2019.02.24 Inter FM「Daisy Holiday!」より
H:こんばんは。細野晴臣です。えー、きょうもまた…1月に来てくれたかな?水原姉妹、いらっしゃい!
姉妹:こんばんは~!
希子:水原希子です。
佑果:佑果です!
H:はい。相変わらず、花が咲いたような…
希子:細野さんはすっかり、アルバムの作業も終わって…
H:終わったよ~
希子:なんか、顔が晴れてる(笑)
H:腫れてんじゃない?
希子:腫れてるの?(笑)単純に?そういうことなんですか?(笑)
H:うん、名前の通り。
佑果:(笑)
希子:いいことですね、じゃあ。
H:まあね。晴れやかで。
希子:晴れやかで。はい。
H:最近は…希子ちゃんは、時々噂は聞くけどね。
希子:ホントですか?
H:うん。ドラマ、続いてるよね。
希子:はい、撮影の真っ最中で…いま、もうちょっとで最終話を撮り始める…
H:あ、そうなんだ。
希子:はい。けっこう、終盤に差し掛かってるので…
H:どう?やってて。慣れてきた?
希子:いやー…まあ、もう、慣れないですね…やっぱり、日常では味わえないような、とっても苦しい人間関係にいま、巻き込まれている最中なので…
H:ドラマの中ででしょ?(笑)
佑果:(笑)
希子:そうです。なのでちょっと、こんな苦しい思いは現実でしたくないな、と…
H:じゃあよかったじゃん、現実はね。
希子:ただ、感情を入れなきゃいけないので…そこがちょっと苦しいところです。
H:そっかそっか。女優さんは大変だよね。
佑果:すごい。
希子:いやいや、女優なんてちょっと言えないですけど…がんばってます。
H:がんばってるよね。偉い。
希子:ありがとうございます。
H:佑果ちゃんは?
佑果:私は…最近も引き続き、音楽をたくさん掘ったり…(笑)
H:だろうね(笑)楽しそう。
佑果:あとはなんか、アプリで自分が好きなビートを重ねたりとか…
H:やってんだ。
佑果:ちょっとだけ、まだ…本格的にね、形にできたらいいんですけど。ダンスミュージック作れたらなぁ、と思いまして。
H:いいね!
佑果:ハウスとか…あとちょっと、宇宙っぽいテーマで作りたいなぁ、と思って。宇宙っぽい音とビートと…ミックスして。希子と相談したりもしながら…
希子:はい。
H:楽しそう。聴きたい。
佑果:ぜひ!ちゃんとできたら…
H:なんかすごい楽しみなんだよな。
佑果:ありがとうございます!
H:それでね、じゃあ…
希子:聴きたいですよ。
佑果:はい!聴きたいです!
H:出来たばっかりなんで…まだこの番組でかけたことないんだけど(笑)
佑果:わー!
希子:なんか、すごいうれしいです。そんな…初披露…
佑果:光栄ですね!そんな時間を共有できて…
H:配信を先行してやるんで、その曲を…"住所不定無職低収入"っていう曲を、聴いてください。
(from 『HOCHONO HOUSE』)
H:いやいやいや…
希子:すごい…
佑果:あー…カッコいいですね…
H:低域がちょっと…このヘッドセットがいけないんだけど。はい、まあいいや(笑)
姉妹:めっちゃカッコいいです。
H:あ、そうですか。
佑果:細野さんの声も少し、ね…
H:なんですか?(笑)
佑果:カッコいいというか…なんだろう、『HOSONO HOUSE』とまたちょっと違うっていうか…
H:あー。あれはだって、もう40何年前だから…もう、25, 26歳の時に作ったやつだから…
希子:壮大な感じになってるというか、ライヴで聴いたらすごい、こう…グァーってきそうな感じの…
H:ありがとう、ありがとう…
希子:(笑)やっぱり照れますか?
H:いやー、なんか…この時期、すごくイヤなんだよね。
希子:なんでですか?
