2019.03.10 Inter FM「Daisy Holiday!」より

↓岡田さんの補足解説は要checkです…

daisy-holiday.sblo.jp

 

H:こんばんは。細野晴臣です。いやいや、久しぶりですね。

O:ご無沙汰s…しております。噛んじゃった(笑)岡田崇です。

H:ちょっと待って…(くしゃみ)

O:ひさしぶり、すぎて…

H:ね。なんかあの、風邪もらっちゃったみたいだ。

O:あら…気をつけないと。

H:あの、[日本]アカデミー賞の円卓の辺りで咳してる人がいたんで、もらっちゃったみたい(笑)あのテーブルの人たちみんな、いま頃、喉痛いんじゃないかな。

O:大丈夫ですか?

H:ちょっと熱っぽいの。だから、お願いね。

O:…あれ?(笑)

H:ちょっと、目つぶってやるから…

O:(笑)

H:じゃあ、しゃべりながらやって。

O:(笑)

natalie.mu

 

H:…えーと、なに?きょうは。

O:きょうはですね、最近手に入れたものを、まあ…相変わらずですが…かけていこうと思いますが。

H:でしょうね。

O:まず最初に、江利チエミさんをかけようと…心に決めてきました。

H:いいね。

O:1953年の録音なんですけど、江利さんってその前年、15歳で…

H:15歳でデビューしてるのね。早熟だね。

O:"テネシー・ワルツ"と"カモナ・マイハウス"。で、翌年、アメリカに招待されて。L.A.のほうで。ナイトクラブで歌ったりとか…したらしいんですけど。

H:あー…あんまりそういうニュース、無いよね。こっちには。

O:その中で、Capitolレコードのスタジオでレコーディングをしたという話があって。

H:それはすばらしい。

O:当時の新聞だと、「それがCaptolから出てチャートにも入った」…みたいな話になってるんですけど、Capitolから出たっていうことは無くて。Federalっていうレーベルから出てます。

H:あ、そうなんだ。

O:「Capitolから」っていうのは、「Capitolレコードで録音した」っていうのがちょっと…「[Capitolの]スタジオで」、っていうのとレコード会社とを混同してるんだと思うんですけど。

H:そうかそうか。

O:で、バッキングがチャック・ミラー・トリオ(Chuck Miller Trio)だという噂がありまして…

H:やった!大好きだな。"House Of Blue Lights"歌ってんだよね。

O:いいですよね、あのヴァージョン。

H:影響されてます。はい。

O:じゃあ、まずは江利チエミの"Pretty-Eyed Baby"を。

 

 

Pretty-Eyed Baby - CHIEMI ERI

 

 

H:いいねぇ。江利チエミとは思えないね(笑)なんか、いいよ。チャック・ミラーのピアノ、いいねぇ。

O:うーん、そうですね。

H:音が良い。

O:音良いですよね。当時の…この頃の江利さんの[他の]SP盤聴いても、こういう音は絶対出てないんで…

H:そうだろうね。あの頃の差はすごいよね。

O:んー。

H:いやー、いいな。これ、なんか…ユーナ・メイ・カーライル(Una Mae Carlisle)っていう人にそっくり。声がね。

O:おお…

H:初々しいっすよ。16歳?

O:16歳(笑)当時…2枚目なのかな、レコーディングしたのは。向こうで50回ぐらいテストをされて、ようやく録音出来たみたいなんですけど。

H:あ、そうなんだ。いや、いいですよ。このままやればよかったね(笑)

O:日本に帰ってきちゃいますからね、当然。

H:まあ、それで有名になったんですけどね。

O:(笑)

www.youtube.com

 

 

H:もう1曲聴きたいな。"ゴメンナサイ"やってるんでしょ?

O:そうなんです。そもそもはこの"Gomenasai"をやってるというので、探して買ったんですね。

H:SP盤しか出てない、と。

O:そうです。日本でも当時出なかったですし、今でも出てないと思います。

H:レアですね。

O:で、B面の"Gomenasai"が「エリチエミ&G.I.ジョー」という名義で…(笑)

H:G.I.ジョー、どうしたの?

O:まあ、進駐軍で流行った曲なんで…

H:あー、そうだそうだ…んー。

O:進駐軍の将校さんのベネディクト・メイヤーズ(Benedict Mayers)っていう人が作詞をして、レイモンド服部(Raimond Hattori)が書いた曲ですね。で、その人の勧めかなんかで、Disneyに売ったんですよ。この曲の権利を。

H:ホントに?

O:だからクレジットにDisneyの出版社が書いてあるという、ふしぎな…(笑)じゃあ、"Gomenasai"を。

H:はい。

 

 

Gomenasai (Gomen Nasai) - CHIEMI ERI And G.I.JOE 

 

  

www.45worlds.com

 

H:なるほどね…アメリカンですね(笑)いやー、歌ってる人は誰だかわかんない、G.I.ジョーっていう人(笑)

O:G.I.ジョー、誰でしょうね。

H:うまいよね、みんな。いや、すばらしい。江利チエミさん。

O:ね。16歳ですよ(笑)

H:あのね、この世代…年代ってすごいんだよね。雪村いづみさんもすごかった。

O:すごいですよね。

H:カヴァーをやると、アメリカのシンガーみたいだった(笑)

O:英語とかね…

H:英語、よかったんだよね。

O:進駐軍のキャンプを回って…12歳の頃から回ってたみたいですね、江利さんは。

H:ね。いやいや、だいぶ今とは違う時代ですけどね。

O:はい。

www.youtube.com

 

H:時代と言えばですね、3/6に…『HOCHONO HOUSE』が出まして。

O:わーい。

H:長く待ったんだよ…作ってから2カ月ぐらい待って、やっと出るんで(笑)

O:(笑)

H:まあ、その間落ち込む…

O:落ち込むんですか。

H:落ち込むんだよ。「もうダメだ!」。「ダメなもの作っちゃった!」とかね。

O:いやいや…すばらしいじゃないですか。

H:みんなの声を聞くと安心するんですけどね。よかった…

O:もう、みんな聴いた頃ですね。このラジオの[放送される]時は。

H:もう聴いてるんでしょうね。あの、この場を借りて…なんて言ったらいいのかわかんないけど(笑)そんなことはいいか(笑)

O:(笑)

H:慣れないことはやめて…しかも、明日(3/11)は震災の記念日…記念日っていうとヘンですけどね。震災の日だったんで。『HoSoNoVa』が出た頃を思い出しますよ。ちょうど、やっぱり、いま頃…

O:そうですね。ホントに僕、『HoSoNoVa』のジャケットの入稿をしてる最中、ビクターの方と電話してたところです…

H:揺れた時ね。すごいことやってたね(笑)

O:「とりあえずちょっと、電話切ってみますか?」って言ったらもう、どこともつながらなくなっちゃって(笑)

H:あー…よく、まあ、入稿できたよね。

O:翌日入稿しましたけどね。

H:そうだよね。すごいよ。

O:で、印刷屋さんが不安になっちゃって、なんかもう、動いてないと…みたいな感じで。

H:あ、わかるわかる。

O:仕事をすごいしてましたよ。

H:わかるよ。なんかやってないと不安だよね。

O:んー。

H:まあ、大変な時期に出たんで…うん。思い出しますね。

daisy-holiday.sblo.jp

 

open.spotify.com

 

H:さて、本題に戻りますとですね。

O:本題…?

H:本題っていうかなんというか…(笑)本題なのかな?これ…

O:(笑)

H:えー、日本のね。1950年代当時の人たちがいかに、アメリカの音楽のマニアックな部分に影響されてるか、っていうね。

O:そうですね。

H:予想以上ですよね。

O:予想以上ですね。

H:たとえば…レイモンド・スコット(Raymond Scott)ね。みんなよく聴いてたんだね。

O:レイモンド・スコットだと50年代というか、30年代末から40年代ですね。

H:そうだ、そうだ。

O:まあ、戦争が始まるともう…

H:途切れちゃうね。

O:途切れちゃうんですけど、その前はホントに…日本でもヒットしていたし、舞台で…吉本新喜劇だとか。松竹少女歌劇でもたしか、服部良一のアレンジで"18世紀のサロンにて(In An 18th Century Room)"とかやってた…"Toy Trumpet"だったっけな?

H:そうかそうか。かなり、ポピュラーだったっていうことだよね。

O:そうです。映画にも出てたんで、それで有名にもなっていたはずです。

 

H:それでさ…エノケンさんね。榎本健一さん。

O:はい。あの…1月の末ぐらいに、早稲田の演劇博物館のイベント…イベントというか…

H:そういうのがあったわけね。

O:はい、集まりがあって。その中で、栗原重一さんというですね…あまり知られていない方がいるんですけど。

H:うん。

O:エノケンさんの映画の舞台音楽のほとんどをやってた方…

H:重要人物だ。

O:重要人物がいるんですよ。で、その方の残した楽譜が早稲田で…去年、研究が始まって。

H:あ、そうなの。

O:それの途中経過発表みたいなシンポジウムが…

H:その方はいま…

O:もちろん亡くなってます。

H:そうですよね(笑)

O:1983年に亡くなってますね。1897年生まれですもん。

H:じゃあ、再発見されたわけですね。うわー…

O:で、その発表会があったんで…ちょっとおもしろそうだな、と思って何気なく遊びに行ったんですね。

H:においを感じて…

O:そうなんですよ(笑)で、行ったら、第2部が、当時のスコアを使って再演するという…セクステッド(6重奏)ぐらいの楽団がいて。

H:あ、そうなの?

O:で、その楽団のリーダーの人も知り合いだったので…

H:あ、若い人たち

O:渡邊恭一くんっていう、サックスの…去年の漣くん(高田漣)のライヴでも出てたはずです。で、彼はボー・ハンクス(The Beau Hunks)のメンバーと接触したこともあったり、そういう人なんで…

H:あ、そうなんだ。

O:けっこう、おもしろいところにいる人で。彼がリーダーでその楽団を率いてやってるんですけど、その中で"18世紀のサロンにて"を再演したんですね。それがすばらしくって。他にも"ボレロ(Boléro)"だとか、いろいろやったんですけど。

H:演奏だけをやったってこと?

O:演奏だけです。あの、"ボレロ"はエノケンの映画をバックに、実演で…BGM付ける感じでやったんですけど。

H:なるほど。

O:で、その時の話を聞いたら、その栗原さんの楽譜の中に"Powerhouse"もあった、と。

H:名曲…

O:"Twilight In Turkey"もあった…

H:あー、もう、しょうちゅうかけてるね。

O:おそらく"Toy Trumpet"もあるだろう、と。

H:そう。

O:だからおそらく、エノケンの舞台でやってたわけですよね。"Powerhouse"とかを。

H:…信じらんないね。

O:(笑)

H:見たかったね。

O:見たかったですね…そういう事実が。

 

www.waseda.jp

 

H:まあ、それで、エノケンさんが歌ってるのがあるんでしょ?

O:そうなんですよ。その栗原さんが音楽を担当しているエノケンの映画をYouTubeとかでバーッと見てって。

H:うん。

O:そしたらですね…

H:見つけたんだね。

O:『孫悟空』という、1940年の映画の中で…

H:有名な映画だよね、うん。

O:「砂漠よいとこ」というタイトルが一応ついてるんですけど。それを…(笑)"Twilight In Turkey"をエノケンと岸井明が歌っている、というのを見つけましたんで…

H:すごいめずらしいな。

O:それをちょっと…

H:はい。

 

 

砂漠よいとこ - 榎本健一・岸井明 

 

  

H:あれ、これは…"Twilight In Turkey"のメロディは出てこないじゃん(笑)

O:Bメロですよ。Bメロをずっと繰り返してるんですよ。

H:ああ、あそこのね、アラブっぽいとこね。なんだか…ふざけてるね(笑)

O:(笑)砂漠の中で、美女がたくさんいるオアシスを見つけて。

H:なるほどね。

O:お酒を飲んで、歌い踊るシーンですね。

H:榎本健一は僕が小学校の時はまだ人気があったよ。「エノモトケンイチです!」って真似してた、みんな(笑)

O:(笑)

H:これ鳳啓助かな?「ええ、オオトリケイスケでございますけど」。

O:ほぼおんなじ(笑)

H:おんなじだね(笑)

youtu.be

 

www.youtube.com

 

H:さて、この続きの流れでいっていいのかな?

O:いいですよ、はい。

H:こないだ週刊誌見てたら、往年のスターの付き人をやってた人たちの証言、っていう特集があって。まあ、いろんな人が出てくるんだけど、中に森繁さん(森繁久彌)も出てくる。

O:はいはい。

H:で、森繁さんの付き人やってたのがなべおさみさんだ。で、付き人から離れるときに、「お前にはぜんぶ種を植えつけておいた。それが実るのは自分がいなくなってからだろう」って。いま咲いてるのかもね(笑)

O:(笑)

H:いや、いろんなスターの…昔の人たちはおもしろい。んー。杉村春子さんとかね。なんか、みんな背筋がピーンとしてるからね。で、その森繁さんの歌が聴けるんですよね。

O:そうなんです。シンポジウムのときに…当時の日本映画って、著作権に関することがすごい甘かったんで…

H:まあ、そうだろうな。

O:この『孫悟空』の中でも"星に願いを"とかね、使っちゃってるんですよ。メロディをやんわり変えて。だからちょっと、なかなか…今リリースするのは難しいような話があって。で、森繁さんの…1950年のものでですね、『腰抜け二刀流』という…

H:…気になるタイトル(笑)『腰抜け二挺拳銃(The Paleface)』だよね。

O:まんま、隠す気なし、っていう感じですよね。

H:ボブ・ホープ(Bob Hope)、んー。へぇ、それは…ひょっとすると"ボタンとリボン(Buttons and Bows)"なわけ?

O:そう…だと思いますよ?

H:わかんない?

O:いや、聴いてわかると思います(笑)

H:歌ってるだけね?日本語でね。

O:歌ってます。

H:それは聴きたいですよ。

O:じゃあ、聴いてみましょう。

H:森繁久彌さん。

 

 

腰抜け二刀流 -  森繁久彌轟夕起子

 

 

H:これは"ボタンとリボン"に…似てるけど違う曲だね(笑)

O:似た感じですよね(笑)

H:ちょっと変えてるんだね(笑)やっぱり遠慮してるんだ。

O:50年になると、ちょっとそういう意識が…

H:芽生えてくると…ゆるい時代ですよね。ええ。今、大変ですよ。

O:んー…

H:アメリカは知的所有権、すごいですからね。

O:そうですね。

 

H:さて…きょうはなんか、ヘンな世界にさまよいましたけど。

O:(笑)

H:まだあるの?こういうの。

O:いや、さすがに(笑)

H:じゃあ…なんか、きょうの締めを。なにがいいですか?

O:締めですか…じゃあ、もう、日本語のでいいですかね。岸井明の"唄の世の中"って1936年の録音なんですけど。

H:うん。

O:あの、"Music Goes Round and Round"。

H:あー!

O:…を、日本語でやってるんですけど。これもなかなか、良い、ですよ。

H:よかった。

O:ぜんぶ同じなんですけど…鈴木静一さんという方が、さっきの「悟空」も…編曲がそうなのかな。

H:凝ってたよね。うん。

O:で、いまの森繁さんは、作曲が鈴木静一さん。

H:なるほど…

O:で、今回の"唄の世の中"は編曲が鈴木静一さんです。

H:なるほど。では、それを最後にですね…また来週!

 

 

 

唄の世の中 - 岸井明

 

 

★2019.03.08 α-STATION FM KYOTO「NICE POP RADIO」より

情報量…thanks… 

 

 
澤部:こんばんは、スカートの澤部渡です。京都α-STATION、毎週金曜日午後8時からはNICE POP RADIO。今週もわたくしの選曲とおしゃべりにお付き合い頂ければと思います。 

 71回目の放送でございます。というわけでね、今回はいきなりトークからスタートしましたけれども。今週はゲストに、番組でも時々名前を出しています、臼山田洋オーケストラでおなじみの…音楽ライターの臼杵さん(臼杵成晃)にお越し頂いております。

臼杵:はい、はい。よろしくお願いしまーす。

澤部:(笑)どうもどうもどうも…よろしくお願いします。僕の…多感な十代の頃の師匠が3人いまして。まあ、表の師匠が金剛地武志だとして、裏の師匠がパラダイス・ガラージ豊田道倫だとしたら、心の師匠として臼杵さんがいらっしゃいます(笑)

臼杵:心の中にだけ実在する人間…はい。

澤部:まさかの、実体がなかった…(笑)

臼杵:そうですね(笑)

澤部:そんな臼杵さん…なんだかんだと、ずっと、僕が中学生の頃からDJを拝見していて。

臼杵:はい。

澤部:で、まあ…並々ならぬ影響を受けたという感じでございます(笑)

臼杵:はい(笑)

 

澤部:で、台本に「臼山田洋オーケストラとは?」と書いてあるんですけど…(笑)

臼杵:「とは?」って書いてありますけどね、俺もたぶん、自分で…いま初めて発音するかもしれないぐらいの…「臼山田洋オーケストラ」って、自分で発音する前提で作ってない名前なんで、アレなんですけれども…

澤部:そうっすよね(笑)

臼杵:単に、イベントとかやる時に名前をテキストで入れなきゃいけないから、まあ…なんでもよかったんですよ(笑)

澤部:はいはいはい…

臼杵:で、まあ、「オーケストラ」…イージーリスニングみたいな曲をいっぱいかけることが多かったんで、まあいい名前かな、と思って(笑)オーケストラ付けてみた、っていう、それだけの話ですね。

澤部:なるほどなるほど、そういうことだったんですね。臼杵さんは本業がライターということもあって、出会った頃は「COOKIE SCENE」という雑誌で書いていたりされてましたけど。

臼杵:そうですね。

澤部:今回は『遠い春』というシングルの時にインタビューでもお世話になりました。その節はどうも…

臼杵:その節は…非常にやりにくいんですよね(笑)

澤部:ね、そうそう(笑)

臼杵:ホントにだから…中学の頃の姿を知ってるから…

澤部:(笑)

臼杵:「こんなに大きくなりました」っていう感じでね…非常にやりにくいです。

澤部:初めて…初めてでしたね、後で調べたら。あの取材が。

臼杵:そうそう。ま、なんか立ち会って、様子見て、みたいのはあったけど…やりづらいんですよ。

澤部:(笑)そう、いや、初めてだったんですごいうれしかったっす。

臼杵:いやいや…

natalie.mu

 

澤部:というわけで今週のNICE POP RADIOは番組恒例企画、僕と臼杵さんが聴きたい音楽を交互に選曲するという音楽談義…ですかね?

臼杵:はい。

澤部:で、いまのところ我々、お互いの選曲は知らない状態ということにはなっております。それぞれがお互いに聴かせたい曲を4曲ずつ持ってきております。どんな1時間になるのか、みなさんといっしょに楽しんでいければ、と思っております。

臼杵:はい。

澤部:どんな感じで選んできました?

臼杵:えっとね…とりあえず、いつもDJの時もそうだけど、1時間の出番で8時間ぐらいはやれる、ぐらいの分量を持ってくるわけですよ。

澤部:そうですね(笑)

臼杵:きょうもお構いなしに持ってきちゃって、ついさっき決めた、っていう感じなんで…ちょっとわかんないすね、どうなるもんか。

澤部:ちなみに僕はけっこう、臼杵さんから教えてもらった、ぐらいのものも混ざったりしてます。

臼杵:はい。

澤部:というわけでお互い選んできましたのでお楽しみに~

 

 番組ではみなさんからのメッセージをお待ちしております。α-STATIONのホームページにある"メッセージ"から、番組「NICE POP RADIO」をセレクトしてお送りください。FAXは京都075-344-8940です。Twitterアカウントをお持ちの方はハッシュタグ、カタカナで「#ナイポレ」を付けてつぶやいてください。

 また、この番組はパソコンやスマートフォンでラジオが聴けるIPサイマルラジオRadikoでもお聴き頂けます。スマートフォンからはGoogle PlayやAppStoreからRadikoアプリをダウンロードしてお楽しみください。有料サービスのRadikoプレミアムを利用しますと全国どこでもα-STATIONをお楽しみ頂けます。詳しくはα-STATIONのホームページ、またはRadikoのホームページをご覧ください。  

 そして、京都のレコードショップJET SET KYOTOのお店にNICE POP RADIOのコーナーも作って頂いています。番組で紹介したレコードも展開されていますので、ぜひチェックしてみてください。    

 

 それでは早速1曲目、をお送りしたいんですけども…こちらも恒例、先攻後攻をジャンケンで決めようと思います。

臼杵:はいはい。

澤部:というわけで、早速…最初はグー、ジャンケンポイ。

SE:勝者、澤部渡

澤部:はい。僕は…後攻でいいでしょうか?

