O:これはPatience & Prudenceが1957年に出したものです。
 
 
 
Very Nice Is Bali Bali - Patience & Prudence
 
 
H:なるほどね。あのー、ワンコードだ(笑)めずらしいよね、画期的だな。
 
O:短いし。
 
H:うん。ポップミュージックでワンコードって、この当時は考えられない…(笑)まあ、展開はしてるんだけどね。ルーツ音がずっと同じ…ミニマルになってますよね。すごい。新鮮でした。
 
 
 で、まあ今の音楽も、ちょっと悪夢っぽいけど…(笑)3つぐらい憶えてんの。1つ目はすごい短いんですけど。
 
O:ええ。
 
H:エレベーターに乗ってたんですよ。気が付くとエレベーターに乗ってて、そのエレベーターが延々と落下し続けるっていう…おそろしい夢を見ました。いつか底にぶつかるんだろう、という恐怖のまんまね。ずーっと落ちていくんだ。地獄だね(笑)で、目が覚めて。落ちる前にね。
 昔はね、エレベーターがどんどん上がっていって、天井突き抜けて空に飛んでく、っていう夢は見たんだけど。落ちてく夢っていうのはなかなかイヤだね(笑)岡田くんはどうですかね。夢、見るでしょう。
 
O:夢…でも最近見ないですね。
 
H:見てるんだけど憶えてないんだよ。
 
O:昔はよく見てましたけど…
 
H:どんな夢を見るの?岡田くんって。夢見るおじさん(笑)
 
O:なんか、松坂慶子に…
 
H:えー?(笑)
 
O:すごい昔ですよ。20年ぐらい前かな…
 
H:いいよいいよ、言い訳はいいから(笑)
 
O:松坂慶子に…『ど根性ガエル』のカエルの刺青を彫る夢を…
 
H:ばっかばかしい…(笑)
 
O:そういう感じの夢を見てる時期が…
 
H:それはどう言ったらいいんだろう…幼児的な…性的願望みたいな…(笑)ど根性ガエル松坂慶子ね。やー、岡田くん、やっぱりヘンだわ。
 
O:それはよく憶えてます。
 
H:ああそう。そういうの、絵にした方がおもしろいんじゃないかね。
 
 
 はい、まあ音楽…合間に音楽をかけながら夢の話をしましょう、じゃあ。はい。
 
O:じゃあですね…"Rococo"っていう曲、ですね。これは、こないだコシミハルさんの公演で…
 
H:そう!使ってましたね。すごく印象的なダンスシーンでしたよ。
 
O:水着を着た女の子ふたりが。
 
H:素晴らしかったね。あれ。
 
O:レイモンド・スコットのあんまり知られてない曲ですね。
 
H:あの舞台の音楽がすごい印象深いから、もう1回聴いてみたいな、と思ってたんですよ。
 
O:お、では…
 
 
 
Rococo - Raymond Scott
  *Performed by Metropole Orchestra
 
 
 
H:ああ、いいな。やっぱりなんか…独特ですね。
 
O:今のは1942年に書かれた曲ですけど、録音が残ってなくて。盤では出てないんですよね。
 
H:そうだったの?
 
O:で、ボー・ハンクスとメトロノーム・オーケストラで、再現盤っていうのが2000年代に出て、その中の…
※引用者註:おそらくメトロポール・オーケストラ(Metropole Orchestra)の言い間違い。2002年の『Kodachrome』か?(未確認)
 
H:つまりこれは、ボー・ハンクスがやってるってことね。
 
O:そうです。
 
H:…全然わかんなかった(笑)音は良かったけど。
 
O:1942年とかなんで、レコーディング・ストとか。まあ戦争中ですけど、あったんで。
 
H:あー…
 
O:この頃の音源ってけっこう、録音されてないのが多くて…
 
H:無いんだね。そうかそうか…
 
O:ラジオとかが普及してきたんで、実演家団体が…レコードとかラジオをかけると(自分たちの)仕事が無くなる、と。
 
H:なるほどね。
 
O:レコーディング・ストを…2年ぐらい、たしかやったんですよね。
 
H:そんなに長かったんだ。それはちょっと痛手ですね。なるほど…
 
 
 はい。えー、2つ目の悪夢。これはね、ちょっと強烈だったんだよな…でもいますっかり忘れちゃったな(笑)
 
O:(笑)
 
H:なんだっけな…死んじゃうんだ、そうそうそう。車に乗ってて…車から出て、誰かと話してるんですよ。街で、日本の街ね。東京かな…どこかわかんないけど。そしたら車に誰かが乗って、ワーって行っちゃうんだよ。で、追っかけたの。そしたら、廃車工場に入ってっちゃうのね、車が。で、探しに行くと…車があったんだけど、それは廃車にされてて、もう何年も経ってる古い車だったわけ。自分が乗ってた車が。「あれ?もう、ずいぶん時間が経ってるな」と思いつつ。ふと見ると、そこに大瀧詠一くんが、ニコニコして立ってるんだよ。で、なんか僕は「ああ、もう、自分はこの世にはいないんだ」と思ってね、車に…なんか、いつのまにか新しい車になってて。乗ってくと、街を走ってるつもりが、どんどん空に上がってっちゃう…っていう夢です。はい。
 
O:………
 
H:あれ?静かになっちゃった(笑)まあ、笑えないですよね。だからそういう…なんだろうな、死んじゃうこととか、けっこう…子供の頃はよく見てたんだよね。で、30代、40代の頃は見ないんだよね、そういうの。で、また子供心に戻ってきちゃってね。
 
O:んー。
 
H:子供の頃って、ガバッ、って起きて、死んじゃうんだ…って思ったね。
 
O:そうですか。
 
H:なかった?そういうの。ないか(笑)
 
O:いやー…
 
H:ま、人それぞれで…じゃあ、音楽ひとつよろしく。
 
O:はい。えーっと…じゃあ、Baby Dodds Trioというですね、ドラマーの方なんですが…その人の"Tootie Ma Is a Big Fine Thing"という曲を。
 
H:まったく知らないですね。
 
O:ニュー・オーリンズの方ですね。
  
 
Tootie Ma Is a Big Fine Thing - Baby Dodds Trio
 
 
H:いやー、聴くとすぐニュー・オーリンズだ、っていうのがわかるね(笑)
 
O:(笑)
 
H:民俗音楽だよね。ルンバ・ブギといったらもう、ね、ニュー・オーリンズの十八番ですよね。この人は知らなかったですけどね、Baby Dodds。
 
O:Baby Dodds。
 
H:ニュー・オーリンズのドラマーっていうと、アール・パーマー(Earl Palmer)がすごい有名ですよね。
 
O:この人はもっと、ぜんぜん前の人ですね。1890何年生まれ…
 
H:えー、すごい…なるほど。
 
 では、えー…悪夢。
 
O:悪夢…(笑)何があるかな…トイレの夢はよく見ますね。
 
H:あ、聞きたいな。漏らしちゃうやつ?違うか(笑)
 
O:いや…なんて言うんですかね…個室に入りたいんですけど、すごい幾何学的な形のトイレで、どっから見ても外から見えちゃうじゃん、っていうような個室ばっかで、ここじゃできねぇな、と思って別のフロアのトイレに行って、そこもちょっと、ああ…みたいな(笑)
 
H:(笑)
 
O:そういう、ずっとトイレに行きたいんだけど入れない、って言う夢はよく見ます。
 
H:起きるとそれ、おしっこしたいんじゃないの?そういうわけでもないの?
 
O:いや、あの…トイレ行こう、って言う感じではありますけど、もちろん。
 
H:でしょ?だいたいそうなんじゃないのかな。んー。
 
O:そういう、個室に入れない夢は見ますね…
 
H:あ、ホント。まあ、異次元の世界だね。なるほどね…
 
O:おしっこしようとしてなんか、こう…小便の…
 
H:小便(笑)
 
O:おしっこの…(笑)
 
H:小便という言葉を久しぶりに聞いたような気がする(笑)
 
O:なんか、東急文化会館かなんかのトイレに入るんですけど。おしっこしようとすると、壁が無いんですよ。無くって、崖っぷちになってて…
 
H:あー、なんかいいね、夢っぽくて。
 
O:下は川が流れてるんですよ。
 
H:あー、いいねいいね!(笑)
 
O:で、おしっこすると、なんか…おしっこしてるんだけど、おしっこと一緒に自分が…
 
H:おしっこって何回言った?(笑)
 
O:(笑)トイレの中に入ってっちゃって、下の川に…まあ下水だったのか。
 
H:ちょっとねえ、すごいわ。負けるわ。
 
O:流れていくんだけど、その川べりに死体がいっぱい積んであって…っていう、そういう夢を昔見ましたよ。
 
H:地獄のようだ…いやー、おもしろい。
 
O:それ、その頃ですよ。松坂慶子に刺青…彫った頃に見た夢ですね(笑)
 
H:そうか…(笑)いや、おもしろいよ。
 
O:ホントにそういう夢ばっかを、見てる時期が…
 
H:そうか、ライバルがここにいたか…誰にも負けないと思ってたんだけど(笑)
 
O:でも、文化会館のトイレっていうのはたぶん…実際に個室に入った時に、隣の個室から本を差し出されたことがあって…
 
H:それは夢じゃなくて?(笑)夢より怖いね。
 
O:夢じゃなくって、その…ゲイ雑誌っていうんですかね。
 
H:ゲイ?アッー…そういう経験があるわけね。
 
O:差し出されたんですけど、足でそーっと押し戻した経験があるんですけど。
 
H:映画っぽいな、それ、なんか…おもしろい経験いっぱいしてますね。
 
O:でも、そのテーマでもう一個あって。それは現実ですけど。シードホール(SEED HALL)で、ルビッチ(Ernst Lubitsch)の『天国は待ってくれる(Heaven Can Wait)』を観に行ったんですよ。
 
H:うんうん。
 
O:で、座ってたら、隣の男の人の方からピチャピチャ音がし出して…香水の匂いもし初めて、首周りに香水を付け始めて…映画中ですよ?で、なんかイヤだなぁ、と思ってたら、そっと手の上に手を乗っけてきて…
 
H:男性にモテるね。うらやましいね。
 
O:いやー……
 
H:それが女性だったらね。
 
O:握り返すところですけど…いや、わかんないけど…(笑)
 
H:そうなんだ(笑)
 
O:焦りましたよ。でも、映画終わるまで(席を)立たずに、身体を真横に向けて…映画終わって即行帰った…
 
H:手はずっと握られてたの?
 