H:みんなに聴かれるでしょ。
希子:あー、そっか。
佑果:そうですよね。
H:作ってる間は楽しかったからね。で、これから…自分の子供みたいなもんだから、人前に出てなんて言われるんだろう、っていうね。
佑果:なるほど。
希子:いや、みんな誇りに…(笑)立派な子どもが…ホントにカッコよかったです。
H:あ、よかった。ほっとしたよ。
希子:ライヴで聴くのがとっても楽しみ。
H:難しいんだよ、これが…ぜんぶ打ち込みでやってるからね。えー…まあ、いいや、自分のことはね。
希子:なんでですか!(笑)もっと聴きたいです。
H:あの…ウチ帰って、聴いて(笑)
佑果:わかりました。ゆっくり…
希子:えー!あれ、あと2曲かけるっていう約束ですよ?
H:そっかそっか。じゃあ、後でね。また…順番だから。お願いします、希子ちゃん。
希子:私?いいんですか?もう早速?
H:いいよ、もう。
佑果:(笑)
希子:なんか私がちょっと…オッケー、わかりました。じゃあですね…最近私が聴いてる曲なんですけど、リジー・メルシエ・デクルー(Lizzy Mercier Descloux)っていう、フランスのミュージシャンの方がいて。1980年代に活躍されてた方なんですけど、彼女の"Slipped Disc"という曲がありまして。それを最近、たまたまネットで見つけて聴いてたら、すごいカッコよくて。
H:へぇ。
希子:それをちょっと、紹介したいと思います。
Slipped Disc - Lizzy Mercier Descloux
(from 『Mambo Nassau』)
H:なるほどね。80年代だねこれは、音が…
希子:そうですね。
H:懐かしいんだよね、こういうの。
希子:あ、ホントですか。
H:ドラムスがね、これはリンドラム(LinnDrum)っていうのを使ってるのがよくわかる。そういう機械があるの。
佑果:リンドラム…
希子:へー。
H:音がね、こういう音なんだよ。すぐわかっちゃう(笑)
佑果:さすが…
H:ずーっとやってたから、こういうの。懐かしい。
希子:最近、細野さんは夢を見てますか?
H:夢ね。なんかね、疲れて、悪夢ばっかり見てたな。
希子:あ、ホントですか。
佑果:どんな悪夢を?
H:なにかな…ちょっと思い出せない。細切れの夢ばっかりだったな…
希子:んー。
H:でも、去年は鮮やかな夢をいっぱい見てたな。なんだっけ…知らない山岳地帯に連れてかれて、30cmぐらいしかない道の下が崖でね。やわらかい土で、崩れそうなの。で、後ろの崖にへばりついて、ぼーっと立ってるんだけど、景色がすごくて。それね、夢から覚めて絵に描いたよ。
希子:えー!ホントですか。
佑果:見てみたいです。
希子:それは、相当なインパクトだったんですね。
H:すごい。綺麗だった、色が。
希子:それは空とか海とか?
H:山なの。目の前が。山があって、深ぁい谷底の渓谷があって。いろんな色がそこにあって…緑、赤、黄色。で、その里が…なんだっけな、ヘンな名前だった。「エホバの里」っていう(笑)
希子:え、それホントにそういう風に夢に出てきたんですか?
H:そうそうそう(笑)で、そういうのが[実際に]あるかと思って検索したら、そういう養護施設があった。
希子:あ、ホントですか。
H:ありそうだよね(笑)
希子:たしかに…でもおもしろいですね、名前まで出てくる…
H:出てくるんだよ。時々ね、名前だけの夢っていうのがあるの。
希子:へー!見たことないです。
H:ヘンな夢いっぱい見るよ。名前とか、声だけの夢とかね。
希子:声だけの夢?その声は誰かが話しかけてきてるとか?
