2018.12.02 Inter FM「Daisy Holiday!」より

全方位から情報量が多すぎてうれしい悲鳴…

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

 

H:細野晴臣です。えーとですね…先週はもう、時間が来ちゃったんで続きをやりたいと思いますが…ゲストのテイ・トウワ、そしてまりん(砂原良徳)両氏を迎えて…じゃあ、(高橋)幸宏の曲の終わりから、どうぞ。

 

 SUNSET - 高橋ユキヒロ

 (from『Saravah Saravah!』)
 
 

テイ:これこそ今の…アレじゃないですか?「クワイエット・ストーム」じゃないですか?

H:そうだね。横に広がってるね(笑)

砂原:横に拡げました。

H:拡げたんだね。まりんの所為だ(笑)

砂原:なんか、幸宏さんと…ちょうどBEATNIKSのツアーの時にそのこと話してて。幸宏さんが、「別にノスタルジーだけじゃなくて、いま、せっかく新しくやってるんだから、やっぱり新しいものとして…」というようなことを言ってたんで。

H:正しいね。

砂原:じゃあ、そうしよう、ということになったんですね。

H:だから、いま、昔のやつを引っ張り出してきてリマスターするっていうのは大事だよ。たぶん。YMOもそうだったしね。

砂原:ちょっと前に、白黒の写真とかフィルムとかに着色して「ウワー、なんだこの感覚!」っていう…それにちょっと近いものが

H:あるね。

テイ:そうかもね。

H:ドキドキとするんだよね。

砂原:しますね。

テイ:やっぱり、10年前・20年前のリマスター技術ではできなかったことっていうのは…?

砂原:ありますね。なんか、変わってないようで実は変わってきてる…

H:すごい変わってるね。遠くから聴いてるとわかんないけど…(笑)

テイ:10年ぐらい前はヒスノイズ取るくらいでウワー、とか言ってた気がする(笑)カセットとかのね。

砂原:言ってましたね。

H:そうだったな(笑)そういう時代だったよ。

テイ:今はもうちょっと、音像をいじれるっていう…

H:そう。それがね、やっぱり次元が変わったけど…もう一つ思うのは、これは完成型の音像だと思って、これから先どこ行ったらいいの、っていうね…(笑)

砂原:あー。どうなるのかな、と思いつつやってるんですけど…まあ、どんなものでもそうなんですけど、「行くとこまで行く」っていうのが…すべてそうなんですよね。

H:ホントだよね(笑)ホンっトに人間って止まんないよね。

砂原:行くとこまで行っちゃうんですね。

テイ:まりんのほうが僕よりもミックスとか、マスタリングとか考えてるけど。

砂原:まあ、気にしてはいますね。

H:もう、だから、マスタリングのプロだよ。それは。

テイ:そう。

砂原:(笑)ぜんぜんそんなことはないんですけど…

テイ:だから、僕はまりんがいるんで考えなくていいっていうね。

H:いいねぇ。僕もそうしよう。次のやつは。

砂原:(笑)あの、欲求だけですよ。こういう風に聴きたい、っていう欲求がそうさせる…

H:それはそうだよね。おんなじ。

砂原:そうなんですよね。

H:もう、なんかね、感覚でしかないけど…例えば、2年前の音を(いま)聴くと、あ、これ違う…とかね。感覚じゃない。それは。音の。

砂原:はい。

H:その「差」がいますごい…大きな差があって、それで僕はドキドキしてたわけよ。なんか、ワクワクドキドキ。何を聴いてもすげぇ、と思って。

砂原:ただ、このことって口で言い表しにくいじゃないですか。「ここが赤いから、もっと赤くなるのが今っぽい」とか、そんな簡単なことじゃないんで…だから、なかなか人に言っても伝わりにくくて。テイさんとよく言ってたのは、「音圧感」みたいのはちゃんとキープしよう、というのはMETAFIVEやる時に言ってたり。あとは左右の広がりだったり…

H:例えば、昔だったらね、コンプレッサ使うじゃない。そうすると、音圧は出るけど、ヘッドフォンで聴くとヘッドフォンが揺れるの。今の音楽は、音圧があってもヘッドフォンは揺れないの。

砂原:あー、そういうことも出来ますね。

テイ:それは倍音のコントロールが上手い、っていうことですか?

H:倍音なんだよ、問題は。

テイ:ですよね。

H:ぜったいに倍音が肝なんだね。で、その分析っていうのはもう出来てて、昔。それが商品化されてるんでしょ、今は。全部。例えば、Appleの…Macに付いてるGarageband

砂原:はい。

H:あれでさえ、そういう音になってるから…(笑)

砂原:まあ、みんな意識するんだと思うんですよね。開発してる人は。いまのコンプレッサの話じゃないですけど、例えば…圧縮するとその部分は「圧縮」されるんで、ヘッドフォンがブルブル震えちゃうんですけども…例えば、水で圧縮される感じと蒸気で圧縮される感じって違うじゃないですか。

H:なるほど。

砂原:水だと強過ぎるからこれを蒸気にしたいんだ、っていうと、そんなようなこともイメージとしてはできるんですよね。蒸気だと…圧力はあるんですけど、詰まった感じというか、密閉感は無くすことができたりとか。

H:そうだよね。透明のまんまだよね。そう、「透明感」っていうのがあるんだよね。

砂原:ありますね。やっぱり、湿度が高いと遠くまでの景色は見えないし、色もハッキリは見えないんですけど、それを視界をきれいにすることが出来たり。

H:今のテクノロジーはだいたい…例えばiPhoneにもカメラ2つ付いてるでしょ。あれを使って後で遠景をずらしたりとか。ピントをね。

テイ:後でピントを変えるとか。

H:そういうことにちょっと近いよね。

砂原:そうですね。

テイ:そうですね。だから、倍音を分離させたりとか、位相をいじって。一回、逆相だけ聴いて…そういうことって、マスタリングスタジオでしか見たことなかったようなことが、プリセットで…

H:そうそう。ミュージシャンがみんなやりだした(笑)

テイ:そういうことなんです(笑)だから、僕は言い訳ですけど、砂原くんみたいにならないように…

砂原:(笑)

テイ:「7年ぶり」のアルバムとかね(笑)気をつけて…Ozoneとかのプリセット聴いて…まじめな話すると、要するにやってることが、無駄な倍音とか出てる場合は、プリセットをかけた時にガラッと変わるわけです。だから、どのプリセットをしてもあんまり変わらなくなったら、まりんに渡していいかな、みたいな。

H:なるほどね。

砂原:あー、なるほどなるほど。

H:…すげー専門的な話だな(笑)

砂原:(笑)

テイ:全部カットでも大丈夫ですよ(笑)わかる人いるかな。

H:いや、いないと思うね(笑)



砂原:でも、言葉にはしづらいんですけど、さっき(※先週放送分)「グローバル」って細野さんが言いましたけど、世界中でそのことをみんながボンヤリ気にしてやってるんですよね、やっぱり。

H:まだボンヤリしてるんだよね。でも、アメリカの音楽産業はボンヤリしてないんだよね。すごい確信的にやってるじゃない。

砂原:なるほどなるほど。

H:それで僕はテイラー・スウィフト~、とか言ってるんだけど。

テイ:まあ、ファレル(Pharrell Williams)とかはこういう話出来そうですね。

H:ファレルはすごいな…もう、なんか、大先生になっちゃった(笑)

テイ:そうですね(笑)あんなになるとは思わなかったですよね。

H:いやぁ、僕にとってはテイくんもまりんも大先生なんだよ、いま。ホント。

テイ:いやいやいや…(笑)

砂原:細野さんの音楽聴いてやってきたつもりなんですけど、こっちは…(笑)

H:いや、もうね、71歳ですから…(笑)49歳?まだ?

砂原:そうなんですけど…

H:若い!(笑)テイくんいくつだっけ?

テイ:54歳、妻子持ちです(笑)

H:(笑)

砂原:でも、YMOを聴いてた世代ではわりと下のほう、なんですよね。

テイ:あー、かもね。

砂原:それでも50歳になるっていう感じなんですよね。

H:時間が経ったね。

砂原:そうですね。

テイ:僕より上の人も多いもんね、きっと。

砂原:いますよね。

H:いやー、こんな歳になってこんなことをやるとは思わなかったな、自分でも。

テイ:や、正直僕…細野さん、ここ10年以上ブギとか…どこでしたっけ、青山の地下とかで、近くでライヴを拝見したりとかしてて、楽しいなぁ、でも、打ち込みはもう聴けないなぁ、って…

H:それで、観に来なくなったんだね。

テイ:そんなことないですよ!(笑)

H:(笑)

砂原:でも、僕は細野さんがいまやってるもの…演奏とか。ふつうに音楽としても聴くんですけども、音像をすごい気にして聴いてましたよ、やっぱり。

H:おそろしいね…(笑)

砂原:あー、なにやってんのかなー、って…

H:いや、いまね、僕もそうやって聴いてるんだよね、他人の…音像を聴いてる。

テイ:やっぱ音が良いですよね。『HoSoNoVa』とかあの辺りの。

砂原:いや、全部良いですよ。

H:そうっすか?でもね、僕にとっては「前時代」の音なんで、やり直したいんだよね…(笑)マスタリングだけでもね、やりたい。

砂原:いま、それだけでもけっこう変わりますからね。

H:ただ、僕は別にポップ・ミュージックのグローバル・サウンドを目指してるわけじゃないんで…グローバルの「先」に何があるんだろう、って考えてたわけ。それはね、「ユニヴァーサル・サウンド」っていうんだよ(笑)

テイ・砂原:(笑)

H:それはね、可能性がすごいあるわけ。それは生(楽器)でもいいし。独自の音像っていうのを…今の音像に共通したものを拡張していくと、ユニヴァーサル・サウンドができる、っていう。

テイ:生の場合でも、録り音もやっぱり大事ですから。一時、ローファイみたいのが流行った時ってテキトーに録っておいて後はプラグインでどうにでもなる、みたいな時期もあったじゃないですか。

砂原:はいはい。

H:もう、プラグインは限界だね。

テイ:やっぱり録りは大事ですね。

砂原:大事ですよ。やっぱり、全工程がその方向に向いてるのが理想なんですよね。

H:そうそう。昔はね、暗中模索が多かったの。「あ、こんなの出来ちゃった」、「あ、こんな良いのが出来たな」とかね。たまたま出来たりして。今は、先に音像の理想があるわけだよね。それを目標として作っていくから、最初からその音像のソフトを入れて、やったりしてね。

砂原:そうですよね。抜いたり、外したりしながら…

H:聴き比べしてね。

テイ:やってますね。

H:やってるよね、みんな。そこら辺がね、今のミュージシャンは変わってきた。日本もグローバルを取り入れてる、っていうかね。徐々に出てきてるよね。そうじゃない音楽はアレッ?って思っちゃう(笑)

砂原:そうなんですよ(笑)どんなにリズムカッコよくても、歌上手くても、そこがダメだとぜんぜんおもしろくない、ってなっちゃうんですよね。

H:(笑)

砂原:それさえよかったらもう、ハードロックでも聴けるんじゃないか、みたいな感じなんですよ。

H:そうそうそう。ホント…おんなじ(笑)なんでもいま、聴いてるの。つい数か月前まではなんにも聴かなかった(笑)

テイ:すごいですね、その辺の細野さんのダイナミック・レンジというか。

H:いやー、こういうことは時々起こるよね。10年に1回かな。



テイ:やっぱりあの…一回僕、前細野さんにもお伝えしたと思うんですけど、最初に出会った頃の手前ぐらいが…僕はニューヨークにいたんで。で、細野さんはオーブ(The Orb)とか、イギリスもしくはサンフランシスコのアンビエント系の四つ打ちの人たちと行かれてたじゃないですか。

H:そうですね(笑)

テイ:その時がいちばん近いようで遠い気がした。僕は。でも、いま聴くとやっぱり良いなぁ、と思って。

H:近いの、遠いの、どっち?

テイ:いやいやいや…『Omni Sight Seeing』とか『Medicine Compilation』とか、カッコいいなと思って。あの時は僕…黒人以外よくないとか思ってたんで…(笑)

砂原:(笑)まあニューヨーク…

テイ:ニューヨークにいたんで…(笑)トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest)とかと一緒だったんで。「白っちいな」とか。黒人の作る音楽以外ぜんぶ「白っちい」って思ってたんですよ(笑)

H:じゃあ僕の場合は「黄色っちい」っていう…

テイ:いやいやいや、よくわかんないなぁ、って思ってたんですけど…いまよりは。

H:なるほどね。

テイ:やっぱ、ワン・アンド・オンリーですよね。

砂原:あの頃はでも、まだ都市が音楽を鳴らしてる感じがありましたけど、今はだいぶ減ってきてる…

H:都市じゃないね。

テイ:そうですね。その、ユニヴァーサル・サウンドのことで言うと…うん。

砂原:なんか…例えば、インターネットでこういうコミューンがあって、そこにいるやつはこんな音を出してる、と。それは東京に住んでてもシスコに住んでても一緒だ、みたいな。そんな感じですよね。

テイ:そうだね。

H:うんうん。

 

砂原:かけます?

H:じゃあ、かけよう。

砂原:僕、じゃあ一個持ってきたのが…そんな新しくないんですよ。でも音像の話してたんで、これはけっこう良いかな、と。

H:楽しみだね。

砂原:この1曲目を…

 

  Modern Hit Midget - Vilod

 
 

砂原:もう音像…でしかない、という(笑)

H:それだけで聴けるからね。

砂原:そうなんですよね。

H:あと、歌が上手いよね。連中。こういうの好きだよ。

テイ:まさにあの…細野さんの"肝炎"とか入ってるアルバムみたいな音が後ろで鳴ってるね。

H:あー、なんか…親しみがあるね(笑)

テイ:横尾さん(横尾忠則)とやった…『Cochin Moon』みたいな!『Cochin Moon』にビート乗っけただけ、みたいな(笑)

砂原:(笑)まあちょっと、音像の話があったんで…そんなに新しくはないんですけどね。2015年とかなんですけど。

H:まあ、その頃からあるよね。

テイ:あるよね、早い人は。

砂原:これはね…なんて読むんだろう。ヴァイロード…?あの、リカルド・ヴィラロボス(Ricardo Villalobos)さんのユニットなんですけどね。

テイ:あー、好き好き。去年L.A.かなんかでかかってて、買ったらその人だった。四つ打ち…

砂原:すげぇ、音像楽しいな、っていう。それだけ、っていう…(笑)

テイ:なんかあの、良い曲は書かなさそうだね(笑)

砂原:(笑)

H:なんか、最近…メロディとか和音とか、あんまり関係ないじゃない(笑)もうこれだけで…デザイン、かな。これはね。

テイ:だけど、細野さんはたぶん…『HOSONO HOUSE』って全部曲が良いじゃないですか。

H:これが難しい…!メロディと和音があるんで…(笑)

テイ:それを…ちょっと間引いて、ぼやかしたりして、半無意識で聴くとそれがわかる、みたいな感じになるとおもしろいかも…

H:難しいこと言うなぁ(笑)

テイ:まあ、言うのは簡単だけど…(笑)

砂原:そうなんですよね(笑)

H:もう始めちゃってるしね(笑)そうか、半無意識で…

砂原:メロディとコードとかがあんまりハッキリしてると…予測がついたりするじゃないですか。

H:それはしょうがないよ。

砂原:その予測をある程度わかんなくするためにちょっと音を抜いてったりして…

テイ:言うのは簡単だけど…

砂原:そうですね、言うのは簡単ですけど…

H:それは今回は出来ないかもな…

砂原:僕、そういうことやりたいなと思ってるんですけど、まだやれてませんけど…

テイ:まりんにも言うかな…「音符的」というか、言っちゃうんですけど。音符が読み書きできない所為かわかんないですけど…音符っぽ過ぎるとちょっと古臭いというか…

砂原:ありますね。あります。

H:わかるよ。すごいそれはわかる。

砂原:楽譜…「譜面っぽい」というか。

テイ:譜面的に次、展開来るな、みたいな。聴いててわかっちゃうっていうか。

H:まあ、それはあるだろうね。

テイ:だから…すごく、比較が難しいけど、それこそ絵を描く五木田くん(五木田智央)とかとよく話しますけど…絵、というか、二次元的なことと譜面的なことって近いのかな、って思って。僕らが話してることとももうちょっと…サウンドソニックスカルプチャー的なことを言ってるのかな、っていう。前に出てくる、出てこない、とか。それは勿論歌詞とかとも渾然一体になってだと思うんですけど。ま、どっちがいいとかじゃなくて。

H:まあ、でも、今どきのね、音楽はそういうことだよね。メロディとか旋律から解放されてるから。譜面から。楽譜使ってないからね(笑)

テイ:そうですね。ただ、逆にサウンドデザイン的にイマイチだけど曲は良いのにな、っていうときは…音符的に良いのにな、みたいな。

砂原:ありますよね。それはけっこうありますね。

テイ:「音符的にいいね!」なんて言ったり…(笑)

砂原:褒めちゃったりして…(笑)

H:いいね…(笑)楽器もやらないの?

