★2019.03.08 α-STATION FM KYOTO「NICE POP RADIO」より

情報量…thanks… 

 

 
澤部:こんばんは、スカートの澤部渡です。京都α-STATION、毎週金曜日午後8時からはNICE POP RADIO。今週もわたくしの選曲とおしゃべりにお付き合い頂ければと思います。 

 71回目の放送でございます。というわけでね、今回はいきなりトークからスタートしましたけれども。今週はゲストに、番組でも時々名前を出しています、臼山田洋オーケストラでおなじみの…音楽ライターの臼杵さん(臼杵成晃)にお越し頂いております。

臼杵:はい、はい。よろしくお願いしまーす。

澤部:(笑)どうもどうもどうも…よろしくお願いします。僕の…多感な十代の頃の師匠が3人いまして。まあ、表の師匠が金剛地武志だとして、裏の師匠がパラダイス・ガラージ豊田道倫だとしたら、心の師匠として臼杵さんがいらっしゃいます(笑)

臼杵:心の中にだけ実在する人間…はい。

澤部:まさかの、実体がなかった…(笑)

臼杵:そうですね(笑)

澤部:そんな臼杵さん…なんだかんだと、ずっと、僕が中学生の頃からDJを拝見していて。

臼杵:はい。

澤部:で、まあ…並々ならぬ影響を受けたという感じでございます(笑)

臼杵:はい(笑)

 

澤部:で、台本に「臼山田洋オーケストラとは?」と書いてあるんですけど…(笑)

臼杵:「とは?」って書いてありますけどね、俺もたぶん、自分で…いま初めて発音するかもしれないぐらいの…「臼山田洋オーケストラ」って、自分で発音する前提で作ってない名前なんで、アレなんですけれども…

澤部:そうっすよね(笑)

臼杵:単に、イベントとかやる時に名前をテキストで入れなきゃいけないから、まあ…なんでもよかったんですよ(笑)

澤部:はいはいはい…

臼杵:で、まあ、「オーケストラ」…イージーリスニングみたいな曲をいっぱいかけることが多かったんで、まあいい名前かな、と思って(笑)オーケストラ付けてみた、っていう、それだけの話ですね。

澤部:なるほどなるほど、そういうことだったんですね。臼杵さんは本業がライターということもあって、出会った頃は「COOKIE SCENE」という雑誌で書いていたりされてましたけど。

臼杵:そうですね。

澤部:今回は『遠い春』というシングルの時にインタビューでもお世話になりました。その節はどうも…

臼杵:その節は…非常にやりにくいんですよね(笑)

澤部:ね、そうそう(笑)

臼杵:ホントにだから…中学の頃の姿を知ってるから…

澤部:(笑)

臼杵:「こんなに大きくなりました」っていう感じでね…非常にやりにくいです。

澤部:初めて…初めてでしたね、後で調べたら。あの取材が。

臼杵:そうそう。ま、なんか立ち会って、様子見て、みたいのはあったけど…やりづらいんですよ。

澤部:(笑)そう、いや、初めてだったんですごいうれしかったっす。

臼杵:いやいや…

natalie.mu

 

澤部:というわけで今週のNICE POP RADIOは番組恒例企画、僕と臼杵さんが聴きたい音楽を交互に選曲するという音楽談義…ですかね?

臼杵:はい。

澤部:で、いまのところ我々、お互いの選曲は知らない状態ということにはなっております。それぞれがお互いに聴かせたい曲を4曲ずつ持ってきております。どんな1時間になるのか、みなさんといっしょに楽しんでいければ、と思っております。

臼杵:はい。

澤部:どんな感じで選んできました?

臼杵:えっとね…とりあえず、いつもDJの時もそうだけど、1時間の出番で8時間ぐらいはやれる、ぐらいの分量を持ってくるわけですよ。

澤部:そうですね(笑)

臼杵:きょうもお構いなしに持ってきちゃって、ついさっき決めた、っていう感じなんで…ちょっとわかんないすね、どうなるもんか。

澤部:ちなみに僕はけっこう、臼杵さんから教えてもらった、ぐらいのものも混ざったりしてます。

臼杵:はい。

澤部:というわけでお互い選んできましたのでお楽しみに~

 

 番組ではみなさんからのメッセージをお待ちしております。α-STATIONのホームページにある"メッセージ"から、番組「NICE POP RADIO」をセレクトしてお送りください。FAXは京都075-344-8940です。Twitterアカウントをお持ちの方はハッシュタグ、カタカナで「#ナイポレ」を付けてつぶやいてください。

