2019.02.24 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:こんばんは。細野晴臣です。えー、きょうもまた…1月に来てくれたかな?水原姉妹、いらっしゃい!

姉妹:こんばんは~!

希子:水原希子です。

佑果:佑果です!

H:はい。相変わらず、花が咲いたような…

希子:細野さんはすっかり、アルバムの作業も終わって…

H:終わったよ~

希子:なんか、顔が晴れてる(笑)

H:腫れてんじゃない?

希子:腫れてるの?(笑)単純に?そういうことなんですか?(笑)

H:うん、名前の通り。

佑果:(笑)

希子:いいことですね、じゃあ。

H:まあね。晴れやかで。

希子:晴れやかで。はい。

 

H:最近は…希子ちゃんは、時々噂は聞くけどね。

希子:ホントですか?

H:うん。ドラマ、続いてるよね。

希子:はい、撮影の真っ最中で…いま、もうちょっとで最終話を撮り始める…

H:あ、そうなんだ。

希子:はい。けっこう、終盤に差し掛かってるので…

H:どう?やってて。慣れてきた?

希子:いやー…まあ、もう、慣れないですね…やっぱり、日常では味わえないような、とっても苦しい人間関係にいま、巻き込まれている最中なので…

H:ドラマの中ででしょ?(笑)

佑果:(笑)

希子:そうです。なのでちょっと、こんな苦しい思いは現実でしたくないな、と…

H:じゃあよかったじゃん、現実はね。

希子:ただ、感情を入れなきゃいけないので…そこがちょっと苦しいところです。

H:そっかそっか。女優さんは大変だよね。

佑果:すごい。

希子:いやいや、女優なんてちょっと言えないですけど…がんばってます。

H:がんばってるよね。偉い。

希子:ありがとうございます。

 

H:佑果ちゃんは?

佑果:私は…最近も引き続き、音楽をたくさん掘ったり…(笑)

H:だろうね(笑)楽しそう。

佑果:あとはなんか、アプリで自分が好きなビートを重ねたりとか…

H:やってんだ。

佑果:ちょっとだけ、まだ…本格的にね、形にできたらいいんですけど。ダンスミュージック作れたらなぁ、と思いまして。

H:いいね!

佑果:ハウスとか…あとちょっと、宇宙っぽいテーマで作りたいなぁ、と思って。宇宙っぽい音とビートと…ミックスして。希子と相談したりもしながら…

希子:はい。

H:楽しそう。聴きたい。

佑果:ぜひ!ちゃんとできたら…

H:なんかすごい楽しみなんだよな。

佑果:ありがとうございます!

 

H:それでね、じゃあ…

希子:聴きたいですよ。

佑果:はい!聴きたいです!

H:出来たばっかりなんで…まだこの番組でかけたことないんだけど(笑)

佑果:わー!

希子:なんか、すごいうれしいです。そんな…初披露…

佑果:光栄ですね!そんな時間を共有できて…

H:配信を先行してやるんで、その曲を…"住所不定無職低収入"っていう曲を、聴いてください。

 

 

住所不定無職低収入 - 細野晴臣

(from 『HOCHONO HOUSE』)

 

 

H:いやいやいや…

希子:すごい…

佑果:あー…カッコいいですね…

H:低域がちょっと…このヘッドセットがいけないんだけど。はい、まあいいや(笑)

姉妹:めっちゃカッコいいです。

H:あ、そうですか。

佑果:細野さんの声も少し、ね…

H:なんですか?(笑)

佑果:カッコいいというか…なんだろう、『HOSONO HOUSE』とまたちょっと違うっていうか…

H:あー。あれはだって、もう40何年前だから…もう、25, 26歳の時に作ったやつだから…

希子:壮大な感じになってるというか、ライヴで聴いたらすごい、こう…グァーってきそうな感じの…

H:ありがとう、ありがとう…

希子:(笑)やっぱり照れますか?

H:いやー、なんか…この時期、すごくイヤなんだよね。

希子:なんでですか?

H:みんなに聴かれるでしょ。

希子:あー、そっか。

佑果:そうですよね。

H:作ってる間は楽しかったからね。で、これから…自分の子供みたいなもんだから、人前に出てなんて言われるんだろう、っていうね。

佑果:なるほど。

希子:いや、みんな誇りに…(笑)立派な子どもが…ホントにカッコよかったです。

H:あ、よかった。ほっとしたよ。

 

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希子:ライヴで聴くのがとっても楽しみ。

H:難しいんだよ、これが…ぜんぶ打ち込みでやってるからね。えー…まあ、いいや、自分のことはね。

希子:なんでですか!(笑)もっと聴きたいです。

H:あの…ウチ帰って、聴いて(笑)

佑果:わかりました。ゆっくり…

希子:えー!あれ、あと2曲かけるっていう約束ですよ?

H:そっかそっか。じゃあ、後でね。また…順番だから。お願いします、希子ちゃん。

希子:私?いいんですか?もう早速?

H:いいよ、もう。

佑果:(笑)

希子:なんか私がちょっと…オッケー、わかりました。じゃあですね…最近私が聴いてる曲なんですけど、リジー・メルシエ・デクルー(Lizzy Mercier Descloux)っていう、フランスのミュージシャンの方がいて。1980年代に活躍されてた方なんですけど、彼女の"Slipped Disc"という曲がありまして。それを最近、たまたまネットで見つけて聴いてたら、すごいカッコよくて。

H:へぇ。

希子:それをちょっと、紹介したいと思います。

 

 

Slipped Disc - Lizzy Mercier Descloux

(from 『Mambo Nassau』)

 

 

H:なるほどね。80年代だねこれは、音が…

希子:そうですね。

H:懐かしいんだよね、こういうの。

希子:あ、ホントですか。

H:ドラムスがね、これはリンドラム(LinnDrum)っていうのを使ってるのがよくわかる。そういう機械があるの。

佑果:リンドラム…

希子:へー。

H:音がね、こういう音なんだよ。すぐわかっちゃう(笑)

佑果:さすが…

H:ずーっとやってたから、こういうの。懐かしい。

 

希子:最近、細野さんは夢を見てますか?

H:夢ね。なんかね、疲れて、悪夢ばっかり見てたな。

希子:あ、ホントですか。

佑果:どんな悪夢を?

H:なにかな…ちょっと思い出せない。細切れの夢ばっかりだったな…

希子:んー。

H:でも、去年は鮮やかな夢をいっぱい見てたな。なんだっけ…知らない山岳地帯に連れてかれて、30cmぐらいしかない道の下が崖でね。やわらかい土で、崩れそうなの。で、後ろの崖にへばりついて、ぼーっと立ってるんだけど、景色がすごくて。それね、夢から覚めて絵に描いたよ。

希子:えー!ホントですか。

佑果:見てみたいです。

希子:それは、相当なインパクトだったんですね。

H:すごい。綺麗だった、色が。

希子:それは空とか海とか?

H:山なの。目の前が。山があって、深ぁい谷底の渓谷があって。いろんな色がそこにあって…緑、赤、黄色。で、その里が…なんだっけな、ヘンな名前だった。「エホバの里」っていう(笑)

希子:え、それホントにそういう風に夢に出てきたんですか?

H:そうそうそう(笑)で、そういうのが[実際に]あるかと思って検索したら、そういう養護施設があった。

希子:あ、ホントですか。

H:ありそうだよね(笑)

希子:たしかに…でもおもしろいですね、名前まで出てくる…

H:出てくるんだよ。時々ね、名前だけの夢っていうのがあるの。

希子:へー!見たことないです。

H:ヘンな夢いっぱい見るよ。名前とか、声だけの夢とかね。

希子:声だけの夢?その声は誰かが話しかけてきてるとか?

H:なんか、全体に響いてる声なの。よくわかんない。ちょっといま忘れちゃったけど…なんだっけな、字がね…道が一本あって。土でできてる道がダダダって崩れて、字が浮き彫りになるわけ。

希子:すごい。そんな夢見たことない!(笑)

佑果:私もないなぁ…

H:「孔雀の道」って書いてあるの。なんだろう、と思って(笑)

希子:その夢が、っていうより、細野さんってなんだろう?っていう感じですよ、私からすると…(笑)

佑果:(笑)

H:わかんないよ、自分でも。んー。

希子:それに比べたら私の夢なんて、ホント、大したこと…

H:いいんだよ、こんな夢見ないでほしい(笑)かわいらしい夢でいてほしい。

希子:私は最近、白い犬の夢を見ました。

H:わー、カワイイ~!

希子:すごいかわいい白いポメラニアンをお風呂に入れて…

H:あー、いいね…

希子:そしたら毛がフワーってなって…すごいかわいい夢だったんですよ。

H:(笑)そういうのでいいよ。

希子:いいのかな。

佑果:私はきょう幸宏さん(高橋幸宏)が出てきて、夢に。

H:お?

佑果:なんか、夜景の綺麗なところで、すっごい綺麗な景色を見ながら、幸宏さんが「またよろしくね!」って…(笑)

H:なんだ(笑)軽いね。

希子:(笑)

佑果:すっごい楽しかったのを憶えてて(笑)これはなんなの?予知夢?なんでしょう?って…

希子:楽しかったんだ(笑)

H:予知夢っていうか、[現実に]ありそうな、いつでもありそうな…

希子:日常の1コマみたいな(笑)

佑果:なんか、でも、おもしろかったです(笑)

H:やっぱりそういう、知り合いっていうか、知ってる人が出てくるの?

佑果:いっぱい出てきます、私の場合。テイさん(テイ・トウワ)とかも出てきます。

H:あ、テイくんも。

佑果:テイさんと、なんか…ヨーロッパの大きいフェスでイエーイ!って(笑)次が私のDJで、がんばります!って(笑)

H:それもありそうだよね(笑)

希子:ホントだね。なんか、デジャヴになりそうな夢だね。

佑果:なんかすごいおもしろくて…(笑)ドキドキしちゃいますね。

H:わりと身近な人がいっぱい出てくるんだね、じゃあ。

佑果:はい。私の場合はけっこうそう…あとは殺されかけたりとか。それはすっごい怖くて。いつも逃げてて、包丁から。

H:あー、怖いね。んー。

佑果:ちょっとそういう夢を今年初めて見たので…いつもはそういう夢は見なかった…

希子:夢占いでは殺されかける夢はすごく良くて、新しい自分に生まれ変わるとか…

佑果:今年に入ってそれ見たの。

H:じゃあ、生まれ変わるんだよ。

佑果:生まれ変わります!(笑)なんかわかんないけど(笑)

 

希子:じゃあ、そういうことで…(笑)じゃあ、佑果ちゃん。

佑果:じゃあ、シーナ&ロケッツの"ユー・メイ・ドリーム"を。ピッタリですね、いま(笑)

H:ホントだ。

希子:つながった…

 

 

ユー・メイ・ドリーム - SHEENA & THE ROKKETS

(from 『真空パック』)

 

 

H:うんうん。久しぶりに聴いたな。

佑果:鮎川さん(鮎川誠)ってどういう方なんですか?

H:鮎川くん。あのね、鮎川くんとシーナはほんっとに僕、大好きな人たちで。シーナは残念ながらもういないんだけど。

佑果:そうですね…

H:ホントに純粋な人たち。で、会うといつも…なんかね、シーナは愛にあふれてるっていうかね。すごい色っぽいんだけど(笑)鮎川くんは外国人みたいな見てくれなんだけどね。でも、しゃべると久留米弁で…朴訥で、スゲェおもしろくて。で…シーナが亡くなった時、僕行ったんだよ、お別れ会にね。すごいいっぱい人が来たの。いかに彼らが愛されているか、っていう。

希子:なるほど…

H:鮎川くん、すごいノッポで細いんだけどね。ロンドンにある2階建てバスを見ると鮎川くんを思い出す。

希子:なんでですか(笑)

H:細いから…(笑)

佑果:そうなんだ…カッコいいですね。

H:そうそう。あの2人は好きだったよ…いまだに好きだけど、もちろん。

佑果:私の憧れのアーティストです…

H:あのね…そうだ、思い出した。忌野清志郎くんと2人でローリング・ストーン(The Rolling Stones)が来たときに、なぜか知らないけどビル・ワイマン(Bill Wyman)っていうベーシストに呼ばれて、僕…なぜかね。「世話をしろ」っていうんだよね。「面倒見てくれ」と。で、ひとりで行くのイヤだから、清志郎を誘って2人で…[その時点で清志郎とは]初対面なんだけど、2人ともすごい遠慮深い人間で…(笑)おずおずと、じゃあ、僕は運転手で行くから、って言ったら清志郎が「じゃあ、自分はカバン持ちで行く」って言って。楽屋に行ったら、既にシーナがいて、そこに。なんでか知らないけど、キース・リチャーズ(Keith Richards)の膝の上に乗ってるんだよ(笑)

佑果:えー!すごい!

H:それはすごいと思った(笑)

佑果:イケイケ…楽しそうですね。

H:もう、すんなり入っていくっていうかね。

希子:でもなんか、そういう感じしますね。想像がつくというか。

H:ホントにね、もう、ロック・シンガーだね。根っからの。

佑果:あこがれです…

 

H:ということで…

希子:なにを聴きますか?

H:えーとね、じゃあ、僕の番なんでもう1曲…約束なんで。

佑果:お願いします。

希子:やったー!

H:"CHOO CHOO ガタゴト"かな。聴いてください。

希子:はい、わかりました。

 

 

CHOO CHOO ガタゴト(アメリカ編) - 細野晴臣

(from 『HOCHONO HOUSE』)

 

 

佑果:わー、カッコいい~!

希子:すごい。

佑果:汽車の音が、すごく…汽車を見てるような気分にさせられます(笑)

H:あれは本物を使ったんだよ。

希子:えー!

佑果:その時のエコーもなんか…すごい!

H:まあね(笑)

希子:(笑)ライヴを中野サンプラザに観に行った時に、「かなりマジメに作ったから[あえて]『ホチョノハウス』って名付けた」って言ってましたけど…

H:そうなんだよ。

希子:それがわかりました。

H:あー、よかった。

希子:え、なんで「アメリカ編」にしたんですか?

H:あのね…元々はこだまとひかりだったの。新幹線ね。でも、なんかもう古いじゃん。というか、もう、日常的に…この歌つくった時はまだわりと、新しかったからね。キャッチーだったんだけど、自分の中では。

希子:うんうん。

H:いま、次はリニアが控えてるじゃん。

希子:リニアモーターカー。控えてますね。

H:そう。そういう時代でもう、新幹線じゃないなって思って…場所をアメリカに置き換えちゃった。

希子:なるほど。そういう理由だったんですね。

H:そうそう。アメリカの鉄道はすばらしいからね、本当は。乗ったことないんだけど(笑)

希子:私もないです。

佑果:ないなぁ…

H:「シカゴあたりで乗り換え」っていうのは、やっぱりシカゴがすごい集積点だから。で、大陸縦断鉄道とか。昔はみんなね、ジャズのミュージシャンがそれに乗って、ニューオーリンズからニューヨーク行ったりね。で、揺られてると、リズムがね、ビートになるわけ。

佑果:あー。

H:そうやって生まれてきたビートがいっぱいあるわけね。

佑果:おもしろい…

H:蒸気機関車の場合はシャベリング(shoveling)って言って…石炭をくべるでしょ?あれの音がすごいリズミカルで、シャッ、シャッ…っていう音をシャベリングって言う、ドラムのビートにした音楽もいっぱいあるわけ。

希子:あー、そうなんですか。

H:1930年代が多いけど。うん。そんなようなことも含まれてる…音楽なんで。

希子:おー…あー、もっと聴きたかったなぁ…

H:いや、もう…

希子:次?次の週?

H:次の週ね。オッケー。じゃあ、次は1曲ぐらいかけるかね。んー。じゃあ、またこの続きは来週、お願いします。

希子:はい。お願いします。

佑果:お願いします…

H:水原姉妹、希子さん、佑果さんでした。

佑果:ありがとうございます~

希子:はい。ありがとうございました。

 

2019.02.17 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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 ♪~

時刻は午前1時です。ここで、Daisy Holiday!を始める前に、お知らせがあります。来週、2月24日のDaisy Holiday!は、都合により、放送時間が変わります。放送開始時間は23時半、夜11時半となります。いつもより1時間半、早い時間です。お間違えの無いよう、お願い致します。では今宵も、Daisy Holiday!をお楽しみください。

 

H:こんばんは、細野晴臣です。えー、きょうはですね…ウチのバンドのリーダー、っていうか…

高田:いやいや、リーダーは細野さんですから(笑)

H:ああ、そうか(笑)えー、高田漣

高田:どうも、高田漣です。こんばんは。

H:えーと、いまツアーの最中…っていうか、もうすぐ台北で一段落するんですけど。

高田:はい。

H:3月の6日に…CD出しますよね?

高田:はい。

H:おんなじ日に僕も出るんですよ(笑)

高田:そうですね(笑)図らずも…だんだん細野さんが近づいてこられて…

H:…すみません(笑)

高田:いえいえ(笑)ぜんぜん、光栄な限りです。

H:いやいや…「ぶつかり合い」というね(笑)

高田:ホントですね(笑)

[*細野さんの新作は当初、「2019年1月発売予定」とされていた。]

 

 

H:早速ね、新作の『FRESH』。

高田:はい。

H:これはなんか、ユーモアがあるなぁ、と思って。聴いてて。のっけから(笑)

高田:あー、そうですね(笑)なんか…あんまり神妙なのは自分としてもそんなに聴けなくて。やっぱりユーモアがあるものを、ずっと…何年か前から聴くようになってて。そういう部分が多く出た感じですかね、ついに。

H:出たね、ついに。なんか、昔の自分を思い出すよ(笑)最近はもう、あんまりユーモアが出てこないんだよね。

高田:細野さんとステージとかでご一緒してて、細野さんがいろいろ仰ることとか。

H:しゃべりはね、うん。

高田:あと、昔の細野さんとか、YMOもそうだし、大瀧さん(大瀧詠一)とかの音源聴いてて、いっつもちょっと、そういう要素が…

H:あるよね。昔のは。

高田:それがすごい、子どもながらにいっつも好きだったんで。

H:あ、子どものときにね(笑)

高田:それを少し散りばめてみました。

H:そうか。じゃあ、そのドアタマの感じから聴いていいかな?

