2019.09.08 Inter FM「Daisy Holiday!」より
H:こんばんは。細野晴臣です。さぁて、きょうは…どういうことになるかね(笑)来てくれてるのは…
O:こんばんは、岡田崇です。
H:えーとね…後で紹介してね、隣にいる少年をね(笑)
O:(笑)
H:どうですか、夏は。
O:いやー、暑かった…ようやく落ち着いてきた感じがしますが。
H:もうね、僕はもう、ホントに負けたんだよね、暑さに。いろんなことに負けてんだけど…ぜんぶに負けたかな。もうなんにも勝たないね。
O:(笑)
H:えー…じゃあさ、隣の人、紹介して。
O:隣にいるのは、「恐るべし10代」。
?:いやいや…(笑)
H:(笑)
O:15歳のキーポンくん(KEEPON)です。
キ:こんばんは。初めまして。
H:来たねー、キーポン。
キ:来ました。僕も暑さにやられました。
H:ホント?いちばん若いのに(笑)
O:じゃあ同じだ(笑)
H:えーと…先週の放送、聴いたの?
キ:先週は聴きました。
H:ちょっと上の先輩が出てたでしょ?
キ:そうですね、僕で言うと「ちょっと先輩」ぐらいですよね。
H:ちょっと先輩(笑)でも、みんな10代だよね。いまいくつ?
キ:僕はいま15歳、ちょうどこの収録から1週間後で16歳になっちゃうんですけど。ギリ、フィフティーンで…
H:あ、そう。しっかりしてるね。
O:(笑)
キ:いえいえ…こう見えてダメダメです。
O:この中でいちばんしっかりしている(笑)
H:しっかりしてるよね。じゃあ、ちょっと、進行をお願いしようかな(笑)
O:じゃあ、キーポンくんの司会で…(笑)
キ:あ…えー、僕が司会ですか(笑)えーと、これはもう、曲に行っちゃっていい感じですかね?
H:いいよ。もう紹介しよう。
O:自己紹介がてら…
キ:じゃあ、えーと…僕はひとりで、多重録音で曲を作ってるんですけども。大好きなニュー・オーリンズ形式を基調とした、僕の4thアルバムが7/12に出まして。
H:しっかりしてるね(笑)
キ:そこから1曲をおかけしたいと思います。
H:ぜひぜひ。
キ:じゃあ、曲は…9曲目の"なんてすてきな日"って曲を、お願いします。
H:ちなみにアルバムは、「真夜中の…」
O:『真夜中ボーイ』。
キ:あ、そうでした、タイトルを忘れてました。『真夜中ボーイ』っていうアルバムから、"なんてすてきな日"。お聴きください。
なんてすてきな日 - KEEPON
(from『真夜中ボーイ』)
H:なるほどね。これは自宅で…ドラムも自分でやってるんでしょ?
キ:そうです。ドラムから歌までぜんぶ…はい。
H:なかなか良い音作ってるなぁ。
キ:ホントですか。
H:1枚目より良くなったね。
キ:はい!ちなみにきょう、1枚目、2枚目、3枚目もお渡ししたいと思って持ってきたんです(笑)
H:あ、ホント?そんなに出してるの?(笑)
キ:以前細野さんにお渡ししたときは自分で糊づけしてたやつだったんですよ。
H:あ、そうだったよね。
キ:それで、正式に印刷版ができたんで、よかったら聴いてください。
H:じゃあ、ありがとう。あ、ホントだ。
キ:今回、『真夜中ボーイ』っていうアルバムを出したんですけど、それにあたっていちばん大変だったのが、音像をきちんと作るっていうことが…
H:音像ね。できてる、できてる。
キ:え!それは、もう…
O:よかったね。
H:ずいぶん進歩したよね。1年で。
キ:いやー、それもなにも、細野さんのおかげですよ、ホントに。
H:いやいやいや…でも、「恐るべし」だね。たしかに(笑)
O:うん(笑)
キ:いやー…
H:どういう音楽環境で育ったの?きょう、お父さんといっしょに来たでしょ?
キ:はい(笑)
H:お父さんの影響はあるわけ?
キ:お父さんの影響は…僕が言うとちょっと悲しいかもしれないんですけど、まったく無いです!(笑)
O:無いんだ(笑)
H:無い…(笑)
キ:ごめんねお父さん。
H:いや、でも…こないだ、先週来た音くん(福原音)もそう言ってたしね。
キ:あー、ホントですか!やっぱりそういうところから生まれてくると…
H:突然変異なのかね、なんなんだろう。いつからこういう音楽…たとえばニュー・オーリンズなんて、いつから?