臼杵:おお…じゃあ先攻ですね(笑)これはラップバトル的に…先攻後攻あるのかしら。

澤部:どっちが有利か、ちょっとまだわからないんですけども…(笑)

臼杵:わかんないけど、じゃあ先攻でいきます。

澤部:はい。

臼杵:とりあえず、1曲目に関してはですね、澤部くんが中学生、高校生の頃に通っていたイベントが…yes,mama ok?の金剛地さんといっしょにやっていたイベントがありまして。青い部屋で。そのときに…金剛地さんともうひとり、シトロバルCITROBAL)というシンガーが…この番組でもかけたことありますよね。

澤部:そうですね、ありますあります!

臼杵シトロバルという女性シンガーがいまして…おそろしく才能のあるシンガーなんですが、いまは素潜りのほうの才能を発揮していて…

澤部:そうそう(笑)

臼杵:音楽活動をほとんどやってないんですけれども…

澤部:ね、もったいないっすよね。

臼杵:そう…ホント、この人がいたら、いまシティ・ポップみたいなこと言ってる人たち、みんな田舎に帰んなきゃいけないぐらい、本当にすばらしい才能の持ち主なんで…もったいないと思うんですけども。

澤部:(笑)そうですね。

臼杵:まあ、そういう、ちょっと関係性的なことを考えて選んだやつですね。シトロバルというアーティストの1stアルバムの1曲目の曲を、かけて頂きたいなと思います。シトロバルで"Youth (警戒線突破)"。

 

  

Youth (警戒線突破) - CITROBAL
 (from 『MY CAUTION LINE』)
 

 

[CM]

 

澤部:京都α-STATIONからお送りしておりますNICE POP RADIO。お相手はスカートの澤部渡と…

臼杵:はい、臼山田洋オーケストラ…(笑)

澤部:(笑)

臼杵:はい(笑)

澤部:すごいっすね(笑)まさか、一日に何度も…

臼杵:こんなに言う日が来るとは思いませんでしたけど。

澤部:まあ、というわけで、臼杵さんと2人でお送りしております。今週のナイポレは我々が持ってきた音楽を交互にお届けしながら、いろんな話をしていきたいと思っております。CMの前にお送りしましたのは…シトロバルで"Youth"ですよね。

臼杵:はい。

澤部:『MY CAUTION LINE』というね、1stの1曲目でございました。

臼杵:すばらしいですね。やっぱりいいですね。で、ベースは誰が聴いても沖井礼二(笑)

澤部:ね、そうそうそう…(笑)ギターはジェットラグ(JET LAG)の人でしたね。そうだそうだ…いや、すごい。なんていうか、いい曲がちょっとビザールな音像で残るっていうのはやっぱ最高ですよね。

臼杵:そうですね。

澤部:シュガーベイブSUGAR BABE)とかもそうですけど、それを改めて実感しますね…最高でした。

citrobal.com

 

臼杵:これはどんどん、次々いく感じなんですかね?

澤部:次いきます?

臼杵:後攻の人…

澤部:じゃあ次いきますか。僕、どうしようかな、と思って…レコードいろいろ買って…メル・トーメMel Torme)すごい好きで。

臼杵:はいはいはい。

澤部:で、きょう臼杵さん来るからこのアルバムからちょっと1曲かけられたら、と思って。"The Music Goes Round and Round"という曲を。まあ、まずは1曲聴いてもらいましょうか。メル・トーメで"The Music Goes Round and Round"。

 

  

The Music Goes Round and Round - Mel Torme
 (from 『The Music Goes Round』)
 
 
 

澤部:聴いてもらいましたのはメル・トーメで"The Music Goes Round and Round"という曲でございました。

臼杵:最高。

澤部:ホントに最高。

臼杵:これまさに…澤部くんが中学生の時に通ってた青い部屋のイベントで僕、かけてたやつですね。で、レコードをかけてて、「これなんですか?」ってブースのとこに訊きに来る人たちっていうのがいるわけですよ。まあ、その内の一人が澤部くんで。

澤部:(笑)

臼杵:ちょいちょい、この辺おもしろいんだよな、と思って自分で思ってかけてるやつに必ず食いついてくる太った青年がいるっていう(笑)

澤部:そうそうそう(笑)なんかね、やっぱこう、なんだろう…聴いたことがない音楽が次々かかるんですよ。で、それがホントに楽しくて…多感な時期ですから、14、15、16歳の頃だったんで。とにかく毎回楽しみでしたね。で、けっこうこの番組でも、臼杵さんに教えてもらった曲ってめちゃくちゃかけてて。

臼杵:はいはい。

澤部:"カリキュラマシーンのテーマ"とかもかけましたし…そう、なんかいろいろね、あるんですよ。まあ、これもその内の一つなんですけど。当時、これがメル・トーメだってことを聞いて、すっかり忘れたまま大人になってるんですよ。で、ある時レコ屋で…もともとメル・トーメは好きだったんで…

臼杵:そうっすよね、集めてた。

澤部:で、ばったり出会って、戻ってきた、みたいな…(笑)

臼杵:いわゆる、他の普通のジャズアルバムとはちょっと違うノリの…

澤部:ちょっとね、ロック…とまではいかないんだけれども、なんかそういうノリがあって。

臼杵:そうっすね。

澤部:やっぱり、60年代末期ってそういう人多いじゃないですか。50年代がんばったけど、ビートルズの人たちに…あの辺の波にさらわれちゃって…そうならざるを得なかった、みたいな。その辺の音像、すっごい好きなんですよ。

臼杵:うんうん、わかります。

澤部:たぶん、その…その頃の音像が好きだ、っつうのも僕の15歳前後で培われたものなんだろうな、と思っております(笑)

臼杵:なるほど。

 

澤部:はい、じゃあ次、どうでしょう。

臼杵:じゃあ次、先攻2番目ですね。えーと…僕、レコード買うけど、なんせ知識で集めてるわけではない…よくわかんねぇレコードを買う、っていう姿勢でいるので、読めないレコードが多いんですよ(笑)

澤部:はい。

臼杵:で、これも…正式な読み方がよくわからないです(笑)えーとね、ボビー・ばい…Byrneと書いてなんて読むのかわからないですけど…(笑)

澤部:なんだろう…

臼杵:なんか、まあ、イージーリスニングのレコードなんですけど…いろんな、当時人気のある曲をイージーリスニングでカヴァーしてるというやつで。その中の1曲をかけて頂きましょう。えーと、ボビー・べ…(笑)で、"Barbarella"。

 

  

Barbarella - Bobby Byrne
 (from 『Shades Of Brass』)
 
 
 

澤部:はい…

臼杵:ってことで…これデヴィッド・バーンDavid Byrne)のByrneじゃないか、というお話があり、ボビー・バーン(Bobby Byrne)なんではないか、という…いつも「金色のやつ」くらいにしか思ってないので(笑)

澤部:そうですね(笑)

臼杵:「金色のやつ」の"Barbarella"と思ってたので…ボビー・バーンと読むっぽいですね、どうやら。

澤部:の、"Barbarella"を。いや、最高ですよ。

臼杵:まあ、イージーリスニングも1968、69年ぐらいになるとビートルズ以降の…ドラムが派手になるイージーリスニングっていうのがどっと増えてきて、ぜんぜん「イージー」じゃない(笑)

澤部:そうですね。

臼杵:そういうのがイージーリスニングで出てくるのがおもしろくて、その辺のレコードをいっぱい買っている、という感じで…あとは、「バカラックBurt Bacharach)のこの曲があったら買う」とか。そういう…曲で買えばだいたい合ってる。「"Up Up And Away"が入ってるとだいたいこういうレコードだろう」、みたいな。あたりをつけて買う、という中の一つですね。

澤部:なるほどね…そう、僕たぶん、これとかも高校生の時とかに聴いてて、アナログシンセってこんなに良いんだ、って思った憶えがあります。そこでなんか、また一つ性癖が…(笑)できた気がしますね。これ、探して買いましたもん、やっぱり。最高な1枚ですよね。

 

 

臼杵:そして、後攻…

澤部:後攻、そうですね…僕、これは絶対、当時聴いてぶち上がって買ったやつなんですけど。ゴールデン・ハーフの"マンボ・バカン"(笑)

臼杵:キラーチューンですね(笑)

澤部:もう、最っ高で…いま聴いてもテンション上がりますね。まあちょっと1回聴いてもらいましょうか。ゴールデン・ハーフで"マンボ・バカン"。

 

  

マンボ・バカン - ゴールデン・ハーフ

 

 

澤部:というわけでね、聴いてもらってますのはゴールデン・ハーフの"マンボ・バカン"。最っ高(笑)

臼杵:(笑)まあね…和モノみたいなものが90年代流行ってて。高いレコードがいっぱいある中で、この辺なんて100円とか。高くても500円とかそのぐらいのやつで。まあ、ね…ゴキゲンな…(笑)

澤部:そうそうそうそう。ゴキゲンだし、もうホンっトに…終始なに言ってるかわからないし…とにかく陽気だってことだけが伝わってくる、っていうのがね、やっぱりいい…最高。

臼杵:そうね。うんうん。

澤部:でもなんか、こう、マンボマンボマンボマンボ…みたいな上がり方もするし。かなりね、この曲大好きなんです。

臼杵:はい、最高でした(笑)

澤部:(笑)というわけで、今週のナイポレはこのまま引き続き、臼山田洋オーケストラこと臼杵さんとお送りしていきます。ここでいったんコマーシャル。

 

[CM]

 

澤部:京都α-STATIONからスカートの澤部渡がお送りしておりますNICE POP RADIO。引き続き、今夜のゲストは臼山田洋オーケストラさんでございます。

臼杵:はい、よろしくお願いします。

澤部:はい。今週は僕たち2人の選曲でお送りしておりますが。ま、ここで小休止を挟みまして…臼杵さんがいったいなんなのか(笑)どういうことをやられているのか、というのを簡単にご紹介しようかと思っております。

臼杵:はい。

澤部:さっきも…時々話に出てる、イベントをちょいちょいやってらして。で、僕が中高の時は「セミフォーマル・ステークス」というイベントを、渋谷にあった青い部屋でやってらして。

臼杵:はい。

澤部:で、それ以降も「涙」っていうイベントだったり、「午前3時のあなた」っていうイベントだったり。あとは「MUSIC IS ENOUGH」、かな?というイベントを手がけてらっしゃいます。

臼杵:そうですね。まあ、なんか、夜中に…僕らは別にクラブで踊りたいわけじゃないから…良い音で良い曲聴きたいだけなんで、「普通にクラブで泣いていいんじゃない?」っていう感じのしみったれた曲をかけられるイベントっていうのを、自分でやればやれるんだ、と思って。自分がそこにいたいからやり始めた、みたいのが…2000年代、2003、04、05年あたりとか。それぐらいですか。あの辺の時期にやってて。

澤部:そうですね…星野源さんも輩出した名門イベントですからね(笑)

臼杵:こないだmixi掘り起こしてみたら、当時の写真出てきてビックリしましたね。星野くん…(笑)

澤部:モナレコードでギター抱えて…(笑)

臼杵:そうそうそう…

澤部:「まさか星野さんが歌うとは!」みたいな感じの時期でしたよね、あの頃は。そう、臼杵さんは音楽ライターとしてもいろいろな仕事があるんですけど、やっぱり表立って言うべきなのはSAKEROCKの『YUTA』の再発のライナーを書かれてる…

臼杵:そうっすね…なんか、たまたまモナ、じゃない…青い部屋でいろいろやってた時に、戸川さん(戸川昌子)…「越路吹雪ナイト」っていうのがあって、それにSAKEROCKが戸川さんのバックで出てて…

[*江戸川乱歩賞作家でありシャンソン歌手であり、青い部屋のオーナー]

澤部:はー…

臼杵:それは別の…ソワレ(Soirée)さんというシャンソンシンガーの…あの方のアレンジをやったんですよ。宅録で。

澤部:えー!すげぇ…

臼杵:そう。それでたまたまいて…で、観てたらSAKEROCKの、戸川さんのバックをやってた演奏がすばらしくて。「なんか音源ない?」ってその場で訊いて(笑)で、それがいちばん最初に作ったCD-Rだったんですよね。『YUTA』以前の。そういうので、気が合って…で、たまたま近所に住んでたんで…みたいな。そんなことがありましたね。

澤部:すごい…そう。だから、臼杵さん自身も前に「「バカに見つかる」の対義語は「松永良平に見つかる」」って言ってらっしゃいましたけど。

臼杵:(笑)

澤部:臼杵さんもわりとそういうところがあるというか…やっぱり、アンテナの角度が他の人とは違うんだろうなぁ、と思って…見てます(笑)

臼杵:そ、そうですか…(笑)

www.soiree.in

 

www.cinra.net

 

 

 

澤部:じゃあ…それでは、選曲のほうに戻りましょうか。次は臼杵さんの番ですね。

臼杵:僕ですね。えーと、またちょっと読めないタイプのやつなんですけど(笑)ここ最近、ここ1,2年ぐらい自分の中でブームになってた…僕らの中では「クリュッグおじさん」と呼んでるんですけど。

澤部:そうですね。

臼杵:これ、マンフレッド・クリューグと読むのかクリュッグと読むのか…ドイツ人のおじさんですね。まあ、レコードマニアみたいな人たちの中でも人気のあるレコードだったみたいなんですけど、僕はよく知らなくて。

澤部:うん、僕も臼杵さんから知って、こんなに良いんだって思いましたね。

臼杵:1曲だけコンピに入ってたんですよね。当時、90年代に出たドイツ人の音楽を集めたコンピみたいなやつ。それがすばらしく良くって。で、その曲が入っているアルバムだった、というので聴いてみたら全曲最高だったということで…

澤部:はー…

臼杵:で、その人の…まあ、そのコンピにも入ってた曲を、キャッチーなので選びました。えーとですね…これは、曲名がドイツ語なので読み方わかんないです(笑)マンフレッド・クリュッグの…なんだかちょっとわからないです。

澤部:(笑)調べても出てこなそうですもんね~

臼杵:まあ、えーと…マンフレッド・クリュッグさんの曲を聴いてください(笑)

 

  

Wenn Der Urlaub Kommt - Manfred Krug / Günther Fischer-Quintett
 (from 『No. 4: Du Bist Heute Wie Neu』)
 
 
 

臼杵:これ、すばらしい音像…

澤部:ねー。

臼杵:これあの、1976年ぐらいだと思うんですけど、日本だと"パタパタママ"とか"ホネホネロック"とか、あの辺の時期の音とすごいシンクロしてる…

澤部:あー!そうですね。

臼杵:非常に近い音。

澤部:最高。マジで良い…

臼杵:最高なんですよ。これ、ただ、いっしょにDJとかもやってる音楽家の吉田哲人さんがドイツでかけたら、このおじさん…向こうでは有名なタレントさんらしいんだけど、歌詞はものすごい…えげつないぐらいエロいことを歌ってるらしいっていう…(笑)この人のレコードは。

澤部:へー!そうなんだ…

臼杵:ドイツ人が聴くと笑っちゃうレコードらしいです。

澤部:そういう時、やっぱ、こう…言語の壁があってよかったな、ってちょっと思いますよね(笑)

臼杵:ちょっと、かけちゃいけないぐらいのことをよく歌ってるおじさんらしいです。

澤部:へー!すげぇな…こんな、めちゃくちゃ良いのにね(笑)

臼杵:はい、という感じでした。

 

 

澤部:じゃあ、次わたくしなんですけど…

臼杵:はい。

澤部:ちょっと1曲…まあ、変化球、でもないんですけど。僕、何年か前にすごいCHAGE and ASKAにハマっちゃって。

臼杵:はいはい。

澤部:で、本格的にハマるきっかけになった1曲っつうのがあるんで、それを聴いてほしいっす。2007年に出た、チャゲアス名義では最後のアルバムなんですけど、今のところは。それの1曲目の"パパラッチはどっち"って曲を。

 

  

パパラッチはどっち - CHAGE and ASKA
 (from 『DOUBLE』)
 
 
 
澤部:というわけでね。これがCHAGE and ASKAの"パパラッチはどっち"っていう曲…

臼杵:これはすぐに買います。

澤部:(笑)

臼杵:完全にソフトロックというか…ビートルズというか、ニルソン(Harry Nilsson)というか…すばらしいですね。

澤部:ね。めちゃくちゃ良い…ただアルバム全部がこの音像っていうわけじゃないんですけど、ちょっとこの曲は異常ですね…

臼杵:異常に良いですね。これはくやしい(笑)

澤部:(笑)いやー、うれしいなぁ。よかった…キンモクセイのプロデュースとかもやってた澤近さん(澤近泰輔)っていう人がアレンジをやってて。まあでも、[チャゲアスが]いちばん売れてる頃のアレンジとかもこの人やってるんですけど、なんか、急にこっちに振るんですよ。それがめちゃくちゃおもしろくって。

臼杵:こういうのを見つけた時の感動がたまらない(笑)

澤部:そうそうそう(笑)「こんなところにいたのか!」みたいなね。

臼杵:そうね。んー。

澤部:なんかやっぱり、この瞬間のために音楽聴いてる、みたいな感じありますよね。

臼杵:なるほど…

 

澤部:じゃあ次いきましょうか。

臼杵:はいはいはい。これがまあ、対決的には最後な感じですか?

澤部:そうですね。

臼杵:これも、まあ、せっかく…「臼山田洋オーケストラ」なんで、イージーリスニングの中の一つを選ぼうかと思います。

澤部:はい。

臼杵:えーと…バカラックの曲って山ほど、イージーリスニングではカヴァーされてるんですけど、その中でも「この曲とこの曲が入ってたらとりあえず買う」みたいなのがあって。僕はその中でも"Close To You"が入ってる盤は必ず買う。

澤部:あー、はいはいはい。

臼杵:基本的にはバラードだから、バラードが多いんですけど、たまにぜんぜん違うアレンジになってるものとかあって。「ヘンなアレンジのバカラック」みたいのを探しだすと止まらなくなる、みたいのがあって。これもちょっとですね…スカイメーカーズという、グループなのかなんなのか、このレコードもよくわからないんですけれども。その中の…ごめんなさい、スカイマスターズ(The Skymasters)ですね。スカイマスターズという…これはバンドなんでしょうか。よくわかりません(笑)その中の"Close To You"を最後に…

 

  

Close To You - The Skymasters
 (from 『Skymasters Now!』)
 
 
 

澤部:すげぇ…めちゃくちゃいいですね、これ。

臼杵:ヘンなバカラックのコーナーで、おしまいです(笑)

澤部:すご…え、なんでしょうね、これ。最初はわりとドスの効いた感じじゃないすか。そこからまさか、あんなワルツの軽やかな感じになるとは。えー、めちゃくちゃ良い…

臼杵:まあ、単純に"Close To You"が好きなので、はずれてもうれしい…なんでもいいから聴きたい、みたいな。

澤部:すごいっすね…え、これ、ある程度値段のするものだったりするんですか?

