2019.07.21 Inter FM「Daisy Holiday!」より
H:こんばんは、細野晴臣です。えー、今回も先週に引き続いて…「恐るべし10代」という…(笑)ゲストが、Little Glee Monsterのmanakaちゃん。
ma:はい、manakaです。
H:そして、小山田マイロくん。
Mi:マイロです。
H:(笑)
Mi:よろしくお願いします。
ma:よろしくお願いします。
H:えーと、今回はどうしようかね。んー。
Mi:(笑)
H:ホントはね、若者同士でしゃべってくれるといいんだけどね。実はね、孫の悠太がそこにいるんだけどね。
(悠太:きょうはちょっと、やめときます。)
ma:(笑)
H:まあ、みんな10代だよ。いまんところ。
ma:そうですよね。
H:どういうこと?これ。
Mi:(笑)
ma:すごい。
H:みんなミュージシャンだよ。音楽以外の人は知らないんだよ、僕、そういえば。もうひとりヘンな人がいるの。
Mi:はい、なんか…聞きました。
H:19歳で。悠太の…
Mi:同級生?
(悠太:いや…友達。)
H:最初にね、ここにひとりで来たんだよ。
Mi:えー!
ma:すごいおもしろいですよね、それ。
H:僕を訪ねてきたわけ。
Mi:訪ねて?いきなり?(笑)
H:いきなり。
Mi:んー、すごい。
H:ブギウギに関してすごい詳しい19歳。そんなヤツがいるんだ、と思って(笑)
ma:すごい…
H:それで悠太に紹介して、仲良くなって。おもしろいんだよね?
(Yu:めちゃくちゃおもしろい。頭のねじが1本はずれてる…)
ma:気になる…
H:じゃあ今度はその人も呼ぶ、と。で…きょうはどうしよう。じゃあね…この間の続きで、ちょっとアンビエントっぽい話だったんで…ヴァンパイア(Vampire Weekend)を聴いてみようかな。ここでまだかけてないもんね。ヴァンパイア・ウィークエンドで…"2021"っていうタイトルか。
2021 - Vampire Weekend
(from 『Father of the Bride』)
H:短いんだよね(笑)
ma:いいですね。
Mi:新しいやつですよね?
H:そう。えーと、いつだったかな…ずいぶん前に打診が来て。「"Watering a Flower(花に水)"っていうのを使っていいか」っていうね。「いいんじゃないの?」と思って。
2人:(笑)
H:そしたらこんなのができあがって来て。おもしれぇ、と思って。
Mi:ヴァンパイア自体も…相当ひさびさのアルバムですよね。
H:そうなんだよね。いくつの人たちなんだろうね、これは。わかんないな、僕には。
Mi:30代…?
H:30代かな?けっこう前から聞いてはいたけどね。ぜんぜん、こういうのをやる人たちだとは思ってなかったから(笑)びっくりだよ。
H:さて、manakaちゃんは…
ma:はい。
H:Little Glee Monsterは…アイドル活動、なのかな?
ma:そうですね…ボーカル・グループ、という感じで。アカペラとかを主にやったりしてるので…はい。
H:大人のファンも多いよね、だから。
ma:そうですね。と、並行して、けっこう同い年ぐらいの子とかもすごい多くて。それはうれしいですね。うん。
H:えっと…これ、ライヴがけっこう多いんだっけね。
ma:はい。
H:近々は…いつどこで、なにやる?
ma:えっと、8月から11月まで全国ツアーが始まるんですけど。初日が8月3日から…11月には代々木の第1体育館のこけら落としをやらして頂くんですよ。
H:ホント?すごい。あそこで?
ma:はい。
H:えー!びっくりだね。
ma:びっくりです(笑)めちゃくちゃ光栄です。
H:それは誰でも入れるのかな?(笑)抽選かな?
2人:(笑)
ma:そうですね(笑)3日間あるので、ぜひみなさんに来て頂きたいです。
H:あー、それはそれはね、記念すべき…選ばれたね。なにか聴かせてもらおうかな。
ma:はい。リト…私たちの曲ですよね?
H:うんうん。
ma:じゃあ、私たちの新曲の中の、カップリングで…"Baby Baby"という曲があるんですけど、それにしたいと思います。
H:あ、わかりました。
Baby Baby - Little Glee Monster
(from 『君に届くまで』)
ma:ありがとうございます…!
H:良いよ。
ma:めっちゃ恥ずかしいです…(笑)
H:なんでなんで(笑)これはすごい…伝統的なファンクだよね。
ma:はい(笑)
H:曲、誰?これ。
ma:これは、初期…デビュー曲からやってくださってるKENさんという方がいらっしゃって。
H:へぇ。なかなかいいですね。んー。
ma:ありがとうございます(笑)
H:いろんな音楽を聴くと刺激されて、なんかこう、希望が持ててくる。
ma:(笑)
H:さて、マイロくんの曲…ね。もう1曲聴こうよ。
Mi:え!