テイ:僕は…まりんは最近ベース弾いてるじゃない?シンセベース。

H:あ、そうだ。

砂原:僕は…弾こうと思って弾いたわけではなくて…(笑)

H:やらされてる(笑)

砂原:誰もいないのでやってます(笑)

テイ:ウチのバンドいなかったんで。

砂原:はい。

H:凝り性だもんね、まりんはね。

砂原:そんなことないんですけどね…まあ、METAFIVEの時はたまたま誰も弾く人がいなかったんで。そうなったんですけどね。はい。

 


H:じゃあ、テイくんなんかかけてよ。

テイ:いやー、この話の流れでかけるのは…

H:いいんだよ。大丈夫だ。

テイ:なに持ってきましたっけ…でもさっきの…あ、でもこれかな。あの毎回たぶん、細野さんのとこ来ると僕JBかけてると思うんですけど。

H:ああ。

テイ:昨日届いたJB…リマスターものを聴きましょうか。

H:へー、リマスターなんだね。

テイ:これたぶん、勝手にリマスター…

砂原:あ、勝手に…(笑)

テイ:勝手にリマスター、勝手にエクステンデッドみたいな。

砂原:(笑)

www.discogs.com

 

 

  Can I Get Some Help - James Brown

 
 

テイ:最近、アナログ盤を…針って細いじゃないですか。あのカートリッジのところに這ってる4本の線があるの知ってますか?リード線って言うんですけど。

砂原:中に線がありますよね。

テイ:すっごい線が細いんですよ。それがパンパンになるぐらい太いやつが売ってて、それに換えたらけっこうね…中域から、スネアの低いとこからタムの胴鳴りとか…まあ、このレコードはそうでもないんですけど、気持ち良かったりしますね。

H:へー。

砂原:あそこを気にしたことなかったですね。

テイ:でしょ?そう、それを五木田くんが気にしてて…

H:オーディオマニアの世界ね。それね。

砂原:いつもあそこはまあ、細い線だなぁとは思って見てましたけど…そっかそっか。

H:線が太いほうがいいのか…

テイ:たぶん…それでまた聴き直したりとかして。やってますね。

H:なるほど。JBの映画観たんだけど、数年前。なんだっけ…誰かがやってた…

テイ:あー、あの演技してるほうのやつ?

*引用者註:『Get on Up』(2014年)。

H:そうそうそう。けっこうおもしろかったね。リハ…レコーディングの風景が出てきて、ラッパ…ブラスの人に注意するんだよね。JBが。「いやいや、オマエがやってるのは違う。ブラスもドラムなんだ。」というセリフがあって…(笑)

砂原:なんかあれですよね、生なんですけど実は全部パーツっぽいんですよね、聴いてると。

テイ:立ってるよね。

砂原:パターンだけで出来てる…で、打ち込みっぽくも聞こえる(笑)

H:そうそうそう。オークランドのほうでタワー・オブ・パワーTower Of Power)のああいう…リズムのようなラッパが引っ張るという。だから最近……あっ、それで思い出したけど、やっぱりスライ(Sly & The Family Stone)。すごい、音像が。独特。いまずっとグローバルっぽいのを聴いてて、スライ聴くとビックリする。

砂原:どんな風にビックリするんですか?

H:なんだろう、独自の…

砂原:あー、オリジナリティが…

H:そう、オリジナリティ。

砂原:そっか、帰って聴いてみよう…

H:たぶんね、自分で全部、めちゃくちゃやってるんだろうと思うんだけど…エンジニアが「あー、それはやっちゃダメ!」みたいなことをやってると思うんだけどね(笑)それがおもしろいんだな。

砂原:あー、そういうのやっぱりやりたくなりますよね。

H:ホントそう。

砂原:ダメって言われるとなおさら…(笑)

テイ:ドンカマを使ったのはけっこう早かったんじゃないですか?

H:いや、最初じゃないかね?

テイ:ああいう、ファンクの人で?

H:そう。

テイ:エレクトーンの人はいましたけどね(笑)

H:エレクトーンはいたね(笑)それで思い出したけど、当時、スライの『Fresh』が出る頃…1970年代だよね、その前まで、TIN PAN ALLEYで…はっぴいえんどが終わった後かな、鈴木茂と2人でヴィンテージレコードばっかり聴いてたわけ。

砂原:1960年代ですか?もっと前の…?

H:もっと前の。ガーシュインGeorge Gershwin)とか。戦前とか。古いレコードを全部聴き漁ってたわけ。2人で。で、ある時、茂が僕に「このまんまで僕たち、大丈夫かな?」って言うんだよね(笑)

テイ:もう、帰ってこれなくなる不安…(笑)

H:そうそうそう。1年くらい、それ続けてたから…その時にラジオで『Fresh』がかかったわけ。あのドンカマのね(笑)

テイ:はいはい。

H:ウワーッと思って、いまと似てるんだよ。

テイ:目が覚めた。

砂原:わかりますね、そういうのありますね(笑)

テイ:今回の…細野さんのグローバル・サウンドに目覚めたきっかけは、作ってて…ある程度『HOSONO HOUSE』を打ち込まれてて、で聴き返してて、なんか違うな、って思ったんですか?

H:いや、すごい苦労したの。昔の音源使ってて、(理想の音が)出てこないから、加工にすごい時間かかって、こんなことやってられない、と思ってやめたの。で、いま入れ直してる…っていう感じ。だから、古い感じのも入ってるし、ヘンなアルバムになっちゃう。メロディもあるし。

テイ:打ち込みもあって…生楽器も弾かれてます?

H:生もやってる。

テイ:ぜんぜん想像がつかない。

砂原:つかないですね(笑)

H:だから僕もわかんない、ぜんぜん(笑)

テイ:そうですか…気になりますね、いちばん、そこが。

 


H:いやぁ、話は尽きないけど、聴いてる人はチンプンカンプンで…(笑)いや、僕はすごい有意義だったね。

砂原:なんか、話しにくい話なんですよね、やっぱり。

テイ:共通認識というかね。

H:まあ、今度ひとりで、どういう風な音楽がこうだ、っていうのをやってみるから、それで…今回はね、お話のほうが長かったんで。今度は音を聴いてもらって…っていうことをやりますから。大丈夫です。はい。


 じゃあ、最後にですね…ジョー・ヘンリー(Joe Henry)の世界観を堪能して頂きたいですが…本人のソロもいいんだけど…おじいちゃんをリメイクするっていうプロデュースが一連とあって。ランブリン・ジャック・エリオット(Ramblin' Jack Elliott)っていう80歳以上のブルースシンガーを引っ張ってきて…引っ張ってきたのかどうかは知らないけど。すばらしい音でやったりね。その次はモーズ・アリソン(Mose Allison)っていう。昔のジャズのピアニストで。白人のね。シンガーソングライターみたいな。その人も老人だよ。その人のアルバムを作って…これも良い音だったんで、それを最後に…「ユニヴァーサル」として聴いてください。

 

 My Brain - Mose Allison

 (from『The Way of the World』)
 

2018.11.25 Inter FM「Daisy Holiday!」より

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H:こんばんは。細野晴臣です。さて今日は…2人のゲストをお招きしてます。どうぞ!

?:はい。えー、54歳妻子持ち…

H:(笑)…誰?名前言ってくれない?(笑)

テイ:テイ・トウワでーす。

H:はい。そして…

砂原:はい。私は49歳…砂原良徳です。

H:あれ、「まりん」じゃなかった?

砂原:「まりん」と呼ばれてますけども、私は砂原良徳っていうのが、本当の名前なんですけど…

H:知ってるけど(笑)

砂原:はい、こんばんは。

H:じゃあもう、これからは「まりん」って呼んでいいわけね?

砂原:はい。みなさん、そう呼んでいますね。

 

H:久しぶりですね。

砂原:そうですね、ご無沙汰してます。

H:テイくんも久しぶりだしね。

テイ:そうですね。たぶん…アレじゃないですか?2月の、いつもの新年会以来ぐらいじゃないですか?

H:そうだな。うんうん。で、僕はいまレコーディング中で…みんなは?

テイ:僕は…腰痛とか、いろいろ経て…

H:あれ?(笑)体調の話ね。

テイ:ま、でも…スケッチをしてますけれども。はい。

H:ああ。まりんは…

砂原:やり始めた感じですね。

H:ソロは…何枚目ぐらい?これで。

砂原:4?5?とか、そのくらい…そんなたくさん出てないんですけど。

テイ:ていうか、何年ぶり?

砂原:5~6年ぶりぐらい。

H:あ、そう。

テイ:来年出たとして?

砂原:…7、7(年ぶり)だそうです(笑)

テイ:来年出て7?

砂原:来年出て7年という…

(テイ:急に(マイク音量が)大きくなっちゃった…)

砂原:まあ、そんな感じですよ(笑)

 

H:はい。じゃあね、2人を呼んだきっかけっていうのは、まずYMOの『NEUE TANZ』のリマスターね。

砂原:はい。

H:これが、音が良かった。すばらしい。

砂原:ありがとうございます。

H:選曲もよかったよ。

テイ:(笑)

砂原:ありがとうございます(笑)

H:えー、その中から"Camouflage"を聴きます。

 

 

 (from『NEUE TANZ』)

 

 

 

H:や、あのね…良い音だよ。今まででいちばん良い音だよね。

テイ:でも、まあ、いちばん新しいんで…そうじゃなきゃ困るよな、っていうのはありますよね(笑)

H:いや、でもね、大事なことがここにはあるのよ。つまり、僕はいま…リメイクをしてるわけ。1973年のソロ…デビューソロ(アルバム)を、曲はそのまま、リメイクしてる。で、ひとりでやってるわけ。

砂原:1973年っていうと、なんでしょうね?(リスナーに向かって)調べてくださいね、自分で。

H:…ああ、そうね(笑)デビュー作だから。ま、言ってもいいんだよ、別に(笑)『HOSONO HOUSE』っていう…(笑)アルバムで。ホント、若気の至りの…

砂原:いやいやいや…

H:いや、そうなんですよ。最初のだからね。で、ひとりでやるって言って、ここに…スタジオに篭ってやりだしたら、機材が全部古いんだよ。ウチの。自分が。

テイ:うーん。

H:ずっと10年、僕は生でやってたじゃん。

砂原:そうですね。

H:で、久しぶりに打ち込み…大好きだった打ち込みに…(笑)

2人:はい(笑)

H:ところがさ、音が出てこないわけ。

砂原:「出てこない」、というのは…

H:こう、なんていうか、前に出てこない。

砂原:あー…

テイ:はいはい。わかりますね…

H:わかるでしょ?(笑)で、この10年ぐらいで、ほら、音楽が変わって来たじゃん。

テイ:あのー、ずっとやっぱり変わってますよね。結局は。結局ずっと変わってるんですよ。

H:ずっと変わってる。だからね、1950年代の音、1960年代の音ってあるじゃん。

2人:はい。

H:やっぱり「2010年代の音」って、できたね。

砂原:あるんですよ。

H:そこら辺の話をしたかったんだけど…とにかくね、悶々としてたの。もっとしゃべっていい?僕。

2人:どうぞ。

H:2000年代の初期の頃に車でよくFM聴いてたんだけど、その頃の音楽が変わってきてるわけよ。低域が違うよね。2人:はい。

H:それは「クワイエット・ストーム(Quiet Storm)」っていう流れだったわけ。アメリカの。FM放送の連中がやりだした。それで、この音どうやって作るんだろう、と思ってたわけよ。低域出てないのに倍音が出てんだよね。

テイ:あー、わかりますね。

H:わかる?

テイ:あの、気配が…

H:そう、気配。これが謎だったわけ。で、誰に訊いてもわかんないの(笑)エンジニアに、君たちアメリカ行って勉強してくれ、って言ったんだけど、誰も行かないし(笑)それで、悶々としたまま忘れてたわけ。生のほうに、僕はずっと没頭しちゃったからさ。

2人:あー…

H:で、今回またやり始めて、またそこに戻っちゃったのね。問題が。それで、この機材はもうお別れだと思って…まあ、好きなものもあるけど、とにかく、新しいものを入れたの。噂に聞いてたようなね、ソフトを…(笑)

2人:はい。

H:で…歴史を辿ってったんだよね。「ニュー・ジャック・スウィング(New Jack Swing)」まで聴いて。

テイ:あら。

H:ぜんぜん聴いてなかったの、僕。テディ・ライリー(Teddy Riley)なんて知らなかったわけ。

テイ:あ、そうですか。え、でも聴かれてたんじゃないですか?

H:まあ、聴いてたよ。あの、ものすごい好きだったの。ただ、誰がやってるかは…マイケル・ジャクソンのいいやつもね、『Dangerous』もよかったし。ネプチューン(The Neptunes)も好きだし。おや?と思うやつは、みんなその系統の人たちで。でも、自分でやろうとしてなかったわけよ。だから、生でブギやってるとそっち行かない、っていうかね(笑)

テイ:そうですね。要らないですもんね。

H:でも今回は…そうはいかなかったわけね。それで、2人を呼んだの。どうなのか、と。

テイ:いやいや、恐縮です、本当に。

H:そこら辺の…ことはどうなってるの?テイくんはどうなってるの?