臼杵:いや、そんなに高いもの買わないので、これは…ボロボロだし、いくらだったんだろう。まあ、1,000円ぐらいのやつですよ。

 

 

澤部:すげぇ…めちゃくちゃ良かったっすね。

臼杵:はい、という感じでした。じゃあ、最後…

澤部:そうっすね。ぼく、最後、ホントは…うーん、どうしようと思ったんすけど、臼杵さんが当時DJでサディスティック・ミカ・バンドかけてて。

臼杵:はいはい。

澤部:それもけっこう、自分の中ではデカかったんですよ。で、その時聴いた"塀までひとっとび"は、もうかけちゃったんで…(笑)

臼杵:はいはいはいはい。

澤部:ちょっときょうは"どんたく"を聴いてもらおうかな、と…

臼杵:おー、はいはいはい。

澤部:こっちもすっごい好きなんで…はい、じゃあ聴いてもらいましょう。サディスティック・ミカ・バンドで"どんたく"という曲です。

 

  

 (from 『黒船』)
 
 
 
(ジングル)
 

   

君がいるなら - スカート
 (from 『君がいるなら』)
 
 
 
 
澤部:京都α-STATIONからスカートの澤部渡がお送りして参りましたNICE POP RADIO。番組はそろそろお別れのお時間となってしまいました。いやー、ありがとうございました。

臼杵:はい、ありがとうございます。

澤部:いや、めちゃくちゃ楽しかったっす。やっぱりなんていうか、こう…音楽を聴くのは楽しいな、っつうので…(笑)

臼杵:(笑)いや、ホントにちょっとね、さっきのチャゲアスがもう…今すぐレコ屋に行きたいぐらいの衝撃を受けているので…

澤部:(笑)そう、けっこういいんすよ。2000年以降のチャゲアス、わりとああいうコテコテの音じゃ無くなってくんですよ。それがね、良いっすよ。

臼杵:いやー、あれはちょっとそわそわしますね。

澤部:(笑)うわー、やったー。めっちゃうれしい。ありがとうございます。ま、というわけで臼杵さん、来週もね、来て頂いて、いろいろお話を…

臼杵:はい。

澤部:またこういう感じで、音楽聴きながら、という感じでやらしてもらいます。

 

 じゃあ、スカートからいくつかお知らせでございます。ニューシングル『君がいるなら』、アナログ『20/20』好評発売中でございます。アルバム『CALL』以降の作品のサブスク配信も始まっておりますので、そちらもよろしくお願いします。

 ライヴがいくつか。3/21(木・祝)、神戸の蘇州園で開催のイベント「御影ロマンス 2019」に出演。3/22(金)は沖縄那覇Outputでアナログフィッシュの20周年のイベントに出演します。3/31(日)は大阪味園ユニバースで開催のイベント「CHOICE VOl.18」にバンドで出演します。よろしくお願いします。

 そして、7/26・27・28と開催されるFUJI ROCK FESTIVALにですね、スカート、出演することが決まりました。

臼杵:なんとまあ。

澤部:ね。なんとまあですよね(笑)

臼杵:うん。

澤部:うれしいっす。ぜひ遊びに来てください。詳しくはスカートのWebサイトをチェックしてください。

 

 NICE POP RADIOではメッセージをお待ちしております。α-STATIONのホームページにある"メッセージ"から番組「NICE POP RADIO」をセレクトしてお送りください。FAXは京都075-344-8940です。Twitterアカウントをお持ちの方はハッシュタグ、カタカナで「#ナイポレ」を付けてつぶやいてください。番組の感想やわたくしへのメッセージ、選曲テーマやカヴァーのリクエストなどもお待ちしております。

 

 えー、そして、先ほど言いましたけれども来週も臼杵さんに来てもらいまして…

臼杵:はい。

澤部:「渋谷系の文脈以外の人が作った、90年代の渋谷系っぽい音楽」を、特集で聴いていく、と…(笑)

臼杵:そうっすね。まあ、これがやりたくて来たようなもんなんで(笑)

澤部:うれしいっすね…さっき、いろいろ選盤してるとこ見てたんすけど、もういまから楽しみでしょうがないっす(笑)

臼杵:(笑)

澤部:まあ、そういう…音楽を聴きながら話しつつ、みたいにやれたらと思いますんで来週もよろしくお願いします。

臼杵:お願いします。

 

澤部:えー、ということで今週最後はですね、臼杵さんにスカートの曲を選んでもらいました。どの曲になるんでしょうか。ちょっと、恥ずかしいんですけれども…(笑)

臼杵:(笑)えーと、一応説明をした方がいいですかね。まあ、澤部青年がイベントに来てたことがあって、その後、「スカート」として動き出す前の学生時代にmixiの様子を見てて、こじらせちゃってんなー、と思って。

澤部:そうですねー…

臼杵:コイツはもうダメだ、と思って見てたんですよ(笑)で、見てる中で…宅録でやったやつをたまに上げたりしてるのをたまたま聴いたら、「あれ?才能ある?」ってちょっとビックリした曲があって(笑)

澤部:(笑)

臼杵:それまで、だから俺、どっちかって言うと「もう、この子はいいや」って思ってたぐらい、こじれまくっちゃってたから…そう思ってたんだけど、ビックリして。これすごい良いな、ってレスを返した憶えがある…そんな曲を選びました。

澤部:ありがとうございます…

臼杵:"百万年のピクニック"。

澤部:あー、うれしい…NICE POP RADIO、この時間のお相手はスカートの澤部渡と…

臼杵:臼山田洋オーケストラ…(笑)

澤部:の、2人でお送りしました。また来週~

 

 

 

百万年のピクニック - スカート
 (from 『ひみつ』)
 

 

 

☆2019.03.05 ニッポン放送「星野源のオールナイトニッポン」より(抜粋)

細野さん出演部分(00:13:20~01:20:25)より抜粋…怒られたら消します………怒らないで………

 

 

・・・

 

星野:さあ、星野源オールナイトニッポンをお送りしております。それではここで、スペシャルゲストをご紹介しましょう。細野晴臣さんです!

細野:はい、こんにちは。

星野:こんにちは、よろしくお願いします~すみません、お疲れのところを…いろいろとね、ライヴもあると思いますし。

細野:いやいやいや、大丈夫です。

星野:ちょうど、日が明けて…放送される頃にはアルバムもリリースされているということですよね。

細野:出ちゃうね、そうなんだよ。持ってきましたよ。

星野:ありがとうございます、やったー!

細野:アナログとCDだよ。ホヤホヤ。

星野:うれしい~ホヤホヤですね。

細野:僕もきょう初めて見て。

星野:え、ホントですか(笑)

細野:うん、そうなのよ。

星野:そうですよね、ビクターってそういうところありますよね(笑)

細野:そうそう(笑)

星野:僕もそうなんですけど…当日に[初めて]見るみたいなのはけっこう僕もね、体験しております。

細野:誰か知らない人が持ってたりするんだけどね。先に。

星野:そうなんですよね。まあ、お客様優先というのはあるかもしれないんですけど。

細野:そうそう。うん。

星野:いやー、うれしいっす。アナログ…僕もアナログは注文したんですけど。

細野:本当?ありがとう。

星野:既にちょっと、プレミア価格になってしまっている感じが…たぶん、明日ぐらいには届いていると思います。

細野:そうらしいね。なんでそんなことになっちゃうのかね。

星野:しょうがないですよね、でも。あ、ちょっと開けていいですか?

細野:いいよ。

星野:すみません…僕も完成品は、いま初めて…

細野:僕も開けてない、見てないんだよね。

星野:あ、いいんですかそれ?(笑)

細野:いいよいいよ(笑)人さま優先で。

星野:ありがとうございます…そうなんですよね、本日、ソロデビューアルバムを新構築した『HOCHONO HOUSE』というアルバムが発売になりました。おめでとうございます!

細野:ホチョノハウス…(笑)ありがとうございます。

星野:えーとですね…ああ、素敵、素敵ですねぇ…ラジオで、素敵ですねとしか言えてないですけど…(笑)

細野:伝わんないよね(笑)

星野:とにかくすばらしい…あ、解説も書かれてるんですね、1曲1曲に。

細野:そうなんです。もう、毎回。

星野:すばらしい…ぜひみなさん、盤を買った方はお楽しみにしていてください。

細野:ぜひぜひ。はい。

 

星野:そんなわけで…このアルバムを改めて…僕はTVBros.という雑誌で毎月連載をさせて頂いておりますが…

細野:やってますよね。ついこないだも。うん。

[*2007年から続く細野x星野の連載対談「地平線の相談」。]

星野:そこでもお話して、ちょっと重複するところがあるかもしれませんが…

細野:もちろん、大丈夫です。

星野:お願いします。このアルバム、『HOCHONO HOUSE』。改めまして、本当にすばらしいアルバムでした。大好きです。

細野:ありがとう。そう言ってくれるのがいちばんうれしいよ。

星野:最高です。本当に最高…メールでも書かせて頂きましたけれども。

細野:あのね、感動的なメールでした。

星野:あ、そうですか。ありがとうございます。

細野:ちゃんと聴いてくれてるな、っていう。

星野:いや、もう…僕の周りも、いわゆるマツゲンさん(松元直樹)というね、ビクターの会社の…同じ担当の方とか。僕の周りのミュージシャンも含め、たいへん盛り上がっておりまして。すごい作品だ、と…

細野:ホント?あんまりそういう…知らなかったな。

星野:僕は…メールでも送らせて頂いたのは、ずっと細野さんは年代を遡って…昔の音楽のスタイルとか、細野さんが小さい頃に聴かれていたような音楽だったり。

細野:そうそう。最近ね、ずっとそういうことをやってた。

星野:ずっと遡っていかれている印象があって。その、古いものの中に新しいものとか、音楽の輝きみたいなものを見出しているような感じがしたんですけども。

細野:うん。そうなんです。

星野:このアルバムを聴いて…1stアルバムの『HOSONO HOUSE』っていうものを全曲、おひとりで録り直すという企画だったと思うんですけど。

細野:はい。

星野:昔のアルバムを再構築しているのに、しかも、ここのところ細野さんはずっと年代を遡っていかれてたのに、急に未来にポンッと出てしまったような。

細野:未来に(笑)

星野:タイムスリップして過去に戻っていったら、いつの間にか未来に出てた、みたいな。そんな感じがしてて。

細野:あー、それはなんとなくわかるわ。んー。自分でもね、曲順を[オリジナルと]正反対にしたりね。

星野:あ、そうなんですよね。曲順がいちばん後ろから遡っていく構成になっていて。

細野:だからね、[自分自身が]逆転しているんじゃないか、って。だんだん、赤ちゃんになっちゃう(笑)

星野:なるほど(笑)なんか、『2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)』をなんとなく彷彿とさせるような…

細野:なるほど、ちょっと言い過ぎだけどね(笑)

星野:でも、それぐらい、なんて言うんですかね…「今の音楽のトレンド」みたいなものもあるとは思うんですけど、それの先にポンッと、細野さんが出ていかれたような感じがして。

細野:だとしたら…いやー、うれしいですけどね。

星野:本当にすばらしいアルバムだったと思います。

細野:悩んで作ったんですけどね。んー。

星野:でも、なんだか…途中経過というか、僕は"CHOO CHOO ガタゴト"を…

細野:そう、聴かせて…1曲聴いてもらって。

星野:まだ完成前のを取材のときに…去年の夏頃だったような気がする、9月ぐらいでしたっけ。に、聴かせて頂いて。

細野:わりと早くできてたからね。んー。

星野:それですごい興奮して(笑)

細野:興奮してた、あの日。

星野:それの時点で、これはちょっとおもしろい、っていうか、すごいことになりそうだな、と思った予想をまた、さらに超えて…しかもずっとおひとりで作業されてるって聞いたので。

細野:あれから大変だったんだよ…

星野:大変だったんだろうな、と(笑)追い込まれたんだろうなぁ、と。

細野:うん、追い込まれた…はい。

星野:で、僕もアルバムを作っていたので…

細野:そうだよ、同時期にね。やってたよね。

星野:同時期に追い込んでいたけど、おひとりで作られたっていうのが尚更、大変だったのだろうなぁ、と。

細野:まあね。バンドでやろうかな、とも思ったけど、あまりにもラク過ぎるんで(笑)

星野:(笑)

細野:すぐできちゃうからね(笑)

星野:もう熟練というか、いつもいっしょにやられているバンドですもんね。なので、アプローチも違くて。それがまた、聴いたことのないサウンドになっていて。

細野:あー、そうですか…うれしいです。

 

星野:まずじゃあ1曲、聴かせて頂いてもよろしいでしょうか?

細野:ぜひぜひ。

星野:じゃあなんとなく…僕言っちゃっても大丈夫ですか?

細野:いいよ~

星野:やさしい(笑)

細野:(笑)

星野:それでは本日発売になりました細野晴臣さんのニューアルバム『HOCHONO HOUSE』から、細野晴臣さんで"住所不定無職低収入"。

 

 

住所不定無職低収入 - 細野晴臣
 (from 『HOCHONO HOUSE』)
 
 

星野:お送りしたのは細野晴臣さんで"住所不定無職低収入"でした。

細野:はい。

星野:いまちょっと2人で、新しい『HOCHONO HOUSE』のアナログ盤のにおいを嗅いでいました。

細野:ジャケットのね(笑)

星野:あんまりしないですね、におい。

細野:そう、最近の紙はにおわないんだね。昔、すごいにおったんだよ。いい香りがしたの。

星野:実はきょう、僕が20歳のときに中野の中古レコード屋さんで買った…

細野:あれ?

星野:オリジナルの『HOSONO HOUSE』のアナログ盤を持ってきましたよ。

細野:すごい。20歳のとき?

星野:だから…19年ぐらい前ですかね。これ、においするかな…

細野:(笑)

星野:古いので、するかもしれない…

細野:ちょっと嗅がせて頂きます…

星野:嗅いでます、細野さんが…(笑)

細野:あー、なんか、するね(笑)

星野:します?(笑)よかった。僕これ当時、めちゃくちゃバイトして買いました。もうプレミア価格だったんで。オリジナルのなんでちゃんとケースも…ベルウッドの紙の[スリーブ]。

細野:いいね。オリジナルだよ。

星野:で、冊子も…歌詞カードも小っちゃいやつで。擦り切れるほど聴かせて頂きました。

細野:そうですか。

星野:なので、僕もすごく大好きなアルバムなんですけど…で、さらにそれを再構築するということで、どんなものになるんだろう、と、すごくワクワクしてたんですけど。

細野:ね。自分でも、どんなものになるのかわかんないまま作ってましたよ。

 

星野:これ、キッカケってなんだったんですか?って、僕ちょっと知ってるんですけど(笑)

細野:知ってるでしょ?(笑)

星野:改めて説明をしてもらってもいいですか?

細野:最近、なんか、出回ってる話は、never young beachの安部くん(安部勇磨)…(笑)

星野:安部ちゃん。

細野:彼が、僕にそういうことを言った、と。ま、たしかにそういうことはあったんだよね。だから、彼の所為にしてるんだけど(笑)

星野:(笑)

細野:自分でも自覚してるみたいで…そういう写真が、撮られてたけどね。

星野:あー、なんか、持ち比べてる、みたいな。両方の作品を。

headlines.yahoo.co.jp

 

星野:安部ちゃん…僕がJ-WAVEでラジオをやったときに、僕の入り待ちをしてくれてて。

細野:あ、そう。

星野:彼も収録があったらしくて。で、行ったら、胸にCDを当てて待ってて(笑)

細野:わー、ファンだね(笑)

星野:で、「ファンです!すごい好きです!」って言ってくれて、そっから友達になったんですけど。

細野:それはいい出会いだね。

星野:そうなんです。それでごはんに行ったりとかして。で、細野さんの話とかして。[安部は]ホントに細野さんのことが大好きで。で、僕も大好きで…っていうところで盛り上がって。で、「そういうお話をしたんです」みたいなことを言ってました。

細野:なるほどね。たしかにそうなんだけど。でも実際は…実際はっていうとアレだけど。忘れてることもあって。

星野:うんうん。

細野:10年ぐらい前に…なんかの取材で僕、しゃべってるんだよね。そう言われたの。

星野:「やりませんか?」って言われたんですか?

細野:じゃなくて自分で、「作り直すかもしれない」って。

星野:へー!

細野:なにを…なんでそんなこと言ったのか知らないけど(笑)あと、このオリジナルのアルバム作った時のエンジニアの吉野金次さん。

星野:はい。

細野:吉野さんからも言われてるのを思い出したんだよ。「作ったらいいんじゃないですか」って…「作ってください」って言われたんだ。ずいぶん前ね。

星野:リメイクっていうことを?

細野:そう。だから、そういうことをぜんぶ忘れてて。いま憶えてるのは安部くんの…(笑)

星野:(笑)じゃあちょっと、無意識的に蓄積はされてたのかもしれないですね。トリガーになったのが安部ちゃんだったのかもしれないですね。

細野:[取材を受けた当時]なんでそう思ってのか、自分でもわからないんだけど…思い残すことがあったのかな。わかんないけど。

星野:なるほど。じゃあ、そんな『HOCHONO HOUSE』のお話と曲を、きょうはたくさんかけていきたいと思います。

細野:はい。ぜひぜひ。

星野:いったんCMにさせて頂きます。

 

(JX金属のCM)

 

星野:星野源オールナイトニッポン、今夜のゲストは細野晴臣さんです。よろしくお願いします。

細野:はい、お邪魔してます。

星野:えー、明けてきょう発売、細野晴臣さんの最新アルバム『HOCHONO HOUSE』のお話を伺っていこうと思いますが…改めて、このアルバムはですね、1973年にリリースされたソロ・デビューアルバム『HOSONO HOUSE』を新構築した作品、と。

細野:もう半世紀前ですね。

星野:すごいっすね…おいくつですか?このときって。20代?

細野:20代前半…まあ24,25かな。

星野:そのときの作品をいま…おいくつでしたっけ?

細野:71。今年で72になるよ。

星野:おめでとうございます。

細野:でも加山雄三さんには負ける。

星野:負けるって、なにがですか?(笑)

細野:いやー、もう、勝ち負けだから…(笑)

星野:まあでもパワフルですよね、加山さんって。

細野:すごい。んー。

星野:そんな『HOSONO HOUSE』と収録曲順が真逆となっておりまして、全曲歌唱・演奏・プログラミング・エンジニアリング、すべて細野さんが手がけているという。

細野:まあ、ぜんぶひとりでやってるから、しょうがない(笑)

星野:すごいなぁ…メール来ております。20歳・男性・大阪・ラジオネーム:茹でた孫。「細野さんの新作『HOCHONO HOUSE』は『HOSONO HOUSE』と曲順が真逆になっていますが、どうしてこの順になったのでしょうか。」

細野:どうして、か。んー…おんなじでもよかったんだけど。オリジナルの1曲目は"ろっかばいまいべいびい"っていう曲で始まってるんですけど。

星野:はい。

細野:どうしてもそこから始めたくなかったんだよね。なんでだかね。理由はあんまりないんだけど。いちばん最後にそれを持っていきたかったんで、必然的に…それを最後にする場合、逆になればいいな、と。思いついただけなの。

星野:いちばん合理的な、気持ちのいいアイディアというか。

細野:そうだね。しかも、オリジナルの最後の"相合傘"は何小節しかやってないじゃない。

星野:そうですね。

細野:なんで?と、思うわけ(笑)

星野:自分でやったのに(笑)「なんで?」って思うんですね、『HOSONO HOUSE』を聴いて。

細野:あのね、当時の若者の考えがわからない(笑)

星野:(笑)

細野:まあ、だから、入れないわけにもいかないだろうしね。

星野:あれですよね、はっぴいえんどの『HAPPY END』というアルバムの中に…

細野:そっちのほうに持ってっちゃったの。うん。

星野:元々ソロ用に作られた"相合傘"という曲が。

細野:で、くやしいからちょっと入れたんだろうね(笑)

星野:それを1曲目に。

細野:だから、その続きから始めれば、これはまたいいんじゃないの、と。

星野:たしかに、つながっている感じがありますよね。『HOSONO HOUSE』のいちばん最後もラジオの…Top20でしたっけ?

細野:そうです。

星野:Top20の発表の中に"相合傘"が入ってる、っていう。

細野:憧れだったからね。んー。実際そんなことあるわけないんだけど(笑)

星野:その、ラジオでつながって…半世紀がラジオでつながって1曲目が始まるという、すごく素敵な…

細野:そうだね、逆転してますよね。

 

open.spotify.com

 

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星野:『HOCHONO HOUSE』って…僕が[事前に]聴かせて頂いたとき、タイトルもまだ考え中だったじゃないですか。

細野:うん。

星野:「ホチョノハウス」に至った変遷はあるんですか?

細野:あの…言いにくいでしょ?(笑)

星野:(笑)

細野:まあ星野くんは大丈夫か。

星野:ホチョノハウス、はい。

細野:時々恥ずかしがる人がいるんだよね。ホチョノハウスって言えない…さっき、外国の雑誌みたいなのの取材で、「HOCHONO HOUSE」っていうのは、たとえばアメリカではどう思われるんだろう、と思ったら。

星野:うん。

細野:発音できないらしい(笑)そういう音が無いんだ。「ホショノ」なのかな。

星野:そっか、「ショ」になっちゃうんですね。

細野:まあ、だからと言っていまさら変えるわけにもいかない…あまりにもね、疲れて深刻になっちゃった。制作が。

星野:あ、制作が大変だったんですね。

細野:大変だった。で、それを…なんて言うんだろう、緩和させる感じなんですよね。自分を嘲笑うっていうこともあるかも。「なに深刻ぶってんだよ」、みたいなね。

星野:うんうんうん。

細野:だから、自分に向けて付けたんです。

星野:へー。

細野:あとね、女子アナがどうやって発表するのかな、って。

星野:なるほど。ちょっと、「ホチョノ」って言ってほしいですよね。

細野:言ってほしいでしょ?(笑)

星野:(笑)

細野:絶対ためらうと思うんだよね。

星野:一瞬、あれ?ってなりますよね。いいですね…

細野:いやいや、すみません。

星野:そういう細野さんが大好きです。

細野:いやー、ありがとうございます。

 

星野:ちょっとメールがたくさん来てるので紹介します。ラジオネーム:ともつぃー「本日は細野さんがゲスト出演されるということですので質問させて頂きます。某・星野源さんの特典映像に出演されているウソノ晴臣さんについてご存知でいらっしゃいますでしょうか。」と。

細野:もうね、実は見てないんです。噂だけは…

星野:(笑)

細野:すごく見たいんですけど。

星野:すみません、大丈夫ですか?一応あの…撮影前には正式にお願いさせて頂いたんですけど…

細野:もちろん、ぜんぜんオッケーですけど。

星野:あ、よかったです。ありがとうございます。

細野:どっかのライヴでやった?