 また、この番組はパソコンやスマートフォンでラジオが聴けるIPサイマルラジオRadikoでもお聴き頂けます。スマートフォンからはGoogle PlayやAppStoreからRadikoアプリをダウンロードしてお楽しみください。有料サービスのRadikoプレミアムを利用しますと全国どこでもα-STATIONをお楽しみ頂けます。詳しくはα-STATIONのホームページ、またはRadikoのホームページをご覧ください。  

 そして、京都のレコードショップJET SET KYOTOのお店にNICE POP RADIOのコーナーも作って頂いています。番組で紹介したレコードも展開されていますので、ぜひチェックしてみてください。    

 

 それでは早速1曲目、をお送りしたいんですけども…こちらも恒例、先攻後攻をジャンケンで決めようと思います。

臼杵:はいはい。

澤部:というわけで、早速…最初はグー、ジャンケンポイ。

SE:勝者、澤部渡

澤部:はい。僕は…後攻でいいでしょうか?

臼杵:おお…じゃあ先攻ですね(笑)これはラップバトル的に…先攻後攻あるのかしら。

澤部:どっちが有利か、ちょっとまだわからないんですけども…(笑)

臼杵:わかんないけど、じゃあ先攻でいきます。

澤部:はい。

臼杵:とりあえず、1曲目に関してはですね、澤部くんが中学生、高校生の頃に通っていたイベントが…yes,mama ok?の金剛地さんといっしょにやっていたイベントがありまして。青い部屋で。そのときに…金剛地さんともうひとり、シトロバルCITROBAL)というシンガーが…この番組でもかけたことありますよね。

澤部:そうですね、ありますあります!

臼杵シトロバルという女性シンガーがいまして…おそろしく才能のあるシンガーなんですが、いまは素潜りのほうの才能を発揮していて…

澤部:そうそう(笑)

臼杵:音楽活動をほとんどやってないんですけれども…

澤部:ね、もったいないっすよね。

臼杵:そう…ホント、この人がいたら、いまシティ・ポップみたいなこと言ってる人たち、みんな田舎に帰んなきゃいけないぐらい、本当にすばらしい才能の持ち主なんで…もったいないと思うんですけども。

澤部:(笑)そうですね。

臼杵:まあ、そういう、ちょっと関係性的なことを考えて選んだやつですね。シトロバルというアーティストの1stアルバムの1曲目の曲を、かけて頂きたいなと思います。シトロバルで"Youth (警戒線突破)"。

 

  

Youth (警戒線突破) - CITROBAL
 (from 『MY CAUTION LINE』)
 

 

[CM]

 

澤部:京都α-STATIONからお送りしておりますNICE POP RADIO。お相手はスカートの澤部渡と…

臼杵:はい、臼山田洋オーケストラ…(笑)

澤部:(笑)

臼杵:はい(笑)

澤部:すごいっすね(笑)まさか、一日に何度も…

臼杵:こんなに言う日が来るとは思いませんでしたけど。

澤部:まあ、というわけで、臼杵さんと2人でお送りしております。今週のナイポレは我々が持ってきた音楽を交互にお届けしながら、いろんな話をしていきたいと思っております。CMの前にお送りしましたのは…シトロバルで"Youth"ですよね。

臼杵:はい。

澤部:『MY CAUTION LINE』というね、1stの1曲目でございました。

臼杵:すばらしいですね。やっぱりいいですね。で、ベースは誰が聴いても沖井礼二(笑)

澤部:ね、そうそうそう…(笑)ギターはジェットラグ(JET LAG)の人でしたね。そうだそうだ…いや、すごい。なんていうか、いい曲がちょっとビザールな音像で残るっていうのはやっぱ最高ですよね。

臼杵:そうですね。

澤部:シュガーベイブSUGAR BABE)とかもそうですけど、それを改めて実感しますね…最高でした。

citrobal.com

 

臼杵:これはどんどん、次々いく感じなんですかね?

澤部:次いきます?

