2019.06.30 Inter FM「Daisy Holiday!」より
H:こんばんは。細野晴臣です。えーとですね、先週は…寝過ごしちゃいまして。時差ボケがホントにひどくて。お願いしますね、お2人ともね。
O:こんばんは、岡田崇です。
佑果:こんばんは、水原佑果です。
H:先週、ごめんね。
O:いえいえ…(笑)
佑果:楽しかったです(笑)
O:まさかの…(笑)
H:まあ、時々あるよね、こういうことはね。でも、2人だけで十分じゃん。
2人:いやいやいやいや…(笑)
O:お願いしますよ…(笑)
佑果:お願いします…(笑)
H:音楽の趣味、合うんじゃない?ジャン・ジャック・ペリー(Jean-Jacques Perrey)とかね。
O:うん。
佑果:ジャン・ジャック・ペリー!ドンピシャですね、私…はい。
H:じゃあね、きょうはね…ずーっと、この1週間以上考えてたんだけど、やっぱりドクター・ジョン(Dr. John)の話でもしようかな。亡くなってしまいまして。
佑果:残念ですね…
H:ちょうど、アメリカから帰る飛行機の中は6月6日だったんだよね。
O:おお…
H:だから、6日は飛行機の時間で、何もなかったの、こっちは。失っちゃった時間か。その間にドクター・ジョンが亡くなっちゃったんだな。6日。
佑果:タイミングが…
O:知ったのはどこだったんですか?アメリカで知ったんですか?
H:いやいや、[日本に]帰ってきて、すぐ。うん。で…5日にロサンゼルスにいたじゃない?まだね。
佑果:はい。
H:そのときに、ロサンゼルスにいる鹿野洋平くんっていう人と…ダイナーに連れてってもらったりしてね。車で音楽をいっぱいかけてくれるんで…ドクター・ジョンがかかって。"Iko Iko"かな。
O:うん。
H:「そういえばドクター・ジョンさんはなにしてるんでしょうね?」っていう話になったんだよね。んー、最近聞かないね、って話してたの。で、帰ってきて、そういうことで。ビックリしちゃって。
佑果:んー…
H:どうなの?あのね、遺作があるらしいね。
O:ね、去年の末に出来上がってたっていう話ですよね。
H:それがこれから出るんだね。それはちょっと聴きたいな。
O:楽しみですね。
Dr. John knew the end was near. He recorded one final album with new originals, country-tinged covers and reworked classics. It highlights the deceased Hall of Famer’s final, as-yet-unreleased album featuring @WillieNelson, @AaronNeville, @RickieLeeJones https://t.co/C7Ib5UoO8N pic.twitter.com/KRas8MW8oi
— WWOZ 90.7 FM (@wwoz_neworleans) 2019年6月11日
H:岡田くんは、ドクター・ジョンといえば何でしょう。
O:ドクター・ジョンといえば。まあ、『ガンボ(Dr.John's Gumbo)』…
H:『ガンボ』だね。
O:ですね、やっぱり。でも、『グリ・グリ(Gris-Gris)』も好きですよ。
H:うん。『グリ・グリ』も良い。
佑果:チェックしなきゃ…
O:でも、今のところ最後の…『Locked Down』でしたっけ。2012年ぐらいかな。あれもけっこう…
H:うん。そっか、それちょっと聴かしてもらおうかな。
O:じゃあ…タイトル曲の"Locked Down"。
Locked Down - Dr. John
(from 『Locked Down』)
H:"Big Chief"…じゃなくて…ちょっと寝ぼけてるね、僕(笑)
O:(笑)
H:ドクター・ジョンの…なんて曲でしたっけ?(笑)
O:"Locked Down"。
H:"Locked Down"だ。
佑果:初めて聴きました。カッコいいですね…
H:いつも、ずーっとこんな感じだよね。昔からね。
O:わりとこのアルバムでニュー・オーリンズに帰ってきたっていうか…まあ、"Makin' Whoopee"とか。スタンダードのカヴァーをよくやってたりとか。
H:やってたね。
O:そういう時期があって。
H:僕が初めて会ったのは、YMOの頃にニュー・ヨーク…違うよ、ロサンゼルスだ。Greek Theaterっていうところに出たのがデビューで。そのとき、アメリカ版のミックスをした関係で、トミー・リピューマさん(Tommy Lipuma)さん…プロデューサー。その自宅に招かれて、で、パーティーをやってた。
佑果:えー。どんなパーティーだったんですか?
H:いや、静かな…(笑)ティーパーティーみたいな。そこに、同じレーベルで、ニュー・オーリンズから移動してきたドクター・ジョンも来たんだよね。
佑果:なるほど。
H:ホライゾン(Horizon Records)っていう。フュージョンのレーベルなんで、居心地がどうだったのかね(笑)
O:(笑)
佑果:フュージョンか…
O:ちょうど、なんか…[音楽性が]ちょっと変わっちゃった頃ですよね。
H:そう。なんか悩んでたんだね、実は。で、ドクター・ジョンはそのときが初めての面識だったけど、ロニー・バロン(Ronnie Barron)[のプロデュース]やってたじゃない、僕。
O:はい。そうですね。
H:で、ロニー・バロンっていう人はドクター・ジョンの弟分で…まあ、すごい声と、ピアノも上手いという。
O:もともとロニー・バロンが「Dr. John」になりそうだったんですよね。
H:そうだね(笑)すごい似てるんだよ。
O:[ロニー・バロンは]断ったっていう(笑)
佑果:なるほど…
H:ロニー・バロンのソロを僕…どういう縁かわかんないけど、東京で作ったから。
O:久保田さん(久保田麻琴)の流れじゃないですか?
H:そう、久保田くんと…まあ、いろんなことがあって。ハワイでレコーディングしたときに、ロニー・バロンを呼んだんだね。夕焼け楽団の頃かな?
O:そうです。『DIXIE FEVER』ともう1枚…『ハワイ・チャンプルー』かな?
[*ロニー・バロンは『ハワイ・チャンプルー』(1975)には不参加…おそらく『ラッキー・オールド・サン』(1977)のこと。]
H:で、僕はプロデューサーだったんで、空港に迎えに行ったんだよね。ロニー・バロンを。どんな人か知らないんだよ(笑)
O:(笑)
H:そしたら…ホノルル空港でみんな、アロハ着てたり、南国じゃない。その中にひとり、黒ずくめの人が来て…
2人:(笑)
H:黒いスーツに黒いアタッシュケース持って。で、顔がね、海賊みたいなの。カリブの海賊。独特の顔なの。すぐわかって…それでそのときに初めて会って。スタジオ行ってピアノを弾きまくるわけね。いろんなこと教えてくれて。で、そういうことがあったんで、ドクター・ジョンが「良いアルバムをありがとう」、と。
O:おお…
H:「ロニー・バロンの家族も喜んでたよ」って。そんなことを言って…で、先にドクター・ジョンは帰って。そこにロニー・バロンも来たんだよな。「Hey, Harry!」とかね、すごいなれなれしい…(笑)
O:(笑)
H:もう友達だよね(笑)その後ロニーは亡くなって、ドクター・ジョンも亡くなって…っていう。そんなことがありましたね。
佑果:私が初めてドクター・ジョンさんを聴いたのは"Right Place Wrong Time"がピンと来て…そしたら、細野さんがなんと、F.O.E.で…
H:そうそうそう…
佑果:カヴァーされているということで、聴いてみると…最高ですね…
H:うーん…打ち込みでやっちゃったのはちょっとね…
佑果:やー、でも、私は…
H:そうすか。よかった。
佑果:MIXテープに入れました、NTSの…それをかけてもいいですか?
H:あ、じゃあ……いいよ(笑)
O:(笑)
佑果:お願いします(笑)
Right Place Wrong Time - F.O.E.
(from 『Sex, Energy And Star』)
H:いやー、これは…F.O.E.っていうユニットで、ドラムスがたぶん…生音なのかな。よくわかんない、憶えてないや(笑)
O:(笑)
H:ニューヨークから来てくれたアントン・フィア(Anton Fier)っていうドラマーと…ラウンジ・リザーズ(The Lounge Lizards)っていうのをやってる人たち。
佑果:へぇ…
H:パーカッションは本物のアフリカ系の楽器使ってるアイーブ(Aiyb Dieng)っていうミュージシャン。
佑果:んー、なるほど。
H:で、一回、ジェームス・ブラウン(James Brown)が日本に来たときに、前座で出たんですよ。
佑果:えー!
H:そしたら座布団が飛んできたっていう…(笑)
O:(笑)
佑果:そんなことが!(笑)
H:座布団っていうか、すごいヤジが飛んできて、もう大変だったね(笑)
佑果:えー!(笑)
H:たぶんね、ジェームス・ブラウンのファンって矢沢永吉ファンみたいな人たちだから…(笑)
O:(笑)
佑果:そうなんですか…
H:場違いなところに出ちゃって大変な目に遭って…いろんなことがあったな。
O:(笑)
佑果:F.O.E.で"Sex Machine"も…
H:やった。やったけどね、なんだか…
佑果:私すごい好きでした。
H:ホント?今なら聴けるけどね、当時は…悩んじゃったよ(笑)
佑果:(笑)
H:ジェームス・ブラウンも弱ってる頃だったの。まだヒットする前だったんだよ。あの、再復活したじゃない?"Living in America"っていう曲で。その前だったんで、あんまりみんなが騒いでなかったの。だから出来た、みたいなね。
佑果:そうなんですか…ジェームス・ブラウンはずっとスターな存在なんだと思っていました。
H:いや、やっぱりね、ああいう人たちはみんな浮き沈みがすごい。
O:んー…
H:まあでも、ドクター・ジョンは安定してるね。
O:そうですね。
H:ずーっと…ミュージシャンがみんな尊敬してたから。
佑果:んー…
H:時々、やっぱり、日本にも…何度も来てるよね。
O:来てます。
H:だいたい行ってるんですけど。で、すごい弱ってるときがあったわけ。ドクター・ジョンも。
佑果:はい。
H:神経症になって、リハビリやってたりしてて。そういう最中に来たことがあるんだよね。1人か2人で来たの。で、陣中見舞いに楽屋に行って、セージスティックっていう…
佑果:あ、はい、セージ。お香みたいな。
H:お香ね。魔よけみたいな。それを差し入れにあげたら、めっちゃくちゃ喜んでるんだよ(笑)
O:(笑)
H:あ、こんなに好きなんだ、と思って(笑)
佑果:あー、お香…セージをあげたのはすごくいいですね。リフレッシュされたんだと…
H:そう。セージをパッと出して見せたら、「Woow!!」とか言って。「Smudge Stick」って言うんだよね、向こうでは。
佑果:ほー…初めて聞きました。
H:で…「Dr. John」ってメディスンマン(medicine man)の名前だよね。ニュー・オーリンズの。治療師。
O:うんうん。
佑果:あー!なるほど。
H:それで「ドクター」って言うの。インディアン…ネイティブ・アメリカンのカルチャーをすごい引きずってるのがニュー・オーリンズのカルチャーだから。で、メディスンマンっていうのはセージを使ったりするんだよね。お祓いで。そんなようなことがあって。
佑果:なるほど…
H:ドクター・ジョン、もっとかけようかな。きょうは。
O:はい。
H:レオン・レッドボーン(Leon Redbone)はまた今度ね(笑)
O:(笑)なんか、ちょっとかき消されちゃった感じがレオン・レッドボーン、しますよね。
H:同時期だからね。
O:ね。ほぼ同時だったんで…
佑果:そうなんですか…
H:うん。じゃあドクター・ジョンで…やっぱり"Big Chief"はかけないわけにはいかないんで。オルガンはロニー・バロンです。『ガンボ』というアルバムからです。
Big Chief - Dr. John
(from 『Dr. John's Gumbo』)
H:はい。ドクター・ジョンで"Big Chief"。岡田くん。
O:はい。
H:この「Big Chief」の由来を佑果ちゃんに説明してあげてよ。
佑果:お願いします!
O:いやいやいや…お願いしますよ(笑)
H:そっか(笑)えーとね…オリジナルはプロフェッサー・ロングヘアー(Professor Longhair)っていう、ニュー・オーリンズの…まあ、大先生だね。こういうリズムを考え出したりしてる。
佑果:あー、なるほど…
H:だから、ドクター・ジョンの先生はアラン・トゥーサン(Allen Toussaint)っていう…
佑果:アラン・トゥーサン?
H:うん。この人もすごい人気があって、数年前に亡くなってしまいました。このスタジオに来たことがある。
佑果:おお…
H:で、僕は怒られたことがある(笑)
O:(爆笑)
佑果:どうしてですか…?
H:なんだっけな…誰かがセッティングして、僕は知らない間に来るってことになってて。慌てて来たら、「曲はどれだ?」って言うんで、曲なんかないから…(笑)
O:(笑)
H:「今度来るときは曲を用意しておいてくれ」って言われて…(笑)
佑果:ドキドキしますね(笑)
H:ドキドキしちゃったよ(笑)誰があれをセッティングしたのかな…まあ、そういうアラン・トゥーサン大先生ね。ドクター・ジョンの先生がトゥーサン。で、トゥーサンの先生がプロフェッサー・ロングヘアーっていう。
佑果:つながって…
H:つながってる。だから「伝統的」なんだよね。大元はファッツ・ドミノ(Fats Domino)とかデイヴ・バーソロミュー(Dave Bartholomew)とか。そういう、なんかこう…ぜんぶ知ってくとおもしろい流れがあるわけで…で、ドクター・ジョンが亡くなって、その後はどうなってんの、っていう時代だよ。いま。
O:んー…
H:[伝統を継承している人は]誰かいるの?っていう。
O:わかんないっすね。
H:わかんないでしょ?