O:いやいやいや、振りほどいて…
 
H:コミュニケーションはないわけね、会話とか。
 
O:ないですよ!
 
H:…自分のを話す気力が無くなっちゃった、もう。
 
O:いやいや(笑)もう1個あるじゃないですか。
 
H:音楽聴いたらね、じゃあ。
 
O:じゃあですね…これも絶対に知らないと思うんですけど、Dr.ペドロ・ホセ・ロボ(Dr. Pedro Jose Lobo)というですね…
 
H:紛らわしい名前だ。
 
O:この人よくわかんないんですけど、マカオの実業家…
 
H:マカオ!アジアだ。
 
O:アジアですね。で、マカオを牛耳ってた人らしくて、金の密輸とかを戦争中にやってて…
 
H:悪いやつだ。マカオのマフィアみたいな。
 
O:イアン・フレミング(Ian Fleming)が、ある時マカオまで来て、この人に取材をして…
 
H:おお!(『007』の)ゴールドフィンガー
 
O:ゴールドフィンガーに出てくる、オッド…なんて言うんだっけ?オッドジョブ(Oddjob)だったかな、その辺の金の密輸の話とかを参考にしたという…そういう、ホセ・ロボっていう人がいて。その人が音楽も作ってるんですね。
 
H:やってるんだ。参っちゃうなあ。
 
O:その人のですね、"Jumpa Rhumba"という曲を。
 
 
Jumpa Rhumba - Dr. Pedro Jose Lobo / Alvy West & His Orchestra
 
 
H:いや、なかなか…おもしろいよね(笑)
 
O:演奏はニューヨークのアルヴィ・ウェスト(Alvy West)っていう楽団が…あの、(フランク・)シナトラとかのバックとかもやっていた楽団が。
 
H:で、歌ってる人がトビーなんとか(Tobi Michaels)っていう人、女性がいて…じゃあ、そのペドロさんはなにやってるの?
 
O:さあ…曲を書いたのか…
 
H:んー…ま、当時のそういう人たちって陽気だね。
 
O:そうですね。
 
 
H:あのね…時間が無くなったんで、悪夢みたいな話は今度また、ね。
 
O:えー?(笑)
 
H:長いんだもん。
 
O:長いんだ…(笑)
 
H:長いんだよ。最初から最後まで話すと30分くらいかかる…(笑)
 
O:じゃあ、特集ですね(笑)
 
H:そういえば昔、「夢、それはドリーム」っていうのをやってたじゃない。
 
O:はい。
 
H:それでちょっと、作ってみようかね。久しぶりに。
 
O:ぜひ、お願いします(笑)
 
H:SE込みでね。まあ、じゃあ、きょうはそういうことで。最後の曲、になるかな。うん。お願いしますね。
 
O:はい。じゃあ、先週がジャンゴ(・ラインハルト)だったので…ガロート(Garoto)という、ブラジルの、同じ時期のギタリストで…
 
H:ほほう。
 
O:"Tristezas De Um Violao"、「ギターのかなしみ」という…
 
H:ちょっと期待しちゃうな。では、これを聴きながら、また来週。
 
 
Tristezas De Um Violao - Garoto
 
 

2018.08.12 Inter FM「Daisy Holiday!」より

アコースティックスウィングは最高…

 

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 (以下すべてH:)

  細野晴臣です。こんばんは。暑い夏が、ずっと続いてますが…まあ台風が来たときにちょっと下がったりして…えー、バテてますね。いっぱいロンドンとかで歩いてたんですけど、こっち帰ってきてから一歩も歩いてないんですね。一日…せいぜい200歩とか。暑くて歩けないですからね。で、部屋に籠ってですね、『ツイン・ピークス』全巻観たり、『Xファイル』も観ちゃいましたね。いやー、結構やっぱり、おもしろかったですね。ファンですから。
 それで、『Django』(邦題:『永遠のジャンゴ』)っていう映画も観て。ナチ(Nazis)とジャンゴ・ラインハルトDjango Reinhardt)の関係性とかもね、いろいろ…マヌーシュ・サウンドを交えて作られた映画ですけど、なかなかまあ…よかったですね。
 そんなわけで、ジャンゴ・ラインハルトをいっぱいかけようかな、と思います。まずは"Limehouse Blues"。
 
 
Limehouse Blues - Django Reinhardt
 
 
"Limehouse Blues"ですね。
 
 えーとですね…『永遠のジャンゴ』という、日本語のタイトルなんですけど。当時、ナチ政権下で、ナチがパリに侵攻してきまして。ユダヤ人がいろいろ災難に遭ってる中、当時は「ジプシー」って言ってましたけどね、ジプシーたちも弾圧を受けて、ジャンゴ・ラインハルトも危険を感じてスイスに亡命しようとしたりするんですね。そんなような話なんですけど。ま、でも、実際は音楽が本当に好きな人たちなんで、非常に享楽的な生活を送ってたんだと思うんですけどね。音楽を聴くとそれがよくわかるんですけど。
 じゃあ、サウンドトラックをちょっと聴いてみたいんですけど。映画の中でジャンゴの演奏も…まあ、(ジャンゴの)音楽をやってる。ジャンゴスタイルでやってるんですけど、ローゼンバーグ・トリオ(Rosenberg Trio)っていうんですかね…ローゼンベルグ・トリオか。"Blues En Mineur"。"Minor Blues"ですね。
 
 
Blues En Mineur - Rosenberg Trio
 
 
まあ、映画用に録ったんですごく音がいいですけど、ジャンゴ・ラインハルト自体の(=本人の)レコーディングはそれほどクオリティがいいわけではなくて、なかなかね…もっといい音で聴きたいな、と思ったらこういうサウンドもあるというわけですけど。でも、やはり演奏自体が素晴らしいんで、聴き応えはある、ということです。
 えーと、じゃあ次は…アメリカに渡って、アメリカのジャズミュージシャンたちと一緒にやったやつがあります。"Smoke Rings"。
 
 
Smoke Rings - Django Reinhardt
 
 
 同じくアメリカでレコーディングして、ハーモニカのラリー・アドラー(Larry Adler)と一緒にやった"My Melancholy Baby"
  
 
My Melancholy Baby - Django Reinhardt & Larry Adler
 
 
  ジャンゴ・ラインハルトはですね、左手が不自由だったんですよね。火傷を負ったということで、指が…なんかこう、2本の指だけで速弾きするという。それがすごいですよね。5本あってもあんなに速く弾けないんですけど…驚異的な速さ。速弾きが特徴だと…まあ、思うんですけど、実はゆったりしたやつが僕は好きなんですよね。そのちょっとフレンチな、ゆったりした曲を聴きたいと思います。"Billets Doux"。
 
 
Billets Doux ー Django Reinhardt & Stephane Grappelli 
 
 
この1930年代の録音だと思うんですけど、ステファン・グラッペリ(Stephane Grappelli)のバイオリンと一緒にやってますね。この時代はフランス・ホット・クラブ五重奏団(Quintette du Hot Club de France)というスタイルでやってまして。戦時中になりますとね、1940年代になりますとグラッペリはロンドンに亡命…というか、まあ、避難するんですね。そこで残ったのがジャンゴで、先ほど言ったように巻き込まれていくわけですけど。
 
 そんな感じで、後半は随分のびのびと長生きしたような気がします。いくつだったかな。んー…43歳か(笑)決して長生きではなかった、43歳で亡くなってますね。
 
 じゃあまた、曲をかけたいと思いますが…また、ステファン・グラッペリと一緒にやった、"Menilmontant"という曲です。
 
 
Menilmontant ー Django Reinhardt & Quintette Du Hot Club
 
 
えー、すごくよくかかる曲ですね、"Menilmontant"。
 
 で、あの…映画でもう1個。ウディ・アレンWoody Allen)の『ギター弾きの恋(Sweet and Lowdown)』でやっぱりラインハルトがモデルになってる人がチラチラ出てきて、それに憧れる主人公の物語でしたけど。まあ、ジャンゴ・ラインハルトに影響された人はいっぱいいるわけですね。かのレス・ポール(Les Paul)もそうですね。あと、最近までずっとそういう伝統が続いてて、スウィング系のアコースティックバンドがいっぱいいるわけです。本家のマヌーシュ・スウィングも、ずっと続いてるわけですね、伝統的に。素晴らしいギター奏者がいっぱい、今だにいるわけです。で、憧れるんですけど、あんな風には弾けないんで、聴くだけです。
 
 じゃあ、最後に"Body And Soul"。これはやっぱりアメリカでレコーディングして、ラリー・アドラーと一緒にやってますね。これはベスト・トラックだと思うんですけど。聴いてください、"Body And Soul"。では、これを聴きながら…また来週。
 
 
 
Body And Soul - Django Reinhardt & Larry Adler
 
 
 

2018.08.05 Inter FM「Daisy Holiday!」より

アメリカ南部・西部公演、非常に示唆的というか、かなり意義深いものになるはずなので、ぜひ実現してほしいですね…

 

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(H:…じゃあ、アタマだけ僕が言って、後は…)
 
(高田:伊賀くんが(笑))
 
(伊賀:やっちゃうんですか…)
 
(H:や、最初はまだやんないよ。大丈夫。)
 
 
⊿∈§∃Π(♪Minute Merengue)∇●∵Δ☆
 
 
H:こんばんは、細野晴臣です。今週も、先週の続きを、やります。メンバーが揃ってます。高田漣
 
高田:こんばんは。
 
H:伊賀航。
 
伊賀:こんばんはー。
 
 
大地:こんばんは。
 
 
野村:こんばんは。
 
H:細野晴臣です。言ったか。えー、それで、話の続きだと…ロンドン公演の話をして、先週。2日休んで…ブライトンというところに行きましたよね。そこは、どうでした?また違うじゃない、ロンドンと。
 
高田:はい。ブライトンは…着いてすぐにでしたっけ、細野さんと一緒にちょっと街の中を回ったんですけど。
 
H:そうそう。
 
高田:その後に、大地くんとか…大地くんと2人か。もうちょっと下町っぽいとこっていうか、丘の上の方に行って…
 
H:海と坂がある街だからね。
 
高田:その辺は楽器屋とレコード屋さんがたっくさんあって、なんかすごい「音楽の街」っていう感じがして。
 
H:ミュージシャンがけっこう住んでたりするのかしらね。
 
高田:かもしれないですね。なんか、大地くんと行ったギター屋さんで細野さんのポスターが貼ってあって…
 
H:あ、ホント?
 