臼杵:後攻の人…

澤部:じゃあ次いきますか。僕、どうしようかな、と思って…レコードいろいろ買って…メル・トーメMel Torme)すごい好きで。

臼杵:はいはいはい。

澤部:で、きょう臼杵さん来るからこのアルバムからちょっと1曲かけられたら、と思って。"The Music Goes Round and Round"という曲を。まあ、まずは1曲聴いてもらいましょうか。メル・トーメで"The Music Goes Round and Round"。

 

  

The Music Goes Round and Round - Mel Torme
 (from 『The Music Goes Round』)
 
 
 

澤部:聴いてもらいましたのはメル・トーメで"The Music Goes Round and Round"という曲でございました。

臼杵:最高。

澤部:ホントに最高。

臼杵:これまさに…澤部くんが中学生の時に通ってた青い部屋のイベントで僕、かけてたやつですね。で、レコードをかけてて、「これなんですか?」ってブースのとこに訊きに来る人たちっていうのがいるわけですよ。まあ、その内の一人が澤部くんで。

澤部:(笑)

臼杵:ちょいちょい、この辺おもしろいんだよな、と思って自分で思ってかけてるやつに必ず食いついてくる太った青年がいるっていう(笑)

澤部:そうそうそう(笑)なんかね、やっぱこう、なんだろう…聴いたことがない音楽が次々かかるんですよ。で、それがホントに楽しくて…多感な時期ですから、14、15、16歳の頃だったんで。とにかく毎回楽しみでしたね。で、けっこうこの番組でも、臼杵さんに教えてもらった曲ってめちゃくちゃかけてて。

臼杵:はいはい。

澤部:"カリキュラマシーンのテーマ"とかもかけましたし…そう、なんかいろいろね、あるんですよ。まあ、これもその内の一つなんですけど。当時、これがメル・トーメだってことを聞いて、すっかり忘れたまま大人になってるんですよ。で、ある時レコ屋で…もともとメル・トーメは好きだったんで…

臼杵:そうっすよね、集めてた。

澤部:で、ばったり出会って、戻ってきた、みたいな…(笑)

臼杵:いわゆる、他の普通のジャズアルバムとはちょっと違うノリの…

澤部:ちょっとね、ロック…とまではいかないんだけれども、なんかそういうノリがあって。

臼杵:そうっすね。

澤部:やっぱり、60年代末期ってそういう人多いじゃないですか。50年代がんばったけど、ビートルズの人たちに…あの辺の波にさらわれちゃって…そうならざるを得なかった、みたいな。その辺の音像、すっごい好きなんですよ。

臼杵:うんうん、わかります。

澤部:たぶん、その…その頃の音像が好きだ、っつうのも僕の15歳前後で培われたものなんだろうな、と思っております(笑)

臼杵:なるほど。

 

澤部:はい、じゃあ次、どうでしょう。

臼杵:じゃあ次、先攻2番目ですね。えーと…僕、レコード買うけど、なんせ知識で集めてるわけではない…よくわかんねぇレコードを買う、っていう姿勢でいるので、読めないレコードが多いんですよ(笑)

澤部:はい。

臼杵:で、これも…正式な読み方がよくわからないです(笑)えーとね、ボビー・ばい…Byrneと書いてなんて読むのかわからないですけど…(笑)

澤部:なんだろう…

臼杵:なんか、まあ、イージーリスニングのレコードなんですけど…いろんな、当時人気のある曲をイージーリスニングでカヴァーしてるというやつで。その中の1曲をかけて頂きましょう。えーと、ボビー・べ…(笑)で、"Barbarella"。

 

  

Barbarella - Bobby Byrne
 (from 『Shades Of Brass』)
 
 
 

澤部:はい…

臼杵:ってことで…これデヴィッド・バーンDavid Byrne)のByrneじゃないか、というお話があり、ボビー・バーン(Bobby Byrne)なんではないか、という…いつも「金色のやつ」くらいにしか思ってないので(笑)

澤部:そうですね(笑)

臼杵:「金色のやつ」の"Barbarella"と思ってたので…ボビー・バーンと読むっぽいですね、どうやら。

澤部:の、"Barbarella"を。いや、最高ですよ。

臼杵:まあ、イージーリスニングも1968、69年ぐらいになるとビートルズ以降の…ドラムが派手になるイージーリスニングっていうのがどっと増えてきて、ぜんぜん「イージー」じゃない(笑)

澤部:そうですね。

臼杵:そういうのがイージーリスニングで出てくるのがおもしろくて、その辺のレコードをいっぱい買っている、という感じで…あとは、「バカラックBurt Bacharach)のこの曲があったら買う」とか。そういう…曲で買えばだいたい合ってる。「"Up Up And Away"が入ってるとだいたいこういうレコードだろう」、みたいな。あたりをつけて買う、という中の一つですね。