佑果:ちょっとdigしたいですね。
H:うん、しといて。
佑果:レコードをちょっと、見てみます。新しいものとか…ニュー・オーリンズ。
H:つなげてほしい、佑果ちゃんにね。ダーッと。こっちはもう引退だから(笑)
佑果:いやいやいや…(笑)現役ですよね。コンサートもすっごく盛り上がって。LA、ニューヨーク…
H:なんかね、現実感がないんだよな。帰ってきてみると。ずーっと時差ボケでボーッとしてるじゃない。夢だったのかな?とかね(笑)
2人:(笑)
佑果:夢じゃないです!(笑)
H:夢じゃないよね。ぜんぜん現実的な気持ちになれなくて。
佑果:いやー、夢のような時間でしたけど、それが現実だと思うと…ホントに素敵な思い出になりました。
H:そうだよね。もう、思い出だよ。
3人:(笑)
H:じゃあね、ドクター・ジョン続けて…なんかない?岡田くん。
O:じゃあ『Gris-Gris』から…
H:あー、『Gris-Gris』、良いアルバムでしたよ。
O:"Mama Roux"とかどうですか?
H:いいですね。もう時間が来ちゃってこれが最後になっちゃうけど、全部かけたいよね。
O:ね(笑)
佑果:もっと知りたい…
O:もっともっとね、うん。
H:じゃあ、また次の機会だね。
佑果:はい。
Mama Roux - Dr. John
(from 『Gris-Gris』)
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↓この世でいちばんカッコいい7インチ(個人の感想)
rest in peace....
2019.06.23 Inter FM「Daisy Holiday!」より
?:こんばんは、細野晴臣です。
??:こんばんは、細野晴臣です。
?:…(笑)
??:…というのは、ウソです(笑)
?:待てど暮らせど細野さんが来ないスタジオで…
??:代わりに…
?:2人ぼっちで、どうにかしろ、ということで…
??:はい。初めまして、なんですけど…お話しするのは。
?:ね。ニューヨーク[公演]の楽屋でチラッとお会いしましたけど。
??:はい。
?:よろしくお願いします。
??:お願いします。
O:あっ…岡田崇です。
佑果:水原佑果です…ニューヨーク、どうでしたか?
O:ニューヨークね、最高でしたよね。
佑果:最高でしたね。エネルギッシュなパフォーミングが…すごく圧倒された。
O:ね。お客さんが若くて。
佑果:そうですね!たしかに、[私と]同じ世代の…
O:20代、30代のアメリカ人が。
佑果:はい。集まってた…
O:いろんなところからね。フロリダから来たとかね、そういう人もいたし。
佑果:えー!フロリダ…
O:遠いよね、けっこう。ニューヨークは…(笑)
佑果:遠いですね。そんな離れたところからわざわざ細野さんを観に…しかも、Sold Outだったという…
O:ね。ギュウギュウだったもんね(笑)
佑果:ギュウギュウでした。ビックリしました。で、矢野顕子さんも2日目…"相合傘"。
O:すばらしかった。
佑果:そう…うれしかったです。"相合傘"聴いた後、ニューヨーク大雨でしたね(笑)
O:天気ね(笑)悪かったね、とにかくね。
佑果:2日目はすごい、嵐みたいな雨で。それはそれでドラマチックに…私は感じたんですが…(笑)楽しかった…
O:じゃあ、なにか曲を…
佑果:はい。
O:お願いします。
佑果:では、ノンスタンダード[レーベル]の…
O:お、最近ボックスが…ボックスというか、ブックというか。なんというか…出ましたね。
佑果:買いました。
O:ありがとうございます。
佑果:"Medium Composition; #2"を聴けたら、と思います。
Medium Composition;#2 - 細野晴臣
(from 『Making Of Non-Standard Music』)
佑果:はい。えーと…そのノンスタンダードの輝き…あ、響き…(笑)
O:(笑)
佑果:『ノンスタンダードの響き』の本のアートワークを手掛けられたということで…
O:はいはい。やりました、がんばりました。
佑果:すごいカッコいいですよね…この4枚。
O:ね。大変だったな…
佑果:どれくらい時間かかったんですか?
O:これ、けっこう…がんばりましたよ?あ、でも、すごい短期間で…やらざるを得ない状況に…(笑)
佑果:えー、なるほど…(笑)
O:追い込まれた…
佑果:そうですか…私はこれを見て…私はWORLD STANDARDがすごい…
O:お、鈴木惣一朗さんの…
佑果:はい。その発見を…あまり詳しくなくて、疎かったんですけど、カッコいい…と思いまして。
O:おお…喜ぶよ、惣一朗さんが。
佑果:で、YouTubeで発見して、ライヴの…すっごいセンスが…あと、その女性のオペラっぽい、美しい…
O:あ、当時の映像がYouTubeにあったんだ。
佑果:はい。ありまして…
O:テレビに出た時だ。
佑果:そうかもしれない!すっごい、圧倒されました。その世界観が好きで…細野さんにも伝えたい。
O:どう応えるかね、わかんないですけど…(笑)
佑果:(笑)
佑果:あ…このVagabond…
O:あ、はいはい。
佑果:曲を…えーと、1999年に作られてるということで…私はきょう初めて…初耳だったんですけど。
O:もう、売れないCDを作ってね…(笑)
佑果:いやいやいやいや…すごいかわいいジャケットで。このキャラクターが…名前はつけました?
O:いや、名前ついてないです。
佑果:かわいいです…(笑)
O:僕が当時やってたVagabond c.p.a.というグループで…daisy worldに所属していました。
佑果:なるほど……えっと、曲を…
O:(笑)
佑果:曲を聴きたい…(笑)
O:はい(笑)
佑果:聴いてみたいところですが…!
O:『the old music master』というアルバムがあって、その中の…じゃあ、"Forest Friends"という曲を、聴いてみてください。
佑果:お願いします!
Forest Friends - Vagabond c.p.a.
(from 『the old music master』)
佑果:すごい、とっても心地よい音楽ですね。ハッピーな気持ちになります。
O:ひっさしぶりに聴いた…(笑)
佑果:これは、プロデュースされたのは細野さん…?
O:まあ、レーベルのプロデューサーが細野さんだった、っていう感じですね。
佑果:演奏もされてるんですか?
O:演奏は、ほぼ全部打ち込みです、これ。
佑果:あっ、そうなんですか!
O:口笛以外は全部打ち込みじゃないかな。
佑果:ちなみに口笛はどなたが…
O:はい(挙手)。
佑果:あ!
O:吹けると思ってね、ライヴでやってみたんだけどね。
佑果:はい。、
O:ぜんぜん、緊張して音が鳴らなくて…(笑)ひどい思い出が…(笑)
佑果:(笑)口笛難しいですよね。ヴォリューム出すのが…
O:鳴りゃあしない…(笑)
佑果:でも、すごくきれいなメロディーでしたけど。口笛…(笑)
O:ありがとうございます。
佑果:口笛、細野さんの、いまのバンドでも大地さん(伊藤大地)…
O:ね、上手いよね。
佑果:上手いですよね…そこから最初、L.A.の公演もニューヨーク公演もスタートして…いやー、すごいなぁ、と思いました。口笛が吹けて、ドラムがあんなに叩けるって…と、思っていました。
O:アメリカでも人気になっちゃうんじゃないかな。
佑果:ねー!とにかく、私の周りの細野ファン…アメリカの友達とか、もう感激してました。「もう来ないのかな細野さん…ホントに、貴重な機会をありがとう!」って感激してたので…
O:(笑)
佑果:心温まりました。細野さんはどう思ってたのかなぁ、と。お聞きしたい…
O:ね、うれしかったんじゃないの?でも。すごかったじゃん、歓声が。
佑果:すごかったです!もちろん細野さん、天才的なパフォーミングをいつもされるんですけど、熱が!熱量がやっぱり…アメリカ音楽好きで、いままでずっとブギウギとか、きわめて来られて…なんかもう、一体感がすごかったなぁ、と。
O:日本語の詩でも、けっこうね。関係無かったよね、お客さん。ノリノリで。
佑果:もう、まったく…みんなノリノリでしたよね。忘れられない、思い出です、私…また来年も…(笑)
O:ね。またね。ぜひ…
佑果:勝手に期待しちゃって…(笑)
O:でも、その前にここに来てほしいよね。このスタジオに…(笑)
佑果:もう、ずっと待ってますけど…なにを話しましょうかね(笑)
O:(笑)
佑果:あ、そうだ!では、私の好きな…細野さんの『GOOD SPORT』のアルバムの中から…"troy (the videoman)"を聴きたいと思います。
troy (the videoman) - 細野晴臣
(from 『GOOD SPORT』)
佑果:はい。もう1曲聴きたいのが…
O:声小さいね、急に(笑)
佑果:(笑)ちょっと緊張しちゃいました。『ノンスタンダードの響き』から…"LIP SCHUTZ"、越美晴さんの音楽を…聴けたらと思います。
LIP SCHUTZ - 越美晴
(from 『BOY SOPRANO』)
O:いいですね。
佑果:すばらしいですね…
O:そういえばジャン・ジャック・ペリー(Jean Jacques Perrey)が好きなんだっけ?
佑果:はい、大好きです。
O:ペリーさん、スイスが家なんですけど、僕は3回ぐらいお家に遊びに行って…
佑果:えー!どんな方なんですか?
O:まあ、ジェントル…優しいおじちゃん。
佑果:優しいおじいちゃん…明るいイメージがすごくありますね。
O:うん、明るい。
佑果:曲調も明るくて。
O:そうね、ファニーな曲ばっかりだもんね。
佑果:すごくポップな感じで…
O:取材を2回して…作品集を作ろうと思ってるんですけど、なかなか準備がね、できずに…(笑)
佑果:なるほど(笑)
O:じゃあちょっと、ジャン・ジャック・ペリーを1曲、かけてみましょうかね。"Suite Comique en trois Mouvements"です。1980年の録音ですね。
Suite Comique en trois Mouvements - Jean Jacques Perrey
(from 『Kartoonery』)
O:あっ…(笑)
佑果:(笑)
O:来た来た…(笑)
佑果:こんにちは(笑)
O:(笑)
H:…zzz
O:寝ちゃった、せっかく来たのに…(笑)
H:もう、やってんだよね?
佑果:エンディングです、いま。
H:え?あ、じゃあ…
佑果:よかったです、細野さん、最後に登場ということで。
H:そっか…
O:ジャン・ジャック・ペリーをかけています。
H:はい、どうしようか。
O:(笑)いらっしゃい~
H:来ちゃったよ(笑)もう、申し訳ない、ホント…時差ボケひどいね。
佑果:あー、お疲れ様です…
H:歳とると長引く。大丈夫なんでしょ?みんな。
O:僕も今回はね、ひどかったですよ。
H:あ、みんなそう言うんだよな…だいたい帰ってから10日間ぐらい続くらしいけど。
佑果:ホントですか!
H:ちょうど今が10日目ぐらいかな。んー。
佑果:私は奇跡的に、すぐ復活しました(笑)
H:すごいよ。たぶん若さだ(笑)
佑果:水泳を始めて、運動をちょっと…
H:え。
佑果:水泳をするとシャキッとして…
H:そういうことをやんなきゃダメだよな、我々。
佑果:脳みそが、こう、ポンッ、と起きますよ。
H:いいなぁ…脳みそ起きたい…ぜんぜん起きないんだよ。熟睡しちゃった、さっき。
佑果:よかったです、お会いできて(笑)
H:あ、よかった(笑)ではまた来週…っていうことで…(笑)
佑果:そういうことですよね?時間的に(笑)
O:(笑)
H:かろうじて1分間に合ったか…
2019.06.16 Inter FM「Daisy Holiday!」より
H:こんばんは、細野晴臣です。えー、先週に引き続いて、2人のDJの音楽をずっと聴いていきたいと思いますが…お願いしますね。どうぞ。
テイ:テイ・トウワです。
佑果:Yukaです。
H:はい。「ハーモニーYuka」ちゃん。
佑果:ハーモニーYukaです(笑)
H:じゃあ、きょうは佑果ちゃんからちょっと…紹介してもらおうかな。
佑果:はい、お願いします。えーと、まず、マーティン・デニー(Martin Denny)の…
H:出ました。
佑果:"Caravan"。聴きたいです。
Caravan - Martin Denny
(from 『Exotica Vol.III』)
H: 出ましたね、マーティン・デニー。
テイ:ホントに、ね。YMOのおかげで知った音楽ですけど。
佑果:はい、私もです。このエキゾチックな世界観が…もう、最高です。
H:僕も…なんだろう、人に教わったんだけどね、マーティン・デニー。あ、でも小っちゃい頃聴いてたんだよ、ラジオで。
テイ:あー。
H:「ジャングル・サウンド」。
テイ:そうですね。んー。
H:でね、"Firecracker"がヒットしたとき…ちょっとヒットしたね、アメリカのソウル・ミュージックチャートで。
テイ:え?マーティン・デニーのですか?