高田:僕らこれ出るんだよ、って言ったら「えー?」って言われたりとかしましたね(笑)
 
H:僕も楽器屋に行ったけど、いい楽器屋だったなあ。
 
高田:ホントにそういう…音楽が根付いている街みたいですね。
 
H:そうだね。僕はね最初行ったときに、乱暴な車多いじゃん。
 
高田:はいはいはい、言ってましたね(笑)
 
H:「ブブーッ!」って言われて、なんだぁ?と思って。おっきな声でナントカって言ったんだよ。そしたらこっちを向くんだよ。運転手がね。若いやつらが。あいつらはあの…与太者だよ(笑)
 
高田:海のほうはちょっと荒々しいというか…なんか若者が多かったですね。
 
H:ああいうところには必ずいるよ。湘南だっているからね。
 
高田:まさにそんな雰囲気でしたね。
 
H:だからちょっと、最初の印象は悪かったの。ここは磁場が悪い、とか言って(笑)
 
高田:細野さん…(笑)そうでしたね。
 
H:ヘンな…なんていうの、あれ。タワー?
 
高田:展望台…ドーナッツ状の展望台が上下に上がるやつですね。
 
H:街にそぐわない…メタリックな、ね。あれの所為だと思って(笑)誰か乗ったの、あれ。

大地:乗ろうと思ったらちょうど時間が…

伊賀:満員だった…

H:(そもそも)乗ろうと思うんだ、あれに。

野村:僕は高いところダメなんで、ひたすら拒否してたんですけど。

高田:どうにか卓史くんを乗せようと…

H:野村君を乗せようと思ってたんだよね。

大地:乗せようと思ってたんですよ。「思い出作ろうよ」、って(笑)

野村:これじゃない思い出もいっぱいあると思う、って…

H:いやー、乗んなくていいよ。あれは本ッ当に、乗って後悔するものだと思うから…

高田:たぶん、そんなにはおもしろくないと思うんですよね。

H:おもしろくない、恐いだけだと思う。閉じ込められて…途中で止まったらどうすんだ、って…

野村:そうですよ、ホントに。

大地:あれの良さは、あれを目標にしてれば今どの辺に居るのかがわかるっていう(笑)

H:そうそう、そうだね。確かにそうだった。んー。

www.theguardian.com

 

H:まあ、そんなような街で…ライヴやった後1日くらいいたけど、やっぱりいい街だったな。気に入っちゃったよ。ごはんがおいしいし。

高田:そうですね。

H:坂によって特徴があるじゃん。

高田:うんうん、そうでしたね。

H:で、一つはアジアストリートみたいな…

高田:ありましたね。

H:中華ばっかりあって…けっこうおいしかったな。タイ料理とか。みんなは何食べてたの?最初にみんなで行ったイタリアン…

大地:海鮮食べたところ…

H:大地くんと漣くんが「味が薄い~」とか言ってた…

高田:(笑)

大地:ね。でもあれは意図した薄さなのかな、とか言って。

高田:なんか、イギリス最近多いみたいですね、ああいう薄いやつ。

大地:自分で塩かけて調整する。

高田:たぶん(店側が味付けに)自信が無いのかもしれないですけど…(笑)

H:そうだったんだね、うん。で、行く前から…アティック(Attic Records)の人だったかな、「フィッシュ&チップス好きか」って訊かれて。一回食べてマズかったの、昔ね。油っこくて。

高田:はい。

H:いや、そんなに好きじゃない、って言ったら「ブライトンのは最高だから食べろ」っていうの。

高田:あ、そうなんですか。

H:で、なんかその時に、イタリアンで、誰かが頼んだのをちょっともらったら…すげぇマズかった。

一同:(笑)

H:あれは美味しいものじゃないな。

高田:我々の中でいちばん揚げ物が好きなはずの細野さんが…(笑)

H:揚げ物はやっぱりね、衣を付けて揚げないと…いい感じにはならないんだよね。フリッターみたいのはダメなんだよね。

高田:なるほど。

H:あと魚が…ブライトンって魚獲れないんだってね(笑)

大地:その話おもしろかった…(笑)

高田:てっきり地元の海鮮が出てるのかと思ったら…

H:どっか違うところから持ってくるっていう。鱈で…フィッシュ&チップスって干し鱈みたいなので、ニオイきついんだよね。

高田:うんうん。

 

H:で、ライヴの話。まあ(ロンドンと)あんまり変わんないかな?ライヴどうでした?ブライトンは。

高田:ブライトンはまた会場がぜんぜん…違ったじゃないですか。ちょっと古い…

H:そう、オールド・マーケット(The Old Market)っていうね、古い建物だけど中身はライヴハウスだね。

高田:ああいう小っちゃな…小っちゃくもないですけど、ああいう小屋でできるっていうのもなかなか無い機会なんで…

H:そうだよね。

高田:ロンドンのバービカン(Barbican Hall)みたいなホールとは違う響きだったんで、おもしろかったですね。よりお客さんもダイレクトというか。

H:(高橋)幸宏がそこに観に来てくれて、ロンドンでは引っ張り出されちゃったんだけど(笑)ブライトンはリラックスして観てたのね。(ステージに)呼ばなかったから。そしたら「すごい感動した」って言われた。「ジーンときた」と。すごい良かったみたい。うれしいな。

高田:うんうん。

H:でもやってる方は変わらないよね、いつもとね。

高田:ホントにそうですね。鎌倉とかでやったような感じですね、イメージ的には(笑)

伊賀:熱海とかね(笑)

H:そうそうそう(笑)

 

大地:細野さんがインスタグラムに上げられてたスケボーの人たち。あの人たちは誰なんですか?

H:あの人たちはね、印象深いよ。(ライブが)終わった後に…僕はタバコを吸うんで外に、楽屋口から出ていったらあの連中がいて。僕のファーストネームじゃなくて…あ、ファーストネームでいいんだっけ。「晴臣」って呼ぶわけ。そしたら、20代じゃない、彼らね。

大地:若そうでしたね。

H:スケボーを担いでたようなタイプで。で、「晴臣」って呼ばれたの初めてだから…

大地:日本で呼ぶ人は…

H:お母さんしか、そういう風には…(笑)すごい不思議な気持ちっていうか…まあ親しみは感じるけどね。んー。

高田:(彼らは)観に来てたんですか?

H:観に来てたの。

高田:あ、それはすごい…

H:で、後で知ったら…彼らのインスタのムービーかな?に"Sports Men"が使われてた。

大地:へー。

H:あの歌が好きなんだね、彼らは。スケボーで街の中走ってる後ろに、昔のヴァージョンの"Sport Men"をかけてて。それをだから…使った(=Repost)んだけどね、うちで。歌詞に反応したんだろうな、と思ってね。

 

Sports Men - 細野晴臣

 (from 『Philharmony』)

 

H:で、あと…ロンドンにいる日本の人も来てたんで、それは新鮮だったな。そういう人が…女の子たち。まあ後は…変わらないな。

高田:ホントですね。なんかもっとこう…罵声とか。ウワーとかなるかな、って思って…(笑)

H:そうそう。

高田:そういうことも、何もなく…

H:例えばね、今度アメリカでやったらどうなんだろうとか、思ってた時があって。まあ、NYとかLAはさておき、例えばアトランタとかね。メンフィスとか。あるいはもっと田舎のほう、西部の。そういうところでブギやったらどうなんだろう。

高田:んー…

H:どう思う?

伊賀:あ、あの…

H:うん。

伊賀:ブライトンの打ち上げの時に…高橋幸宏さんが僕の目の前にいて、結構お話ししたんですけど。

H:ああ、ほんと?

伊賀:幸宏さんが、「細野さんの音楽を聴いてる外国の方は(我々が)ブギとかラテンとかをやっても、全部エキゾチック・ミュージックに聞こえてくるんじゃないか」、という風に仰ってて。

H:そうか。

伊賀:で、僕も…なるほどと思って。だから、細野さんが英語とかラテン語とかで歌ってるじゃないですか。

H:めちゃくちゃだけどね。

伊賀:それも全部…

H:エキゾチックなんだね。

伊賀:そういう風に聞こえてて、それがすごく好意的というか、おもしろい…興味深く聞こえてるんじゃないか、って仰ってて。

H:だったら良かったね。

伊賀:だからたぶん、どこに行ってもそういうような雰囲気ってあるのかな、と。だから逆に受け入れられやすい…

H:なるほど。なんかわかった。そうだったね。まじめに考え過ぎちゃったね(笑)

伊賀:僕もまじめに言っちゃって…(笑)すみません。

高田:(笑)

H:ブギをさ、アメリカの南部・西部辺りでやって…ウケるのか罵声か、どっちかだね。そう思ってたの。僕は昔ほら、ジェームス・ブラウンの前座をやったことがある。

高田:武道館の…

H:ジェームス・ブラウンのファンからはもう、「出てけ!」みたいなこと言われたから。テクノっぽいことやってた時期ね。

大地:あー…

H:まあ、ホントに座布団が飛んできたからね。イメージとしては。座布団は無かったんだけど…(笑)

高田:(笑)

H:そういう経験があるから、トラウマになってるんだよね。まあ、はっぴいえんどの時は石が飛んできたしね。大学祭で。学園祭で。

大地:いろんなものが飛んできてるんですね、細野さん…

H:そういう経験無いでしょ?みんな。

高田:無いですね…

H:なんか、幸せだね(笑)

大地:(笑)

H:昔は(新宿)花園神社あたりのクラブに、ハコで出てて。時々本牧から殴り込みが来たりね。

高田:んー。

H:で、僕たちは「隠れてくれ」って店の人に言われて、カウンターのうしろに隠れて。西部劇みたいで…(笑)

一同:(笑)

H:そういう時代を過ごしてきたからさ…今のミュージシャンは、なんか、品がいいよね。

大地:そうですね。ライヴハウスで喧嘩とかも、そんな無いですね。

H:無いよね。「殴り込み」なんて無いもんね。なんで殴りこみに来たのか知らないけど(笑)

 

 そうか。じゃあこっからだな。伊賀航ショウはね。

伊賀:あっ。えっ?

