★2020.02.14 α-STATION FM KYOTO「NICE POP RADIO」より

 

 

 

 高田馬場で乗り換えて - スカート

(from 『トワイライト』)

 

 

澤部:お送りしましたのはスカートで"高田馬場で乗り換えて"という曲でした。こんばんは、スカートの澤部渡です。京都α-STATION、毎週金曜日午後8時からはNICE POP RADIO。今週もわたくしの選曲とおしゃべりにお付き合いください~。えー、120回目の放送となります。先週に引き続き、今週もゲストにライターの松永良平さんをお迎えしております。

松永:こんばんは。

澤部:こんばんは、ハッピー・バレンタイン!

松永:ね、バレンタインデーなのに俺ですみませんね、ホントに。

澤部:いやいやいや(笑)もっと大前提で、バレンタインのラジオを任せていい人間じゃない、僕は…(笑)

松永:バレンタインのラジオ(笑)確かに。

澤部:ね、有名なね、言葉ですけど…

松永:はい、がんばりましょう。

澤部:がんばりましょう。よろしくお願いします。

 

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澤部:えー、先週は昨年末に発売になった松永さんの著書、『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』についてたっぷり話をお伺いしましたが、今週はナイポレ恒例企画、わたくし澤部渡と松永さんが持ってきた音楽を交互にお届けしながらいろんなお話をしていきたいと思っております。いまのところ、どんな曲を選んだのか、っつーのはお互い知らないわけなんですが…

松永:そうなんですよ。

澤部:ね。なんか、テーマとかあります?

松永:まぁ、裏テーマみたいのはあるんですけど、それはね…後で言います(笑)

澤部:はい、了解です。どんな1時間になるのか、みなさんといっしょに楽しんでいければ、と思っています。ちなみに1曲目でお送りした"高田馬場で乗り換えて"は松永さんの選曲なんですが…

松永:そうなんですよ。

澤部:ありがとうございます。

松永:僕は学生時代から高田馬場だし、90年代に働いていたレコード屋さんも高田馬場だったし。いまも通勤で高田馬場を使ってますから…乗り換えっぱなしなんですよ、高田馬場で。ホントに(笑)

澤部:そうですね(笑)

松永:まさに「よくぞこんな曲を作ってくれた!」と思ってます。

澤部:うれしいっす(笑)ちょっとね、東京ローカルな曲を作ろうと思って作った曲でした。うれしいです。

 

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澤部:番組ではみなさんからのメッセージをお待ちしております。α-STATIONのホームページにございます"メッセージ"から、番組「NICE POP RADIO」をセレクトしてお送りください。FAXは京都075-344-8940です。番組でご紹介した方全員に西村ツチカさんデザインのNICE POP RADIOオリジナルステッカーをプレゼント。なので、メッセージ内にお名前と連絡先の記入をお願いします。番組のTwitterハッシュタグ、カタカナで「#ナイポレ」もチェック。ツイートよろしくお願いします。、また、この番組はパソコンやスマートフォンでラジオが聴けるIPサイマルラジオ・Radikoでもお聴き頂けます。スマートフォンではGoogle PlayApp StoreからRadikoアプリをダウンロードしてお楽しみください。有料サービスのRadikoプレミアムを利用しますと、全国どこでもα-STATIONをお楽しみ頂けます。詳しくはα-STATIONのホームページ、またはRadikoのホームページをご覧ください。そして、京都のレコードショップJET SET KYOTOのお店にNICE POP RADIOのコーナーを作って頂いています。番組で紹介したレコードも展開されていきますので、ぜひチェックしてみてください。 

 

澤部:それでは早速、1曲お送りしていきたいと思います。こちらも恒例…先攻・後攻はジャンケンで決めるのが恒例となっておりますので…(笑)ちょっとお付き合いください。

松永:はい。

澤部:じゃあ早速…最初はグーでいきましょうか。

松永:最初はグーで。

2人:最初はグー、ジャンケンポイ。

澤部:お、勝った!じゃあ先で、いいすか?

松永:どうぞ!