星野:一応、全会場でやらせて頂きました(笑)

細野:全会場でやったんだ(笑)そっか。

星野:そうなんです。

細野:いやいや…どんな感じ?(笑)

星野:(笑)あとでちょっと、映像をぜひ…ご覧頂いて。たぶん大丈夫だと思います。

細野:見ます。

星野:失礼なことは何一つしておりませんので…

細野:いいよ、したって。

星野:この『HOSONO HOUSE』の頃の細野さんにそっくりになってます。

細野:あ、そうなんだ。ロングヘアーでヒゲ生えてるんだ。

星野:そうなんです。よかった…

natalie.mu

 

星野:大阪府・里芋コロコロ「アルバム『HOCHONO HOUSE』完成おめでとうございます。完成されてからいちばんにやりたい!と思ったことはなんでしょうか?」。完成されて、達成感の中…達成感ありましたか?

細野:いや、作っちゃうとね、落ち込むんですよね。で、発売日まで2,3カ月くらいあるでしょ?

星野:そうですよね。プレスをする時間がけっこう長いですよね。

細野:その間がいちばん、落ち込むの。これ、世に出していいのかな?とかね。みんなそうなんじゃないの?

星野:僕もそうです。やっぱり、出来上がってからリリースまでって…なんでしょうね、あの感じ。

細野:空白の時間っていうか、なんていうかね。試験の前みたいな。

星野:そうですよね(笑)発表を待ってるみたいな感じですもんね。

細野:そうなんだよ。なんか、評価されるわけじゃない?点数付けられたりね。昔は。そういう…試験の前に落ち込むようなもんですよね。でも、いちばんやりたかったことは、休みたかった、っていう(笑)

星野:(笑)休めましたか?

細野:いや…

星野:宣伝もありますもんね。

細野:1日ね、温泉は行ってきましたけど。

星野:あ、そうですか。よかったです。

細野:雪の中。んー。

星野:そうか…ちょっと、じゃあ…もうちょっと経ったらお休みできそうですか?

細野:もうすぐ、うん。4月ぐらいにちょっと休もうかな、と。

星野:ぜひゆっくりしてください.

細野:はい。ありがとうございます。

 

(中略) 

 

星野:じゃあもう1曲、紹介させて頂いてもよろしいですか?

細野:うん。

星野:えーと…これもちょっとTVBros.のときにお話ししたことでもあるんですけど、"僕は一寸"という曲。

細野:そうそう、その話は印象的でしたけど。

星野:「夏編」ということで、ちょっと歌詞が変わってるんですよね。

細野:そうなんです。

星野:その歌詞が変わっていることに…僕が音源を頂いたときが、まだ盤が出来る前で。宣伝用の白盤もできる前で、ディレクターの方から「これすごいんで聴いてください…」ってメールで送って頂いて。

細野:へえ。

星野:なので、曲順が反対だってことも…なんとなく、あれ、これもしかして反対なんじゃないの?って思いながら、新鮮な気持ちで、それぞれ聴かせて頂いたんですけど。

細野:なるほど。

星野:歌詞カードもなかったので、あれ?歌詞変わってる?っていうことで、気付くことができたんです。で、"僕は一寸"という曲も歌詞が変えられてて。

細野:そうなんです。

星野:で、その話もちょっとしちゃったんですけど、どうして変えられたんでしょうか?

細野:あのね…46,7年前の自分の環境っていうのはいまとぜんぜん違うから、その当時の環境で作った詞なんだよね。

星野:狭山に住まれてたんですよね。

細野:そうそう。だから、森があったりね。カントリーですよ、いわゆる。

星野:米軍ハウスというか…

細野:そうそう。ハウスの跡に住んでて。特殊な生活を送ってて。だから、曲もカントリーだったしね。だから、いまとぜんぜん心情が違うから、歌えなかったの。

星野:あー…

細野:やっぱり…作詞家じゃないから、そのときの気分とか、感情で作るからね。そしたら、いまの気分で作ろうかな、と思って。

星野:当時も家の中で…バンドで録音されて。本当に家の中で作られたと。で、今回もご自身ひとりで、部屋の中で作られたということで…「今の細野さん」が歌ってるな、と。さっき言った…未来にポンッと出たんですけど。

細野:うん。

星野:出たっていうか、みんなの一歩先を出た感じがすごくカッコよくて。でも、その中で「今を生きてる細野さん」っていうのがすごく、その歌詞の中から感じられて…

細野:それだったらうれしいよ。よかった。

星野:それにすごく感動して…

細野:なんか、怒られるかと思った。「昔と違うじゃねぇか」って。

星野:(笑)

細野:「勝手に変えるな」みたいな。

星野:でも、昔と変わることを嫌がる人って多いじゃないですか。リスナーとかの中にも。

細野:ああ、いるよね。

星野:それとはまったく別というか、ホントにその…音楽というものの在り方というのを、改めてハッとさせられるというか。「今の細野さん」が歌うことの意味とか。歌詞のやさしさみたいなものに…僕はそれをお風呂で聴いてたんですけど、聴いててちょっと泣くっていう…(笑)

細野:それがね…印象的だった。泣いちゃったか。

星野:涙が出ちゃって、もう…なんてやさしいんだろう、と思って。

細野:そうか…それはありがたいっていうかなんというか…

星野:苦しいじゃないですか、なんか。いまの世の中って。本当に息苦しいので。

細野:そうだよね。我慢してるよね、みんな。

星野:はい。我慢してるし、イライラしてるし。でも、その中で暮らしている細野さんの目線がすごくやさしくて。

細野:僕もおんなじようにね、苦しく暮らしてるんですけどね。

星野:ですよね。だから、その苦しい中でこの視点っていうのが、すごく愛があって素敵だな、と。

細野:だったらよかった。

星野:じゃあちょっと、聴かせて頂いてもよろしいでしょうか?

細野:はい。

星野:それでは細野晴臣さんで、"僕は一寸・夏編"。

 

  

僕は一寸・夏編 - 細野晴臣
 (from 『HOCHONO HOUSE』)
 

 

星野:お送りしたのは細野晴臣さんで"僕は一寸・夏編"でした。

細野:はい。

星野:元々の『HOSONO HOUSE』ヴァージョンの"僕は一寸"はカントリ-ミュージックでしたけど。

細野:そうなんですよ。

星野:今回はワルツのソウルというか。

細野:ちょっとソウルっぽく、うん。

星野:で、僕、学校が飯能というところで。

細野:近いんだよね。

星野:そうなんです。

細野:この曲作った「細野ハウス」があった頃、そこら辺にいたわけ?

星野:作った頃は…僕はまだ生まれてないんですけど(笑)

細野:あ、そっか(笑)そらそうだ。

星野:なんですけど、僕が『HOSONO HOUSE』を知ったのが高校1年生のときで。

細野:飯能で知ったの?

星野:はい。で、その頃教えてもらって、毎日聴きながら西武池袋線に乗って、池袋から飯能というところに…

細野:なんか、近くにいたね。

星野:そうなんですよ。見てた景色がホント、狭山の…

細野:じゃあ、"僕は一寸"のオリジナルはそういう風景だけど、見えたわけだね。そういうのがね。

星野:そうなんです。ちょっと時期は違うんですけど、自分の心情とすごくシンクロしてて。当時も"僕は一寸"という曲にすごく救われる気持ちが…

細野:いくつだったの?

星野:えっと、15歳です。

細野:(笑)

星野:当時もちょっと息苦しかったんで(笑)音楽の中に…なんて言うんですかね、安らぎじゃないですけど、ほっとする場所みたいなものを…

細野:なるほどね。

星野:あとはその中で、たとえば"薔薇と野獣"のリズムのカッコよさとか。

細野:あれも狭山っぽい景色なんですよ。

星野:カッコよくて、大好きで。"恋は桃色"の歌詞の素敵さとか。

細野:あれもね、狭山の景色が出てくる…

星野:ですよね(笑)そうなんですよ…あ、ちょっとごめんさい、ホントにいま唐突に、そういえば…ちょっとお聞きしたいんですけど。

細野:なんだろう?

星野:あの…これ、ご本人に訊くと思ってなかったんで、アッ、と思ったんですけど…「君の中で雨が降れば 僕は傘を閉じて 濡れていけるかな」っていう歌詞があるじゃないですか。

[*"恋は桃色"の一節。「お前の中に雨が降れば 僕は傘を閉じて 濡れていけるかな」]

細野:うん。

星野:僕、本ッ当に大好きで、あの歌詞。好きで好きで…

細野:あら。

星野:ちゃんと恋をしていない時期に…高校生の時期にその歌詞を聴いて、「愛とはこういうことだ」と思って(笑)すごい!と思って…

細野:作ってる本人も若造だから、ただの(笑)

星野:いやいや(笑)でも、そうか、20代の前半だったんですもんね。

細野:そうなんですよ。

星野:あれはどんな気持ちで…どんな気持ちで書かれたんですか、っていうのもアレですけど(笑)

細野:気持ちは別に…いちばん気になるのは「かな」っていう…

星野:(笑)語尾が気になるっていうのは前もおっしゃられてましたよね。

細野:そうなんだよ。その後ね、「かな」っていう歌詞を作って歌ってる人が増えてきてて…

星野:それまではいなかったんですかね。そういう…日常語っていうとアレですけど。

細野:いなかったよ。なんかこう、自問自答みたいなね。ちょっと恥ずかしいんだよ。

星野:でも、音楽史を塗り替えたんだと思うんですけど…

細野:そこまでじゃないとは思うけど。

星野:みんなが使うようになってちょっと恥ずかしくなっちゃった、みたいなところはあるんですかね?

細野:恥ずかしい…だから今回もね、歌わなきゃいけなくて(笑)

星野:そうですよね(笑)

細野:「かな」をなんか変えられないかなと思ったんだけど、変えられなかったね。

星野:けっこう大事な部分ですもんね、音楽の…

細野:そうなんです、肝なんだよ。だから、傘とか雨とか、好きだったんだよ。それに喩えたんでしょうね。

星野:なるほど…ありがとうございます。うれしいお話を…なのでこの「夏編」を聴いたときも…いま、僕は自分の大好きなブラック・ミュージックっていうのをやっていて。

細野:やってるよね。

星野:で、この家の中で…っていうので勝手にシンクロしまして。すごく好きな曲になりました。

細野:いやいや…がんばってるな、って、いっつも思ってますよ(笑)

星野:すみません、ありがとうございます(笑)それでは、いったんCMでございます。

 

(CM)

 

(中略)

 


 

星野:埼玉県・ラジオネーム:リミさん「お正月にNHK BSプレミアムにて放送された「イエロー・マジック・ショー2」を拝見しました。

細野:あー、見てくださったんですね。

星野:「ゆるいコントに素敵な音楽、ギャップがたまらなくおもしろくて楽しかったです。源さんとの音楽での共演は鳥肌が立ちました。"ライディーン"のときは私もノリノリでした。そしてYMOとのセッション、"Firecracker"最高でした。体中がゾクゾクしました。細野さんが印象に残っていることがあれば教えてください。」あれでも、コントもたくさん撮られてましたもんね。

細野:いやー、もうね…その後、ライヴにナイツのお二人と清水さん(清水ミチコ)と弟さん(清水イチロウ)と…東京03の中のお二人が来てくれてね。そういう方が観てるわけじゃない。

星野:あー、お客さんで来られたんですね。

細野:なんか、すごいね、申し訳なくなっちゃって。「お笑い好きのミュージシャンっていうのがいるんですよ、すいません」って謝っちゃった(笑)

星野:(笑)いいのに…でも、ナイツの塙さん(塙宣之)も細野さんのこと大好きですもんね。テレビでもよく…しゃべってるのを見ました。

細野:僕もそれで知ったんですけど。ナイツの「間」はそういうところから来てる、とかね。それでラジオ番組に呼ばれたりして。ちょっと交流できてんのかな、と思って図々しく声かけちゃった(笑)

星野:いやー、でもすごくうれしかったんじゃないですかね。

細野:だったらいいんだけどね。んー。

星野:あと清水ミチコさんと…弟さんが細野さんの声にそっくりという…

細野:僕よりいい声だよ。ホントに。

星野:いやいや…(笑)どちらもいい声でしたけども。で、清水ミチコさんが矢野顕子さんをやって…という。

細野:そうそう。へんな姉弟…(笑)

星野:"相合傘"でしたっけ?

細野:そう、"相合傘"やるね。

星野:僕は…あれってNHKの「トップランナー」という番組で、当時髙野寛さんが司会をやられているときにゲストで[細野さんが]出られたときにあの曲をやってた気がするんです、たしか。

細野:そうだよね。

星野:で、それのまんまだったような気がします。僕、高校生の時にそれを観てました。

[*正確には「トップランナー」の前身番組である「土曜ソリトン SIDE-B」(1995年4月~1996年3月)。司会は高野寛緒川たまき。]

細野:最近、矢野顕子も"相合傘"歌ってるんだけど、そう言うとみんな清水ミチコの歌を思い出すみたいで…(笑)

星野:(笑)そうですよね、影響力、すごいですよね。

細野:なにしろ似てる。すごい。あの人はすごい。

星野:すごいですね。最近、僕の曲もやってくださっていて。

細野:あ、ホント?

星野:なんか、真似ではないらしく、僕の作曲ものまねをして下さってるらしくて。

細野:作曲ものまねって…(笑)

星野:なんか、僕が作曲しそうなメロディとコードと、あと歌詞を工夫してくださって。

細野:そういうの得意なんだよね。清水さん。

星野:わざわざ僕にメールで直接、「こういうのをやってるんですが、大丈夫でしょうか?」って言ってくださって。もうやった後だったんですけど(笑)「事後報告ですみません」って来て(笑)いや、もちろん大丈夫です、みたいな。

細野:いや、それはいいよ。うん。

星野:楽しかったです。あの"Firecracker"も楽しかったです。ちょっと緊張しましたけど…

細野:生だからね。

星野:ね、ホントに生ですもんね。リハーサル日とかも特になく。

細野:ないね。本番ちょっと前に1回だけ合わせて…いや、だから、よっぽど上手いんだよ、星野くんのマリンバ

星野:いえいえ…ありがとうございます。もう…一生の記念になりました。もしまたイエロー・マジック・ショーがあったら…

細野:またやると思うよ。

星野:マジすか!いいですね!ぜひまた、呼んでください。

細野:ぜひ、呼ばせて頂きます。

 

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星野:それでは、楽しい時間もあっという間なんですけども、お別れの時間でございます。えー、改めまして…細野さんのニューアルバム『HOCHONO HOUSE』。本日、明けてきょう、発売中でございます。配信とかもされてるので気になる方はぜひ聴いてみてください。なんかお知らせなど、あります?

細野:いやー…なんにもないね、僕は(笑)

星野:(笑)一応、ライヴとかもね…あれ、でも東京はしばらく無い?

細野:東京はしばらく無くて、福岡で5月にやったら…その先がちょっと思いやられるアメリカが。

星野:アメリカのライヴがあるんですね。いいですね…

細野:ニューヨークとロサンジェルス、気が重い。

星野:(笑)楽しんできてください、ぜひ。

細野:わかりました。

星野:きょうは本当にありがとうございました。

細野:どうもありがとう。

星野:じゃあ、最後に、アルバムの中から1曲、お聴き頂きましょう。じゃあちょっと、最後に曲紹介をして頂いてもよろしいでしょうか?

細野:ではですね…最初に、去年の夏に聴かせた…

星野:僕がひと足先に聴かせて頂いた…

細野:"CHOO CHOO ガタゴト"です。

星野:はい。本日のゲストは細野晴臣さんでした!

細野:どうも~

星野:ありがとうございました!

 

  

CHOO CHOO ガタゴト・アメリカ編 - 細野晴臣
 (from 『HOCHONO HOUSE』)
 
 
(CM) 

 


星野:いやー、細野さん、ありがとうございました。もう…すみません、サインを頂いてしまいました。オリジナルの『HOSONO HOUSE』のアナログ、そして新しい『HOCHONO HOUSE』のアナログ盤、両方にですね…「星野くんへ」と、サイン頂きました。僕がサインを頂いたのは、あれ以来ですね。ハイドパーク・フェスという、僕が24,25歳ぐらいのときに行われた…細野さんが本当にひさしぶりに人前で歌うというイベントというか、フェスがありまして。いろんなバンドが出てて、その中に僕らSAKEROCKも出てまして。その場が…楽屋が全員いっしょというですね、奇跡の楽屋でですね。そこで僕が持っていった細野さんの著書、『地平線の階段』という本がありまして。それにサインをして頂いて、と。その本のタイトルが元となって、いまの僕らの連載の「地平線の相談」というものがある、という…それ以来にサインを頂いてしまいました。うれしかった。ありがとうございました、ホントに。

 

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・・・

2019.03.04 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

H:こんばんは。細野晴臣です。えー、先週に引き続いて、今回も…水原姉妹。

希子:こんばんは、水原希子です。

佑果:佑果です。

H:はい、ありがとう。

希子:また来ちゃいました。

H:なんかニコニコしちゃうんだよな。

希子:うれしい…細野さんをニコニコさせることができて(笑)

H:あー、もう、ホント…ありがたいですよ。

佑果:こちらこそ(笑)

H:ニコニコしてるかな?ニヤニヤしてない?大丈夫?

希子:大丈夫です、ニコニコしてます!

H:あ、よかった(笑)

希子:晴れやかな…

佑果:(笑)

 

H:あのね、話はちょっと唐突だけど、そこにマンガがあるでしょ。

希子:あります。

H:それ、台湾の人が…22歳の女子が描いてくれて。こないだ初めて読んで…先週ね、読んでたら、そこにお二人が来たんだけど。

希子:あ、そうですね。

H:そこに描かれてるのが、ふしぎな物語じゃん。

希子:はい。

H:呼んだよね?

希子:私、読みました。

H:なんか、最初にはっぴいえんどの『風街ろまん』を聴いて…台湾でね。で、"風をあつめて"がすごい好きになったと。

希子:はい。

H:で、東京に来たときにレコード屋さんに行って、いろいろ探して、気に入った曲が"恋は桃色"だった。そしたら、おなじ歌手が歌ってた、っていう…で、その話の中に『ノルウェイの森』が出てきたのね、映画の。で、その役名がなんでしたっけね?

希子:緑です。

H:緑さん。その話が出てきて、そこ読んでたら希子ちゃんがやってきたから…

希子:すごい…

H:緑さんやってたんだよね。

希子:はい。そのタイトルがなんでしたっけ?

H:『緑の歌』。えーと…GaoYanさん。すごい初々しい、短い、小さなマンガの本なんですけどね。今度、台湾公演があるんで、彼女が来てくれるらしいんだけど。

希子:あ、ホントですか?

H:楽しみ、っていうかね、ドキドキしちゃうけどね。

希子:ね。「私は東京で絶対に細野さんのコンサートを観ると決めてたら、細野さんが台湾に来てくれた」っていう(笑)なんか、いろんな人にとって…台湾とか、来てくれたことが喜ばしかったんですね。初めてのことでしたもんね。

 

 

H:そうだね。なんか、ブギウギとかやってていいのかな、とか…

希子:もう、細野さんがやりたいことをやってください。

H:ありがたい。

希子:今までもそうしてきたように…

H:ずっとそうしてきたね(笑)あんまり人のこと考えてなかった。

希子:(笑)

H:最近、考えるようになってきた。

希子:ホントですか?たとえば?