澤部:なるほどね…そう、僕たぶん、これとかも高校生の時とかに聴いてて、アナログシンセってこんなに良いんだ、って思った憶えがあります。そこでなんか、また一つ性癖が…(笑)できた気がしますね。これ、探して買いましたもん、やっぱり。最高な1枚ですよね。

 

 

臼杵:そして、後攻…

澤部:後攻、そうですね…僕、これは絶対、当時聴いてぶち上がって買ったやつなんですけど。ゴールデン・ハーフの"マンボ・バカン"(笑)

臼杵:キラーチューンですね(笑)

澤部:もう、最っ高で…いま聴いてもテンション上がりますね。まあちょっと1回聴いてもらいましょうか。ゴールデン・ハーフで"マンボ・バカン"。

 

  

マンボ・バカン - ゴールデン・ハーフ

 

 

澤部:というわけでね、聴いてもらってますのはゴールデン・ハーフの"マンボ・バカン"。最っ高(笑)

臼杵:(笑)まあね…和モノみたいなものが90年代流行ってて。高いレコードがいっぱいある中で、この辺なんて100円とか。高くても500円とかそのぐらいのやつで。まあ、ね…ゴキゲンな…(笑)

澤部:そうそうそうそう。ゴキゲンだし、もうホンっトに…終始なに言ってるかわからないし…とにかく陽気だってことだけが伝わってくる、っていうのがね、やっぱりいい…最高。

臼杵:そうね。うんうん。

澤部:でもなんか、こう、マンボマンボマンボマンボ…みたいな上がり方もするし。かなりね、この曲大好きなんです。

臼杵:はい、最高でした(笑)

澤部:(笑)というわけで、今週のナイポレはこのまま引き続き、臼山田洋オーケストラこと臼杵さんとお送りしていきます。ここでいったんコマーシャル。

 

[CM]

 

澤部:京都α-STATIONからスカートの澤部渡がお送りしておりますNICE POP RADIO。引き続き、今夜のゲストは臼山田洋オーケストラさんでございます。

臼杵:はい、よろしくお願いします。

澤部:はい。今週は僕たち2人の選曲でお送りしておりますが。ま、ここで小休止を挟みまして…臼杵さんがいったいなんなのか(笑)どういうことをやられているのか、というのを簡単にご紹介しようかと思っております。

臼杵:はい。

澤部:さっきも…時々話に出てる、イベントをちょいちょいやってらして。で、僕が中高の時は「セミフォーマル・ステークス」というイベントを、渋谷にあった青い部屋でやってらして。

臼杵:はい。

澤部:で、それ以降も「涙」っていうイベントだったり、「午前3時のあなた」っていうイベントだったり。あとは「MUSIC IS ENOUGH」、かな?というイベントを手がけてらっしゃいます。

臼杵:そうですね。まあ、なんか、夜中に…僕らは別にクラブで踊りたいわけじゃないから…良い音で良い曲聴きたいだけなんで、「普通にクラブで泣いていいんじゃない?」っていう感じのしみったれた曲をかけられるイベントっていうのを、自分でやればやれるんだ、と思って。自分がそこにいたいからやり始めた、みたいのが…2000年代、2003、04、05年あたりとか。それぐらいですか。あの辺の時期にやってて。

澤部:そうですね…星野源さんも輩出した名門イベントですからね(笑)

臼杵:こないだmixi掘り起こしてみたら、当時の写真出てきてビックリしましたね。星野くん…(笑)

澤部:モナレコードでギター抱えて…(笑)

臼杵:そうそうそう…

澤部:「まさか星野さんが歌うとは!」みたいな感じの時期でしたよね、あの頃は。そう、臼杵さんは音楽ライターとしてもいろいろな仕事があるんですけど、やっぱり表立って言うべきなのはSAKEROCKの『YUTA』の再発のライナーを書かれてる…

臼杵:そうっすね…なんか、たまたまモナ、じゃない…青い部屋でいろいろやってた時に、戸川さん(戸川昌子)…「越路吹雪ナイト」っていうのがあって、それにSAKEROCKが戸川さんのバックで出てて…

[*江戸川乱歩賞作家でありシャンソン歌手であり、青い部屋のオーナー]