高田:あ、どうぞどうぞ(笑)

 

 

FRESH ~ 寝モーショナル・レスキュー - 高田漣

(from 『FRESH』)

 

 

H:いや、おもしれぇな(笑)

高田:ありがとうございます(笑)

H:ナナコさんってのは…

高田:あ、ナオコ(NAOKO)です。

H:あ、ナオコさんね。えー、コーラス隊の…

高田:そうですね、「バクバクドキン」っていう二人のうちの一人で…僕、自分のライヴの時にも影アナでやってもらったりしてたことがあって。

H:あ、そうなんだ。こんな感じでやってんの?へー。

高田:スチャダラパーの『タワーリングナンセンス』っていうアルバムがありまして。それが…最初に、冒頭にいきなりそういう…影アナじゃないんですけど、挨拶があって。その挨拶をする人が自分で名乗るんですよね(笑)

H:(笑)

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高田:それがすごくおもしろくて、久々に聴いて懐かしくて。さっきの話じゃないですけど、曲もいろいろアレなんですけど、今回はそういう、いろんな…いまの曲も最後に「Japanese Gentleman」…

H:あー。

高田:で、「Stand up」じゃなくて「Wake up, please」と入れたりとか、そういう遊びの要素が…

H:かなり遊んでるね。

高田:そうですね(笑)多いかもしれないですね。

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H:だいたい、曲が…「眠い、眠い」って、そんな眠いの?(笑)

高田:僕…そう、細野さんとロンドン行ったときに感じたことなんですけど、いっつも眠いんで…

H:ああ、そうなのか(笑)

高田:逆に…なんていうか、時差がないっていうか。朝もすごい早起きなんですよ。

H:じゃあ、眠い人に見えないね(笑)

高田:お昼…11時、12時くらいがピークで眠くて。で、夜も早く普段、寝ちゃうんですよ

H:意外だよね。

高田:だから、それがどこの国に行ってもあんまり変わらない(笑)

H:いいなあ、それ。

高田:そうですね。逆にいつでも寝れるんで…(笑)

H:へぇ、特異体質っていうか、いいなぁ。眠いって言ったら自分のことって思っちゃうんだよなぁ。ホントに眠いから、いつも。

高田:そうですね(笑)

H:本番、眠いんだよ(笑)

高田:細野さんは、でも、すごい夜型ですもんね。

H:そうなんだけどねぇ。でもね、なんにも無いと朝型になるんだよね。

高田:あ、そうですか。

H:いま、自然に…レコーディング終わって、普通の生活に戻る…

高田:はいはい。

H:で、いっぱい寝たなぁと思って起きると7時だったりね(笑)

高田:(笑)

H:まあ、年取ってるから早起きになるよね。

高田:でも、レコーディングの作業はやっぱり夜中にやることが多いんですよね?

H:どうしてもね、レコーディングは夜中になっちゃうね。

高田:あー、やっぱりそういう風に体が出来てるんですね。

H:特にひとりでやる場合ね。

高田:そうですよね。

H:今度はもう、バンドだから…わりと朝からやってるわけ?そんなことないか(笑)

高田:あ、でもわりとそうでしたね。午前中に集まって…

H:あ。早い。

高田:まあ、でも、いつもの細野バンドのメンバーなんで…演奏は問題ないんで、音作りの時間だけちょっとかけてもらって。そしたら、ホントに1,2テイクでどんどん録ってくみたいな感じですね。

H:テンポ早そう。んー。

高田:うん、みなさんもう、ホントに、勝手知ったる仲間なんで。

H:うん。想像できるわ。いやー、なんかこう、前作に続いてる感じだよね。

高田:あ、そうですね。前作作り終わった後ぐらいからちょびちょび作ってたようなものがいくつかあって…

H:いまの曲もそうらしいね。

高田:そうですね。これはホントに…わりと続きで作ってて。まあ、断続的に作ってたんですけど、わりと…アルバムのためにいっぺんに作ったっていうよりは、ちょびちょび、時間のある時に作ってた…

H:あー、そのほうがいいね。そういうほうがぜんぜん…濃くなるよね。

高田:うん。

 

H:えーと…最近はテレビのドラマもやってるじゃない。

高田:あ、ありがとうございます。はい。

H:タイトルが…

高田:「フルーツ宅配便」。

H:そうだ、それ。見てんだよね(笑)

高田:あー、ありがとうございます(笑)光栄です。

H:いやいやいや、やっぱり音がいいなぁ。おもしろい、音楽が。

高田:ありがとうございます。なんか、監督陣はみなさん、細野さんの大ファンで…

H:あ、そうなの?

高田:沖田監督(沖田修一)もいらっしゃいますから。

H:あ、そっか。

高田:そうそう。みんな喜んでますよ、きっと。

H:いやいや、もう…[仕事を]頼んでこないけどね、僕にはね(笑)

高田:(笑)お忙しいから、あれじゃないですかね、気を遣って…

H:いやー…大瀧詠一もそう言ってたよ。「誰もなんにも頼んでこない」って(笑)

高田:(笑)

H:そういうもんなんだよね…(笑)

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H:じゃあね…ちょっと気になったんだけど、インストね。

高田:はい。

H:"最後の楽園"って、ぜんぜん僕ね、憶えてなかったのね。

高田:ホントですか!(笑)

H:どっかで聴いたことあるなぁ、と思って聴いてたんだよ。そしたら自分の曲だった…

高田:(笑)

H:よく知ってるね、こんな曲。

高田:いやいや、たぶんファンの間では有名だと思うんですけど。でも、僕も…いつかカヴァーしたいなと思ってたんですけど。インストゥルメンタルだし、なかなかそういうチャンスもなくて…だから、今回ホントにできてよかったです。

H:いや、よかったよ。こっちもうれしいですよ。あれ、何に入ってたんだろう?

高田:あれは『PACIFIC』ですね。

H:あ、『PACIFIC』か!それもじゃあ、インストだったんだね。

高田:そうですね。なんか、昔細野さんの『PACIFIC』聴いた時に、これこのままスティールギターでやったら、普通にそのまま…いわゆるラウンジ・ミュージックみたいな感じになるんだろうなぁ、と思ってて。

H:なるほどね。なってた。聴いていい?

高田:はい、もちろん!

H:じゃあ、"最後の楽園"。

 

 

最後の楽園 - 高田漣

(from 『FRESH』)

 

 

H:へぇ、こういう曲だったっけね。

高田:(笑)

H:えーと、ピアノ弾いてる…

高田:ハタヤくん(ハタヤテツヤ)。

H:ハタヤくんって…どういう人だっけ?(笑)

高田:ハタヤくん、一回、細野さんのライヴでも参加した…EGO-WRAPPIN'でずっとピアノ弾いてる…

H:あ、そうだ、彼か!

高田:そうですね。ホントに、こういうジャジーなピアノを弾かせたらもう天下一品で…

H:そうだよね、んー。

高田:今回のこれも…ノエル・ボッグス(Noel Boggs)っていう、スティールギターの…

H:あー、好きだよ。うん。

高田:あの人の、ジャズのカヴァーばっかりしたアルバムがあって。

H:へぇ。

高田:その中の"Tenderly"っていう…

H:あー、"Tenderly"!

高田:それが、今のみたいに、[ピアノが]歌に関係なく絡んでくるっていう…で、ちょっとその雰囲気を出して頂きたくて、聴かせて…

H:渋いねぇ。とにかく、スティール奏者自体がホントに数えるほど…3,4人ぐらいか(笑)

高田:ホントですね…世界的に見てもどんどん少なくなってきちゃってて。

H:アメリカでも最近聞かないね。

高田:そうですね。たまにYouTubeとかで好きな曲を演奏しているプレイヤーとか見ると、すごいうれしくなりますね。

H:あー。若い人もいるんだろうね、きっと。

高田:そうですね。ホントにちょっとなんですけど…まあ、だいたい同じ人が引っかかるんで、それぐらいしかいないのかなぁと思うんですけど(笑)

H:じゃあやっぱり、世界でも高田漣のスティールっていうのは通用してるんだろうね。

高田:いやいや、まだまだそんなアレですけど…でもなんか、そういう横のつながりがぜんぜん無いので、いつか会っていろんなプレイヤーと話はしてみたいですね。

H:なるほど。同業者ってなかなかつながらないんだよね(笑)

高田:そうですね(笑)ただでさえスティールギター、そんなに…なかなか呼ばれることもないので。[同時に]2人はさすがに呼ばれないですね(笑)

H:あー、そうだよね(笑)最近、ベース…こないだ小坂忠のステージでベースやったけど、3人並んで弾いてた(笑)

高田:あ、すごい…そうですよね、ベーシストはぜったい一緒にならないですよね。

H:ならないんだよ。んー。まあ、唯一、よく知ってるのは小原礼ぐらいで…あと、ハマちゃん…

高田:あー、ハマくん(ハマ・オカモト)。

H:ハマくんだね。ハマちゃんはお父さん(浜田雅功)だ(笑)

高田:そうですね(笑)

H:それぐらいなんだよな。

 

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H:えーと…このジャケットがね…Dr.Johnだね、これ(笑)

高田:そうですね(笑)Dr.Johnっぽくなってる、っていうか。

H:「ベルウッドの遺伝子を濃密に継承した」…(笑)そうなのかね?

高田:どうなんでしょうね?(笑)

H:まあ、そう言われればそうかなと思うけどね。

高田:まあ…よく考えると、子どもの頃からたくさんそういう音楽に触れてるんで…

H:ホントだよね。そりゃそうだ。

高田:自分で意識しないでも、わりと…自然とそういうものには、普通の人よりは多く聴いてるかな、という。

H:それは、すごい経験してると思うよ。

高田:ですよね。

H:何歳ぐらいから聴いてるの?(笑)

高田:もう、あの…僕のデビューっていうか、それがちょうど、まだ生まれて間もない頃に加川良さんの『アウト・オブ・マインド』っていうアルバムの中で僕が…まだ子どもの頃ですけど、泣き声で…

H:泣き声で!(笑)

高田:ホント、0歳とか1歳の頃ですかね。

H:ははぁ…

高田:写真も残ってて。僕はもちろん、ぜんぜん記憶に無いですけど。

H:泣いてたんだね。

高田:泣かされてたっていうか…(笑)

H:つねられてたのかね(笑)

高田:そうですね(笑)

H:そうか、じゃあ今度は泣き声で参加してもらおうかな。

高田:(笑)

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H:で…ひと頃まではね、そういう、たしかにベルウッド系っていうか…フォーク系のお仕事も多かったじゃない。

高田:はい。

H:最近そういう人たちは減ってるのかな。

高田:そうですね。あと、おもしろいのは逆に…細野さんもよく仰ってるけど、海外とかもそうだけど…若い子のほうが聴いてる感じがしますね。

H:そうだそうだそうだ、うん。たしかに。

高田:だから、何世代か回って…また、細野さんの作品とか聴く海外のアーティストもたくさんいるし。

H:そうそう。この数年でそういうことを知ってビックリしてんだけど。なんか、20代の人が聴いてるっていうね…(笑)

高田:うんうん。

H:でも、あの…漣くんの体験は濃密だと思うよ。だって…"はいからはくち"やってんだよね。

高田:そうですね(笑)

H:大瀧色もやっぱりね、おもしろい…強く出てるし。

高田:そうですね。よくまりんさん(砂原良徳)とかが、YMOの3人のそれぞれの音を出してバランスを取るって言ってますけど、僕もよくステージで…MCで言ってるんですけど、細野さんの曲をカヴァーしたら、必然的に大瀧さんの曲も1曲カヴァーすることになる…(笑)

H:(笑)

高田:なので、細野さんの”最後の楽園”をカヴァーしんたんで、大瀧さんのも、と思って。

H:どうしようかな、聴いちゃおうかな。聴いちゃおう、じゃあね。

高田:はい。

 

 

はいからはくち - 高田漣

(from 『FRESH』)

 

 

H:おお…いやいやいや…僕も大瀧詠一のカヴァーやりたくなってきた(笑)

高田:なんかね、以前そんな…まだ大瀧さん生きてる時に、そういう話もありましたもんね。

H:そうなんだよね。やりたいことはいっぱいあったんだけどね。残念だけど。

 

 えーと、このアルバム…僕のツアーでもやってくれてる"ハロー・フジヤマ"とかね、おもしろい曲いっぱい入ってますよ。

高田:あー、ありがとうございます。

H:あのー、ぜひ、CD聴いてください(笑)

高田:そうですね(笑)

H:まりんとも一緒になんかやってますよね。

高田:そうですね、1曲だけまりんさんに完全に打ち込んでもらったりとか。

H:そういう傾向もあるもんね。前、そういうのも作ってたでしょ?

高田:うん、そうですね。子どもの頃…小学校の頃、まさに僕らの世代って…

H:テクノだね。

高田:はい。YMOがもう…なんですかね、「B&B・ツービート・YMO」みたいな感じだったんで(笑)

H:お笑いね(笑)

高田:なんかそうやって、テレビでいつも見かける人たちで。で、その音楽は当たり前に子どもたちはみんな聴いてたんで。

H:あ、そうか。

高田:やっぱり、どこかそういうのが自分の中に残ってるっていうか。

H:そうだろうね。それは感じてたんだけどね。打ち込み好きそうだなぁ、って思ってた。そのうちそういうのもやるんだろうね。

高田:…やりたいんですけどね。でも、やっぱり、専門の人たちにはホント敵わないっていうか(笑)今回もまりんさんとやって、あー、やっぱり発想が違うんだなっていうのをつくづく…

H:そうなんだよ。最近の人はね…僕もわかんないもんね(笑)

高田:いやいやいや…(笑)でも、自分だと楽器で表現してるから、それが打ち込みに変わった時のおもしろさもあるし、違和感もあるし。その辺は細野さんもYMOやってて、ずっと…いろいろ試してたことだと思うんですけど。

H:そうそう。そうなんだよ。で、最近もね、同時に発売する『HOCHONO HOUSE』っていう…(笑)これも葛藤したね。

高田:あー…仰ってましたもんね、ずっと。

H:よっぽど漣くん呼ぼうと思ったんだけど(笑)んー、ひとりでやっちゃえ!と思って。

高田:いやいや(笑)ありがとうございます。

H:一人呼ぶといろんなね、人を呼びたくなっちゃうんで。

高田:そうですよね。コンセプトが変わっちゃいますもんね。

H:我慢しちゃった。まあ、そんなようなことで…あ、ツアーがあるでしょ?

高田:はい。

H:ちょっと、それを発表してください。

高田:えーと…6/16に大阪の千日前ユニバースで。

H:おお、ユニバース。うん。

高田:その後、6/23に、今度は東京のキネマ倶楽部で。

H:場所いいね、ぜんぶ。

高田:そうですね、どっちも…元キャバレーっていうか、そういう雰囲気のあるところで今回、やってみたかったんで。東京も、開演17時なんで、他の地方の方でもぜんぜんいらっしゃれると思うんで…

H:僕も、じゃあ、地方から…

高田:(笑)ぜひぜひ、いらしてください。

H:観たいね。

高田:会場もぜひ…細野さん、好きそうなんで…

H:好きなんだよね、たぶん、ね。行ってないんだけど(笑)

高田:すごく、いい場所だと思います。はい。

H:きっと、なんか…ふざけるのかな?どうなんだろ(笑)

高田:まあ、あの…そこそこに(笑)

H:そこそこね(笑)んー。まあ、わりと…なんだろう、そうだな、[普段は]あんまりふざけたりはしないよね。悪ふざけはしないよね。

高田:そうですね。MCの中でちょっと、そういう…おもしろいこととかは…トライはしてるんですけど。

H:落語好きだもんね。

高田:そうですね。まあ、それよりは、ちょっとそういう要素があって、あとは音楽がおもしろくなってくれれば、と思うんですけど。

H:まったくおんなじだ、僕と。うんうん。そういうわけで…3曲ぐらいにとどめておきたいと思います(笑)またじゃあ、ライヴで一緒にお願いします。

高田:あ、よろしくお願いします。楽しみにしてます。

H:はい。高田漣でした。呼び捨てにしちゃったけど。

高田:(笑)

 

tower.jp

 

★2019.02.15 α-STATION FM KYOTO「NICE POP RADIO」より

 

 

 
想い (はどうだろうか) - スカート
 (from 『CALL』)
  

澤部:お送りしましたのはスカートで"想い(はどうだろうか)"という曲でございました。こんばんは、スカートの澤部渡です。京都α-STATION、毎週金曜午後8時からはNICE POP RADIO。今週もわたくしの選曲とおしゃべりにお付き合いください~  

 68回目の放送でございます。今週はですね、スカートのサポートメンバーでおなじみの佐藤優介が…ようやくナイポレに初登場でございます。いま聴いてもらった"想い(はどうだろうか)"という曲の弦のスコアも佐藤優介が書いてますね。まあ、いろいろ二人で話したり、彼の新譜の話ができたらいいなぁ、と思っております。後半の選曲コーナー、今週は「佐藤優介と私」というテーマでお送りします。優介から教えてもらった音楽とか、なんかポロッと話してた音楽とか、聴いてきた音楽とかを持ってきました。非常にきもちわるい感じの回になるんじゃないかと思っております(笑)  

 

 番組ではみなさんからのメッセージをお待ちしております。α-STATIONのホームページにある"メッセージ"、からですね…番組「NICE POP RADIO」をセレクトしてお送りください。FAXは京都075-344-8940でございます。Twitterアカウントをお持ちの方はハッシュタグ、カタカナで「#ナイポレ」を付けてつぶやいて頂ければ、それを我々が拾いに行くというシステムになっております。よろしくお願いします。  

 また、この番組はパソコンやスマートフォンでラジオが聴けるIPサイマルラジオRadikoでもお聴き頂けます。スマートフォンからはGoogle PlayやAppStoreからRadikoアプリをダウンロードしてお楽しみください。有料サービスのRadikoプレミアムを利用しますと全国どこでもα-STATIONをお楽しみ頂けます。詳しくはα-STATIONのホームページ、またはRadikoのホームページをご覧ください。  

 そして、京都のレコードショップJET SET KYOTOのお店にNICE POP RADIOのコーナーを作って頂いています。番組で紹介したレコードも展開されていますので、ぜひチェックしてみてください。    

 

 では、佐藤優介特集なんで…1曲、彼がプロデュースを手掛けた曲をお送りしましょう。イルリメこと鴨田潤さんの"いい時間"を矢野顕子さんが歌うというプロジェクトがございまして、それを聴いてもらいましょう。"いい時間"。     

  

いい時間 - 鴨田潤 featuring 矢野顕子
 (from 『いい時間』)
 

    [CM]    

 

澤部:京都α-STATIONからお送りしておりますNICE POP RADIO。今夜はゲストをお迎えしております!

優介:おはようございまぁす。

澤部:(笑)お名前は?