H:じゃなくて、YMOの"Firecracker"。
テイ:そうですよね(笑)
H:そしたら、マーティン・デニーから電報が来たんだよね。
佑果:えー!
テイ:電報…
H:「取り上げてくれてありがとう」みたいなね。
佑果:お会いされたことは?
H:その後、会ったの。来日して…ホテルのラウンジでやってくれたんだよ。演奏。
佑果:えー!
テイ:すばらしい…
H:そのとき観に行って、話して。で、「ハワイに来たら絶対[うちに]寄れ」と。住所をもらったのかな。行かなかったけど(笑)
テイ:(笑)
H:なんで行かなかったかっていうと…近所に山があるんだって。ハワイって山が多いじゃん。で、[彼は]毎日登ってるんですって。
佑果:そうなんですか!
H:「いっしょに登ろう」って言われて…その頃僕、心臓弱くて(笑)息切れちゃうから、行くと登んのか…って(笑)
佑果:プレッシャーが…(笑)
H:うん。ちょっと行きそびれちゃった。行きゃあよかったかな…と思って(笑)
佑果:へぇ…
H:まあ、そういうような思い出がよみがえりましたが…では。
テイ:はい。じゃあ、あの…こないだ細野さんにご紹介した五木田くん(五木田智央)がチック・フロイド(Chick Floyd)っていう人を見つけてきて…ぜんぜん、僕知らなかったんですけど、おもしろかったんで他のアルバムを探して買ってみたんですね。
H:あ、ホント?
テイ:そしたら、すごいマーティン・デニーっぽいな、と思って。
H:へぇ。
テイ:そしたら、「マーティン・デニー・プロデュース」って書いてあって…(笑)
H:そうなんだ。それ知らなかったな、僕は。
テイ:それ聴いてみましょうか。
H:はい、ぜひぜひ。聴きたい。
テイ:"Moon Of..."
H:マナクラーチャイ?マナクーラ。
テイ:そうですね。
Moon Of Manakoora - Chick Floyd & His Orchestra
(from 『Hula-La』)
H:ぜんぜんマーティン・デニーだ、こりゃ…(笑)
テイ:ちょっとマーティン・デニーより粗いなぁ、と思って聴いてたんですよ。そしたらプロデューサーがマーティン・デニーさんだから…もうちょっとパワーがあるのかもしれないですね。
H:なるほど。
佑果:ちょっとアラビアン…
テイ:うん。有名な曲ですね。
H:ちょっと、アラブづいてるな、2曲。
テイ:うん。まあこんな感じで…ホントに普通のラウンジ・ミュージックというか…「普通」なんですかね?
H:うん、今となっては普通かもな。んー。
H:そうか。エキゾチックが続いちゃったか。
テイ:そうですね(笑)
H:アラブ系だよね。"Caravan"もこれも。
テイ:「水が無い系」というか。
H:だったらね、ちょっとヘンなのかけていいかな。
佑果:はい。お願いします。
H:あの…ダニエル・シュミット(Daniel Schmid)っていう監督が『ヘカテ(Hécate, maîtresse de la nuit)』っていう映画を昔作って。それの冒頭の音楽にすんごい惹かれたんだけど、ぜんぜん探せなかった。
テイ:うん。
H:で、ダニエル・シュミットさんが日本に来たときに、誰かに訊いてもらったの。「あの音楽は何だ?」って。そしたら「知らない」って言われて。
テイ:(笑)
H:だれかに任してて…(笑)で、仲間の岡田くん(岡田崇)が見つけてきてくれて。
テイ:あー…
H:すごいリサーチ力。で、それがね、ヘンな音楽なんだ。ちょっと聴いてもらおう。モハメッド…ってちょっと最近危ないけどね、そういう名前は…(笑)アブドゥルさんの、"Gafnouhou"。ヘンな名前の音楽です。
Gafnouhou - Mohammed Abdel Wahab
H:…っていうような感じがずっと続くんで…(笑)
テイ:カッコいい。
佑果:カッコいいです。
H:変拍子でね、数えられないんだよ(笑)これね、僕が80年代初期に『omni Sight Seeing』っていうアルバムを作ったときに聴いてて。こういう曲をやろうと思って、1回ちょっとレコーディングしたんだけど、ぜんぜん出来なかった(笑)で、ボツにしちゃった。
テイ:あら…
H:オケは残ってるんだけどね(笑)
佑果:えー、聴きたいです…
テイ:おお、すごい…カレー食べるときとかに聴きたいですね。
H:(笑)
佑果:でも、こういう…声が難しいですよね。私、こういう風に歌えるかなと思って、トライしようとしたんですけど…
H:ホント?
佑果:なんか難しくて…(笑)
H:やってみてよ~
テイ:十二音階じゃないやつ。
佑果:なんか、こう…曲がり方というか…それが独特というか。
H:そうなんだよ。僕もモロッコの音楽とか大好きで。リズムとかね。やりたいんだけど、歌えないんだよね。
佑果:んー…
テイ:で、あのとき細野さん、たぶん…"Esashi"とかやられてたじゃないですか。
H:うん。コブシにすごい惹かれてた。
テイ:そのコブシに近いっていうことですか?
H:そうそうそう。でも、この…あっちのほうの人たちって「塩声」っていうかね…塩のような声。
テイ:塩?saltですか?
H:そう。「塩顔」って言うじゃん(笑)
テイ:「塩顔」って言いますっけ…(笑)
H:なんかほら、砂漠の声だよね。乾燥してる。
佑果:なるほど。
H:ぜったい、[日本人には]無理だよ。そういう声ができないとこういう音楽できないもん。残念ながらね。
佑果:んー…
テイ:で、"Esashi"の方とか、コブシを歌われる坂本冬美さんとやったやつとか。
H:うん。やってるな。やったやった。もう、憧れてたからね。いっしょにやってて興奮したけどね。パープル・ヘイズ("パ-プル・ヘイズ音頭")はすばらしかったよね。
佑果:最高な音楽ですね…冬美さんもすごい綺麗なお声で。
H:そうなんだよね。んー。いまはもう、大ベテランで、大御所でね。HISみたいなことはもうできない…かな。残念だな。
H:じゃあ、アラブ関係はここまでだな。
テイ:はい、チェンジ・ザ・ムード。
佑果:チェンジ・ザ・ムード…どうしましょう(笑)
H:どうしようか。なんか、流れ変えてもらっていいよ。うん。佑果ちゃん。
佑果:はい。えーと、そうですね…ジョン・キャメロン(John Cameron)の"Half-Forgotten Daydreams"という曲が最近…イージー・リスニングなんですけど、すごく綺麗な、美しい声。
H:へぇ。知らないかも。
Half-Forgotten Daydreams - John Cameron
テイ:ずいぶん音がクリーンだから…もしかしたら1990年代のイージー・リスニングブームのときに作られたやつかな?ぜんぜんわかんないんだけど…
H:わかんないね、これは。
佑果:えーと、ジョン・キャメロンっていう人はロンドンの…
テイ:まだ生きてる?
佑果:えっと、40年生まれ…
テイ:40年…昭和?
H:昭和じゃないだろう(笑)
テイ:そっか、イギリス人は昭和じゃないですよね(笑)
H:僕より7歳年上。
テイ:あ、細野さんより年上だから1970年かな。
佑果:そうかもしれない…
H:そうだよ。
テイ:じゃあ、ちゃんとクリーンにマスタリングされたやつですね、いまのね。
佑果:…70年代、そうみたいです。
テイ:じゃあ、70年代の音楽ですね。ダバダバ…
[*オリジナルは1973年の『Voices In Harmony』(KPM 1125)…とても手が出せません。]
テイ:結局古いのばっかしかけちゃってるっていう…(笑)
佑果:(笑)
H:そうだよな(笑)ないの?新しいの。
佑果:新しいのもありますけど、後ほど、もし時間があれば…
テイ:ちょっと、僕も、もう1曲ぐらい古いのを…聴きたいです。
H:いいよ。かけて。
テイ:いっぱいあるんですけど…これもまあ、たぶん、曲はご存知だと思うんですけど…聴いてみますか。先に。
H:うん。
Corazon De Melon - The Tommy Dorsey Orchestra
(from 『Tea For Two Cha Chas』)
テイ:やっぱフルートが好き、っていう…
H:なんか馴染みがあるなぁ、こういう音楽。
佑果:気持ちいい…
H:"Corazon De Melon"だ。
佑果:あー!めっちゃ最高です…
H:楽団は誰だろうな…エドムンド・ロス(Edmundo Ros)、じゃないな。
テイ:トランペットの人…の楽団なんです。
H:あ、ホント。
テイ:ザ・トミー・ドロシー…ドーシー・オーケストラ(The Tommy Dorsey Orchestra)。
H:トミードーシー。白人バンドだ。
テイ:そうですそうです。すごいいっぱい[音盤が]出てるんですね。
H:うん。
テイ:陽気な…こういう、チャチャとか。ラテン系のイージー・リスニング。買っちゃいますね。これ実は僕、大学生ぐらいのときに買って持ってて、最近買い直したんです。
佑果:そうなんですね。
テイ:あ、このフルートが好き…
H:そうなんだ(笑)意外な面が出てきたね(笑)
佑果:(笑)
テイ:なんでこんな能天気な音色でメロディー作れるんだろうな、っていうところに惹かれちゃうんですよね(笑)
H:そうか、おもしれぇなぁ。DJの裏側だな(笑)
佑果:意外でしたね、フルート(笑)
テイ:曲は知ってたでしょ?
佑果:はい。
H:知ってんだ。
佑果:あの、歌声が入ってるヴァージョン…は聴いたことある…
テイ:誰が、歌ったんでしたっけ…
H:これは…フランスなんじゃないかな。
テイ:元々は。
H:んー。
テイ:日本人のグループで歌ってますよね。"メロンの気持ち"って。
H:そうそうそう。あった。日本でもヒットしたっていう。
テイ:そうですね…あ、"メロンの気持ち"、一瞬だけ聴きます?ゴールデン・ハーフ。
H:あ、ゴールデン・ハーフ。うん。
テイ:で、細野さんもご存知のMELONっていう…トシさんとチカさん(中西俊夫・佐藤チカ)のいたグループもカヴァーしてますね。
H:あ、やってるね。
テイ:ちょっと、MELONのほう聴いていいですか?
H:どうぞ(笑)
佑果:(笑)
H:頭こんがらがっちゃう…(笑)
Corazon De Melon - MELON
H:チカちゃん。
テイ:プラスチックス。元。
佑果:あ、そうなんですか。
H:なるほど。
テイ:はい。
佑果:はやい!(笑)
H:こんがらがってくるな…なんだこれ(笑)
佑果:どうしましょう(笑)
H:いいよー。
佑果:楽しいですね(笑)
テイ:DJ切り(笑)
佑果:この後は私、スーザン(SUSAN)とか聴きたくなっちゃいますね。
テイ:あー、これ聴くと?"恋せよおとめ"とかそういうやつ?
佑果:はい。
H:あー…もう任せるわ、2人に(笑)
佑果:(笑)どうしましょう。
テイ:あ、でも僕も最近サンセッツとか聴いてましたね。
H:あっ…
テイ:カッコいいな、と思って。
H:それじゃあちょっと、聴いていい?自分のプロデュースしたサンディーの曲。
テイ:あ、はい。
佑果:お願いします。
H:"Zoot Kook"聴いていいかな?
テイ:いいですね。
Zoot Kook - Sandii
(from『Eating Pleasure』)
H:まあ、こんな感じで…
テイ:これは、アレですか?ドラムも打ち込みですか?めずらしく…
H:うん、打ち込み。
テイ:けっこう…「ドラムはユキヒロさん(高橋幸宏)」っていうパターンが多いじゃないですか。
H:多かったよね。
テイ:はい。そこがクラフトワーク(Kraftwerk)といちばん…[違うところ]。
H:なんかクラフトワークっぽかったね(笑)
テイ:タッタタ…とか。すごいですね。え、ギターと歌[コーラス]は久保田さん(久保田麻琴)ですか?
H:ギター誰だっけかな…?
テイ:あ、でもこれソロですもんね。サンセッツじゃない。
H:そう。違うの。
テイ:男の人の声は細野さんですか?
H:そう…
テイ:あ、そうなんですね。ちょっと違う…細野さんっぽくないのかなぁ、と思ったんですけど。
H:わかんない。もう忘れた、そこら辺は(笑)
テイ:でも、たぶんギター以外はほとんどほちょ…細野さんなんですね。
H:ホチョノ(笑)
2人:(笑)
H:いいよ?(笑)
テイ:いやー、このアルバムカッコいいですよね。
佑果:カッコいいですね…
H:これね、なんかね、サンディーがロンドンに行ったときに、このアルバムをデヴィッド・ボウイ(David Bowie)に渡して…それを聴いて、その感想を言われたんだって。
佑果:はい。
H:「これはちゃんとビジネスやったほうがいいよ」と。「すぐパクられるよ」って言われたっていう…(笑)
2人:へぇ…
H:でも、そんなことなかったよ、大丈夫。んー。いろんなことがあったな、当時…
佑果:聞きたいですね…
H:ちょっとね、言いにくいこともいっぱいあったな…
佑果:(笑)
テイ:すごい爆乳ですよね、ジャケット。
佑果:バービー人形みたいですよね。
テイ:ジャケ変わったの憶えてますもん。
H:変わったね、んー。
テイ:キャベツのブラみたいな…
H:そうそうそう。
佑果:えー!キャベツですか(笑)
H:なんかね…かけたくなっちゃった。サンディーじゃないんですけど、これ聴いてほしいな。山田邦子。
テイ:あー…細野さんですか?