H:なんか、全体に響いてる声なの。よくわかんない。ちょっといま忘れちゃったけど…なんだっけな、字がね…道が一本あって。土でできてる道がダダダって崩れて、字が浮き彫りになるわけ。
希子:すごい。そんな夢見たことない!(笑)
佑果:私もないなぁ…
H:「孔雀の道」って書いてあるの。なんだろう、と思って(笑)
希子:その夢が、っていうより、細野さんってなんだろう?っていう感じですよ、私からすると…(笑)
佑果:(笑)
H:わかんないよ、自分でも。んー。
希子:それに比べたら私の夢なんて、ホント、大したこと…
H:いいんだよ、こんな夢見ないでほしい(笑)かわいらしい夢でいてほしい。
希子:私は最近、白い犬の夢を見ました。
H:わー、カワイイ~!
希子:すごいかわいい白いポメラニアンをお風呂に入れて…
H:あー、いいね…
希子:そしたら毛がフワーってなって…すごいかわいい夢だったんですよ。
H:(笑)そういうのでいいよ。
希子:いいのかな。
佑果:私はきょう幸宏さん(高橋幸宏)が出てきて、夢に。
H:お?
佑果:なんか、夜景の綺麗なところで、すっごい綺麗な景色を見ながら、幸宏さんが「またよろしくね!」って…(笑)
H:なんだ(笑)軽いね。
希子:(笑)
佑果:すっごい楽しかったのを憶えてて(笑)これはなんなの?予知夢?なんでしょう?って…
希子:楽しかったんだ(笑)
H:予知夢っていうか、[現実に]ありそうな、いつでもありそうな…
希子:日常の1コマみたいな(笑)
佑果:なんか、でも、おもしろかったです(笑)
H:やっぱりそういう、知り合いっていうか、知ってる人が出てくるの?
佑果:いっぱい出てきます、私の場合。テイさん(テイ・トウワ)とかも出てきます。
H:あ、テイくんも。
佑果:テイさんと、なんか…ヨーロッパの大きいフェスでイエーイ!って(笑)次が私のDJで、がんばります!って(笑)
H:それもありそうだよね(笑)
希子:ホントだね。なんか、デジャヴになりそうな夢だね。
佑果:なんかすごいおもしろくて…(笑)ドキドキしちゃいますね。
H:わりと身近な人がいっぱい出てくるんだね、じゃあ。
佑果:はい。私の場合はけっこうそう…あとは殺されかけたりとか。それはすっごい怖くて。いつも逃げてて、包丁から。
H:あー、怖いね。んー。
佑果:ちょっとそういう夢を今年初めて見たので…いつもはそういう夢は見なかった…
希子:夢占いでは殺されかける夢はすごく良くて、新しい自分に生まれ変わるとか…
佑果:今年に入ってそれ見たの。
H:じゃあ、生まれ変わるんだよ。
佑果:生まれ変わります!(笑)なんかわかんないけど(笑)
ユー・メイ・ドリーム - SHEENA & THE ROKKETS
(from 『真空パック』)
H:うんうん。久しぶりに聴いたな。
佑果:鮎川さん(鮎川誠)ってどういう方なんですか?
H:鮎川くん。あのね、鮎川くんとシーナはほんっとに僕、大好きな人たちで。シーナは残念ながらもういないんだけど。
佑果:そうですね…
H:ホントに純粋な人たち。で、会うといつも…なんかね、シーナは愛にあふれてるっていうかね。すごい色っぽいんだけど(笑)鮎川くんは外国人みたいな見てくれなんだけどね。でも、しゃべると久留米弁で…朴訥で、スゲェおもしろくて。で…シーナが亡くなった時、僕行ったんだよ、お別れ会にね。すごいいっぱい人が来たの。いかに彼らが愛されているか、っていう。
希子:なるほど…
H:鮎川くん、すごいノッポで細いんだけどね。ロンドンにある2階建てバスを見ると鮎川くんを思い出す。
希子:なんでですか(笑)
H:細いから…(笑)
佑果:そうなんだ…カッコいいですね。
H:そうそう。あの2人は好きだったよ…いまだに好きだけど、もちろん。
佑果:私の憧れのアーティストです…
H:あのね…そうだ、思い出した。忌野清志郎くんと2人でローリング・ストーン(The Rolling Stones)が来たときに、なぜか知らないけどビル・ワイマン(Bill Wyman)っていうベーシストに呼ばれて、僕…なぜかね。「世話をしろ」っていうんだよね。「面倒見てくれ」と。で、ひとりで行くのイヤだから、清志郎を誘って2人で…[その時点で清志郎とは]初対面なんだけど、2人ともすごい遠慮深い人間で…(笑)おずおずと、じゃあ、僕は運転手で行くから、って言ったら清志郎が「じゃあ、自分はカバン持ちで行く」って言って。楽屋に行ったら、既にシーナがいて、そこに。なんでか知らないけど、キース・リチャーズ(Keith Richards)の膝の上に乗ってるんだよ(笑)
佑果:えー!すごい!