優介:あ、佐藤です(笑)

澤部:(笑)というわけで、いつもスカートでキーボードを弾いてくれている佐藤優介くんに、遊びにきてもらいました。どうもどうもどうも。

優介:ああ、どうも…

澤部:(笑)きょうなんか、いつにも増して反応が遅い気が…

優介:いや、眠くて…

澤部:いやー、ご苦労様です(笑)最近も、お忙しそうで。

優介:いえいえいえいえ…とんでもないです。

澤部:ね、その…キーボード奏者としてもKID FRESINOだったり、ウチでも弾いてもらってますけど。しかもプロデューサーとしても…さっきかけたイルリメさんの"いい時間"をやったりとか、されてましたね。

優介:…そうですね。

澤部:"いい時間"は矢野顕子さんが歌ってて。

優介:そうですね。

澤部:ええ。すばらしい音源だったと、思うんですけれども…(笑)

優介:(笑)ありがとうございます。まあ、別に…ねえ。たしかに…よかったよね。

澤部:うん、スゲェよかった。ミックスがillicit tsuboiさんなんだよね。

優介:うん、ツボイさんでね…

澤部:めちゃくちゃ…ベースが気持ちよかったっすね、低音が。

優介:そうだね、やっぱりリズムが…すごかったですね。ミックス聴いた時。

澤部:ボンッて、こう、くる感じがあって。

優介:いやー、やっぱりいちばんすごいのは、社長(角張渉)だと思うんですけどね。

澤部:(笑)

優介:おれが社長だったらおれに頼まない…

澤部:いやいやいや(笑)でも、それでアレができてるんだからすばらしいと思いますよ。

優介:いや、ホントありがたいお話で…

澤部:ね。ペダルスティールは駒沢裕城さんで。

優介:駒沢さん、すばらしかったですね。

澤部:ね、ホントにいいプレイですよね。最高でした。

kakubarhythm.com

 

 

優介:…(笑)

澤部:慣れないことをやらしてすいませんね…(笑)

優介:いえいえいえ…

 

澤部:というわけで、そんな佐藤優介くんなんですけれども。僕と優介くんは古い付き合いに…だんだんなってきました。僕が20歳の時にですね…大学3年だったんですけど、彼が1年生として入ってきたのが最初でした。いろいろ…僕が大学1,2年で同い年の学生っつうのはわりとね、あんまりうまくいってなかったんですよ(笑)先生とか、ちょっと上の先輩とかとワイワイやってたんですけど。で、後輩に…おもしろいのが入ってきた、みたいなのがいくつかいて。で、その内のひとりが佐藤くんだったんですけれども。自分の中でよく憶えてるのが…YMOが好きな後輩が入ってきた、と。で、YMOが好きな後輩が入ってきたら…「まあ、"Rydeen"とかでしょ?」と思っていたんですけど。"Lotus Love"っていう曲のフィルインを…お互いが「ドッタタ、ドッタタッ」って言い出すみたいな瞬間があって。「あぁ、仲良くなれそうな気がする…」というのが最初でございます(笑)もうだいぶ眠そうですけど、大丈夫ですか?(笑)

優介:あー、だいじょうぶです(笑)ちゃんと……聞いてます。

澤部:(笑)まあまあまあ、そういう感じで…で、彼自身のピアノがすばらしいというのもあって、バンド活動に駆り出してしまって(笑)かなり…いまでもイヤイヤステージに立ってると思うんですけれども…(笑)

優介:いやいやいや…もう…楽しいです。

澤部:(笑)めちゃくちゃ言わされてる感じが…(笑)そうっすね…そうなんです。一時期、ホントに、もうやめてくれみたいな時期もあったよね…(笑)

優介:まあ…

澤部:もう出たくない、みたいな(笑)でも、そういう時をなんとか越えて、いまだに弾いてくれたり弦のアレンジなんかをしてくれております。

 

優介:………

澤部:眠そうだなぁ(笑)

優介:聞いてます、聞いてます(笑)

澤部:聞いてるかい?(笑)まあ、ここで優介が1曲…かけたい曲を持ってきてくれたということなので、1曲聴いてみますか。これはどういう曲ですか?

優介:アレですよね?

澤部:そうです、そうです。

優介:聴いてもらったほうがいいんじゃない?先に。

澤部:そうか。聴いてもらおうか。じゃあスカートで"秘密主義"という曲を。

 
 
秘密主義 - スカート
 (from 『lovers_chronicles』)
 
 
澤部:聴いてもらったのは"秘密主義"という…僕が18歳ぐらいの時に書いた曲ですね。…恥ずかしいですね、シンプルに。

優介:あ、そうですか?これがいちばん好きですけどねー、スカートで。

澤部:いや、これ…(笑)

優介:あんまりやんないですよね、ライヴでも。

澤部:そう、ライヴでやったことないね。あれだけだよ…Destroy All Monstersの…

[*2018.06.06(水)渋谷O-nestで行われた「佐藤優介 Destroy All Monsters」名義でのワンマンライブで披露された(らしい)。]

 

優介:いや、ね…やりたかったから、やったんすけど…いや、これが、ホントに、スカートでいちばんいい曲なんですけどね。

澤部:そうかもしれない…(笑)なんなんだろうね、とにかく短い曲をいっぱい作りたい時期だったんですよ。この頃っつうのはね。1分くらいの曲をね、たくさん作ってたっていう、感じでしたね…いやー、恥ずかしい…今度は僕が何も言えなくなってきますよ、これ(笑)

優介:…(笑)

澤部:いや、いいんだこの話は(笑)というわけで、なんで今回こんなにゲストとして絡みづらい佐藤優介をラジオに呼んだかっつうと、あれですよ。なんてったって佐藤優介、ようやくソロが出ると。

優介:…そうですね。

澤部:おめでとうございます(拍手)

優介:ありがとうございます。

澤部:いやー、そして…誰もたぶん、まだ聴いていない…

優介:そうですね、誰にも聴かせてないですね。

澤部:そして、このラジオが放送される時に、はたして聴いている人はいるのか…

優介:たぶん出てます(笑)

澤部:出てる?出てる?さすがに出てるか。

優介:出てるっていうか、もう届いてるんじゃないかな…

澤部:そうだね。

優介:ぜんぶ通販で…やってるんすけど。どこも出してくんないから…

澤部:いや、たぶんまじめに探せば出してくれるよ(笑)

優介:まあ…

澤部:まあ、最初の1枚ぐらいはね、自主でやってみたほうがいいよ、きっと。

優介:もう二度とやらないっす…疲れました。

澤部:自主はね、疲れるよ。あれは若い時やるもんだよ。

優介:んー…二度とやらないっす。

澤部:(笑)まあちょっと、一回聴いてみます?先に聴いてからのほうが話しやすいかもね。

優介:はい。

澤部:じゃあ、佐藤優介の『Kilaak』というアルバムの表題曲…ミニアルバムか。EP。"キラアク"を聴いてください。

  

キラアク - 佐藤優
 (from 『Kilaak EP』)
 
 

澤部:聴いてもらいましたのは佐藤優介で"キラアク"という曲でございました。いや、最高じゃないですか。

優介:…そうすか?

澤部:(笑)

優介:そう思ってないんでしょ。

澤部:いやいやいやいや、なんで…(笑)

優介:なんでも褒めるもんね。

澤部:(笑)いやいや、なに言ってんだよ(笑)めちゃくちゃいいじゃん。

優介:…

澤部:でも…佐藤優介、ソロを作るつくる、作ってるつくってると言い続けて何年も経ったっていう感じなんだけど。この曲は昔の曲なの?

優介:あー、でも、去年…ですかね。

澤部:はー。めちゃくちゃポップだし、カワイイし、ブキミだし、めちゃくちゃいいと思うんすよ。

優介:そうですか?(笑)

澤部:なんかもう…なんつうの?沸点の先のようなさ、感じがあるじゃん。

優介:あー…

澤部:躁状態、というか。

優介:ああ、そうだよね。元気ですよね…

澤部:うん。なんか、元気だけど…ただ元気なだけじゃないじゃん。ぜったいになんか…さっき言ったけど、ブキミさみたいなのがさ。どんどん、コロコロ、展開も変わるし。

優介:…なんかやっぱり、作ってると飽きちゃうんですよね(笑)

澤部:それで、なかなかソロが出なかった、っつう理由にもなるのかな?

優介:そう…ホントはこのEPの前に、アルバム作ってて。でも、アルバム、十数曲ぐらいできてるんですけど…なんか…やっぱ飽きちゃうんですよね(笑)

澤部:(笑)

優介:あ、でも、それは今年出そうかなとは思ってて。

澤部:うん、聴きたいっすよ。そう、なんかね…優介、昔の…僕らおんなじ大学なんですけど、卒業制作ってあるんですよ。で、[優介の]卒業制作がすごい良い、っていう噂だけ来て。そんなに良いんだったら聴きたいな、って本人に言って。「あ、送りますおくります」つって、もう10年ぐらい経ちますね。

優介:(笑)そんな大したもんじゃないですよ、ホントに。

澤部:でも、聴いた人はみんな口をそろえて「最高だった」って言ってましたよ。

優介:聴いた人…

澤部:望ちゃん(佐藤望)とか今井師匠(今井カズヤ)とか。

優介:あー…

澤部:そう、その辺もアルバムには入るの?

優介:あ、それ入ってますね。

澤部:おー。じゃあ、このEPをきっかけに…わりと裏方の仕事が多かった佐藤優介が、すこし自分の音楽をやる期間に入る…っていう感じなのかな?

優介:…なんも考えてないです(笑)

澤部:(笑)

優介:別に…そうですね…ってこれ1時間なんだね。

澤部:そうなんですよ、番組自体はね。

優介:大変だねぇ…

澤部:(笑)そうなんです、そうなんです…というわけで、『Kilaak EP』が発売中になってるんじゃないか、と。

優介:え、これ放送が…?

澤部:2月の15日です。

優介:ま、その…通販で、自分でやってるんですけど…もう、疲れたんで、作りたくない(笑)

澤部:(笑)

優介:発送も…

澤部:発送めんどくさいよね。だから通販は打ち切って、どっかお店に置いてもらったほうがいいよ。

優介:そうしようかな…とは思ってます。

澤部:ライヴ会場とか…なんか、慣れてて。どんどんね、次々出して。自分でもやってたからさ、わかるんだけど。

優介:やっぱり先輩なんかはね、すごい…ひとりでなんでもやるじゃないですか。営業も。タフですよね。本当に。

澤部:そうだね…(笑)そんなつもりはなかったんだけど、優介を見てると自分がタフなんじゃないかっていう気になってくるね。

優介:いやー、おれには無理だな。

澤部:(笑)いや、なんか…置いてくれそうなお店とか紹介しますよ。

優介:まあ、なんか、その…通販でいま、売ってたんですけど、一回打ち切って…流通盤みたいなのを作ろうか、っていう話もちょっとあって。

澤部:うんうん、たぶんそれがいいよ。

優介:…そうしちゃおうかな。

澤部:んー、それがいいと思う(笑)ただでさえクソ忙しいのに。

優介:まあまあ…

澤部:ともかく、まあ、このEPを皮切りにちょっとずつやってこう、っていう感じだね、じゃあ。

優介:んー、そうですね…

澤部:楽しみです。他の4曲もはやく聴きたいなぁ、と。

優介:1曲ね、ギター弾いてもらったからね。

澤部:んー…憶えてないんだけど(笑)

優介:憶えてないでしょうね(笑)

澤部:そうそうそう…それもすごい昔の…(笑)

優介:こっそり録ってたんですよ、ホントに。

澤部:そう…すげー昔だったし…あー、懐かしいな。僕が喉を盛大に痛めてた時に録ってたんだよ、あれ。

優介:あー、そう…でしたっけ。

澤部:そうだ。そっちの意味でもなんにも憶えてないんだよね。

優介:あー、じゃあ…却っていいね。

澤部:そうだね(笑)新鮮な気持ちで聴けると思うなぁ。

優介:そうそう。

澤部:どういう仕上がりになってるかも気になるしなぁ。んー。

優介:どういう仕上がりに…ね。なってるんですかね、本当に(笑)

澤部:(笑)なんか、全体で10分ないんだっけ?

優介:そうだね。

澤部:アルバムのほうもそういう、短いのばっかなの?

優介:え、アルバムは…長いね。いや、短いかも。

澤部:(笑)いやー、でもさっき聴いてもらった感じでわかる通り、とにかく1曲1曲の情報量っつうのがね、すごいんですよ、優介が自分でトラック手掛けるやつって。それをね、いまから聴くのが楽しみです。分数は短いけれどもとびきりの音楽体験になるんじゃないかと思っております。もう購入済みの方はお楽しみに。まだ買ってない方はいつか出る流通盤をお楽しみに、という感じですかね。

優介:…はい。

澤部:(笑)じゃあCMです。

 

    [CM]    

 

澤部:京都α-STATIONからスカートの澤部渡がお送りしておりますNICE POP RADIO。この番組ではわたくし澤部渡おすすめの音楽、金曜のこの時間にピッタリな音楽をたくさんお送りしていけたらな、と思っております。今週のテーマは「佐藤優介と私」という…大げさなタイトルがついております(笑)まあ何分、学生時代からの付き合いなもんで。当時、いろんな音楽を教えてもらったりとかしてたんで、そういう曲を集めて持って参りました。

 まあ、1曲目にちょっとドギツいのをかけとこうかな、と。ルイス・フューレイ(Lewis Furey)という、カナダ生まれのシンガー・ソング・ライターがいまして。彼のアルバム…僕、たぶん、彼の存在を優介から教えてもらったんじゃないかな…ちょうど来日する時だったんだよね。

優介:そうですね…おれも憶えてないけど、あんまり。

澤部:あれ、行ったんだっけ?優介は。

優介:いや、行かなかったね。

澤部:僕も行かなかった…

優介:っていうか、来日をおれ、知らなかったと思うんだよな…

澤部:あ、そうかそうか。あ、思い出した。知り合いがルイス・フューレイ来日するんだよ、っつって、「誰すかルイス・フューレイって。聴いたことないっすわ」みたいな感じで話してたら、優介が持ってる、みたいな感じになって貸してくれたんじゃなかったかな…

優介:んー…

澤部:『The Sky Is Falling』を貸してくれて。まあ、聴いてもらうのはルイス・フューレイの1stから、"Hustler's Tango"という曲なんですけど。ちょっと一回聴いてみましょうか。

  

Hustler's Tango - Lewis Furey
 (from 『Lewis Furey』)
 
 

澤部:というわけで聴いてもらいましたのはルイス・フューレイで"Hustler's Tango"という曲でした。

優介:シングル出てたよね。再発みたいな感じで。

澤部:そうそうそうそう。

優介:買ったな、それ。

澤部:あれなんか、7インチたまたま買えた。当時の。

優介:あ、当時の?

澤部:うん。なんか、ジャケがカルテみたいなやつでしょ?

優介:…あ、そう、なんか…カルテか、あれ。

澤部:うん、みたいよ。で、「Lewis Is Crazy」って…

www.discogs.com

 

澤部:そう、この来日、けっこうさ…慶一さん(鈴木慶一)とかも当時観に行ってて…

優介:そう、慶一さんが行ってたのは憶えてるな。

澤部:なんか、Tシャツ着てたりしてたよね、ライヴで。

優介:そう、『The Sky Is Falling』のね。

澤部:後で聞いたら、ピース・ミュージック(Peace Music)の…

優介:中村さん(中村宗一郎)?

澤部:中村さんも観に行ってて…

優介:あ、そうなんだ。

澤部:なんか、ゆらゆら帝国で観に行った、みたいなこと言ってた気がする。

優介:みんなで?

澤部:みんなかどうか忘れたけど、とにかく亀川千代さんがめちゃくちゃ喜んでたんだって。

優介:あ、そうなんだ(笑)

澤部:そう(笑)意外…意外だけど、わかるような。

優介:わかるような気がするね、なんか…

www.cdjournal.com

 

d.hatena.ne.jp

 

澤部:まあそんなわけで、次いきましょうか。次はですね、ブライアン・ウィルソンBrian Wilson)とヴァン・ダイク・パークスVan Dyke Parks)の『Orange Crate Art』を持ってきました。

優介:いいね…

澤部:それもちょっと聴いてみましょう。

優介:あ、いいね……

澤部:いいよね…

  

Orange Crate Art - Brian Wilson & Van Dyke Parks
 (from 『Orange Crate Art』)
 
 

澤部:聴いてもらいましたのはブライアン・ウィルソンヴァン・ダイク・パークスの"Orange Crate Art"という曲でした。

優介:いいねぇ…

澤部:いいよねぇ…この曲がね、優介がくれたCD-Rのかなり後半に入ってて…

優介:ぜんぜん憶えてないですね…

澤部:でしょうよ(笑)

優介:ヴァン・ダイク・パークスはすごい好きで…ソロの1stがいちばん、好きで…

澤部:あー、『Song Cycle』…

優介:『Song Cycle』。さっきかけてもらった、おれの…

澤部:うん、"キラアク"。

優介:"キラアク"も…なんだろうね、ああいう…『Song Cycle』のやり過ぎ感、みたいの…やり過ぎだし、よくわかんないみたいな。

澤部:うんうん。

優介:そういうスピリットを入れたいな、みたいには思ってて…んー、すごい好きですね、ヴァン・ダイク・パークスは。

澤部:そう、僕、ヴァン・ダイクも優介に会うまで…聴いてはいたんだけど、よくわかんなかったんですよ。で、優介がヴァン・ダイクすごい好きだって言うから、けっこう、むりやり聴いて、がんばってわかったみたいなところがあった(笑)

優介:んー、おれもよくわかんないすよ、いまだに。

澤部:そう。取っつきにくい、って思ったんだけど、『Jump!』を聴いたら他のがぜんぶパッ、と…

優介:『Jump!』はポップだね。

澤部:ポップだからね、そう。あれで一回カタチが見えたら、他のアルバムがすごい、気持ち良く聞こえたなぁ。

優介:やっぱりおれは『Song Cycle』なんですよね。あれを初めて聴いたの、高校生ぐらいかな…

澤部:あー…

優介:もう、怖くて聴けなかった、1曲目…2曲目始まったぐらいで、ああ、これはちょっと怖いから一回止めようと思って、止めた記憶があるね。

澤部:へぇ…でもちょっとわかるわ。なんかブキミなんだよね、必要以上に…

優介:すごい怖いね。それはすごい影響受けましたね…

澤部:んー、そういう感じはしたなぁ…

www.discogs.com

 

 

澤部:じゃあ次、いきますか。次はわりと最近…遠征の車で優介がかけてて、うわー、めちゃくちゃいい!と思った曲なんですよ。

優介:なんだろう。

澤部:ジェームス・テイラーJames Taylor)の"Walking Man"…

優介:(笑)

澤部:ぜんぜん聴いてなかったんですよ、ジェームス・テイラー。『One Man Dog』だけ聴いて、あー、まだなんか早かったかなぁ…とか思って。

優介:いや『One Man Dog』、めっちゃいいけどね。 

澤部:たぶんいま聴いたら違うんだろうなぁ、と思って。ジェームス・テイラーで"Walking Man"を聴いてもらいましょう。

   

Walking Man - James Taylor
 (from 『Walking Man』)
 

 

澤部:聴いてもらいましたのはジェームス・テイラーで"Walking Man"という曲でございました。これもすばらしいっす。ホント、ついこないだのツアーの遠征の時の車でかけてて。なんか、その時けっこういろんなのかけてたよね。

優介:なんだっけ?