H:そうなの。"哲学しよう"っていうね。聴いてほしいんだよ。
佑果:聴きます。
哲学しよう - 山田邦子
H:まあ、こんな感じなんですけどね。
テイ:いやいやいや…
佑果:いやー、もう最高です!私大好きです、大好きになっちゃいました。
H:あ、ホント?(笑)当時ね、ロンドンでヘヴン・セヴンティーン(Heaven 17)っていうバンドがね、流行ってたんだけど。
テイ:はいはい。
H:[彼らに]影響されてね、これね。かなり。
テイ:あの、727(TR-727)っぽい…ラテンっぽいパーカスが入ってるような感じですかね。
H:うん、そう。この頃はドラムスはリンドラム(LinnDrum)使ってる。
テイ:そうですよね。
佑果:んー…
テイ:ちょっと、細野さんにもう1曲…聴かせていいですか、っていうか、細野さんの曲ですけど。
H:いいよ。
テイ:佑果ちゃん知ってるかもしれない。これ聴いたら聴きたくなっちゃった。
佑果:なるほど(笑)
H:なんだこれ…わからない…(笑)あー!"ハイスクール・ララバイ"(笑)
ハイスクール・ララバイ - Little Creatures
(from『細野晴臣トリビュート・アルバム Tribute To Haruomi Hosono』)
テイ:はい。
H:これは…青柳くん(青柳拓次)?
テイ:そうですね。Little Creatures。
H:Little Creaturesだ。うん。
テイ:Little Creaturesでいちばん好きかな、この曲。
H:ホント?ちょっとちょっと…(笑)
テイ:いいのかな?(笑)
H:わかんないけど…(笑)
佑果:(笑)
H:えー…DJの素顔をお送りしてきました(笑)
佑果:(笑)
H:なかなか無いよ?こういう…不思議だよ。大丈夫?
テイ:あ、大丈夫です。ありがとうございます。
佑果:大丈夫ですか?(笑)
テイ:よろしくです、ホントに…
H:もうこんがらがっちゃった、僕(笑)
2人:(笑)
H:これ、編集大変だよ?(笑)また来てね、って言っていいのかな。いい?あ、じゃあ、また来てね。
2人:(笑)
H:テイくんと、佑果ちゃんでした。
佑果:ありがとうございました!
H:どうもありがとう。
テイ:ありがとうございます。
2019.06.09 Inter FM「Daisy Holiday!」より
H:細野晴臣です。えー…こんばんは。
?:こんばんは!54歳妻子持ちです。
H:なんだそれ(笑)名前言ってくれい。
テイ:あ、テイ・トウワです。
佑果:こんばんは。えー…DJ ハーモニーYukaです。
H:あ、そうなったんだ(笑)
テイ:「ハーモニーYuka」になったの?
佑果:ハーモニーっていう言葉が好きで、勝手に…(笑)
テイ:いいじゃん。「ナントカDJ」っていうのが一時、流行った時期もありましたね。
H:あー、そうね。
テイ:いいんじゃない?「ハーモニーDJ Yuka」とか。
佑果:いいですかね?「ハーモニー」入れたいなっていう気持ちがありまして。
H:きょうはDJ2人だから、もう、2人に任せるからね。
2人:いやいやいやいや…
テイ:恐縮ですよね、今週。もう…
佑果:最高の幸せです。
テイ:奉納でしょ、奉納。
佑果:奉納。
H:(笑)
テイ:「神様」にお団子とか…家の向かいでとってきた花とかを…お供えですか。
佑果:(笑)
H:じゃあ、そのお供え物を…最初、佑果ちゃん。
佑果:私ですか!
テイ:難しいよね。
佑果:うわー、最初ですか…どうしましょう。では…ロバート・フラック(Roberta Flack)の"I Wanted It Too"っていう曲なんですけど。
H:もう1回言って、ロバート・フラックから…
佑果:ロバート・フラックの、"I Wanted It Too"。
H:OK。
テイ:英語っぽく言ったほうが「正しい」ね、向いてるね。日本語っぽく言うとなんかね、拙くなっちゃうよね(笑)
佑果:そうですね(笑)
I Wanted It Too - Roberta Flack
(from 『Feel Like Makin' Love』)
H:なるほどね。
佑果:なんかもう、出会いと別れが…この世の中、ある中で。この曲を聴くと…いやー、この人に会えてよかったなぁ、とか。
H:そういう歌なの?これ。
佑果:「I wanted it too, just like you」、「あなたのおかげで今の私があるよ」みたいな。そういう…
H:んー…それってさ、DJじゃないね(笑)
テイ:(笑)
H:音楽ファンだよね(笑)
佑果:あ…そっか!
テイ:歌詞けっこう聴いてんの?
佑果:最近、けっこう…聴いてエモーショナルになるっていうのが好きで…
H:テイくん聴かないだろ?(笑)
テイ:聴かないっすね(笑)
佑果:すいません!(笑)ちょっとエモーショナル過ぎちゃったか…
テイ:いやいやいや、おもしろい。
テイ:佑果ちゃんは一応後輩DJということで、先輩面してますけど…最初だけ。「あのー、DJやってみたいんですけど…」って言うから。
H:あ、そうなんだ。
テイ:それで…いっぱいね、近年、女子DJが今…USBとかをポーチから出して…彼氏が曲を入れたUSBをですよ。
H:(笑)
テイ:ポーチから出して、ピュッ、て。「おはーざーまーす」みたいな。
佑果:(笑)
H:そんな感じなんだ、いま(笑)
テイ:そんな感じなんで…佑果は背もあって顔も小さいし、手足長いから、レコードがいいよ!つって。
H;あー、それで…んー。
テイ:そうなんです。動きがダイナミックで。で、「レコード、何買ったらいいんですか?」って言うから、いや、ジャケ買い、つって。
H:なるほど。
佑果:最初ジャケ買い…
テイ:そういう正しいアドバイス、2つしただけだね。「レコードをジャケ買いしろ」。
佑果:(笑)
テイ:[DJって]ホントにフリースタイルというか、広すぎて…なにをどう教えていいかわかんなくて。それがいいな、と思って。
H:なるほど。
テイ:あの、ファウンデーション(基礎、基盤)みたいのが無いじゃん。僕らだとYMOがあって、ヒップホップ、ハウスとかから始まって…
H:なんかね。系列でやっちゃうね。
テイ:系譜が無い、というか。
H:ホント、なんか音楽が好きなんだね、佑果ちゃんはね。
佑果:そうみたいですね…
H:メロディとかにすごい敏感だよね。良い曲に反応してるよね。
テイ:そうなんですよ。
佑果:感じちゃいますね。リピートしちゃって。一回入っちゃうと…
テイ:アナログ以外も、Spotifyとか。やっぱりいまどきの子っぽくすぐその場で検索して…検索力とかあるんで。
H:そうだよな。んー。
H:では、その先生。
佑果:(笑)
テイ:いや…(笑)ただの先輩面のヅラですよ。
H:先輩面って…僕の前では後輩面なのに…(笑)
2人:(笑)
H:なんだこりゃ…(笑)
テイ:えーとですね…ぜんぜん、新しい曲ほぼ聴いてないんですけど…古いレコードばっか買ってますけど。細野さん、ご存知かな?まあ、じゃあ、一応…
H:聴かせて?
Norwegian Wood (This Bird Has Flown) - Jackie & Roy
(from 『Changes』)
H:曲は知ってる。タイトルが出てこない…タイトルが出てこない…(笑)
テイ:"ノルウェイの森(Norwegian Wood)"です(笑)
H:そうだ。あのさ…有名な曲ってインストで聴くと、知ってるんだけどタイトルが出てこない(笑)
テイ:そうですね(笑)まあ、変わりアレンジということで…なんでしょう、最近やっぱ、自分の[音源を]作ってるからか、ぜんぜん関係無いもの。こういうコーラスデュオ…ジャッキー&ロイ(Jackie & Roy)っていう夫婦の…
H:あ、ジャッキー&ロイは有名だね。んー。
テイ:はい。まあ、こういうのとか…聴いてますけど。
H:なるほどね。
テイ:なんですかね、アレンジを聴いてるというか…
H:テイくんは独特だよな、聴き方が。アレンジ、っていうか、音で聴いてるよね。
テイ:そうですね。このフルートいいな、とか。
H:うんうん。歌詞、絶対聴かないよね(笑)
テイ:聴かないですね(笑)自分の曲も…[他の人に詞を]任せたやつとか、聴いてないですね(笑)
佑果:あ、そうなんですか!
テイ:[取材とかで]質問されたりしても、わかんない、って…(笑)
佑果:なるほど…
H:どっちかっていうと僕もそれに近いよ。一応…仕方なくっていうとアレだけど、歌詞書いてるけどね(笑)
テイ:え、でも細野さんの歌詞、やばいですよね。
佑果:いつも心打たれちゃいます。"Honey Moon"とか。
H:あー、"Honey Moon"…
テイ:でもやっぱり、サビで「クシャミをひとつ」とかね。
[*"冬越え"の一節。]
H:恥ずかしい、それ…花粉症が無かった時代だから、「ひとつ」でよかったんだよ(笑)
テイ:あー(笑)
H:いま、「ひとつ」じゃ済まないじゃん。
テイ:なるほど。すごい、季語というか…僕が言うのもおこがましいですけどね。
H;いいよいいよ、その話は(笑)
佑果:(笑)
テイ:はい(笑)
H:じゃあ…佑果ちゃんかな。
佑果:えー!(笑)細野さん、聴きたいですけど…
H:僕はきょうは聴く…いまんとこまだね、浮かばないんだよ。
佑果:じゃあ、浮かんだらいつでも…
H:うん。なんかかけてくれたらそれに対して…っていう。
テイ:なるほど。
佑果:そしたら、えーと…じゃあ、ボビー・チャールズ(Bobby Charles)の…
H:出た!それだ。
佑果:"Small Town Talk"。
H:いい曲。
佑果:お願いします。
Small Town Talk (Single Version) - Bobby Charles
H:はい。ボビー・チャールズの"Small Town Talk"。
佑果:大好きです…
H:これも…音楽好きが聴いてる曲だけど…(笑)
佑果:ついつい歌いたくなります。
H:不思議だよ(笑)だって、僕が20代の頃に…たぶん、ティン・パン・アレイの頃かな。はっぴいえんどの頃はまだ無かったかな…その頃聴いてたんだから、[当時の]20代の男の子が聴くような音楽だからね、これ。
佑果:なるほど(笑)
H:そのうち、だから…はっぴいえんどみたいなバンド作んないと(笑)
佑果:そうですね(笑)
H:なんか…不思議でしょうがないよ。僕が聴いてきた音楽を、今また追体験してるっていう…不思議だなぁ…なんだこれは。んー。
佑果:んー、おもしろいです。
H:ボビー・チャールズについてね。出てきたから言うけど、日本に来たことがあって。
佑果:はい・
H:レヴォン・ヘルム(Levon Helm)といっしょに、オールスターズ(Levon Helm & The RCO All-Stars)で来たんだよね、たしか。
テイ:うん。
H:で、スタジオに呼ばれて。久保田麻琴が仕切って。「いま、みんな来てるから」って。すごいメンバーが来てた。レヴォン・ヘルム、ボビー・チャールズ、えー…忘れちゃった、あとは(笑)
テイ:(笑)
H:で、僕の曲をやるっていうんだよ。"Roochoo Gumbo"をセッションでやって。ボビー・チャールズは酒瓶を片手に、酔っぱらって"Roochoo Gumbo"を歌ってた。
佑果:えー、そうだったんですか。
H:で、その前にこの"Small Town Talk"はヒットしてたんだよ。まあヒットって、我々の中でね。良い曲~、とおもって。
佑果:なるほど…うれしいですね。
H:で、この人、フィフティーズのとき…1950年代にロカビリーでヒットしてて。ニュー・オーリンズの歌手で。それをちょっと聴いてください。"See You Later Alligator"。
See You Later Alligator - Bobby Charles
H:…っていうような曲なの。典型的なリズム&ブルース。ニュー・オーリンズのね、スタイルが。
佑果:はい。
H:えー…どうすんだろ。ボビー・チャールズ聴いた後、なに聴くんだろう。佑果ちゃんはね。これから。
佑果:あー、自分だったら…でも、エルヴィス・プレスリーで行きたいなって(笑)
H:いいね(笑)どんどん遡ってるな…
テイ:そうですね(笑)
H:不思議だよなぁ…でも、系列が自由なわりにはやっぱり辿ってるよね。
佑果:あー…
H:1970年代、っていうくくりはあるね。ひとつ。まあ…これから先が楽しみ、ということでテイくん、お願いします。
テイ:あの…僕も元々、YMOが最初の…最初に見た…なんでしょう。最初に見たのを親と思うじゃないですか。
H:鳥だ、それじゃあ…(笑)
佑果:(笑)
H:あー!
テイ:知ってる?
佑果:はい。
テイ:元曲、知ってた?