澤部:はい。えーと、これは松永良平さんの…以前もらったCD-Rに入っていて、僕も並行で聴いてはいたんですけど…改めて聴くと、おお、こんなに良い曲だったか、と思った1曲です。

松永:ほう。

澤部:ノーザン・ライツ(Northern Lights)の"Worried About You"という曲を。

松永:最高の曲です。

澤部:はい。

 

 

Worried About You - Northern Lights

(from 『Vancouver Dreaming』)

 

 

澤部:めっちゃカッコいいですよね。

松永:いやー…いつも、この番組の選曲とか見てて思うけど、よくこういう曲かかるよね。

澤部:(笑)

松永:いや、「よくぞ」こういう曲がかかるよね、という意味ですよ?流れないですよ、ホントに。世界広しと言えども…

澤部:いやー、そうですね(笑)そう言ってもらえるとうれしいです。

松永:ホント、長い間この曲とか、このアルバムは大好きで。だけど自分のステレオというか、耳の中だけで存在する世界、みたいに思う曲じゃないですか。こういうのって。

澤部:そうですね。うんうん。

松永:こういうのが電波に乗って、知らない人の家とかに届いてるっていうのはもう、ビックリするけどね。

澤部:まぁ、これも松永さんにもらったCD-Rに入ってた1曲ですね。

松永:あー、入ってましたかね。

澤部:『Lower California』っていうコンピに…

松永:あ、『Lower California』。憶えてます。はい。

澤部:はい、というわけで…じゃあ、CMですかね(笑)

松永:はい。

 

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[CM]

 

澤部:京都α-STATIONからスカートの澤部渡と…

松永:ライターの松永良平がお送りしています…

2人:NICE POP RADIO!

澤部:はい(笑)すみません、お付き合い頂きありがとうございました。

松永:はい(笑)

澤部:というわけで、今週のナイポレは我々2人が持ってきた音楽を交互にお届けしながらいろいろ話をしていく、という…感じでお送りしています(笑)早速、1曲目はノーザン・ライツの"Worried About You"という曲を…

松永:最高でした。

澤部:最高でしたね。まぁ、話はCM前にしたので…早速、次の曲に行こうと思います。

松永:はい。

澤部:じゃあ、次は松永さんの1曲を教えてください。

松永:はい、じゃあわたくしの1曲目は…西尾賢ソボブキの"COQUI 1"。

澤部:ほう…

 

 

COQUI 1 - 西尾賢ソボブキ

(from 『諸国旅して出逢います』)

 

 

澤部:どこの国ですか?

松永:これは日本。

澤部:そうですよね。

松永:ソボブキはね…まぁこの曲に関して言うと、西尾賢さんというピアニストはGUIROのピアノをやっていて。

澤部:あ、あー!

松永:で、この曲はGUIROのレパートリーに…GUIROがカヴァーしてる、というか。"COQUI"というね。最近、それこそ…ソボブキというバンドなんだけど…これもまぁバンドというか、西尾賢さんを中心としたCorneliusみたいな。伸びたり縮んだりするユニットで。十何年ぶりだろう?アルバムを出されたんですよ。2枚組のCDで。

澤部:へぇ…

松永:2枚組のCDで(笑)

澤部:やばい…

松永:で、この"COQUI"という曲もやっぱりすばらしくて。でも、サブスクとかにも全然出てないし。CD自体、一般流通もしていないので。なかなか…まったく入手できないというわけではないんですけど、経路が限られているので。でも、すごく良いんですよ。

澤部:すげぇ…めっちゃいいっすね。

松永:はい。ソボブキは、最初に観たのは…SAKEROCK田中馨くんが野々歩ちゃん(松本野々歩)やタカハシペチカさんとやったショピンというバンドのデビューライヴというのが…三軒茶屋のグレープフルーツ・ムーンかな?であって。

澤部:うん。

松永:そのときの対バンがソボブキと、ハンバート・ハンバート佐藤良成くんのソロと、ショピンだった…っていう記憶がある。

澤部:へー。

松永:そのときに観たソボブキは3人だったけど…まぁ、これとはまた違うんですけど、雅楽とポップスとワールドミュージックがごちゃまぜになって、すりこぎでこうやったような音楽をやっていて。

澤部:はー…

松永:すごく衝撃を受けて。その人がGUIROの高倉さん(高倉一修)と交流があって、こうやってピアノを弾いてるっていうこともすごく驚いたし。その2枚組、『諸国旅して出逢います』って言うんですけど。澤部くん、ぜひ探して買ってほしいと思います。

澤部:探します。めちゃくちゃ良いな…

松永:これを僕の1曲目にしました。

澤部:なるほどね。はいはいはい…

 

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澤部:それでは、次なんですが…これも松永良平さんのCD-Rに入っていた曲を選んできました。