澤部:えーと、ナシメント(Milton Nascimento)のさ…

優介:かけたっけ…

澤部:なんか、男の子が2人座ってるやつ…あれ違うっけ?あれナシメントじゃないか。

優介:いや、ナシメントですよ。ぜんぜんおれ憶えてない、なにかけたか…

澤部:ホントに朝3時とか4時とかのぼんやりした感じに、急にかけだして…

優介:車でかけたいなら、町さんだけどね、おれは。

澤部:あー、町あかりね、好きだよねー、町あかりさん。

優介:町あかりさんは好きだね…

澤部:電気グル―ヴのヤツもすげーよかった。やっぱりあの人、声がいいんだね。

優介:いや、歌うまいよね…

澤部:うまいよね、んー。

www.discogs.com

www.cinra.net

 

澤部:じゃあ次はですね…僕、アレサ・フランクリンAretha Franklin)もね、ちゃんと聴いたことなかったんですよ。

優介:あー。

澤部:で、それで優介が"Day Dreaming"を…

優介:教えたっけ…(笑)

澤部:なんかTwitterに書いててさ。亡くなった時に。

優介:あー…ね、亡くなっちゃった…

澤部:そうそう。で、あんまり通ってなかったから、そんなに…"Rock Steady"ぐらいしか聴いたことなくてさ。

優介:あー。

澤部:で、そんなにいいんだ、と思って聴いたらめちゃくちゃよかったんで…ちょっとそれも聴いてもらいましょうか。アレサ・フランクリンで"Day Dreaming"。

   

Day Dreaming - Aretha Franklin
 (from 『Young, Gifted And Black』)
 
 

澤部:アレサ・フランクリンの"Day Dreaming"という曲がかかっておりますけれども。これも…すばらしいですよね。

優介:これは…アレサが書いた曲ですよね。

澤部:そうそう。それにビックリして。いい曲だよね。アレンジもめっちゃいいし。

優介:演奏を聴くために聴いてた、っていうのもあるね…

澤部:そう。だから、わりとさ、演奏っていうよりも曲を聴きたいっていうタイプだったから、ぜんぜんわかんなかったんだよ。でもなんかこう、ある時、チャック・レイニーChuck Rainey)がどう、とか。そういうのを知るとさ…そういうのの推移がわかると曲がおもしろくなくても聴けるっつうのが…

優介:んー、やっぱりベース…一時期ベースがすごい好きだったから。自分で弾くのも。

澤部:うんうん。

優介:だから、チャック・レイニーとかジェームス・ジェマーソン(James Jamerson)をすごいコピー…しましたね。

澤部:あー…やっぱりそうなんだね。ちゃんとコピーとかするんだね。

優介:コピーっていうか、まあ、聴いて…

澤部:どういう動きするんだ、みたいなね。

優介:そういうのばっか気になっちゃう…気になったら、わかるまでやろう、っていう風になっちゃう。

澤部:んー、さすがっす。というわけで、アレサ・フランクリンの"Day Dreaming"という曲を聴いてもらいました。

 

澤部:で、最後に1曲…まあ大ネタなんですけど。

優介:なんですか?

澤部:トーキング・ヘッズTalking Heads)を持ってきました。

優介:おお…

澤部:僕、その…なんつうんですかね。母親の音楽の影響がすごいデカくてさ。

優介:(あくび)はい。

澤部:(笑)

優介:ごめんなさい(笑)

澤部:この話になっちゃうんだよ、いっつも。

優介:いやいやいや、どうぞ、してください…

澤部:なんか、母親がトーキング・ヘッズ大瀧詠一をすごい嫌いだったんですよ。

優介:(笑)

澤部:で、それでね、聴くのがすごい遅れたの。

優介:んー。

澤部:で、優介、トーキング・ヘッズも好きだったじゃん。

優介:好きですね。

澤部:それで…最初100円で買った『Speaking In Tongues』とか聴いてたんだけど。で、そこで改めて、ようやく…優介がトーキング・ヘッズ好きだって言ってて、ちゃんと聴くようになったのよ。

優介:そうなんですか…(笑)

澤部:そうなんですよ(笑)なのでね…トーキング・ヘッズの"Once In A Lifetime"を、あえて(笑)

優介:(笑)

澤部:もう、大ネタ中の大ネタで締めたいと思います。

 

Once In A Lifetime - Talking Heads
 (from 『Remain In Light』)
 
 

優介:来日しないのかな…いまやってるツアーがいいんだよね。

澤部:へー。

優介:見てない?映像。

澤部:あー、見てないや…

優介:ホント?すごいよ。全員「立ち」で、マーチングみたいにやってる。

澤部:あー…

優介:ドラムもスネアだけの人と、キックだけの人がいて。キーボードとかギターとか、全員「立ち」で。マーチングみたいな感じのバンドで。

澤部:へー…すごい…

優介:デヴィッド・バーンDavid Byrne)がね。で、キーボードはなに使ってると思います?

澤部:…リフェイス(Reface)?

優介:クロス(KROSS)なんすよ(笑)

澤部:(笑)

優介:「立ち」だから…

澤部:軽いほうがいいわけだね。

優介:マーチング的には軽いのがよかったんですかね。音すげぇダセーんだから…ペナペナな音しか出ないから…(笑)

澤部:(笑)

優介:また、サックスとかもヘンな音。再現するためにさ。

澤部:あー、はいはい…

優介:サックスとかの音出すの、KROSSの。

澤部:あー、キツいね。

優介:しょぼい音でやってんの、これ…

澤部:まあでも、スゴ味があればね。見た目のね。

優介:そうそう。まあサックスならさ、いてもいいじゃねぇかって…(笑)

澤部:いてもいいよねサックスは!(笑)デヴィッド・バーンでしょ?サックスぐらい呼べるっしょ。

優介:そっちならむしろね…

www.youtube.com

 

 

澤部:いかがでしたでしょうか。今週は「佐藤優介と私」なんていうテーマで選曲してみました(笑)改めまして、この時間にお送りしましたのはLewis Furey"Hustler's Tango"、Brian Wilson & Van Dyke Parksで"Orange Crate Art"、James Taylorの"Walking Man"、Aretha Franklinの"Day Dreaming"、Talking Headsの"Once In A Lifetime"、以上5曲でございました。

 

 という感じでやっぱ…この曲もすげーカッコいいよね…

優介:んー…そうね。

澤部:優介はトーキング・ヘッズだとどのアルバムがいちばん好きなの?

優介:どのアルバム…みんな、けっこう好きですよ。これ(『Remain In Light』)も好きだし…でも元々、聴き始めたきっかけがYMOだったから。YMOが影響を受けた、ってなんかで言ってて…トーキング・ヘッズに。それで聴いてみようと思って、聴いてたから、最初ね。

澤部:あー、じゃあ『More Songs About Buildings And Food』とか、あの辺なのかな?『Fear Of Music』とか?

優介:『Fear Of Music』もいいね。1stもすごい好きですけどね。

澤部:いいよね。なんかいま…いま聴くとちょうどいい感じがするかも…

優介:んー…

澤部:…そんなこともないか(笑)

優介:無いね(笑)

澤部:すいません(笑)まあ、きょうオンエアーした曲のレコードを後日、わたくしのインスタグラムにアップしていく予定です。気になった曲があったという方はインスタアカウントの澤部渡、または「スカート 澤部 インスタ」ないしは「@skirt_oh_skirt」などで検索してみてください!

 

www.instagram.com

優介:めっちゃインスタって言うね。

澤部:そうなんですよ…

 

 

一番偉い人へ - とんねるず
 

 

澤部:えー、お送りしている曲はきょうのゲストの佐藤優介くんの選曲で…この曲はなんという曲でしょうか?

優介:"一番偉い人へ"。おれと先輩の出会いの曲なんです、これは。

澤部:そうでしたっけ?(笑)

優介:懐かしいですね、ホント…文化祭でね、二人で歌ったよね。

澤部:そうでしたっけ??(笑)

優介:懐かしいなぁ…

澤部:いや、ウソですよ?(笑)この曲聴いたの、去年ですから(笑)

優介:えー、さっきも話したけどね、この曲が好きだっていうんで意気投合して…大学の時に…

澤部:そうそうそうそう…(笑)ウソだと言ってもまだする?その話を…(笑)

優介:ホント、うれしかったですねあの時は…

澤部:そうだね…これ去年のね、「佐藤優Destroy All Monsters」っていうライヴでやったね。

優介:またやろうかな、4月ぐらいに。

澤部:そう、まあでも、なんかやったほうがいいよ。

優介:んー…

澤部:まあ『Kilaak』…あの内容はライヴじゃぜったい再現できないとは思うけど…

優介:そんなことないですよ?

澤部:ホントに?できる?まあやってみたら?ライヴやったほうがいいよ。

優介:やろうかな、4月ぐらいに。

澤部:うん。じゃあまあ、その辺の…優介先生の動向を、みなさんもチェックしてもらえればと思います。えー、お知らせという感じで…なんかありますか?『Kilaak』が出てます、みたいな。

優介:おれ?

澤部:そうそう。

優介:いや、さっき言ったし、いいや。

澤部:(笑)はーい!じゃあ、スカートの告知をやろうかな…あ、でも4/30の姫乃さん(姫乃たま)の、渋谷のさくらホールでやるやつは、ひさしぶりに「僕とジョルジュ」でライヴやりますね。

優介:んー、たぶんこれが最後ですね。

澤部:そうなの?(笑)そんな気軽に言っていいんですか?

優介:最後じゃ…だってもう、なんもないし。

澤部:あー、まあ決まってはいないからね、先はね。

himenotama.com

 

澤部:まあまあまあ、スカートもいくつかお知らせがあるので、スカート通信。ニューシングル『君がいるなら』、アナログ『20/20』好評発売中でございます。えー、遠征のライヴがいくつか。3/21(木・祝)は神戸の蘇州園で開催のイベント「御影ロマンス 2019」に弾き語りで出演。3/22(金)は沖縄那覇Outputでアナログフィッシュ20周年のイベントに出演。これも弾き語り。3/31(日)は大阪味園ユニバースで開催のイベント「CHOICE VOl.18」に久しぶりのバンドで出演、という感じです。他、詳しくはスカートのWebサイトをチェックしてください。

優介:おれもそういえば大阪行くわ、KID FRESINOで。

澤部:あー、じゃあそれとか言いなよ。

優介:日にちわかんないや。

澤部:いま調べる?

優介:2月に…どこだっけ、梅田の…

澤部:シャングリラ?

優介:いや…トラッド…

澤部:あ、TRAD?

優介:だったかな…

澤部:2/21(木)だそうです。梅田TRAD、ぜひ遊びに行ってください。

優介:もう、いこう、これ。「NICE POP RADIOではメッセージをお待ちしております。」

澤部:(笑)α-STATIONのホームページにある"メッセージ"から番組「NICE POP RADIO」をセレクトしてお送りください。FAXは京都075-344-8940です。Twitterアカウントをお持ちの方はハッシュタグ、カタカナで「#ナイポレ」を付けてつぶやいてください。番組の感想やわたくしへのメッセージ、選曲テーマやカヴァーのリクエストなどもお待ちしております。

優介:あ、ナイポレってこれだったんだ…

澤部:そうなんですよ(笑)

優介:なるほどね、ナイス・ポップ・レディオを略して「ナイポレ」だ!

澤部:ナイポレなんです。

優介:おれずっとTwitterでナイポレ、ナイポレって…なるほどな。

澤部:そうなんです。これだったんです。

優介:ははーん…きょう来てよかったよ。

澤部:(笑)ひとつ事を知ったね。

優介:謎が解けた…

 

澤部:じゃあ、今週最後にお送りしますのは…僕が好きな佐藤優介ワークスを1曲聴いてお別れしようと思います。もうだいぶ昔ですね。6,7年前に、ムーンライダーズっていう僕らが大好きなバンドがあって、その『MODERN MUSIC』っていうアルバムをデラックス・エディションで出した時に、2枚組にしてその2枚目がリミックスになってる、みたいな感じになってて。僕とかトクマルシューゴさんとか…の中に優介もいて。そのリミックスが僕、すっごい好きなんで。ちょっとそれを聴いてお別れしようと思います。

優介:すごい昔ですけどね、これ。ホントに…

澤部:んー。これ聴いた時、ホント衝撃で。たぶん同時期ぐらいに"トロッコ"とかもやってたじゃん。カーネーションのトリビュートで…

優介:おんなじ時期だっけね。

澤部:ちょっと、こっちのほうが前かな…?

優介:前、かも…

澤部:とにかく、あの2曲はすごい衝撃でしたね。

優介:んー。楽しかったですね、やってて。

澤部:なので、それを聴いて今週はお別れです。じゃあ、ムーンライダーズの"Back Seat"の佐藤優介リミックスです。NICE POP RADIO、この時間のお相手はスカートの澤部渡と…

優介:…あ、佐藤優介でした。

澤部:(笑)また来週~

 

Back Seat [Remixed by カメラ=万年筆] - MOONRIDERS
 (from 『MODERN MUSIC Special Edition』)
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019.02.10 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

 

H:こんばんは。細野晴臣です。えーとですね…きょうは、ゲストを招いております。猪野秀史(INO hidefumi)さん。

猪野:こんばんは。よろしくお願いします。

H:マイク近いね(笑)

猪野:いやー、緊張します…ここにずっと来たかったです。

H:あ、ホント?

猪野:はい。きょう、やっと来れて…

H:あー、よかった~

猪野:本当にうれしいです。たいへん光栄です。ありがとうございます。

H:いやいや、とんでもないです。っていうか、僕のほうがよく行ってるんですよね。

猪野:いや、もう、ホントに…ありがとうございます、いつも(笑)

H:なんでかって言うと…いいのかな、言って?

猪野:はい、もちろん。

H:この近所に…港区のとある街に、カフェがあるんですよね。

猪野:はい。

H:それ、場所は言っていいのかな?

猪野:あ、まあ、ぜんぜん…

H:白金の…商店街のほうですね。三光町なのかな?なんだろう。

猪野:三光町商店街?ですね。

H:よく行くんですよ、そこは。僕はね。

猪野:ありがとうございます。隣にね…

H:ハチロー…(笑)

猪野:ハチローさん(洋食ハチロー)があって。細野さんが、たぶん、子ども時代から…少年時代から行かれてたんですか?ハチローさんは。

H:いや、そんなことはないんですよ。わりと、最近気が付いたんですよね。

猪野:あ、そうなんですか!

H:そうなの。

猪野:こないだも、さまぁ~ずのお二人を引き連れて…

H:そうなんですよ(笑)

猪野:うちのお店の前を素通りしていかれましたね(笑)

H:隣だからね。

猪野:いえいえ…ちょっと複雑な気持ちでしたけど(笑)

www.tv-tokyo.co.jp

 

H:そうですか(笑)店、間違えたかな、選ぶの。

猪野:いえいえ…

H:…あのお店の名前、なんだっけ?(笑)

猪野:えーとですね…「テネメント(TENEMENT)」というお店です。

H:そう…店の名前、覚えきれないよ、僕はもう、どこも。でもね、すごく…ケーキがおいしいよね。

猪野:ありがとうございます。いつも、そうですね、黒豆チーズケーキというのを召し上がっていただいて…

H:あれあれ、うん。あとコーヒーもおいしいし。で、ごはんもやってますよね。

猪野:はい。ハチローさんに対抗して…

H:(笑)

猪野:洋食を、僕が好きなんで…(笑)洋食を出しています。

H:あ、そうなんだ。あのお店はいつからですか?

猪野:もう、17年目ぐらいです。

H:えーと…そもそも、九州だよね?

猪野:そうなんです。

H:どこでしたっけ、九州は?

猪野:宮崎です。

H:宮崎県。で、いつこっちにいらしたんですか?

猪野:2000年ですね。ちょうど僕、30歳の時に上京しまして。遅かったんですけど。

H:へー。

猪野:ずっと福岡…高校卒業して福岡にいたんですけど。で、福岡でバンド活動をしてまして。で、バンドメンバーを説得して(東京に)行こうと思ったんですけど、誰もついてきてくれず…

H:あ、そうなんだ。

猪野:もうこれはいかん、と思って。ひとりで、職も決めずに東京に出てきて…っていう感じです。

H:あー、そうなんだ。それでも、でも、CDをいっぱい出されて…去年10月に出した、タイトルが?

猪野:『SONG ALBUM』という。

H:『SONG ALBUM』。これからちょっと、まず、1曲選んでくれますかね。どれがいいでしょうかね?

猪野:はい、では聴いてください。"犬の散歩"。

 

 

犬の散歩 - INO hidefumi

(from 『SONG ALBUM』)

  
 

H:はい。INO hidefumiさん、"犬の散歩"という曲。これ、あのアルバムで初めて歌ったんじゃないだっけ?もっと歌ってたっけ?

猪野:いえ、今回のアルバムが初めて、全曲…

H:やっぱりそうか。全曲「歌」アルバム。最初のイメージは、フェンダー・ローズを弾いてる鍵盤の人っていうイメージだったんで。この歌を聴いて、ああ、歌も歌う…と。

猪野:はい。

H:で、それを観に行ったんですよね、僕ね。ビルボード。去年の10月…でしたかね。

猪野:9月かな?それぐらいですね。

[*6月です…]

H:その時に、鈴木茂がギターを弾いてて。で、ハマくん(ハマ・オカモト)?

猪野:が、ベースで…林立夫さんがドラムで。

H:そうだ。すごいメンバー揃えてるなぁ、と思って。僕だけ知らない、っていうか(笑)

猪野:事前に、客席に細野さんがいらっしゃるっていう情報があって…

H:あ、あったんだ。うん。

猪野:で、もう…ドキドキで、"薔薇と野獣"を、僕が…

H:そうそう!やってくれたんだよね。

猪野:しかも、オリジナル・キーでやらせて頂いて…

H:そっか。そうだ、もう1回それ、観たかったなぁ。今度聴かしてもらおう。

猪野:あ、がんばります(笑)

H:なんか…あの時のレコーディングテープとかあるんですかね?

猪野:あります、はい。

H:あ、あるんだ。じゃあ、今度聴かせてもらっていいですかね?

猪野:はい。っていう、またやると思いますので…

H:あ、そうですか。

猪野:もしよろしければ、細野さん、次はゲストで2,3曲、参加して頂いたらみんな喜ぶと思います。

H:あ、そうね、いいですよ(笑)

猪野:ぜひ…(笑)うれしい。

 

www.billboard-live.com

 

H:いまの曲…"犬の散歩"のサックスはスカパラ東京スカパラダイスオーケストラ)のGAMOさん。

猪野:はい、GAMOさんが…吹いて頂いて。この曲…細野さんは憶えていらっしゃらないと思うんですけど、ライヴでやった時に、まだ曲名が決まってなかったんですよ。

H:あー、そうかそうか。

猪野:で、ライヴが終わって楽屋に細野さん、お越し頂いて。で、「犬の散歩っていう曲…」って言われて…あ、じゃあ"犬の散歩"…それでもう、その場で決めました(笑)

H:それで決まったんだっけ…(笑)

猪野:はい、そうですよ(笑)細野さんがこの曲のタイトルを…決めて頂いた。

H:そうだったの?ぜんぜん知らなかった(笑)

猪野:「やめてやめて」っておっしゃられてましたけど、「いえ、もう決定です」と。

H:そうかそっか…犬は飼ってるんですか?