澤部:はー…

臼杵:それは別の…ソワレ(Soirée)さんというシャンソンシンガーの…あの方のアレンジをやったんですよ。宅録で。

澤部:えー!すげぇ…

臼杵:そう。それでたまたまいて…で、観てたらSAKEROCKの、戸川さんのバックをやってた演奏がすばらしくて。「なんか音源ない?」ってその場で訊いて(笑)で、それがいちばん最初に作ったCD-Rだったんですよね。『YUTA』以前の。そういうので、気が合って…で、たまたま近所に住んでたんで…みたいな。そんなことがありましたね。

澤部:すごい…そう。だから、臼杵さん自身も前に「「バカに見つかる」の対義語は「松永良平に見つかる」」って言ってらっしゃいましたけど。

臼杵:(笑)

澤部:臼杵さんもわりとそういうところがあるというか…やっぱり、アンテナの角度が他の人とは違うんだろうなぁ、と思って…見てます(笑)

臼杵:そ、そうですか…(笑)

www.soiree.in

 

www.cinra.net

 

 

 

澤部:じゃあ…それでは、選曲のほうに戻りましょうか。次は臼杵さんの番ですね。

臼杵:僕ですね。えーと、またちょっと読めないタイプのやつなんですけど(笑)ここ最近、ここ1,2年ぐらい自分の中でブームになってた…僕らの中では「クリュッグおじさん」と呼んでるんですけど。

澤部:そうですね。

臼杵:これ、マンフレッド・クリューグと読むのかクリュッグと読むのか…ドイツ人のおじさんですね。まあ、レコードマニアみたいな人たちの中でも人気のあるレコードだったみたいなんですけど、僕はよく知らなくて。

澤部:うん、僕も臼杵さんから知って、こんなに良いんだって思いましたね。

臼杵:1曲だけコンピに入ってたんですよね。当時、90年代に出たドイツ人の音楽を集めたコンピみたいなやつ。それがすばらしく良くって。で、その曲が入っているアルバムだった、というので聴いてみたら全曲最高だったということで…

澤部:はー…

臼杵:で、その人の…まあ、そのコンピにも入ってた曲を、キャッチーなので選びました。えーとですね…これは、曲名がドイツ語なので読み方わかんないです(笑)マンフレッド・クリュッグの…なんだかちょっとわからないです。

澤部:(笑)調べても出てこなそうですもんね~

臼杵:まあ、えーと…マンフレッド・クリュッグさんの曲を聴いてください(笑)

 

  

Wenn Der Urlaub Kommt - Manfred Krug / Günther Fischer-Quintett
 (from 『No. 4: Du Bist Heute Wie Neu』)
 
 
 

臼杵:これ、すばらしい音像…

澤部:ねー。

臼杵:これあの、1976年ぐらいだと思うんですけど、日本だと"パタパタママ"とか"ホネホネロック"とか、あの辺の時期の音とすごいシンクロしてる…

澤部:あー!そうですね。

臼杵:非常に近い音。

澤部:最高。マジで良い…

臼杵:最高なんですよ。これ、ただ、いっしょにDJとかもやってる音楽家の吉田哲人さんがドイツでかけたら、このおじさん…向こうでは有名なタレントさんらしいんだけど、歌詞はものすごい…えげつないぐらいエロいことを歌ってるらしいっていう…(笑)この人のレコードは。

澤部:へー!そうなんだ…

臼杵:ドイツ人が聴くと笑っちゃうレコードらしいです。

澤部:そういう時、やっぱ、こう…言語の壁があってよかったな、ってちょっと思いますよね(笑)

臼杵:ちょっと、かけちゃいけないぐらいのことをよく歌ってるおじさんらしいです。

澤部:へー!すげぇな…こんな、めちゃくちゃ良いのにね(笑)

臼杵:はい、という感じでした。

 

 

澤部:じゃあ、次わたくしなんですけど…

臼杵:はい。

澤部:ちょっと1曲…まあ、変化球、でもないんですけど。僕、何年か前にすごいCHAGE and ASKAにハマっちゃって。

臼杵:はいはい。

澤部:で、本格的にハマるきっかけになった1曲っつうのがあるんで、それを聴いてほしいっす。2007年に出た、チャゲアス名義では最後のアルバムなんですけど、今のところは。それの1曲目の"パパラッチはどっち"って曲を。

 

  

パパラッチはどっち - CHAGE and ASKA
 (from 『DOUBLE』)
 