松永:あ、ホントですか。

澤部:武満徹さんの『東京戦争戦後秘話』のサントラ?のやつを持ってきましたんで、それを聴いてもらいましょう。

松永:はい。

 

 

東京戦争戦後秘話 - 武満徹

 

 

澤部:これ、7インチ再販されたんですよね。

松永:ね、これね。ホント良い曲なんで。

澤部:再発されて買いましたもん。

松永:武満さんの映画の曲だと、"サマー・ソルジャー"っていう曲も僕は好きで。

澤部:ほうほうほう…メモリます。(メモ)

松永:いま探すと大変かもしれないですけど、当時は「武満徹 映画音楽全集」みたいなCDボックスがあって。その中にけっこうね、こういう曲とか、いろいろ入ってたんですよ。すごくおもしろくて、よく聴いてましたね。

澤部:はー…そう、なんかね、なんだろう…そう、たしかにカンタベリー系だ。

松永:んー。

澤部:エレピのジャズなんだけども、こんなギターが…(笑)

松永:そうですね。カンタベリーだと僕はエッグ(Egg)というバンドがすごく好きで。

澤部:えー、聴いたことない!(メモ)

松永:エッグは…それこそエッグを俺に教えてくれたのはNRBQのトム・アルドリーノ(Tom Ardolino)。

澤部:あー!はいはいはい。

松永:亡くなった友達なんですけど。彼が作ってたカセットテープに入ってて。エッグは他のプログレのグループに比べてドラマーの手数がすごく少なくて。

澤部:ほえー。

松永:すごくおもしろい音作りをしている、っていう風に教えてもらって。たしかにその通りだし、探して聴こう!と思って。

澤部:うんうん。

松永:いまでも…『優雅な軍隊(The Polite Force)』っていうアルバムがあるんですけど、それはすごい好きなアルバムですね。

澤部:へー。探します…

 

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澤部:トム・アルドリーノのミックス、僕も金野さん(金野篤)っていう、バンブルビー(Bumblebee Records)の人からダビングしてもらって聴いたんですけど。

松永:はい。

澤部:そこにラニー・シンクレア(Ranny Sinclair)とか入ってて。

松永:あー、そうね。そうそう。

澤部:こんなにすごい音楽が世界にはあるのか、って思って。ホントにビックリしたのを思い出します。

松永:ホントですね。[トム・アルドリーノは]僕のミックスというか、音楽を聴くことの先生のひとりなんで。

澤部:うんうん。

松永:いまでもね、時々…何枚か手元にあるんで、聴き直したりしますけど。

澤部:いいなぁ…それも、なんか、とびきり中身の濃いCD-Rでしたね。僕が金野さんにダビングしてもらったのは。

松永:んー、でもね、濃いんだけど…それを作ってる様が思い浮かぶというか。なんか楽しそうに、えいっ、えいっ!みたいな感じで作ってるのが見える。それがすごい良いところですね。

澤部:なるほどね…たしかに。

 

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澤部:じゃあ、続いては…

松永:はい。じゃあ次はわたくし松永の選曲でお送りします。続いての曲は、ジグソー(Jigsaw)で"Summertime, Wintertime"。

澤部:ほう…

 

 

Summertime, Wintertime - Jigsaw

(from 『Broken Hearted』)

 

 

(澤部:ジグソーって、あのジグソーですよね?)

(松永:そうです。あの"Sky High"の。)

(澤部:意外とMPS[レーベル]…)

(松永:そう。これはMPSのアルバムに入ってる。)

(澤部:はー…)

(松永:この曲はホント、昔から好きで。DJでもたまにかけるんですけど。"Summertime, Wintertime"でしょ?)

(澤部:うんうん。)

(松永:今年の冬って暖冬で、夏みたいに暑い日もあるから、ちょうどいいかなと思って(笑))

(澤部:(笑))

 

松永:お送りしたのはわたくし松永の選曲で、"Summertime, Wintertime"でした。

澤部:めちゃくちゃ素敵。

松永:ね。構成する要素がめちゃくちゃ多い曲なんですけど。

澤部:うんうん。その…"Sky High"で売れる前?