猪野:いえ、飼ったことも散歩したこともないです(笑)

H:あ、なんだ(笑)

猪野:ネコ派です。

H:ネコ派なの?

猪野:はい。

H:でも、イノセントレーベル[*innocent record]と、お店の感じは「鹿」がシンボルになってないですか?

猪野:そうですね、鹿…神様の使い、的な。メッセンジャー的な意味合いで、神道における…みたいな。

H:あー、すごい(笑)

猪野:僕はもう、音楽的なものも勿論そうなんですけど…細野さんとか、中沢新一さんとか。そういった精神世界的なものにもすごい影響を受けてきて。

H:あ、そうなんですか。

猪野:天川(奈良県)にひとりで行ったり…

H:あ、行ったんだ。

猪野:はい。猿田彦三重県)に行ったりとか…

H:あらららら…知らなかった(笑)

猪野:アンビエント時代の細野さんの楽曲も、いまでも好きで…聴かせて頂いています。

H:えー、それはうれしいな。そっか、あんまりそういう…どんな人が聴いてるんだろう、って僕が思ってたんだけどね(笑)よかったぁ、聴いててくれて。

猪野:はい…

H:そうですか。鹿にはそんな深い意味があったんですね。ここ、だって、(ブックレットの)"犬の散歩"の写真に鹿が写ってる(笑)

猪野:(笑)そうです、鹿です。

H:鹿は飼ってるの?そんなことないか(笑)

猪野:鹿は飼ってないです(笑)それは奈良に行くツアーの途中かな?行ったときに撮った…

H:あー、そうか。ビックリするなぁ。えー、隣に奥さんがいらっしゃいます。

猪野:はい。マネージャーをやってます。

H:最初、店に行ったらすごい綺麗な人がいて。誰だと思ったら奥さんだった。

猪野:いえいえ…(笑)

H:で、お子さんができたばっかりの頃かな…

猪野:そうですね、もう11年…12年近く前かな。

H:その頃から行ってるんだな、僕は。うん。

猪野:はい。僕はそれまで…3年間、禁煙してたんですよ。なぜか。

H:あ、そう。

猪野:で、細野さんがその時…これも憶えてらっしゃらないと思うんですけど、「煙草は悪くないんだよ」っておっしゃられて。

H:(笑)そんなデタラメ言って…(笑)

猪野:「宇宙との交信なんだよ、ネイティヴ・アメリカンの中では」というようなお話を頂いて、次の日から僕は火を点けるようになりました。

H:マズイねそれは…悪影響っていうか…

猪野:そもそも僕、煙草吸い始めたきっかけは、はっぴいえんどの"抱きしめたい"を聴いて、カッコいい…と思って、吸い始めて。

H:そんな…(笑)

猪野:禁煙…3年止めたと思ったら、細野さんにまた、そういうお話を頂いて。

H:困ったもんだなぁ…

猪野:で、それからずっと吸ってます。

H:今は?

猪野:今も吸ってます。

H:え、吸ってますか?止めた方がいいですよ。

猪野:更新してます。制作の合間に、もう…

H:ああ、そう。いやー、そっか…思わぬ影響っていうのはあるんだね。気をつけよう。

猪野:(笑)

H:まあでも、言い訳は僕はいっぱい…いつも言ってるわけでね。ただの言い訳なんで…

猪野:いえいえ…

 

H:いろんなミュージシャンとの交流が、あるんですね。

猪野:いやー、まあ僕は友達少ないほうかもしれないですね。ミュージシャンの友達は。

H:少ない、っていうのは…いるっていことはいるんですね。

猪野:いるのはいます。

H:どなた?

猪野:スカパラの初期のメンバーだったり、あとは…ミュージシャンっていうよりもDJ、選曲する人が多いですね。ピチカート・ファイヴの小西さん(小西康陽)とか…

H:あ、小西くん。小西くんは…あ、そんな深い仲なんですね。

猪野:今回の新作でも2曲ほど作詞をして頂いたりとか。

H:"スカイツリー"っていう曲がそうですか。

猪野:はい。あとはinnocent recordっていう僕のやってるレーベルの名付け親だったりとか。

H:あ、そうなんだ。それはそれは…

猪野:お世話になってます。

H:へー、意外な…おもしろいな。で、またライヴとか、いつやるんですかね?観に行きたい。

猪野:ありがとうございます。3月から…東京を皮切りに、4月、5月、6月ぐらいまで。

H:続くんですね。ツアー。

猪野:はい。やります。

H:えーと、詳しいことわかる?

猪野:詳しいことは…じゃあ、HPでチェックして頂ければ…よろしくお願いします。

H:東京はどこですか?

猪野:東京はBYGっていう、渋谷の…

H:あ、BYG。懐かしい。んー。

猪野:細野さん、やられたことあるんですか?

H:昔ね。

猪野:あ、そうですか。

H:古い店ですよね。

猪野:そうですね、伝説の…

H:はっぴいえんどの頃からある店だよね。

猪野:そうですよね。

H:で、そこはまた、茂とか出るんですか?

猪野:いえ、そこはもう、猪野バンドというか、僕のバンドで。

H:メンバーはどんな方なんですか?

猪野:メンバーは…4人編成なんですけど、ドラムがHi-STANDARDっていうバンドの恒岡章。と、ベースが、僕が20代からずっとバンド活動してるバンド仲間。と、もう一人、メロトロンとコーラスを担当するのが横にいる…マネージャー兼嫁の…

H:え!知らなかった。

猪野:あの、いまものすごい特訓してます(笑)

H:あ、特訓…(笑)

猪野:まあ、僕の中では信頼のおけるメンバー…筋金入りのメンバーで…

H:すばらしい。いや、それは理想的ですよね。

猪野:いえいえ…DIY

H:知らなかった。ただのマネージャーじゃないね。んー。

猪野:どうですかね…ちょっと、がんばっていかないと…

H:それはもう、楽しみですね。で、じゃあ、もう1曲。さっき話した小西くんの作詞で、"スカイツリー"聴いてください。

 

 

スカイツリー - INO hidefumi

(from 『SONG ALBUM』)

  
 

H:なるほど。スカイツリーの、なんか…小西くんの詞、難しいよ(笑)詞が先なの?これ。

猪野:詞が先です。はい。

H:日記のような、ね。小西くんって最近こういう詞を書くんですね。おもしろい。スカイツリー、僕も好きですよ。

猪野:ありがとうございます。うれしいです。

H:(笑)

猪野:東京タワー派じゃないんですか?

H:いや、実は東京タワーが好きですけど。

猪野:僕もそうです(笑)

H:あ、なんだ(笑)あの、東京タワーはお母さんっぽいよね。

猪野:お母さん。

H:うん。スカイツリーはお父さんっぽいよね。なんか、男性的。

猪野:なるほど。

H:で、やっぱりここ(白金)から見えるのはどうしても東京タワーだしね。あの、天気の悪い日に…霧が出るような日にね、東京タワーにのぼったことがあるんですよ。

猪野:はい。

H:5,6年前かな。すばらしかったね。なんにも見えなくて。

猪野:んー…(笑)

H:で、ガラガラだからね、そういう日はね。

猪野:あー、なるほど。(普段は)多いですもんね。僕もたまに子どもを連れて行きますけど。

H:あー、そうですか。

猪野:もう、人がすごいですもんね。

H:そうなんですよ。

猪野:いいですね、でも。なにも見えない景色、というか。東京の。

H:いいですよ。すばらしい。

猪野:そういう日を狙って、僕も今度行ってみます。

H:ぜひぜひ。スカイツリーも。

猪野:はい。

 

H:えっと…(笑)

猪野:(笑)

H:聞くところによると、ですね…最初に聴いた音楽はなんですか?シングル盤、買ったでしょう。

猪野:はい。…シングル盤?

H:なんか、ここに書いてあるんだよね。「初めて買ってもらったレコードは"ライディーン"のシングル」…

猪野:あー…

H:ウソなの?これは。

猪野:ホントです(笑)

H:ホントなのか(笑)

猪野:はじめ、頭にハチマキを巻いて大玉ころがしをしてるバックで…

H:あ、運動会だ。

猪野:はい。爆音で流れたのが…そうなんです。

H:あの頃ね、運動会でよく使われてたんですよね。

猪野:"ライディーン"と"天国と地獄(Orphée aux Enfers)"が流れてましたね。

H:"天国と地獄"ってどういう曲?

猪野:オッフェンバックJacques Offenbach)の…

H:あー!そっちか(笑)

猪野:その時は僕、知らなかったんですよね、YMOっていう…

H:ま、そうだろうね。

猪野:でも、そこから『増殖(X∞Multiplies)』っていうアルバムを聴いて。

H:聴いちゃったんだ。

猪野:はい。で、"Tighten' Up"を聴いた時に雷が落ちまして…

H:あららららら…

猪野:で、町に1軒しかないレコード屋さんに急いで自転車を漕いで『増殖』と…あと、アーチー・ベル(Archie Bell)っていう人が気になって調べて行ったんですけど、「そんなものは置いてない」って言われて。

H:あ、そうなの(笑)そっかそっか。じゃあ、その頃から音に敏感な少年だったの?

猪野:そうかもしれないです。

H:そのころから、ピアノは?

猪野:はい。5歳からやってました。

H:やってたんだ。あー、すごい。

猪野:練習してなかったですけど(笑)

H:あ、ホント?(笑)それは、でも…今は鍵盤奏者になってるから、大事な時期だったんですね、じゃあ。きっと。

猪野:そうですね…歌謡曲ばっかり聴いてましたね。歌謡曲とかを耳でコピーして。あとは…レイ・チャールズRay Charles)の"What'd I Say"とかを…AMラジオがすごく好きで(笑)ラジオ少年で、よく聴いてました。

H:あ、そうですか。音楽好きな少年…そういう意味では、おんなじですよ。はい。

 

  そんなわけで…なにか、じゃあ、推薦してもらおうかな。今度は。

猪野:じゃあ…"魔法"という曲を。聴いてください。

H:"魔法"ですね。はい。

 

 

魔法 - INO hidefumi

(from 『SONG ALBUM』)

  
 

 

H:あ、いいなぁ。間がある音楽好きだな。

猪野:うれしい…

H:なんか、あの、ローズの音が…やっぱり魔法っぽいよね(笑)

猪野:(笑)ゆらぎが…はい。

H:なんか、レイ・ハラカミくん…今は亡き。そういう感じを感じたな。うん。

猪野:あー…うれしいです、ありがとうございます。

H:えっと…打ち込み、ですよね?

猪野:はい。ぜんぶ自分で作ってます。コーラスは、横にいるマネージャーが…

H:あ、やっぱりそうだったんだ(笑)

猪野:マンガ好きなマネージャーなので、ピッタリ声が…オタッキーな声がハマって…

H:オタッキー(笑)

猪野:試しに歌わせたら、いいじゃん、と思って。

H:なるほど。いいですよ。やっぱり、そういう要素が入ってきたほうが絶対いいですよね。スタジオ、っていうか、自分の家でやってるってこと?

猪野:はい。まあ、音部屋的な感じですね。ひきこもってやってます。

H:ふんふん…なんかこう、手伝いたいなぁ。

猪野:うわー…

H:こういうの聴くとね、手伝いたくなるんだよね(笑)

猪野:もう、ひとりでひきこもってやってるんで、ホントに…いつか機会があれば…

H:ぜひぜひ。ミックスでもやりたいなぁ、と思っちゃうな。

猪野:うれしい…来てよかった…

H:いやー。やらせてもらおう、じゃあ。あの、次のレコーディングとかはまだ考えてない?

猪野:いや、もう始めてるんです。

H:それはそれは。

猪野:ペースを上げていかないとな、と思って。

H:なるほど。じゃあ、これを縁に…また、お店行きますんで。店行ったからといって、来なくていいですからね。

猪野:いえいえ…こないだちょっと、お風呂に入ってて行けなかった(笑)すみません。

H:いえいえ、いいんですよ(笑)必ず通報されるんだよね、お店の人に(笑)

猪野:行けるときは必ず行くようにしてます。地方にいない限り…

H:そうですか。じゃあ、お店でまた会ったり。レコーディングの現場で会ったりとかね。これからも、じゃあ、会いましょう。

猪野:楽しみにしてます。

H:えー、では猪野秀史さんでした。また。

猪野:ありがとうございます。

 
 

2019.02.03 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 Dan Hicksの来日は観に行きたかった…

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

 ♪~

時刻は午前1時です。ここで、Daisy Holiday!を始める前に、お知らせがあります。来週、2月10日のDaisy Holiday!は、都合により、放送時間が変わります。放送開始時間は23時半、夜11時半となります。いつもより1時間半、早い時間です。お間違えの無いよう、お願い致します。また、2月24日、3月31日も、同様の時間となります。では今宵も、Daisy Holiday!をお楽しみください。

 

H:こんばんは。細野晴臣です。さあ、きょうも、先週の続きを…麻田浩さんを迎えてですね。お願いします。

麻田:はい、こんばんは。

H:…で、実は先週もいたんだけど。

O:(笑)

H:ひと言もしゃべんなかった岡田くん、よろしくね。

O:よろしくお願いします。

H:きょうはなんか、じゃあ…仕切ってくれるかな?

O:…え?(笑)

H:あ、急に言うとダメだね(笑)えーと…ずっと聞いてて、どうだった?

O:いやー、トムス・キャビンの仕事、すっごいですよね。僕もいま、ちょうど本読んでるところなんですけど。

H:そうなんだ。ライ・クーダーRy Cooder)呼んだりね。

O:僕は(トムス・キャビンが)再活動を始めてからの公演しか観てないんですね。

麻田:あ、そうですか。最初がダン・ペン(Dan Penn)とスプーナー(Spooner Oldham)で、その次はジミー・ウェッブ(Jimmy Webb)…

O:マーク・リボー(Marc Ribot)とか、ダン・ヒックス(Dan Hicks)とか。ジェフ・マルダー(Geoff Muldaur)だとか…

H:これはもう、採算無視っていうか…音楽好きな人が呼んでるんだろうな、っていうことだよね(笑)

麻田:いや、でもちゃんと採算が取れるはず…でやってるんだけど(笑)

H:(笑)

麻田:なかなか、全部がぜんぶ上手くはいかない。

H:いやー、でも…あれ、トム・ウェイツTom Waits)もそうだっけ?

麻田:トム・ウェイツ、そうですね。

H:重要なところはぜんぶそうだね、じゃあ。ライ・クーダー観れるっていうのは麻田さんのおかげだよね。

toms-cabin.com

 

H:ほとんど観てるでしょ、岡田くんもね。

O:…え?(笑)

H:あ、そっか(笑)

O:昔のはさすがに観れてないですね。

麻田:再開した後、ですか。

O:はい。

麻田:じゃあ、そうですね。世代的には。

H:先週話してた、小学校の時に…小学校だよね?あれは。

麻田:そうです。小学校、あれは。

H:ラジオ聴いてたりして…その時いたの?

麻田:いないよね、まだ(笑)

O:まだ生まれてないです(笑)

H:いないんだ!

O:1969年生まれですからね。

H:そうか(笑)

麻田:そうだよ(笑)

O:鉱石ラジオ、聴いてないです(笑)

H:聴いてないか。いないんだ、この世に。

O:残念ながら…

麻田:69年でしょ?生まれたのが。

O:はい。

麻田:そうですよね…だって、僕が大学入ったのが1963年だもんね。

H:そうか(笑)そこらへんも違うな、僕とな。中学だもん、僕。

O:やっぱり、そこはずいぶん違いますよね。細野さんと麻田さんでも。

麻田:そうか、あの頃って1年、2年の差ってけっこう大きいよね。前、ピーター(ピーター・バラカン)がそういう風に言ってたけど。

H:大きいですよ。

O:いま、麻田さんは74歳?

麻田:僕は74ですよ。

H:そう。1年でね、なんか様変わりしちゃう。

麻田:そうだね。

H:でも、不思議なことに…ピーター・バラカンとは話が合うんだよ。なんでだろう(笑)

麻田:そうそうそうそう。

H:聴いてるものがおんなじなんだよ(笑)ロンドンで聴いてたんでしょ、彼は。

麻田:そう(笑)

H:不思議なことがいっぱいある…音楽っておもしろいよね、そういう意味では。

麻田:そうですね。

H:たとえば、スピルバーグSteven Spielberg)が聴いてた音楽と、僕たち同じだよ、たぶん。

麻田:あー、たぶんそうだね。

H:同い年だし。

麻田:うん。

H:で、こないだちょっと(ピーター・バラカンと)話したら、ジョニー・ホートン(Johnny Horton)の話になって。

麻田:あー、そう。

H:好きなんですか?

麻田:僕も大好きだった、ジョニー・ホートン。

H:ジョニー・ホートン好きってめずらしい。

麻田:そう?

H:ホントに。初めて。

麻田:ホントに?

