2018.04.15 Inter FM「Daisy Holiday!」より
先週の続き。
ところで、Zez Confreyの歌声は…?
H:こんばんは、細野晴臣です。さて、今日もですね、先週の続きで…
Zez Confrey、という作曲家の特集をしてますが…どうですか、岡田くん?
O:そんなに続きがあるワケでもなく…
H:(笑)
O:で、もう思い切って"Dizzy Fingers"特集を…
H:やっちゃいますか。
O:しましょうか。
H:あんまりそういうことやってないんですけどね。
O:かけれるところまでかけてみるという…
H:いやー、やってみるか。もう、まだ…お腹いっぱいになっちゃうんじゃないかな(笑)
O:しばらく聴きたくなくなるかもしれませんが、覚悟の上で…
H:じゃあ、"Dizzy FIngers"の…プロモーション番組、ヘビーローテーションというやつで。
O:誰がよろこぶのか…
H:オリコンに入ったりしてね…んなことはない。
じゃあやってみる…まず岡田くんから、順番にね、交互に。
O:じゃあ、エセル・スミス(Ethel Smith)の"Dizzy Fingers"を。
H:女性オルガ二スト。
Dizzy Fingers - Ethel Smith
H:なるほど。もうエセル・スミスと言えばですね、料理番組なんかによく使われる…
O:「3分クッキング」みたいな。
H:あのー、ちょっと横道に逸れながらやってもいいかね?
O:もちろんです(笑)
H:じゃあエセル・スミスの…誰でも知ってる音楽ね。"Parade of the Wooden Soldiers"、「おもちゃの兵隊のパレード」。
Parade of the Wooden Soldiers - Ethel Smith
H:んなわけでね…うろ覚えなんだけど、テレビの料理番組は「コレ」じゃなかった…スリー・サンズ(Three Suns)かもしれない(笑)
O:別のバージョンですね。
※引用者註:「3分」のアレはレオン・イェッセルの原曲を番組用にアレンジしたもの(とのこと)。
演奏は野田智子氏。
H:うんうん…まあ、このメロディは有名ですよね。だからエセル・スミスっていうと…カブるのはスリー・サンズですよね。かなり同じようなレパートリーをやってて。
O:そうですね。
H:じゃあそのスリー・サンズで…"Dizzy Fingers"に戻ります。
O:(笑)
Dizzy Fingers - Three Suns
H:まあ"DIzzy Fingers"はいろんな長さがあるけど、これは長いほうだよね。
O:(笑)
H:あんまりなんか…上手にできてなかったね(笑)
おんなじアコーディオンだったら…次、岡田くんよろしくね。
O:じゃあ、ディック・コンティーノ(Dick Contino)バージョンで。
Dizzy Fingers - Dick Contino
H:すごい(笑)…曲芸だね、これね。
O:はぁ~、疲れた…
H:これは"Dizzy FIngers"の中で一番速いんじゃない?
O:速いですね~(笑)
H:つまりこれあのー、リズムに乗ってるワケじゃないんだよね、アレ。指が滑ってる、指が滑ってるだけ…(笑)前のめりの…
O:おもしろかった…
H:曲芸っていうか、すごい人がいたんだね。ディック・コンティーノっていう人を、もう一回ちょっとほら…思い出そうよ。
O:はい。
H:いろんな話がある人だよね、この人は。
O:いろんな話がありましたよね…なんでしたっけ?(笑)
H:(笑)L.A.の、あの…
O:『L.A.Confidential』の…
H:原作のジェームス・エルロイ(James Ellroy)って人がこのディック・コンティーノに…スポットを浴びさせてるんですけど。
O:小説を書いてましたね。
H:まあ、ギャングとか絡んでるっていうね、暗黒の面があるわけね。で、二枚目なんで映画とかにも出てるんだよね。
O:けっこうガタイが…まあこういう演奏できるくらいだからもう、ムキムキで…
H:そういえばアコーディオン弾く人みんなすごいよね。ムキムキ…(笑)
O:そうじゃなきゃできないですよね。
H:よくミハルちゃんはやってるよな、ってね。んー…
はい、えー、ディック・コンティーノの"Dizzy Fingers"。次はどうします?
O:どうしましょうか。
H:じゃあね、ギター…僕ね、一度、一晩だけギターで練習したことがあんだけど…あきらめたの(笑)
O:(笑)
H:ギターで弾いてる人がいるんだよね。
O:いますね。
H:えー、ブルーノ・バティスティ…
O:ダ・マーリオ(D'amario)。
H:ダ・マーリオね。
O:イタリアのギタリストですね。
H:それじゃあここにもあるんで、かけてみますね。
Dizzy Fingers - Bruno Battisti D'amario
H:いやいやいや…ステレオだ。右に行ったり左に行ったり…凝ってるね、んー。
O:そういう時代のレコードですね。
H:そうですね…えーと、レス・ポール(Les Paul)はやってないんだね?