一同:(笑)

伊賀:まあ尺的には、もう、ね?

H:ちょうどいいよ。はい。では、伊賀くん、お願いします。

 

∽∽∽∽∽∽∽∽(♪伊賀航ショウの前テーマ)∽∽∽∽∽∽∽∽

 

伊賀:いや…えー…あのー…えっ?自分…あっ。そうですね…外…あっ、自分のことを話す…?

H:なんだなんだ(笑)

伊賀:自分のことを、お話しますと…外国、外国が苦手だっていう…外国とか、外国の人たち、のことが苦手だっていう…

H:言ってたよね。

伊賀:はい。それで…今回は、その辺、どれぐらいいけるかなって思って…思ってたんですけど、結局外国人の方と喋ったのも「Thank You」という言葉だけ…

高田:だけ?(笑)

伊賀:「Thank You」とは言いました。「Thank You」だけは…

H:Thank youだけは言ったのね?

伊賀:はい。だから、気持ちは伝わってると思うんですけど。あの、最後に…空港でチェックインした後に、飛行機の手前にコンビニがあって。

H:うんうんうん。

伊賀:サンドイッチ買おうと思ってコンビニに入って、で、サンドイッチ選んで、ジュース持って、レジに並んだんですよ。そしたら、僕より小っちゃい黒人が…

高田:店員だよね、もちろん。

伊賀:店員がレジのところでレジ打ってて、そんで、髪の毛もグリッグリで、三つ編みみたいにした…

高田:そこのディテール要るかな…(笑)

伊賀:もうエグいっていう意味で…(笑)その人に出したんですよ、サンドイッチとジュースを。そしたら、僕より小っちゃくて、上目遣いでなんか「@*#$?」って喋って。

H:うん。

伊賀:で、僕それが、なに言ったかわかんなくって、「は?」って言ったんですよ。言ったらずうっと黙って、僕のほう見て、ただ見てるんですよ。

H:うん。

伊賀:で、俺ももう「は?」って言ったっきり、なんにも言えなくなって、しばらく無音でふたりで見つめ合って…見つめ合いまして。ってなったところで、僕のお札を受け取って、お釣りを渡して、そのままなんにもなかったんですけど、あれは俺に何を言ったんだろうっていう…

高田:ぜったい、小銭出せっ、て話だよ、それは。

伊賀:小銭をねえ。

高田:小銭が見えたんだよ、伊賀くんの。だから、どうせ(帰国したら)使えないでしょ、小銭いくつか出してご覧なさいよ、っていう向こうの親切心で言ったのに、伊賀くんがそれで黙っちゃって、ジーッと見てるから向こうもジーッと見つめて…

H:恐かったのかな。

伊賀:だけど、ホントに、すごい威圧的な目というか。自分的には、「オマエ何やってんの?」みたいなこと言われているような気になってしまって委縮…委縮してしまったというか、なんだろうっていう風に考え込んでしまって…っていうことが、帰国直前にありました。

高田:いや、伊賀くんさ。

伊賀:はい。

高田:そもそもロンドン着いて、2泊あったじゃない。その朝…細野さんも食べたと思うんですけど、美味しい朝食会場があって…

H:イギリスは朝食がおいしいよね。

高田:おいしいですよね。伊賀くん2日間いたのに、1回もあそこの朝食を食べに行ってないんですよ。

H:ホント?(笑)

高田:それは、行ったら、また英語で話しかけられたらなんか答えられないんじゃないか、とか…

大地:部屋番号訊かれますからね。

高田:そう。というか、部屋番号言うだけなんですけど…(笑)それで伊賀くん、あれだよね、日本から持っていったスープとか…

伊賀:玄米スープね。

高田:だけでひもじさを堪えてたんでしょ?(笑)

伊賀:いやいやいや…

H:なにからなにまで日本を持ってっちゃったんだね。自分ごと。

伊賀:そうですねぇ。いや、それは反省しまして。ブライトンではね、一度、食べました。

高田:それもでも、あれですよ、伊賀くんの部屋に電話して、伊賀くん朝食行くよ、って無理やり言って…

H:誘ってあげたんだね。

高田:その電話の出方もちょっとイヤイヤ…「うーん…」みたいな。

伊賀:いやいや、違うんですよ。それ、朝ごはん食べた理由は…前の晩に漣くんたちとスーパーに行って、買い物したんですよ。

大地:ああ、しましたね。

伊賀:そしたら…みんなで、じゃあ、シメでラーメン食うかみたいな感じで、カップラーメン…

高田:地元のやつね。

伊賀:地元のカップラーメン買って、部屋でお湯を注いでね、漣くんもおんなじの買って、食べたんですけど。

H:うん。

伊賀:すっごいマズいんですよ。

H:マズいんだ。

高田:ホンットにマズいんですよ。あんなの食べたことないよね、あんなにマズいもの。

伊賀:ホンットにマズくて…

H:どこ製なんだろうな。

高田:あれどこですかね…

伊賀:カレーのラーメンなんですよ。

高田:カレーに間違いはないだろうって2人で言って買ったんですけど、カレーの味すらしなかったよね(笑)

伊賀:甘いんですよ。

大地:(笑)

伊賀:甘いカレーだったんですね。

高田:アンズみたいな味がね…

H:想像できない。

伊賀:それを今度、どっか…機会があったら細野さんに…

H:いや、機会は無いと思うけど(笑)

高田:それでお腹がすいちゃってた?

伊賀:っていうのもあるんですけど…

高田:だから来たんでしょ?(笑)

伊賀:いや、これからは…アメリカでは行くんで、朝ごはんに…

H:アメリカはハンバーガーショップがいっぱいあるからね。

伊賀:そっか。ハンバーガーですか。

高田:でも伊賀くん、帰りの空港では「オレは今まで間違ってた」と。「ただ英語が喋れないっていうだけでコンプレックスを持っていた」と。

伊賀:そうそうそう。

高田:で、なんか、急に「オレ、駅前留学しようかな」みたいなことを急に言い出して。最後帰りの日になって…

伊賀:結果、だから、英語が喋れれば相当楽しめるっていうことになんとなく気づいて…

H:そりゃそうだ。喋れないとおびえるタイプの人いるよね。どこも出かけなくなっちゃう。

伊賀:はい。僕です。

大地:(笑)

伊賀:卓史くんとかは、喋れないけど、出れるんですよね。

野村:俺は、朝食をいっぱい食べれば、外で英語でコミュニケーションとらなくても食事の面ではクリアできるという…

高田:ネガティブだな…(笑)

野村:ルームナンバーを言えば朝食をいっぱい食べれる、っていうルールを守って…

高田:まあでもそうだよね(笑)

伊賀:僕より一歩先を行ってますね。

野村:だから、伊賀さんにも…2日目、現れてないって聞いたんで勧めたんですけど、結局3日目しか行かなかったんですね。

H:なんだろうなあ…お腹すいてて、我慢してるの?

伊賀:いや、そんなことは…まあ、食べれば食べれるんですけど、まあ、無くても…大丈夫かなっていう気持ちも、ちょっとあったりとかして…

高田:台湾の時もそうだったよね(笑)

伊賀:台湾は…外国…アジア…やっぱり台湾は初めて…外国行ったの久々だったし、前の日コンビニでちょっとひと悶着あったんで…

H:知ってるよ、それ(笑)レジ袋が無い。

伊賀:レジ袋…そうですね。まあそれで、っていうのもあったんですけど。でもまあ、いろいろ反省する機会がありました。

H:そうだよ。反省した方がいい。だから、語学学校行くんでしょ?

伊賀:あのー、ちょっと考えてます。今。

H:じゃあ、今から英語でいこう。

伊賀:…レッツ。

大地:(爆笑)

高田:すごい…(笑)なんかちょっと、アレだね…出川(哲郎)的な可能性を感じるね、伊賀くんに…

 

伊賀:こんな感じですかね。

H:んー、そんな感じでいい。

高田:伊賀くんは、弟がイギリスに…

H:そうだよ。観に来てたね。ブライトンに来てたの?

伊賀:あ、両方来てたんですよ。

H:で、紹介してくれなかった。

大地:誰も会ってない…

高田:あ、僕だけ会ったんですよ。

伊賀:偶然出てきて…買い物の時にね。

H:じゃあもう、ペラペラなんでしょ?彼は。

伊賀:いや、これが…一緒にご飯とか食べに行ったんですけど、もう本当にテキトーな英語で。

H:そうなんだ。

伊賀:はい。あ、でも、気持ち…ちゃんと自分の言いたいことは絶対伝えれてて。で、聞いても(相手が何を言いたいか)わかるみたいで…

H:それでいいんだよね。

伊賀:もうね、意思…伝えたい気持ちみたいのがちゃんと…だから大地くんっぽいのかなと思って。気持ちが…強い気持ちがあるじゃない。

大地:気持ち…そうですね。

高田:伊賀くんには強い気持ちが無いの?(笑)

H:よわーい気持ちが…

伊賀:そうですね…もう、弟をホント、尊敬しました。僕、それを見て。こうなればいいのかな、っていう風にも思ったりとか。

高田:伊賀くんの弟って、(伊賀くんと)2人で細野さんの音楽とか聴いてたんでしょ?