H:うん。僕はひとりで聴いてたんだけど…

麻田:僕好きだった、すごく。で、シングルも昔持ってた。

H:あー。まあ、ヒット性のある曲でラジオを賑わせてましたけど。

麻田:そうそう。"The Battle Of New Orleans"だとか"North To Alaska"とか。あれは映画の主題歌になったのかな。

H:そう。ジョン・ウェイン(John Wayne)の映画。観に行きましたね。

麻田:うん。

H:その…「アラスカ魂」っていう曲だったんだけど、それがヒットしてる後に亡くなっちゃったんだよね。自動車事故で。

麻田:そうだね。

H:ショックだったな。

麻田:うん。たしかね、奥さんはハンク・ウィリアムス(Hank Williams)の奥さんで…だから彼女は、ハンク・ウィリアムスも亡くしてるし、ジョニー・ホートンも亡くしてるっていう(笑)

H:そうか(笑)

麻田:不運の人ですよね。

H:じゃあ、ジョニー・ホートンの"The Battle Of New Orleans"、「ニュー・オーリンズの戦い」。ちょっと聴いてください。

 

 

The Battle Of New Orleans - Johnny Horton

  
 

H:この曲は中学の時、僕聴いてたな。なんか、すごい好きになっちゃって(笑)

麻田:ね。ちょっとこう、なんていうの…「ンーッ」って、こう、絞り出すような感じが。

H:そうそう。なんかね、影響されてるところがあるね。「ホース・ヴォイス(horse voice)」って言うんです。「馬声」(笑)

麻田:ホース・ヴォイスって言ってたね。

H:で、この後はビスマルク号の話とかね。歴史ものが得意。

麻田:得意だったね。

H:「レキシ」っていうバンドいるよね、いま。

麻田:あ、そうなの?(笑)

O:(笑)

 

H:えー…けっこう影響されてるのかな、僕は。

麻田:カントリーが、やっぱり、あの頃は盛んだったから。

H:そうだよね。

麻田:黒人の音楽って…ブルースなんかはほとんどラジオでかかんなかったね。

H:無いね、ブルースは。

麻田:だからあの頃は…ブルースなんかはレース・ミュージック(Race Music)みたいに言って、ほとんどラジオではかからなかった。

H:そうそう。あの…ニュー・オーリンズのヒット曲はかかるんだよね。

麻田:うん、そうそう。ファッツ・ドミノFats Domino)とかね。ああいう人たちは…アーニー・K・ドー(Ernie K-Doe)もそうだけども、「ポピュラー」のジャンルに入ってたからね。

H:そう。だから、ヒット曲がぜんぶニュー・オーリンズだったりしてね(笑)後でうわー、と思うんですけど。

麻田:うん。

H:そうだよな。だから…白人が元気だった頃の音楽なんだよね(笑)

麻田:そう。日本にもカントリーのバンドたくさんあったから。

H:そう!先輩・後輩で言うと、ミッキーさんとかね。ミッキー・カーチス(Mickey Curtis)。

麻田:そうそうそう。

H:かまやつひろし(釜萢弘)とかね。

麻田:そうそう。釜萢さんもそうだし。

H:みんな、あのね、レフティ・フリーゼル(Lefty Frizzell)が好きだった。

麻田:レフティ好きだね、みんな。ウェッブ・ピアース(Webb Pierce)もそうだし。

H:そうそうそう。

麻田:僕は、でもね、ジミー時田とマウンテン・プレイ・ボーイズが好きで。昔、有楽町にビデオホール(東京ヴィデオ・ホール)っていうのがあって、そこでカントリーのフェスみたいのが月1くらいであって。

H:そうなんだ、知らなかった。

麻田:そう?あー、そうか。そこら辺って世代かな、やっぱり。

H:うん。

麻田:で、行くと…ジミーさんのバンドが出てると、その頃ね、いかりやチョーさん(いかりや長介)がベースで…あと、ジャイアント吉田とか、飯塚さん(飯塚文雄)とか…

H:みんなお笑いの人だ(笑)

麻田:そうそう、みんなお笑いの…すっごくおもしろいんだよね、みんな。ジミーさんの歌っていうのはけっこう本格派で、ちゃんと歌うんだけども。

H:ハンク・ウィリアムスみたいなね。

麻田:そうそう。で、曲が終わると、そういう…まさにドリフターズだったよ。

H:イロモノだ(笑)

麻田:そう、イロモノ(笑)で、僕はそれにすっごく感動して、こういう風に…エンターテイナーっていうのかな。歌と笑いみたいのを入れなきゃと思って。

H:やったの?

麻田:そう。それで、最初のころは台本書いてさ…(笑)

H:えー!そうだったんだ(笑)

麻田:でもそのうちね、重見(重見康一)っていうのはすごく司会が上手くなってね。

H:あー、おもしろかった。

麻田:彼に任せるようになっちゃったんだけど、いちばん最初はホントに…

H:ギャグやってたんですか?

麻田:そうそう、ギャグやって…

H:ぜんぜん憶えてないな…

麻田:あとは…ヘンな小噺みたいのを作ったりとかさ。

H:それを麻田さんがしゃべったりするの?

麻田:ひとりずつ…ナントカシリーズとか。「花シリーズ」とかね。「うちの妹はこの花が好きでね、うちのアネモネ」とかね。

H:あー(笑)

麻田:そういうバカな…(笑)

H:いや、バカというかね…品がいいというかね…(笑)

麻田:「冷蔵庫に花が入ってるよ。それヒヤシンス」とかね。

H:あー…はいはい、おやじギャグだね。

麻田:親父ギャグ、いまで言うね。そういうのやってましたね。

H:なるほどね。

麻田:だから、そういう風に笑いとミックスさせたいってずっと思ってた。

H:そうか、そうか。

麻田:それが、ジミーさんのバンド。

H:そうだったんだ。

麻田:あの頃、ジミーさんのバンドが出るとね、落語家で…立川談志が、まだ小ゑん(柳家小ゑん)って名乗ってた頃で…

H:え、談志さん…そんなの観てるの?

麻田:細いマンボズボン穿いてさ(笑)

H:(笑)

麻田:隣のおじさんといっしょに観てるとね、「おい、またアイツ来てるよ。落語家の小ゑんだろ?」って言ってさ。

H:へぇ…観に来てるんだね。

麻田:あのね、好きだったの。ジミーさんのファンだったの。

H:おもしろい話だ…

麻田:談志さんはさ、ディキシーランドがすごく好きで…ディキシーとカントリーが好きで。

H:その話はあんまり聴いたことないね。初めて聴くかもしれない。

麻田:しょっちゅう来てたね。

H:あー、談志さんもおもしろい人だよね。

麻田:ね。

 

www.youtube.com

 

H:そっか…でもまあ、そっちの、ギャグバンドに行かなくてよかったですね。

麻田:いやー、僕らは半分ギャグバンドだったよ(笑)

H:そうかな?(笑)んー、なんかね、カレッジフォークって関西から見ると…彼らは「坊っちゃんフォーク」って呼ぶんだよね。

麻田:そうそうそう。でもまあ、僕らはね…僕らの特徴っていうと、なんて言うのかな、他のバンドはみんな…たとえば小室くん(小室等)がね、ピーター・ポール・アンド・マリー・フォロワーズっていうのとか。

H:あー、森山良子さんとね。

麻田:あと、ブロードサイド・フォーって黒澤(黒澤久雄)がやってたのは…

H:黒澤さん(黒澤明)の息子さんね。

麻田:あれはブラザーズ・フォア(The Brothers Four)のコピーとか。

H:観てましたよー、うん。

麻田:僕ら(Modern Folk Quartet)はね、あんまりそういう…他人のやってるバンドのはやってなかったね。

H:そうですね。

麻田:ヘタだったから…

H:いやいや…(笑)

麻田:やっぱりね、人のやらない曲やったほうがいいじゃないですか。僕はもうその頃、かなりレコード集めてたから、曲を見つけてきてやってましたね。

H:そうか。まあ、ぜんぶは観てないんでね、モダン・フォーク・カルテットは。僕が印象深いのは、麻田さんがベース弾きながら"San Fransisco Bay Blues"歌ってる…っていうのはよく憶えてますよ。

麻田:あとは"Green Green"もやってましたね。

H:やってましたね。うん。その頃の録音物ってあるんでしょ?

麻田:無いでしょ。

H:無いの?

麻田:僕らはレコーディングする前に止めちゃったし…

H:そうか、無いんだ…

麻田:ほら、眞木(眞木壮一郎)だけ浪人してたから、眞木はソロになって、「マイク眞木」という名前で…

H:ヒットしたね。

麻田:あれも…たぶん、デモテープを作りに行って、眞木に「歌ってくれ」って言ってレコーディングしたら、「もうこれでいいんじゃないの?」って、そのまま出したら売れちゃったっていう(笑)

H:そうなんだ。"バラが咲いた"。んー。

麻田:そう。おそろしいね、あれ。

H:浜口さんだよね?浜口庫之助さん作詞作曲で。

麻田:そうそうそう。

 

www.youtube.com

 

 

H:そういうことがいろいろあった、この…40年、50年ぐらいかね、んー。

麻田:そうですね。

H:もう、疲れましたよ。疲れた。大丈夫?

麻田:(笑)でもね、僕は毎年SXSW(South by Southwest)に行ってるから、新人バンドとかたくさん見るのよ。

H:あー、そう。刺激されるわけだ。

麻田:そう。すごく。

H:最近は、どうですか?

麻田:最近もおもしろいのあるし…いちばん印象深かったのはね、ノラ・ジョーンズNorah Jones)が最初にレコードを出して、まだそんなに有名じゃなくて。SXSWでライヴをやったんですよ。

H:ああ、そこで出てきたんだ。

麻田:それがすっごい評判になって、あの頃…外人が言う「buzz」っていうか、噂?になって。で、グラミーにノミネートされて。その次の年かな、もうグラミーを獲って。あんなシンデレラ・スト―リーを見たのは初めてだったから。

H:んー、目撃してるわけですね。そうだったんだ。あのね、あれをやってるんだよ。僕もやってるやつ。なんだっけ…♪treat me like a fool~…

麻田:あー、やってるやってる。

H:タイトル忘れちゃった…(笑)

麻田:プレスリーElvis Presley)。

H:そうそうそう…あ、"Love Me"だ。おんなじ頃やってたんだよ。ちょっと、ノラ・ジョーンズのほうが後で出した…では、ノラ・ジョーンズが歌ってる"Love Me"を…リトル・ウィリーズ(The Little Willies)というユニットでやってます。それを聴いてください。

 

 

Love Me - The Little Willies

(from 『The Little Willies』)

 

 

H:ノラ・ジョーンズで"Love Me"。僕もやってるんですけどね。やっぱり歌うまいな(笑)

麻田:(笑)

 

H:ところで、SXSWって年に一度やってるんでしたっけ?

麻田:そうですね、3月にやってます。

H:3月。もうすぐ?

麻田:もうすぐですね。

H:また行くんですね。

麻田:また行きます。ほぼひと月くらい、僕は行ってるんですけど。

H:誰か連れてくんですか?

麻田:日本のバンドを…だいたい日本からはね、毎年10バンドぐらい出るんですよ。

H:10バンドも出るの?

麻田:うん。それは応募して、向こうの審査を通ったバンドが行けるんですよ。

H:それ、ぜんぶコーディネートするんですか?

麻田:そうですね。

H:あー、大変だね、10バンドも。

麻田:そうそう。で、その内の6バンドで僕はずっと「Japan Nite」というのをやってて。去年あたり、CHAIというバンドが出たらすごく売れて。

H;あ、ホント?

麻田:アメリカツアー、ヨーロッパツアーがもう終わったのかな?

H:え、すごいね。今年はどなたが?

麻田:えっとね、今年はスーパーガール[*おそらくSTEREOGIRLのこと]とかね…パーフェクト・ミー(the perfect me)という福岡のバンドとかね。おもしろいバンドがいますよ。

H:へー。ちょっと観てみたい感じがしますね。

www.sxsw.com

 

麻田:今度…アメリカって行ったんだったっけ、最近?

H:これからなんですよ。5月、6月に行くことになっちゃってるんですよ。

麻田:へー。どこでやるのかな?

H:ニューヨークとロサンゼルス…

麻田:あー。でも、すごく受けると思うなぁ。

H:なんかねぇ、不安ですよ。

麻田:あ、ホント?

H:でも、ロンドンとかね、あっちの…イギリスではよかったんで。大丈夫かな、と。

麻田:大丈夫ですよ。

H:なんか、時代が変わってね。

麻田:そうそうそう。で、僕、こないだ…(細野さんが)台湾でやったじゃないですか。あれのすぐ後に行って、台湾の子たちに…僕はだいたい、YMOを聴いて、それからだんだん遡っていって『HOSONO HOUSE』に行き着いたんだと思ってたの。

H:あー。

麻田:そうじゃなくて…

H:違うんだね。最初から…

麻田:最初から『HOSONO HOUSE』って言ってた。

H:そういう…そうそうそう。辿んないんだよね、いま(笑)

麻田:僕はもう、てっきりYMOから、と思ってたの。

H:今の若い人の特徴かもね。

 

麻田:いやー、中国でもすごくお客さん入ってたじゃないですか。

H:入ってましたね。

麻田:台湾はまた行くんでしょ?

H:また行きますよ、2月…

麻田:僕もこないだ行ってきましたよ、台湾と…深圳っていうところがすごく良くて。

H:あ、それは中国のハイテクの都市ね。

麻田:そうそう。まあ、ハイテクの都市なんだけども、その中にちょっとした芸術村みたいのがあって。そこにホールがあって、そこはすごく良いアーティストがやってる。

H:へー!

麻田:僕もそこのキュレーションみたいのも年に1回やってるんですけど、去年の5月はね…金曜日がクラフトワークKraftwerk)。

H:ええ?(笑)

麻田:土曜日がジェームズ・ブラッド・ウルマー(James Blood Ulmer)。で、日曜日が戸川純

H:えー!ビックリだね(笑)

麻田:すごいでしょ、そのメンツ(笑)

H:すごいね(笑)関連がないね。

麻田:戸川純ってさ、5分で売り切れたんだよ、1000枚。

H:へー!みんな聴いてるんだろうね。

麻田:でね、僕行って観てたら、みんな歌ってるんだよね、いっしょに。

H:すごいね、それは。

麻田:すごいでしょ、これ。

H:どうなってんだよ…

麻田:で、そんなに年寄りだけじゃないんだよ。

H:若い人もね。ヘンな時代だね。

O:(笑)

H:そうなんだ。

麻田:そこは絶対受けると思う、深圳は。

b10live.cn

 

H:そうか。中国からも声かかってるんだけど、どこだかわかんないんだよね。

麻田:深圳のね、そのホールを運営してるのは本屋さんで…ヘンな本屋さんで、昔の、それこそ三上寛のカセットとか売ってんだ。

O:(笑)

H:えー!(笑)不思議だなぁ…

麻田:すごいでしょ(笑)そこで…「きょうセミナーをやるから麻田さん、ちょっと見てってくださいよ」っていうんで行ったら、「1970年代のドイツのアヴァンギャルド・ミュージックについて」みたいな講義をやってるわけ(笑)

H:マニアだね…

麻田:そこいる人は…50人も入んないかな?4分の1ぐらい女の子で、みんなノート取ってるんだよね。

H:熱心…すごいな。

麻田:もう驚いたね、それは。だって、そういう音楽を聴いたことがなかったわけでしょ。日本の子どもたちみたいに。

H:うん。

麻田:まあ、日本だってそんなに、今は洋楽が聴ける状況じゃないけども。それにしたって、まったく無いところに…

H:おもしろい現象だね。

麻田:おもしろいよね。

H:熱心だね。

麻田:熱心、もうホントに熱心。

H:音楽が好きなんだね、ホントにね。んー。それはなんか、心強い話だな。それなら行っても大丈夫かもな(笑)

麻田:もう、絶対大丈夫だよ。

H:そうかそうか(笑)いやー、不安だったんだけどね。大丈夫だった。

 

麻田:僕は、こないだはね、深圳と順徳というところと、上海と台北に…女の人の…なんだっけ…自分でやったのに名前忘れちゃった(笑)

H:歳だからね、僕たち(笑)

麻田:あの、女性で、1920年代の音楽をやってる…

H:日本の人?

麻田:いやいや、アメリカ人…

O:ジャネット・クラインJanet Klein)とか?

麻田:ジャネット・クライン。ごめんごめん、それです。ジャネット・クラインやったらすごく受けて。

H:んー。

麻田:上海だとね、昔風なドレス着て、ステージの前にちょっとしたスペースがあって踊るんだよね、みんな。

H:いいじゃん。上海行きたい(笑)

麻田:上海もいいと思うよ、すごく。

H:ジャズの街だもんね、昔から。

麻田:そうそう、昔はね。驚いちゃった。

H:なんかちょっと、気持ちが動いてるよ、すごい。中国、迷ってたんだけど行こうかな。

麻田:行ったほうがいいと思うよ。

H:そっか。いっしょに来てくださいよ(笑)

O:(笑)

麻田:あ、いいですよ、行きますよ(笑)

 

www.toms-cabin.com

 

H:まあこれからも…ちょっと時間がね、もう、そろそろ無いんですけど。ウェスタン・スウィングのイベントやるんでしょ?

麻田:やります。イベント…うん、やりたいですね。

H:やりたいよね。

麻田:いっしょにね。

H:絶対、その時僕も参加させてもらっていいですか。

麻田:もちろん、いいですよ。

H:よかったぁ…いやー、なんか楽しいね(笑)じゃあ、ウェスタン・スウィング、ちょっと勉強してね。岡田くんは、どうですかね?そういう…観に来てくれますかね?

O:もちろんです。楽しみにしてます。

 

H:そういうわけで、麻田浩さんをお招きして2週間やりました。また、お願いしますね。

麻田:はい。

H:はい。どうもありがとう。

麻田:ありがとうございます。

 

  

Milk Cow Blues - Johnnie Lee Wills

 

 

 

★2019.02.01 α-STATION FM KYOTO「NICE POP RADIO」より

 

 
 
とても良い回でした…
 
 
(以下、すべて澤部:)
 
 京都α-STATION、毎週金曜午後8時からはNICE POP RADIO。本日はですね、スタジオにアナログプレーヤー…レコードプレーヤーがありますんで、ちょっとそれをさわりながら曲をかけていこうと思います。まず最初にお送りしますのはスカートの『ひみつ』というアルバムから、"花百景"という曲をどうぞ。
 
 
花百景 - スカート
 (from 『ひみつ』)
 
 
お送りしましたのはスカートで"花百景"という曲でした。改めましてこんばんは、スカートの澤部渡でございます。今週もわたくしの選曲とおしゃべりにお付き合いください。
 66回目の放送でございます。先週はニューシングル『君がいるなら』特集としてお送りしたんですけれども、今週は同日発売となったメジャー1stアルバム『20/20』のアナログ盤の特集を、しようと思います。ディレクターさんが京都からポータブルプレーヤーを持ってきてくださいまして…という感じなので、きょうはレコードプレーヤーを聴きながら、ワイワイとしゃべる感じになると思います。お楽しみに~。
 
 番組ではみなさんからのメッセージをお待ちしております。α-STATIONのホームページにある"メッセージ"から番組「NICE POP RADIO」をセレクトしてお送りください。FAXは京都075-344-8940でございます。Twitterアカウントをお持ちの方はハッシュタグ、カタカナで「#ナイポレ」を付けてつぶやいてください。また、この番組はパソコンやスマートフォンでラジオが聴けるIPサイマルラジオRadikoでもお聴き頂けます。スマートフォンからはGoogle Play、AppStoreからRadikoアプリをダウンロードしてお楽しみください。有料サービスのRadikoプレミアムを利用しますと全国どこでもα-STATIONをお楽しみ頂けます。詳しくはα-STATIONのホームページ、またはRadikoのホームページをご覧ください。
 そして、京都レコードショップJET SET KYOTOのお店にNICE POP RADIOのコーナーを作って頂いています。番組で紹介したレコードなんかも紹介されていきますので、ぜひ店頭に足をお運びください。
 
 では、もう1曲聴いてもらいましょうか。Vulfpeckで"Fugue State"。
 
 
Fugue State - Vulfpeck
 (from 『Fugue State』)
 
 
[CM]
 
 
spa wars - トーニャハーディング
 (from 『spa wars』)
 