テイ:んーと…けっこう、でも、一緒に…(まりんと)同じの使ってるのもあるし。僕がもらって(使ってみて)良いから、まりんにもあげてください、って言ったやつとかもあるかな。

砂原:はい。

H:なんだろう、それは。

砂原:ソフトウェアとか。あとは、まあ…数年前、METAFIVEとかでずっと一緒でしたから。

H:そうだね。

砂原:わりといろんなことを共有して…

H:なるほど。そういうのが大事だよな。僕、ひとりだったから(笑)

砂原:(笑)

テイ:まあでも、ブギはブギでね、うちらできないからね。

砂原:そうですね。生演奏もできない。

H:んー。それで…でも、ブギの音も今の音響のスタイルでやりたくなってきてるんだよね。

テイ:あー。打ち込みも入ってて…

H:打ち込みも好きだけど、生も…ジョー・ヘンリー(Joe Henry)っていう人がいて。

テイ:あ、名前は(聞いたことがあります)…

H:この人がまたすごいんだよね。で、何聴いてもポップ・ミュージックはすげぇ音じゃん。そう思うんだよ。

砂原:どういう風にすごい?

H:なんて言うんだろう…音が進化してるっていうか。

砂原:ああ。まあ、そうですね。なんか、音に…たとえば、かつてなかったような考え方っていうか…スピード、音の速さとか、そういうことはあんまり昔は言ってなかったですけど。「速いね」とか。「遅いね」とか。

H:そうだよね。

テイ:そうだね。

H:なんかね、こう、次元が変わったじゃん?そんな感じがするよね。

2人:はい。

H:それを…僕はずっと葛藤してて。なに聴いてもすごいと思っちゃった。モーニング娘。のミックス聴いて、負けた、と思ったわけ(笑)

砂原:誰がやってるんだろう…(笑)

H:クレジット無いからね(笑)ゲームオタクたちなのかな…よくわかんないんだよね(笑)「知らずにやってる」

っていうね。ゲームの世界だとそういうのがあるかもしれない。

2人:んー。

H:あとは、映画の音も良いじゃん。最近のね。あれと共通した何かがあるでしょう?そういうシステムっていうかね。みんな…なんかこう、マニュアルっていうか、ルーティンがあって、僕が思ってるようなのじゃなくて簡単にやってるんだろう、と。思ってたの。

2人:はい。

H:1年ぐらい前からずっとそう思ってたんだけど。で…たとえば、こないだね、冨田ラボっていうのを聴いて。ビッッックリしちゃったんだ(笑)

テイ:ホントですか?

H:あ、ダメか(笑)

テイ:いやいや…でも、細野さんとかをたぶん、ね。尊敬しているような…

砂原:僕、自分のマネージャーとの間でその話題がちょっと出てましたね。

H:あ、ホント?

砂原:はい。おもしろい、ちゃんとやってるね。と。わかってるね、とか。

テイ:新しいやつ?

砂原:新しいやつと、1個前ぐらいだっけ…

H:新しいやつをね、たまたま聴いちゃったんだよ、僕は。たまたまなの。それがテイくんだったら、まあ、それはまたそれでね、いいんだろうけど。(名前を)出してないからね(笑)たまたま聴いちゃったんで、この音作りは異次元だな、と思って。で、モーニング娘。聴いたら、うわぁ、やっぱりすげぇなって…

2人:(笑)

H:それから、何聴いたかな…あっ、米津玄師を聴いたんだ、昨日。そしたらこれもよかったね。

テイ:んー…ぜんぜんわかんないです、僕。聴いてる?

砂原:わかんないっすね。

H:2年前のと今のとはやっぱり音が違うから、ああ、おんなじように変わってきてるってことにすごい興味があるわけ。いま。

2人:はい。

H:で、それを僕、「グローバル・サウンド」って言ってるの。ひとりで。グローバル…グローバル化してるんだよ。

テイ:あー。その、サウンドデザインが…

H:そうそうそう。デザイン。

砂原:わかりますね。

H:わかる?わかってくれるね…

砂原:あの、なんか「形」ありますよね。

H:球体のね。

砂原:はいはいはい。

H:あ、なんかおんなじようなこと考えてる(笑)

砂原:下のほうにキックがあって、その下に座布団みたいに、お皿みたいにベースがあってっていう…

H:空間がね。

砂原:そうですね。広域のパーカッションは左右にあって、これが真横にあるかのような…

H:それね、クワイエット・ストームの時から始まってるんだよね。

砂原:そうですよね。

H:左右の拡がりすげぇな、と思って…(笑)

砂原:あの、サウンド…2000年代以降くらいかな、音が「近い」ところにある、っていうことを言ってる方、けっこういたと思うんですよ。近くで演奏してるかのような。

H:はい。

砂原:で、近くに寄った時に…昔、左右の音はただ近くに、前のほうに寄ってくるだけだったんですけど、今は寄ってくると横に…左右に拡がってくんですね。

H:そうだよね。

砂原:ちょっとラジオじゃわかりにくいですけど(笑)真横に、耳のほうに向いていくっていうんですかね。なんか、「形」ありますよね。完全に。

テイ:お二人ともあれですよ、最終チェックを車で聴かれるじゃないですか。

砂原:はい。

H:そうそう。同じなんだね、車で聴くよ。

テイ:(砂原は)「いまから車で最終チェックしてきます」って、よく車に…

砂原:(笑)

H:おんなじだなぁ。話が合うね、まりん(笑)

砂原:車は、僕、けっこうあれですよ…ドアに空間無いですよ。完全デッドニングで。詰め物して。

H:あー、そこまでやってるんだ。

砂原:震えないようになってますね。

テイ:黒塗りの…

砂原:黒塗りっていうか…最初から黒かったんですけど(笑)

H:塗ったわけじゃないんだ(笑)

テイ:そうか(笑)

 

H:じゃあね、そのクワイエット・ストームの音を聴いてください。

2人:はい。

H:Amerie、"Hatin' On You"っていう曲です。

 

Hatin' On You - Amerie
 (from『All I Have』)

 

テイ:あの…パッドの音以外、短くて僕は好みでした。音は。

H:あー、短いのが好み…わかるわかる(笑)

テイ:短いのしかできないです、僕(笑)

砂原:テイさんは短いですもんね(笑)

テイ:いつも短いって言われるね(笑)

砂原:あとテイさんはパンを振る時、完全に振り切ることが多いじゃないですか。左右に。でも、それはそういう効果出ますよね。

テイ:悩まない…のかな。

H:悩まないんだ。いいなぁ。

テイ:ヘッドホンしないのと、車で音楽聴かないっていう。

H:ヘッドホンもしないの?

テイ:しないっすね、ほぼ。

砂原:僕もしません。

H:えー!あ、そう!

テイ:あ、違いが…(笑)

H:ここら辺がちょっと違うのね(笑)

テイ:いま(収録中)久しぶりにして、あ、音短い、とか思って。他人の音楽聴いて。

H:こういう音楽って、ヘッドホンして聴くとその世界が見えてくるじゃん。そう思わない?

テイ:わかりますね。

砂原:で、自分のやったの聴くと、うわぁこんななんだ、って気づくことが多いですね。

H:そっか。それは楽しいよな。

テイ:僕も、ほぼ仕上げの時に初めてゼンハイザーとかでして、ちょっと長かったなぁ、とか。

H:そういうこと?(笑)

テイ:もういいや、って…

砂原:まあ、短いと、あと、レベル入るんですよね。

テイ:そうなんですよ。短いと、入れれる…入れこめるっていう。

砂原:「レベルが入る」っていう…(笑)

テイ:だから、大きくしたいやつは特に短いこと…デュレーションを気にするっていうのが近年は…というか。

H:なるほど。

砂原:あとちょっと、昔は音多かったな、っていう。

H:あー、それはね。んー。

砂原:特に打ち込みは非常に整理しやすいですから、効率的に…この音出すんだったらこれは出さなくていい、とかっていうのをけっこうプログラムできるんで、生なんかよりは効率的に鳴らすことはできると思うんですよ。

H:そうだよね。

砂原:あと、まあ…画面で見て。

H:視覚的に。

テイ:そうですね、視覚的に…あと、小山田(圭吾)くんもそうだけど、けっこううちら3人とかは…

砂原:縦ラインを見て、ダブってるのを消してく、っていうのをよくやりますね。

H:なるほど。

テイ:勝手に消しちゃったりとかして…(笑)

砂原:(笑)

テイ:これ忘れてるんじゃねぇかな、まりん、とか思って消しちゃったり…(笑)

H:ああ、そう(笑)

テイ:その瞬間にやっぱり何を効かす…まあ、1個とか2個とか。

砂原:そうですね。

テイ:ベースここ要らないね、とか。

H:おお、細かいね。んー。

テイ:それは音に出てないんだからしょうがないですよね。

砂原:いや、出てると思いますけどね…(笑)

テイ:そうかな…(笑)

砂原:出てますよ(笑)

H:んー、勉強になるなぁ…

テイ:いやいやいや…打ち込みの神様を前にね…(笑)

H:ぜんぜんダメよ。

テイ:いやいやいや…

H:昔は…若い頃はね、20代の頃なんかは「10年早い」とか注意されたの。「10年早いからウケないよ」とかね、言われてたわけ。今ね、「10年遅くてウケない」っていうね(笑)

砂原:いや、そんなことないと思いますけどね…

H:いや、出遅れてるんですよ。ホントに。

砂原:あと、なんかこう…打ち込みだけじゃなくても、生でも僕はなんとなく…音楽のジャンルとかリズムの…まあ流行りももちろんあるんですけど、それよりも「音像」が時代をいちばん象徴しているような感じが、すごいするんですよね。

H:そう。2010年代…も、そろそろ終わるけど、「音像の時代」だよね。

砂原:そうですよね。ですから、音像が「今」であれば、どんなに演奏が古くても「新しい」っていう…

H:そうなんだよ。

砂原:こないだ(高橋)幸宏さんの『Saravah!』も、実はマスタリングさせてもらったんですけど。

H:『Saravah!』もよかった!

砂原:あれもやっぱり、この考え方に沿ってマスタリングしたんですよね。

H:よかったよ、あれ。ちゃんと聞こえた。全部。

砂原:わりと気にしてやりました、それを。

テイ:あれ、ミックスも飯尾さん(飯尾芳史)がやり直したんだよね。

H:ミックスもよかったね。

テイ:あんまりやることない、って言ってたもんね。ミックス良かった。

H:最近の幸宏の中で、すごい好きだな、あれ(笑)最近のじゃないけどね。

砂原:なんかこう、聞こえが良くなった分…周りから聞こえてくるのは「こんな良いアルバムだったんだ!」っていう風にいう人がけっこう…

H:それはもう…リメイクっていうか、リマスターっていうか、甲斐があるよね。それはね。

砂原:そうですね。

 

テイ:"SUNSET"聴きません?細野さんのベースが聴きものという…

H:あっ…僕もそれね、ベース聴いちゃったよ、それ。好き(笑)

砂原:全体的にベースは僕…さっきの皿の話じゃないですけど、あの形になるべく近づけるように…

テイ:いちばん下じゃなくて…

砂原:はい。

H:そうなんだよ。これよく聴いたんだよ。こんなベース弾けたかな、とか思って。音が良かった。

 

 

 SUNSET - 高橋ユキヒロ

 (from『Saravah Saravah!』)

 

 

H:えーっと、時間がもういくらあっても足りないんですけど、この続きはまた来週、ということで。お願いします。

 

2018.11.18 Inter FM「Daisy Holiday!」より

thank you, sold out…

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

伊賀:こんばんは、伊賀航です。ベースを弾いてます。先週に引き続き、都内のリハーサルスタジオからお送りしてます。伊賀航ショウ。…今夜はいよいよ大トリの細野さんの登場です…yeah。
 
H:(笑)
 
 

∽∽∽∽(♪伊賀航ショウの前テーマ)∽∽∽∽

 

伊賀:では…細野さんの近況と、おもしろい話…

H:いや、もうねぇ…いろんなことがあったんだけどね、なんにもしゃべりたくない。

高田:(笑)

伊賀:しゃべってもらえないですかねぇ…

H:今ね、レコーディングがまだ続いてて。もう、ずっとやってんですけど。

伊賀:佳境ですか?

H:佳境は…もう過ぎてるんだけど、なんて言うんだろう、もう時間ないんだよ。

伊賀:あ、時間…

H:うん。大変。

伊賀:締切も?

H:締切…もう、考えたくないくらい。

伊賀:あ…じゃあ訊きません(笑)

H:で、いつもだいたい、(作業が)夜中になっちゃうから。朝帰ると朦朧としてるから、車を壁にぶつけたりするわけ。

伊賀:あー…

H:で、いつも駐めてる家の駐車場の…前の道が、車がいっぱい走るから、合間を縫って(車庫に)入れなきゃいけないんだよ。で、すげー慌てるんだよ。

伊賀:はい。

H:待たせんのが嫌だから、(他の)車がいない時にバックで入れなきゃいけない。で、やってたら、来ちゃったんだよね、車がね。慌てるじゃない。で、慌てると、必ずぶつけちゃうんだよ、後ろ。で、いまめっちゃくちゃになってるんだけど。

一同:(笑)

H:で、ベローンって、なんかね、後ろのけっこう大きな部分が剥がれて。横に飛び出しちゃって。ブランブランブラン、って。それをね、みんなが見るわけだよ。

大地:(笑)

H:で、その場でたまたま持ってた、テープ。透明のテープがあるわけよ。ビニールテープ。すごい透明なんで、貼ったらカッコいいんだよね(笑)ぜんぜん気になんなくなっちゃった。

伊賀:(笑)

H:で、まあずいぶん前の話だけど、台風来たでしょ?東京に。その時も遅く終わって…いつだっけな、いちばん風が強い時に帰ったんだよ。車で。そしたらね、いろんなものが飛んでるの。ゴミ箱とか。

伊賀:街中にね。

H:街中。すごかったんだよ。で、なんかプラスチックなんだけど、ゴミ箱が飛んで来たわけ。車、運転してたら。ぶつかってくるんだよ(笑)その時は、まあ大したとないだろう、と思って。車駐めて、翌朝車のところ行ったら、バンパーが…バンパーじゃないな、ナンバープレート。横に置いてあるわけ。

高田:(笑)

H:なんでだろう、と思って。なんでこれ剥がれちゃったんだろう、と思って。台風の所為なのか、誰かがイタズラしたのかぜんぜんわかんなくて。でもゴミ箱が当たったぐらいで取れるかな、あれ。取れないよね。

伊賀:取れないですねぇ。

H:まあ、しょうがない。それも…ビニールテープで。

一同:(笑)

H:あの透明な感じが素晴らしいんだよ。ガムテープだとカッコ悪いんだよね。

伊賀:なんかあれですよね、サランラップでペターってやったみたいな感じ…

H:そうそうそう。で、それももう気になんなくなっちゃって、いま。

高田:(笑)

H:まあ、そんなようなことばっかりで。

伊賀:それは見てみたいですね…(笑)

H:パンクはするわ…ほんと大変、いまの車。いまの車は…ずいぶん前、納車した日にぶつけたんだよね。

伊賀:あっ…(笑)

H:そういう、ぶつかりたがる車ってあるんだよ。愛着があるんだけどね…もうダメかな。

伊賀:ぶつかり過ぎて…

H:ぶつかり癖が、うん。で、きれいに一回直して、3日後にぶつけたりね。なんで最近ぶつけるんだろ?やっぱり加齢だね。高齢。

伊賀:いやー、お疲れ…疲れが、ね。

H:でも免許は返さないよ、僕は。何歳まで乗れるか。

伊賀:(笑)

H:で、もうすぐ書き換えなんだよね、免許。その時に、なんか、認知症テストっていうのがあるんだろうね。イヤだな、と思って。それがね。できないんじゃないかと思って、テスト。

高田:(笑)

H:落ちたら取れないんでしょ?