O:レス・ポール、やってそうなのにやってないですよね。
H:ねえ。やんなかった…絶対やろうと思ってたはずなんだけどね(笑)
O:真っ先にやりそうな…
H:ね、なんでだろう…なんか見栄張ってたのかな?やっててもおかしくないんですけどね。
他にはどなたがやってます?いっぱいやってますでしょうね。
O:やってますよね…ボー・ハンクス(The Beau Hunks)もやってますよね。
H:お、これはじゃあ聴いとかないとね。
O:そうですね…ありますか?(笑)
H:ありますよ(笑)
O:ではボー・ハンクスで…"Dizzy Fingers"。
Dizzy Fingers - The Beau Hunks Saxophone Soctette
H:いやいやあのー…こう、なんていうの、吹奏楽には合うよね。なんだろう、こう…管楽器に合うっていうかね、弾きやすそう、うん。
O:難しいでしょうけどね。
H:まあね…まあでもこのくらいは管楽器には向いてるかもしれないですね。そういうのはあるんですか、他にも。
O:管楽器のは無い…やっぱり、アコーディオンが多いような気がしますよね。
H:ああそう。
O:もう一曲、アコーディオンでチャールズ・マグナンテ・カルテット(Charles Magnante Quartette)というのがやってますんで、それをちょっと聴いてみます。
Dizzy Fingers - Charles Magnante
H:なかなかいいね、これ。んー。このバンド知らないですね。
O:そうですか。チャールズ・マグナンテ・カルテット、なかなかいい楽団です。
H:えー…さあもう…ちょっと聴き飽きてきたっていう(笑)
まあでもこの際、ね、かけちゃうことになっちゃいますけど。もうこの先、当分かけないだろうね。
O:(笑)
H:でー、なんかステージで…ライブでね、レパートリーに入れようと思ったんだけど、できない、ね。面倒くさいっていうかね…(笑)
O:練習…(笑)
H:練習キライなんで…(笑)まあ、簡単にできる曲じゃないっていうね。自動演奏でやろうかな、コンピューターで(笑)
O:(笑)
H: えー、他に誰がいるか。んー…あとベニー・グッドマン(Benny Goodman)もやってますけど、今ここにネタが無いね。
えーとね…特に聴かせたいっていうのは無いんだけど…じゃあ、トッド・ハラウェル(Todd Hallawell)っていう人を、これどんな人かわからない。ちょっと聴いてみますか。やっぱりギターなのかね。
Dizzy Fingers - Todd Hallawell
H:途中で息切れしてましたね(笑)
O:「ハッハッハッハッ…」(犬のように)
H:いやー、これを聴いて僕ギターを練習してたんだ、そういえば。それで、やめたんだ(笑)
これが弾ければ、ギタリストでやってくもんな。
O:(笑)
H:まあでも、弾ける人は弾けるんだよな、こういうのは。訓練してれば。僕には無理です(笑)
それでその…作曲者であるZez Confrey。この人の…代表作っていうのはこれなんだけど…
O:そうですね。
H:他にありそうで無いのかな。
O:他は…あのー、"Kitten On the Keys "とか…わりと有名な曲ですね。
H:え?何?どんなの?
O:…ん?先々週かけました(笑)
H:かけたっけ(笑)
O:先々週…いつだったかな、わりと最近…
H:名曲だっけ?忘れちゃった(笑)
O:まあ、あの…Daisy Holiday的には"Dizzy Fingers"、だと思いますね。
H:とにかくまあ"Dizzy Fingers"しか無い、って言ってもいいぐらい…(笑)まあずいぶん昔の人だからね。ラグタイムの人だから。
O:そうですね。
H:じゃあね…んー…もう、やっぱり最後にね、カーメン・キャヴァレロ(Carmen Cavallaro)をかけないわけにはいかないんですよね。
O:はい。
H:これで知ったわけです、僕は。映画でね。『愛情物語』、ぜひ観てみてください。なかなかおもしろい映画でした。
では、えー、"Dizzy Fingers"特集、最後にカーメン・キャヴァレrr…言えねえ(笑)
O:(笑)
H:カーメン・キャヴァレロのピアノで、"Dizzy Fingers"。それではまた来週!どうもありがとう、岡田くん。
Dizzy Fingers - Carmen Cavallaro
2018.04.08 Inter FM「Daisy Holiday!」より
4/8放送分におけるピアノロールの掘り下げが個人的に嬉しすぎたので…
H:こんばんは、細野晴臣です。今日は久しぶりにまた、岡田君を
O:こんばんは岡田崇です。よろしくおねがいします。
H:最近僕はずっと仕事に没頭してて…外部の音楽聴いてないんだ よね。久しぶりにね、今日はリスナーに徹して…
O:おや…(笑)
H:というのは、ノヴェルティ音楽の…何ていうの、ヒストリーみ たいなものが、今日聴けるんじゃないの?