伊賀:そうですそうです!もう2人で、FMのエアチェックとかして、カセットテープで録ったやつを、もう、擦り切れるほど…

H:あ、そう。

高田:だから、弟さんは、伊賀くんが細野さんのステージに立ってるっていうのが信じられないというか。

H:そうなんだ。それは初めて聞いた。

伊賀:絶対、もう間違いなく…もうみんな…

H:ん、なんだ?(笑)

伊賀:いや、細野さんのいる前でそういうこと言うのは、もうホントに…

H:言って言って(笑)

伊賀:恥ずかしいんですけど…ホントに、僕の小学校・中学校の時のアイドルですから。

H:アイドル(笑)初めて聞いたな…

伊賀:松田聖子か細野さんですから。

H:えー?(笑)

伊賀:カットでお願いします…

一同:(笑)

 

伊賀:そんな感じで大丈夫ですか?

H:うん。もうこれで、時間来ちゃったな。んー。じゃあちょっと、最後に…また、今年も後半、ツアーがあるので、ちょっとレパートリーを考えてますので、新しいモードでやりたいと思います。よろしくね、みなさん。

一同:よろしくお願いします。


◇◆◇◆◇◆◇(ジングル)◇◆◇◆◇◆◇◆◇


§§§§§§§§§§§§(ED)§§§§§§§§§§§§§

 
 
 
(伊賀:…レッツ。)
 
 

2018.07.29 Inter FM「Daisy Holiday!」より


※英語部分は100%フィーリングです。ゆるしてください。

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

???:Ladies and Gentlemen, thank you so much for tuning in...This is "Daisy Vacation!".With a guest..
 
希子:Hi, 水原希子です。
 
佑果:Hi, 水原佑果です。
 
H:…あ、僕?僕は聴いてるだけです(笑)きょうはMac DeMarcoさんを迎えて、一本録ろうと思ったけど彼はもう行かなくちゃいけないんで、あいさつだけ録ってます。で、サポートしてくれるのは水原希子さん、佑果さん。お願いします。
 
 
^^^^^^^^^^^^ジングル^^^^^^^^^^^^
 
希子:きょうは細野さんがちょっと睡眠障害ということで、今おねむの時間になられているので、私と佑果とMacさんで引き継ごうと思います。はい。
 
Mac:Hi.
 
希子:Macさん、How you feeling today?
 
Mac:Little nervors, pretty sweaty, and excited, and...overjoyed. 
 
希子:「緊張していて、ちょっと汗をかいていて、でもとても興奮していて」…overjoyedというのは、「とても幸せを感じている」ところでございます。きょうは、私は通訳もやらせて頂いています(笑)
 
佑果:(笑)
 
希子:はい…佑果ちゃん?(笑)
 
H:ラジオはしゃべんないといけない。
 
佑果:そうでした(笑)えー、緊張しています。緊張して、何を話したらいいかわかりませんが、どうしましょう。
 
希子:では、私が引き継ぎましょう。はい。細野さん、最近お暑いですね。
 
H:暑いよ。もう、これは災害だって言われてるぐらい、危険な気候ですよ。Macさん大丈夫?この気候にビックリしたでしょ。
 
希子:”Aren't you feeling super-crazy about the weather in Tokyo now?”
 
Mac:I didn't know this is hot in Tokyo in a summer and..yeah, makes me feel completely crazy... But I think today, I'm finally getting used to. Took hot baths, calmin' nerves. And we have four more days away, so...
 
希子:「到着してからこんなに暑いとは思ってなくて、すごく驚いたんですけれども…」
 
H:だろうなぁ。
 
希子:「ようやく慣れてきて」
 
H:慣れるんだ、これ。慣れないよ僕は(笑)
 
希子:「きょうはあったかいお風呂に入って、全部熱を出して。あと滞在は4日なんですけれども。」
 
H:フジロックに。
 
希子:はい。"You gonna been FUJI ROCK."
 
Mac:Friday, by FUJI ROCK...red, it's the Red one? Red Stage?
 
希子:Red zone (=RED MARQUEE).
 
Mac:Never gone a fes on Japan. It should be cool, hopefully...I'm hoping it doesn't feel like every other single festival. 'cause I would be comin' to person. But not because we're still in Japan, so it's okay. But I.. yeah, more friends... I don't know how many I will see. 
 
希子:「音楽フェスティバルに出るのは、日本では初めてなんですけれども…」えーと…あー、忘れちゃったな、なんて言ってたか(笑)でも、とても楽しみにしていて。「他の自分が経験したフェスティバルみたいにはならなければいいな」、って思ってるみたいで。
 
H:んー。
 
希子:「でもきっと、自分が大好きな日本なので、楽しい経験になるだろうな」っていう。
 
H:楽しんで。
 
希子:"Enjoy, please."
 
Mac:We will.
 
希子:「友達もたくさん会いに来てくれるので…」
 
H:日本にいっぱい友達いるね。
 
希子:そう。"You have so much friends!"
 
Mac:Ah...Yeah!
 
一同:(笑)
 
希子:「そうですね、いっぱいいます。とてもうれしく思っています。」っていうことですね。
 
H:また、じゃあ、今度は…また来る時はここに来てください。
 
希子:"Next time you come to Tokyo, please come to my studio."
 
Mac:I would love friend.
 
希子:今のは通訳必要ないですね(笑)
 
 
 
H:どういう知り合いなの?佑果ちゃんと希子さんと。
 
希子:ここのつながり…So, we gonna talk all relationship.
 
Mac:Yeah.
 
希子:私とモニカは友達で…
 
H:ここにいらっしゃるモニカさん。
 
希子:はいモニカさん、茂木モニカさん。
 
茂木:カメラをやっています。
 
希子:こんにちは(笑)もう、ピカイチセクシーな私のお友達、モニカさんと佑果ちゃんと私は友達で、仕事仲間で。
 
H:んー。
 
希子:そしてモニカはキーラ(Kiera McNally)と友達で、それでMacさんと仲良くなって…
 
Kiera:こんにちは~。
 
H:かわいい(笑)
 
希子:キーラちゃんです。そういう関係で、まあ仲良くなったんですけれども。私はLAに行くたびに彼の家にお邪魔したりとか、彼はとっても気さくで、Kieraもとっても気さくで。
 
H:たしかに気さくそうだね。
 
希子:そう。家にいっぱいミュージシャンだったりとか、アーティスト集まって、みんなでBBQしたりとか、プール入ったりとか。
 
H:楽しそう。
 
茂木:プレイボーイの撮影もMacのプールで撮ったんです。思い出がいっぱい…
 
希子:そうです。プレイボーイっていう週刊誌があるんですけれども…(笑)
 
H:あの、ヌードの?
 
希子:そうです。去年、私とモニカの2人で…
 
H:え、出たの?
 
希子:撮影したんですよ、彼女に撮ってもらって。その時もMacの家で撮影したりとかして。
 
H:それはそれは…見たかったな(笑)
 
希子:あ、ぜひ!今度、お届けさせて頂きます。
 
H:えー、すごい。うん、うん、うん、ぜひ。
 
希子:セクシーな写真がバンバン…(笑)でも、とてもきれいな写真です。ナチュラルな。
 
Mac:You come the LA, come on a my studio, and do a model on the Playboy(笑)
 
H:行きたいね。
 
希子:なんでプレイボーイ…「プレイボーイの撮影しましょう」って(笑)
 
H:裸になれない…
 
希子:(笑)スタジオに…
 
H:うん。ぜひぜひ。
 
希子:ぜひ…
 
 
 
 
H:まあ、そんなことかな。
 
希子:あ、細野さん、お誕生日おめでとうございます!
 
佑果:おめでとうございます!
 
H:ありがとう。
 
希子:Happy birthday! Can you sing a happy birthday song for him, please?
 
Mac:Everybody, everybody.
 
希子:Okay, everybody.
 
H:うれしいね。
 
Mac:I want a key...♪(A)
 
一同:(Happy birthday to you, dear Hosono-san)
 
H:ありがとう。すごいうれしい。
 
希子:(笑)
 
H:うれしい…みんないくつなの?Macっていくつ?
 
希子:How old are you, Mac?
 
Mac:Twenty-eight.
 
希子:Did you turned twenty-eight this year?
 
Mac:うん。
 
希子:じゃあここ(※希子&Mac)は同い年で、私も28歳なので…
 
H:みんな20代じゃん。何この差…(笑)
 
希子:差、ないですよ(笑)まあ、こっちが一方的に、言ってるだけですけど。
 
H:ビックリだな。そうか…
 
希子:はい、twenty-eight…きょうは細野さんのスタジオに初めて来られてとてもうれしいです。
 
佑果:私もうれしい。
 
H:佑果ちゃんは2回目?
 
佑果:いや、初めてです!
 
H:あれ?来なかったっけ、こないだ…
 
希子:リハーサルの時?
 
佑果:は、ここではなかった…
 
H:じゃあみんな初めて…そうだそうだ。
 
佑果:うれしいです。
 
H:ありがとう。
 
希子:いいですか?
 
H:うん。もうすぐ(メンバーが)来ちゃうし。
 
希子:あ、来てる。
 
H:じゃあ、交代だ。バンドメンバーが来てる。
 
希子:The band has gonna...band is here, so they gonna do..
 
Mac:Rock'n'roll.
 
 
 
Salad Days - Mac DeMarco
 
 
 
◆☆∴∑∇@ジングル*∀∂△ΠЩ
 
 
H:えー、ではここからは…久しぶりにバンドのメンバーが来てくれました。みなさん、どう?
 
一同:こんばんは~~
 
H:元気がありそうな無さそうな…どっちなんだ(笑)
 
高田:あります…!
 
H:どうやって…こういう大勢で話すのって大変だよな。一人ずつ、じゃあ、話してかないといけない…じゃあ紹介がてらね…漣くんはどう?
 
高田:どうも高田漣です。こんばんは。
 
H:漣くんは時差ボケ無かったって聞いてるけど。
 
高田:そうですね。行きも帰りも全然。
 
H:すごいね、なんで?帰った人、みんなひどかったんだよ。
 
高田:なんか、普段からいっつも眠いし…で、わりと早起きなんですよ、普段から。
 
H:んー。
 
高田:だから向こうに行って…普通の人だと時差ボケだと思うような時間でも、4~5時に起きるとかって日本とあんまり変わらないんで、そのまんま…
 
H:(日本に)帰ってきても?
 