伊賀:落ちたら…没収ですか?

H:没収かな。わかんない。絶対に、僕は駄々こねるね。車無しじゃ生活できないんだもん。そんなような近況です。

伊賀:楽しかったです(笑)

H:いやいや…(笑)すごいつらかった。

info.ninchisho.net

 

伊賀:最近細野さん、どんな曲聴いてるんですか?

H:これは…また大変なことが起こってて、いま。ちょっと人には言えないんだよな。

伊賀:言えない…

H:大きな変化が自分の中にやってきて…今まで生でやってたじゃない、僕たちの、このバンドで。いまやってるレコーディングは打ち込みなんだよ。で、打ち込んでると、なんか音がショボいなと思ってたら、40年前の機材使ってるから(笑)

伊賀:はい…

H:いままでほっぽらかしだったわけ、打ち込み機材…シンセとか。なんかショボいんだよね(笑)それで気がついて、いろいろ換えてるところ。そしたら全取っ替えになってきた、だんだん。今の音がすごいじゃない。そこにいま、すごく僕は注目してて。そこの話は今度自分の番組…番組っていうか(笑)特集したいの。いまはちょっと、全貌は言えないんで…そんな感じ、いま。うん。

伊賀:はい。

H:じゃあなに?曲かける?

伊賀:はい、ぜひ。

H:テイラー・スウィフト(Taylor Swift)で…(笑)

一同:(笑)

H:なんだっけな…名前忘れちゃった。なんでもいいや…あ、"Gorgeous"っていう曲かな。音が良いんだよね。はい。音で聴いてるんだよね。

伊賀:音の太さとかですかね。

H:そう。

  

 
Gorgeous - Taylor Swift
 (from『Reputation』)
 
 
◇◆◇◆◇◆◇◆◇(ジングル)◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 
 
 
H:えー、ところで伊賀くん、伊賀くんもアルバム出したんだよね。先月?

伊賀:はい。あのー…自分個人ではないですけど、バンドっていう感じなんですけど…

H:バンドでね。トリオ?

伊賀:そうです。

H:なんて言うバンド?

伊賀:「冬にわかれて」っていう…バンドの名前なんですけど。

H:冬に別れちゃったんだ。

伊賀:(笑)冬にわかれて、っていうのは…冬という季節から、変わったという。

H:変わったんだ。

伊賀:そうです。

H:んー、意味深だね(笑)じゃあこの説明を聞こうかね。きっかけっていうのはどんななの?

伊賀:きっかけはですね、あの…なんか、みんな…3人で話してる時に、「50歳になったら誰も(バンドに)誘ってくれなくなって」…

H:さびしいね(笑)

伊賀:「50歳っていうのはたぶん、音楽的にけっこうヒマになる時期だな」っていうことをみんなに言ったんですよ。

H:あー、伊賀くんがそう思ったわけね。

伊賀:思ったんです。思って、言ったんです。そしたら、「そんなことないよ」って言ってみんなが。じゃあバンド作ろうっ、て言って…

一同:(笑)

H:みんな優しい。助けてくれたね。

伊賀:優しい…気を遣ってくれたっていう。そういう…

H:そういうきっかけって、初めて聞いた(笑)

伊賀:老人救済というか…はい。大きくはそういう流れです。

H:メンバーは、えー…

伊賀:メンバーは、寺尾紗穂さんっていう…昔、シュガー・ベイブSUGAR BABE)の…

H:うん。シュガー・ベイブのベ-スの…

伊賀:寺尾次郎さんっていう…

H:の、娘さんね。

伊賀:はい。あと、あだち麗三郎くんって言って…

H:この人は僕、初めて聞くね。

伊賀:あのね…ceroっていうバンドの…

H:ああ!はい、はい。

伊賀:サックスとか吹いてた…その人がね、ドラムもできて。

H:やるんだ。ふーん。

伊賀:それでその2人とですね…はい。

H:それで、10/17にもう出たんだね。聴いてみたいな。

伊賀:ひゃっ…

H:え?

伊賀:ほ、細野さんに…恐縮です。

H:いやいやいや…(笑)じゃあ、50歳の…

伊賀:(笑)はい…50歳っぽくはないんですけど…

H:「冬にわかれて」から、"君の街"。

  

 
君の街 - 冬にわかれて
 (from『なんにもいらない』)
 
 

H:いや、いい感じだね。

伊賀:ありがとうございます。

H:これは…誰の曲なの?

伊賀:これは、あの、一応、自分で作りました…

高田:んー!

H:お!詞も?

伊賀:詞もです…

H:50歳とは思えないね。

高田:伊賀くん51歳だよね、ちなみにね(笑)

H:51か(笑)1歳サバ読んでた。んー。

伊賀:そうです、はい…はい…いやもう、ほんとに…手前味噌で…

H:なかなか…じゃあやる気満々だね、このバンドはね。

伊賀:いや、まあ、あの…この先は決まってませんが…

H:決まってないの?(笑)でもライヴやるの?

伊賀:ライヴは、あの…何回か。やる予定ではいます。

H:いやー、行きたい。行きたいよね。

伊賀:ホントですか(笑)ありがとうございます。はい。僕歌わないですけど。

H:歌わないのか。ベースだけ?

伊賀:ベースだけです。

H:本当。んー。じゃあ、カウントとか取るの?リーダーとして。

伊賀:カウント…いや、リーダー…(笑)あの、後ろのほうにしかいないです。

高田:(笑)

H:あ、そうなの?でも3人だからね。

伊賀:そうですね。まあ、横のほうっていうか…

H:後ろ行くと目立つよ。3人の場合。三角形の一番奥に…「誰だろう?」なんてね。みんな見るよ。

伊賀:あ、そうですか…じゃあ、横のほういいですかね…横にしようかな。

H:(笑)まあいいか。もう1曲、聴きたいね。いい感じだから。

伊賀:あ、ホントですか。もう1曲…じゃあ、もう1曲…えーと…もう1曲作ったんで…

H:自分の曲ね。

伊賀:はい。"白い丘"っていう曲があって…

H:ロマンチックね。

伊賀:(笑)それをじゃあ…お願いします(笑)

 
 
白い丘 - 冬にわかれて
 (from『なんにもいらない』)
 
 
H:なかなか良いアルバムっぽいね。なんか、音が良さそう。

伊賀:ありがとうございます。

H:3人っていうのがいいよね、シンプルで。

伊賀:そうですね。けっこうあの…3人より増えると、自分的には意見があまり言えなくなるんで…

H:そうなの?弱いな(笑)

伊賀:3人ぐらいが…

H:誰がリーダーなの?

伊賀:リーダーは…一応、寺尾さんが、まあ、はい…

H:やっぱりそうか(笑)

伊賀:でも、あだちくんっていう…さっきの…あだちくんはけっこうプロデュース・センスっていうか、俯瞰していろいろ見れる人なので…

H:いい人が3人揃ったね。んー。

伊賀:ありがとうございます。

H:これは長く続きそうだね。

伊賀:続けられたら、とは思うんですけど…はい。

高田:(笑)

伊賀:恐縮です…

H:じゃあ、今度は「ベースの伊賀くん」じゃなくて、「冬にわかれての伊賀航」と、紹介しようかな。

伊賀:あ、いやいや…あの…時々でいいです。

H:時々でいいの?(笑)はい。


www.hmv.co.jp

 

 

H:で、なんでここにいるか。ここはリハーサルスタジオなんですけど、目黒の。ツアーがね。僕のツアーが始まっちゃうんですよね。どうしましょう。何をしたらいいの?(笑)

伊賀:そうですね…

H:毎年やってるじゃん。で、僕、さっき言ったように…変わっちゃって来てるじゃん。もちろん、今までやってたのも大事にしいんだけどね。ブギとか。

高田:うんうん。

H:新たに、いまやってることをやらなきゃいけない、っていうプレッシャーがあるわけ。それをこれから…まだやってないんだよね、リハ。

伊賀:はい。そうですね…

H:どうしよう、と思って。

伊賀:どうしましょうか。

H:(笑)

高田:(笑)

H:まあ、やるしかないんですけどね。ええ。で…じゃあ、あとは伊賀くんに任せようかな。

伊賀:任せ…(笑)え、任せる?え、はい。

 

 

◎●○◎●◎○●(ジングル)●○◎●◎○●◎

 

伊賀:さて、2週に渡って…伊賀航がお送りしました…

H:読むね、急に。

高田:(笑)

伊賀:読むのだけはできます(笑)伊賀航ショウ、いかがでしたか。冬にわかれてのアルバム『なんにもいらない』、ぜひ、聴いてください。ではここで、細野晴臣コンサートの日程を発表します。2018年11月22日(木)京都・ロームシアター京都サウスホール。2018年12月12日(水)愛知・名古屋市芸術創造センター、Sold Out。

H:(笑)

伊賀:2019年1月18日(金)愛知…

H:なんだって?(笑)

(スタッフ:京都の分も完売してます。)

伊賀:あ、京都…じゃあ、もう1回京都言います。あっ…Sold Outって編集してもらってもいいですか?

 

▲▽▲▽▲▽▲▽(ジングル)△▼△▼△▼△▼

 

伊賀:2018年11月22日(木)京都・ロームシアター京都サウスホール、Sold Out…2019年1月18日(金)兵庫・神戸文化ホール・中ホール。2019年1月24日(木)東京・中野サンプラザ、Thank you, Sold Out……2019年2月11日(月)福岡・トクシ会館…

大地:ツクシ(都久志)。

伊賀:ツクシ…(笑)都久志会館…Thank you Sold Out…2019年2月23日(土)台湾・Legacy台北、です。よろしくお願いします。では、コンサートでお会いしましょう。伊賀航でした。

 

一同:(拍手)

 

§§§§§§§§§§(ED)§§§§§§§§§§

 

高田:そんなに「Thank you Sold Out」を噛みしめる人初めて見た…(笑)

大地:感謝の気持ちを…(笑) 

 

 

2018.11.11 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 ここ最近でいちばんうれしかった出来事は前テーマの原曲を見つけたこと…

 

daisy-holiday.sblo.jp

 
 
H:こんばんは。細野晴臣です。ベースをやってます。今夜のDaisy Holidayは、都内のリハーサルスタジオからお送りします。では、ここからはいつものように伊賀航くんが仕切って…くれるということで…
 
「「伊賀航ショウ!」」
 
H:伊賀くん、よろしく!
 

∽∽∽∽(♪伊賀航ショウの前テーマ)∽∽∽∽

 

伊賀:あ、こんばんはー。伊賀航です。ベースを弾いています。…前回は…前回イギリス帰りで、海外での様々な出来事をおしゃべりしましたが、今回は、あれからみんなが何をやってきたのか、どんなことがあったのかを訊いていきたいと思います。では、バンドのメンバーを迎える前に…まずは、伊賀航の近況報告(フッフッフッ)…エコーです。

高田:(笑)

伊賀:発表…近況…最近あったおもしろい話…あるかなぁと思った…ら、ぜんぜん無いかと思ったんですけど、さっき(高田)漣くんに言って、教えてもらったおもしろい話がありまして…

高田:自分のことなのに…笑

伊賀:自分のことですけど、忘れてました(笑)えっと…でもこれ、自分でも笑いました。先日ですね、ピーター・バラカンさんの「LIVE MAGIC」っていうフェスに漣くんのバンドで参加、させて頂きまして。んで、ライヴも終わって、さて帰るか、ってなって。みんなで地下の駐車場に向かって。エレベーターで降りて。で、事前精算機で精算しようと思ったんです。んで、前に一般のお客さんがいて並んでて、その人いなくなって、じゃあ、って言って漣くんが精算して通って。で、「次、伊賀さんどうぞ」って(伊藤)大地くんも譲ってくれて。自分で駐車券入れて精算しようと思ったんですけど、それがなかなか精算できなくて。え、なんでだなんでだ、と思って。何回も入れたり出したりしてたんですけど、入んなくて。おっかしいなぁ、と思って…(笑)見たら…前の日使ってた駐車券を…

大地:タイムズの?(笑)

伊賀:事前精算機に入れてしまってて…そんで弾かれてて…(笑)

高田:伊賀くんさ、あの時もちゃんと聞きたかったんだけど、なんで前の日の駐車券が次の日に履いてるズボンのポケットに入ってんのよ(笑)それ着てライヴやってたよね。

伊賀:そう、それ着てやってた(笑)

高田:(笑)

伊賀:それ着て…昨日とおんなじ服…ズボン…

H:そういうことだ。

伊賀:そうです(笑)

H:パンツは換えたの?

伊賀:パンツはかろうじて…

H:裏返しか。

伊賀:それはご想像に…

H:はい。想像したくない。

高田:(笑)

伊賀:ですよね(笑)そう、そうなんです。それはなんでかって言うと、ズルいのは前の日の駐車場で駐車券がいらなかった、っていうことなんですよ。だから、余っちゃったの、駐車券が。それをポケットに入れてしまった。

H:あんまりおもしろくない(笑)

一同:(笑)

伊賀:まあ、まあ。ま、そんなことがありました、と。えーと、どうでしょう?

H:誰に振ったの、いま(笑)

高田:すごい雑(笑)

大地:「どうでしょう」ってのは、おもしろかったのかおもしろくなかったのかを…

伊賀:そうですね(笑)あんまりおもしろくなかった、ってことで…

H:それにしては長かったね、んー。

伊賀:長かったですね(笑)えー、では…「最近聴いている音楽を訊いてください」。えーと…

H:聴いている音楽を訊いてください…伝言ゲームみたいだね(笑)

伊賀:そうですね…じゃあ、あの…訊きます。

H:なんだろ。

伊賀:最近、実は地味にですね、レッド・ツェッペリンLed Zeppelin)が自分の中で流行ってまして。

H:本当?すごいね。

高田:めずらしいね(笑)

伊賀:めずらしい、空前の…それはなんでか…なんでかっていう話は別にいいか。

H:(笑)

伊賀:あの、聴いたからなんですけど。じゃあ、曲はですね…レッド・ツェッペリンの"Misty Mountain Hop"っていう曲。好きで聴いてるんで、聴いてください。

  

 
Misty Mountain Hop - Led Zeppelin
 (from『Led Zeppelin IV』)
 

伊賀:では、ここで改めてメンバーの紹介をしましょう。えー……では…

H:早くして!(笑)

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇(ジングル)◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

伊賀:では(笑)お一人ずつ、最近あったおもしろい話をしていただきましょう。まずは…じゃあ…ま、まずは…じゃあ…えー、漣くん。お願いします。

高田:はい。ん、何を?

伊賀:えっと、おもしろい話!

高田:おもしろい話…

伊賀:あるでしょ。

高田:おもしろいかどうかはわかんないですけど、僕ここんところずっと、自分のアルバムやらなんやらのずーっとレコーディングで。で、よく考えたら伊賀くんと大地くんと(野村)卓史くんと、ライヴもこないだあったし、ずっと一緒にいて。伊賀くんの普段のいろんなことに慣れてきちゃったったっていうか…

伊賀:慣れてきた…いやいや、なんにも無いじゃないですか(笑)

高田:いやいやいや(笑)もう、日々ありすぎるからさ…もう、アレですね、耐性がついちゃった。

伊賀:耐性がついた…おもしろくなくなってきた?