H:たとえば…海外でも、いろんな人が聴いてるんだってだんだんわかってきた。それまでそんなの知らなかった。

希子:あ、だって、ニューヨーク公演は飛ぶように売れた、と。

H:そうなんですよ。Sold Outしちゃって…

佑果:すごいです!

H:なんでだろ、と思っちゃうね。

佑果:いやいやいや…

希子:やっぱりみんな、細野さんの存在はもちろん存じ上げていて、みんな待ってる…というか、なかなかライヴとかなさらない…

H:まあ、めずらしい…なんかね、パンダが来たみたいな感じだよね。

希子:違いますよ!(笑)パンダといっしょにしたらダメですよ。

H:いや、そっか、パンダに失礼だ。

佑果:(笑)

希子:たしかにパンダに失礼だ(笑)難しい話になってきちゃった。

佑果:いや、みなさんでも、[細野さんのことを]神だと思ってます。ぜったい。

H:いやいやいや…ホントにもう、わけわかんないっすね。はい。

希子:L.A.もすごく楽しみ…

H:L.A.緊張するんだよね。僕の師匠みたいな人が…ヴァン・ダイク・パークスVan Dyke Parks)が観に来たり。

希子:あ!

佑果:わー!すごい!

H:あと、YMOのプロデューサーだった村井邦彦さんが来たりね。L.A.に住んでるんで。

希子:あ、そうなんですね。

H:で、こないだその息子さんのヒロ・ムライっていう人がグラミー賞の映像部門で獲っちゃったね。

希子:あ、そうなんですね!

H:そうなの。

希子:へー、すごい…

H:すごいなぁ、と思って。有名になっちゃったの、その人。

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H:そんなことがあったんですけど、とりあえず、曲。希子ちゃん。

希子:あ、私が先ですか?『HOCHONO HOUSE』から聴かなくていいですか?

H:あ、そうか。それが先か。

希子:はい、もう、待ちに待った『HOCHONO HOUSE』を聴きたくて聴きたくてうずうずしてるんですよ?

H:「ホチョノハウス」って言ってくれてうれしい(笑)

希子:(笑)

佑果:ホチョノハウス!

希子:ホチョノハウス、ホチョノハウス、ホチョノハウス。早口言葉(笑)

H:じゃあ、なんにしようかな…もう。えーとね…こないだ、節分は過ぎちゃったけど、"福は内 鬼は外"を。

希子:いいですね。

佑果:聴きたいです。

 

 

 

福は内 鬼は外 - 細野晴臣

(from 『HOCHONO HOUSE』)

 

 

H:ってな感じで…

希子:わお!

佑果:あー…

希子:最初の入りからすごい…カッコいい。

H:最後、「鬼は外」って言ってないんだよ。「鬼も内」って言ってんの。

佑果:あ!

H:なんか、「鬼は外」って言いたくなくて。

希子:たしかに。

H:鬼も来なさい、って。

希子:みんなおいで、って。

佑果:深いですね。なんか、神聖な場所にいるような感覚でした(笑)

H:(笑)

希子:鐘の音がすごい…

H:いやいやいや…じっくり聴いて、後で。ヘッドフォンで。

姉妹:はい。

希子:でも、そういうメッセージがあったんですね。鬼も…

H:まあね、あの…50年ぐらい前に作った曲だから、まだ若いから。物事を知らないんだよね。

希子:んー。

H:その後、いろいろ勉強してきたから。「鬼は外じゃない」と、習ってきたんで。歌詞いっぱい変えちゃったよ、だから、今回。歌えなくて。

佑果:はー…

希子:鬼も受け入れて。みんないっしょに。

H:そうそうそう。

希子:愛ですね(笑)

H:そうなんだよ(笑)わかってくれたか…

希子:すごい。カッコいい…

佑果:そっか…

 

H:はい。

希子:えー?

佑果:(笑)

H:えー、じゃないよ(笑)

希子:なんかきょうは紹介したくないなぁ…これをひと通り聴くという回で…たぶんいいと思いますよ?

H:ダメだよ(笑)

希子:たぶん聴いてる人も、私とか佑果ちゃんとかも、『HOCHONO HOUSE』を待ってますから、みなさん。

H:いいのいいのいいの。それはね…CDを買ってください(笑)

希子:あ、すみません、そうでした(笑)え、じゃあ私ですか?

H:もちろん。

希子:うわー…この後に、なんか、かけたくないなぁ…

H:いやいやいや…

希子:ではですね、ジャン・ジャック・ペリー(Jean Jacques Perrey)という方と…

H:いいねぇ。

希子:ルーク・ヴァイバート(Luke Vibert)という方の…たぶん、いっしょに作った曲だと思うんですけど。2007年に出したアルバムなのかな?

H:ついこないだだね。

佑果:Moogの機材を使った…

H:そうだね。

希子:『Moog Acid』というアルバムから…読み方がわからないんですけど、"Schwing"。

 

 

 

Schwing - Jean Jacques Perrey & Luke Vibert

(from 『Moog Acid』)

 

 

H:んー、いいね。

希子:"シュウィング"という曲みたいですね。ドイツ語らしいんですけど。

H:あ、ホント?

希子:最近、高速に乗る時にこの曲を聴いていると気持ちいいなぁ、と…

H:いいね。

希子:ジャン・ジャック・ペリーっていう方は、昔からすごく、エレクトリックミュージックの…

佑果:Moogシンセサイザー…使ってますよね。

H:そうそう、そうなの。この番組のレギュラーの岡田くん(岡田崇)っていう人も、ものすごい親交が深いわけ。

希子:あ、そうなんですか!

H:お宅に訪ねてったり…残念ながら亡くなってしまいましたけど。

希子:そうですね。

H:でも、その晩年の頃、ずっと通ってて。レコーディングにもなんかいろいろ…関係したりして。

希子:えー、そうなんだ。すごい…

H:だから、歴史的な存在なんだよね。ジャン・ジャック・ペリーは。

希子:彼の存在を知ったのは私、最近だったんですけど。すごい興味深くて。たくさん、いま…もっともっと知りたいな、と思ってるミュージシャンの一人です。

H:あ、ホント?すばらしい。いい趣味だ…(笑)

希子:やったー(笑)細野さんのお墨付き…

佑果:私も大好きなので!(笑)ラジオで演奏したりして…

H:すごいね、それもね(笑)やってるんだ?

佑果:ジャン・ジャック、大好きなので…

希子:ちょっと宇宙っぽいというか…

佑果:♪タララララララ、タララララララ…忘れちゃった、ちょっといまメロディーが出ない…(笑)

H:いや、出ないよ普通(笑)

希子:再現できない音だね。

佑果:ちょっと難しい。声だと。

H:うん、声でやんなくていい(笑)

佑果:(笑)

H:いや、二人は頼もしいわ。うん。ホントに。

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佑果:細野さんはMoogシンセサイザーにいちばん最初に触れた瞬間、どういう感じでした?

H:あのね…Moogっていうのは…触ってたけど、単音しか出ないから…で、チューニングは難しいし、電圧が変わると音程が変わっちゃうしね。すごい難しい楽器だったね。

佑果:なるほど…

希子:では、あまり…?

H:いやいや、なんだろう、すごい…もっとやってみたかったな。またやろうかな。

佑果:いまでも、できますよね…?

H:うん。持ってるの、そういうの?佑果ちゃん。

佑果:いや、楽器屋さんでこないだ見つけたんですよ。

H:お、買ったの?

佑果:そこで見つけて…でも30万円ぐらいだったので…

H:高いよね。

佑果:買えなくて…買いたいんですけど…

希子:あ、いま、目ですごい、横から見られてたんですけど(笑)

佑果:違う(笑)私が、仕事でお金入ったら買おうかな、と思ってます。

希子:いますごい目線が来るんですけど、さっきから。

H:(笑)

佑果:お父さんなんで(笑)

希子:私お父さんなの?男だったんだ(笑)

佑果:支えてもらってね…

H:みんなで協力するから、ね。

佑果:いやー…まあ、でも、気になりますね。

H:気になるよね。うん。

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希子:じゃあ、佑果ちゃん。紹介しますか?

H:曲を。

佑果:じゃあ、聖子ちゃん(松田聖子)…

H:お?いろんなものが出てくるね(笑)

佑果:…の、細野さんが作られた"わがままな片想い"を聴きたいと思います。

H:あー、うれしいよ、それは。

佑果:はい(笑)

 

 

 

わがままな片想い - 松田聖子

(from 『天国のキッス / わがままな片想い』)

 

 

H:うんうん

佑果:聖子ちゃん声きれいですね!

希子:(笑)

H:歌うまい…

佑果:ホンットに上手だなと思って…あと歌詞も大好きです。

H:これね、息継ぎがすんごい大変だと思うんだよね。

希子:あ、そうですよね。

H:[録音は]一発ぐらいでオッケーだよ。

佑果:そうだったんですか!

H:この歌入れ、僕いたの。

希子:はい。

H:で、なんかね…♪しばしも休まず~みたいだった、ってブツブツ文句言ってた(笑)そういう童謡があるわけ。

佑果:へー!おもしろい…

H:なんかそれは憶えてるわ…んー。

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希子:カラオケで歌うのは大変そうだな。

佑果:え、私カラオケで…

H:歌ってるんだ?今度聴きたいな…

佑果:大好きです。この曲、いつも…

希子:え、歌ってみて、いま。

佑果:♪わ・がまま・な/か・たおも・い/あ・いして・る/は・ほんと・よ…

希子:(笑)

H:かわいい(笑)

佑果:大好きで!このリピートがもう、ずっと…きょうシャワー入ってる時に、ちょっとエコーが…(笑)ずっと歌ってます。ホントに大好きです。

H:なんか、幸せだわ、僕。

佑果:(笑)

 

希子:えー、やっぱ、聖子ちゃんは流石なんですね。

H:すごいね。

佑果:声が…美しい…

H:うん、本当に歌が上手い人。

希子:はー、そうなんだ。

佑果:明菜ちゃん(中森明菜)はどうでした?

H:明菜ちゃんもね、おもしろかったね。

希子:へー。

佑果:明菜ちゃんもカッコいいですね…!

H:あのね…まあ、『禁区』っていうのをやったんだけど、その後に、「明るい曲」って頼まれたの。

希子:はー。

H:で、シングルで出す、って言うんで、力入れて書いたんだよね。で、歌入れに立ち会ったんだよね。

佑果:はい…

H:そしたら、「聖子ちゃんの曲みたい…」って言われたんだよね(笑)

佑果:!(笑)

希子:ギャギャギャギャギャ…(笑)

H:きょう初めて言う(笑)で、あまりにも明る過ぎて…シングルになんなかったの(笑)

希子:あ、そうだったんだ…

H:アルバムには入ったけどね。

佑果:えー、聴きたい…

H:やっぱり暗い路線じゃないと似合わなかったんだね。大冒険過ぎたんだね。

佑果:明菜ちゃん…なるほど…

H:でも、その曲気に入ってたんで、今度かけるけどね。

姉妹:聴きたいです!

H:いまあるかな…ちょっと待って。

希子:わー!うれしい…

佑果:明菜ちゃん…

 

(♪CUT)

 

H:あった。

希子:お…

H:これです…"100℃バカンス".

佑果:おお…

H:えー、いま見つけたんで、かけますね。中森明菜さんで"100℃バカンス"。聴いてください。

 

 

 

100℃バカンス - 中森明菜

(from 『ANNIVERSARY』)

 

 

H:(笑)

佑果:バカンス…

希子:でもなんか…ドラマチックな感じですね。ドンドンドンドンドン…

H:そうだね。その前に、"赤道小町"っていうのが流行ったんで…僕の曲だけど。それにちょっと似てる。

[*山下久美子のシングル"赤道小町ドキッ"。作詞はやっぱり松本隆。]

佑果:んー…

H:でもやっぱり、中森明菜さんには合わなかったのかな。

希子:そっか…

佑果:好きですけど、個人的には…

H:あ、ホント?うれしい(笑)

佑果:声もきれい…トータル、パーフェクト(笑)カッコよ過ぎて…

H:めったにこれは聴けないんで…かけるチャンスが無くて、今まで。よかった。

佑果:いやー、うれしいです。こんな機会頂いて…

希子:でも、そっか、やっぱり…さわやかなのは彼女はアレだったのかな…

H:かな?んー。…あと何分?もう終わってるの?

佑果:終わっちゃってたんだ(笑)どうしましょう。

H:終わっても話し続けるというね。いやー、まだまだかけたい曲もいっぱい…出てきちゃうけどね。こうやってると。また来てくださいね。

希子:わかりました。では、また。待ってます。

H:こちらこそ。お願いします。えー、水原希子さん、佑果さんでした。ありがとう。

佑果:ありがとうございました、

希子:ではまた。

 

2019.02.24 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

H:こんばんは。細野晴臣です。えー、きょうもまた…1月に来てくれたかな?水原姉妹、いらっしゃい!

姉妹:こんばんは~!

希子:水原希子です。

佑果:佑果です!

H:はい。相変わらず、花が咲いたような…

希子:細野さんはすっかり、アルバムの作業も終わって…

H:終わったよ~

希子:なんか、顔が晴れてる(笑)

H:腫れてんじゃない?

希子:腫れてるの?(笑)単純に?そういうことなんですか?(笑)

H:うん、名前の通り。

佑果:(笑)

希子:いいことですね、じゃあ。

H:まあね。晴れやかで。

希子:晴れやかで。はい。

 

H:最近は…希子ちゃんは、時々噂は聞くけどね。

希子:ホントですか?

H:うん。ドラマ、続いてるよね。

希子:はい、撮影の真っ最中で…いま、もうちょっとで最終話を撮り始める…

H:あ、そうなんだ。

希子:はい。けっこう、終盤に差し掛かってるので…

H:どう?やってて。慣れてきた?

希子:いやー…まあ、もう、慣れないですね…やっぱり、日常では味わえないような、とっても苦しい人間関係にいま、巻き込まれている最中なので…

H:ドラマの中ででしょ?(笑)

佑果:(笑)

希子:そうです。なのでちょっと、こんな苦しい思いは現実でしたくないな、と…

H:じゃあよかったじゃん、現実はね。

希子:ただ、感情を入れなきゃいけないので…そこがちょっと苦しいところです。

H:そっかそっか。女優さんは大変だよね。

佑果:すごい。

希子:いやいや、女優なんてちょっと言えないですけど…がんばってます。

H:がんばってるよね。偉い。

希子:ありがとうございます。

 

H:佑果ちゃんは?

佑果:私は…最近も引き続き、音楽をたくさん掘ったり…(笑)

H:だろうね(笑)楽しそう。

佑果:あとはなんか、アプリで自分が好きなビートを重ねたりとか…

H:やってんだ。

佑果:ちょっとだけ、まだ…本格的にね、形にできたらいいんですけど。ダンスミュージック作れたらなぁ、と思いまして。

H:いいね!

佑果:ハウスとか…あとちょっと、宇宙っぽいテーマで作りたいなぁ、と思って。宇宙っぽい音とビートと…ミックスして。希子と相談したりもしながら…

希子:はい。

H:楽しそう。聴きたい。

佑果:ぜひ!ちゃんとできたら…

H:なんかすごい楽しみなんだよな。

佑果:ありがとうございます!

 

H:それでね、じゃあ…

希子:聴きたいですよ。

佑果:はい!聴きたいです!

H:出来たばっかりなんで…まだこの番組でかけたことないんだけど(笑)

佑果:わー!

希子:なんか、すごいうれしいです。そんな…初披露…

佑果:光栄ですね!そんな時間を共有できて…

H:配信を先行してやるんで、その曲を…"住所不定無職低収入"っていう曲を、聴いてください。

 

 

住所不定無職低収入 - 細野晴臣

(from 『HOCHONO HOUSE』)

 

 

H:いやいやいや…

希子:すごい…

佑果:あー…カッコいいですね…

H:低域がちょっと…このヘッドセットがいけないんだけど。はい、まあいいや(笑)

姉妹:めっちゃカッコいいです。

H:あ、そうですか。

佑果:細野さんの声も少し、ね…

H:なんですか?(笑)

佑果:カッコいいというか…なんだろう、『HOSONO HOUSE』とまたちょっと違うっていうか…

H:あー。あれはだって、もう40何年前だから…もう、25, 26歳の時に作ったやつだから…

希子:壮大な感じになってるというか、ライヴで聴いたらすごい、こう…グァーってきそうな感じの…

H:ありがとう、ありがとう…

希子:(笑)やっぱり照れますか?

H:いやー、なんか…この時期、すごくイヤなんだよね。

希子:なんでですか?

H:みんなに聴かれるでしょ。

希子:あー、そっか。

佑果:そうですよね。

H:作ってる間は楽しかったからね。で、これから…自分の子供みたいなもんだから、人前に出てなんて言われるんだろう、っていうね。

佑果:なるほど。

希子:いや、みんな誇りに…(笑)立派な子どもが…ホントにカッコよかったです。

H:あ、よかった。ほっとしたよ。

 

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希子:ライヴで聴くのがとっても楽しみ。

H:難しいんだよ、これが…ぜんぶ打ち込みでやってるからね。えー…まあ、いいや、自分のことはね。

希子:なんでですか!(笑)もっと聴きたいです。

H:あの…ウチ帰って、聴いて(笑)

佑果:わかりました。ゆっくり…

希子:えー!あれ、あと2曲かけるっていう約束ですよ?

H:そっかそっか。じゃあ、後でね。また…順番だから。お願いします、希子ちゃん。

希子:私?いいんですか?もう早速?

H:いいよ、もう。

佑果:(笑)

希子:なんか私がちょっと…オッケー、わかりました。じゃあですね…最近私が聴いてる曲なんですけど、リジー・メルシエ・デクルー(Lizzy Mercier Descloux)っていう、フランスのミュージシャンの方がいて。1980年代に活躍されてた方なんですけど、彼女の"Slipped Disc"という曲がありまして。それを最近、たまたまネットで見つけて聴いてたら、すごいカッコよくて。

H:へぇ。

希子:それをちょっと、紹介したいと思います。

 

 

Slipped Disc - Lizzy Mercier Descloux

(from 『Mambo Nassau』)

 

 

H:なるほどね。80年代だねこれは、音が…

希子:そうですね。

H:懐かしいんだよね、こういうの。

希子:あ、ホントですか。

H:ドラムスがね、これはリンドラム(LinnDrum)っていうのを使ってるのがよくわかる。そういう機械があるの。

佑果:リンドラム…

希子:へー。

H:音がね、こういう音なんだよ。すぐわかっちゃう(笑)

佑果:さすが…

H:ずーっとやってたから、こういうの。懐かしい。

 

希子:最近、細野さんは夢を見てますか?

H:夢ね。なんかね、疲れて、悪夢ばっかり見てたな。

希子:あ、ホントですか。

佑果:どんな悪夢を?

H:なにかな…ちょっと思い出せない。細切れの夢ばっかりだったな…

希子:んー。

H:でも、去年は鮮やかな夢をいっぱい見てたな。なんだっけ…知らない山岳地帯に連れてかれて、30cmぐらいしかない道の下が崖でね。やわらかい土で、崩れそうなの。で、後ろの崖にへばりついて、ぼーっと立ってるんだけど、景色がすごくて。それね、夢から覚めて絵に描いたよ。

希子:えー!ホントですか。

佑果:見てみたいです。

希子:それは、相当なインパクトだったんですね。

H:すごい。綺麗だった、色が。

希子:それは空とか海とか?

H:山なの。目の前が。山があって、深ぁい谷底の渓谷があって。いろんな色がそこにあって…緑、赤、黄色。で、その里が…なんだっけな、ヘンな名前だった。「エホバの里」っていう(笑)

希子:え、それホントにそういう風に夢に出てきたんですか?

H:そうそうそう(笑)で、そういうのが[実際に]あるかと思って検索したら、そういう養護施設があった。

希子:あ、ホントですか。

H:ありそうだよね(笑)

希子:たしかに…でもおもしろいですね、名前まで出てくる…

H:出てくるんだよ。時々ね、名前だけの夢っていうのがあるの。

希子:へー!見たことないです。

H:ヘンな夢いっぱい見るよ。名前とか、声だけの夢とかね。

希子:声だけの夢?その声は誰かが話しかけてきてるとか?