松永:売れる前ですね。

澤部:はぁ…音もなんか、MPSだから妙に良いしね(笑)

松永:そうなのかな?(笑)まぁでも、"Sky High"感はストリングスの配置とかに…ちょっと上のほうに。

澤部:あー。

松永:ヘッドフォンとかで聴いてる人はわかると思うんですけど、上のほうに配置してるのが…"Sky High"なのかな?みたいな気はしますよね。

澤部:んー。なんか、「レコード芸術」みたいな感じのね(笑)おもしろい曲でした。

松永:はい。

澤部:じゃあ後半は引き続き松永良平さんとお送りしますが、ここで一旦CM。

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[CM]

 

澤部:京都α-STATIONからスカートの澤部渡がお送りしております、NICE POP RADIO。今週はライターの松永良平さんをお迎えしまして、選曲を交互にお聴き頂いていますが、ここで小休止のトークタイム。松永さんは昨年末、新しい本の『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』を出されたということで。先週はこの30年間を振り返るような内容でお送り…してましたよね?(笑)

松永:そうですね、してました。はい。

澤部:大丈夫ですよね?(笑)はい。してたんですけれども…なんだろう、どういうことを訊けばいいかな。

松永:うん。

澤部:僕、この後の…noteで連載されてたじゃないですか。

松永:はい。

澤部:noteで連載されてたから、「SideB」っていうのがあって。それも読んでほしい、っていう話をしようと思ってたんですけど。

松永:はい。

澤部:先週、ちょっとしたんですよね、その話を。

松永:そうですね。うん。「SideB」はね、本編に…本の中に入った話と入ってない話があって。

澤部:ね。そうそうそう…まるっと入ってない話もあるし。

松永:一部だけ入ってる話もあるし。

澤部:そうそうそうそう。

松永:そういうのも含めて、この本を作るときに…最初はnoteに書いたやつはデモテープというか。

澤部:あー。

松永:デモ作りみたいなものだから、アウトテイクというかね。結局アルバムには入らなかったトラックとして、そういうのがあっていいんだな、っていう風に自分的には納得させた、というか。

澤部:なるほどね。で、その「SideB」がね、非常に良いんですよね。だから、もしこの本を読んでたら…それこそボーナストラック的な意味合いで…

松永:そうですね。

澤部:松永さんのnoteを、ぜひ見てもらいたいな、なんて思ったりしてます。ホント、この本を編集されて…編集は林さんがやられたんですか?

松永:そうです、そうです。林さやかさんという…元はと言えば彼女もカクバリズムの初期のスタッフで。

澤部:ね(笑)

松永:そうなんです、声をかけてくれて。すごくうれしかったですね。

 

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澤部:他、なんかお知らせとかありますか?

松永:えーと、じゃあお知らせ的なことを言うと、この本の出版を記念して…というか、あちこちに行ってるんですけど。

澤部:はい。

松永:京都に行きます。

澤部:おお!

松永:2月の23日。

澤部:あら、もうすぐじゃないですか。来週だ!

松永:京都の誠光社という書店で、安田謙一さんと。

澤部:おお!

松永:僕が尊敬する大先輩の安田謙一さんと、ダブルレコ発というか…安田さんも『書をステディ町へレディゴー』という本を出されたので。

澤部:最高のタイトルですね(笑)

松永:それのダブルレコ発トークイベントをやります。23日の19時かな?まぁ、Twitterとかいろいろチェックしてもらえれば詳しくわかると思うんですけど。

澤部:ええ。

松永:まだ予約受付中なんですけど、けっこう埋まってきているという話もあるので…

澤部:いいなぁ、行きてぇ…

松永:はい、ぜひよろしくお願い致します。

 

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澤部:えー、そうですね。選曲のほうに戻りましょうか。

松永:はい。

澤部:じゃあ続いてはわたくしでしょうか。えーとね…「SideB」を読んでて、きょうはこのアルバムから1曲選ぼう、と思って選んできました。トニー・コジネク(Tony Kosinec)の"Come and Go"。

松永:おお。

 

 

Come and Go - Tony Kosinec

(from 『Bad Girl Songs』)

 

 

松永:いや、最高ですね。

澤部:ね。僕、去年初めて聴いたんですよ、このアルバム。

松永:あ、ホント?幸せな感じだね、その出会いは(笑)

澤部:(笑)タワレコ新宿がアーティストとかに「私の好きな10枚」みたいのをやってるときに…弊社の社長(角張渉)がこれを挙げてて(笑)