 
 お送りしましたのはトーニャハーディングで"spa wars"という曲でございました。
 
 京都α-STATIONからスカートの澤部渡がお送りしておりますNICE POP RADIO。オープニングでお知らせした通り、先週1/23にリリースになりましたアナログ盤『20/20』についてお話したいと思います。
 えー、改めて『20/20』というアルバムについて紹介しますと、もともと2017年の10/18に発売しましたスカートのメジャー1stアルバムということになります。"視界良好"や"静かな夜がいい"、"ランプトン"など全11曲を収録したスカート通算6枚目のアルバムなんですけれども、このたび1年3ケ月の時を経て念願のアナログ盤が発売になりました。もともとスカートは…過去のカタログはほとんどアナログで出してまして。まあ、そういう経緯もあってか「『20/20』のアナログはいつ出るんですか?楽しみにしてます」なんて話をけっこうかけてもらったりしてたんで、念願叶ってようやく出るという感じでございます。
 この番組でも何度か名前が出てると思うんですけれども、今回のアナログのカッティング・エンジニアに小鐡徹さんをお迎えして制作しました。小鐡さんは「日本のマスタリングの父」なんて呼ばれ方もされることがあるんですね。75歳の現在も現役で大活躍されている、日本屈指のマスタリング・エンジニア、カッティング・エンジニアの方です。過去には井上陽水さん、山下達郎さんやTHE YELLOW MONKEYLUNA SEATHEE MICHELLE GUN ELEPHANT、サザン・オールスターズ、くるりザ・クロマニヨンズスピッツなどなどホントに…あとムーンライダーズとかもやってもらったりしていて。とにかく、僕の好きなレコードにはよく名前がある方、ですね。で、まあ、その小鐡さんにカッティングをお願いするっていうのがひとつの夢…って言ったら大げさですけど、そういう感じのすごい方なんです。で、いまかけたトーニャハーディングの"spa wars"も実は小鐡さんカッティングなんですよね(笑)「クラウド・ファンディングで12inch切りたい、小鐡さんにカッティングしてもらいたい」、みたいにお金を募ってやっていたのがもう5年近く前なんですけど。やっぱり良い音ですよね。めちゃくちゃカッコいいんですよ。
 で、なんとですね…本日の収録にギリギリ間に合った『20/20』のアナログ盤がですね、手元にございます。テストプレスを流そうか、みたいな話もあったんですけど、製品がギリギリ間に合ったんで。せっかくなんで、このレコードの針を下ろして、みなさんといっしょに聴いてみようじゃないか、と…思うわけなんですが…A面の1曲目の針を下ろして音が鳴る瞬間っていうのはみなさんに取っておこうと思いまして(笑)そこはもう、みなさんに預けます!あのなんとも言えない、気持ちのいいアコースティック・ギターの音はね、これは、ぜひみなさんのご自宅で体験してほしい。ということなんで、他の曲を聴いてもらいましょう。じゃあ、MVにもなった"視界良好"という曲から、聴いてみましょうか。
 
 
視界良好 - スカート
 (from 『20/20』)
 
 
聴いてもらいましたのは"視界良好"という曲でした。というわけで、いい感じでしょ?とっても…僕はこのアナログの…レコードの音というのが好きなんです。まあ、きょうはこういう感じでどんどん、レコードから音を聴いてみようと思います。
 
 Side Bのほうからも1曲聴いてもらいましょうか。"ランプトン"という曲を聴いてみましょう。
 
 
ランプトン - スカート
 (from 『20/20』)
 
 
聴いてもらいましたのはスカートで"ランプトン"という曲でございました。
 やっぱりレコードで聴くと深みが違う、なんていうね(笑)ありきたりな言い方になってしまうんですけれども。やっぱりそれはこうやってレコード盤を取り出し、プレーヤーに置き、そして針を下ろすというね、この工程が大事だと思います。ひと手間かけて音楽を聴くというのが、その音楽の体験をひとつ、特別なものにするんじゃないかな、なんてわたくしは思います。もし、レコードプレーヤーを持ってない、なんて方も、簡単なレコードプレーヤーだったらわりと手に入りやすいと思いますんで。きょうもね、ポータブルプレーヤーで収録してるんですけど。ホントに、これ一つで音も出せる、みたいな。いうようなものも最近増えましたんで、ぜひ、これを機にレコードを買ってみてはいかがでしょうか。すばらしい音楽体験のひとつに、我々も加担できればなあ、と思います。
 じゃあ最後にですね…僕がマスタリング・ルームでもう、すごいビックリしちゃって。興奮したんですけど。B面の1曲目のね、イントロの鳴り方の…鳴り方がね、やっぱ、レコードだとだいぶ違って。すごいビックリしました。それがね、はたして放送で伝わるかわかんないんですけど。ホントはね、家でみんな「おー」とか言ってほしいんですけど。ちょっと、放送に乗せてやってみようと思います。その時はね、こうやって針を下ろして。段々と、しばらくする間に曲が始まるんですけど、その瞬間のたまらなさが体験できるといいんですが…!
 
 
さよなら!さよなら! - スカート
 (from 『20/20』)
 
 
聴いてもらいましたのはスカートで"さよなら!さよなら!"という曲でございました。どうですか、すばらしいでしょう。なんかね、弦の鳴り方とかもぜんぜん違って聞こえるんですよね。なんだろう。いや、CDが悪いとかそういうことではなくて、やっぱ…特別な体験になるといいな、と思います。 スカートはわりとCDを出すときからもう、レコードで出すっていう想定で曲順を組んでまして。この曲がB面の1曲目になるようにもともと仕込んでたんですよ。で、やっぱり今までもそうですけど、B面の1曲目で新しく物語が始まる、みたいなイメージで、やっております。
 そんな『20/20』のアナログ盤、現在好評発売中でございます。すばらしいものになったと思いますのでぜひ手にとって、針を下ろして聴いてみてください!それではNICE POP RADIO、いったんコマーシャル。
 
 
[CM]
 
  
 京都α-STATIONからスカートの澤部渡がお送りしておりますNICE POP RADIO。この番組ではわたくし澤部渡おすすめの音楽、金曜のこの時間にピッタリな音楽、たくさんお送りしていけたらな、と思っております。今週の選曲テーマは、まあレコードでワイワイ聴こうじゃないか、という感じでございます。
 まあ、僕がどうしてレコードを聴くようになったのか、みたいな、そういう話もしなきゃな、と思っていまして。まず、レコードに興味を持った、というか、「レコードを聴く」という選択肢ができたのはですね、僕が小学5年…5年ぐらいだったと思うんですけど。それぐらいの頃にYellow Magic OrchestraYMOに興味を持ちまして。そしたら、母親が「うちにレコードあるよ」なんて言ってくれて。そしたら親父が「じゃあレコードプレーヤー買ってくるわ」つって、レコードが聴けるような環境にまたしてくれたんですよ。で、それで初めて『SOLID STATE SURVIVOR』という、YMOのアルバムを聴いたのが、僕のレコード人生の最初、ですね。まあ、そうやっていくうちに母のライブラリーを聴くだけでは飽き足らず、中古のレコード屋とかに入り浸ってはレコードを買ったり。もちろん同時進行でCDもたくさん買ってたんですけれども。そういう感じで日々が過ぎていきました(笑)
 で、中学生になったぐらいの頃に…中学生になって、高校生になる前ぐらいに、僕NUMBER GIRLっていうバンドがすごい好きで、それの『NUM-HEAVYMETALLIC』っていうアルバムを部屋で聴いていたら、母親がガラガラっと入ってきて、「こういう音楽聴くんだったらこれも聴け」と言って、渡されたのがXTCというバンドの『Drums & Wires』っていうアルバムなんですね。で、僕はそれを初めて聴いた時の衝撃っていうのが本当に大きくて。当時の部屋の感じとか、自分が立て膝でレコードプレーヤーにこうやって針を下ろして、音楽が流れるのを待つ、みたいなね。そういう状況までよく憶えています。そして、こういうイントロがかかるんです。XTCで"Making Plans For Nigel"。
 
 
Making Plans For Nigel - XTC
 (from 『Drums & Wires』)
 
 
聴いてもらいましたのはXTCで『Drums & Wires』というアルバムの冒頭を飾ります、"Making Plans For Nigel"という曲でございました。どう?すばらしくないスか?これをね、僕は若い頃に経験できたっていうのは非常に大きな…なんというかね、大きな経験のひとつでございます。まあ、こういう風にきょうはレコードをどんどん聴いてみようと思います。
 
 次お送りしますのはね、去年出た新譜をちょっと1こ、紹介しようかな。民謡…沖縄民謡なんですけど、"かじゃでぃ風節"という曲があって。それを、西洋音楽と沖縄民謡の中間みたいな風に編曲したヴァージョンがあって。それが去年EM Recordsっていうところから出て。もう、それがすんばらしくて。「沖縄のペット・サウンズ」みたいな、そういう言い方されてるのも…ああ、なんか納得しちゃって。すばらしい出来なんでそれも聴いてみましょうか。新崎純とナイン・シープスで、"かじゃでぃ風節"。
 
 
かじゃでぃ風節 - 新崎純とナイン・シープス
 
 
聴いてもらいましたのは"かじゃでぃ風節"という曲でございました。新崎純とナイン・シープス、というバンドの演奏ですね。すばらしくないスか?なんというかね…なんか、見ちゃいけないパラダイスを見たような感覚にもなる、それぐらい、なにかね…ああ、そうか、西洋音楽と沖縄の民俗音楽と…こういう音楽は想像したことすらなかったな、って。それが、しかも…これ1977年の録音らしいんですけど、それよりも前にあって、しかもそれから先こういう音楽が出てないっていう。そういう不気味さもあってね、すっごい気持ち良いんですよ。で、なんかゾクゾクする感じもあってね。そういう感じがたまらなく、好きでございます。
 
 じゃあ次、聴いてもらいますのはCorneliusという、まあ有名な…フリッパーズ・ギター小山田圭吾さんのソロプロジェクト、のCornelius。『POINT』というアルバムがありまして。僕、このアナログ盤にちょっと思い入れがあって。僕が…ホントに、記憶があるのと同時に通っているCD屋っつうのがあって。あったんですよ。高島平の駅の団地の下に十字屋っていう…いまでも十字屋自体はあるんですけど。それがね、団地の下にあって、そこによく行ってたんですね。で、そこが高校生の時に閉店しちゃうっつって。その時の閉店セールで買ったレコードです。『POINT』というアルバムから"Drop"という曲を聴いてもらいましょうか。
 
 
 (from 『POINT』)
 
 
聴いてもらいましたのはCorneliusで"Drop"という曲でございました。じゃあ、このままどんどんアルバムは続くんで針を上げますね。ずっと、このアルバムは小学生の時はCDで聴いてて。で、アナログで聴いて、おお、また違う膨らみがあるぜ、なんて思ってた頃ですね(笑)
 
 えー、じゃあもう1枚、聴いていきましょうか。Delegationというグループがいまして。これは僕の大学の先生が教えてくれたんですけど。益田トッシュさんっていう人がいて。その人が「オマエらもっと音楽聴いたほうがいいよ」つって、いろいろ貸してくれた中の1枚に入っていた、Deligationというバンドの"Darlin' (I Think About You)"という曲を聴いてもらいましょう。
 
 
Darlin' (I Think About You) - Deligation
 
 
聴いてもらいましたのはDeligationで"Darlin' (I Think About You)"という曲でございました。
 
 レコードがいいな、と思うところで…前も話したと思うんですけど、まあ、丸くて大きいというのと、あとはやっぱり、こうやって実際に入っている音を鳴らして、それを増幅させて我々が聴くというのはね、なんともセクシーじゃないかとわたくしは思うんですよね。針が引っ掻いて音が出る、なんていうそういう動作がね。素敵だなぁと思います。はい。
 
 じゃあ、このコーナー最後に聴いてもらいますのは、まあいろいろ原点に立ち返ってYMOを…とも思ったんですが…やっぱレコードで音楽を聴くというのは特別だな、と思ったことの一つに、やっぱり自分の音楽体験の中でも、なんてことなく聴いてたはずなのに、なぜかそのレコードを聴いた日の風景をよく憶えている、みたいなのがあって。小学生の時にYMOを好きになって、それで母のライブラリーを追っていくうちに、細野晴臣さんのソロも聴くんですね。その細野さんの『泰安洋行』というアルバムを聴いたときのね、なんか…小学校のね、図工室の前の感じとかがなぜか頭に残っててね(笑)それが自分の中で…なんていうんですかね、「音楽と自分」みたいなことを考える最初のきっかけというか。まあ、後々思い出すとその風景がよみがえってくる、みたいな感じなんで。その時に直感的にそう思った、というわけではないんですけれども。なんとなく後を引く体験になり得るんだな、音楽っていうのは、というのを気付いた曲でもあります。細野晴臣さんの『泰安洋行』というアルバムから"“Sayonara”, The Japanese Farewell Song"という曲を聴いてみましょうか。
  
 
“Sayonara”, The Japanese Farewell Song - 細野晴臣
 (from 『泰安洋行 -Bon Voyage co.-』)
 
 
 
 いかがでしたでしょうか。今週はレコードを聴きながらワイワイ話す、という感じでお送りしました。この時間お送りしましたのはXTC"Making Plans For Nigel"、新崎純とナイン・シープスで"かじゃでぃ風節"、Corneliusで"Drop"、Deligationで"Darlin' (I Think About You)"、そして最後に細野晴臣さんの"“Sayonara”, The Japanese Farewell Song"をお送りしたという感じでございます。
 やっぱね、細野さんのね、その…なんだろう、不気味な感じって言ったらヘンだけれども。まず、あんなに速く弾いてるマリンバなんて子どもの頃は聴いたことないし、今になってもあんまり聴いたことないんですけど(笑)なんかね、そういうのがね、とても不気味だし、それがポップだし、気持ち良く聞こえたんだろうな、なんてことをね、改めて思い返しました。
 
 本日オンエアーした楽曲ですけれども、後日レコードのジャケットをわたくしのインスタグラムにアップする予定でございます。気になった曲があったという方はインスタアカウントの澤部渡、または「スカート 澤部 インスタ」ないしは「@skirt_oh_skirt」などで検索してみてください~

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 京都α-STATIONからスカートの澤部渡がお送りして参りましたNICE POP RADIO。番組はそろそろお別れのお時間になってしまいました。 
 
 スカート通信のお時間でございます!本日特集したアナログ盤『20/20』、ぜひチェックしてください。ニューシングルの『君がいるなら』も絶賛発売中。新曲"君がいるなら"、花束にかえて"に加えて"すみか"の再録を含んだ全3曲を収録でございます。上映中の映画『空のレストラン』と併せてぜひよろしくお願いしまーす。
 
 
  えー、ライヴ情報。明日は東京でダブルヘッダーでございます。イベントのミツメpresents「ワクワクミツメまつり(WWMM)」、2/2(土)東京恵比寿リキッドルームでございます。ミツメにスカートがお邪魔する、というふしぎな形態になると思います。ミツメ+僕と佐藤優介、そしてシマダボーイの合計7人で演奏することになりました。よろしくお願いします。そして同日、東京のタワーレコード新宿店でインストアライヴがございます。21時~というなかなかやさしい時間設定でございます。みなさん、ぜひ1杯飲みに…飲んだりとかね、ごはん食べたりするついでに、ぜひ遊びに来てください!入場料はもちろん無料でございまーす。よろしくお願いします。
 その他、3/21(木・祝)はですね、神戸の蘇州園でライヴがあったり、翌日は沖縄の那覇Outputでライヴがあったりします。3/31(日)大阪味園ユニバースで、バンドのライヴが決まりました。去年ツアーで回ったメンバーでやりますので、皆さんぜひ遊びに来てください。その他、詳しくはスカートのWebサイトをチェックしてもらえればと思います!
 
 
 NICE POP RADIOではメッセージをお待ちしております。α-STATIONのホームページにある"メッセージ"から番組「NICE POP RADIO」をセレクトしてお送りください。FAXは京都075-344-8940です。Twitterアカウントをお持ちの方はハッシュタグ、カタカナで「#ナイポレ」を付けてつぶやいてください。番組の感想やわたくしへのメッセージ、選曲テーマやカヴァーのリクエストなんかもお待ちしております。
 
 
 今週最後にお送りしますのはアナログレコードから1曲。えー…まあ、なんかアナログブームみたいな感じにこの5年ぐらいでなって…まあそれが良いか悪いかちょっとわかんないですけども。ただ、いろんなレコードが出るっつうのは僕からしたらうれしいことで。若いバンドの新譜がレコードで出たりするのもうれしいことです。というわけで、最後に聴きますのはSaToAというバンドの"Light"という曲で今週のNICE POP RADIOはお別れ。この時間のお相手はスカートの澤部渡でした。また来週!
 
Light - SaToA
 (from 『スリーショット』)
 
 
 

2019.01.27 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 情報量…

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

H:こんばんは。細野晴臣です。きょうはですね…ずーっと、つきあいの長い先輩がいるんですけど(笑)麻田浩さんです。

麻田:麻田です、よろしく。

H:いらっしゃい。

麻田:どうも。

H:ひさしぶりですよね。

麻田:そうですね。ひさしぶりです。

H:なんかね、事あるごとにお世話になってるんだよね(笑)

麻田:いやー、そうでもないですよ。こちらこそお世話になってますよ。

 

H:いや、ね…最初は、ともかくね、学生時代のアイドルでしたからね。

麻田:いやいやいや…

H:モダン・フォーク・カルテット(Modern Folk Quartet)、ですよ。ホントにそうだよね。カッコよかったし。どうだったの?人気あったでしょ。

麻田:どうなんでしょうね。自分たちではあんまりよくわからないですね…でもまあ、いろんなところ出てましたから、それなりには。

H:ですよ。オシャレだったしね。

麻田:まあ、そうですね。あの頃ってアイヴィーのちょっと前ぐらいかな。ただ、僕らは…キングストン・トリオ(The Kingston Trio)のジャケットのね…七分袖くらいなのかな、あれは。ボタンダウンの…

H:ストライプでね。

麻田:そう、ストライプでボタンダウンのシャツを。

H:で、ポイントはね、襟首にTシャツが見えてるの。あれはヘインズ(Hanes)かな(笑)

麻田:そうそう。僕らはあの頃(既製品が)なくて、ヴァンヂャケット(VAN Jacket)にも売ってなかったから…

H:そう。

麻田:下北(下北沢)のね…あの頃まだ、下北ってさ、戦後のヤミ市みたいな感じ…

H:生地屋とか多かったからね。

麻田:そこ行ってストライプの生地買って。

H:あ、作ったんだ!(笑)

麻田:そうそう。ちょうどいまの外苑前の駅前くらいにあった「タジマヤ」さんっていうね…あそこら辺ってね、まだあの頃進駐軍がいたから外人がオーダーしに行って…

H:まだ進駐軍がいた時代なんだね(笑)

麻田:そうそう。だってあそこ、容易に入れなかったから、僕らは。で、そこ行ってキングストン・トリオのジャケット見せて、「これと同じように作ってくれ」って言って。

H:それは初耳だ。そうだよな、売ってないもんな。

麻田:まだVANでも七分袖でストライプ、ってのは無かったね。

H:無かったね。七分袖っていうところがね、ポイントなんですね。

麻田:はい。

 

H:そのメンバーが…「MFQ.」ってみんな呼んでたけど。まあ、アメリカにもいるんだけどね(笑)

麻田:そうなんですよね、これはもう、ホントに…

H:偶然なのね?

