2020.05.24 Inter FM「Daisy Holiday!」より

岡田崇の手作りデイジー🌼


daisy-holiday.sblo.jp

 

(以下、すべてO:)

 

 こんばんは、岡田崇です。今夜のDaisy Holidayは細野さんに代わって僕が30分お送りします。どうぞお付き合いのほど、よろしくお願いします。まいったまいった…

 

 早速ですが、今夜の「真夜中のランチタイム・ミュージック」はめずらしい日本のホリデー・ミュージックということで、"素敵なランデブー"を。三保敬太郎さんと小野崎孝輔さんの編曲・演奏でお送りします。この曲は原六朗さんの作詞・作曲ですね。服部良一門下の方で、演歌を嫌い、モダンで洒落た曲を得意とされた方です。美空ひばりさんの"お祭りマンボ"なども書かれている方ですが、この曲も同じく、ひばりさんが1955年、当時18歳のときに吹き込んでいます。江利チエミさん、雪村いづみさん、美空ひばりさんの「三人娘」初の共演映画『ジャンケン娘』の中でも歌われています。江利チエミさんの実写版『サザエさん』の映画音楽も原六朗さんでした。80年代、三軒茶屋西友の上にあった「スタジオams」という小さな映画館で、この辺りの映画をたくさん観ました。また、映画館に行きたいですね。

 

 

素敵なランデブー - 三保敬太郎とストリング・ポップス・オーケストラ/小野崎孝輔とニューサウンズ・オーケストラ

(from『素敵なランデブ―:原六朗作品集』)

 

 

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 江利チエミさんの歌で日本でも有名な"Come On-A My House(家へおいでよ)"。まだまだそういうわけにはいかない世の中ですが。アメリカでこれをヒットさせたローズマリー・クルーニー(Rosemary Crooney)のレコーディングでハープシコードを弾いていたスタン・フリーマン(Stan Freeman)の演奏で、"Comen On-A Stan's House"。

 

 

Come On-a Stan's House - Stan Freeman

(from『Come On-a Stan's House』)

 

 

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Golf Cue - Carl Stalling

(from『The Carl Stalling Project Volume 2』)

 

 

  きょう、5月24日はゴルフ記念日だったそうです。ゴルフといえばこんな曲がありました。ティプシー(TIPSY)で"Space Golf"。

 

 

Space Golf - Tipsy

(from『Trip Tease』)

 

 

tipsyband.bandcamp.com

 

 

  ティプシーの前にかけた短い曲は、バッグス・バニーBugs Bunny)などワーナーブラザースのマンガ・アニメの音楽を手掛けたカール・スターリング(Carl Stalling)の作品集から"Golf Cue"でした。残念ながら4月に新型コロナウィルス感染による合併症で他界してしまった音楽プロデューサー、ハル・ウィルナー(Hal Willner)監修によるスンバらしい作品集、『Carl Starlling Project』からでした。1999年に発売されたこのCDでレイモンド・スコット(Raymond Scott)に注目し始めた方も多いかもしれません。ハル・ウィルナー、音楽の巨大な博物館のひとつを我々は失ってしまったのかもしれません。残念です。

 

 同じく『Carl Stalling Project』のCDからレイモンド・スコットの"Powerhouse"のエディットを。

 

 

Powerhouse - Carl Stalling

(from『The Carl Stalling Project』)

 

 

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Water Music - Eric Siday

(from『Sounds Of Now 2』)

 

 

  エリック・シデイ(Eric Siday)1971年作、"Water Music"でした。既にアンビエントですねぇ。

 

 

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グリスビーのブルース - コロムビア・シンフォネット

 

 

  1955年日本公開の映画『現生に手を出すな(Touchez pas au Grisbi)』より、ジャン・ヴィエネル(Jean Wiener)作曲、道志郎編曲、コロムビア・シンフォネットの演奏で"グリスビーのブルース"でした。

 

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 先週の放送ではジャック・タチ(Jaques Tati)の"ぼくの伯父さんの休暇"のカヴァーを流しましたが、改めて宣伝させてください。3月25日に『鈴木慶一・岡田崇、 コロムビア・シンフォネットを探る』というコンピレーションCDが発売されました。鈴木慶一さんと僕とで「The Diggers」という音楽遺産発掘ユニットを結成して、日本コロムビアの膨大なアーカイヴの中から、歴史に埋もれた音の数々に光を当てていこうという企画。今回は50年代~60年代にコロムビア・シンフォネットという楽団がレコーディングした映画音楽に絞って選曲しています。ぜひ、機会があれば聴いてみてください。よろしくお願いします。

 

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 さて、他にも日本人による演奏ものをいくつか聴いてみましょう。細野さんもカヴァーしていたカルロ・ルスティケリ(Carlo Rustichelli)の"死ぬほど愛して(Sinno' Me Moro)"。映画『刑事(Un maledetto imbroglio)』の主題曲で、1960年に大ヒットしました。「日本のレス・ポール」とも呼ばれた松宮庄一郎さんのギターをフィーチャーして、渡辺晋とシックス・ジョーズが演奏しています。ハモンドオルガンは道志郎さん、編曲は宮川泰さんです。

 

 

死ぬほど愛して - 松宮庄一郎、渡辺晋とシックス・ジョーズ

from『魅せられしギター(Haunted Guitar)』)

 

 

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  もう1曲。道志郎さんのクインテットで"キャラバン(Caravan)"。

 

 

キャラバン - 道志郎クインテット+ラテン・リズム

from『泣きぬれて -魅惑のエレクトーン-』)

 

 

  雨の日が続いていましたが、こんな曲はいかがでしょうか。中村八大とニュー・サウンド・グループの演奏で、"雨"。ここでもハモンドオルガンを道志郎さんが弾いています。ピアノは中村八大さん。ヴィブラフォンは平岡精二さんです。

 

 

雨 - 中村八大とニュー・サウンド・グループ

from『NEW SOUND OF JAZZ Vol.2』)

 

 

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   というわけで、お送りしてきた今夜のDaisy Holiday…大丈夫だったかな?(笑)日本人による軽音楽もなかなか良いんじゃないでしょうか。最後は、昨年末にこの世を去ってしまったニール・イネスNeil Innes)の曲でボンゾ・ドッグ・バンド(The Bonzo Dog Band)の"Hello Mabel"。これを聴いてお別れです。ではまた来週、岡田崇でした。おやすみなさい。

 

 

Hello Mabel - The Bonzo Dog Band

from『The Doughnut In Granny's Greenhouse』)

 

 

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    来週は細野さん、お願いします!