高田:帰ってきてもあんまり変わらないですね。
 
H:しかも、ワールドカップ観てたから。
 
高田:そうですね、ワールドカップ観て時差ボケになりました(笑)
 
H:帰ってすぐ仕事があったの?
 
高田:そうですね、いろいろやってましたね。
 
H:それは大変だ。伊賀くんもそう?
 
伊賀:僕もあんまり…仕事してたんですけど。
 
H:うん。
 
伊賀:時差ボケは…行ってから、向こう、ロンドンで…
 
H:向こうで時差ボケだった?
 
伊賀:もうアレですね、夜、2時くらいからずっと目が覚めて…で、ずっと、そのまま起きてライヴやってるみたいな。
 
高田:えー!
 
H:知らなかったな…
 
伊賀:なんか…でもこっち帰ってきたら普通に戻ったんですよ。
 
H:あれ?(笑)
 
伊賀:だから、たぶん、日本のまんまだった(笑)
 
高田:すごいね、それは(笑)
 
H:すごいよ、めずらしい人だよな。えー、じゃあ、大地くん、伊藤大地くんです。
 
大地:あ、こんばんは。自分も大丈夫でした。
 
H:大丈夫でしょ?なんかそういう噂を聞いた。強いな。
 
大地:たぶん、帰りの便の11時間のうち、10時間は寝てたんですよね。そのお陰かな、と。
 
H:爆睡したって言ってたね。
 
大地:爆睡でしたね。機内食も一切食べずに、って感じ。そこで調整効いたのかな。
 
H:なんか、旅慣れてるのかな。
 
大地:時差ボケ、たしかに、したことないかも…
 
H:だって…まあ、説明するの忘れてたけど、ロンドン公演がありまして…
 
一同:(笑)
 
高田:前フリなかったですね(笑)
 
H:なんの話だかわかんないだろうな(笑)ロンドン公演というのは6月の…何日だっけ…23日?…だっけ?そっか。で、翌々日は2時間車で行くとブライトンという…いいリゾート地で。そこでもライヴやりまして。で、1日、2日で僕たちは帰って来たんだけど、大地くんは残ったね。
 
大地:1泊、延泊して。
 
H:で、なんか…田舎に行ったんでしょ?
 
大地:よく行く場所なんですけど…どうしても行きたくなっちゃうんですよね。
 
H:どういうところなの?
 
大地:コッツウォルズっていう、古い村がそのまま残ってるところで。
 
H:いいところなんだろうね。
 
大地:いいとこなんですよ。
 
H:のんびりできるんだね。
 
大地:のんびりできるんですよ。夜とか誰もいない…
 
H:ホテルがあるの?
 
大地:ホテルはありますね。ペンションみたいなホテルに泊まって。
 
H:どうしてんの、そういうところで。
 
大地:そこで、なんか…風呂入ったりとか…(笑)
 
H:(笑)
 
高田:で、車で行ったんでしょ?
 
大地:車借りて…車好きなんで、借りて2時間ぐらい走って…
 
H:そうか。ロンドン市内ってすごい走りにくそうじゃん。
 
大地:もう、渋滞がすごくて…ロンドンの真ん中で借りちゃったんで…
 
H:出るのに時間がかかるよね。
 
大地:1時間…戻るのにも、ロンドン入ってから1時間…すごかったですね。
 
H:出ちゃえば楽だよね。
 
大地:出ちゃえばもう、ビュンビュンで。よかったです。天気も良かったですもんね、細野さんが行ってる間は。
 
高田:うん。
 
H:でも、今はもっといいみたいね。
 
高田:あ、そうなんですか?
 
H:過ごしやすいですよね。17℃ぐらいでしょ?
 
高田:僕らの時はちょっとまだ暑かったですよね。
 
H:でも、雲ひとつなかったね。
 
高田:ね、1週間…
 

H:えっと、あ…忘れてないよ、大丈夫(笑)野村卓史くん。
 
野村:はい、野村です。
 
H:どう?体調は。
 
野村:体調…えっ、あの…今の体調ですか?
 
H:そうそう、今だよ。昔の体調はどうでもいい(笑)
 
野村:すこぶる良好です。
 
H:あ、良好?時差ボケない?
 
野村:時差ボケは…帰った後2週間ぐらい引きずってましたね。
 
H:2週間もあったんだ(笑)
 
野村:そうですね、なんか徹夜しちゃったりしてるうちに、なかなか戻れなかったです。
 
H:だよね。だって…そもそもちょっと訊きたいんだけど、パスポートを忘れたじゃん、行く時。
 
高田:(笑)
 
野村:ええ、ええ。
 
H:あれはどういう心理なの?
 
野村:パスポートをしまってるうちの引き出しがあるんですけど。他にも、大事な印鑑だとか…
 
H:普通あるよね、そういうの。
 
野村:そこから出さずに…まったく、パスポートの必要性を忘れてしまってました。
 
H:こういう人がいるんだね(笑)時々いるよ。
 
野村:羽田で出発したじゃないですか。
 
H:うん。あ、勘違いしちゃったんじゃないの?国内と。
 
野村:そうなんですよ。
 
H:イギリスってどこだか知ってた?
 
一同:(笑)
 
野村:頭ではわかってたつもりなんですけど…(笑)
 
H:外国だってのはわかってた?
 
野村:そうですね。
 
H:昔ね、ハワイに一緒に行った、やっぱりキーボードの国府(輝幸)くんっていう人がいたんだけど、ニュー・オーリンズピアノの。久保田(麻琴)くんたちと一緒に行ったんだけど。彼はまあパスポートは持ってたんだけど、着いたところが日本だと思ってた。なんでかって言うと、店の人がみんな日本語をしゃべるじゃない。
 
高田:日系人も多いですもんね。
 
H:で、2,3日後になって気づいたんだよね。「ここは日本じゃないのか」と。キーボードの人ってそうなの?(笑)
 
一同:(笑)
 
野村:いやー、その…なるほどなるほど。
 
H:だから、リハ参加してないで、本番直前に来たよね。
 
野村:30分前でしたね、本番の。
 
H:すごいね。どんな気持ちで?なんてことはないって感じ?
 
野村:(笑)いやいやいや、そうですね…場が凍りついてるだろう、って思いまして、緊張しながら到着しました。
 
H:まあ、よくあるよ、そういうことは。僕もやったことあんの。
 
野村:お、そうなんですか。
 
H:もう演奏の…1分前に着いたっていう。YMO。札幌に行く時。寝坊しちゃったの、僕は。ひどいもんだよね。
 
 
 
◆☆∴∑∇@ジングル*∀∂△ΠЩ
 
 
 
H:さあ、そういう僕ですけど。今だに、睡眠障害が治んない。昨日はね…いや、昨日じゃない、きょうか。10時ぐらいまで寝らんなくて、朝の。
 
高田:えー。
 
H:なんかね、眠いんだけど目が覚めちゃう、っていう。最悪なんだよ。で、治んないんだよ。どうしたらいいの?で、なんでかっていうと、仕事を休んでたからね。仕事があった方がいいみたい(笑)
 
高田:その後どれくらいの…そっから寝たんですか、きょうは?
 
H:寝た。スマホで目覚ましを1時間ごとにかけて。10時に寝たから3~4時間でいいやって思って。13・14・15・16時、全部。13時に目が覚めたけどね。
 
高田:その後はもう寝てないんですか?
 
H:寝てないです。もう今眠いけどね。
 
高田:そりゃあそうですよね。
 
H:で、訊きたかったことは、ロンドン公演のことなんだよ。テーマはね。なんか、言いたいことはある?なんだろ、感想でも聞きたいかな。ひとりひとり、感想を聞かせてもらおうかな。漣くんから。
 
高田:そうですね…なんか、思ってた以上にお客さんの反応が良くって。あと…なんて言うんでしょうね、細野さんも終わった時に仰ってましたけど。
 
H:うん。
 
高田:なんか、海外での公演って感じがあんまりしなかったというか。
 
H:しなかったね。
 
高田:反応がすごい…本当にどっか、大阪、とかそういうところでやってるような感じでしたね。
 
H:そうそう。みんなそう思ったでしょ?
 
伊賀:とはいえ…外国人の方、多くいらっしゃったなと思って。
 
H:多かったんだよね。
 
伊賀:で、すごく盛り上がってて。外国人の方も楽しまれてる感じだな、と思って…
 
H:まあ、日本の人も多いと普通の感じになれるけど、(ステージから見ると)客席真っ暗だから。最初はそうなのかなと思ってたら、イギリスの人のほうが多かったんですね。
 
大地:(高橋)幸宏さんが最後の曲をやられるということで、幸宏さんが俺のドラムに座られて、俺はサイドで見てたんですよ。ステージ袖に移動して。
 
H:そうだよね。
 
大地:そしたら照明の向きが変わったんで客席が見えて、前列の人たちはけっこう、みんな現地の人っぽい人たちが前のめりでめっちゃ盛り上がってて、おお、って思って。
 
H:これが10年、20年ぐらい前はそうでもないんだよね。「外国人」だったんだよね、反応が。なんか、変わったんだね、今。この数年で。何かが。
 
高田:うんうん。
 
H:なんだろう、これ。みんな日本人みたいになっちゃったのかな(笑)
 
高田:なんかこう…音楽の聴き方が世界中で同じ様にっていうか…なんでしょうね、反応がおんなじな感じがしたんですよね。
 
H:そうなんだよね。それが僕の一番強い印象だね。
 
高田:日本で…たとえば細野さんの最近のだと、最初はラテンでしっとりというか、静かに始まっていって、だんだんエンジンがかかってきてブギで盛り上がってくる…それとおんなじタイミングでお客さんも盛り上がる、というか。その辺がすごく、やってて不思議でしたね。 
 