 
 
澤部:というわけでね。これがCHAGE and ASKAの"パパラッチはどっち"っていう曲…

臼杵:これはすぐに買います。

澤部:(笑)

臼杵:完全にソフトロックというか…ビートルズというか、ニルソン(Harry Nilsson)というか…すばらしいですね。

澤部:ね。めちゃくちゃ良い…ただアルバム全部がこの音像っていうわけじゃないんですけど、ちょっとこの曲は異常ですね…

臼杵:異常に良いですね。これはくやしい(笑)

澤部:(笑)いやー、うれしいなぁ。よかった…キンモクセイのプロデュースとかもやってた澤近さん(澤近泰輔)っていう人がアレンジをやってて。まあでも、[チャゲアスが]いちばん売れてる頃のアレンジとかもこの人やってるんですけど、なんか、急にこっちに振るんですよ。それがめちゃくちゃおもしろくって。

臼杵:こういうのを見つけた時の感動がたまらない(笑)

澤部:そうそうそう(笑)「こんなところにいたのか!」みたいなね。

臼杵:そうね。んー。

澤部:なんかやっぱり、この瞬間のために音楽聴いてる、みたいな感じありますよね。

臼杵:なるほど…

 

澤部:じゃあ次いきましょうか。

臼杵:はいはいはい。これがまあ、対決的には最後な感じですか?

澤部:そうですね。

臼杵:これも、まあ、せっかく…「臼山田洋オーケストラ」なんで、イージーリスニングの中の一つを選ぼうかと思います。

澤部:はい。

臼杵:えーと…バカラックの曲って山ほど、イージーリスニングではカヴァーされてるんですけど、その中でも「この曲とこの曲が入ってたらとりあえず買う」みたいなのがあって。僕はその中でも"Close To You"が入ってる盤は必ず買う。

澤部:あー、はいはいはい。

臼杵:基本的にはバラードだから、バラードが多いんですけど、たまにぜんぜん違うアレンジになってるものとかあって。「ヘンなアレンジのバカラック」みたいのを探しだすと止まらなくなる、みたいのがあって。これもちょっとですね…スカイメーカーズという、グループなのかなんなのか、このレコードもよくわからないんですけれども。その中の…ごめんなさい、スカイマスターズ(The Skymasters)ですね。スカイマスターズという…これはバンドなんでしょうか。よくわかりません(笑)その中の"Close To You"を最後に…

 

  

Close To You - The Skymasters
 (from 『Skymasters Now!』)
 
 
 

澤部:すげぇ…めちゃくちゃいいですね、これ。

臼杵:ヘンなバカラックのコーナーで、おしまいです(笑)

澤部:すご…え、なんでしょうね、これ。最初はわりとドスの効いた感じじゃないすか。そこからまさか、あんなワルツの軽やかな感じになるとは。えー、めちゃくちゃ良い…

臼杵:まあ、単純に"Close To You"が好きなので、はずれてもうれしい…なんでもいいから聴きたい、みたいな。

澤部:すごいっすね…え、これ、ある程度値段のするものだったりするんですか?

臼杵:いや、そんなに高いもの買わないので、これは…ボロボロだし、いくらだったんだろう。まあ、1,000円ぐらいのやつですよ。

 

 

澤部:すげぇ…めちゃくちゃ良かったっすね。

臼杵:はい、という感じでした。じゃあ、最後…

澤部:そうっすね。ぼく、最後、ホントは…うーん、どうしようと思ったんすけど、臼杵さんが当時DJでサディスティック・ミカ・バンドかけてて。

臼杵:はいはい。

澤部:それもけっこう、自分の中ではデカかったんですよ。で、その時聴いた"塀までひとっとび"は、もうかけちゃったんで…(笑)

臼杵:はいはいはいはい。

澤部:ちょっときょうは"どんたく"を聴いてもらおうかな、と…

臼杵:おー、はいはいはい。

澤部:こっちもすっごい好きなんで…はい、じゃあ聴いてもらいましょう。サディスティック・ミカ・バンドで"どんたく"という曲です。

 

  

 (from 『黒船』)
 
 
 
(ジングル)
 

   

君がいるなら - スカート
 (from 『君がいるなら』)
 
 
 
 
澤部:京都α-STATIONからスカートの澤部渡がお送りして参りましたNICE POP RADIO。番組はそろそろお別れのお時間となってしまいました。いやー、ありがとうございました。