佑果:元曲…ちゃんと聴いてないかもですね…
テイ:ワンコーラスでいいかもしれないですけど、聴いてみましょう。
H:いいね。
Pocketful Of Rainbows - Elvis Presley
テイ:"Pocketful Of Rainbows"。2分半の曲です。
H:なんでこれをYMOがやろうとしたんだっけな…
テイ:ビックリしましたね。
佑果:気になりますね…
H:まあ、当時ね、プレスリーをいっぱい聴いてたんだよ、僕。これはできないな…と思いながら聴いてたの。ぜんぜんテクノじゃないからね(笑)
テイ:そうですよね。
H:でも、この曲ならできそうだと思って、日本語歌詞を湯川れい子さんにお願いしちゃって…出来てきて。で、やってみたら、まあまあ…
テイ:(笑)
H:ライヴで踊りながらやったんだよね(笑)
佑果:えー!そうだったんですか!
H:振り付けがあった(笑)
佑果:観たいですね…振り付け、気になります。
H:うん。如月小春さんっていう、いまはもう亡くなっちゃってる振り付け師の方に頼んでね、やってもらったんですよ。
テイ:へぇ…
佑果:なるほど…
H:んー、どうしよう………眠くなってきた(笑)
2人:(笑)
H:先に進めるか…
テイ:プレスリーは、細野さんはリアルタイムで…?
H:うん。聴いてた。
テイ:スターでしたか?
H:あのね、姉の世代のアイドルだから…最初に聴いたときはニュース番組で聴いたの。"Heartbreak Hotel"を腰ひねりながら歌ってるっていうのが顰蹙買って、PTAに怒られて…(笑)
佑果:えー!
H:で、「エド・サリヴァン・ショー(The Ed Sullivan Show)」に出た時は…それ観てないんだけど、腰から下は映さなかったんだよね。
テイ:えー(笑)
H:上半身だけなの。
テイ:セクシー過ぎて…
H:セクシー・シンボル、うん。
佑果:えー!そうなんですか…
テイ:ビートルズが出てくる前ですよね。
H:前。もう、50年代の終わりごろ。で、60年代になって兵役にとられて。兵隊になっちゃったの。帰ってきたらG.I.カットになってて。頭髪がね。
テイ:うん。
H:で、もう映画俳優になっちゃったの、その頃。『G.I. Blues』っていう。それを姉に連れられて観に行ったんだよね。
テイ:そのときおいくつぐらいだったんですか?
H:僕は中学2年かな。んー。
佑果:へぇ…
H:だから、熱狂的にはならなかったよ。ただ後で聴いて、すごい影響されたけどね。
テイ:その頃にはもうビートルズとか出てきてましたか?
H:直前。まだ出てこない。ビートルズは1962年にヒットチャートに入ってきた。
テイ:そのとき細野さんはおいくつでしょう?
H:中1、だったかな。中1、中2かな。んー。
[*プレスリーの『G.I.Blues』日本公開が1961年。ビートルズのデビューシングル『Love Me Do』リリースが1962年10月(英国)。そして細野さんは1947年7月生まれ。]
佑果:いいですね…ライヴは観に行かれたことはありますか?
H:プレスリー?
佑果:えーと、ビートルズ…
H:行かれないよ、ぜんぜん…(笑)プレスリーも観たことないし。
テイ:[当時の]ニュース[映像]を見る限りとんでもないことになってましたもんね。
H:もう、女性ファンばっかりだから…
佑果:私だったら絶対行くなー、と思いました…(笑)
H:行くだろうね(笑)
テイ:ね。行って気絶してる人いるもんね。
H:でもさ、後半の「エキゾチック」って言われたヒラヒラのね、プレスリーのスタイルあるじゃん。
テイ:はいはいはい。
H:なんか、フリンジの付いた、ね。あれは見たくないわ。
テイ:(笑)
佑果:なるほど(笑)
H:太っちゃったんだ。
テイ:そうですよね。
H:なんかね、イメージ変わっちゃったんだよね。んー。
H:じゃあ、プレスリー…をかけようと思ったけどやめて、その元になった…"Such A Night"っていう曲、プレスリーが大ヒットさせたんだけど、元はドリフターズ(The Drifters)の曲なんでそれを聴いて。"Such A Night"。
Such A Night - The Drifters
テイ:いいですね。これは何拍子になるんですか?
H:普通だよ(笑)食ってるだけだよ。1,2,3,4,1,2,3,4...
テイ:おもしろい。リズムがおもしろいなと思いましたけど。えーと、どうしよう…難しいね、奉納は(笑)
H:(笑)
テイ:失礼があってもいけないし…
H:いいんだよ(笑)なんでもいいの。
テイ:あ、でも…やっぱり細野さんの曲を聴いて頂くっていうね。
佑果:もちろん。
H:あ、そう?
テイ:最近、僕…これ知らなかったんで。
H:ああ。聴かして。なに?
テイ:あの、ラジさん(Rajie)の"月の光"という曲を…
H:なつかしい…
テイ:聴いてみましょう。
H:じゃあ、これ最後だね。また来週ね、お願いします。
月の光 - Rajie
(from 『Quatre』)
H:唐突だな、これ(笑)
2人:(笑)
H:この流れはすごい…
テイ:でも、モロにYMOの1st,2ndの頃の音色だよね。
H:うん。たぶんこれ、教授(坂本龍一)がやってるんじゃないの?アレンジ。
テイ:この声は誰ですか?
H:これはラジ。
テイ:この、低い男の人は…
H:教授の声に似てるな。
テイ:あー…教授に声似てるけど、かな…?どうだろう…
H:なんか、ドイツ語っぽい。
テイ:そうですよね。
H:…教授だよ(笑)ドイツ語好きだもん、だって(笑)
[*クレジット曰く「クロード芹沢:Narration」……]
2019.06.02 Inter FM「Daisy Holiday!」より
H:こんばんは。細野晴臣です。えー、先週に引き続いて、Little Glee Monsterからいらっしゃった…manakaちゃん。
ma:よろしくお願いします!
H:よろしく。どうだったかな、先週。
ma:はい。めっちゃ楽しかったです。やっぱりコーラスとか…私も普段からあの時代の曲をすごいたくさん聴くので、また新たな発見ができて…
H:いや、もうね、ほんの少しだよ。もう、いっぱいあるから。ホントはね(笑)
ma:えー、もっと知りたいです!
H:全部、でも、自分で集めて聴けばいい(笑)
ma:そうですね(笑)でも、細野さんから知って、また辿っていくっていうこともホントにたくさんあるので…
H:それはいいかもね。おもしろいかもね。んー。
ma:はい。
H:まあ、だから…ヒントみたいのはね、全部あげるんだけど。
ma:ありがとうございます。
H:じゃあね…先週、アンドリュース・シスターズ(The Andrews Sisters)が出てきたんで、その人たちのいちばんヒットした曲が…ホントはね、ブギウギばっかりやってたんだけど、戦争中にいちばん人気があったんだよね。
ma:おお…
H:第2次世界大戦のとき。日本は暗かったけど、アメリカはブギではしゃいでたんだよね(笑)
ma:えー、そうなんだ…
H:その中でいちばん兵隊さんに人気があったのがアンドリュース・シスターズ。
ma:んー。
H:でも、ヒットした曲が…まあ、ブギもヒットしたけど、大ヒットは…日本でもヒットしたのがあって。それは戦後なんだけど。"Rum And Coca-Cola"というカリプソの曲を聴いてみましょうかね。
ma:はい。
Rum And Coca-Cola - The Andrews Sisters
H:…っていう、感じ(笑)
ma:んー!「下り」がすっごい、私、好きです。あの、♪Coca-Cola~のところのハモりの下り方がすっごい…
H:あの、アンドリュース・シスターズって三声が平行して動いていくじゃない。
ma:はいはいはい…なんか、だからこそ生まれる気持ち良さがありますよね。
H:そうね。でも、このアンドリュース・シスターズの真似してる女性たち、いっぱいいるんだよ、今も。アメリカに(笑)
ma:あ、今もですか。
H:人気ある。うん。なんか、真似しやすいのかもしれないね、これ。
ma:でも、楽しいですよね。ちょうど気持ち良いハモが多いな、って思いました。
H:そうかそうか。まあ、でも、何聴いてもこの和声っていうか…(笑)
ma:はいはいはい(笑)
H:で、前に番組呼ばれたときに1曲かけたブギがあるんだけど、それのオリジナルが…やっぱり1940年代の、戦争中の人で。
ma:はい。
H:僕もやってる曲なんだよね。"The House Of Blue Lights"っていう曲。それのオリジナルね。歌っているのはエラ・メイ・モース(Ella Mae Morse)という歌手です。
The House Of Blue Lights - Ella Mae Morse
H:…っていう(笑)
ma:うんうんうん…なんかやっぱり、こう…心も跳ねますよね。
H:跳ねるよね(笑)
ma:なんか、それがすごい気持ち良いですね。うん。
H:僕ね、4,5歳の頃ブギウギ聴いてて。飛び跳ねてたんだよね。
ma:(笑)
H:だから、子どもにすごくウケる。ライヴでこういう曲やると、前のほうに座ってる5,6歳の女の子がね、やっぱり飛び跳ねてるんだよ(笑)
ma:なんかこう…たぶん、小っちゃい頃ってもっと感受性豊かじゃないですか。
H:リズムにすごい反応する。うん。
ma:そう、そうなんですよ。だからなんですかね…?
H:うん。だから、manakaちゃんもまだ小っちゃいから…(笑)
ma:そうですね(笑)まだまだ…まだまだいけると思います(笑)
H:(笑)いや、ブギに反応してくれるとね、すごい僕はうれしい。やりがいがあるっていうかね。もう、無くなりつつある音楽なんだよね。
H:さて、なんか持ってきてくれたんだよね。
ma:そうです!あの、恐縮ながら…選ばして頂きました。
H:いや、聴きたいな。なんだろう。
ma:最近聴いている曲で選ばして頂いたんですけど…
H:いいよいいよ、もちろん。
ma:それでは、聴いてください。スー・レイニー(Sue Raney)で"Once Was A Time I Thought"。
Once Was A Time I Thought - Sue Raney
(from 『New And Now!』)
H:んー…知らなかったね。誰これ?(笑)
ma:スー・レイニーという歌手のカヴァーアルバムみたいな…ビートルズも入ってるんですけど。カヴァーされてて。
H:へぇ。
ma:で、原曲を聴いたんですけど、これもカヴァーなので。なんか、原曲よりも私はこのカヴァーがいいなぁ、と思って。
H:あ、ホント?原曲も知らないわ(笑)
ma:(笑)そう、私もぜんぜん知らなかったんですけど、調べて…「ママン&パパン」っていうグループの曲なんですけど…
H:ママス&パパス(The Mamas & The Papas)だ。
ma:あ、そうですか!(笑)私もこのカヴァーがきっかけで知ったので…あ、こんな方もいらっしゃるんだ、と思ったんですけど。
H:あ、ママス&パパス、なつかしい…ママ・キャス(Mama Cass, Cass Elliot)っていう太った女性シンガーがいて、その人サンドイッチ食べて喉詰まらせて死んじゃったんだよね(笑)
ma:えー!
H:そんなこと、いま思い出したよ(笑)
ma:サンドイッチ…ありゃ…
H:そのね、ママス&パパスのジョン・フィリップス(John Phillips)っていうシンガーがいて。その娘さんが、ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)のブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)の娘さんとウィルソン・フィリップス(Wilson Phillips)っていうグループ作って曲を出してるんですけど、ちょうどいまそれを思い出したんで聴いてみようかな。"Good Vibrations"。
Good Vibrations - Wilson Phillips
(from 『Dedicated』)
ma:んー、おもしろい…!
H:あ、やっぱり?(笑)これ、ぜったい反応すると思ってたんだけど。
ma:すごい…なんですか?
H:これ、難易度が高いよね。
ma:ですね。え、全部声ですよね?
H:声でやってるね。
ma:えー!これは最新ですか?新しい?
H:いや、わりとね、古い…何年前かな、これ。ちょっと憶えてないな。10年以上前だよね?んー。
[*「親世代」の楽曲カヴァーを多数収録した『Dedeicated』というアルバムの中の1曲。リリースは2012年ながらジャケットに漂う2000年代初頭感…]
ma:すごい…え、めっちゃ好きです。
H:だと思ったよ(笑)
ma:おもしろい!うれしい…(笑)
H:これ、レパートリーに入りそうだもんね。
ma:いや、めっちゃやりたいですけど、こういうのって現実的にすっごい難しいですよね?