H:それはすごいと思った(笑)
佑果:イケイケ…楽しそうですね。
H:もう、すんなり入っていくっていうかね。
希子:でもなんか、そういう感じしますね。想像がつくというか。
H:ホントにね、もう、ロック・シンガーだね。根っからの。
佑果:あこがれです…
H:ということで…
希子:なにを聴きますか?
H:えーとね、じゃあ、僕の番なんでもう1曲…約束なんで。
佑果:お願いします。
希子:やったー!
H:"CHOO CHOO ガタゴト"かな。聴いてください。
希子:はい、わかりました。
佑果:わー、カッコいい~!
希子:すごい。
佑果:汽車の音が、すごく…汽車を見てるような気分にさせられます(笑)
H:あれは本物を使ったんだよ。
希子:えー!
佑果:その時のエコーもなんか…すごい!
H:まあね(笑)
希子:(笑)ライヴを中野サンプラザに観に行った時に、「かなりマジメに作ったから[あえて]『ホチョノハウス』って名付けた」って言ってましたけど…
H:そうなんだよ。
希子:それがわかりました。
H:あー、よかった。
希子:え、なんで「アメリカ編」にしたんですか?
H:あのね…元々はこだまとひかりだったの。新幹線ね。でも、なんかもう古いじゃん。というか、もう、日常的に…この歌つくった時はまだわりと、新しかったからね。キャッチーだったんだけど、自分の中では。
希子:うんうん。
H:いま、次はリニアが控えてるじゃん。
希子:リニアモーターカー。控えてますね。
H:そう。そういう時代でもう、新幹線じゃないなって思って…場所をアメリカに置き換えちゃった。
希子:なるほど。そういう理由だったんですね。
H:そうそう。アメリカの鉄道はすばらしいからね、本当は。乗ったことないんだけど(笑)
希子:私もないです。
佑果:ないなぁ…
H:「シカゴあたりで乗り換え」っていうのは、やっぱりシカゴがすごい集積点だから。で、大陸縦断鉄道とか。昔はみんなね、ジャズのミュージシャンがそれに乗って、ニューオーリンズからニューヨーク行ったりね。で、揺られてると、リズムがね、ビートになるわけ。
佑果:あー。
H:そうやって生まれてきたビートがいっぱいあるわけね。
佑果:おもしろい…
H:蒸気機関車の場合はシャベリング(shoveling)って言って…石炭をくべるでしょ?あれの音がすごいリズミカルで、シャッ、シャッ…っていう音をシャベリングって言う、ドラムのビートにした音楽もいっぱいあるわけ。
希子:あー、そうなんですか。
H:1930年代が多いけど。うん。そんなようなことも含まれてる…音楽なんで。
希子:おー…あー、もっと聴きたかったなぁ…
H:いや、もう…
希子:次?次の週?
H:次の週ね。オッケー。じゃあ、次は1曲ぐらいかけるかね。んー。じゃあ、またこの続きは来週、お願いします。
希子:はい。お願いします。
佑果:お願いします…
H:水原姉妹、希子さん、佑果さんでした。
佑果:ありがとうございます~
希子:はい。ありがとうございました。