松永:あ、なるほど。

澤部:そういえば聴いたことなかったな、と思って。で、そういう風にしてたら、たまたま吉祥寺のココナッツディスクの新入荷にこれが入ってて。あ、じゃあもう、これはそういうことだ、と思って。買って、初めて聴いたんですよ。

松永:なるほどね。いやー、これはホントにすばらしいアルバムですよ。

澤部:いやー、ホントに良かったっす。

松永:このジャケットの雰囲気とかね、期せずして我々…我々って言いますけど、マンガ好きじゃないですか。

澤部:はい。

松永:その琴線をくすぐるというか…あのままではマンガとしては成立しないかもしれないけど、でも、ああいうイラストを書く人のマンガは読んでみたいと思う、っていうジャケットですよね。

澤部:うんうんうん。すごい…でも、なんか、こういう音なんだ、って思いましたね。

松永:ね。この人もカナダなんで、カナダならではの…なんかね、あるんですよね。

澤部:なんか、変わった感じありますよね。いちばん最後の曲とか、すごいヘンな曲だった気がするな。

松永:けっこう、カナダのアーティストに共通して言える…まぁ、これは俺の個人的な感覚ですけど、「寒さを恐れてない」っていう感じがあって。

澤部:はー…

松永:いろんな意味でね。両方の意味がありますけど。気温的に寒くても平気、っていう部分と、わりと隙間とかが空いちゃって、音が足りなくなっちゃっても平気、みたいなところがある感じがするんですよね。

澤部:うん。

松永:それはやっぱり土地柄、というか。カナダって都市はあるけど、都市と都市の間がすごく離れてるし。あとは全部もう、山とか林とか雪とかだから。そういうところはあると思いますね。

澤部:はー…そう、すごい…最初のアレンジもヘンじゃないですか。

松永:ね。

澤部:ピアノとかすごい遠いし。うわー、すごいカッコいいなぁ、と思って聴きましたね。そう、これが「SideB」に取り上げられてるんですよね。このアルバムが。

松永:はい。

澤部:その感じがすごい良くて…このアルバムをお金がないときに手放しちゃってたんだけれども、それを買い戻すのはなんか違う、っていう話なんですよ。平たく言うと。

松永:そうです。

澤部:で、僕はこのラジオを始めて、自分が金ないときに売っぱらったレコードを平気で買い戻してたんですよ。

松永:(笑)

澤部:なんかね、そこの情緒は忘れていたなぁ、と思いましたね。

松永:あー。まぁ、CDとして買い直すのはね、自分的にはギリギリ「アリ」なんですけどね。

澤部:うんうん。なんか、「売った思い出」に対するね、そういう責任の取り方もあるのか、と思ってね。

松永:まぁ、そこまで厳密に考えてるわけではないですけど(笑)

澤部:(笑)

松永:でもまぁ、このときはそう思っていたし、今も買ってないかな…

澤部:うんうんうん。そうですね。というのがすごい良かったんで…で、「SideB」を読んでほしい、という話をしようと思った、っていうことでした。

松永:なるほど。ありがとうございます。

 

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松永:じゃあ次は、またわたくし松永の選曲でやりますね。

澤部:はい。

松永:シンガーソングライターでつながり…になるのかなと思います。

澤部:おっ。

松永:リッキー・リー・ジョーンズRickie Lee Jones)という有名な女性シンガーソングライターがいますけれども。リッキー・リー・ジョーンズの"Young Blood"という…1stアルバムに入っている曲の、デモヴァージョンというのがあるので。

澤部:へぇ。

松永:それを聴いてください。リッキー・リー・ジョーンズで"Young Blood"のデモです。

 

 

Young Blood [Demo] - Rickie Lee Jones

(from『Duchess Of Coolsville - An Anthology』)

 

 

松永:いや、最高なんですよ、このデモヴァージョンは。

澤部:めっちゃ良いっすね。僕、でも、リッキー・リー・ジョーンズ、素通りしてましたわ…(笑)

松永:アルバムヴァージョンだともう少しAORというか。すごくアレンジされた…ほとんどまったく別の曲になったな、という印象なんですよ。この曲のデモはこんなに奔放な感じだったのか、まさに「Young Blood」だな、という風に思ったんですよね。

澤部:はぁ…

松永:で、彼女は基本ギターで。ということは、ここでピアノを弾いてるのは誰?という話になるんですけど。

澤部:はい。

松永:当時、リッキー・リーはトム・ウェイツTom Waits)と付き合ってて。

澤部:はっ…

松永:ただ、クレジットはなくて。これはね、ライノ・レコードRhino)っていうところから出てた3枚組のベスト盤に入ってるんですけど。一応、わからないことになってると思うんですが、たぶんトム・ウェイツなんですよ。