H:まあ、レコーディングだからできるっていうね。
ma:そうですよね。めっちゃ、でも、聴いてて楽しいですね。
H:そうだよね。いちばん[曲に]入り込んでたね、いまね(笑)
ma:いえいえ…(笑)なんか、めっちゃ曲調が変化していくから…
H:そうそうそう。
ma:お、こんな曲になったか、みたいな感じで。曲がり角が多かったです。
H:そうだね(笑)まあ、話の流れでママス&パパスが出てきたんで、かかったんだよね。
H:もう1曲、なんか、持ってきてくれたの?
ma:はい。もう1曲選ばして頂いたんですけど…はい。フォスター・シルヴァーズ(Foster Sylvers)で、"Misdemeanor"。
Misdemeanor - Foster Sylvers
(from 『Foster Sylvers』)
H:これは僕、知らない…いつの人だろう、これ?
ma:えっと、ジャクソン5(The Jackson 5)が流行った時代に…
H:やっぱりそうなんだね。
ma:そうなんです。[彼らに]憧れて歌っていた子たちの…ジャンルが「キッズ・ソウル」っていうらしくて。
H:なるほど。子どもだもんね。
ma:私、個人的になんですけど…ソウルって精神的に元気なときにしか…構えて、よし聴くぞ、って思うときに聴くなぁ、っていうイメージなんですよ。私自身が、なんですけど。
H:なるほど。
ma:なんですけど、キッズ・ソウルはなんか…とにかく[音楽を]かけとこかな、くらいのテンションで聴けるんですよ(笑)
H:気楽に聴けるんだね。わかるわ(笑)
ma:そうなんです(笑)なので、最近…これはそのジャンルの中ではド定番だと思うんですよ。なんですけど、私はこれがすごい好きで。
H:聴いててね、あ、ジャクソン5みたい、と思ってた(笑)
ma:そうですよね。そっくりなんで、かわいらしくて…最近よく聴いてます。
H:かわいいよね。そっかそっか。おもしろい…ぜんぜん知らない世界だ(笑)
H:じゃあ、ちょっとね…最近のね。1970年代に僕たちがすごい影響を受けたリトル・フィート(Little Feat)っていうバンドがロサンゼルスにいて。
ma:はい。
H:そこにローウェル・ジョージ(Lowell George)っていう、亡くなっちゃったんだけど、ギタリストがいて。その娘さんがいま、活躍してるんですよ。イナラ・ジョージ(Inara George)というお嬢さんで…そのイナラがやってるユニットで、ザ・バード・アンド・ビー(The Bird And The Bee)という…まあ、とてもユニークな男女ですけど。彼らの曲で、"Birds and the Bees"。
Birds and the Bees - The Bird And The Bee
(from 『The Bird And The Bee』)
H:こんな感じ。
ma:んー、知らなかったです。
H:僕も。
ma:え?(笑)
H:なんか、有名な曲[カヴァー]だと思ったらオリジナルだった(笑)
ma:めっちゃ、でも、いいですね。すごい好みです。
H:僕も。
ma:ホントですか?(笑)
H:ホント(笑)なんか、声の処理が素晴らしいよね。最近こういうの無くなっちゃってるから、余計良いよ。なんて言うんだろうね。
ma:うんうん。
[*もしかして:]
H:じゃあね、時間が無くなっちゃったんで最後に…僕がいちばん好きなザ・パイド・パイパーズ(The Pied Pipers)というコーラスグループ。
ma:はい。
H:これはね、有名な歌手の後ろでコーラスをする、っていう仕事が多くて。それがまたいいんです。じゃあね、いっぱいあるんですけど…フランク・シナトラ(Frank Sinatra)が若い頃…1940年代頃のレコーディングですけど、ザ・パイド・パイパーズのコーラスといっしょにやってます"Stardust"を聴いて、これで…また来てくださいね。
ma:はい、ありがとうございます。
Stardust - Frank Sinatra
2019.05.26 Inter FM「Daisy Holiday!」より
H:こんばんは。細野晴臣です。えー、きょうはね…2回目かな?Little Glee Monsterから、manakaちゃん。いらっしゃい!
ma:よろしくお願いします!
H:えー、なぜ、来てくれたかというとですね…[今年の]2月ごろに他の放送局で放送した…僕がゲストでLittle Glee Monsterの中に入っていって…
ma:はい(笑)
H:いろんな曲をかけたんだよね。
ma:そうです。いろんな曲を教えてくださって…
H:いやいやいや…そのときに、選曲したのをまとめて今度あげるよ、なんて言ったことを…少し憶えてる(笑)
ma:(笑)
H:いやいや、ちゃんと憶えてるんだけど…(笑)
ma:私は全力で真に受けてて…(笑)
H:あ、そうなんだ、すみません…(笑)
ma:いつ頂けるのかな、ドキドキ…って思ってたんですけど…今夜こうしてまた出させて頂けてすごくうれしいです。ありがとうございます。
H:はい。そうですよね…[まとめたCDを]取りに来たっていうか…(笑)
ma:そうです、いただきに参りました(笑)
H:それで、いろいろ考えたんだけど、難しくてね。意外と。
ma:いやー、またこの時間を過ごせるっていうのがすごいうれしいです。
H:じゃあ、まあ…テキトーに選んできたんだよ(笑)
ma:うれしい~ありがとうございます!
H:で、やっぱりLittle Glee Monsterならではの選曲とか考えちゃうんだよね、ついね。でもダメだ。
ma:えー!そんな贅沢な…聴きたいです、聴きたいです。
H:ホント?どうしてもコーラスものとかね。
ma:もう大好きです。はい。
H:じゃあ…こないだね、かけたエンジェルズ(The Angels)が気に入ったんだっけ?
ma:そうですね、大好きになりました。
H:"My Boyfriend's Back"という曲ね。あの頃、1960年代の初期にああいうガール・ポップのグループがいっぱい出てきて。白人黒人問わず。
ma:はい。
H:で、その中で…僕は中学生だったのね。いろいろ…ヒットパレードっていうのを聴いてて、いい曲ばっかりだった。
ma:ですよね。ホントに…すごいです。
H:で、シフォンズ(The Chiffons)の"One Fine Day"っていう曲を…ヒットしたやつを聴いてください。
One Fine Day - The Chiffons
H:もう終わっちゃうんだよね、短い…2分9秒しかない(笑)
ma:短い!
H:この頃のは大体2分半…3分っていうのはあんまりないね。
ma:でもなんか、そのぐらいの曲の潔さがすごい好きなんですよ。
H:そうだね。んー。
ma:で、なんか、エンジェルズは「不良」って前言ってましたよね(笑)ちょっと悪いグループみたいな…
H:ちょっとね(笑)
ma:この方たちはどういう感じなんですか?
H:この方たちはね…(笑)
ma:(笑)
H:黒人の…4人組ぐらいかな?で、あんまりよく知らないよ?でもヒット曲はけっこうあって…この曲はキャロル・キング(Carole King)が作曲したんで…
ma:おお…
H:後で、キャロル・キングって人はすごいな、って。いろんなヒット曲書いてるんで。
ma:そうですよね。
H:16, 17歳ぐらいの頃からやってるからね。彼女は。
ma:長い…
H:まあ、こういうのは60年代で、今から50年以上前だからね。信じらんない(笑)
ma:信じられないです、ホントに。
H:えーと、manakaちゃんは…ミレニアムベイビーって聞いたけどね。
ma:はい。そうです、2000年生まれなので…
H:ものすごいホヤホヤな感じだけど、もう平成が終わっちゃったね(笑)
ma:そうですね(笑)人生初の経験なので、どんな心境なんだろう、と思ってて。
H:うんうん。
ma:で、なんか…そうなんですよ、細野さんにもそれをお聞きしたくて。
H:あの…さっきも話してたんだけどね、平成の時はね、暗かったね。
ma:んー…
H:要するに、はしゃいじゃダメ、みたいなね。音楽かけちゃダメ、とかね(笑)そういうことがあったよ。
ma:そうですか…
H:でも今回はみんな…なんかちょっと楽しんでるでしょ?
ma:そうですね。ちょっとドキドキ…みたいな感じでしたよね。
H:うん。まあ、これからずっと…当分は令和だからね。
ma:あー、そっか…
H:もう、だから、昔の人になっちゃうよ(笑)
ma:いやー、私も!なっちゃいますよね、でも(笑)「あの頃は…」みたいな(笑)
H:(笑)まあ、でも…令和に活躍する人たち、と。そう思ってますから。
ma:がんばります!
H:そういえば、アジアツアーやったんだって?
ma:はい。去年初めてやらせて頂いたんですけど、やっぱりアジアの皆さん、すごく熱狂的に応援してくださる方が多くて。
H:あー、やっぱりね。うん。
ma:もうなんか、1曲目からホントに…なんて言うんやろ、個人個人が「熱い」っていう…一人ひとりが盛り上がってくれるから、それが集結してもっとすごいパワー、みたいな。
H:すごそうだな(笑)
ma:そうなんですよ(笑)でも、日本ってちょっと…最初の1曲目からそんなにあたたまることって…
H:無いよね。
ma:徐々に徐々に会場が一体化してくる、っていうイメージなんですけど、[アジアは]もう、1曲目からすごかったですね。
H:みんなよく聴いてるんだよね、それで。詳しいし。
ma:そうですそうです!日本語が上手な方がすごい多くて。
H:そうそうそう。
ma:細野さんもこの前、台湾行かれてましたよね。
H:そう。2月に行って来て…まあ、[盛り上がり方は]それほどじゃないけど、僕の場合は(笑)
ma:いえいえ…
H:1曲目から…っていうわけじゃないけど、やっぱりみんなよく聴いててくれて。
ma:そうですよね。
H:こんな年寄りの音楽をよく聴いてるな、と思って。ホントにもう、ありがたいですよ(笑)
ma:全世界にとって「神」です。
H:いやいやいや…(笑)また…また[神様って]言われてるな…(笑)
ma:(笑)
H:そうだな…じゃあね、なんにしようかな。キャロル・キング、シフォンズか…えーとね、"Crying in the Rain"ってヒット曲があって。
ma:はい。
H:これもキャロル・キングが作曲してて、自分でも歌ってますけど…ヒットした張本人たちを聴きたいんで、エヴァリー・ブラザース(The Everly Brothers)。前もね、紹介して…こういう独特なコーラスおもしろいよ、みたいな。
ma:うんうん。
H:聴いてください。"Cathy's Clown"。
Cathy's Clown - The Everly Brothers
H:はい、"Cathy's Clown"っていう曲で…エヴァリー・ブラザースっていう兄弟。
ma:兄弟なんですね!だから声が似てるんだ。
H:似てる。おんなじ声してるんだよね。
ma:なるほど…なんか、なかなかこんなに声質の似たハモりとか珍しいな、と思って。1人で[多重録音で]やられてるのか、もしくは…って思ったんですけど、兄弟だったんですね。
H:そうそうそう。
ma:そっくり…すごい…
H:なんかね、独特の声もいいけど、わりとルックスもいいんだよね(笑)
ma:えー、カッコいいんですか?
H:うん。人気あったんだよね。アイドルだった。えー、こういう兄弟がいたらこういう曲、歌ってもらいたいな、とか思うんだけどね。
ma:いいですよね。
H:なかなかね、いなくて。
ma:でも、こんなに声が似てるのもすごいな、って思います。
H:さあ、それで…なんにしようかな。この頃に集中しようかな。60年代で、んー…パリス・シスターズ(The Paris Sisters)っていう…暗い、3人組の女性ボーカルグループ。
ma:興味あります(笑)
H:ものすごく暗さを狙ってるっていうね。で、当時レスリー・ゴーア(Lesley Gore)っていう明るい少女歌手がいたんですけど。
ma:はいはいはい。
H:その人はいっぱいヒット曲を出して…"It's My Party"っていう大ヒット曲があって。[曲調は]明るいんだけど、内容は…自分のパーティで自分のボーイフレンドが[別の]女の子に取られちゃった、みたいな歌で…(笑)
ma:うんうんうん。
H:そういう曲なんで、本当は暗い。その暗さを前面に出したのがパリス・シスターズで、"It's My Party"のカヴァーをやってます。
It's My Party - The Paris Sisters
H:まあ、原曲を聴くとビックリするぐらい違うんだけど…(笑)
ma:そんなにですか![歌詞の]内容を聞いてから聴いたのでこの曲を…すごい、なんか、怨念みたいなものを感じちゃうぐらいの…
H:そうそう(笑)
ma:リバーブが怖さをさらに引き立てますよね、声の(笑)
H:たしかに(笑)
H:えーと…30分なんでどんどん行っちゃうけどね。じゃあね…いまのは60年代の1960年から1964年ぐらいまでの音源なの。
ma:はい。
H:その頃ってね、なんて言うんだろ…ある意味ではポップスがバーン!と花開いたの。
ma:はい。
H:で、その前の1950年代ぐらいからもいっぱい、いい曲があるんだけど、その頃のことは僕はまだ子供で知らなかったのね。
ma:あー。
H:後で聴いて、これ知ってる!って、記憶のどこかにあるわけね。その中の一つにペイシェンス&プルーデンス(Patience & Prudence)っていう女性2人。若い女の子。
ma:うんうんうん。
H:で、独特の掛け合いがあるっていうか…なんて言うんだろう、エヴァリー・ブラザースにちょっと似てるっていうかね。
ma:おお。
H:元祖ですけど。"Tonight You Belong to Me"っていう曲です。
Tonight You Belong to Me - Patience & Prudence
H:はい、これは1分54秒っていう…(笑)
ma:これ大好きです!
H:あ、だろうと思った(笑)
ma:あの、ナンシー・シナトラ(Nancy Sinatra)が歌ってるヴァージョンのもすごい好きで…
H:あ、そうだ。うんうん。みんなこれ歌ってるんだよね。
ma:ですよね。これが元祖、原曲ですか?