キ:ニュー・オーリンズは…もちろん細野さんの音楽であったり、はっぴいえんどに出会ってからなんですけど。元々音楽を聴きはじめたのは、教育番組で、Eテレの『クインテット』っていう番組がありまして。宮川泰さんの息子さんの宮川彬良さんがやってる番組で。
H:なるほど!おもしろいもんね。
キ:で、なぜか子ども向けなのにものすごいシブいクラシックとかをやったりするんですよ。まあ、パペット人形劇なんですけど、それが大好きで。
H:いやー、あれはおもしろいだろうね。んー。
キ:で、そのパペットの中にトランペットを吹くキャラクター(シャープ)がいるんですけど、そのパペットがあこがれで、自分も「トランペット吹きたい!」って言うようになったみたいで。で、3歳の頃に初めて手にした楽器がトランペットだったんですよ。
H:お父さんに買ってもらったの?
キ:はい。
O:(笑)
H:お父さんにいろいろ訊きたくなってきたな(笑)
キ:(笑)で、いろいろ、手当たりしだいで…そうですね、いちばん最初の頃の音楽との出会いはクラシックだったんですけど。トランペットでクラシック吹いたりしてて。でも別に、どこか、塾みたいなところに行ってるわけでもなく。
H:うんうん。吹けたんだね?
キ:はい。なんか、ホントにのびのびと見守っててくれたんで…(笑)
H:それがなんでニュー・オーリンズに…(笑)
O:(笑)
キ:そのままトランペットでサッチモ(Louis Armstrong)のほうに行ったり…とかではないんですよ(笑)
H:じゃないんだね(笑)
キ:たぶん、それだけだったらこんなにいろいろ聴けてないと思うんですけど。
H:んー。
キ:なんか…クラシック音楽から次に、もうワンステップ進んだのが、なによりビートルズ。
H:あー、ビートルズなんだ。
キ:5歳の頃…だっけなぁ…
H:早ぇな(笑)
O:クラシック時代は2年なんだね。3歳、4歳…
キ:[クラシックは]なんとなく、根底にある感じですね。自分の中でも。なのでポール・マッカートニーの曲とかも、ものすごくすんなり入ってきて。
H:んー。
キ:それで、なによりも今に通じてる部分が、やっぱり「きれいな曲」が好きなんですよね。ロックにしろ、どんだけハードな曲にしろ、聴き心地が良い曲が好きで。
H:なるほど。
キ:で、自分が好きじゃないなって思う曲は…どれだけ静かな曲でも好きじゃなかったりします(笑)
O:(笑)
H:はっきりしてるよな(笑)
キ:で、そこからビートルズ一本の小学生時代がはじまるんですけど…
H:へぇ、ビートルズからはじまったんだね。なるほど。
キ:はい。で、もう、本当に…これ、自分で言うのも畏れ多いんですけど、「これ以上ビートルズを知ってどうするんだ」っていうときが急に来たんですよ。
H:いくつのとき?(笑)
キ:それが小学校6年ぐらいで…
H:(笑)
キ:6年を通して足元から喉元までビートルズでいっぱいになっちゃって。なんかもう、はやく吐き出したかったみたいなんですよね。それで、作曲をはじめるんですよ。
H:んー。モーツァルトみたいだね。
キ:え、そうなんですか?
H:いや、ぜんぜん違うけど(笑)
キ:(笑)それで…毎回、ここを話すとすごい長くなっちゃうんですけど…作曲するときに、いままで聴いて育ってきたのはやっぱりビートルズだったり、洋楽の…洋モノばっかりだったんで。頭の中にはメロディーだったり…ビートルズそっくりのものがいっぱい浮かぶんですよ。
H:あー、わかるわ。うん。
キ:で、そもそもはビートルズみたいなものを自分なりに、今の時代に表現していきたい、っていうつもりで作曲をはじめたんですよ。
H:んー。
キ:で、そこで躓いたのが作詞について、なんですけど。
H:…そのときに会ったことある(笑)作詞について訊かれたことがある。
キ:あー、それは細野さんと僕が初めて…
H:そう、初めて会ったときだ。
O:野上さん(野上眞宏)の写真展ですよね。
H:そうか。
キ:日本語の載っけ方とか、まったくの手当たり次第でやってたんで。で、1作目を作ったときの音源はホントに…自分のオリジナルでの日本語、なんですよ。
H:うん。
キ:なのでいま聴いても聴き心地が悪いというか、噛み合わせが悪い感じなんですけど…どうしても汗かいてきちゃう、みたいな。そういう音源なんですけど…
H:(笑)
キ:もともと僕は英語で作ろうと思ってた時期があって。ビートルズみたいな曲をやろうとすると、どんなにデタラメでも英語の響きだけが頭の中に浮かんできて。もともと、ビートルズの歌詞の意味とかはあんまり考えずに、響きで捉えてたんで。
H:おんなじだ。
キ:やっぱそこ、同じですか?