H:なんか、全体に響いてる声なの。よくわかんない。ちょっといま忘れちゃったけど…なんだっけな、字がね…道が一本あって。土でできてる道がダダダって崩れて、字が浮き彫りになるわけ。

希子:すごい。そんな夢見たことない!(笑)

佑果:私もないなぁ…

H:「孔雀の道」って書いてあるの。なんだろう、と思って(笑)

希子:その夢が、っていうより、細野さんってなんだろう?っていう感じですよ、私からすると…(笑)

佑果:(笑)

H:わかんないよ、自分でも。んー。

希子:それに比べたら私の夢なんて、ホント、大したこと…

H:いいんだよ、こんな夢見ないでほしい(笑)かわいらしい夢でいてほしい。

希子:私は最近、白い犬の夢を見ました。

H:わー、カワイイ~!

希子:すごいかわいい白いポメラニアンをお風呂に入れて…

H:あー、いいね…

希子:そしたら毛がフワーってなって…すごいかわいい夢だったんですよ。

H:(笑)そういうのでいいよ。

希子:いいのかな。

佑果:私はきょう幸宏さん(高橋幸宏)が出てきて、夢に。

H:お?

佑果:なんか、夜景の綺麗なところで、すっごい綺麗な景色を見ながら、幸宏さんが「またよろしくね!」って…(笑)

H:なんだ(笑)軽いね。

希子:(笑)

佑果:すっごい楽しかったのを憶えてて(笑)これはなんなの?予知夢?なんでしょう?って…

希子:楽しかったんだ(笑)

H:予知夢っていうか、[現実に]ありそうな、いつでもありそうな…

希子:日常の1コマみたいな(笑)

佑果:なんか、でも、おもしろかったです(笑)

H:やっぱりそういう、知り合いっていうか、知ってる人が出てくるの?

佑果:いっぱい出てきます、私の場合。テイさん(テイ・トウワ)とかも出てきます。

H:あ、テイくんも。

佑果:テイさんと、なんか…ヨーロッパの大きいフェスでイエーイ!って(笑)次が私のDJで、がんばります!って(笑)

H:それもありそうだよね(笑)

希子:ホントだね。なんか、デジャヴになりそうな夢だね。

佑果:なんかすごいおもしろくて…(笑)ドキドキしちゃいますね。

H:わりと身近な人がいっぱい出てくるんだね、じゃあ。

佑果:はい。私の場合はけっこうそう…あとは殺されかけたりとか。それはすっごい怖くて。いつも逃げてて、包丁から。

H:あー、怖いね。んー。

佑果:ちょっとそういう夢を今年初めて見たので…いつもはそういう夢は見なかった…

希子:夢占いでは殺されかける夢はすごく良くて、新しい自分に生まれ変わるとか…

佑果:今年に入ってそれ見たの。

H:じゃあ、生まれ変わるんだよ。

佑果:生まれ変わります!(笑)なんかわかんないけど(笑)

 

希子:じゃあ、そういうことで…(笑)じゃあ、佑果ちゃん。

佑果:じゃあ、シーナ&ロケッツの"ユー・メイ・ドリーム"を。ピッタリですね、いま(笑)

H:ホントだ。

希子:つながった…

 

 

ユー・メイ・ドリーム - SHEENA & THE ROKKETS

(from 『真空パック』)

 

 

H:うんうん。久しぶりに聴いたな。

佑果:鮎川さん(鮎川誠)ってどういう方なんですか?

H:鮎川くん。あのね、鮎川くんとシーナはほんっとに僕、大好きな人たちで。シーナは残念ながらもういないんだけど。

佑果:そうですね…

H:ホントに純粋な人たち。で、会うといつも…なんかね、シーナは愛にあふれてるっていうかね。すごい色っぽいんだけど(笑)鮎川くんは外国人みたいな見てくれなんだけどね。でも、しゃべると久留米弁で…朴訥で、スゲェおもしろくて。で…シーナが亡くなった時、僕行ったんだよ、お別れ会にね。すごいいっぱい人が来たの。いかに彼らが愛されているか、っていう。

希子:なるほど…

H:鮎川くん、すごいノッポで細いんだけどね。ロンドンにある2階建てバスを見ると鮎川くんを思い出す。

希子:なんでですか(笑)

H:細いから…(笑)

佑果:そうなんだ…カッコいいですね。

H:そうそう。あの2人は好きだったよ…いまだに好きだけど、もちろん。

佑果:私の憧れのアーティストです…

H:あのね…そうだ、思い出した。忌野清志郎くんと2人でローリング・ストーン(The Rolling Stones)が来たときに、なぜか知らないけどビル・ワイマン(Bill Wyman)っていうベーシストに呼ばれて、僕…なぜかね。「世話をしろ」っていうんだよね。「面倒見てくれ」と。で、ひとりで行くのイヤだから、清志郎を誘って2人で…[その時点で清志郎とは]初対面なんだけど、2人ともすごい遠慮深い人間で…(笑)おずおずと、じゃあ、僕は運転手で行くから、って言ったら清志郎が「じゃあ、自分はカバン持ちで行く」って言って。楽屋に行ったら、既にシーナがいて、そこに。なんでか知らないけど、キース・リチャーズ(Keith Richards)の膝の上に乗ってるんだよ(笑)

佑果:えー!すごい!

H:それはすごいと思った(笑)

佑果:イケイケ…楽しそうですね。

H:もう、すんなり入っていくっていうかね。

希子:でもなんか、そういう感じしますね。想像がつくというか。

H:ホントにね、もう、ロック・シンガーだね。根っからの。

佑果:あこがれです…

 

H:ということで…

希子:なにを聴きますか?

H:えーとね、じゃあ、僕の番なんでもう1曲…約束なんで。

佑果:お願いします。

希子:やったー!

H:"CHOO CHOO ガタゴト"かな。聴いてください。

希子:はい、わかりました。

 

 

CHOO CHOO ガタゴト(アメリカ編) - 細野晴臣

(from 『HOCHONO HOUSE』)

 

 

佑果:わー、カッコいい~!

希子:すごい。

佑果:汽車の音が、すごく…汽車を見てるような気分にさせられます(笑)

H:あれは本物を使ったんだよ。

希子:えー!

佑果:その時のエコーもなんか…すごい!

H:まあね(笑)

希子:(笑)ライヴを中野サンプラザに観に行った時に、「かなりマジメに作ったから[あえて]『ホチョノハウス』って名付けた」って言ってましたけど…

H:そうなんだよ。

希子:それがわかりました。

H:あー、よかった。

希子:え、なんで「アメリカ編」にしたんですか?

H:あのね…元々はこだまとひかりだったの。新幹線ね。でも、なんかもう古いじゃん。というか、もう、日常的に…この歌つくった時はまだわりと、新しかったからね。キャッチーだったんだけど、自分の中では。

希子:うんうん。

H:いま、次はリニアが控えてるじゃん。

希子:リニアモーターカー。控えてますね。

H:そう。そういう時代でもう、新幹線じゃないなって思って…場所をアメリカに置き換えちゃった。

希子:なるほど。そういう理由だったんですね。

H:そうそう。アメリカの鉄道はすばらしいからね、本当は。乗ったことないんだけど(笑)

希子:私もないです。

佑果:ないなぁ…

H:「シカゴあたりで乗り換え」っていうのは、やっぱりシカゴがすごい集積点だから。で、大陸縦断鉄道とか。昔はみんなね、ジャズのミュージシャンがそれに乗って、ニューオーリンズからニューヨーク行ったりね。で、揺られてると、リズムがね、ビートになるわけ。

佑果:あー。

H:そうやって生まれてきたビートがいっぱいあるわけね。

佑果:おもしろい…

H:蒸気機関車の場合はシャベリング(shoveling)って言って…石炭をくべるでしょ?あれの音がすごいリズミカルで、シャッ、シャッ…っていう音をシャベリングって言う、ドラムのビートにした音楽もいっぱいあるわけ。

希子:あー、そうなんですか。

H:1930年代が多いけど。うん。そんなようなことも含まれてる…音楽なんで。

希子:おー…あー、もっと聴きたかったなぁ…

H:いや、もう…

希子:次?次の週?

H:次の週ね。オッケー。じゃあ、次は1曲ぐらいかけるかね。んー。じゃあ、またこの続きは来週、お願いします。

希子:はい。お願いします。

佑果:お願いします…

H:水原姉妹、希子さん、佑果さんでした。

佑果:ありがとうございます~

希子:はい。ありがとうございました。

 

2019.02.17 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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 ♪~

時刻は午前1時です。ここで、Daisy Holiday!を始める前に、お知らせがあります。来週、2月24日のDaisy Holiday!は、都合により、放送時間が変わります。放送開始時間は23時半、夜11時半となります。いつもより1時間半、早い時間です。お間違えの無いよう、お願い致します。では今宵も、Daisy Holiday!をお楽しみください。

 

H:こんばんは、細野晴臣です。えー、きょうはですね…ウチのバンドのリーダー、っていうか…

高田:いやいや、リーダーは細野さんですから(笑)

H:ああ、そうか(笑)えー、高田漣

高田:どうも、高田漣です。こんばんは。

H:えーと、いまツアーの最中…っていうか、もうすぐ台北で一段落するんですけど。

高田:はい。

H:3月の6日に…CD出しますよね?

高田:はい。

H:おんなじ日に僕も出るんですよ(笑)

高田:そうですね(笑)図らずも…だんだん細野さんが近づいてこられて…

H:…すみません(笑)

高田:いえいえ(笑)ぜんぜん、光栄な限りです。

H:いやいや…「ぶつかり合い」というね(笑)

高田:ホントですね(笑)

[*細野さんの新作は当初、「2019年1月発売予定」とされていた。]

 

 

H:早速ね、新作の『FRESH』。

高田:はい。

H:これはなんか、ユーモアがあるなぁ、と思って。聴いてて。のっけから(笑)

高田:あー、そうですね(笑)なんか…あんまり神妙なのは自分としてもそんなに聴けなくて。やっぱりユーモアがあるものを、ずっと…何年か前から聴くようになってて。そういう部分が多く出た感じですかね、ついに。

H:出たね、ついに。なんか、昔の自分を思い出すよ(笑)最近はもう、あんまりユーモアが出てこないんだよね。

高田:細野さんとステージとかでご一緒してて、細野さんがいろいろ仰ることとか。

H:しゃべりはね、うん。

高田:あと、昔の細野さんとか、YMOもそうだし、大瀧さん(大瀧詠一)とかの音源聴いてて、いっつもちょっと、そういう要素が…

H:あるよね。昔のは。

高田:それがすごい、子どもながらにいっつも好きだったんで。

H:あ、子どものときにね(笑)

高田:それを少し散りばめてみました。

H:そうか。じゃあ、そのドアタマの感じから聴いていいかな?

高田:あ、どうぞどうぞ(笑)

 

 

FRESH ~ 寝モーショナル・レスキュー - 高田漣

(from 『FRESH』)

 

 

H:いや、おもしれぇな(笑)

高田:ありがとうございます(笑)

H:ナナコさんってのは…

高田:あ、ナオコ(NAOKO)です。

H:あ、ナオコさんね。えー、コーラス隊の…

高田:そうですね、「バクバクドキン」っていう二人のうちの一人で…僕、自分のライヴの時にも影アナでやってもらったりしてたことがあって。

H:あ、そうなんだ。こんな感じでやってんの?へー。

高田:スチャダラパーの『タワーリングナンセンス』っていうアルバムがありまして。それが…最初に、冒頭にいきなりそういう…影アナじゃないんですけど、挨拶があって。その挨拶をする人が自分で名乗るんですよね(笑)

H:(笑)

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高田:それがすごくおもしろくて、久々に聴いて懐かしくて。さっきの話じゃないですけど、曲もいろいろアレなんですけど、今回はそういう、いろんな…いまの曲も最後に「Japanese Gentleman」…

H:あー。

高田:で、「Stand up」じゃなくて「Wake up, please」と入れたりとか、そういう遊びの要素が…

H:かなり遊んでるね。

高田:そうですね(笑)多いかもしれないですね。

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H:だいたい、曲が…「眠い、眠い」って、そんな眠いの?(笑)

高田:僕…そう、細野さんとロンドン行ったときに感じたことなんですけど、いっつも眠いんで…

H:ああ、そうなのか(笑)

高田:逆に…なんていうか、時差がないっていうか。朝もすごい早起きなんですよ。

H:じゃあ、眠い人に見えないね(笑)

高田:お昼…11時、12時くらいがピークで眠くて。で、夜も早く普段、寝ちゃうんですよ

H:意外だよね。

高田:だから、それがどこの国に行ってもあんまり変わらない(笑)

H:いいなあ、それ。

高田:そうですね。逆にいつでも寝れるんで…(笑)

H:へぇ、特異体質っていうか、いいなぁ。眠いって言ったら自分のことって思っちゃうんだよなぁ。ホントに眠いから、いつも。

高田:そうですね(笑)

H:本番、眠いんだよ(笑)

高田:細野さんは、でも、すごい夜型ですもんね。

H:そうなんだけどねぇ。でもね、なんにも無いと朝型になるんだよね。

高田:あ、そうですか。

H:いま、自然に…レコーディング終わって、普通の生活に戻る…

高田:はいはい。

H:で、いっぱい寝たなぁと思って起きると7時だったりね(笑)

高田:(笑)

H:まあ、年取ってるから早起きになるよね。

高田:でも、レコーディングの作業はやっぱり夜中にやることが多いんですよね?

H:どうしてもね、レコーディングは夜中になっちゃうね。

高田:あー、やっぱりそういう風に体が出来てるんですね。

H:特にひとりでやる場合ね。

高田:そうですよね。

H:今度はもう、バンドだから…わりと朝からやってるわけ?そんなことないか(笑)

高田:あ、でもわりとそうでしたね。午前中に集まって…

H:あ。早い。

高田:まあ、でも、いつもの細野バンドのメンバーなんで…演奏は問題ないんで、音作りの時間だけちょっとかけてもらって。そしたら、ホントに1,2テイクでどんどん録ってくみたいな感じですね。

H:テンポ早そう。んー。

高田:うん、みなさんもう、ホントに、勝手知ったる仲間なんで。

H:うん。想像できるわ。いやー、なんかこう、前作に続いてる感じだよね。

高田:あ、そうですね。前作作り終わった後ぐらいからちょびちょび作ってたようなものがいくつかあって…

H:いまの曲もそうらしいね。

高田:そうですね。これはホントに…わりと続きで作ってて。まあ、断続的に作ってたんですけど、わりと…アルバムのためにいっぺんに作ったっていうよりは、ちょびちょび、時間のある時に作ってた…

H:あー、そのほうがいいね。そういうほうがぜんぜん…濃くなるよね。

高田:うん。

 

H:えーと…最近はテレビのドラマもやってるじゃない。

高田:あ、ありがとうございます。はい。

H:タイトルが…

高田:「フルーツ宅配便」。

H:そうだ、それ。見てんだよね(笑)

高田:あー、ありがとうございます(笑)光栄です。

H:いやいやいや、やっぱり音がいいなぁ。おもしろい、音楽が。

高田:ありがとうございます。なんか、監督陣はみなさん、細野さんの大ファンで…

H:あ、そうなの?

高田:沖田監督(沖田修一)もいらっしゃいますから。

H:あ、そっか。

高田:そうそう。みんな喜んでますよ、きっと。

H:いやいや、もう…[仕事を]頼んでこないけどね、僕にはね(笑)

高田:(笑)お忙しいから、あれじゃないですかね、気を遣って…

H:いやー…大瀧詠一もそう言ってたよ。「誰もなんにも頼んでこない」って(笑)

高田:(笑)

H:そういうもんなんだよね…(笑)

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H:じゃあね…ちょっと気になったんだけど、インストね。

高田:はい。

H:"最後の楽園"って、ぜんぜん僕ね、憶えてなかったのね。

高田:ホントですか!(笑)

H:どっかで聴いたことあるなぁ、と思って聴いてたんだよ。そしたら自分の曲だった…

高田:(笑)

H:よく知ってるね、こんな曲。

高田:いやいや、たぶんファンの間では有名だと思うんですけど。でも、僕も…いつかカヴァーしたいなと思ってたんですけど。インストゥルメンタルだし、なかなかそういうチャンスもなくて…だから、今回ホントにできてよかったです。

H:いや、よかったよ。こっちもうれしいですよ。あれ、何に入ってたんだろう?

高田:あれは『PACIFIC』ですね。

H:あ、『PACIFIC』か!それもじゃあ、インストだったんだね。

高田:そうですね。なんか、昔細野さんの『PACIFIC』聴いた時に、これこのままスティールギターでやったら、普通にそのまま…いわゆるラウンジ・ミュージックみたいな感じになるんだろうなぁ、と思ってて。

H:なるほどね。なってた。聴いていい?

高田:はい、もちろん!

H:じゃあ、"最後の楽園"。

 

 

最後の楽園 - 高田漣

(from 『FRESH』)

 

 

H:へぇ、こういう曲だったっけね。

高田:(笑)

H:えーと、ピアノ弾いてる…

高田:ハタヤくん(ハタヤテツヤ)。

H:ハタヤくんって…どういう人だっけ?(笑)

高田:ハタヤくん、一回、細野さんのライヴでも参加した…EGO-WRAPPIN'でずっとピアノ弾いてる…

H:あ、そうだ、彼か!

高田:そうですね。ホントに、こういうジャジーなピアノを弾かせたらもう天下一品で…

H:そうだよね、んー。

高田:今回のこれも…ノエル・ボッグス(Noel Boggs)っていう、スティールギターの…

H:あー、好きだよ。うん。

高田:あの人の、ジャズのカヴァーばっかりしたアルバムがあって。

H:へぇ。

高田:その中の"Tenderly"っていう…

H:あー、"Tenderly"!

高田:それが、今のみたいに、[ピアノが]歌に関係なく絡んでくるっていう…で、ちょっとその雰囲気を出して頂きたくて、聴かせて…

H:渋いねぇ。とにかく、スティール奏者自体がホントに数えるほど…3,4人ぐらいか(笑)

高田:ホントですね…世界的に見てもどんどん少なくなってきちゃってて。

H:アメリカでも最近聞かないね。

高田:そうですね。たまにYouTubeとかで好きな曲を演奏しているプレイヤーとか見ると、すごいうれしくなりますね。

H:あー。若い人もいるんだろうね、きっと。

高田:そうですね。ホントにちょっとなんですけど…まあ、だいたい同じ人が引っかかるんで、それぐらいしかいないのかなぁと思うんですけど(笑)

H:じゃあやっぱり、世界でも高田漣のスティールっていうのは通用してるんだろうね。

高田:いやいや、まだまだそんなアレですけど…でもなんか、そういう横のつながりがぜんぜん無いので、いつか会っていろんなプレイヤーと話はしてみたいですね。

H:なるほど。同業者ってなかなかつながらないんだよね(笑)

高田:そうですね(笑)ただでさえスティールギター、そんなに…なかなか呼ばれることもないので。[同時に]2人はさすがに呼ばれないですね(笑)

H:あー、そうだよね(笑)最近、ベース…こないだ小坂忠のステージでベースやったけど、3人並んで弾いてた(笑)

高田:あ、すごい…そうですよね、ベーシストはぜったい一緒にならないですよね。

H:ならないんだよ。んー。まあ、唯一、よく知ってるのは小原礼ぐらいで…あと、ハマちゃん…

高田:あー、ハマくん(ハマ・オカモト)。

H:ハマくんだね。ハマちゃんはお父さん(浜田雅功)だ(笑)

高田:そうですね(笑)

H:それぐらいなんだよな。

 

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H:えーと…このジャケットがね…Dr.Johnだね、これ(笑)

高田:そうですね(笑)Dr.Johnっぽくなってる、っていうか。

H:「ベルウッドの遺伝子を濃密に継承した」…(笑)そうなのかね?