H:いや、もっと古い曲だと思うよ。ちゃんと知らないんだよ僕も(笑)
*1926年、アーヴィング・カウフマン(Irving Kaufman)によるものが最初とのこと。
ma:めっちゃ、でも、ぜんぜんアレンジも変わりますね。すごい素敵、これも…
H:そうなんだよ。この2人組はなかなかね、特徴があるんで…いまだに色褪せないです。
H:もう1組、コーデッツ(The Chordettes)っていう、女性グループがいて…
ma:もう、大好きです…
H:♪Mr. Sandman~っていうのがけっこうね、最近、テレビでもちょくっちょくBGMで使われたりしてね。
ma:はい。
H:じゃあ、コーデッツで…"Mr.Sandman"っていうのはよくかかってるんで、それはかけませんが…"Teenage Goodnight"という曲を。
Teenage Goodnight - The Chordettes
H:はい、あんまり…好きじゃなかった、これ(笑)
ma:予想外の…(笑)
H:なんか特徴のない曲だなぁ、と思って…
ma:(笑)
H:やっぱり"Mr.Sandman"のあのすごいインパクトがね…ちょっと、頭だけ聴いてみようか。
ma:はい。
Mr. Sandman - The Chordettes
H:やっぱり、これがいいわ(笑)
ma:いいですね。
H:アルバムとか聴いてると、これがやっぱり、いちばんいいんだよね。
ma:んー。
H:というわけで…先に進んでいいかな。なんか、すごい焦ってるんだよな、僕(笑)
ma:(笑)
H:ちょっと落ち着いて、なんか話そうかな。
ma:おお…
H:えーと、manakaちゃんは小っちゃい頃からこんなような音楽を聴いてたんだっけ?
ma:そうですね。なんか、辿って行くうちに辿りついて…っていうことが基本的に多くて。
H:あー、じゃ僕とおんなじじゃん(笑)
ma:(笑)で、なんか…それこそ"Mr.Sandman"とかはLittle Glee Monsterが結成して、最初に「やりたい曲を考えてきてくれ」って言われたときに提出した曲でもあって。
H:おお!
ma:ただ、ぜんぜん…大却下されて(笑)
H:ホント?(笑)そうだったんだ。
ma:いや、もう、なんか…そんな感じだったんですけど、基本的には辿って行って…って感じですね。
H:そうか。でも、そういう人はめずらしいかもね。"Mr.Sandman"を子どもが…子どもでしょ?だって(笑)
ma:そうですそうです(笑)もちろん。
H:それを選曲のリストに入れたっていうのはビックリしたよ。
ma:いやいやいや…でもホントに、それこそ細野さんから、細野さんが好きな、ルーツとして選ばれている曲とかも、本とか見ながら…
H:勉強家だね。
ma:聴いていって、これ好きだ、と思ったのをまた探っていって…みたいな。
H:そういえば、この番組…ずっと聴いてくれてたんだよね(笑)
ma:そうなんです。もうホントに、ただのリスナーだったので、ここに居れてることがすごくうれしいです。
H:いや、よかった。こっちもうれしいね、それは。初めて紹介されたとき…ライヴのときに来てくれたんだよね。
ma:そうなんです、念願のライヴだったんですよ!
H:で、この番組、そんなに若い人が聴いてるんだ、ってそのとき初めて知ったんだよね。誰が聴いてるかわかんないんで…(笑)
ma:いや…もう、ホントに大好きで聴いていて…で、このDaisy Holidayで流れた曲をまた聴いて…っていうことも、ホントにたくさんしてて。いろんな音楽と出会った時間でもあるので…すごいホントに、うれしいです。
H:そうか。これからそういうのが役に立つといいけどね(笑)
ma:いや、[自分と同じような人は]ホントにたくさんいらっしゃると思います。もっともっと。
H:いやいや、manakaちゃん本人はそれを吸収してる最中じゃない?いまは。
ma:はい。
H:それをどうやって、これからね、表現してくのか。楽しみだね。
ma:そうですね…
H:却下されるかもね(笑)
ma:(笑)なんか、『HOSONO HOUSE』から、またこうして2019年に『HOCHONO HOUSE』ができて…
H:あ、言ってくれた、「ホチョノハウス」(笑)
ma:(笑)いや、私大好きなんですよ「ホチョノハウス」っていう響き(笑)
H:あ、それはよかった(笑)
ma:いちいち言いたくなるような、大好きな響きなんですけど…(笑)なんか、冗談でもいいので、『HOSONO HOUSE』ができた時に、そういう未来って想像できてましたか?
H:いやいやいや…ぜんぜん。未来無いと思ってた(笑)
ma:えー…なんか、そういう話とかも聞きたいと思ってて。
H:なんでも訊いて。
ma:え、いいんですか?(笑)
H:うん。
ma:今年で音楽生活50周年ですよね。
H:長すぎるね…(笑)
ma:いや、もう、ホントに…「すごい」って言葉で片付けたくないし、片付かないんですけど、想像ってついてたのかなぁ、って思って。
H:20代の頃、後先はホント考えなかったよ。そういう時代だったのかも。その日暮らし。
ma:えー!
H:住所不定無職(笑)
ma:それこそ…(笑)
H:いやー、だから…50年経って振り返ると、やったことは全部その場で忘れてきたのに、[レコードとして]全部残っちゃってるから…(笑)
ma:すごいですよね…
H:ビックリしてるんだよね、実はね。みんながそれを聴いてたりするっていうことが最初は信じらんなくて。
ma:はい…
H:で、いまのネット時代で、世界中がそうやって聴けるようになったから…ということはよくわかるんだよね。
ma:んー…
H:でも、大体昔は…普通、出したやつは廃盤になっちゃうから。消えちゃうんだよね。でも、なぜかね、いつも…復刻してくれるっていうか…(笑)
ma:(笑)やっぱり、いいものって残ってくんだな、って、めちゃくちゃ感じます。
H:だから、まあ…良い意味でも悪い意味でも「残っちゃう」から、ちゃんとしたもの作んないとダメだなって思うわけ(笑)
ma:なるほど…(笑)
H:だからね、残っちゃうよ?(笑)
ma:えー…そっか。
H:えーと…じゃあ続きを進めようかな。
ma:はい。
H:じゃあね…ちょっとだけこれを聴いて、次の曲に進めるんですけど。
ma:はい。
Ac-Cent-Tchu-Ate the Positive - Paul McCartney
(from 『Kisses On The Bottom』)
H:えーと、これは誰だかわかるかな?
ma:これ………誰だろう?
ma:え!あれ?
H:(笑)
ma:ありましたっけ、こんなの?
H:あのね、こういうスタンダードを集めたアルバムを出したんだよね。あんまり日の目を見なかったけど(笑)
ma:はいはいはい…すいません。
H:で、この曲…大好きな曲なの。で、こんな曲取り上げてやってるんだ、と思ってね。ビックリしてたんですけど。さすが、ポール・マッカートニーだな、と。
ma:んー。
H:これの原曲はジョニー・マーサー(Johnny Mercer)っていう人が作って、歌ってたりするんですけど…ビング・クロスビーとアンドリュース・シスターズ(Bing Crosby & The Andrews Sisters)が歌ってるのがいちばん良い出来なんで、それをちょっと聴いてみたいと思います。じゃあ、これを最後に…また、この続きは来週、ということで。
ma:はい。
H:それでは、ビング・クロスビーとアンドリュース・シスターズで、"Ac-Cent-Tchu-Ate the Positive"。
Ac-Cent-Tchu-Ate the Positive - Bing Crosby & The Andrews Sisters
2019.05.19 Inter FM「Daisy Holiday!」より
"伊賀航ショウの前テーマ"として生き残り続けるHarry Breuer("Tropicale Stephanie")...
H:こんばんは。細野晴臣です。えー、きょうは5/7の午後3時過ぎ…きょうっていうか、いまですね。都内のスタジオで…今月の18・19日に福岡・海の中道海浜公園で行われる「CIRCLE '19」のリハーサルのため、いつものメンバーが集まってます。
では、ここからは、この時期おなじみの伊賀航ショウを…伊賀くんに仕切ってもらって、番組を進めてもらいます。
@*&@*&@*&(ジングル)@*&@*&@*&
∽∽∽∽(♪伊賀航ショウの前テーマ)∽∽∽∽
伊賀:こんばんは。伊賀航です。いまもベースを弾いています。
高田:(爆笑)
伊賀:ここは笑うところじゃないですよ。なにも言ってないんで…
H:そっか(笑)
伊賀:さて…いま、細野さんが言ってくださったように…きょうは5/18-19に福岡・海の中道海浜公園で行われる「CIRCLE '19」のリハーサルで、メンバーが集まっているわけですが…全員が集まるのはですね、えー…あの、台湾公演、以来、ですかね?
卓史:そうかもしれません。
伊賀:そうですか。
H:で、令和になってから初めてだよね。
高田:あ、そうですね。
伊賀:まさにそうですね。まだ[令和に]なって、間もないですもんね。
H:そうですよ。
高田:(笑)
伊賀:あの…みなさん、どこで令和を迎えられましたか?
H:…家の中だよ。
高田:(笑)
伊賀:僕も家の中でした…(笑)
H:え?渋谷にいたんじゃないの?(笑)
伊賀:いやいや…(笑)家の中でした。テレビ見てました。あの、儀式を。
H:だいたいみんなそうじゃない?
大地:そうでしたね。
伊賀:見てた?儀式。
大地:ん、見てたと思いますね。
伊賀:卓史くん見てない。
卓史:見てないですね…はい。
H:パチンコ屋?ホントに?
卓史:はい、テレビ無いんで…
H:じゃなくて、パチンコ屋にいたの?
卓史:違います違います(笑)家にいました。
伊賀:え、じゃあ、家で…なん…いつの間にかそうなってたってこと?儀式も終わって…
卓史:儀式ってなんですか?
伊賀:なんか、あったんですよ。
卓史:へぇ…
H:いいや、野村くん、ぜんぜん興味ないみたい。令和に。
卓史:そうですね。
高田:(笑)
伊賀:では…台湾公演以来、みなさん、なにされてたんですか?
高田:(笑)
H:なにしてたんだろう…(笑)
伊賀:いきなりここに飛んできた…
H:自分はなにしてたの?
伊賀:僕は…(笑)僕はなにしてたかっていうと、ホントに…振り返ってみると…
H:もう振り返っちゃうんだ。
卓史:(笑)
伊賀:とくに…特にとくないです。
H:「令和を振り返る」。
高田:(笑)
伊賀:早いですね…(笑)
卓史:この1週間…(笑)
伊賀:はい、それでは…
H:お?
伊賀:ここで曲を…じゃあ、誰か、かけたい曲、ありますか?
高田:…
大地:…
卓史:…
H:シーンとしちゃった。
伊賀:あの、僕、かけたい曲っていうか…す…最近聴いてる曲があって。それをじゃあ、言ってもいいですか?えーと…宇多田ヒカルさんの…"Keep Tryin'"という曲なんです。
H:そうなんだ。んー。
高田:(笑)
伊賀:はい。それが最近…ずっとその曲好きだったんですけど、またその熱がきて…
高田:令和で?
伊賀:令和で…令和にあやかって…
高田:あやかって?(笑)
H:あやかってって…あやまってじゃない?
伊賀:あやまって…(笑)令和にあやまって…?以上です。
高田:(笑)
Keep Tryin' - 宇多田ヒカル
▼△▲▽▼△▲▽(ジングル)▼△▲▽▼△▲▽
伊賀:さあそして、今年はアメリカです。えー…5/28-29がニューヨーク…ニューヨーク!6/3がL.A.です。あ、ロサンゼルスです!
高田:(笑)
伊賀:伊賀さ…昨年のロンドンも初でしたが、アメリカも初ですか?
野村:それ読んじゃう…(笑)
高田:そのまま[台本を]読んでるね…(笑)
H:自問自答?
伊賀:ちょっと…誰かが問うてくれないと、ちょっと…
H:伊賀くんは初めてなの?
伊賀:あの…アメリカって言っていいのかわかんないんですけど、昔、会社員で働いてるときに、会社の慰安旅行でグアム島に行きました。
H:(笑)アメリカかもね。
卓史:一応、アメリカですね。
大地:あ、じゃあ行ったことないの俺だけですね。
H:あ、行ったことないんだ?
大地:はい、ないです。
H:意外だね。え、電車いっぱい走ってんじゃないの?
卓史:そうですね(笑)
大地:もう…2日間かかるような電車…卓史もね、アメリカ行ったことあるしね。
卓史:あ、小学校のときに家族旅行で…
H:へー。リッチね…
卓史:いやいや…
伊賀:どこですか?アメリカのどちらへ?
卓史:ニューヨーク…と、あとカナダに行ったりしてました。
H:何歳ごろ?
卓史:12歳とかですね。
H:あー。もう大きいよね。
伊賀:もう、[英語は]ベラベロ…ベラベラですね。そしたら。
高田:(笑)
卓史:(笑)それからもう、ずいぶん経ってますけど…
H:伊賀くんだよ、ベロベロなのは…(笑)
伊賀:すみません(笑)
高田:卓史くんは翻訳機があるからね。もう怖いもんないよね。
卓史:あ、そうだ。
H:ロンドンで重宝したよね…あ、台北か。
卓史:そうですね。
伊賀:あの、僕と大地くんは、4月になる前に会ってて…英会話をね。
大地:英会話習おう、って。
H:いまさらなにを…(笑)
高田:けっこうギリギリだね(笑)
大地:結局、令和になって習ってないです、まだ、俺。
伊賀:そしたら、その英会話の…英会話の先生がネットにいっぱい出てるんですよ。教えてくれる人。
大地:個人で。
H:んー。あ、そっか。
伊賀:それを見始めたら、かわいい先生とか見つけたくなって…(笑)
H:目的が…(笑)
伊賀:目的が変わってきたっていう…(笑)
高田:(笑)
H:結局どうしたの?まだやるつもりなの?これから。
大地:まだやってないですね。あと2,3週間ですけどね。どうでしょうか…(笑)
H:えー?(笑)
大地:え、伊賀さんは?