高田:うん。なんかもう、普通にスルーしそうになるっていうか。いっぱい日々、いろんなこと起きてるんですけど、もう見逃しがちになっちゃってる。

伊賀:でもね、あの…駐車場のこと気づいてもらってよかったですよ。あれ、漣くんが気づかなかったら、ずーっとあれ入れてたと思うんです、昨日のチケットを…

高田:明らかに色違ったからね(笑)あの後に払おうと思って…僕らは割引チケットみたいのを貰ったじゃないですか。あれをまた…同じところに入れればいいのに、伊賀くん今度はそれを違うところに入れようとして…

大地:お札のところに…

高田:お札のところに入れようとして、ずっと入れてて、他のお客さんが並んできちゃって…(笑)そんなところですかね。

伊賀:じゃああの、1曲お願いします。

高田:じゃあ、えっと…トミー・ドーシー楽団(Tommy Dorsey & His Orchestra)の"Opus One"という曲を。

  

 
Opus One - Tommy Dorsey & His Orchestra
 

 

伊賀:じゃあ、次はですね…伊藤大地くんに、おもしろい話を…

大地:はい。

伊賀:ちょっと、笑わしてもらっていいですか?

大地:(笑)え、伊賀さんが笑わせられなかったからっていうことですか?

伊賀:そうです、僕の…そうそうそう。

大地:いや、おもしろい話ね、パッと言われると困るんすけど…自分的におもしろかった話。あの…生活クラブっていうのに入ってるんです。

H:なんだそれ?

大地:なんか、生協です。

H:あー。おじいちゃんみたいだ。

大地:はい(笑)家でずっと母親が使ってたから俺も…

H:へえ。

大地:それってまあ、チラシが入ってて、いろいろ毎週頼むんですけど。そこのチラシに出てた商品で、サンダル?真中に引っ掛けるところがついてて、履くと…履いて出るときにまたどっちからでも履けるっていう…

高田:あー、両方向から履けるサンダルね。

大地:はい。要は、後ろから…後ずさりして出なくてもいいサンダルっていうのがあったんですけど、それ俺、高校生の時に自分で…こういうサンダル作ったらいいのにって思ってたサンダルが…

H:発明家だね。

大地:もう商品化されてた、っていう…まあ、おもしろくないか…(笑)

伊賀:それはいい話ですね(笑)

大地:すみません、もう、手短に済ませますけど。

伊賀:あのー、もっとね、その時、年取ってたらね…特許取ってたら…

大地:(笑)いやー、特許取ってればよかったなぁ、っていう…

伊賀:そうそうそう。大金持ちになってたかもしれないですもんね。

大地:サンダルで…

伊賀:ひと儲けしてたかもしれない…

大地:サンダルで家建てられたかなぁ…

伊賀:うん…さて、じゃあ、大地くん。

大地:いい切り返しですね…(笑)

伊賀:1曲、じゃあ…

大地:1曲…最近聴いてるのはですね、SUMMER SONICに今年出た時にですね、その時初めて自分は知ったんですけど、セント・ヴィンセント(St.Vincent)っていう…の、今年出たアルバムの中から…なんか、ピアノと歌だけのアルバムみたいのが出たんですけど、その中から"Savior"という曲を聴いてください。

  

 
Savior - St. Vincent
 (from 『MassEducation』)
 
 

▼△▲▽▼△▲▽(ジングル)▼△▲▽▼△▲▽

 

伊賀:えー…じゃあ、次はですね、野村卓史くんに。

卓史:はい。お願いします。こんばんは。

伊賀:あ、こんばんは。

卓史:えー…最近あったおもしろい話ですか。おもしろいかどうか、わかりませんけど…

伊賀:ぜったいおもしろいでしょ。

卓史:いや…(笑)

大地:相当おもしろいと思います。

卓史:おとといちょうど、大地と一緒にやってるグッドラックヘイワでライヴがあったんですけど。まあ、ちょうどツアーが終わって、ツアー直後にイベントに誘ってもらって…めずらしいイベントで。サンリオピューロランドの深夜イベント、オールナイトイベントっていう…

伊賀:に、出たの?

卓史:出たんです。

伊賀:八王子ですか?

卓史:多摩センターのほうですね。僕も娘いるんでよくサンリオに行ってたんで、おお、サンリオのキティちゃんとかと同じステージに立てる、ってずいぶん盛り上がって行ったんですけど。僕らがやるステージとは別にダンスフロアみたいなのがあって。で、俺らがライヴやってたんですけど、裏が「DJハローキティ」っていう…キティちゃんがDJをやるっていう、いわばその夜一番盛り上がる…大スターですよ、サンリオの…

伊賀:主役ですよね。

卓史:スターがやる真裏で、俺ら。

高田:(笑)

卓史:で、行ったんですけど、なかなか始まった時はさびしい雰囲気で…でもがんばってライヴしました。はい。

伊賀:あっ…

卓史:がんばってライヴをしたっていう話です。はい。

伊賀:あっ……ハハッ。

一同:(笑)

伊賀:おもしろかった。

卓史:で、俺も観たかったっていう。DJハローキティがなにを流すのか。

伊賀:あー、それはぜんぜん聞こえなかった?

高田:だって演奏してるんでしょ?(笑)

一同:(笑)

伊賀:そうだよね。それは残念でしたね。

卓史:そうですね。

大地:まあ、残念なほど(客入りが)少なくはなかったんですけど、もうDJハローキティの人気がすごくて…グッドラックヘイワ敵わなかった、っていうとこすかね。

伊賀:んー…だから、あれじゃない?卓史くん、もうDJハローキティの格好してピアノ弾く…

卓史:俺自身がですか?(笑)

伊賀;そうそう。で、「(本物は)どっちだ?」みたいな感じになってれば…

高田:(笑)

大地:2人組で、片っぽハローキティで俺は素のままで…(笑)

高田:で、ドラムとピアノって…(笑)

伊賀:サポートだから…(笑)

大地:初めて見た人を混乱させていくスタイル…なるほど。

伊賀:はい。ありがとうございました。じゃあ、1曲。

卓史:あ、1曲…はい。あんまり詳しくはないんですけど、ボニー・プリンス・ビリー(Bonnie 'Prince' Billy)という人の"The Curse"という曲が、すごく最近聴いてカッコよかったので、聴いてください。

  

 
The Curse - Bonnie 'Prince' Billy with The Roots of Music
 

 

www.puroland.jp

 

◎●○◎●◎○●(ジングル)●○◎●◎○●◎

 

§§§§§§§§§§§§(ED)§§§§§§§§§§§§§

 

伊賀:さて、伊賀航がお送りしました今週の伊賀航ショウ。いかがでしたか。来週も続きをやる予定です。お楽しみに。ではまた来週~

 

 

 

2018.11.04 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

 
H:はい、細野晴臣です。こんばんは。
 
????:こんばんはー。
 
H:わー、すごい。女子4人。20代。ピチピチ。
 
????:(笑)
 
H:圧倒されます。えー、チームOK…でいいの?
 
????:そうです。OK!
 
H:ちょっと、じゃあね…自己紹介してって。
 
佑果:はい。水原佑果です。
 
茂木:初めまして、茂木モニカです。
 
酒井:初めまして。酒井いぶきです。
 
希子:こんにちは。水原希子です。
 
H:はい。水原姉妹と、デザイナー…いぶきちゃん。
 
酒井:はい、そうですね。
 
希子:はい。デザイナー兼、モデルもやってるし、多彩な…
 
H:かわいらしいよね。
 
酒井:ありがとうございます。
 
希子:あれ、U.F.O. CLUBの…
 
酒井:U.F.O. CLUBで働いてます。ライヴハウスPAやってます。
 
H:PAやってんだ。すげえ。多彩だな。あと、モニカさん。
 
茂木:はい。
 
H:カメラ…
 
茂木:はい。フォトグラファーとdirector…
 
H:映画も?
 
茂木:はい、英語の方が得意です。
 
H:映画だよ、映画(笑)
 
茂木:あ、映画…(笑)そう、これから映画をつくったりしてて…あと、OKのArt Directorの感じです。
 
H:あ、そうなんだ。いろんなことやってるんでしょ?チームOK。
 
希子:そう、OKというブランドを去年…ブランドっていうよりはプロジェクトっていう感じになってきてるんですけど。すごい実験的なプロジェクトをやっていて…
 
H:うん。
 
希子:で、OKはチームワークじゃないと成立しないので、もう、この中で一人でも欠けたら、OKというものは成立しないっていうぐらい…
 
H:バランスがいいんだ。
 
希子:そう。大切な仲間達です。
 
H:へえ…希子ちゃん・佑果ちゃん、こないだテレビの収録、ご苦労様でした(笑)
 
佑果:ありがとうございました(笑)
 
希子:もう、ホントになんか…
 
H:大丈夫だった?
 
希子:大丈夫っていうより…もう、私生きててホントによかったって思いました。
 
佑果:同じく。思いました。
 
H:え、ホント?だってさ…芸人と一緒に踊ったりしたじゃない。
 
佑果:はい。筋肉痛になっちゃいました(笑)終わった後…
 
H:でしょ?(笑)
 
希子:♪ナナナナー、ナナナナー…
 
H:そう。胸毛付けて…
 
希子:胸毛付けましたね!
 
H:抵抗ないわけ?(笑)
 
希子:いや、抵抗…が…あるかないかって言われると…(笑)
 
H:そりゃああるよね(笑)
 
希子:あります(笑)けど…
 
H:でも、おもしろい方が勝っちゃったんだね。
 
希子:はい。しかも、本家の方よりも胸毛が圧倒的に多いっていう…衝撃的な。
 
佑果:濃い目だった。
 
H:いやー、あの踊り上手かったよ、ふたり。
 
佑果:ホントですか?
 
H:僕できないよ、あれ。クセが強すぎて。
 
希子:たしかに。
 
佑果:リズムをとるのが難しかった。
 
H:♪ナナナナー…
 
姉妹:♪ナナナナー、ナナナナ次はハチー。
 
希子:♪いきなり出てきてごーめーん。
 
姉妹:♪まことにすいまメーン。
 
H:よくやったね…ホント、よくやってくれたと思うよ。
 
希子:いやー、もうハマっちゃって…あれはやっぱり見てるのと実際にやるのとぜんぜん違う…
 
H:そう、違う。やると難しい。
 
希子:やると難しいけど、なんかアドレナリンが出てきて…
 
H:なんか癖になってない?大丈夫?
 
希子:あ、もう忘れちゃいました。
 
佑果:私は今だに覚えてて…(笑)友達に披露しちゃいます。そしたらみんな大ウケしてくれて…私の特技になっちゃいました。
 
H:自分の芸になるよね(笑)宴会芸。
 
佑果:マスターしました(笑)
 
 

H:さあ!きょうは4人もいるから、みんなで話して(笑)
 
希子:みんなで話しますか!
 
H:で、曲をかけて。一人1曲ずつ。まずはじゃあ、曲を…佑果ちゃんからかな。
 
佑果:じゃあ私から。私はシ-ナ&ロケッツさん。
 
H:お。
 
佑果:細野さんが作曲された"Indian Heart"を…たまらなく好きで…!
 
H:あれ、僕も好きなんだよ。
 
佑果:いやー、もう…ホントにいつ聴いても心地がよくて。
 
H:シーナがなんか、声がすごいしね。
 
佑果:ね。セクシーな…そしてカッコいいメロディが…
 
H:じゃあちょっと聴きましょうか。SHEENA & THE ROKKETSで"Indian Heart"。
 
 
Indian Heart - SHEENA & THE ROKKETS
 (from『@HEART』)
 
 
H:なんの話してたの、いま。英語でなんか話してたでしょ。
 
希子:インターネットの話を。
 
茂木:あ、この曲はいつ作ったの、って訊いてて。細野さんに。
 
H:そう、インターネットがホヤホヤの頃に作った音楽だから(*1997年発表)。なんか思い出があるわけ?インターネット。
 
希子:インターネット…私が最初PCを使ったのは…小学校入ったくらいかな?お父さんがビジネスとして使ってたのを、私はゲームとして使いたくて。ゲームとして使ってたら…やっぱまだ古かったからバグったりとかして、お父さんにすごい怒られたっていう思い出がある。
 
H:怒られてたんだ。
 
希子:いぶきちゃんはいま21歳だけど、インターネットの最初の記憶は?
 
酒井:私もインターネットっていうか、PC?初めて使ったのを憶えてるのは…近所に児童センターがあって。で、私は両親が共働きで、学校終わったら児童センターに一人で遊びに行ってた。で、その時に…夕方になるとみんな帰っちゃうんだけど私の家は帰ってもお父さんお母さんいないから、もう児童館が閉まるまで遊んでたんだけど。最後のほうになるとパソコンが空くから…パソコンでみんなゲームをやるんだけど、けっこう取り合いみたいになっちゃうから、最後のほうまで残って…なんか、タイピングのゲームやってた。ゾンビを倒す…
 
希子:(笑)
 
酒井:ゾンビが近づいてきてて、「Z」とか「Y」とかなったら「Z」とか「Y」を探して、(キーを)押すとちょっとゾンビが離れてく…みたいな。そういうのをやってた。それくらいかな。最初の思い出は。
 
希子:そっか。モニちゃんは?
 
茂木:私きょうだいいないから、いつも一人でコンピューター、インターネットがぜんぶ…
 
希子:使い放題?
 
茂木:うん。なんか、MSMメッセンジャーを憶えてる。Hotmailのチャットルームみたいな。
 
H:あったね、そういうの。
 
茂木:7年生の時にそのメッセンジャーで…私、基地の学校に行ってたから…
 
希子:米軍基地?
 
茂木:米軍基地同士で…会ったことなかったけど、他の基地の男の子と話してたの。MSMメッセンジャーで。で、会ったことなくて…2年あとぐらいに死んじゃったの。その男の子が。
 
H:え?
 
茂木:毎日話してたの、ホントに。急に…
 
希子:でも私もいちばん最初に好きになった男の子死んじゃった。
 
H:みんな経験豊かだな。
 
希子:それは小学校1年生の時に、入学してその子としか遊んでなくて。いつも追いかけっことかしてたんですけど。夏休み終わって学校にいないから、なんでいないのかなと思ってお母さんに訊いたら、海の事故で亡くなっちゃった、っていう…すごい暗い話になっちゃった(笑)
 
茂木:ごめん、暗い話に…(笑)
 
 
 
希子:細野さんはインターネットの最初の記憶はなんですか?
 
H:えーとね…サンフランシスコにレコーディングに行ったときに、スタンフォード大学の卒業生で…「Contents! Contents!」って言いだした人がいたわけ。日系の人で。彼がインターネットの使い方を教えてくれて。
 
希子:えー。
 
H:まだ、ほんとホヤホヤ。
 
希子:2000年になる前?
 
H:なる前かな。うん、1990年代。それで(日本に)帰ってきて、自分もプロバイダーに入ったりして、始めたんだけど…なんだか最初はあんまりよくわかんなかった(笑)だからあんまり使えなかった。
 
茂木:いまはインターネット、どう思ってる?2018年。
 
H:いまは…四六時中つないでるから(笑)無くてはならなくなっちゃってるな。
 
佑果:そうですね…
 
H:とくに音楽とかね、YouTubeとか。絶対、毎日聴いてるから。みんなそうでしょ?
 