澤部:はー。

松永:すごく、耳をそばだてて聴くと…

澤部:なんか、男性の声入ってますよね。

松永:聞こえるでしょ?あれはたぶんトム・ウェイツだと思うんですよね。で、ちょっと…ピアノのフレージングも変わっててるし。

澤部:うんうん。

松永:…と、思って聴いてるんですけどね。

澤部:なるほどね。

松永:ちょっとバレンタインっぽくなったかもしれない(笑)

澤部:かもね(笑)リッキー・リー・ジョーンズがジャケに写ってるやつありましたよね。

松永:ありますあります。

澤部:なんだっけ?それが『Blue Valentine』とかでしたっけ?

松永:だったかな?まだその頃は付き合ってるんで…

[*『Blue Valentine』の裏ジャケをチェック!]

澤部:さすが…

松永:このヴァージョンは大好きです。

澤部:めっちゃ良いっすね(笑)そうか、良いなぁ…

 

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澤部:じゃあ、次行きますか。

松永:はい。

澤部:で、最後はちょっと自分の趣味にガン振りしてしまうんですけども。最近、とにかくプリファブ・スプラウトPrefab Sprout)をずっと聴いてるんですよ!

松永:あー、聴いてますね。なんか。ブログチェックしてますよ。

澤部:(笑)すみません…なんだろうな、プリファブも素通りしてたバンドの一つだったんですよ。で、去年『38 Carat Collection』というベスト盤を聴いて、はー、こんなに良かったんだなぁ、なんて思ってたんですけど。で、佐藤優介がすごいプリファブ好きなんで、助言を頼む、と。

松永:はい。

澤部:そしたら「最新作から逆に聴け」と言うんですよ。

松永:あ、なるほど。俺の本のB面方式といっしょというか…

澤部:そうそうそうそう。で、それで『Crimson / Red』っていうアルバムをね、聴くんですけど。優介にも最初注意されたのが「とにかく音には目をつぶったほうがいい」と。

松永:うんうん。

澤部:いわゆる…ベスト盤に入っているような芳醇な中音だったり、芳醇な電子サウンドではない、と。そういう前置きを置いて聴くんですけど、まぁ、それを超えてとにかく曲が良い、と。というわけで、その中でもとにかく曲が良い曲を1曲。

松永:お。いいですね。

澤部:プリファブ・スプラウトで、"Grief Built the Taj Mahal"。

 

 

Grief Built the Taj Mahal - Prefab Sprout

(from『Crimson / Red』)

 

 

松永:でも、今プリファブ・スプラウトを知って味わえる…まぁ、他のトニー・コジネクとかもそうだけど、幸せなことですよ、ホントに。

澤部:いやー、ちょっとね、プリファブに関しては幸せだなぁ、と思いますね。トニー・コジネクはちょっと遅すぎた、っていう気はしますけど。プリファブは…10代とか20代の若い頃とかにパッと聴いて済ませるんじゃなくてホントによかった、って思いましたね…

松永:僕の個人的な話をすれば、プリファブ・スプラウトを初めて聴いたのは…中学生、高校生になってたかな。当時、日曜の深夜に小林克也さんがDJを務める音楽番組があって。そこで1stアルバムの…

澤部:『Swoon』。

松永:『Swoon』から1曲、"Couldn't Bear to Be Special"かな?あれがかかって。

澤部:はー…

松永:これはなんだ?なんて曲?っていう風に耳をそばだてて曲名をメモした、というのを憶えてるけど。

澤部:でもやっぱり、そういう話を聞くと…もっと早く聴いておきゃよかったな、って感じはしますね。

松永:いやいや…まぁ、実際にね、買ったレコードは『Steve McQueen』が最初ですけど。知ったのはラジオでしたね。ラジオで知れてよかったな、と。

澤部:あー、ラジオで聴くといいでしょうね、プリファブとかは…

松永:うん。

澤部:というわけで、聴いてもらったのはプリファブ・スプラウトの『Crimson / Red』というアルバムから"Grief Built the Taj Mahal"という曲でした。

 

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松永:はい。じゃあ次が…僕が今回最後の曲ということで選ばせて頂きましたけど…これがですね、特に解説もなく、とりあえず曲を聴いてください。