高田:どうなんでしょうね?(笑)

H:まあ、そう言われればそうかなと思うけどね。

高田:まあ…よく考えると、子どもの頃からたくさんそういう音楽に触れてるんで…

H:ホントだよね。そりゃそうだ。

高田:自分で意識しないでも、わりと…自然とそういうものには、普通の人よりは多く聴いてるかな、という。

H:それは、すごい経験してると思うよ。

高田:ですよね。

H:何歳ぐらいから聴いてるの?(笑)

高田:もう、あの…僕のデビューっていうか、それがちょうど、まだ生まれて間もない頃に加川良さんの『アウト・オブ・マインド』っていうアルバムの中で僕が…まだ子どもの頃ですけど、泣き声で…

H:泣き声で!(笑)

高田:ホント、0歳とか1歳の頃ですかね。

H:ははぁ…

高田:写真も残ってて。僕はもちろん、ぜんぜん記憶に無いですけど。

H:泣いてたんだね。

高田:泣かされてたっていうか…(笑)

H:つねられてたのかね(笑)

高田:そうですね(笑)

H:そうか、じゃあ今度は泣き声で参加してもらおうかな。

高田:(笑)

www.youtube.com

 

H:で…ひと頃まではね、そういう、たしかにベルウッド系っていうか…フォーク系のお仕事も多かったじゃない。

高田:はい。

H:最近そういう人たちは減ってるのかな。

高田:そうですね。あと、おもしろいのは逆に…細野さんもよく仰ってるけど、海外とかもそうだけど…若い子のほうが聴いてる感じがしますね。

H:そうだそうだそうだ、うん。たしかに。

高田:だから、何世代か回って…また、細野さんの作品とか聴く海外のアーティストもたくさんいるし。

H:そうそう。この数年でそういうことを知ってビックリしてんだけど。なんか、20代の人が聴いてるっていうね…(笑)

高田:うんうん。

H:でも、あの…漣くんの体験は濃密だと思うよ。だって…"はいからはくち"やってんだよね。

高田:そうですね(笑)

H:大瀧色もやっぱりね、おもしろい…強く出てるし。

高田:そうですね。よくまりんさん(砂原良徳)とかが、YMOの3人のそれぞれの音を出してバランスを取るって言ってますけど、僕もよくステージで…MCで言ってるんですけど、細野さんの曲をカヴァーしたら、必然的に大瀧さんの曲も1曲カヴァーすることになる…(笑)

H:(笑)

高田:なので、細野さんの”最後の楽園”をカヴァーしんたんで、大瀧さんのも、と思って。

H:どうしようかな、聴いちゃおうかな。聴いちゃおう、じゃあね。

高田:はい。

 

 

はいからはくち - 高田漣

(from 『FRESH』)

 

 

H:おお…いやいやいや…僕も大瀧詠一のカヴァーやりたくなってきた(笑)

高田:なんかね、以前そんな…まだ大瀧さん生きてる時に、そういう話もありましたもんね。

H:そうなんだよね。やりたいことはいっぱいあったんだけどね。残念だけど。

 

 えーと、このアルバム…僕のツアーでもやってくれてる"ハロー・フジヤマ"とかね、おもしろい曲いっぱい入ってますよ。

高田:あー、ありがとうございます。

H:あのー、ぜひ、CD聴いてください(笑)

高田:そうですね(笑)

H:まりんとも一緒になんかやってますよね。

高田:そうですね、1曲だけまりんさんに完全に打ち込んでもらったりとか。

H:そういう傾向もあるもんね。前、そういうのも作ってたでしょ?

高田:うん、そうですね。子どもの頃…小学校の頃、まさに僕らの世代って…

H:テクノだね。

高田:はい。YMOがもう…なんですかね、「B&B・ツービート・YMO」みたいな感じだったんで(笑)

H:お笑いね(笑)

高田:なんかそうやって、テレビでいつも見かける人たちで。で、その音楽は当たり前に子どもたちはみんな聴いてたんで。

H:あ、そうか。

高田:やっぱり、どこかそういうのが自分の中に残ってるっていうか。

H:そうだろうね。それは感じてたんだけどね。打ち込み好きそうだなぁ、って思ってた。そのうちそういうのもやるんだろうね。

高田:…やりたいんですけどね。でも、やっぱり、専門の人たちにはホント敵わないっていうか(笑)今回もまりんさんとやって、あー、やっぱり発想が違うんだなっていうのをつくづく…

H:そうなんだよ。最近の人はね…僕もわかんないもんね(笑)

高田:いやいやいや…(笑)でも、自分だと楽器で表現してるから、それが打ち込みに変わった時のおもしろさもあるし、違和感もあるし。その辺は細野さんもYMOやってて、ずっと…いろいろ試してたことだと思うんですけど。

H:そうそう。そうなんだよ。で、最近もね、同時に発売する『HOCHONO HOUSE』っていう…(笑)これも葛藤したね。

高田:あー…仰ってましたもんね、ずっと。

H:よっぽど漣くん呼ぼうと思ったんだけど(笑)んー、ひとりでやっちゃえ!と思って。

高田:いやいや(笑)ありがとうございます。

H:一人呼ぶといろんなね、人を呼びたくなっちゃうんで。

高田:そうですよね。コンセプトが変わっちゃいますもんね。

H:我慢しちゃった。まあ、そんなようなことで…あ、ツアーがあるでしょ?

高田:はい。

H:ちょっと、それを発表してください。

高田:えーと…6/16に大阪の千日前ユニバースで。

H:おお、ユニバース。うん。

高田:その後、6/23に、今度は東京のキネマ倶楽部で。

H:場所いいね、ぜんぶ。

高田:そうですね、どっちも…元キャバレーっていうか、そういう雰囲気のあるところで今回、やってみたかったんで。東京も、開演17時なんで、他の地方の方でもぜんぜんいらっしゃれると思うんで…

H:僕も、じゃあ、地方から…

高田:(笑)ぜひぜひ、いらしてください。

H:観たいね。

高田:会場もぜひ…細野さん、好きそうなんで…

H:好きなんだよね、たぶん、ね。行ってないんだけど(笑)

高田:すごく、いい場所だと思います。はい。

H:きっと、なんか…ふざけるのかな?どうなんだろ(笑)

高田:まあ、あの…そこそこに(笑)

H:そこそこね(笑)んー。まあ、わりと…なんだろう、そうだな、[普段は]あんまりふざけたりはしないよね。悪ふざけはしないよね。

高田:そうですね。MCの中でちょっと、そういう…おもしろいこととかは…トライはしてるんですけど。

H:落語好きだもんね。

高田:そうですね。まあ、それよりは、ちょっとそういう要素があって、あとは音楽がおもしろくなってくれれば、と思うんですけど。

H:まったくおんなじだ、僕と。うんうん。そういうわけで…3曲ぐらいにとどめておきたいと思います(笑)またじゃあ、ライヴで一緒にお願いします。

高田:あ、よろしくお願いします。楽しみにしてます。

H:はい。高田漣でした。呼び捨てにしちゃったけど。

高田:(笑)

 

tower.jp

 

★2019.02.15 α-STATION FM KYOTO「NICE POP RADIO」より

 

 

 
想い (はどうだろうか) - スカート
 (from 『CALL』)
  

澤部:お送りしましたのはスカートで"想い(はどうだろうか)"という曲でございました。こんばんは、スカートの澤部渡です。京都α-STATION、毎週金曜午後8時からはNICE POP RADIO。今週もわたくしの選曲とおしゃべりにお付き合いください~  

 68回目の放送でございます。今週はですね、スカートのサポートメンバーでおなじみの佐藤優介が…ようやくナイポレに初登場でございます。いま聴いてもらった"想い(はどうだろうか)"という曲の弦のスコアも佐藤優介が書いてますね。まあ、いろいろ二人で話したり、彼の新譜の話ができたらいいなぁ、と思っております。後半の選曲コーナー、今週は「佐藤優介と私」というテーマでお送りします。優介から教えてもらった音楽とか、なんかポロッと話してた音楽とか、聴いてきた音楽とかを持ってきました。非常にきもちわるい感じの回になるんじゃないかと思っております(笑)  

 

 番組ではみなさんからのメッセージをお待ちしております。α-STATIONのホームページにある"メッセージ"、からですね…番組「NICE POP RADIO」をセレクトしてお送りください。FAXは京都075-344-8940でございます。Twitterアカウントをお持ちの方はハッシュタグ、カタカナで「#ナイポレ」を付けてつぶやいて頂ければ、それを我々が拾いに行くというシステムになっております。よろしくお願いします。  

 また、この番組はパソコンやスマートフォンでラジオが聴けるIPサイマルラジオRadikoでもお聴き頂けます。スマートフォンからはGoogle PlayやAppStoreからRadikoアプリをダウンロードしてお楽しみください。有料サービスのRadikoプレミアムを利用しますと全国どこでもα-STATIONをお楽しみ頂けます。詳しくはα-STATIONのホームページ、またはRadikoのホームページをご覧ください。  

 そして、京都のレコードショップJET SET KYOTOのお店にNICE POP RADIOのコーナーを作って頂いています。番組で紹介したレコードも展開されていますので、ぜひチェックしてみてください。    

 

 では、佐藤優介特集なんで…1曲、彼がプロデュースを手掛けた曲をお送りしましょう。イルリメこと鴨田潤さんの"いい時間"を矢野顕子さんが歌うというプロジェクトがございまして、それを聴いてもらいましょう。"いい時間"。     

  

いい時間 - 鴨田潤 featuring 矢野顕子
 (from 『いい時間』)
 

    [CM]    

 

澤部:京都α-STATIONからお送りしておりますNICE POP RADIO。今夜はゲストをお迎えしております!

優介:おはようございまぁす。

澤部:(笑)お名前は?

優介:あ、佐藤です(笑)

澤部:(笑)というわけで、いつもスカートでキーボードを弾いてくれている佐藤優介くんに、遊びにきてもらいました。どうもどうもどうも。

優介:ああ、どうも…

澤部:(笑)きょうなんか、いつにも増して反応が遅い気が…

優介:いや、眠くて…

澤部:いやー、ご苦労様です(笑)最近も、お忙しそうで。

優介:いえいえいえいえ…とんでもないです。

澤部:ね、その…キーボード奏者としてもKID FRESINOだったり、ウチでも弾いてもらってますけど。しかもプロデューサーとしても…さっきかけたイルリメさんの"いい時間"をやったりとか、されてましたね。

優介:…そうですね。

澤部:"いい時間"は矢野顕子さんが歌ってて。

優介:そうですね。

澤部:ええ。すばらしい音源だったと、思うんですけれども…(笑)

優介:(笑)ありがとうございます。まあ、別に…ねえ。たしかに…よかったよね。

澤部:うん、スゲェよかった。ミックスがillicit tsuboiさんなんだよね。

優介:うん、ツボイさんでね…

澤部:めちゃくちゃ…ベースが気持ちよかったっすね、低音が。

優介:そうだね、やっぱりリズムが…すごかったですね。ミックス聴いた時。

澤部:ボンッて、こう、くる感じがあって。

優介:いやー、やっぱりいちばんすごいのは、社長(角張渉)だと思うんですけどね。

澤部:(笑)

優介:おれが社長だったらおれに頼まない…

澤部:いやいやいや(笑)でも、それでアレができてるんだからすばらしいと思いますよ。

優介:いや、ホントありがたいお話で…

澤部:ね。ペダルスティールは駒沢裕城さんで。

優介:駒沢さん、すばらしかったですね。

澤部:ね、ホントにいいプレイですよね。最高でした。

kakubarhythm.com

 

 

優介:…(笑)

澤部:慣れないことをやらしてすいませんね…(笑)

優介:いえいえいえ…

 

澤部:というわけで、そんな佐藤優介くんなんですけれども。僕と優介くんは古い付き合いに…だんだんなってきました。僕が20歳の時にですね…大学3年だったんですけど、彼が1年生として入ってきたのが最初でした。いろいろ…僕が大学1,2年で同い年の学生っつうのはわりとね、あんまりうまくいってなかったんですよ(笑)先生とか、ちょっと上の先輩とかとワイワイやってたんですけど。で、後輩に…おもしろいのが入ってきた、みたいなのがいくつかいて。で、その内のひとりが佐藤くんだったんですけれども。自分の中でよく憶えてるのが…YMOが好きな後輩が入ってきた、と。で、YMOが好きな後輩が入ってきたら…「まあ、"Rydeen"とかでしょ?」と思っていたんですけど。"Lotus Love"っていう曲のフィルインを…お互いが「ドッタタ、ドッタタッ」って言い出すみたいな瞬間があって。「あぁ、仲良くなれそうな気がする…」というのが最初でございます(笑)もうだいぶ眠そうですけど、大丈夫ですか?(笑)

優介:あー、だいじょうぶです(笑)ちゃんと……聞いてます。

澤部:(笑)まあまあまあ、そういう感じで…で、彼自身のピアノがすばらしいというのもあって、バンド活動に駆り出してしまって(笑)かなり…いまでもイヤイヤステージに立ってると思うんですけれども…(笑)

優介:いやいやいや…もう…楽しいです。

澤部:(笑)めちゃくちゃ言わされてる感じが…(笑)そうっすね…そうなんです。一時期、ホントに、もうやめてくれみたいな時期もあったよね…(笑)

優介:まあ…

澤部:もう出たくない、みたいな(笑)でも、そういう時をなんとか越えて、いまだに弾いてくれたり弦のアレンジなんかをしてくれております。

 

優介:………

澤部:眠そうだなぁ(笑)

優介:聞いてます、聞いてます(笑)

澤部:聞いてるかい?(笑)まあ、ここで優介が1曲…かけたい曲を持ってきてくれたということなので、1曲聴いてみますか。これはどういう曲ですか?

優介:アレですよね?

澤部:そうです、そうです。

優介:聴いてもらったほうがいいんじゃない?先に。

澤部:そうか。聴いてもらおうか。じゃあスカートで"秘密主義"という曲を。

 
 
秘密主義 - スカート
 (from 『lovers_chronicles』)
 
 
澤部:聴いてもらったのは"秘密主義"という…僕が18歳ぐらいの時に書いた曲ですね。…恥ずかしいですね、シンプルに。

優介:あ、そうですか?これがいちばん好きですけどねー、スカートで。

澤部:いや、これ…(笑)

優介:あんまりやんないですよね、ライヴでも。

澤部:そう、ライヴでやったことないね。あれだけだよ…Destroy All Monstersの…

[*2018.06.06(水)渋谷O-nestで行われた「佐藤優介 Destroy All Monsters」名義でのワンマンライブで披露された(らしい)。]

 

優介:いや、ね…やりたかったから、やったんすけど…いや、これが、ホントに、スカートでいちばんいい曲なんですけどね。

澤部:そうかもしれない…(笑)なんなんだろうね、とにかく短い曲をいっぱい作りたい時期だったんですよ。この頃っつうのはね。1分くらいの曲をね、たくさん作ってたっていう、感じでしたね…いやー、恥ずかしい…今度は僕が何も言えなくなってきますよ、これ(笑)

優介:…(笑)

澤部:いや、いいんだこの話は(笑)というわけで、なんで今回こんなにゲストとして絡みづらい佐藤優介をラジオに呼んだかっつうと、あれですよ。なんてったって佐藤優介、ようやくソロが出ると。

優介:…そうですね。

澤部:おめでとうございます(拍手)

優介:ありがとうございます。

澤部:いやー、そして…誰もたぶん、まだ聴いていない…

優介:そうですね、誰にも聴かせてないですね。

澤部:そして、このラジオが放送される時に、はたして聴いている人はいるのか…

優介:たぶん出てます(笑)

澤部:出てる?出てる?さすがに出てるか。

優介:出てるっていうか、もう届いてるんじゃないかな…

澤部:そうだね。

優介:ぜんぶ通販で…やってるんすけど。どこも出してくんないから…

澤部:いや、たぶんまじめに探せば出してくれるよ(笑)

優介:まあ…

澤部:まあ、最初の1枚ぐらいはね、自主でやってみたほうがいいよ、きっと。

優介:もう二度とやらないっす…疲れました。

澤部:自主はね、疲れるよ。あれは若い時やるもんだよ。

優介:んー…二度とやらないっす。

澤部:(笑)まあちょっと、一回聴いてみます?先に聴いてからのほうが話しやすいかもね。

優介:はい。

澤部:じゃあ、佐藤優介の『Kilaak』というアルバムの表題曲…ミニアルバムか。EP。"キラアク"を聴いてください。

  

キラアク - 佐藤優
 (from 『Kilaak EP』)
 
 

澤部:聴いてもらいましたのは佐藤優介で"キラアク"という曲でございました。いや、最高じゃないですか。

優介:…そうすか?

澤部:(笑)

優介:そう思ってないんでしょ。

澤部:いやいやいやいや、なんで…(笑)

優介:なんでも褒めるもんね。

澤部:(笑)いやいや、なに言ってんだよ(笑)めちゃくちゃいいじゃん。

優介:…

澤部:でも…佐藤優介、ソロを作るつくる、作ってるつくってると言い続けて何年も経ったっていう感じなんだけど。この曲は昔の曲なの?

優介:あー、でも、去年…ですかね。

澤部:はー。めちゃくちゃポップだし、カワイイし、ブキミだし、めちゃくちゃいいと思うんすよ。

優介:そうですか?(笑)

澤部:なんかもう…なんつうの?沸点の先のようなさ、感じがあるじゃん。

優介:あー…

澤部:躁状態、というか。

優介:ああ、そうだよね。元気ですよね…

澤部:うん。なんか、元気だけど…ただ元気なだけじゃないじゃん。ぜったいになんか…さっき言ったけど、ブキミさみたいなのがさ。どんどん、コロコロ、展開も変わるし。

優介:…なんかやっぱり、作ってると飽きちゃうんですよね(笑)

澤部:それで、なかなかソロが出なかった、っつう理由にもなるのかな?

優介:そう…ホントはこのEPの前に、アルバム作ってて。でも、アルバム、十数曲ぐらいできてるんですけど…なんか…やっぱ飽きちゃうんですよね(笑)

澤部:(笑)

優介:あ、でも、それは今年出そうかなとは思ってて。

澤部:うん、聴きたいっすよ。そう、なんかね…優介、昔の…僕らおんなじ大学なんですけど、卒業制作ってあるんですよ。で、[優介の]卒業制作がすごい良い、っていう噂だけ来て。そんなに良いんだったら聴きたいな、って本人に言って。「あ、送りますおくります」つって、もう10年ぐらい経ちますね。

優介:(笑)そんな大したもんじゃないですよ、ホントに。

澤部:でも、聴いた人はみんな口をそろえて「最高だった」って言ってましたよ。

優介:聴いた人…

澤部:望ちゃん(佐藤望)とか今井師匠(今井カズヤ)とか。

優介:あー…

澤部:そう、その辺もアルバムには入るの?

優介:あ、それ入ってますね。

澤部:おー。じゃあ、このEPをきっかけに…わりと裏方の仕事が多かった佐藤優介が、すこし自分の音楽をやる期間に入る…っていう感じなのかな?

優介:…なんも考えてないです(笑)

澤部:(笑)

優介:別に…そうですね…ってこれ1時間なんだね。

澤部:そうなんですよ、番組自体はね。

優介:大変だねぇ…

澤部:(笑)そうなんです、そうなんです…というわけで、『Kilaak EP』が発売中になってるんじゃないか、と。

優介:え、これ放送が…?

澤部:2月の15日です。

優介:ま、その…通販で、自分でやってるんですけど…もう、疲れたんで、作りたくない(笑)

澤部:(笑)

優介:発送も…

澤部:発送めんどくさいよね。だから通販は打ち切って、どっかお店に置いてもらったほうがいいよ。

優介:そうしようかな…とは思ってます。

澤部:ライヴ会場とか…なんか、慣れてて。どんどんね、次々出して。自分でもやってたからさ、わかるんだけど。

優介:やっぱり先輩なんかはね、すごい…ひとりでなんでもやるじゃないですか。営業も。タフですよね。本当に。

澤部:そうだね…(笑)そんなつもりはなかったんだけど、優介を見てると自分がタフなんじゃないかっていう気になってくるね。

優介:いやー、おれには無理だな。

澤部:(笑)いや、なんか…置いてくれそうなお店とか紹介しますよ。

優介:まあ、なんか、その…通販でいま、売ってたんですけど、一回打ち切って…流通盤みたいなのを作ろうか、っていう話もちょっとあって。

澤部:うんうん、たぶんそれがいいよ。

優介:…そうしちゃおうかな。

澤部:んー、それがいいと思う(笑)ただでさえクソ忙しいのに。

優介:まあまあ…

澤部:ともかく、まあ、このEPを皮切りにちょっとずつやってこう、っていう感じだね、じゃあ。

優介:んー、そうですね…

澤部:楽しみです。他の4曲もはやく聴きたいなぁ、と。

優介:1曲ね、ギター弾いてもらったからね。

澤部:んー…憶えてないんだけど(笑)

優介:憶えてないでしょうね(笑)

澤部:そうそうそう…それもすごい昔の…(笑)

優介:こっそり録ってたんですよ、ホントに。

澤部:そう…すげー昔だったし…あー、懐かしいな。僕が喉を盛大に痛めてた時に録ってたんだよ、あれ。

優介:あー、そう…でしたっけ。

澤部:そうだ。そっちの意味でもなんにも憶えてないんだよね。

優介:あー、じゃあ…却っていいね。

澤部:そうだね(笑)新鮮な気持ちで聴けると思うなぁ。

優介:そうそう。

澤部:どういう仕上がりになってるかも気になるしなぁ。んー。

優介:どういう仕上がりに…ね。なってるんですかね、本当に(笑)

澤部:(笑)なんか、全体で10分ないんだっけ?