H:はい。
キ:で、そうやって英語で作ってみたんですけど…その音源も一部は僕のパソコンの中に残ってて、いま絶対に聴きたくない音源…(笑)
O:(笑)
キ:なんか、英語で歌ったは歌ったものの…ものすごい、自分で思ってた通りの響きの曲は作れたんですけど、歌ってて、まるで他人の曲を歌っているような気持ちになるんですよ。
H:まあね、んー。
キ:で、そこでやっぱり、自分は日本人なんだな、って。
H:それはいくつのとき?(笑)
キ:これは中学校1年で…
H:気が付くのが早すぎる(笑)
キ:いやいや…(笑)学校がちょうど、インフルエンザとかでお休み[休校]になってる期間で…そこら辺で一気に自分で曲を作りましたね。
H:はい。そこからなんでニュー・オーリンズに行ったの?(笑)
キ:(笑)すみません、これ、簡潔に言うのがものすごい大変で…
H:長いんだろうね。
キ:いまちょうど、パート2に入ろうとしているところです。
O:(爆笑)
H;あ、そう(笑)じゃあね、そのニュー・オーリンズってタイトル付いてる曲、聴こうか。
キ:あ、いいですか!じゃあ、同じく『真夜中ボーイ』から、"ニューオーリンズにいこう"という曲を聴いてもらいたいと思います。
H:なんか長そうだね、ニュー・オーリンズに行くまで…(笑)
キ:(笑)
ニューオーリンズにいこう - KEEPON
(from『真夜中ボーイ』)
H:ニュー・オーリンズ行ったことあるの?
キ:無いです。
H:(笑)
キ:ガンボも食べたことないです。
H:ないか(笑)
O:(笑)
H:いやね、ずっとこの『真夜中ボーイ』を聴いてると、大瀧詠一の生まれ変わりかな、と思っちゃうんだよね。僕はね。それ言われるのイヤでしょ?どうなの?
キ:けっこう…どうですかね。去年、大瀧詠一さんのトリビュート・アルバム(『GO! GO! ARAGAIN』)に出させて頂いて。
H:はいはい。
キ:で、大瀧さん…あー、いま「イヤでしょ?」って細野さんから言われるのも、ものすごい不思議な気分なんですけど…(笑)
H:そうかそうか(笑)
O:(笑)
キ:まあ、そうですね、僕はキーポンで在りたいですね。
H:まあね、先は長いから。そうなると思うけど。
キ:でも、「大瀧詠一みたいだ」って言われるのは、正直にうれしい部分もあります。素直に。
H:だからね、前のときと歌が変わってきたじゃない。
キ:はい。
H:声が似てるんだね。
キ:(笑)いろんなアーティストの曲を聴いてきたんですけど、大瀧さんの歌って僕の声質によく合うんですよね。
H:合ってるね。
キ:Low-Middleというか。僕、学校でのテンションもLow-Middleなんで…(笑)Low-Middleがちょうど合うんですよね。
H:なるほど。
キ:で、このアルバム作る前はまだ変声期前だったんで。
H:あ、もう変声期は終わってるよね?