茂木:そうです。みんなそうです。
 
佑果:YouTubeは毎日…
 
H:YouTubeで音拾ってるもんね、佑果ちゃんは。
 
佑果:はい(笑)中学生の時からずっとYouTube…もう、放課後家帰ってインターネット開いて、YouTube。ずっと、エンドレスで聴いてた。
 
H:あ、そう(笑)
 
希子:でもさ、いま子どもとかもみんな勝手に開いてYouTubeとかでずっといろいろ見てるじゃないですか。
 
佑果:そうだね。
 
H:やってるよね。
 
希子:やっぱりYouTubeって言ってもすごい情報量だし…だから次の世代の子たちはめちゃめちゃ賢い…インテリな子たちがいっぱい出てくるんじゃないかなって思ってます。
 
H:僕は孫がいるんだけど、いろんなこと知ってるよ。物知り。もう、役に立たないことばっかりだけど(笑)なんでも知ってる。ぜんぶそれはYouTubeとかね。そういう…
 
茂木:でも私はちょっと問題と思うのは、いまの若い人はインターネットのinformationですぐ信じちゃうじゃん。
 
H:そう。いや、いろんな問題あるよ。そりゃあ。
 
茂木:ね。ちゃんとしたfactとか。politicalなことでも…
 
H:そんなものはね、無いよ。たぶん。ぜんぶフェイク…フェイクとまではいかないけど、ネタ元が無いんだよ。もう拡がっていく。拡散してるだけで。
 
茂木:誰が裏にいるか、知らないしね。コメントしてる人とか。
 
希子:そう。でも昔もさ。インターネットがいまみたいに普及してない時でも…たとえば、メディアが出すフェイクなニュースとか、みんなそれを信じてたから。人間はつねにそういう立場にあるっていうか。
 
H:わかってるね…頭いいね。
 
希子:(笑)だからやっぱり、ある意味、インターネットがあることによって、ウソの情報もあるけど、それを(真偽を)調べることもできるし…そういう意味ではいまインターネットがあることは、私たちにとっては、昔よりもいいんじゃないかなぁ。
 
H:うん。自分が鍛えられるよ。自分の判断が試されるじゃない。
 
希子:そうですね。
 
H:だから、ダメな人はダメになっちゃうっていう…(笑)
 
希子:結局そういうことですね。人間は。
 
佑果:どう生きるか。
 
H:いつもこんな話してんの?
 
佑果:けっこうこういう話します(笑)
 
H:ホント?(笑)
 
茂木:いつもphilosophyだね。
 
H:これはね、男の子負けるだろうね(笑)
 
一同:(笑)
 
H:オッケー、オッケー。
 
 
希子:そろそろ音楽、次のいきましょうか。
 
H:茂木モニさん、モニカさん。
 
希子:モニカが紹介する曲はちょっと難しいタイトルで…
 
茂木:読めない…一週間前くらいに探した曲で、でもそれから毎日聴いてるから…いますごく好きな曲。
 
希子:名前は?(笑)
 
茂木:えっと…ユーゴスラビアからの、1974年…センカ・ヴェレタニック?で、曲の名前は…"ジョビ・オシ"かな?ぜんぜんわかんない(笑)「t・v・o・j・e」だから…
 
佑果:カッコいいね。
 
茂木:すごく好き。
 
H:聴いてみよう。
 
 
Tvoje Oci - Senka Veletanlić
 
 
 
H:ところで、みんながきょうここにいる理由があるわけだよね?
 
希子:そうです。次の細野さんのツアーのグッズを…
 
H:グッズを頼んだの。チームOKに。
 
希子:わー!夢です(笑)
 
H:いま一番旬な。ね、そうでしょ?
 
佑果:はい、そうです!旬なクリエイティヴ・チームです(笑)
 
希子:すごい、あの…きょうはスタジオにみんなでお邪魔して…
 
H:いろいろ、カメラでね。撮ってくれたり。16mmをモニカさんが持ってきてくれたりして。
 
茂木:そう。ちょっと映像を撮って…ね。
 
希子:公園に行ったりね。
 
H:で、それをいぶきちゃんが…
 
酒井:はい。
 
H:いろいろ加工したりして。
 
酒井:はい、デザインをさせて頂く…
 
H:グッズが出来てくるの楽しみだね。
 
希子:Tシャツと…あとは、エコバッグだったかな。
 
酒井:そう。いろいろ作りたいと思ってて。缶バッヂも作るんですけど、缶バッヂは私がおうちで作ります。ガシャンガシャンって。
 
H:あ、そうなの?家で作ってるんだ。
 
酒井:あの、このために業務用の缶バッヂマシンを買いました(笑)
 
H:買ったんだ(笑)
 
佑果:楽しそう…
 
酒井:で、佑果ちゃんが協力してくれるから…
 
佑果:300個。そうそう。
 
酒井:作ります。
 
佑果:イエーイ。
 
H:楽しみだね。
 
希子:すごい楽しみです。仕上がり楽しみにしてます。ちょっとライトがまぶしかったのは…ごめんなさい。
 
茂木:申し訳ないです。
 
佑果:スタジオが暗かったから…
 
H:写るのはあんまり好きじゃないんだけど、まあしょうがないからね。うん。
 
 
 
希子:次のツアーはどういった内容のツアーなんですか?すごい楽しみにしてます。
 
H:あのね…正直言うと、わかんない(笑)
 
希子:そっか…(笑)
 
H:いまやってる作業が、ひとりでやってるって言ってるから…みんなザワザワザワってするの。ひとりでやる、って。今まで20年ぐらいバンドでやってたでしょ。
 
希子:あ、そうですよね。
 
H:ひとり篭って。このスタジオに。打ち込みやったりね。
 
佑果:すごいです…
 
H:それで、自分はもう打ち込み系15年ぐらいやってないな、と思って。出遅れてて。勉強しなおしてる(笑)
 
希子:いや、でも、新しい新境地に…
 
H:そう。こんな歳になってそんなことやるとは思わなかったから。
 
希子:えー、でも、そういうところが細野さん、ほんとにカッコいいです。
 
H:いやいや…(笑)ほんっとに悩んでるんだから…
 
希子:そうですか?(笑)でも、こないだチラッと聴かせて頂いた時に…打ち込みだったりとか、テクノっぽいのもやりたい、って、こないだ仰ってましたよね。
 
H:そうだよ。もともとそういう人間だったから…何十年とそれやってたから。
 
佑果:そうですよね。
 
希子:じゃあ、そういう要素が次回のアルバムは…
 
H:またね、それに一回戻ってるだけなんだけど、何年もやってないからほんっとに、時代遅れになってるんだよ。自分がね。
 
希子:いや…
 
H:ホントだよ。20代の頃はああいうことやってて、周りから「10年早い」とか言われてて。つまりなんだ、いまの人は聴く耳が無い、っていうか。その時代のね。まあ、皮肉に言われてたの。いま自分で思うのは、「10年遅い」。
 
希子:そうなんですか?(笑)
 
H:そう言っておこう(笑)
 
希子:私はでも、そう思いませんけど…
 
H:じゃあまあ、がんばるよ。期待に応えないといけない。
 
佑果:ホントに楽しみ…
 
希子:ぜひライヴにはOKチームで行かせてください。
 
H:ぜひぜひ。
 
希子:また追っかけやります(笑)
 
H:そういう人がいると張り合いがあるからね…(笑)
 
希子:よかった(笑)
 
 
 
H:じゃあね、えっと…PAやってるいぶきちゃん。
 
酒井:はい。私が働いてるライヴハウス東高円寺にあるU.F.O.CLUBっていうハコで。そのハコは元ゆらゆら帝国坂本慎太郎さんが内装をやってるんですよ。ペインティングしたりとかしてて。私、坂本慎太郎さんがすごい好きで。で、つい4日前にライヴ観に行ったんですね。で、きょうは坂本さんの曲を流そうと思って。はい。"やめられないなぜか"っていう曲です。
 
 
やめられないなぜか (Why Can't I Stop?) - 坂本慎太郎 (Shitaro Sakamoto)
 (from 『ナマで踊ろう (Let's Dance Raw)』)
 
 
 
H:じゃあもうね、時間がどんどん経っちゃった。
 
希子:足りないですね…
 
H:足りないね。今度またやってもらうから。月に1回やってくれっていう声もあるんで…(笑)
 
希子:ホントですか?
 
H:うんうん。
 
佑果:やりたい…
 
希子:もう、いつでも呼んでください!
 
H:ホント?じゃあもう、月に1回っていうのは、やるよ。
 
佑果:いま決まりました。録音されてるから…(笑)
 
H:いつも、番組の中で約束する、っていうのはあるんだよ。そうするとやんなくちゃいけない。
 
希子:たしかに(笑)
 
 
H:じゃあ、最後に…希子ちゃんに曲をお願いして、きょうはここで締めることになるね。
 
希子:はい、そうですね。では…あ、前、細野さんグッズをインターネットで購入した際に、たぶんその方が強烈な細野ファン…細野オタクで…
 
H:へえ。
 
希子:1997年にコシミハルさんと収録したラジオの音源を送って頂いたんですよ。
 
H:すごいマニアックな人だね。
 
希子:で、それがもう…それを聴いたんですね。その時にコシミハルさんが紹介してた音楽がありまして、それを聴いて私もすごく好きになったので、それを流したいと思います。ワリー・バダル(Wally Badarou)で"Mt. Fuji And The Mime"。
 
H:懐かしい…それじゃあみなさん、今度また会えることを楽しみにしています。
 
 
 
Mt. Fuji And The Mime - Wally Badarou
 
 
 

2018.10.28 Inter FM「Daisy Holiday!」より

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daisy-holiday.sblo.jp

 

O:こんばんは、岡田崇です。今晩のゲストはINOYAMALANDのお二人。
 
井上誠:はい、INOYAMALANDの井上と…
 
山下康:僕は山下です。よろしくお願いします。
 
井上:きょうはよろしくお願いします。
 
H:僕もいるんだよ。
 
O:あと…細野晴臣さんです(笑)
 
H:よろしく(笑)
 
O:よろしくお願いします。
 
H:INOYAMALAND。えー、35年ぶりですよ。僕は。
 
井上:はい。たいへんご無沙汰しております。
 
H:いやー、年とったね(笑)お互いに。
 
井上:そうですね(笑)さすがに…
 
H:何度かしか会ってないですよね?僕は。
 
井上:そうですね。僕は…細野さんお忘れかも知れませんけど、2年前ぐらいに近所のスーパーでチラッとお会いして…
 
H:あれ?(笑)
 
井上:それで、ご挨拶だけはしました(笑)
 
H:ここら辺に住んでんのかな?
 
井上:ええ、うちの女房がすぐ近くなもんで、そこのスーパーで…
 
H:そうかそうか。でも、ぜんぜん顔憶えてないね(笑)
 
井上:そうですよね(笑)
 
山下:僕らは細野さんの顔は忘れようがないんですけど(笑)
 
H:そっかそっか(笑)アクの強い顔なんで。
 
O:YENレーベルでINOYAMALANDの『DANZINDAN-POJIDON』を出してから…会ってない?
 
H:会ってないですよ。
 
山下:そうですよね。
 
H:岡田くんはどういう関係でしたっけね。
 
O:今回『DANZINDAN-POJIDON』の「ニューマスターエディション」というのを出しまして…
 
H:そうですよね、これが出るんで来て頂いた、と…
 
O:そのジャケットを僕がやらせて頂いて。
 
H:当時のね、オリジナルの天気図のジャケットを…
 
O:奥村靫正さんのところにお伺いして、当時とものとは別のポジを探して頂いて。それを使って新しいヴァージョンのジャケットを作った。
 
H:で、CDが出て、今度アナログ盤も出ると。
 
O:そうですね、11月…ぐらいに…かな?
 
H:うん。えー、タスキ、というか帯にコメントを書かせて頂きましたけどね。
 
井上:ありがとうございました。
 
山下:お世話になりました。
 
H:いえいえ。「1980年代、ニューウェイブアンビエントのはざ間にはユニークな音楽があったのです。」と、まあ、書いたんですけど。どうですか、INOYAMALANDは海外から引き合いがあったり、したんですよね?
 
井上:ええ。4,5年前からあちこちから来るようになりまして。
 
H:やっぱりね。
 
井上:(海外の方からは)僕らはどこに住んでるのかわからないと思うんですけど、仲間に巻上公一という…
 
H:あ、ヒカシューの…
 
井上:彼のところに世界中のいろんなところから「INOYAMALANDというのを知っているか?」と。
 
H:へえ。
 
井上:「彼らはいまどこで何をしているんだ?」と。巻上くんのところにコンタクトしてきて…
 
H:すごいね、外国人って(笑)どうして知ったんだろうね。
 
井上:たぶん、最近のああいう…インターネットのアレだとは思うんですけど。
 
O:YouTubeとかね。
 
H:そうだな。んー。
 
井上:ずいぶん前からYouTubeにアップされてるんですけども、何年も動いてなかったんですよ(笑)
 
山下:ようやく来たんですよ。
 
井上:そう、急に動き出した(笑)
 
H:30年間…
 
井上:固まったままだったんですけどね。
 
H:これはすごいよね。
 
井上:それはすごい不思議に思ってます。はい。
 
H:こういう時代だから起こることだよね。
 
井上:そうですね。
 
 
 
 
H:えー、じゃあちょっと、ご挨拶代わりに曲を…ね。せっかくだから。かけて頂きたいんですけど…アルバム1曲目に入ってる"SHÜFFER"。どういう意味?
 
山下:や、あまり意味はなくて。いつも…僕らインストゥルメンタルなんで、いちばん困るのが…細野さんも経験あるかもしれないんですけど…
 
H:タイトルね。
 
山下:ええ。なので、テキトーと言ってはなんですけども、付けてしまったタイトルの一つですね。
 
H:でも、SHÜFFER(シューファー)という人がいるんですよね。あ、シェーファー
 
山下:それはたぶん…解説文には書かれているんですけどあんまり関係なくて…
*引用者註:井上氏による楽曲解説曰く「山下さんの好きなカナダの現代音楽作曲家マリー・シェーファーから」。
 
井上:音の響きが好きだという話…
 
山下:そうですね。できるだけタイトルから曲が連想できない方がいいかな、っていう風には思ってるんですね。
 
H:なるほどね。ひねくれてますね。
 
山下:ええ(笑)エリック・サティ(Érik Satie)の影響ですかね。
 
H:あー、そういう…じゃあ、どうぞ。
 
 
 
 SHÜFFER - INOYAMALAND
 ( from 『DANZINDAN-POJIDON』)
 
 
 
H:こういう感じで…ずっと続くわけですよね。この時代の音楽がね。
 
井上:そうですね(笑)
 
H:僕もやってましたからね(笑)当時僕はこういうのをYENレーベルで、YMOの後に…後っていうか、まあ同時期なんですけど、高橋幸宏とやってたんですけど。これ…INOYAMALANDの音を持ってきてくれたのが、上野くん(上野耕路)ですよね。
 
井上:はい、そうです。
 
H:上野くんとはどういう関係でしたっけ?
 
