2018.08.26 Inter FM「Daisy Holiday!」より
ぐうたらバンザイ!
H:こんばんは。…(咳払い)こんばんは。細野晴臣です。ちょっと喉が…おかしいんで。岡田くんどうも~
O:こんばんは、岡田崇です。
H:いやー、やっと涼しくなったね。
O:ようやくですね…なんだったんでしょう、7月、8月。
H:世界中がね、すごかったんだよね。目を見張る、出来事がいっぱいあったよね。世界では。洪水とかね。がけ崩れ、山火事、噴火。
O:橋が落ちたり。
O:そうですね。
H:んー。まあ、無事でいられてるよね、いまのところ。
O:なんとか…
H:えー、それで…やっと涼しくなったんで、自分の作業を始め…遅れてるんだよ、すごい(笑)あの暑さではできないよ。
O:ですよね(笑)
H:できない。やってる人、いるんだろうけど(笑)なんかやってた?
O:いや。ぐうたらしてました。
H:やってないんだ。まあね、それが自然だよ。じゃあ、なんか、かけてくださいよ。
O:お。
H:古い音楽担当。僕はきょう、ちょっと新しい音楽担当で。
O:じゃあですね、"Home Cookin'"って曲があるじゃないですか。
H:もう、いつかやりたい曲なんだけどね。なかなかできない。
H:うん。
O:ホームページ(http://livingstonandevans.com/home-cookin/)がありまして、そこになんと、デモというのが…
H:デモ?そんなのがあるの…
O:こっそり(笑)
H:こっそりね。
O:かけまーす。
Home Cookin' (DEMO) - Jay Livingston
H:いやー、完成されてるね。いやいや…いい曲だ。
O:ぜひ(笑)
H:歌ってる人は誰?これ。 本人か。
O:本人…なのかな、とは思ってるんですけどね。
H:なかなかいい、味ですよね。
O:作曲家の歌っていいですよね。
H:いいね。もう完全になんか…原型が出来てるもんね。んー、いい曲だ…これはなんでいい曲だと思うんだろう(笑)
O:(笑)
H:うーん、なんだろうね。違うんだよ、他の曲と。んー、不思議…
じゃあね…新しいのかけにくいなあ、なんか(笑)
O:いやいやいや(笑)
H:つながるかな…じゃあね、言い訳をしながら聴こうかな。この暑い夏は…なんだか知らないけど、僕は黒澤明の映画を部屋で観てたの。
O:うんうん。
H:前にもいっぱい観てるんだけど、また観なおして。やっぱりすごいなあ、とかね。『七人の侍』とか観てたら…あの音楽とかは最近なんかで使われたよね。あっ、『犬ヶ島(Isle of Dogs)』だ。アニメの。
O:あー。
H:あれに使われてたんで、それでちょっと聴きたくなったっていうんで探してたら…日本のスカバンドというか、ロックステディ・スタイルなんだけど。
O:はいはい。
O:(笑)どうしよう。じゃあですね…
H:つなげて。
O:ディミトリ・ティオムキン(Dimitri Tiomkin)のサントラから。
H:つなぐねぇ。
O:じゃあですね、これは『北京の55日(55 Days at Peking)』という映画のタイトルなんですけど、"So Little Time"という曲を。
So Little Time - Dimitri Tiomkin
H:あの、このギターのチャカッていうのがリズムと合ってないのがすごい気になるんだけど(笑)
O:(笑)
H:テープエコーかな、あれは。
O:ですかね。1963年の録音ですね。これは。
H:スピードがね、合わないんだよね。なかなか(笑)
えー…これはつながるかな…つなげらんないかもなあ。ちょっと待ってね。えーとね…映画続きだな、これは。ちょっと古くなりますけど、『Shape of Water』、あの中で結構いい音楽がかかってたんだけど。前かけたかな?これ。マデリン・ペルー(Madeleine Peyroux)のちょっとシャンソンっぽいフランス語の曲で、"La Javanaise"。
La Javanaise - Madeleine Peyroux
H:どうでしょう。
O:いいですね。
H:…落ち着いてるね(笑)出掛けに最近の新譜をいっぱい聴いてきたんですけど、国内外問わず。
O:どうでした?
H:落ち着いたものが一個もないんだよ(笑)年寄りにはちょっとね…ムリがあるっていうかね。自分には関係ねぇかな、っていう(笑)
O:(笑)
H:あらゆることが関係無いんだけどね。向こうから関係無いって言われてるんだけどね、こっちじゃなくて。「アンタ関係無いよ」って言われてる(笑)居場所が無くて…なんかかけて。
O:お、じゃあですね…また、サントラで。
H:映画続きだね。
O:ウラジミール・コスマ(Vladimir Cosma)という人で『ぐうたらバンザイ(Alexandre le bienheureux)』という映画の…
H:ヒエー。
H:なるほどね…のんびりしちゃうね(笑)「こんな曲ができました」って言って(僕が)これを発表したらどう思うんだろう、みんな(笑)
O:(笑)
H:さて、どうしようかな…(笑)映画から離れていいかな。
O:もちろんです。
H:すごい感慨深かった出来事っていうのが、やっぱりアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)が…
O:あー、亡くなりましたね…
H:78歳で。お世話になりました。本当に。20代の頃ね。もう、すべてのヒット曲が素晴らしかった。じゃあね…絶対これは(他では)かからないような…アレサ・フランクリンの初期の…たぶんCBSというかColumbiaかな。Atlanticの前に作っていたような。ちょっと変わってる、まだ本領発揮してない時代の…『Essential Classic』というアルバムに入ってるんですけど、"Won't Be Long"。
H:いやー、このアレンジというか、バッキングがAtlanticとは全然違う(笑)
O:んー、20歳か…
H:えーっと…これにつなげてなにか(笑)
O:お、お、お…最後ですね。
H:最後の曲だよ。
O:じゃあですね、ケニー・ランキン(Kenny Rankin)かけていいですか?
H:好きだねえ、いいよ(笑)
O:最近ですね、ようやくCDが出たんですよ。去年LPだけ出て。海外、ヨーロッパで各国版…フランス語で歌ったりとか、いろいろあったんで、その辺も入れてCDを出そうっていう話をしてて。
H:あ、そうか。
O:それがようやく、先月かな。
H:日本盤で?
O:日本盤で。長門(芳郎)さんの監修で出ましたので。
H:素晴らしい。
O:その中から、"In The Name Of Love"を。
H:では、これを聴きながら…また来週。