キ:終わってます。
H:んー、じゃあ、大丈夫だ(笑)
キ:それまではビートルズとかも聴いてて、ジョン・レノンだったりポールだったり、わりと高らかに…シャウトするほうを得意としてたんですけど。あるとき、あ、自分けっこう声低いんだな、ってことに気づいて…
H:低かぁないけどね…
O:(笑)
キ:だから、最初は細野さんの素敵な低音の声を聴いて、うらやましいな、ってあこがれてたのが、いつの間にか出るようになっちゃった、っていうのもけっこう最近…
H:ホントかね?(笑)
キ:はい(笑)
H:だから、時々かけてたんだけど…なんだっけな、"朝も早よから1番線"って、"CHOO-CHOO ガタゴト"みたいな曲が…(笑)
キ:(笑)
H:僕の曲で大瀧が歌ってるようなイメージなんだよ。僕が聴くとね。不思議な気持ちになるんだよね。
キ:あー…(笑)実際にそうやって作られた曲ってあんまり無いですよね。
H:無いんだよ。でも、いまね、すごく意識しだしてんのよ。
キ:あ、そうだんですか!
H:大瀧くんが生きていればいっしょにまたやりたいな、って思うわけだよね。いないから。で、いたら[キーポンくんは]会いに行ったじゃん。しょうがないからここに来てる…(笑)
キ:いやいや!そんなことないです(笑)
H:あ、そっか(笑)でもね、生まれ変わり、っていうのがあるんだな。
キ:んー、あるんですかね?
H:あの…大瀧くんが亡くなったときにはもういる[生まれている]んでしょ?
キ:はい。
H:(笑)
キ:でも、その頃はぜんぜん、はっぴいえんどとか…畏れ多いんですけど、知らなくて。
O:何年前なんだっけ?はっぴいえんどを聴いたのは。
キ:はっぴいえんどを初めて聴いたのはそれこそさっき言った…中学校1年のときに作曲をはじめまして。
H:うんうん。
キ:で、一応、自分の手当たりしだいで日本語で作った1stアルバム…『Keepon Draw Four』っていうアルバムなんですけど。あれを音楽好きの…とは言っても50代くらいの方なんですけど。その方に聴かせたら、「これははっぴいえんどみたいだ!」ということを言われて。
H:そうなんだ。んー。
キ:で、[はっぴいえんどを]まったく意識をしていなかったにもかかわらずそう言われた、っていうのが気になってしょうがなくなって。で、その晩にYouTubeではっぴいえんどを検索して…それで聴けちゃうっていう時代もなかなかすごいな、と思うんですけど(笑)聴いた瞬間に、ビートルズ以来の衝撃が起こりました。
H:そっか。なるほど…やっと辿りついたな、はっぴいえんどに(笑)
O:(笑)
キ:で、そこでニュー・オーリンズに…っていうか、はっぴいえんどが突破口になって、そこからいろんな音楽を知りだした感じですね。
H:んー…いやー、大瀧に聴かせたいなぁ。なんて言うかな、と思ってね。んー。だから、先週出た音くんは僕の生まれ変わりなんだよ。
キ:んー…
H:不思議でしょうがないんだよ(笑)
O:おもしろかったですね(笑)
キ:僕もちょっと、細野さんに生まれ変わりたいです。
H:みんな生まれ変わり…まだ生きてるんだけどね(笑)で、音くんはウナ・メイ・カーライル(Una Mae Carlisle)を聴いてたって、僕はもうビックリして。今回はまた、違う種類の驚きがあるよね、キーポンくんはね(笑)なんだか不思議な気持ちになる、っていうね。岡田くんはどう思うの?
O:いや、感心しきりというか…去年、初めてCD-R頂いて、ビックリしちゃって。これをぜんぶ多重録音で、演出までしてるっていう、ことじゃないですか。彼の音楽の…
H:世界観を作ってる。
O:それがすごいなぁ、と思って。ただ楽器ができるとかね、そういう人は多そうだけど。
H:子どもじゃないんだよね。なにこれ?あの、ほら、卓球の選手みたい(笑)スーパーアスリート。
キ:この前もあれですよね、「オリンピック出れる」ってことを言ってくださいましたよね。
H:出れるよ。
キ:出れますかね?
H:そういう種目ある?
O:(笑)
H:いやー、だから…最近、ダンスも上手いじゃん、子どもたちが。ヒップホップ系だけどね。そういう世代が…へんてこりんな世代に…
O:ちょっと新しいところに入ってきてますよね。
H:入ってきたよね。それが驚きだよ。
キ:いやー…そうですかね?自分ではあまり実感がない…
H:でしょうね。
キ:でも、それもなにも、細野さんたちの音楽を聴いてるからこそ育ってきたんだな、って自分では思うんですけど。
H:(笑)ただ、普通は聴いてないんだよね。子どもたちは。
キ:そうですか?