H:せっかくだから。
ma:(笑)
Mi:そんな…いいんですか?
H:いいんだよ、もちろん。せっかく来てくれたんだから。
Mi:いやぁ…恐縮です…
H:マイロくんは、歌わないの?
Mi:歌わないですね。歌ったこともないです。
H:ホント?小山田くん(小山田圭吾)もそうだったけど、最近歌うようになったよね。
Mi:そうですね(笑)
H:うん。いいよ。なかなかいいと思うんだけど…
Mi:恥ずかしくって…
H:最初は誰でもそうだね(笑)
Mi:(笑)
H:やっぱり、やってみたほうがいいと思うよ。んー。
Mi:僕、でも、マイク持ってないんですよ(笑)
H:ホント?買ったほうがいいね(笑)…これ?タイトルあるの?
Mi:これは"DUNE"という曲です。
H:"DUNE"。
DUNE - Milo
H:えーと、あれだね…19歳の音じゃないね、これ。
Mi:(笑)そうですか?
H:大人だよね。
Mi:なんか、でも、これは…僕、SF、っていうか映画が好きで。そう…サントラとかもすごい好きで、聴いてて…これは…あ、この曲の話になるんですけど。
H:いいよ。"DUNE"だよね。
Mi:そう、ホドロフスキー(Alexandro Jodorowsky)が撮り損ねた…
H:あ、『DUNE』…あったね。
Mi:今度、公開するみたいなんですけど…ホドロフスキーじゃないんですけど。
H:あ、そうなの?ちょっと癖のある人だからね。
Mi:そう…ボツになっちゃった映画があって。それを…あったらいいな、っていう(笑)
H:そうか。それはおもしろい。でも、SF好きってことはすごいうれしいね。
ma:なんか、すごい詳しいんですよね。
H:あ、ホント?その話、したいな。最近、いいSFが無いじゃない。
Mi:ああ…そうですね…
H:しょっちゅう観てるんだけど、新作。B級でもなんでも。
Mi:あ…それこそ一度、映画館で…(笑)
H:あったね(笑)あったあった(笑)
ma:すごいですよね、その状況…(笑)
H:エレベーターから降りてきたんだよね(笑)
Mi:ヒューマントラストシネマで…(笑)
H:渋谷のね(笑)あれなんだっけな、映画…
Mi:『パターソン(Paterson)』です!
H:あ、『パターソン』だ!シブい映画観に来たね(笑)
ma:(笑)
Mi:エレベーター乗ってて、[扉が]開いたらいちばん前に細野さんが立ってて…うわー!と思って(笑)
H:最初は気がつかなくて…そしたら声かけてきてくれてね。よかったよ。
Mi:びっくりしました…(笑)
ma:そんな状況、人生で一回あったら奇跡、ぐらいの状況ですよね(笑)エレベーター開いて細野さんがいらっしゃる…
Mi:そうだね(笑)
H:そうね(笑)でも、お父さんともそうやって会ったんだよね。
Mi:あ、そうなんですか?
H:PARCOの本屋さんで(笑)
ma:えー!
Mi:(笑)
H:そういう関係なのかな。小山田家とはね。んー。
Mi:バッタリ(笑)
H:そうか、SF…
Mi:なに観ました?最近。
H:最近はね、なんだっけな…ぜんぶ忘れちゃうんだよね(笑)
2人:(笑)
Mi:なんか印象に…
H:印象に残ったのは…わりと良かったなと思ったのは『ファースト・コンタクト(The Beyond)』っていう…
Mi:あー!はいはい…
H:知ってるんだ。あの…最近観た中でいちばん好きだったのはあれだよ、『メッセージ(Arrival)』。
Mi:はい!僕も!