麻田:偶然なの。

H:あ、そうなんだ、やっぱり。

麻田:僕らも名前付けようと思って、いろんな名前が出たんだけれども。やっぱり、アメリカにモダン・ジャズ・カルテット(Modern Jazz Quartet)、「MJQ」っていうのがあるから、「じゃあMFQにするか」って名前付けて…

H:そうなんだね。

麻田:半年ぐらいしたら、アメリカにも同じ名前があるよって言うんで…あわててレコードを取り寄せたら、すごく上手いの(笑)

H:(笑)

麻田:名前変えようかっていう話になったんだけど…あの頃はほら、(バンド活動は)学生の時代で終わるから、もうあと1年とかそんなもんだから、もうそのままでいっちゃおうよ、っていう話になった。

H:なるほどね。クラブ活動っていうわけじゃないですよね、でも。

麻田:でも一応ね、大学の軽音楽部にも入ってた。

H:メンバーの人、それぞれ違う学校でしょ?でも。

麻田:最初は僕らの学校3人と、マイク眞木って…あの頃は眞木壮一郎。眞木壮一郎は日大だったから。

H:あ、そうだ。あとは重見(重見康一)さん…

麻田:重見、あとは吉田(吉田勝宣)っていうので…あとは、その吉田が病気になって、渡辺っていう…

H:そうだ、渡辺薫さん。ベースね。そうですよ。思い出すね…僕は高校生でステューデント・フェスティバル(STUDENTS' FESTIVAL)っていうね、学生のフォーク・コンサートに憧れてたんですよ。で…(笑)いろいろあって、そのオーディションを受けた時に、審査する側の人が麻田さんたちだった。

麻田:そうなんだよね。なんで俺たちがやったの?っていう。

H:いやいやいや…(笑)やっぱりね、カリスマですよ、当時。で、その前で僕が演奏したのがキングストン・トリオの"Ann"っていう曲なの。それをちょっと聴いてください。

 

 

Ann - The Kingston Trio

  

 

H:で、この歌、"Ann"を演奏して…僕たち4人のメンバーでやって。高校生で生意気な感じだったと思うんだけど(笑)

麻田:そう?あんまりそんな、生意気な感じはなかった。

H:あ、そう?よかった(笑)すごいなんか、印象深いんだよね、自分では。ギターを僕、やってて。生意気そうに弾いてたのをなんか言われるんじゃないかって思ったんだけど。大丈夫だった(笑)

麻田:シブい曲を選曲してましたね。

 

H:それで…STUDENTS' FESTIVALって僕の姉の友達が主催してたんですよね。短大生。

麻田:あ、そうなんだ。

H:そういう素人の人がみんなやってたんだね、当時ね。

麻田:お客も入ってたんだよね、けっこう。今みたいにネットもない…なんにもないのにさ。

H:みんな聴いてたね。

麻田:よくあんなに人が集まったと思って。それも大学生とかさ、高校生とかさ。

H:当時はやっぱり、大学生の主催する会だから、僕たち高校生はドヨドヨ、ってしたね。高3だったかな。次は大学生になる…手前で出ちゃって。で、姉もその友達も、やっぱり麻田さんファンだよ(笑)

麻田:いやいや…(笑)

H:いちばんカッコいいんだよ。ベース弾きながら歌うでしょ?時々。

麻田:そうですね。

H:そうするとみんなね、目がハートになってましたから。ホントに。

麻田:いやいや…

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H:で、それがきっかけで…まあ、親しい、わけじゃないけど、先輩だからね。

麻田:(笑)

H:先輩意識が強いんだよ、僕。いまだに…(笑)

麻田:めずらしいでしょ、この業界にも。先輩っていう人。

H:いないよ、他に。

麻田:ね。

H:審査された側だから…頭が上がんない(笑)でもその後、2000年代に狭山でやったハイドパークフェス(HYDE PARK MUSIC FESTIVAL)。これも主催が麻田さんでしたもんね。

麻田:そうですね。

H:思い出深いでしょ、あれは。

麻田:あれは思い出深い。で、すごい雨だったじゃないですか。

H:もう、すごいどころじゃない…

麻田:細野くんはさ、「麻田さん、もうこれは止めた方がいいんじゃない?」なんて言うわけ。

H:いや、みんなそう思ってたよ(笑)

麻田:うそ?(笑)

H:お酒飲んでるからわからない(笑)

麻田:でもね、なんだろうな、あれ…佐野くん(佐野元春)のあたりからだんだん雨が弱くなってきて、細野くんになったらホントに雨止んだもんね。驚いた。

H:止んだねー。ありがたいことにね。

麻田:で、最初は4000人くらいいたんだけど、たぶん、半分くらいは帰ってるんだけど…

H:そりゃ帰るよ、あれは。

麻田:もうホントに、膝下ぐらいまで水来てたから。

H:そう、洪水ですよ。

麻田:でもその、残ってた人がさ、細野くんが出てきたらウワーッってみんな立ち上がってさ。

H:あー、もうね、感動しました、僕も。

麻田:ね。僕も感動したよ、あれ。

H:いやー、あんなことはあんまり無いね。うん。すごい印象深いところに…

麻田:あれは印象深いですよ。

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H:それで、麻田さんとの関係っていうのはその前…フォークのフェスティバル、ハイドパークの前に。

麻田:はい。

H:ローリング・ココナツ・レビュー。

麻田:1977年、あれは。

H:ローリング・ココナツ・レビュー1977、っていう。これはクジラ…捕鯨反対、みたいなね。

麻田:そうですね。

H:なにもわからずに参加したんですけど(笑)

麻田:いや、でも僕らはね、そんな…クジラばっかり保護しちゃったら生態系変わっちゃうからということで。「Sea Must Live」っていうのかな。「海は生きなきゃいけない」みたいなことに…日本側はね、そういう意識だったんですよ。

H:あ、そうなんだ。でも、なんか、すごいいっぱい来ましたよね。

麻田:来ましたね。

H:だから、赤字っていうのはすごいんだろうけど…(笑)あんなにいっぱい来たのって他にないんじゃないかな。

麻田:ないかもわかんない。それこそスタッフ(Stuff)からジャクソン・ブラウンJackson Browne)から…

H:ジャクソン・ブラウン来た、ジョン・セバスチャン(John Sebastian)来た。

麻田:あとはブルーグラスの連中も来たし…

H:あと…もう忘れちゃったな。当時ヒットしてたシンガーも来ちゃったんだよね。忘れちゃった(笑)

麻田:あと、それこそデヴィッド・リンドレー(David Lindley)とか、バックのミュージシャンも来たし。

H:すごいね。

麻田:J.D.サウザー(J.D.Souther)も来てたし。

H:あれを呼ぶ交渉とかぜんぶ麻田さんがやったんですか?

麻田:向こうのスタッフといっしょにやりましたね。もっとホントはね…ジョニ・ミッチェルJoni Mitchell)が出れるとか出れないとか。それは彼らの、自分のコンサートのスケジュールが優先だから。

H:それはそうだね。みんなボランティアですもんね。

麻田:そうそうそう。

H:いやー、すごい印象深いね。混乱してる感じが(笑)

麻田:あー、そうそう…

H:んー。でも楽しかったけど。

麻田:そうですね。

H:僕はステージで久保田麻琴と…それからジョン・セバスチャンが入ってきてくれた。それがうれしかったんですよ。「♪Ain' got no home~」という曲を歌ったのを憶えていますね。

麻田:やりましたね。

 

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H:麻田さんの音楽の背景っていうのはどんな…?

麻田:僕はまあ、言ってみれば「FENおたく」みたいな。

H:じゃあおんなじだ(笑)

麻田:同じでしょ?(笑)で、僕は…その頃ってラジオは一家に一台っていう世界でしょ。そんなにたくさんないから、自分で(局を)選んでは聴けないから…僕は親戚の家が横浜の山手のほうにあって、そこ行くと手回しの蓄音器があって、レコードもいっぱいあって。その中で僕がすごく好きだったのは"Seven Lonely Days"という曲で。ジョージア・ギブス(Georgia Gibbs)。それを毎回かけて…

H:あー、なんか似たような経験してるなぁ…

麻田:あとはそれこそ、あの頃だからペレス・プラード(Pérez Prado)だとか、そういう音楽とか。あとね、"Sixteen Tons"もありました。

H:ありましたね。ヒットしてた…

麻田:そういうレコードがいっぱいあって、それを手回しので回して聴いた(笑)

H:僕と違うのは、僕はもう電気だった(笑)

麻田:あ、ホント?そうか。

H:ちょっとした時代の差なんだよね。

麻田:そうなんだよね、あの頃って。

H:そう。SP盤の時代が終わって、LPが出始めたりね。

麻田:そうですね。

H:で、みんな子どもたちはSPを放って、割ってたんだよね。

麻田:そうそう。投げたりしてね。

H:そうそう。で、聴いてた人たちは僕とか麻田さんとかね。音楽好きは聴いてた(笑)

麻田:そうですね。でもまあ、FENがいちばん、僕にとっては音楽の先生みたいな…

H:ですね。おんなじだね。うん。じゃあその、ジョージア・ギブスの"Seven Lonely Days"を聴きたいと思います。

 

 

Seven Lonely Days - Georigia Gibbs

 

 

H:なるほど。いいなぁ。こういう…同世代ですから、ほとんどね、麻田さんと僕はね。

麻田:そうですね。

H:そういう時代の音楽を語る人が最近いないでしょ、周りに。

麻田:あー、そうだね。

H:まあ、もちろんみんな知識として知ってるし、マニアもいるし。そういうのはあるけど、「当時聴いてた」っていう人はあんまりいないでしょ。

麻田:そうですね。だから、ラジオから流れてくる音楽?今って、けっこう情報が先っていう部分があるじゃないですか。あの頃はラジオを聴いて、必ずノートをとってたの。

H:それはおんなじです(笑)

麻田:おんなじでしょ?(笑)で、書けないところは日本語で書いて。そうするとひと月後ぐらいに、「ミュージック・ライフ」かな?ちゃんとしたビルボードのチャートが…見ると、あ、違うなこれは、とか。

H:あー(笑)

麻田:学校の英語の勉強とか一切しなかったけども、それだけは一生懸命やったな。

H:そう。FEN聴いてるし、英語には馴染んでるんだけどね。

麻田:そうなんだよね。だからホントに…アーニー・K・ドー(Ernie K-Doe)っていう人の"Mother In Law"っていうのがあってさ。

H:あったね。

麻田:あれ、どうしても"Mother In Law"っていうのが書けなくて、「マザインロー」とかカタカナで書いておくわけですよ。

H:水戸黄門になっちゃう(笑)

麻田:そうするとその何か月後かに(チャートが)出てきて、"Mother In Law"と。辞書を調べると「継母」みたいのが出てくる。

H:勉強になってるよね。

麻田:そうそう。それだけ、英語で勉強したのは。

H:おんなじだ(笑)"Mother In Law"なんて、ああいう曲、僕の周りでは大瀧詠一ぐらいだったね、聴いてたのは。で、彼もいなくなっちゃったんで。語る人がいないよ、うん。

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麻田:あと、僕はガールズバンドがすごく好きで。シュレルズ(The Shirells)だとかマーサとヴァンデラス(Martha Reeves & the Vandellas)とか。

H:あー、大好きだよ僕…なんだ…どうしよう(笑)

麻田:(笑)

H:そういう人とバンド組まないといけないね(笑)

麻田:ま、でも、カントリーも好きだったし。ほら、FENだと土曜日になると必ず…

H:Top 20?

麻田:それの前にね…いちばん最初に「グランド・オール・オプリー(Grand Ole Opry)」やって、あと「ハワイ・コールズ(Hawaii Calls)」っていうのがあって、それからTop 20かな。だから僕は土曜日は必ずうちに帰って聴いてた。

H:そうだね。なんか…おんなじようなことなんだろうな、自分と。早朝は6時か6時半からカントリーばっかりやってたよね。

麻田:そう。あれもだから、僕は…最初ね、うちに普通の大きいラジオしかなかったから、自分で聴くっていうことができなくて。トランジスタでもない、鉱石ラジオっていうのを使ってた。

H:鉱石ラジオ…音小っちゃい(笑) 

麻田:小っちゃいよ(笑)片耳のイヤフォンで…そう、それを布団の中で耳にしてノートをとるというね。

H:あのね、僕もトランジスタラジオ…父親が買ってくれて、それはもう普通の…SONYのね、新発売!みたいな。あの時代のお父さんたちってみんなそういうの買うんだよね。で、本人は野球とかそういうのしか聴かない(笑)

麻田:はいはい(笑)

H:で、夜中僕はそれをヘッドフォン…Monoだけど2つジャックがついてるから、2個右と左に差し込んで。

麻田:あ、そういうこともできたんだ。

H:できたの。音が良いんだ、これが。でもおんなじなのは、布団の中で聴いてた(笑)

麻田:(笑)

H:ちょっと時間がずれてるのかね。

麻田:昔は、トランジスタが出る前は鉱石ラジオの作るキットみたいのがあって。

H:あったあった。ブームだった。

麻田:それを、僕は小さかったから、いとこに作ってもらって。

H:へぇ。鉱石ラジオの時代か…いやいや。

 

 ちょっと、前に遡って…ローリング・ココナツ・レビューの話だけど。あれは音源が出たんだね。

麻田:出ました。

H:ええー、僕まだそれを聴いてない…(笑)

麻田:はい、言っときます。レコード会社に。

H:お願いします(笑)だから、ジョン・セバスチャンと僕たちのも入ってるんでしょ?

麻田:そうそうそう。入ってる。

H:すばらしい。ぜんぶ、ほとんど、レコーディングしてたんですか?

麻田:でもね、アサイラム(Asylum Records)というか、ウエストコースト系だけは「No」という。向こうから言われて。

H:厳しいね。

麻田:でも、あれは残念でね。ウォーレン・ツィヴォン(Warren Zevon)というすごくいいシンガー・ソングライターが来てて。彼も歌ってたんだけれども。

H:ああ、そう。録れてないんだね。

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H:その頃の話もそうだし、ずーっと麻田さんがトムス・キャビン(Tom's Cabin)で招聘してたり。いろんな…長い時間をかけてそういう活動をしてらっしゃって。その本が出ましたよね。

麻田:そうですね、はい。出ました。

H:ちょっと、あの、告知してください(笑)

麻田:はい。リットー・ミュージックというところから出たんですけども。『聴かずに死ねるか』というタイトルで。僕の人生の中で、上から下まで、いろんなことありましたから。それが書いてあります。それと同時に、(公演の)プログラムだとかTシャツのデザインなんかもWORKSHOP MU!!というところでやってもらった…

H:ムーだ、おんなじだな。我々と。

麻田:うん。そこでやってもらったTシャツとかプログラムも載ってますし。

H:貴重な体験の記録ですね。

麻田:そうですね。

H:いま僕、読んでる最中なんで…ちょっと持ってこなかったけど(笑)部屋に置きっぱなしだった。それはじゃあ、いつからいつまでの話が出てるんでしたっけね。

麻田:まあ基本的にはトムス・キャビンをやってるところが中心なんですけども、さっき話したような小さい頃の話もあって。まあその後…いま僕はサウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)というアメリカのコンヴェンションの仕事を20何年やってて。その話まで出てますね。

H:なるほど。

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麻田:あとはあれですよ。最初…僕は独立した時にSMASHという会社をね、立ち上げて。

H:そうだ、SMASHだ。

麻田:で…ただ僕はその前に、ジョニー野村というね。ゴダイゴをやってたヘンなマネージャー…社長がいて(笑)彼に「麻田くん、呼び屋さんなんて儲からないからね、音楽ビジネスはね、権利を持たなきゃダメなんだよ」とさんざん言われたわけ。

H:なるほどね。

麻田:だから、そうかやっぱり…と思ってずっとアーティストを探して、自分でマネージングをするか、プロデュースをするか…それで、SIONというのを見つけて。その時に事務所がなかったんで、ミディアムに居候させてもらって。

H:そんなことがあったね!

麻田:あったよ!(笑)で、僕はその見返り…というとおかしいけども、ミハルちゃん(越美晴)のマネージングをやって、代官山。

H:そうだった…SION、いたなぁ…彼はどうしてるかな。

麻田:まだやってますよね。

 

H:でも、麻田さん自身、ミュージシャンじゃないですか。

麻田:元はね。

H:元っていうか、根っこがそうですよ。で、カントリー…ウェスタン・スウィングやろうよなんて、前ね。声かけてもらったりして。やりたいですよ。

麻田:やりましょう。今年は。

H:なんかやりましょう。

麻田:ね。なんかやりましょう。

H:うれしいね。じゃあ、ウェスタン・スウィングの曲、なんかかけようかな。なんかリクエストありますかね?

麻田:いや、なんでも。

H:前、麻田さんからね、テックス・ウィリアムス(Tex Williams)だったかな、の"Smoke Smoke Smoke"やったら?とか言われて、やりたいな、とは思うんだけど、難しいんだよね。

麻田:ホント?

H:あれって、タバコを賛成なの、反対なの、どっち?(笑)

麻田:賛成なんじゃないの?

H:賛成だよね(笑)そこら辺がちょっとよくわかんなくてね。じゃあそれ聴いてみたいと思います。テックス・ウィリアムスで"Smoke Smoke Smoke"。

 

 

Smoke Smoke Smoke - Tex Williams

 

 

H:えー、テックス・ウィリアムスで"Smoke Smoke Smoke"。ま、タバコをね、吸うんで、僕は。麻田さんは、やめちゃった?

麻田:僕は吸わないけども。

 

H:あれ、大学は…ここら辺だよね?

麻田:そうですね、明治学院ですから。

H:そうなんだよね。

麻田:だから、ここら辺はもうホントに…何年通ったのかな、15年ぐらい?

H:あ、そうなんだ。

麻田:目黒駅から。

H:15年も大学行ってたの?そんなことはないか(笑)

麻田:(笑)僕、中学からだから。中、高、大。

H:あ、じゃあもう、すごい近くにいたんだね。

麻田:そうそうそう。だから僕、ここら辺に友達何人もいましたよ。あそこの脇入った魚屋さんとかね。ヒラサワくんっていう友達がいたし。あと、もうちょっと先の花屋のオオツカとか。

H:あー、なんか、僕の知らない世界…(笑)

麻田:(笑)

H:いま、なんにも無いからね、商店は。

麻田:ね。ホントになくなったね。

H:残念ながらね。

麻田:都電がね、だって、通ってたんだから。

H:都電が良かったし。花電車とかね、あったし。

麻田:ここの都電はどこまで?中目黒まで行ってたのかな?

H:いやいや、目黒駅が終点で…

麻田:目黒駅終点…あそこに車庫があったか、じゃあ。

H:そうですそうです。で、もう、なにかっていうと都電乗って銀座行ったりね。日比谷行ったりしてましたけど。

 

 話は尽きませんが、この続きはまた来週に持っていきたいと思います。どうも、また来週お願いします。

麻田:はい、こちらこそ。