O:ちょっと調べてきて…もともとZez Confreyという、"Dizzy Fingers"の作曲家のことを特集しましょうという話が。
H:そうだよね。それが今日だ。んー。
O:それをまあ、ちょこちょこ調べていたので、その途中経過とい うか。
H:なるほど。じゃあそのコンフレイ…名前なんだっけ?
O:Zez(ゼズ)。
H:ゼズね。Zez Confreyのピアノで、"Dizzy Fingers"っていうのを聴かせてもらおうかね。
O:はい。
Dizzy Fingers - Zez Confrey
H:なるほど。思うにね…このオリジナルってあの、ラグタイムだ ね。
O:そうですね。
H:うーん、いま初めて知ったよ(笑)ノヴェルティっていうより もその以前に。
O:そうなんですよ。「ノヴェルティ・ラグ」と言われた…「ノヴ ェルティ・ピアノ」と呼ばれたジャンルなんですね。
H:やっぱりそういうのがあるんだね。何年ごろ、これ?
O:これが作曲されたのが1921年。今のはピアノロールなんで すけど、それが(発表されたのが)1926年。
H:あ、これ今聴いたのはピアノロールね。自動ピアノね。
O:自動演奏ピアノです。
H:どおりで。オクターブの音が入ってて、一人じゃ無理だろうと 思った。
O:Zez Confreyって、1895年の4月3日生まれなんですけれど も…もう、こないだですね、誕生日。
H:つい最近だね。
H:すげえ昔だな(笑)
O:第二次じゃなくて(笑)で、海軍に行って演奏してたんですけ ど、終わって退役後、ピアノロールの会社に…1918年に。
H:そうかそうか、当時流行ってたんだね。
H:コンピューターと同じだよね(笑)
O:そうですね、あの、テクノなのでほとんど。で、1910年代 中盤には「リアルタイム・レコーディング」というのができるよう になってきて。
H:弾きながらパンチを開けていくって言うやつね。
O:作曲者が弾いたものをパンチしてって…あの、跡を付けていく みたいで、跡を付けていったところを後からちゃんと穴を開けるみ たいな。そうしないとちょっと…
H:穴を開けるのは大変だよね。
O:で、そこでちょっと微調整したりしながらピアノロールを作っ ていったというんですけど。なので、Zezはピアノロールの会社に入って1921年にこうい う、この辺の曲を書くんですけど…要は「ピアノロールのための曲」なんですよ。
H:弾きにくいからね。弾けないよね、普通(笑)
H:コンピューターミュージックだね、本当にね。
O:難解なものが多くて…要は…ラグタイムって当時、すごい流行 ってましたけど、「譜面」なので当時、レコードじゃなくって。
H:そうだよ。まだ1915年…
O:音楽の伝播の仕方というのが、「譜面をみんな買ってアマチュ アの人がピアノで弾く」というのが。
H:だから出版社が勢いがあったわけでね。
O:そういう感じなので、わりとラグタイムって簡単な曲が多いん ですけれども、ノヴェルティ・ラグになるとその…自動ピアノのすごさとかも知ら しめないといけないので。ちょっと難解な曲になってきたりするわ けですね。
H:なるほど、宣伝も兼ねてね。
H:なんか…すごいみんな面白がってたんだろうね、当時ね。画期 的だったんだろうね。
O:もう…ピアニストじゃ弾けないものを作曲しちゃう、というの が面白かったんじゃないですかね。
H:いやぁ、"Dizzy Fingers"という曲を最初に知ったのは『Eddy Duchin物語』っていう、日本タイトルは『愛情物語』か。
O:Carmen Cavallaroが…
H:うん、Carmen Cavallaroがバックで弾いてるんですけど。すごい上手かったね、それがね。
それからずっと聴いてるんだけど、今の話は初めて今日聞くんだよね。
O:この曲…ノヴェルティ・ラグの曲を実際にピアノで弾けるって いうことがもう、すごいっていうことなんじゃないですかね。みな さん弾きたがるんじゃないですかね。
H:じゃあなんかその…Zez Confrey、その流れをちょっとまた聴かせてください。
O:試しにですね、ストラヴィンスキーの自動ピアノの曲を。
H:これはなかなか珍しい。
Etude pour pianola - Igor Stravinsky
H:これは難解だ(笑)
H:まあ、すごいツールだよね。
O:で、その"Dizzy Fingers"とかを出版した出版社というのはですね、例のご とくですね…Mills Musicなんですね。
H:あー、出てくるね(笑)
O:当時はまだJack Mills Musicって言って、Jack MillsというのはIrving Millsのお兄さんで。兄弟で出版社をやってて。
H:ここら辺の話は…語られたことがないね(笑)
O:なかなか…そうですよね、映画にでもなってるといいんですけ ど。
H:注目してないんだよ、誰も。
O:George Gershwinの伝記でも、この辺りにはね…
H:出てこないでしょ?