H:だからね、やってて、すごいリラックスしちゃった。
 
高田:ホントですね。うん。
 
H:今年は台湾・香港やって、もちろん初めてだから、外国。やる前すごく緊張するじゃん。たぶんみんなもそうだと思うけど。
 
高田:そうですね。
 
H:どういう反応なのか、っていうのがいちばんね、不安じゃない。まったくウケなかったらやっぱり…落ち込むからね(笑)
 
高田:ホントですよね(笑)
 
H:そういうこともあるはずだから…よく夢に見るもんね。フタ開けてみたらお客さんが一人もいなかったりね。そういう夢見ない?見るんだよ僕は(笑)
 
高田:わかります…演奏全然できない夢とか見ますね(笑)
 
H:知らない曲が始まっちゃったりね。全然歌ったことのない曲が始まって、イントロがもう終わって、さあ歌わなきゃ!知らない曲だ!、ってところで目が覚める。
 
高田:あります、あります(笑)
 
H:ある?それに近いよね、そういう初めてやるところって。そしたら…そこもやっぱり、台湾も香港も日本みたいだったね。日本みたいだった、っていうとヘンだけど。
 
高田:(日本と)変わらないっていうことですね。
 
H:これはどういう音楽が行ってもそうなのかな。わかんないけど。まあ、僕は不思議な気持ちでずっといたんだけどね。
 
高田:うんうん。
 
H:で、さすがにロンドンはもうちょっと違うだろうと思ってた。そしたらこれもおんなじだから、たぶん次はアメリカ…行っても同じようにできるかもしれないな、って今、思い始めてる。
 
高田:はい。
 
H:さっきここにMac DeMarcoが来てて、彼はロサンゼルスにいるんだけど。「いつ来るんだ」って言うから、来年行けたら行くよ、って言って。「みんな待ってるよ!」って言われて。何となく大丈夫そうだな、って思って。
 
一同:(笑)
 
高田:細野さん、ロンドンのライブ終わった直後に言ってましたもんね。「もうどこでも大丈夫だ!」って(笑)
 
H:傲慢なこと言ってた(笑)
 
高田:でもなんか、その感じは僕らも…
 
H:みんなもそうでしょ?
 
高田:ヘンにひよって、というか、合わせないでやって大丈夫だ、って思いましたね。
 
H:合わせなきゃ、って思ってたけど、そんな余裕ないじゃない。レパートリーも。で、日本と同じようにやっちゃったよね。それがよかったのかもね。
 
高田:細野さんも途中からMCも、英語だったり日本語だったりミックスしてたけど、でもそれが逆にお客さんクスクス笑ったりとか。その辺も同じでしたよね。
 
H:行く前はね、英語で全部やんなきゃ行けないかなあ、とかね。でもムリだな、と思って。英語でジョークを考えてたりしたんだけど…そんなのムリに決まってるじゃん(笑)
 
一同:(笑)
 
 
H:さあ、ここからは伊賀航ショウかな。
 
一同:(笑)
 
伊賀:こっから…3分しかない…(笑)
 
H:じゃあ、もうちょっと先に延ばすかな(笑)
 
 
 
 
El Negro Zumbon (Anna) - 細野晴臣
 from 『Vu Jà Dé』
 
 

2018.07.22 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

 ライブラリーものという深淵がこちらを見つめている…

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

H:こんばんは。細野晴臣です。えー、久しぶりですね、岡田くん。
 
O:こんばんは、岡田崇、です。
 
H:変わんないね。
 
O:…でしょ?(笑)こないだまでは(鈴木)惣一朗さんがね、ずっと、3週間しゃべってたんで。
 
H:いっぱい、訊かれるよね。なんかいろいろね、うん。
 
O:すごかったですね。
 
H:まあその間僕はちょっと、イギリスに行ってたんですけどね。
 
O:おつかれさまでした。
 
H:いえいえ…
 
O:時差ボケが、まだ?
 
H:もう、ひどいね。何これ?これは病気だよね。
 
O:まあ、日本の気候が、また…
 
H:帰ってきてね、重いんだよ身体が。空気とか。
 
O:んー、やっぱ湿度が…
 
H:湿度の違いって大きいね。
 
O:ホントですよね。ロンドンはカラッカラですか?
 
H:もうカラッカラで、なんて言うんだろう…皮膚から水分が無くなっちゃう、みたいな。
 
O:(笑)
 
H:「気候が人間の性格を作る」って、よくわかるよ。だから。
 
O:日本はジメッと…
 
H:まあ、なんか、引力強い感じはあるね。
 
O:引力…
 
H:引力ってほら、各地で違うんだよね、多少。もちろん高山に行けば軽くなるし。たとえば音楽でもさ、音が地面に吸い込まれる感じしない?
 
O:あー…
 
H:日本で音作ってると、そう思う時があるんだよ。
 
O:なんか、あるのかもしれないですね。
 
H:で、はっぴいえんどの時、ロサンゼルスでレコーディングした時に…カラッカラじゃない、あそこ。音が飛んでくんだよね、まっすぐ、スピーカーから。「これ、引力弱いね」って(笑)
 
O:(笑)
 
H:思ってたんだ。うん。
 
O:でも影響はありますよね、絶対。
 
H:んー、あると思うんだ。
 
O:この湿度が…
 
H:参ったなあ。もうちょっといればよかったな、向こうに。
 
O:(笑)
 
H:えーと…いろいろ楽しいことはいっぱいあったよ。
 
O:そうですか。
 
H:うん…何があったかな、憶えてないけど。
 
O:(笑)
 
H:そうそう、お金落としたんだよね。
 
O:ええ…
 
H:まあ、小銭を替えて持ってたんだけど、足りなくなってまた両替して。1万円ぐらいかな…ごはん食べるのに現金で食べたりするんで。もうあまりにも歩いて、16,000歩ぐらい歩いて。
 
O:うんうん。
 
H:なんでかって言うと、ハロッズ (Harrods)に行ったんだよ。ものすごいね、あそこ。デパート。
 
O:でっかい、ですか?
 
H:迷路みたい。で、ピーターラビットのぬいぐるみ頼まれて…(笑)
 
O:(笑)
 
H:マジメだから僕は…
 
O:探しに行ったんですか(笑)
 
H:買ってかなきゃいけないと思って…あそこにしかないんだよ。そしたらもうブームは去ってて。
 
O:あー、映画がもう終わって…
 
H:店員に訊いてもわかんないんだよね。で、ベテランの女性店員に訊いたらやっとわかって。え、こんなとこに売ってんだ、って思って…で、本物のピーターラビットも置いてあるんだけど、それはマジメすぎてこわいのね。
 
O:あー。
 
H:漫画の、ぬいぐるみがおもしろいんだよね。胸押すとしゃべるし(笑)
 
O:(笑)
 
H:まあ、とにかく疲れて。その後タクシーに乗ってったら、タクシーにお金を落としちゃったのかな。
 
O:あら。
 
H:知らないまま、夜になってレストランに入って。美味しかったんだよ。あれ、お金…(笑)
 
O:(笑)
 
H:で、寄せ集めたらなんとか足りたの。
 
O:よかった…
 
H:足りなかったら一体どうするんだろう。あそこで僕働いて…
 
O:皿洗いから…(笑)
 
H:帰れなくなっちゃう…それもいいなあ。
 
O:(笑)
 
 
H:そんなことを話してると延々としゃべっちゃうんで、音楽聴かせてください。
 
O:じゃあ…最近イギリス製のライブラリーの10インチのレコードが何枚か届いたんですけれども、その中からエリック・ウィンストン(Eric Winstone)という楽団で、"Happy Hippo"です。
 
 
Happy Hippo - Eric Winstone
 
 
H:いいね、ハッピーで。先週はハッピーじゃない音楽をいっぱいかけたんだけど(笑)
 
O:ギャップが。
 
H:うん。やっぱり、いいよね。ハッピーもいいし、アンハッピーもいいですよね、音楽。えー…これ、イギリスのBBCのですかね?
 
O:BBCではないんですけれども、はい。でもBBCもおもしろい電子音楽あったりとか。
 
H:ありますよね。
 
O:いいですよね。
 
 
H:うん。えっと…イギリスの話ね。ブライトンという所は『小さな恋のメロディ(Melody)』でマーク・レスター(Mark Lester)が立ち寄るところなんですよ。
 
O:『さらば青春の光(Quadrophenia)』の舞台、ですよね。
 
H:それもそうだ。それは観てないんですけどね…なかなか、最初着いた時に、なんかあの…街にやんちゃな若者がけっこうウロチョロと…リゾートだからしょうがないんだよね。車の運転が荒っぽくて、ププー!っておどかされたりしてね。印象悪かったの、最初は。ここは磁場が悪いな、って(笑)
 
O:(笑)
 
H:で、ヘンな塔が建ってるんで、そいつの所為じゃないか、って思ったりね。なんか磁場が狂ってる、みたいな。でも、土地にいる人たちはやっぱり素晴らしいよね。
 
O:うんうん。
 
H:なかなか住みやすそうな…まあ観光地ですけどね。海岸縁のテラスでタンゴのダンスやってたりね。いいんだよ、なかなか。日本には無いなこれは。
 
O:無いですね。
 
H:ああやって踊る習慣というのがね、西洋にはありますよね。
 
O:ね。日本だとパラパラとかになっちゃいますから。
 
H:やめてくれ…
 
O:(笑)
 
H:まあ盆踊りぐらいかね。
 
O:そうですね。
 
H:まあそんな中で。ブライトンで公演した後に、若者たちが、男の子たちがね、「ハローミ」って呼ぶわけ。
 
O:(笑)
 
H:で、観に来てて。4,5人…5,6人かな?結構多い。スケートボードやってんだよね。
 
O:へえ。あ、いくつぐらいの…?
 
H:20代中盤かな?
 