H:聴かない、聴かない。聴いてるっていうのがちょっと驚きだよね。まあ、でも、これから長いよ。
キ:長いですかね。
H:長いよ。いま完成しないほうがいいよ(笑)
キ:(笑)
H:僕、まだ、70で完成してない…72か、ごめん、73かな?72だ(笑)
O:(笑)
H:それじゃあね、僕に聴かせたい曲ってなんか持ってきてくれてるんでしょ?
キ:あ!そうです。
H:それ聴いてみたいんだよね。
キ:じゃあ、どうしようかな…今回、いろいろ選ぶにあたって、本っ当に、自分のレコード棚で一晩更かしたみたいな感じで…(笑)
H:(笑)
キ:細野さんに聴かせる、っていうか、細野さんといっしょに聴ける、ってなると…しかも、数曲って言われてたんで。
H:なんだろうね…
キ:こんなに自分とレコード棚が向き合ったことないです、本当に。
O:(笑)
H:(笑)
キ:で、一晩にらめっこして、結局、6曲にしぼったんですけど。
H:おお…
キ:で、今回、自分の棚からレコードも持ってきました。
H:お、なんだろう。ちょっと見せてもらっていい?
キ:はい、いいですよ。
H:よいしょ…えーと、なになに…んー、なるほど。おお…懐かしいっすね。ひぇ…お、なんだこれ、ライ・クーダー(Ry Cooder)が入ってて、ジミー・ロジャース(Jimmie Rogers)と…どれがいいかね。
キ:どうしよっかな…じゃあ…参ったなぁ…
O:(笑)
H:なんか選んでくれないと。
キ:はじまんないですよね、どうしよう…
H:でれでもいいよ、大丈夫だよ。
キ:じゃあ、最初に"なんてすてきな日"っていうポップな曲をかけたんで、自分の…まあ、ロックももちろんなんですけど、基本的にヒット曲が僕、大好きなんで…かといって自分でヒットを作れる気はしないんですけど…
H:(笑)
キ:じゃあ、そういったポップなナンバーで、僕の大好きなレスリー・ゴーア(Lesley Gore)の…
H:やっぱりね。
キ:"Maybe I Know"をかけたいと思います。
Maybe I Know - Lesley Gore
H:いやいや…僕がこれ聴いてたのは中学1年くらいだね、やっぱり。
キ:あー、僕と同じぐらいですね(笑)
H:ヘンだよね(笑)なんだこれは?(笑)でも、当時聴いてた音楽とかも昨日聴いたような感じなんだよね。ぜんぜん古くならないよね。
キ:んー。
H:だからレスリー・ゴーアはずっと生きてるし…カヴァーしてる人多いけどね、いま。
キ:たぶん、聴いたときの感覚も細野さんとおんなじ感じなんですかね?
H:同じなんじゃない?僕が中学のときに、ラジオ聴いて、こういうのいっぱい聴いてね。居ても立っても居られない感じがあるわけ(笑)
キ:わかります、わかります。
H:そんな感じなんだ。
キ:ワクワクするんですよ。ひとりで部屋で、ワクワクしちゃうんですよね。
H:そうそう。ブライアン・ウィルソンも[ロネッツの]"Be My Baby"を車で聴いて、うわ!と思って飛び出した、って言ってたね(笑)
キ:(笑)
H:そういうもんなんだよ、ポップスってね。
キ:あー、そうなんですね。
H:そこまで行かないとね。
キ:これ、あと余談なんですけど。
H:余談。
キ:僕はけっこう余談が多いって言われちゃうんですけど…(笑)さっきもオリンピックって話したんですけど、来年[東京で]オリンピック第2回目が開催されるじゃないですか。
H:そうね。
キ:そのとき[第1回の当時]、細野さんって…
H:高1かな。
キ:高1ですか。僕とあんまり変わらないんですね。
H:そうだよ、おんなじ。だから、同世代だよ、僕たちは(笑)
キ:(笑)
H:ヘンな感じだ(笑)そうだよ、オリンピック、来年でしょ。ちょうどそのくらいだよ。来年、高校生?
キ:次で高2ですね。
H:高2か。じゃあおんなじぐらいだ。なんだろう…
キ:不思議な感じが…
H:これ、なんなんだろう…この続きは来週だね。
キ:そうですね。
H:またね。
キ:はい。ありがとうございました。