伊賀:僕、結局習ってないんですけど、iPadのアプリで…英会話アプリっていうのを入れたんですけど。
高田:翻訳するやつ?
伊賀:なんか…質問に答えたりとか。あとは…iPadに向かってしゃべって、発音が正しいかどうか…
高田:おお…
H:じゃあ、アメリカ行ったらそれでずっと…
伊賀:自問自答ですね(笑)
高田:(笑)
◎●○◎●◎○●(ジングル)●○◎●◎○●◎
伊賀:恒例…リサーチマン・伊賀航の、アメリカのお客さん情報は?あっ…
H:なんか知ってる?
伊賀:いま、読んでおいてなんにもリサーチしてない…
H:してないんだ(笑)
伊賀:どう…どうですか、みなさんは。その辺。
卓史:あの、俺は現地のことはわかんないですけど…知り合いの中で、「細野さんがニューヨークでライヴやるなら日本から行く!」っていう…
高田:うんうん。
H:じゃあ、日本でやればよかったね(笑)
高田:(笑)
卓史:ホントですね…(笑)
伊賀:たしかに…(笑)あ、それがリサーチってことで…?
卓史:リサーチっていうか…まあ、そういう人…4人くらいいます。
伊賀:なるほど…ありますか、漣くん?
高田:いや…実際のお客さんがどういう人が来るのかわかんないですけど。まあ、自分が意識してるからかわかんないですけど、最近よく、ネットニュースみたいなやつとかテレビとかで、細野さんだったりはっぴいえんどだったり、日本の昔の音楽を聴いてる若い人がいる、っていう情報はわりと耳にしてるような気がしてるんですよね。
H:んー。
高田:だから、どういう人が来るのか楽しみですよね。
H:いや、ホントにね。
伊賀:そうですね。
H:あの…こないだラジオに出てくれた五木田さん(五木田智央)っていうアーティストの情報によると、ニューヨークのレコードショップか…帽子屋さんだ。日本の人がやってるんだよ。
伊賀:あ、はい。
H:人気がある店で。そこに…どんな人が来たんだっけ…地元の人か。ニューヨーカーか(笑)2人来て、そこの店で流してたのが僕の曲だったんだね。『HOCHONO HOUSE』か。
伊賀:新しいアルバムですね。
H:そしたら…なんて言ったの?
(D:「ハルオミだ」って。)
H:あ、そうだ思い出した(笑)「ハローミだ」って。「はるおみ」って言えない(笑)「これはハローミだ」って言ってて。聴いてんじゃん、と思って。
高田:おお、すごい。
H:そんなような話は聞いた。こないだ。
高田:知り合いが…ちょうどこないだニューオーリンズのジャズフェスがあって。
H:うん。いいな。
高田:で、そこに行ってる写真をいろいろ上げてたんですけど、普通のレコード屋さんの写真が写ってたんですよ、外からの。
H:うん。
高田:細野さんの…例のアロハ着てる写真のパネルが飾ってありましたよ。
H:おやおや…
高田:だから、普通に…そういうレコード屋さんとかで、いまみなさんが聴いてるんだなぁ、ってそのとき思いましたね。
H:あの、Light In The Atticで使った写真だね、それ。
高田:あ、たぶんそうですね。はい。
H:彼らがいろいろやってくれてるのかもしれないね。
伊賀:いやー…リサーチが進んでますね。
H:そうでもないよ(笑)
高田:急にシメたね(笑)
伊賀:(笑)
(from 『HOCHONO HOUSE』)
伊賀:あっ…ところでみなさん、アメリカでしたいことはありますか?伊賀さんは…あっ…僕は…
高田:止めた…(笑)
大地:自問自答…(笑)
伊賀:僕、したいことはもう、すっごいあるんですけど…たとえば、普通にブロードウェイとか行って、こう…よく、ニューヨークの街並みとかの紹介で出てくるようなところ見たりとか、あと…ライブとか観たりとかしたいなぁ、と思ってるんですけど…そんな勇気があるかどうかはちょっとわかりません。
高田:(笑)
H:勇気いるかな…(笑)
卓史:(笑)
伊賀:いや…あれ…と…近ければいいんすけどね、自分のいる場所から。歩けるかな?みたいな。そういう、いろんな障害…
卓史:[伊賀さん、しゃべりながら]考えてます…
高田:伊賀くん、ホテルから一歩も出ないじゃん、だいたい(笑)
伊賀:出ようかな…まずは出たい、と思ってます。
高田:(笑)
伊賀:みなさんどうですか?
高田:僕は…メトロポリタン・ミュージアムで、いまちょうど「ロックの殿堂展」みたいのをやってて。
H:んー。
高田:いろいろ、有名なアーティストの楽器が飾ってあるっていう…
H:あ、それなんか聞いた。
高田:うん、新聞に出てて…せっかくニューヨーク、1日あると思うんで、行って観に行きたいなぁ、とは思ってますね。
伊賀:あの…僕も行ってもいいですか?
H:連れてってあげて…(笑)
高田:(笑)あの、歩いて行けますから、泊まるところから。
伊賀:…便乗します。
高田:(笑)
伊賀:みなさん、どうですか?
卓史:大地はなんか、観たいライヴが…
大地:あ、ロスに到着する日の夜、自分の大好きなジョン・ブライオン(Jon Brion)っていう人のライヴがあるっぽいんで、行きたいなぁ、と思います。
伊賀:あっ…それも便乗…
高田:(笑)
大地:便乗しますか?(笑)予定が埋まっていきますね。
卓史:俺もそのジョン・ブライオン、大地に教えてもらって好きだから、いっしょに行きたいな、と…
伊賀:いっしょに行きますか。
卓史:あとは、バンドみんなで楽器屋行ったりとかね。
高田:行きたいね。
伊賀:行きたいね、楽器屋さんね。
高田:ノーマンズギターショップだっけ…有名な。ありますね。
伊賀:どうですか、細野さん。
H:僕?…ライヴに出たい。
高田:(笑)
H:それしかいま、頭にないからね。
伊賀:そうですよね(笑)
H:いいな、みんな。
高田:(笑)
Lady Bird - Jon Brion
(from 『Lady Bird (O.S.T.)』)
伊賀:ライヴ終わってからは何日か滞在したりするんですか?
H:あのね…ロサンゼルスが終わった次の日かな、DJやるの。
伊賀・高田:え?
H:なんか、水原姉妹が呼びかけて…「細野テクノ」みたいなことやれ、っていうから…(笑)まあ、音源かけるだけだけど。
伊賀:どっかクラブとか、そういう…?
H:どこでやるんだろうね。ぜんぜんわからないです。行ってみないと。
伊賀:じゃあ、なんか、持ってくんですか?アナログレコードとか、CDとか…
H:いやいや、そこまでは持ってけないよ。
伊賀:あ、そうですよね。
H:あの、[電子]ファイルで持ってく。
伊賀:それは楽しみですね…ニューヨークの後とかは?
H:ニューヨークの後は…別にないよ。うん。なんかあの…ダイナーに行きたいね。
高田:うんうん、行きたいですね。
伊賀:ダイナー…?
H:なんか、情報あったら教えて。
高田:じゃあ僕、調べてみます。
伊賀:食堂ってことですか?
H:まあ食堂だけどね、古い。日本でいえば「キッチン」みたいな。
高田:うん。
伊賀:あー…僕も行ってみたいです。
H:いいよ、誘うよ。
高田:伊賀くん、予定いっぱいになったね(笑)
伊賀:よかったです、ホント…(笑)
H:(笑)
伊賀:えー…今回も楽しい旅になりそうですね!
H:…そうかな(笑)
大地:(笑)
高田:急だよね(笑)
伊賀:伊賀航ショウ。というわけで、いかがでしたか?
(D:もう終わっちゃうの?(笑))
H:(笑)
伊賀:ダメですか?(笑)時間的にどうですか?
(D:もうちょいかな。)
伊賀:え、もうちょい…
高田:この[台本の]「細野さんはいつ以来?」っていうの、訊いてみたら?
伊賀:細野さんはいつ以来ですか?アメリカは。
H:いつ以来だろう…あれ?数年ぶりかね。あの、ヨーコさん(オノ・ヨーコ)の…ツアーっていうか、ライヴを何回か…ロサンゼルスとニューヨークでやったのかな。
伊賀:2011年*。
H:あー、そうか。じゃあずいぶん前だね、やっぱり。
[*おそらく2010年2月16日のブルックリン音楽アカデミーで行われた公演のこと。細野さんはゲストとして参加。
伊賀:そのときはどうでした?楽しんだ…?
H:あのね、そのときは気楽だったね(笑)みんなと同じ。楽しかった(笑)
高田:なんか、けっこう写真とか撮ってましたよね?
H:そうそう(笑)あの気楽さはいいね。
高田:(笑)
伊賀:今回は、自分が…
H:イヤになっちゃうよ、ホントに(笑)どうしよう。もう、悪夢を見ちゃったんだよね。
伊賀:え?
H:当日、飛行機…アメリカ行きの飛行機に乗り遅れるっていう…(笑)
高田:(笑)
伊賀:リアルですね(笑)
H:リアル…すごいよ。なんだろう、本当だと思ってたの。夢だと思ってなかったの。
伊賀:あ、覚めるまで…(笑)
H:うん。だから、夢でよかったぁ、と思って…(笑)
伊賀:ごく最近ですか?
H:うん、ついこないだね。ホントね、ダメ。気が弱いっていうかね。気が小っちゃくて。
伊賀:ホントに、そうなったら…マズいですね。
卓史:(笑)
H:(笑)そうなんだよ、マズいよ…大変なことになる。
高田:(笑)
伊賀:あの…あれですか、細野さん。アメリカでやろうと思ってる曲とか…
H:それはね…あの、実はさ、今回みんなに…初めてだけど、アンケートとったんだよね。
伊賀:はい。
H:この場を借りて皆さんにお礼を言いたいんだけど。すごい参考になったんだよ。
伊賀:おお…
H:で、だいたいみなさんの言うことは共通してる。アメリカで受けるためにはどうのこうの…って、やっぱりみんな思ってるんだな、って。僕もそうだけど(笑)
高田:うんうん。
H:だから、ちょっと考えてるとこ。いま。まだはっきりしてないんだよ。
伊賀:いくつか、「こうしたらいいかな」みたいなものがある中のどれか、みたいな…
H:新しくやることもあるけど…きょうリハだよね。
伊賀:そうですね。
H:なんにも用意してないんだよ(笑)
一同:(笑)
伊賀:じゃあ…これから、っていう感じで。
H:これからだね。何日かあるしね。うん。
伊賀:楽しみにしてます…こんな感じで、じゃあ…
H:いいの?(笑)
大地:早く終わらせたそう…(笑)
卓史:(笑)
高田:急にシメるから(笑)いろんな話を…(笑)
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伊賀:というわけで、いかがでしたか。半年ぶりの伊賀航ショウ。令和初のDJでしたが、うまく…うまくいきましたか?いってません!
大地:(笑)
伊賀:いつも、そんなにうまくいってるとは思ってないですが、えー…よく、長く続いてるなぁ、と…
高田:(笑)
H:そんな長く続いてたの?(笑)
卓史:(笑)
伊賀:…我ながら思っております。令和になって思うことは?えー…やっぱり、昭和に生まれた人間としてはですね、なんかもう、だんだん、だんだんと時代が新しくなって、古い人間になっていく、っていうようなことを実感しております。…さて、シメです。
高田:(笑)
伊賀:番組への感想やご意見はメールでお願いします。すべて小文字で「holiday@interfm.jp」までお願いします。毎回言ってますが、あまり来ていないので、よろしくお願いします。では、まつ…ま…(笑)では、またいつか、お会いしましょう。みなさんお元気で。伊賀航でした。
大地:出演してるけどリスナーの気分。
伊賀:気楽だ!気楽だよ(笑)
一同:(笑)
伊賀:俺、きょうなんか夢…ヘンな夢見たもん。
高田:伊賀航ショウの所為で?(笑)
伊賀:モヤモヤモヤモヤしてて…
CIRCLE'09終了しました!
— 細野晴臣_info (@hosonoharuomi_) 2019年5月20日
ご来場のお客さま、CIRCLE出演者やスタッフのみなさま、ありがとうございました❗️今年も楽しいCIRCLEでした🌈
次回は、いよいよアメリカ🇺🇸NY(5/28&29)・LA(6/3)公演です。#細野晴臣 pic.twitter.com/Rq396Bms6s
circle19細野さんバンドは初の大トリ。
— 高田漣 (@rentakada) 2019年5月20日
最高のステージでした。この勢いのまま次はアメリカツアー!
写真は出番前のステージでの談笑、サウンドチェック、バンドを撮影する巨匠・三浦憲治。 pic.twitter.com/mN9NeAMz0L
Circle2019ハナレグミと細野さんバンドで出演2日間でした!
— 伊藤大地 (@trimtrab88) 2019年5月20日
最高の二日間。
福岡の天気予報の当たらなさ感謝。
凄い人たちと沢山会うことができて刺激の渦でした。
打ち上げ前にヘパリーゼの高いやつ飲んだからか、朝4時までお酒飲めました🍶
また来年! pic.twitter.com/18oNqEGJiP