臼杵:はい、ありがとうございます。

澤部:いや、めちゃくちゃ楽しかったっす。やっぱりなんていうか、こう…音楽を聴くのは楽しいな、っつうので…(笑)

臼杵:(笑)いや、ホントにちょっとね、さっきのチャゲアスがもう…今すぐレコ屋に行きたいぐらいの衝撃を受けているので…

澤部:(笑)そう、けっこういいんすよ。2000年以降のチャゲアス、わりとああいうコテコテの音じゃ無くなってくんですよ。それがね、良いっすよ。

臼杵:いやー、あれはちょっとそわそわしますね。

澤部:(笑)うわー、やったー。めっちゃうれしい。ありがとうございます。ま、というわけで臼杵さん、来週もね、来て頂いて、いろいろお話を…

臼杵:はい。

澤部:またこういう感じで、音楽聴きながら、という感じでやらしてもらいます。

 

 じゃあ、スカートからいくつかお知らせでございます。ニューシングル『君がいるなら』、アナログ『20/20』好評発売中でございます。アルバム『CALL』以降の作品のサブスク配信も始まっておりますので、そちらもよろしくお願いします。

 ライヴがいくつか。3/21(木・祝)、神戸の蘇州園で開催のイベント「御影ロマンス 2019」に出演。3/22(金)は沖縄那覇Outputでアナログフィッシュの20周年のイベントに出演します。3/31(日)は大阪味園ユニバースで開催のイベント「CHOICE VOl.18」にバンドで出演します。よろしくお願いします。

 そして、7/26・27・28と開催されるFUJI ROCK FESTIVALにですね、スカート、出演することが決まりました。

臼杵:なんとまあ。

澤部:ね。なんとまあですよね(笑)

臼杵:うん。

澤部:うれしいっす。ぜひ遊びに来てください。詳しくはスカートのWebサイトをチェックしてください。

 

 NICE POP RADIOではメッセージをお待ちしております。α-STATIONのホームページにある"メッセージ"から番組「NICE POP RADIO」をセレクトしてお送りください。FAXは京都075-344-8940です。Twitterアカウントをお持ちの方はハッシュタグ、カタカナで「#ナイポレ」を付けてつぶやいてください。番組の感想やわたくしへのメッセージ、選曲テーマやカヴァーのリクエストなどもお待ちしております。

 

 えー、そして、先ほど言いましたけれども来週も臼杵さんに来てもらいまして…

臼杵:はい。

澤部:「渋谷系の文脈以外の人が作った、90年代の渋谷系っぽい音楽」を、特集で聴いていく、と…(笑)

臼杵:そうっすね。まあ、これがやりたくて来たようなもんなんで(笑)

澤部:うれしいっすね…さっき、いろいろ選盤してるとこ見てたんすけど、もういまから楽しみでしょうがないっす(笑)

臼杵:(笑)

澤部:まあ、そういう…音楽を聴きながら話しつつ、みたいにやれたらと思いますんで来週もよろしくお願いします。

臼杵:お願いします。

 

澤部:えー、ということで今週最後はですね、臼杵さんにスカートの曲を選んでもらいました。どの曲になるんでしょうか。ちょっと、恥ずかしいんですけれども…(笑)

臼杵:(笑)えーと、一応説明をした方がいいですかね。まあ、澤部青年がイベントに来てたことがあって、その後、「スカート」として動き出す前の学生時代にmixiの様子を見てて、こじらせちゃってんなー、と思って。

澤部:そうですねー…

臼杵:コイツはもうダメだ、と思って見てたんですよ(笑)で、見てる中で…宅録でやったやつをたまに上げたりしてるのをたまたま聴いたら、「あれ?才能ある?」ってちょっとビックリした曲があって(笑)

澤部:(笑)

臼杵:それまで、だから俺、どっちかって言うと「もう、この子はいいや」って思ってたぐらい、こじれまくっちゃってたから…そう思ってたんだけど、ビックリして。これすごい良いな、ってレスを返した憶えがある…そんな曲を選びました。

澤部:ありがとうございます…

臼杵:"百万年のピクニック"。

澤部:あー、うれしい…NICE POP RADIO、この時間のお相手はスカートの澤部渡と…

臼杵:臼山田洋オーケストラ…(笑)

澤部:の、2人でお送りしました。また来週~

 

 

 

百万年のピクニック - スカート
 (from 『ひみつ』)