O:若いんですね。
 
H:どっから来たのって言ったら、ダブリンとか言ってたから。アイルランドの方だよね。そっからスケートボードでやってきたのかな(笑)
 
O:まさか(笑)
 
H:まさかね…(笑)だから、そういう人も来てるんだ、って思って。で、彼らは"SPORTS MEN"っていう曲が好きで。
 
O:へえ。
 
H:自分たちの映像を作っててそれのバックに、昔作った"SPORTS MEN"を(BGMとして)使ってるんだよ。あれは歌詞がなんか…くるのかね?(笑)
 
O:(笑)
 
 
 
H:まあそんなようなこともあったりね。日本の人も居たし、イギリス人もいっぱい居たし。楽しかったな。また行きたいな。
 
O:みんな待ってるんじゃないですか、向こうで。
 
H:いや、もう飽きたんじゃないかな。1回観れば…
 
O:いやいや…(笑)
 
H:次は違うことやんないと。っていうかもう、変わり目なんですよ、僕。誕生日迎えた後。もう制作期間に入ってるんですよ、今、実は。
 
O:おおっ。
 
H:何にもやってないんですけど(笑)だって7月って大っ嫌いなんだよね、僕。悪いけど。7月に悪いな、ごめんなさい。すみません。
 
O:これからどんどん暑くなるし。
 
H:そう。学生時代は7月の誕生日の頃までずっと、期末試験だった…で、雨がいっぱい降ってたの、当時。まだ梅雨で。
 
O:梅雨ですもんね。
 
H:だから暑さと試験とで滅入ってたんですよね、7月は。その記憶があるんで。なんていう時に生まれたんだろう、と。夏に弱いんだよね、夏生まれが。
 
O:(笑)
 
H:いや、ホントに。まあそんなこんなで、身も心もおじいちゃんになりまして。何がめでたいんだか。えー…まだやりますけどね。
 
O:楽しみです。
 
H:いやいやいや…
 
O:いやいやいや…
 
H:はい。音楽かけましょうかね。
 
O:はい。じゃあ、また…さっきちょっと話に出ましたけど、BBC Radiophonicのジョン・ベイカー(John Baker)という人の曲を聴いてみましょうか。
 
H:はい。
 
O:電子音楽ですが…
 
 
 
Milky Way - John Baker
 
 
H:いい音ですよね。
 
O:ですね。
 
H:もうこういう音はあんまり出ないですね、今は。
 
O:んー。
 
H:なんかやりたくなるんだよなあ。
 
O:ぜし。
 
H:それで思い出したんですけど。
 
O:はい。
 
H:ブライトンだったか、ロンドンだったか…明和電機にいた人がね、あの、裏方でやってた人。電子部門みたいな人が来て。
 
O:はいはい。
 
H:えー、なんだ…レイモンド・スコットの使ってたあのシンセ、なんていうんだっけ?
 
O:シンセだと、クラヴィボックスですか?
 
H:それかな?
 
O:か、エレクトロニウムか。
 
H:どっちかだな。それを再現して作るみたいで。
 
O:んー。
 
H:それのプロジェクトをいまやってるんだ、って言って。なんかいろんな情報をくれて、小っちゃな電子楽器もらったりして。
 
O:へー。
 
H:一緒にね、DEVOの…
 
O:マーク・マザーズボー(Mark Mothersbaugh)。
 
H:が、参加してるみたい。
 
O:はいはい。マークのところに、エレクトロニウムは今、あるんで…
 
H:そうかそうか、それをまた、なんかやるのかしら。
 
O:ウンともスンとも鳴らないらしいです、モータウンで作ってたやつは。
 
H:鳴らないんだ(笑)じゃあそれを再現しようとしてるのかしらね。
 
O:んー…
 
H:あのね、その資料忘れちゃったの、きょう。今度ね。
 
O:今度…ぜし…楽しみに…
 
 
H:話は変わりますけど、こないだミシェル・ルグラン(Michel Legrand)が来てて。
 
O:はいはい、ブルーノートでしたっけ。
 
H:ブルーノートで、トリオでやってたんですよ。で、コメントを頼まれたんでちょっと書いたりしてね。その縁で観に行ったんですけど。初めて僕は観たんですよ。
 
O:あ、そうなんですね。
 
H:元気ですね。86歳だったかな…とにかく、まあ、僕よりおじいちゃんですけど、僕より元気ですね(笑)で、ピアノが上手い!
 
O:んー。
 
H:時々あの、暴走するけど、でも、すごい馴染んでるから。ピアニストなんだよね。非常にこなれてるというかね。でも、時々歌うんだよね。
 
O:あ、そうですか。おー。トリオでしたっけ、今回。
 
H:トリオだね。歌うとね…笑えるんだね、これが(笑)
 
O:(笑)
 
H:失礼ながら…おもしろかった。で、ほとんどジャズだよね。ジャズが好きだねー。で、"ロシュフォール"とか、ああいうヒット曲は最後に…タンゴでやったりね、いろんなスタイルでやってみせるっていう、ショウマン・シップがあるっていう。
 
O:んー。
 
H:その"Paris"っていう曲をかけたいんですよね。
 
O:あ、いいですね。
 
H:ミシェル・ルグラン。これは僕は小学生の時に毎日、毎朝、ラジオで聴いてた。
 
O:口笛の…
 
H:で、それは誰なんだろう、フランシス・ルマルク(Francis Lemarque)じゃない…で、探してくれたのが岡田くんですから(笑)
 
O:(笑)
 
H:えー、ミシェル・ルグランだったんだ!
 
O:意外と探しやすい盤だったっていう…(笑)
 
H:1950年代初期の…まだジャズの片鱗も無い感じのね、ムード音楽の。"A Paris"です。
 
 
A Paris - Michel Legrand & His Orchestra
 
 
H:というわけで…ラジオでは毎朝、前半の口笛とミュゼットの部分しかかからないんですよ。後半がこんなになるとは知らなかった(笑)
 
O:大盛り上がりですね。
 
H:そうですね。えー………もう、話すこと無い、ですね…疲れちゃった。
 
O:そういえば昨日、家の玄関で物音がして。
 
H:おや。
 
O:なんだろうと思って…知らない人が、鍵をガチャガチャ、ずっと。1分以上やって。
 
H:それ酔っ払いでしょ。
 
O:おばちゃんがフロアを間違えたみたいで。
 
H:あ、そっか(笑)
 
O:1分以上ガチャガチャガチャガチャやってて、こわ…って思って。
 
H:出たの?それで。
 
O:いや、放って置いてたんです。そしたら「あー!」って。表札見ておどろいて、別のフロアに行きました(笑)
 
H:それはまあ、しょうがないよね。
 
O:何だろうって思って。
 
H:それは猫もそうだもん。マンションで飼ってる猫が玄関から出ちゃうじゃない、そうするとパニックになって帰れないわけ。
 
O:うんうん。
 
H:で、(玄関の見た目が)全部おんなじじゃない。違う階のおんなじ所に行って、なんか大変なことになってるっていうね。
 
O:(笑)
 
H:前、僕もそういう事あったよ。僕は鍵かけてなかったんだけど、若者が入ってきちゃったの。酔っ払って(笑)で、なかなか帰んないんだ。
 
O:え、帰んない?
 
H:なんか居座っちゃうんだよ。しょうがないから引っ張り出して、説教して、追い返したの。そしたら携帯を落としていって、後で届けたんだよ。
 
O:親切…(笑)
 
H:いや、ほんっとにね。守らないと、身を守んないと、何が起こるか…僕は1曲かけたんで、じゃあ、もう1曲かけるかな…何がある?そっちは。
 
O:あ、じゃあ、アンブローゾ・オーケストラ(Ambrose Orchestra)をかけようかな。
 
H:はいはい。
 
O:じゃあまたイギリスですけど、1936年の録音で、"Creole Lady"という曲です。
  
 
Creole Lady - Ambrose and His Orchestra
 
 
H:カリプソのリズムですね。
 
O:そうですね。
 
H:イギリスが続くね。
 
O:なんとなく…(細野さんが)ロンドン帰りだったので。
 
H:ありがとうございます。
 
O:(笑)
 
 
H:えーとね…じゃあロンドンの話をもうひとつ。
 
O:はい。
 
H:市内に公園があるでしょ。ハイドパーク(Hyde Park)って言われてて。ニューヨークとおんなじような名前の。
 
O:はいはい。
 
H:その中にケンジントン・ガーデン(Kensington Gardens)っていう、これがまたすごい広いんだけど。あの、大きな都市があの大きな公園があるってすごいなって思って。
 
O:うんうん。
 
H:そこにはね、カモやリスがいるという。で、リスが…かわいいんだよ。出てくんだよ。人慣れしてるのかね。
 
O:リスかわいいですよね。アメリカの公園とかにもよくいる。
 
H:でも、リスが恐い人もいるのね。エサを漁りに来たりする…でもかわいかった。で、そこをあるくと、もう延々と歩くんで、大変なことになるんだけど。
 
O:(笑)
 
H:まあ、緑が多いね、ロンドンは。ビックリしたね、改めて。何度も行ってるのに、初めてそう思った。で、なんか街がいいじゃん。地震が無い国なんで。レンガ造りで。
 
O:そうですね。
 
H:ああいうレンガ造りの古い…みんな煙突があるんだよね。
 
O:んー。
 
H:今は使ってないような感じだけどね。煙突がいいなあ、と思ってね。みんなおんなじような形の煙突で。あんな建物が1軒、東京にあるだけで「オッシャレ~♪」ということになるんだろうけど。
 
O:(笑)
 
H:全部があれだからね。やっぱり違うね、都市って。んー。
 
O:日本はどんどん変わっていっちゃいますからね。
 
H:だから日本の良さって、まだほら、混沌とした下町とかね、いいじゃん。ああいう所が観光客に人気あるじゃん。自分だって観光客気分で、ああいう所好きだからね。そういうの整理しちゃうと…
 
O:ねー。
 
H:魅力無くなっちゃうね、なんにも。んー。ツルンツルンの都市じゃあね。なんとかしてくださいよ、っていう。見てるしかないんだからね。
 
O:んー。
 
 
H:そんなわけで…東京つかれた、っていう特集でした。最後に1曲ね。じゃあ、東京じゃなきゃどこだ、っていうんで、さっきはパリかけましたけど、もう1回パリかけちゃおうかな(笑)
 
O:(笑)
 
H:フランシス・ルマルクのオリジナルで聴いてください、"A Paris"。それではまた来週~。
 
 
A Paris - Francis Lemarque