H:おんなじだ!(笑)
Mi:最高ですね、あれ…
H:あれはすばらしい。ね。ああいうのがあるから見過ごせないっていうかね。
Mi:んー…
H:みんな、SF好きじゃないみたいよ、今の人(笑)
Mi:そうなんですか?おもしろくないんですかね…
H:いやー、すごい現実的じゃない?AIの話よりぜんぜんおもしろいよね。
Mi:そうですね(笑)なんか、けっこうみんな…僕の友達でもSF好きだと、『エクス・マキナ(Ex Machina)』とか。
H:あ!いい。観た。んー。
Mi:僕も好きで、何回か観たんですけど…『メッセージ』は…
H:特別だね。音楽もすごかったし。
Mi:うんうん。
H:ヨハン・ヨハンソン(Jóhann Jóhannsson)っていう…亡くなっちゃったんだよね。
ma:…帰宅したらぜったいすぐチェックします。『メッセージ』…
Mi:(笑)
H:それは観て、うん。
Mi:なんか、普通のSFみたいな感じでもないんですよね。言語…言葉の…
H:ふしぎな映画だよ。
ma:へぇ…
Mi:宇宙人と、言語学者がコミュニケーションをとる、っていう…
ma:えー、おもしろそうですね。
H:うん、おもしろかった…
ma:観てみよう…
ma:なんか、前に会ったときゾンビ映画にめっちゃハマってたよね。
Mi:あー、ゾンビは大好き(笑)まだ今でもぜんぶ観てる。
H:(笑)
Mi:この前…それこそ『パターソン』の監督のジム・ジャームッシュ(Jim Jarmusch)の新しいやつ…(笑)
H:それ観てないんだよ…
Mi:アメリカ公開だったんで、こっち来る前に観たんですけど…非常におもしろかったですね(笑)
ma:えー。
H:それは観なきゃな、って思ってて…
Mi:ゾンビ映画って基本、低予算で作るから、キャストがぜんぜん有名じゃない、とか。ショボい俳優…ショボい俳優って言ったらアレだけど…
H:それがいいんだけどね。
Mi:まあ、そう…でも、そのジム・ジャームッシュのやつはティルダ・スウィントン(Tilda Swinton)とか、ビル・マーレイ(Bill Murray)とか…
H:おお、大物が出てるんだ。んー。
Mi:大物ばっかで…すごい、味濃いゾンビ映画だった(笑)
ma:んー。
H:楽しみだね、それは。ジム・ジャームッシュがゾンビ撮るとは思わなかったよね。
Mi:いやー…
H:映画好きなんだね、じゃあ。マイロくん。
Mi:好きですね。
H:『アンダー・ザ・シルバーレイク(Under the Silver Lake)』っていう映画観たんだけど、あれはね、結末、好きじゃないね。
Mi:ちょっとね(笑)
H:「アセンション(Ascension)」っていうニュー・エイジの…ちょっと宗教がかっちゃって。
ma:んー。
H:でも、その間はけっこうダラダラ…ヘンな話だけどね。
Mi:謎解きみたいな…オタクくんが…(笑)
H:そう、なんかかぶるところがあるよ。「ゼルダの伝説」とかね。
Mi:「マリオ」とか「ファミコン」とか。「アメリカ人のオタク文化」がすごい…ファンジン(Fanzine)が出てきたりとか。
H:でも…こないだロサンゼルス行ったときに、シルバーレイクって街に行ったんだよね。
Mi:はい…
H:なんか、若者が集まってて…わりと頭の良さそうな人たちが多かったよ(笑)
Mi:そうですね。ちょっとおしゃれタウンに…ミュージシャンが多いですね。
H:そうみたいね。最近のスポットみたいね。あー、だからそういう映画ができるのかなぁ、とか思って。
H:えー、じゃあね、僕かけようかな。なんていう人かな、これ。ロシアなんだよね。女性なの。で、前、Redbullのインタビューっていうか…そこに出たときに来てたんだよね。
ma:んー。
H:で…なんか、ひと言ふた言、話したような気がするんだよね。
Mi:(笑)
H:で、聴いてみたら…あ、なんか共通点があるな、と思って。聴いてみましょう。
ma:気になります。
H:"You"っていう曲…ケイトNV(Kate NV)だ。
Mi:あっ…なるほど。
H:ケイトNVの『FOR』っていうアルバムです。
вас YOU - Kate NV
(from 『для FOR』)
H:というわけで…ケイトNV。
ma:おもしろいですね。
Mi:去年、来日してたの僕、観に行きました。
H:あ、そうなんだ!その頃はまだ日本にいたんだね。
Mi:あ、夏休みで…
H:夏休みか(笑)いやー、こういう人、増えてるね。なんかね。派手なばっかりの人が一時期、いっぱいいたけど。こういうシンプルな人が増えてるな…頼もしいな。
H:では…最後の曲になるね。
Mi:あ、そうですか…
H:じゃあ…お2人に来て頂いて2週やりましたけど。「これから」に注目してるんで。これで…ラジオに出てそれで終わり、っていうわけじゃなくてね。
ma:(笑)
Mi:そうですね(笑)
H:今後、数年の間にどうなっていくか、っていう。見てますから。
ma:はい…記念すべき第1回目に呼んで頂けてうれしかったです。
Mi:光栄です、がんばります…
ma:がんばります。
H:楽しみなんで…じゃあ最後に、マイロくんが推薦するような曲を聴かせてもらおうかな。
Mi:ハッ…なんか、ラジオっぽく、じゃあ…
H:いいですよ。遠慮深いね(笑)
ma:(笑)
Mi:なんだっけ…ジェフ・フェルプス(Jeff Phelps)で、"Hear My Heart"。いやー…
H:よかったよかった。
Mi:ありがとうございました…
ma:ありがとうございました。
H:こちらこそ。
ma:緊張した…
Mi:いやー…(笑)
Hear My Heart (ft. Antoinette Marie Pugh) - Jeff Phelps
(from 『Magnetic Eyes』)