優介:そうだね。

澤部:アルバムのほうもそういう、短いのばっかなの?

優介:え、アルバムは…長いね。いや、短いかも。

澤部:(笑)いやー、でもさっき聴いてもらった感じでわかる通り、とにかく1曲1曲の情報量っつうのがね、すごいんですよ、優介が自分でトラック手掛けるやつって。それをね、いまから聴くのが楽しみです。分数は短いけれどもとびきりの音楽体験になるんじゃないかと思っております。もう購入済みの方はお楽しみに。まだ買ってない方はいつか出る流通盤をお楽しみに、という感じですかね。

優介:…はい。

澤部:(笑)じゃあCMです。

 

    [CM]    

 

澤部:京都α-STATIONからスカートの澤部渡がお送りしておりますNICE POP RADIO。この番組ではわたくし澤部渡おすすめの音楽、金曜のこの時間にピッタリな音楽をたくさんお送りしていけたらな、と思っております。今週のテーマは「佐藤優介と私」という…大げさなタイトルがついております(笑)まあ何分、学生時代からの付き合いなもんで。当時、いろんな音楽を教えてもらったりとかしてたんで、そういう曲を集めて持って参りました。

 まあ、1曲目にちょっとドギツいのをかけとこうかな、と。ルイス・フューレイ(Lewis Furey)という、カナダ生まれのシンガー・ソング・ライターがいまして。彼のアルバム…僕、たぶん、彼の存在を優介から教えてもらったんじゃないかな…ちょうど来日する時だったんだよね。

優介:そうですね…おれも憶えてないけど、あんまり。

澤部:あれ、行ったんだっけ?優介は。

優介:いや、行かなかったね。

澤部:僕も行かなかった…

優介:っていうか、来日をおれ、知らなかったと思うんだよな…

澤部:あ、そうかそうか。あ、思い出した。知り合いがルイス・フューレイ来日するんだよ、っつって、「誰すかルイス・フューレイって。聴いたことないっすわ」みたいな感じで話してたら、優介が持ってる、みたいな感じになって貸してくれたんじゃなかったかな…

優介:んー…

澤部:『The Sky Is Falling』を貸してくれて。まあ、聴いてもらうのはルイス・フューレイの1stから、"Hustler's Tango"という曲なんですけど。ちょっと一回聴いてみましょうか。

  

Hustler's Tango - Lewis Furey
 (from 『Lewis Furey』)
 
 

澤部:というわけで聴いてもらいましたのはルイス・フューレイで"Hustler's Tango"という曲でした。

優介:シングル出てたよね。再発みたいな感じで。

澤部:そうそうそうそう。

優介:買ったな、それ。

澤部:あれなんか、7インチたまたま買えた。当時の。

優介:あ、当時の?

澤部:うん。なんか、ジャケがカルテみたいなやつでしょ?

優介:…あ、そう、なんか…カルテか、あれ。

澤部:うん、みたいよ。で、「Lewis Is Crazy」って…

www.discogs.com

 

澤部:そう、この来日、けっこうさ…慶一さん(鈴木慶一)とかも当時観に行ってて…

優介:そう、慶一さんが行ってたのは憶えてるな。

澤部:なんか、Tシャツ着てたりしてたよね、ライヴで。

優介:そう、『The Sky Is Falling』のね。

澤部:後で聞いたら、ピース・ミュージック(Peace Music)の…

優介:中村さん(中村宗一郎)?

澤部:中村さんも観に行ってて…

優介:あ、そうなんだ。

澤部:なんか、ゆらゆら帝国で観に行った、みたいなこと言ってた気がする。

優介:みんなで?

澤部:みんなかどうか忘れたけど、とにかく亀川千代さんがめちゃくちゃ喜んでたんだって。

優介:あ、そうなんだ(笑)

澤部:そう(笑)意外…意外だけど、わかるような。

優介:わかるような気がするね、なんか…

www.cdjournal.com

 

d.hatena.ne.jp

 

澤部:まあそんなわけで、次いきましょうか。次はですね、ブライアン・ウィルソンBrian Wilson)とヴァン・ダイク・パークスVan Dyke Parks)の『Orange Crate Art』を持ってきました。

優介:いいね…

澤部:それもちょっと聴いてみましょう。

優介:あ、いいね……

澤部:いいよね…

  

Orange Crate Art - Brian Wilson & Van Dyke Parks
 (from 『Orange Crate Art』)
 
 

澤部:聴いてもらいましたのはブライアン・ウィルソンヴァン・ダイク・パークスの"Orange Crate Art"という曲でした。

優介:いいねぇ…

澤部:いいよねぇ…この曲がね、優介がくれたCD-Rのかなり後半に入ってて…

優介:ぜんぜん憶えてないですね…

澤部:でしょうよ(笑)

優介:ヴァン・ダイク・パークスはすごい好きで…ソロの1stがいちばん、好きで…

澤部:あー、『Song Cycle』…

優介:『Song Cycle』。さっきかけてもらった、おれの…

澤部:うん、"キラアク"。

優介:"キラアク"も…なんだろうね、ああいう…『Song Cycle』のやり過ぎ感、みたいの…やり過ぎだし、よくわかんないみたいな。

澤部:うんうん。

優介:そういうスピリットを入れたいな、みたいには思ってて…んー、すごい好きですね、ヴァン・ダイク・パークスは。

澤部:そう、僕、ヴァン・ダイクも優介に会うまで…聴いてはいたんだけど、よくわかんなかったんですよ。で、優介がヴァン・ダイクすごい好きだって言うから、けっこう、むりやり聴いて、がんばってわかったみたいなところがあった(笑)

優介:んー、おれもよくわかんないすよ、いまだに。

澤部:そう。取っつきにくい、って思ったんだけど、『Jump!』を聴いたら他のがぜんぶパッ、と…

優介:『Jump!』はポップだね。

澤部:ポップだからね、そう。あれで一回カタチが見えたら、他のアルバムがすごい、気持ち良く聞こえたなぁ。

優介:やっぱりおれは『Song Cycle』なんですよね。あれを初めて聴いたの、高校生ぐらいかな…

澤部:あー…

優介:もう、怖くて聴けなかった、1曲目…2曲目始まったぐらいで、ああ、これはちょっと怖いから一回止めようと思って、止めた記憶があるね。

澤部:へぇ…でもちょっとわかるわ。なんかブキミなんだよね、必要以上に…

優介:すごい怖いね。それはすごい影響受けましたね…

澤部:んー、そういう感じはしたなぁ…

www.discogs.com

 

 

澤部:じゃあ次、いきますか。次はわりと最近…遠征の車で優介がかけてて、うわー、めちゃくちゃいい!と思った曲なんですよ。

優介:なんだろう。

澤部:ジェームス・テイラーJames Taylor)の"Walking Man"…

優介:(笑)

澤部:ぜんぜん聴いてなかったんですよ、ジェームス・テイラー。『One Man Dog』だけ聴いて、あー、まだなんか早かったかなぁ…とか思って。

優介:いや『One Man Dog』、めっちゃいいけどね。 

澤部:たぶんいま聴いたら違うんだろうなぁ、と思って。ジェームス・テイラーで"Walking Man"を聴いてもらいましょう。

   

Walking Man - James Taylor
 (from 『Walking Man』)
 

 

澤部:聴いてもらいましたのはジェームス・テイラーで"Walking Man"という曲でございました。これもすばらしいっす。ホント、ついこないだのツアーの遠征の時の車でかけてて。なんか、その時けっこういろんなのかけてたよね。

優介:なんだっけ?

澤部:えーと、ナシメント(Milton Nascimento)のさ…

優介:かけたっけ…

澤部:なんか、男の子が2人座ってるやつ…あれ違うっけ?あれナシメントじゃないか。

優介:いや、ナシメントですよ。ぜんぜんおれ憶えてない、なにかけたか…

澤部:ホントに朝3時とか4時とかのぼんやりした感じに、急にかけだして…

優介:車でかけたいなら、町さんだけどね、おれは。

澤部:あー、町あかりね、好きだよねー、町あかりさん。

優介:町あかりさんは好きだね…

澤部:電気グル―ヴのヤツもすげーよかった。やっぱりあの人、声がいいんだね。

優介:いや、歌うまいよね…

澤部:うまいよね、んー。

www.discogs.com

www.cinra.net

 

澤部:じゃあ次はですね…僕、アレサ・フランクリンAretha Franklin)もね、ちゃんと聴いたことなかったんですよ。

優介:あー。

澤部:で、それで優介が"Day Dreaming"を…

優介:教えたっけ…(笑)

澤部:なんかTwitterに書いててさ。亡くなった時に。

優介:あー…ね、亡くなっちゃった…

澤部:そうそう。で、あんまり通ってなかったから、そんなに…"Rock Steady"ぐらいしか聴いたことなくてさ。

優介:あー。

澤部:で、そんなにいいんだ、と思って聴いたらめちゃくちゃよかったんで…ちょっとそれも聴いてもらいましょうか。アレサ・フランクリンで"Day Dreaming"。

   

Day Dreaming - Aretha Franklin
 (from 『Young, Gifted And Black』)
 
 

澤部:アレサ・フランクリンの"Day Dreaming"という曲がかかっておりますけれども。これも…すばらしいですよね。

優介:これは…アレサが書いた曲ですよね。

澤部:そうそう。それにビックリして。いい曲だよね。アレンジもめっちゃいいし。

優介:演奏を聴くために聴いてた、っていうのもあるね…

澤部:そう。だから、わりとさ、演奏っていうよりも曲を聴きたいっていうタイプだったから、ぜんぜんわかんなかったんだよ。でもなんかこう、ある時、チャック・レイニーChuck Rainey)がどう、とか。そういうのを知るとさ…そういうのの推移がわかると曲がおもしろくなくても聴けるっつうのが…

優介:んー、やっぱりベース…一時期ベースがすごい好きだったから。自分で弾くのも。

澤部:うんうん。

優介:だから、チャック・レイニーとかジェームス・ジェマーソン(James Jamerson)をすごいコピー…しましたね。

澤部:あー…やっぱりそうなんだね。ちゃんとコピーとかするんだね。

優介:コピーっていうか、まあ、聴いて…

澤部:どういう動きするんだ、みたいなね。

優介:そういうのばっか気になっちゃう…気になったら、わかるまでやろう、っていう風になっちゃう。

澤部:んー、さすがっす。というわけで、アレサ・フランクリンの"Day Dreaming"という曲を聴いてもらいました。

 

澤部:で、最後に1曲…まあ大ネタなんですけど。

優介:なんですか?

澤部:トーキング・ヘッズTalking Heads)を持ってきました。

優介:おお…

澤部:僕、その…なんつうんですかね。母親の音楽の影響がすごいデカくてさ。

優介:(あくび)はい。

澤部:(笑)

優介:ごめんなさい(笑)

澤部:この話になっちゃうんだよ、いっつも。

優介:いやいやいや、どうぞ、してください…

澤部:なんか、母親がトーキング・ヘッズ大瀧詠一をすごい嫌いだったんですよ。

優介:(笑)

澤部:で、それでね、聴くのがすごい遅れたの。

優介:んー。

澤部:で、優介、トーキング・ヘッズも好きだったじゃん。

優介:好きですね。

澤部:それで…最初100円で買った『Speaking In Tongues』とか聴いてたんだけど。で、そこで改めて、ようやく…優介がトーキング・ヘッズ好きだって言ってて、ちゃんと聴くようになったのよ。

優介:そうなんですか…(笑)

澤部:そうなんですよ(笑)なのでね…トーキング・ヘッズの"Once In A Lifetime"を、あえて(笑)

優介:(笑)

澤部:もう、大ネタ中の大ネタで締めたいと思います。

 

Once In A Lifetime - Talking Heads
 (from 『Remain In Light』)
 
 

優介:来日しないのかな…いまやってるツアーがいいんだよね。

澤部:へー。

優介:見てない?映像。

澤部:あー、見てないや…

優介:ホント?すごいよ。全員「立ち」で、マーチングみたいにやってる。

澤部:あー…

優介:ドラムもスネアだけの人と、キックだけの人がいて。キーボードとかギターとか、全員「立ち」で。マーチングみたいな感じのバンドで。

澤部:へー…すごい…

優介:デヴィッド・バーンDavid Byrne)がね。で、キーボードはなに使ってると思います?

澤部:…リフェイス(Reface)?

優介:クロス(KROSS)なんすよ(笑)

澤部:(笑)

優介:「立ち」だから…

澤部:軽いほうがいいわけだね。

優介:マーチング的には軽いのがよかったんですかね。音すげぇダセーんだから…ペナペナな音しか出ないから…(笑)

澤部:(笑)

優介:また、サックスとかもヘンな音。再現するためにさ。

澤部:あー、はいはい…

優介:サックスとかの音出すの、KROSSの。

澤部:あー、キツいね。

優介:しょぼい音でやってんの、これ…

澤部:まあでも、スゴ味があればね。見た目のね。

優介:そうそう。まあサックスならさ、いてもいいじゃねぇかって…(笑)

澤部:いてもいいよねサックスは!(笑)デヴィッド・バーンでしょ?サックスぐらい呼べるっしょ。

優介:そっちならむしろね…

www.youtube.com

 

 

澤部:いかがでしたでしょうか。今週は「佐藤優介と私」なんていうテーマで選曲してみました(笑)改めまして、この時間にお送りしましたのはLewis Furey"Hustler's Tango"、Brian Wilson & Van Dyke Parksで"Orange Crate Art"、James Taylorの"Walking Man"、Aretha Franklinの"Day Dreaming"、Talking Headsの"Once In A Lifetime"、以上5曲でございました。

 

 という感じでやっぱ…この曲もすげーカッコいいよね…

優介:んー…そうね。

澤部:優介はトーキング・ヘッズだとどのアルバムがいちばん好きなの?

優介:どのアルバム…みんな、けっこう好きですよ。これ(『Remain In Light』)も好きだし…でも元々、聴き始めたきっかけがYMOだったから。YMOが影響を受けた、ってなんかで言ってて…トーキング・ヘッズに。それで聴いてみようと思って、聴いてたから、最初ね。

澤部:あー、じゃあ『More Songs About Buildings And Food』とか、あの辺なのかな?『Fear Of Music』とか?

優介:『Fear Of Music』もいいね。1stもすごい好きですけどね。

澤部:いいよね。なんかいま…いま聴くとちょうどいい感じがするかも…

優介:んー…

澤部:…そんなこともないか(笑)

優介:無いね(笑)

澤部:すいません(笑)まあ、きょうオンエアーした曲のレコードを後日、わたくしのインスタグラムにアップしていく予定です。気になった曲があったという方はインスタアカウントの澤部渡、または「スカート 澤部 インスタ」ないしは「@skirt_oh_skirt」などで検索してみてください!

 

www.instagram.com

優介:めっちゃインスタって言うね。

澤部:そうなんですよ…

 

 

一番偉い人へ - とんねるず
 

 

澤部:えー、お送りしている曲はきょうのゲストの佐藤優介くんの選曲で…この曲はなんという曲でしょうか?

優介:"一番偉い人へ"。おれと先輩の出会いの曲なんです、これは。

澤部:そうでしたっけ?(笑)

優介:懐かしいですね、ホント…文化祭でね、二人で歌ったよね。

澤部:そうでしたっけ??(笑)

優介:懐かしいなぁ…

澤部:いや、ウソですよ?(笑)この曲聴いたの、去年ですから(笑)

優介:えー、さっきも話したけどね、この曲が好きだっていうんで意気投合して…大学の時に…

澤部:そうそうそうそう…(笑)ウソだと言ってもまだする?その話を…(笑)

優介:ホント、うれしかったですねあの時は…

澤部:そうだね…これ去年のね、「佐藤優Destroy All Monsters」っていうライヴでやったね。

優介:またやろうかな、4月ぐらいに。

澤部:そう、まあでも、なんかやったほうがいいよ。

優介:んー…

澤部:まあ『Kilaak』…あの内容はライヴじゃぜったい再現できないとは思うけど…

優介:そんなことないですよ?

澤部:ホントに?できる?まあやってみたら?ライヴやったほうがいいよ。

優介:やろうかな、4月ぐらいに。

澤部:うん。じゃあまあ、その辺の…優介先生の動向を、みなさんもチェックしてもらえればと思います。えー、お知らせという感じで…なんかありますか?『Kilaak』が出てます、みたいな。

優介:おれ?

澤部:そうそう。

優介:いや、さっき言ったし、いいや。

澤部:(笑)はーい!じゃあ、スカートの告知をやろうかな…あ、でも4/30の姫乃さん(姫乃たま)の、渋谷のさくらホールでやるやつは、ひさしぶりに「僕とジョルジュ」でライヴやりますね。

優介:んー、たぶんこれが最後ですね。

澤部:そうなの?(笑)そんな気軽に言っていいんですか?

優介:最後じゃ…だってもう、なんもないし。

澤部:あー、まあ決まってはいないからね、先はね。

himenotama.com

 

澤部:まあまあまあ、スカートもいくつかお知らせがあるので、スカート通信。ニューシングル『君がいるなら』、アナログ『20/20』好評発売中でございます。えー、遠征のライヴがいくつか。3/21(木・祝)は神戸の蘇州園で開催のイベント「御影ロマンス 2019」に弾き語りで出演。3/22(金)は沖縄那覇Outputでアナログフィッシュ20周年のイベントに出演。これも弾き語り。3/31(日)は大阪味園ユニバースで開催のイベント「CHOICE VOl.18」に久しぶりのバンドで出演、という感じです。他、詳しくはスカートのWebサイトをチェックしてください。

優介:おれもそういえば大阪行くわ、KID FRESINOで。

澤部:あー、じゃあそれとか言いなよ。

優介:日にちわかんないや。

澤部:いま調べる?

優介:2月に…どこだっけ、梅田の…

澤部:シャングリラ?

優介:いや…トラッド…

澤部:あ、TRAD?

優介:だったかな…

澤部:2/21(木)だそうです。梅田TRAD、ぜひ遊びに行ってください。

優介:もう、いこう、これ。「NICE POP RADIOではメッセージをお待ちしております。」

澤部:(笑)α-STATIONのホームページにある"メッセージ"から番組「NICE POP RADIO」をセレクトしてお送りください。FAXは京都075-344-8940です。Twitterアカウントをお持ちの方はハッシュタグ、カタカナで「#ナイポレ」を付けてつぶやいてください。番組の感想やわたくしへのメッセージ、選曲テーマやカヴァーのリクエストなどもお待ちしております。

優介:あ、ナイポレってこれだったんだ…

澤部:そうなんですよ(笑)

優介:なるほどね、ナイス・ポップ・レディオを略して「ナイポレ」だ!

澤部:ナイポレなんです。

優介:おれずっとTwitterでナイポレ、ナイポレって…なるほどな。

澤部:そうなんです。これだったんです。

優介:ははーん…きょう来てよかったよ。

澤部:(笑)ひとつ事を知ったね。

優介:謎が解けた…

 

澤部:じゃあ、今週最後にお送りしますのは…僕が好きな佐藤優介ワークスを1曲聴いてお別れしようと思います。もうだいぶ昔ですね。6,7年前に、ムーンライダーズっていう僕らが大好きなバンドがあって、その『MODERN MUSIC』っていうアルバムをデラックス・エディションで出した時に、2枚組にしてその2枚目がリミックスになってる、みたいな感じになってて。僕とかトクマルシューゴさんとか…の中に優介もいて。そのリミックスが僕、すっごい好きなんで。ちょっとそれを聴いてお別れしようと思います。

優介:すごい昔ですけどね、これ。ホントに…

澤部:んー。これ聴いた時、ホント衝撃で。たぶん同時期ぐらいに"トロッコ"とかもやってたじゃん。カーネーションのトリビュートで…

優介:おんなじ時期だっけね。

澤部:ちょっと、こっちのほうが前かな…?

優介:前、かも…

澤部:とにかく、あの2曲はすごい衝撃でしたね。

優介:んー。楽しかったですね、やってて。

澤部:なので、それを聴いて今週はお別れです。じゃあ、ムーンライダーズの"Back Seat"の佐藤優介リミックスです。NICE POP RADIO、この時間のお相手はスカートの澤部渡と…

優介:…あ、佐藤優介でした。

澤部:(笑)また来週~

 

Back Seat [Remixed by カメラ=万年筆] - MOONRIDERS
 (from 『MODERN MUSIC Special Edition』)