澤部:はい。

松永:SACRAで"雲南の風"。

 

 

雲南の風 - SACRA

(from『ついのすみか』)

 

 

澤部:めちゃくちゃ良い…

松永:はい。すばらしいんですよ、SACRAの『ついのすみか』というアルバムなんですけど。

澤部:うん。めちゃくちゃ良いですね…

松永:これは、でもね、リアルタイムではないんですよ。何かのきっかけで…しかも僕じゃなくて僕の奥さんが、当時働いてたレコード屋さんの在庫整理、サンプル盤の整理みたいのをしてたのかな。その中に入っていたんですよ。

澤部:へー。

松永:で、これはジャケットもちょっと気になるし、ということで彼女が家に持って帰ってきて。で、聴いてビックリ、というか。すごいなこれ!っていう。

澤部:うんうん。

松永:たぶん、1991年にリリースされたときは…ほぼ、なんの注目もされなかったと思う。で、後でね…

澤部:再発されましたよね。

松永:再発されたんですけど、再発のCDでもいいんで聴いてほしい…もっと言うと、きょうの選曲の裏テーマというのは、家にあるCDを見直して「CDになってるんだけど配信はされてない」というような曲がけっこうあるんだな、っていうのを見直して…

澤部:うんうん。

松永:まぁ、もしかしたら僕がかけた曲の中でも「いや、この形で配信されてますよ」っていうのがあるかもしれないんですけど。意外とCDは侮れないな、っていうので選んでみたんですよね。

澤部:そうですね。CDはいいですね(笑)僕もね、好きなんですよ。実は。

松永:はい。

澤部:いやー、でもいいな…めちゃくちゃ良かったな。ちょっと…なんだろう、誤解を恐れず言うんだったら、SAKEROCKっぽい、というかね。

松永:そうですね。でも、聞いたらSAKEROCKよりも前だったから…おもしろいですよね。ああいうモチーフで。

澤部:おもしろいですね。すげぇな…めちゃくちゃ良かったなぁ…というわけで、それぞれ4曲ずつ選んでみました。

松永:はい。

澤部:じゃあ、選曲コーナーはここまで。この後はスカート通信。

 

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澤部:京都α-STATIONからスカートの澤部渡がお送りして参りました、NICE POP RADIO。番組はお別れのお時間なんですけども、エンディングも松永さんといっしょにお送りします。

松永:よろしくお願いします。

澤部:よろしくお願いします。えー、スカート通信。スカートのニューシングル『駆ける/ 標識の影・鉄塔の影』が3月18日発売。今年のお正月にサッポロビール箱根駅伝限定CMに使用された新曲"駆ける"のバンドレコーディングヴァージョンと…ボートラでCMヴァージョンも入ってますが。テレビ東京系で放送中の金曜ドラマ『絶メシロード』の主題歌、"標識の影・鉄塔の影"を含む、全9曲ぐらいかな?入ってるシングルになると思います。よろしくお願いします。

松永:お。大盤振る舞い。

澤部:で、ライヴは…2月17日の渋谷CLUB QUATTROフィロソフィーのダンスの自主企画にフルバンドで参加します。そして3月19日の木曜日は、同じく渋谷CLUB QUATTROムーンライダーズのイベントに弾き語りで参加します。弾き語りって言っても、もしかしたら優介といっしょになんかやったり、なんだったらムーンライダーズのメンバーの方といっしょにやる、なんて話もあったりなかったり…こいつは楽しみだ。よろしくお願いします(笑)

松永:なるほど。

澤部:そして、いちばん大事なお知らせが…4月11日の土曜日はスカートデビュー10周年記念公演「新説・月光密造の夜」というのがございます。場所は東京日本橋三井ホールでございます。土曜日開催なんで、よろしかったらみなさん遊びに来てください。チケット発売中。その他の情報はスカートのホームページやSNSをチェックしてください。

 

skirtskirtskirt.com

 

澤部:そして、松永さんからお知らせが。

松永:えー、僕の著書『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』が絶賛…絶賛、って自分で言っていいのかわかんないですけど、発売中です。