井上:彼がまだ8 1/2というパンクバンドをやっていた時に、ヒカシュー…あ、僕と山下くんもヒカシューのメンバーだったんですが…
 
H:メンバーだったんだ。
 
井上:そうなんです(笑)
 
山下:メンバーというよりも、実は僕らが作った…
 
H:あ、なんだ、そうなんだ。
 
井上:僕らが二人で始めたのがそもそもヒカシューだった…で、そこに巻上くんたちが入ってきてああいう形態のバンドに。
 
山下:実はINOYAMALANDも最初の名前はヒカシューだったんですね。で、こういう音楽やってたんです。
 
H:複雑だなぁ…(笑)
 
山下:複雑なんです(笑)なにかモノに書かれているのでそこを読んで頂ければ…
 
H:そうね。
 
井上:で、そのヒカシューも、それから上野くんの8 1/2というバンドも、アマチュアだった頃によく関西ツアーなんかを一緒にしてた。そういう仲間だったんです。
 
H:そうか…
 
井上:で、彼が1982年に細野さんのところで…『改造への躍動』でしたっけ。
 
 
井上:あれを出した縁があって、で、INOYAMALANDの曲を細野さんに聴いてもらおう、って上野くんのほうから提案してくれたんです。
 
H:ああ、そうなんだね。それで持ってきて、すぐリリース…ってなったんだろうね(笑)
 
山下:おかげさまで(笑)
 
O:ちょうどMEDIUMってレーベル…YENレーベルの中にMEDIUMっていうサブ・レーベルがあって…
 
H:中間音楽だね。
 
O:そこのアーティストを探してる感じだったんですかね。その時。
 
H:そうかそうか。あの、もう一組、いましたね。
 
O:Interior(Interiors)とTESTPATTERNと。
 
H:この、InteriorもTESTPATTERNも…いま出したらいいんじゃないかっていうね。話もありますよね。
 
O:ですよね。
 
H:その頃、1983年のリリースで…その頃岡田くんはどうしてたの?
 
O:中学3年生です。
 
H:(笑)
 
O:1983年の…8月ですよね。
 
H:YENレーベル聴いてたわけね。
 
O:YEN友会…ファンクラブの会員でした。
 
H:あ、そうなんだ(笑)
 
山下:最年少、じゃないですか?
 
O:大変だったんですよ。これの発売日が太田螢一さんの『人外大魔境』と、高橋幸宏さんの『薔薇色の明日』、同時発売だったんです。
 
H:そうなんだ。
 
O:ど、どれ買えばいいんだ…っていう(笑)中学生のお小遣いでは…
 
H:どれ買ったの?
 
O:INOYAMALAND(『DANZINDAN-POJIDON』)と『薔薇色の明日』を先に買って…
 
H:えー!意外(笑)で、後で太田くんのを買った…
 
O:そうなんです。
 
H:当時、高いもんね。
 
O:でも、このレーベルは安かった。2,200円でした。
 
井上:そうですね。少し買いやすい値段設定ですね。
 
O:幸宏さんのと一緒に買っても負担が少ない、みたいな(笑)
 
井上:5千円でお釣りがきた…
 
 
 
H:それで、「イノヤマ」という名前というのは井上さんと山下さん、と。
 
山下:そうですね。たぶん、その前ぐらいに…結局ヒカシューが別の形態になってしまったので、なんか付けないといけないじゃないですか。
 
H:うんうん。
 
山下:なので、僕らはヘンなアレで…「前期ヒカシュー」とかって言って、テクノになる前のヒカシュー、みたいな。そんな言い方してたんですね。
 
H:なるほどね。
 
山下:で、それはあんまりだって言うんで、「イノヤマ」という…で、いつの頃か、ヒカシューの中でも僕ら二人だけの仕事みたいのがあって。インストゥルメンタルの。ヒカシューという名前で仕事はしてるんですけども…
 
H:ヒカシュー集団だね。
 
山下:そうですね。みんな、巻上くんは巻上くんなりに仕事したりしてて。で、その時に僕らに来た時は、じゃあ今回はイノヤマで、と。井上くんと二人で…
 
H:使い分けてたんだね。
 
山下:はい。「じゃあ、イノヤマで行きましょう」と。なのでイノヤマで、あと「ランド」を付けて…
 
H:書いてあるところによると、目の前にディズニーランドのランドが…
*引用者註:井上氏による解説文曰く「そのとき山下さんが来ていた〔原文ママ〕トレーナーにDisneylandのロゴがプリントされていたので「じゃあランド付けよう。イノヤマランド」と、話はどんどん進みました」。
 
山下:あれもね、ちょっとね…当時を思い起こしてみるとそうじゃなくて…(笑)
 
井上:まあ、そういう話にしておくと分かりやすいので…よく着てたんですよ山下さん、たしかに。
 
山下:そうですね。まあ、ともかく昔のことなんで記憶は曖昧ですね(笑)
 
H:30年以上前だからね。その間、なにをやってたか。ちょっと発表してください、山下さん。
 
山下:はい。INOYAMALANDっていうのはそこでひとつ定着したので、おかげさまで…特に、早い時期だったじゃないですか、環境音楽とか。のっけどころだったんで、一応…動かなかったんですけども、知る人の間では「環境音楽のINOYAMALAND」っていう風に浸透してたので、その後始まった…商業施設での環境音楽の仕事が来るようになりまして。
 
H:あー。そうだよ、当時ね、まだアンビエントっていう名前があんまり出てない頃に…たとえば青山のビルから僕のところに来て相談して…店内音楽はどうしたらいいんだ、っていう。それはもう環境音楽だろう、とかね(笑)そういう時代でしたよね。
 
山下:そうですね、そういう流れが…なので、レコードには…盤にはならなかったんですけども、いろんな博覧会…当時はありましたよね。
 
H:あったね。いっぱいあった。
 
井上:あと、美術館だとか。博物館とか。
 
H:僕も頼まれたこと、けっこう多いからね。そうか。
 
井上:それでなんとか、今までこう…やってきて。じゃないと結局、アルバム1枚出していつの間にか消えちゃった、っていうことになってたのかもしれないですね。
 
H:消えてなかったね!すばらしいね。
 
井上:ええ、よかったです。
 
H:それはいつも二人で、ずっと?付かず離れず。
 
井上:そうですね。たぶんあの…彼と知り合ったのはそれこそヒカシューの結成…する前だから…
 
山下:40年、41年…
 
井上:ぐらいになりますね。
 
H:そう。
 
山下:で、お互いにこう…癖(ヘキ)を知っているので、その癖をうまく利用しながらやってこられたような感じですね。
 
H:なるほどね。ライヴとかはあんまりやってなかった?
 
井上:ええ、ほとんどなかったんですけれども、ここ数年またやりだした…今年になってからも5回、6回くらいね。
 
山下:で、ちょうどこのアルバムを出してすぐ後くらいか…
 
井上:あ、茂一さん…スネークマンの茂一さん(桑原茂一)から「ピテカントロプスでやらないか?」って言われて…
 
H:ピテカントロプスってまだあるんだね?
 
O:この当時(1983年前後)ですよね?
 
井上:そうですそうです。
 
H:あ、当時の話か(笑)
 
井上:ピテカンがオープンした直後ぐらいにライヴやらして頂いたことがあって…
 
H:あ、そうなんだ。
 
山下:そこで1回、一夜限りのライヴやって、なんか二人とも懲りて…(笑)
 
井上:それでたぶん、20年ぐらいやってなかったのかな。
 
H:すごい時間の流れだよね。
 
 
 
井上:で、テクノのアレがあって、今度永田さん(永田一直)とかに、いわば再発掘してもらってから、またライヴを始めた、というような…
 
H:その30年という時間で…たとえば僕なんかは、もういろんな風に変わってったんですけど、変わんなかったわけね。
 
井上:変われなかったんでしょうね(笑)
 
H:それはすごいことだよね。んー。たとえば…好きな音楽ってなに?
 
山下:僕は細野さんですよ、言ってしまうと(笑)
 
H:えー!それは…(笑)やっぱり、環境音楽は聴いてたわけ?
 
井上:ええ。もちろん、いろんな…当時、細野さんは1960年代の方なので…僕はもう今年、66歳なんですけども、最初に細野さんを聴いたのはエイプリル・フールで。
 
H:あ、エイプリル・フールから?
 
井上:野音で拝聴しました。生で。
 
H:聴いてたんだ?
 
井上:聴きました。すごいなぁ、と思って。
 
H:びっくりだね。
 
井上:30分間くらい1曲でいかれたんですよね、たしか。あの頃…
 
H:そうだっけ(笑)ずっとインプロヴィゼーションやってたんだね。
 
井上:ええ。だから、ある意味…広い意味でのアンビエントに感じたんです。当時アンビエントは無かったんですけどね。
 
H:無いよね。
 
井上:ええ。でも、ずっと変わらないで1曲を演奏して…ブワーッと、こう…
 
H:グレイトフル・デッドGrateful Dead)みたいですね。
 
井上:で、小坂忠さんはボーカルなんだけども、ずっとこうやってるだけで…ひたすら…(笑)
 
H:カウベルとかね。
 
山下:僕もやっぱり、エイプリル・フールからなんですけれども…
 
H:えーっ!
 
山下:僕はまだ中学生だったんですけど、東京キッドブラザースというところの最初のEP盤が…エイプリル・フールが伴奏をしてくれてて…
 
H:やりましたね。そうだそうだ。
 
山下:その、芝居のBGMなんで、メロディが盛り上がったりっていう起伏があまりない音楽なんですけれども、淡々と演奏を繰り返していることで台詞が段々々々熱を帯びてくる…そのBGM自体がすごく好きになった、というのが、いま思うと環境音楽的な、アンビエントなものにつながっていくのかな、と。
 
H:うそー?(笑)こじつけだよ(笑)
 
一同:(笑)
 
H:エイプリル・フールの時にアンビエントなんて概念、一切なかったよ(笑)
 
山下:まあでも、その音色を感じてたんでしょうね、いま思えば。
 
H:それは素質ですよ、二人の。んー。
 
山下:そうですか(笑)
 
H:アンビエントの権化だね、そうなってくると。先生だね。
 
山下;既に細野さんは、エイプリル・フールの時にそういうことをやられてた…
 
H:知らずにやってただけだよ(笑)
 
山下:でも、それが一番じゃないですかね。知らずに、って。
 
H:いやー、知ってた方がいいんじゃないですか…
 
井上:僕は映画音楽のほうも昔から好きだったんですけども、伊福部昭さんといろいろ、お仕事させて頂くことがあって。
 
H:あ、そうですか。
 
井上:実は、細野さんといっしょに伊福部さんのお宅に遊びに行ったこと、あったんですよ。
 
H:…僕、憶えてるよ、それ。
 
井上:憶えてますか?
 
H:上野くんもいたね。
 
井上:はい。僕、細野さんの車の助手席に乗っけてもらって、道案内をしながら尾山台まで…
 
H:そんなことあったねぇ。すごい経験だよ。伊福部さんと会ったんだよ。なんか憶えてる、それ。
 
井上:『銀河鉄道の夜』のね。あの頃。
 
H:そう、壁にいろんな民族楽器が置いてあって…いい経験だったな。いや、言われるまで忘れてたけどね(笑)
 
O:忘れるんだ…(笑)
 
H:ほんっと、忘れちゃうよ?年とると。二人はいろいろ憶えてるんでしょうね。
 
井上:はい。あまりなかったもんで、いろいろと…(笑)
 
山下:で、僕ら自身もいろいろ忘れてることを、今度さらに若い世代の…永田くん達の世代がまた掘り起こしてくれて…
 
H:掘り起こされる立場になってきたんだね。
 
井上:そうなんです。いつの間にかそういうことになって…で、今回35年ぶりに『DANZINDAN-POJIDON』を掘り起こしてくれて…
 
H:なるほど。
 
 
 
O:今回の「ニューマスターエディション」というのは、どういうことなんですかね?
 
井上:ええ。最初の版の原盤というか、元のマスターテープをそのままCDにすれば…という風に最初は考えてたんですけれども、なかなかそれが見つかりませんで、いろんな人たちが八方手を尽くしてくださったんですけれども、どうも出てこない。で、うちには当時それを作る元になったマルチテープがゴロゴロ、何本も転がってるんで…
 
O:それがすごいですよね。
 
井上:そこからもう一度、一から作り直してみたら何ができるかな、と。
 
H:再構築だね。
 
井上:益子さん(益子樹)っていう、山下さんの甥っ子になるんですけども…
 
山下:甥っ子の息子…になるのかな。DUB SQUADとかのメンバーの…
 
井上:益子さんが全部、その複雑な作業をやってくれて…
 
H:おお、そう…
 
O:8trのオープンリールを、当時の感じをイメージしつつ…
 
井上:そうですね。
 
山下:当時、細野さんが「ウォーター・ディレイ・システム」っていうのを考案してくれて…
 
H:ぜんぜん憶えてない…(笑)
 
山下:あの、水槽にマイクを立てて…
 
H:あー、あれね…
 
井上:あの独特な響きを一生懸命研究して、分析して、解析してくれて…
 
H:あれ、ちゃんとやったんだっけかな…(笑)
 
山下:やりました、やりました(笑)
 
O:(収録曲中の)半分くらいに使われた…
 
井上:そうですね。全曲録った上でみんなで試聴会をして、じゃあこれは活かそう、これは外そう、っていう風にやったのを憶えてます。
 
H:なるほどね。そうだ、そうだ…おもしろいことやってたね。
 
山下:はい。
 
H:なるほど…それはでも、ギャビン・ブライヤーズ(Gavin Bryars)のパクリだな…(笑)
 
山下:いやいや(笑)でも、昨日…一昨日か。甲府アンビエントのパーティみたいのがあって…
 
H:え、そんなのがあるんですか、今。
 
山下:一昼夜、夜中まで…
 
H:いいなぁ。
 
山下:それに出たんですけども、ちょうど台風のあおりで雨が降ってて。
 
H:いいじゃないですか。
 
山下:で、隣に川が流れてて。
 
H:うわ、すごい。水浸しだね(笑)
 
山下:そんな中で演奏したら、観客の方から、ウォーター・ディレイ…生のウォーター・ディレイと…
 
井上:まさに水の中…湿度100%の中なので…
 
山下:と、言われましたね(笑)
 
H:すばらしい。それはもう、いい環境ですね。
 
山下:そうですね。
 
 
H:では、もう1曲…聴いていきたいと思いますが。これは長い曲ですから、途中まででまたお話に戻りますけど。"APPLE STAR"という曲です。
 
 
 
 APPLE STAR - INOYAMALAND
 ( from 『DANZINDAN-POJIDON』)
 
 
 
H:気持ちよくて寝ちゃう人もいるだろうから…(笑)
 
一同:(笑)
 
H:YouTubeで自然音の…なんかあったりしてね、「眠るための音楽」とか。ありますよね、最近ね。気持ちがよくて僕はよく聴くんですけどね。ところで、ライヴがあるんですって?
 
井上:はい。こないだアナログ盤も出たんですけれども、今度は11/23に渋谷のアップリンクっていう、映画館があるんですけど。そちらのスクリーンにVJを映しながら演奏させていただく…
 
H:あ、ホントに?
 
井上:ええ。11/23に。渋谷のアップリンクでコンサートあります。
 
H:時間は夜ですよね?
 
井上:そうですね。
 
H:まあ、ちょっと良いかもしれませんね。雨が降るといいね。
 
井上:そうですね(笑)東京でもウォーター・ディレイで…
 
 
H:で…じゃあきっと、この流れだと新しいアルバムとか考えてるんじゃないですか?
 
井上:ええ、考えていますけれども…まずは35年分、いろいろと溜めてるものをどう整理して、発表していくか…
 
H:あー、そうだよね。膨大なものが溜まってるわけだ。うらやましいね。
 
井上:(笑)
 
H:ひっつけたり、つなげたり、再構築して…楽しいでしょう?
 