澤部:絶賛でしょう。

松永:全国の書店で、ぜひお買い上げください。

澤部:はい。

松永:それから…さっきも、2月23日に京都でイベントをやる、と言ったんですけども。これ、Radikoプレミアムとかで聴いてる方もいらっしゃると思うので。

澤部:そうですね。

松永:その前後もありまして。22日は名古屋の喫茶クロカワというところで、GUIROの高倉一修さんと僕のトークをやります。こちらはね、もしかしたらもうSold Outかもしれないんですけど。それから、2月28日は大阪のロフトプラスワンで、VIDEOTAPEMUSICくんと僕のトークを…やっぱりその「平成パンツ」でやります。

澤部:はい。

松永:3月以降もいろいろ予定は決まってるんですけども…Twitterとかインスタとかやってますので、チェックして頂ければと思います。よろしくお願いします。

 

澤部:NICE POP RADIOではメッセージをお待ちしております。α-STATIONのホームページにある"メッセージ"から、番組「NICE POP RADIO」をセレクトしてお送りください。FAXは京都075-344-8940です。番組でご紹介した方にはNICE POP RADIOステッカーをお送りしております。本名・住所・電話番号の記入をお忘れなく。Twitterアカウントをお持ちの方はハッシュタグ、カタカナで「#ナイポレ」を付けてつぶやいてください。

 

澤部:じゃあここで…先週出していたなぞなぞのね、答えを。

松永:ね。いますかね?気になってる人。いますか?

澤部:いや、いる…いてほしいですけどね(笑)

松永:はい。たくさんのご応募があったと…信じます。

澤部:ね。思いたい。まず、どんな問題でしたっけ。

松永:えー、問題は「パンツ一丁で出かけようとしている親戚の男性を呼び止めようとして声をかけている、外人ロックスターは誰でしょう?

澤部:(笑)

松永:これね、光景が浮かび過ぎると惑わされると思うんですけど。

澤部:そうですね。

松永:問題の中に答えは全部あるんですよ。

澤部:うんうん。

松永:まず、親戚の男性…「おじ」。

澤部:そうですね。おじ…?

松永:おじがパンツ一丁で出かけようとしてるんですよ。外へ。

澤部:そうっすね。

松永:で、パンツ一丁じゃダメだろ!って思うじゃないですか。何が必要ですか?(笑)

澤部:(笑)やっぱ、パンツじゃね…まぁ、上が裸なのはいるから…そうなるとやっぱ…「ズボン」ですかね。

松永:で、しかも「親切」なんですよ、この人は。

澤部:そうですね。

松永:だから、ズボンも…敬語でね。

澤部:はいはいはい…(笑)

松永:「おズボン」と言わないか、と…(笑)

澤部:なるほど…(笑)

松永:というわけで正解は「オジー・オズボーンOzzy Osbourne)」でした。

澤部:はい…(笑)というわけで、正解者の方がいれば抽選で。いなければ抽選で。

松永:そうですね。いなければおもしろかった不正解の人でもいいかもしれないですけどね。

澤部:あー、いいっすね。おもしろい不正解とかは番組でご紹介します(笑)

松永:はい、そういう感じです(笑)

 

澤部:えー、じゃあ…きょうはホントに、いろいろ、また素敵な音楽をご紹介頂いてありがとうございます。

松永:いえいえ、ありがとうございます。こういう合戦というか、対抗戦みたいなのはおもしろいですよね。

澤部:そうですね。それぞれ良いカードをね、出せるように…

松永:がんばりました。

澤部:いやー、めちゃくちゃ良かったっす。とりあえずSACRAは買います(笑)

松永:ぜひ買ってください(笑)

澤部:えー、最後にもう1曲、松永さんに選んでもらいました。どんな曲を?

松永:さっきも言いましたけど、CDでは存在するけれども配信はされていなかったり聴きにくかったりする、というのが実は今回の裏テーマだったんですけど。

澤部:ね。うん。

松永:そういう中での僕の最高の1曲を選びました。

澤部:ほう…

松永:ピチカート・ファイヴで"夜をぶっとばせ"、『月面軟着陸』ヴァージョン。

澤部:あー!最高!じゃあ、それを聴いて今週はお別れ。NICE POP RADIO、この時間のお相手はスカートの澤部渡と…

松永:ライターの松永良平でした。

澤部:また来週。

 

 

夜をぶっとばせ - ピチカート・ファイヴ

(from『月面軟着陸』)

 

 

(澤部:これ最高っすよね~)

(松永:最高です。)

(澤部:大好き。)

(松永:これだけ7インチにしてほしいんです(笑))

(澤部:あー、わかるー)