井上:自分たち自身でいろいろ掘り出したりとか、そんなことをしながら来年はいろいろとやってみたいと思ってます。
 
H:よし。つまり、INOYAMALANDはこれから復活していく、と。決してこう…昔のことを出してるわけじゃなくて、これからだね。
 
O:そうですね。
 
H:いい傾向ですよね。
 
井上:はい。ありがとうございます。
 
H:海外からって、たとえばどの国から?
 
井上:ええ。今のところはまず、スイスのレーべルから…
 
H:スイス?おー、なるほど。
 
山下:まだ決まってる…わけでもないのかな?まあでも、おそらくどっかから出るでしょう。
 
井上:で、順番にヨーロッパ圏から、北米、オーストラリアの話もあるかな…まあいろいろ、話だけは各国から来ています。
 
H:いいですね。
 
山下:意外だったのが、アメリカからの反応が良かったので…僕らは何となくヨーロッパ、特にドイツ辺りかなと思ってたんで。
 
H:なるほどね。
 
山下:ドイツからはぜんぜん来ないな、と(笑)一本も来ないですよ、いまのところ。
 
H:ああそう(笑)
 
山下:まあでも本国なので、いまさら…という感じがあるんでしょうね。
 
H:あのね、若い世代…1980年代がブームなのかもしれないね。
 
山下:そうですね。何人かアメリカから…マニアとかミュージシャンが来てお会いしたんですけど、ビックリするくらい若いんですよね。
 
H:若いでしょう。
 
井上:なのに、すごい僕らのこと詳しくて…
 
H:すごいね、勉強してるんだね。
 
井上:(自分たちから)「え、そうでしたっけ?」って訊き返したりするような…
 
山下:たぶん、世代的におじいちゃんがウッドストックで、お父さんたちがニューエイジで…
 
井上:そのおじいちゃんの孫がちょうど、こういうアンビエントを聴いているのかな、と。
 
H:あー、なんか…僕もそういう経験最近あるね。んー。当時の…1980年代に作ったBGMとか、出たりしてね。カヴァーされたりして(笑)
 
山下:それはビックリしますよね。どういうことなんでしょう、っていう。
 
H:最初はワケわかんなくてね。何がいいんだろう、っていう(笑)
 
山下:僕らも最近になってやっと慣れた、っていう感じが…そういうことに。
 
H:これはいいですよね。だから、外国に行くことも、そのうちきっと出てきますよね。
 
山下:ぜひ。行きたいと思います。
 
H:いやー。楽しい時代になってきましたね。
 
O:最後、急に僕に…(笑)
 
H:まとめてください、まとめて。
 
O:というわけで…
 
H:(笑)
 
O:今晩のゲストはINOYAMALANDのお二人と、細野晴臣さんでした。
 
H:どうもー。
 
一同:ありがとうございました。
 
 

2018.10.21 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 やっぱりこういう回がいちばん好き…

daisy-holiday.sblo.jp

 

H:こんばんは、細野晴臣です。さて、えー…10月も、そろそろ終わりが見えてきて…
 
O:ですね。
 
H:岡田くんです。よろしく。
 
O:こんばんは。よろしくお願いします。
 
H:えーと。僕はね、毎日のようにスタジオ入ってるんですよ。だからなんにも…世間知らず、っていうの?(笑)
 
O:(笑)
 
H:えー…なにかある?
 
O:僕、二十何年海外からレコード買ってますけど…
 
H:そうだよね。
 
O:先週、シングル盤が届いたんですよ。お、来たな、と。何が来たんだろうと思って、封を開けようと思ってカッターを取り出したんですけど、既に封が開いてる感じだったんですね。
 
H:ほう。
 
O:よく通関…税関で中身を見たりする時があるんで、まあ、それなのかなと思って。ジャケットも入ってるし、と思って、中身を出したわけですね。
 
H:うん。
 
O:そしたら、こう…中身が…(笑)
 
H:無いの?
 
O:抜けて…
 
H:抜き取られたっていうこと?
 
O:ジャケットは入ってるんですけど、たぶんこの開いちゃった口から、運悪くレコード盤が飛び出して…どっかに今、盤だけがあるというですね…(笑)
 
H:ものはなんだったの、それ?
 
O:これは…フェビアン・アンドレ(Fabian Andre)というですね、"Dream a Little Dream of Me"の作家の…ルンバのやつなんですけど。
 
H:ああ、そう。貴重なシングルじゃん。残念。
 
O:(ここで)かけたかったんですけどね。
 
H:ね。どこに行ったの?
 
O:どっかにある、とは思うんですけど…郵便局とかFedExとかに問い合わせをいま、していて。
 
H:あ、してるんだ。なるほど。
 
O:連絡待ち、です。
 
H:すごい。大ごとになってきた。
 
O:(笑)
 
H:盗る奴だったらまるごと盗るもんね。中身だけ盗るってことはないよね。
 
O:ジャケットだけ残しとくはず無いと思うんで…
 
H:でも、財布でお金だけ抜き取る奴いるからな。
 
O:んー、まあね…(笑)ジャケットがビニールに入ってるんですけど、ビニールの向きさえ違ってれば中身は出なかったんでしょうけど…
 
H:あー、そこら辺がちょっとね。なるほど。
 
O:不運が重なりました。
 
H:いやー、出てくるかもしれない、っていうのは楽しみですね。
 
O:出てきたらいいですけどね。でも、たぶん…なんだろう、と思って捨てちゃう人いそうだな、と思って。
 
H:捨てちゃうかもね。ヤカン置きとかにする、っていうかも…(笑)
 
O:溶けちゃいますから(笑)
 
H:喫茶店でよくなかったっけ、そういうの。
 
O:レーベルをコースターにしてるところはありますね。
 
 
 
H:ではね…そういうわけで僕はなんにも持ってないんですよね。えー、お願いしますね。
 
O:はい。もし気になるものがありましたら…
 
H:リストがここにありますんで…えーとね、そうだな…エレクトロニック・カルテット(Electronic Quartett)ってどんなんですかね?
 
O:たぶんこれは…オンディオリンかオンド・マルトノを使ったフランスのカルテットですね。
 
H:あー。1950年代。
 
O:1950年代ですね。1958年ぐらいですね。
 
H:どんなの?あんまりオススメじゃないの?
 
O:いや、持ってきてるぐらいなので…
 
H:あー、じゃあ聴こうよ。
 
O:聴いてみましょうか。
 
H:"Always"。
 
 
  
 Always - Erectronic Quartett
 
 
 
H:…どこがエレクトロニックなの(笑)
 
O:(笑)まあ、「電気楽器を使ってる」ってことじゃないですかね、1958年だと。
 
H:1950年代かぁ…もう、ホント、大昔になってきちゃったな。んー。僕は1940年代生まれですけどね。
 
O:10歳ぐらいの頃ですね。
 
H:ええ、そうなんですよ。だから、こういう音楽いっぱい聴いてましたからね。
 
O:昔は…そうですよね、映画音楽とか、そういうのが普通に…
 
H:そう、ヒットチャートに出てきたりね。ラジオ聴けばなんらか、こういう音楽いっぱい聴けましたから。
 
O:いい時代ですね。
 
H:まあ、テレビが無かったしね。初期。1950年代は…無かったんじゃなかったかな。
 
 
 えーと…この感じでもうちょっと聴いていきたいですよね。ここにあるタイトルだけでリクエストします。
 
O:(笑)
 
H:"Mambo Magic"、どうでしょうか。
 
O:"Mambo Magic"。
 
H:レグ・オーウェン(Reg Owen)っていう人ね。
 
O:レグ・オーウェンって前に僕、細野さんから教えてもらった…
 
H:そうだっけ?教えたことはないよ、なんにも(笑)
 
O:"Paddle Wheel"っていう曲だったっけかな。
 
H:ふうん、よく憶えてるね、そんなこと(笑)
 
O:(笑)ライブラリー系の人ですね。レイモンド・スコットっぽいとか、アンドレ・ポップとか、「そんな感じのだよ」って言って…
 
H:僕が言ってたの?
 
O:はい。ここで。
 
H:なんでそんなこと知ってるんだろう、自分が(笑)
 
O:(笑)
 
H:ほんっと、どんどん忘れてくから…はい。じゃあその"Mambo Magic"。レグ・オーウェンで。
 
 
 
 
Mambo Magic - Reg Owen
 
 
 
H:いいね。僕こういうの好きなんだよね(笑)
 
O:(笑)
 
H:音がなんか、気持ちがいい。録り方がいいんだよな。まったくのMONOだけどね。
 
O:そうですね、この頃のは。
 
H:こういう音を今に置き換えてやろうと思ってたんだけど、なかなかできないもんなんだよね。意外と。
 
O:MONOでもちゃんと立体感っていうか、こう…
 
H:奥行きがある。
 
O:ありますよね。
 
H:やっぱりレコーディングの…スタジオの中での位置がね。
 
O:セッティングと、マイキングと。
 
H:うん。まあこの当時はもう、マイキングはマルチだろうけどね、たぶん。
 
O:そうですね。いまので1960年代じゃないですかね。1969年か。
 
H:そっか。まあ、こういう音を聴くのはホント、僕は楽しみで…
 
 
 いい?もっとリクエストして。
 
O:はい。
 
H:田村大三っていう方はどなたでしょうか?(笑)
 
O:大正生まれのですね、指笛の…
 
H:指笛!
 
O:指笛の人なんですよ。
 
H:めずらしいね、そりゃ。初めて聴くよ(笑)
 
O:小学校で体育の先生がピーッってやってるのを見て、指笛できるんじゃないか、と思ってやったらできるようになって。
 
H:すごいね。
 
O:戦前…街頭で童謡からクラシックまでやって指笛のレコードを…最終的にはカーネギーホールかなんかに出たらしいですよ。
 
H:すげえ(笑)なかなかいないもんね、指笛の人は。
 
O:指笛はいないですね。口笛の人はいますけど。
 
H:どうやってやるのか皆目見当もつかないんだけど…
 
O:人差し指入れて…こうやんのかな。
 
H:あの、沖縄の人がやるよね、よく。そう。その人がやってるのがこれは…『現金に手を出すな』、「グリスビーのブルース(Le Grisbi)」。
 
O:そうですね。
 
H:シブい曲をやるよね(笑)聴いていいですか?
 
O:はい。
 
H:田村大三、"現金に手を出すな"。
 
 
 
 
 
 
H:あの、これ…これ練習?練習してんの?(笑)
 
O:伴奏が…ちょっと心もとない感じで…(笑)
 
H:なんか、コードがすごいいい加減だったよね、サビの…(笑)
 
O:取れなかったんだな(笑)
 
H:なんか、みんな自信なさそうにやってんのね…(笑)
 
O:自信が無いのが音にすごい表れてますよね(笑)
 
H:表れるね。自信って大事だよな。ヘタでもいいから思いっきりやると、パンク的なね、勢いが出てくるけど…
 
O:(笑)
 
H:なんか、さびしくなってきちゃった。でも、指笛の人はすごいね。
 
O:すごいですよね。
 
H:一人だけ、でっかい音で。これは、録るの大変な音だよ。よくまあ録ったな。(音が)割れちゃう、歪んじゃうもんね。
 
O:あー。
 
H:すごい…口笛の百倍ぐらい強いね(笑)ちょっとなんか、興味があるな。指笛か。
 
O:「指笛協会」みたいなのがあるらしいですよ。
 
H:あるんだ。んー。やってみたいな。なんか、タクシー呼ぶ時、それで止めたいじゃん?(笑)
 
O:止まってくれるかなぁ…(笑)
 
H:たぶん日本ではムリだろうね(笑)
 
O:素通りされちゃいそう(笑)
 
H:あー、そういうシーンを観たことあるなぁ…まあいいや。はい。
 
 
 えーと…申し訳ないから僕もなんかかけようかな。
 
O:ぜひ。
 
H:唐突だけどね。最近、ちょっと聴いただけなんだけど。えー…まあちょっとソウル系のね、1950年代の。タムズ(The Tams)だな、Tamsのこういう曲。"Hey Girl Don't Bother Me"という曲ですね。
 
 
 
Hey Girl Don't Bother Me - The Tams
 
 
 
H:Tamsの"Hey Girl Don't Bother Me"。あの、左右にキッチリ分かれてるでしょ。
 
O:分かれてますね(笑)
 
H:この頃の音楽を(再発で)出すじゃない?そうすると、リマスターでこう…なんていうの、疑似ステレオにしちゃうじゃない。
 
O:うん。
 
H:たぶん当時…これ4トラックかなんかで録ってんのかな?
 
O:4トラックぐらいですよね。
 
H:1960年代だから。まあビートルズもよくやってたけど。でも、ホントはMONOで聴きたいんだよな。こういうのはね。
 
O:だからシングル盤で見つけて、モノラルの…
 
H:そうそう、シングル盤っていうのはいい音してたんだよね。中学の時にAtlanticのシングル盤買って聴いたらすげーいい音だったんだよな。
 
O:やっぱ、シングルはぜんぜん別物ですよね。
 
H:別だね。音圧が高いというかね。
 
O:CD化とかするのもMONOで…シングル盤からやってもらいたいですけどね。
 
H:ホントだなぁ…うん。ちょっと考えるわ。いまシングル考えてるから…(笑)難しいねー、ホントに、いま…デジタル時代って。
 
 
 じゃあね…はい、(リストに)戻ってですね…岡田コレクションからですね、なんだろう…"Cool Stunt"。このタイトルが気になるんでね。
 
O:あー。
 
H:どうですか。
 
O:三保敬太郎さんの曲ですね。渡辺晋とシックスジョーズのアルバムに入ってる。
 
H:三保さんが、曲を作ったっていうこと?
 
O:そうです。作曲がそうです。
 
H:すごく才能のある人ですよね、三保さんって。
 
O:そうですね。
 
H:♪タラララララララタララ…タララタッタ…
 
O:「11PM」ですね。
 
H:名曲だよね(笑)すごい人だな。じゃあその、渡辺晋さん…ナベプロ創始者ですね。ベーシストです。シックスジョーズで"Cool Stunt"。
 
 
 
Cool Stunt - 渡辺晋とシックスジョーズ
 
 
H:上手ぇ…すごいね。クオリティ高いですね…曲もちゃんとしてますよね。
 
O:そうですね。
 
H:こういうシーンが日本にあったっていうことだからね。これを土台にいまの芸能界ができてるっていう…(笑)
 
O:そうですね。不思議な感じがしますね。
 
H:ちゃんとしてたなぁ。僕はうれしい、感心しちゃう。見習うべき点があるね。んー。
 
O:(笑)
 
 
H:その三保さんのリーダーアルバムというか、そういうものはあるんですか?
 
O:はい。原六朗さんっていう作曲家がいるんですけど。
 
H:どういう方でしたっけね。
 
O:"素敵なランデブー"とか、美空ひばりの。その辺を書いてた方で。その『原六朗作品集』というのがあって、アレンジしてインストでやってるんですけど。それを三保敬太郎さんがアレンジと演奏をやってる…
 
H:三保さんっていうと、レーサーでもあるんだよね。
 
O:そうですよね。
 
H:まあ、すごい…ユニークな人ですよね。じゃあ、それを聴いてみたいと思います。"太陽はいつまでも"。では、きょうはこの曲でお別れしたいと思います。また来週。
 
 
 
太陽はいつまでも - 三保敬太郎とストリング・ポップス・オーケストラ 
(from『素敵なランデブ―:原六朗作品集』)