O:出てこないですね。
H:大事な話だよね。音楽的に、音楽史の中で。
O:けっこう面白い部分だと思うんですけどね。…で、さっきガーシュインの名前が出ましたけど…ガーシュインも ピアノロールの部署に入ってるんですね。 最初ソング・フラッガーで、出版社でピアノを弾いてお客さんに曲 を紹介するという。
H:ガーシュインの伝記のハリウッド映画にもそういうシーンは出 てくるよね。
O:そうですね、そこのシーンはあるんですけど。その後、自動ピ アノのところは端折られてるんですけれども。
H:自動ピアノは出てこなかったね。
H:あー、そうだったっけね。
O:ガーシュインがZez Confrey…Zez Confreyは1921年からけっこう人気作家になってて、ガ ーシュインはもちろん舞台の音楽で人気があって。 1924年にポール・ホワイトマンが例の"Rhapsody in Blue"のコンサートを開くんですね。
H:有名なやつだね、それね。
O:で、それのタイトルが「Experiment in Modern Music」という。そのタイトルで、こういうノヴェルティ・描写音楽とジャズ・シン フォニーを融合させていこう、みたいな。そこでフィーチャリングされているのがZez Confreyと、ガーシュイン。この二人が。
H:なるほど。
H:あるね。ピアノ弾いてる人、誰だと思ってる?
O:あれが…えっと…名前が出てこないな。
H:違う人ね。Zezじゃないんだね。
O:Zezじゃないですね。あの…あの日って、大雪のシーンなん ですけど。 コンサート最後、"Rhapsody in Blue"の前にポール・ホワイトマンが袖に来て、 ド緊張しているガーシュインに向かって「外の気温はどうだ」って 言う。そうすると(ガーシュインが)「零度です」、 (ポール・ホワイトマンは)「観客はマイナス10度だよ」って言 うんですよ。
H:(笑)
O:そう言うセリフがあって。
H:それ映画ね?
O:映画です。まあ脚色されてると思うんですけど、その前ってZ ez Confreyが演奏しているはずなんで…(笑)
どういうこっちゃってポールホワイトマンにツッコミを入れたくな るシーンなんですけど。
H:なるほどね…その、ガーシュインのなんかあるんですか?
O:じゃあガーシュインの…プレイヤーピアノのやつをちょっと聴 いてみましょうか。
Rialto Ripples - George Gershwin
H:これもラグだね。ポップミュージックになる前夜はラグなんだ ね、みんな。ラグタイム。スコット・ジョプリンが有名だった。それにしても今の…パンチ、穴開けていくやつね。職人、ちょっと ヘタだったね(笑)なんかズレてるよね。
O:難しいですよね、パンチ。
H:いやいやいや…なんか身につまされるっていうか。ついこの間 まで僕映画音楽の仕事やってて、ピアノをやっぱり自動演奏させて たから…(笑)なんかこう…遠い話じゃないんだよな。
O:そうですよね。機械でやらせるための音楽を作ってて、だんだ ん生の時代になって…今また機械に戻ってきているという。
H:日本のメーカーだってピアノの自動演奏、有名ですもんね。ま あ、あれと同じことなんですけどね。
O:そのポール・ホワイトマンが「Experiment in Modern Music」というコンサートのシリーズを1924年からずっと 続けていて… 1938年に第8回というのがあって、それが最終回になるんです けど。そこで紹介されるのが…レイモンド・スコットなんですね。
H:続いちゃうね、繋がっちゃうね。
O:その最後の回に紹介されているのがバート・シェフター(Be rt Shefter)だとかウォルター・グロス(Walter Gross)だとか、 モートン・グールド(Morton Gould)…わりとこのラジオでレイスコっぽい曲をやってる人 たちとして紹介してる人たちが、みんなその日に。
H:やっぱりそれが原点なのね。みんなびっくりしちゃったんだね 。
O:だから、まあポール・ホワイトマン的にはそういう…最初ノヴ ェルティ・ラグとジャズの融合を目指して、そういうノヴェルティ ・ミュージックとか描写音楽を突き詰めていって、若い人を色々集めていって、紹介していって…
H:大事な仕事をやってたんだね。
O:最終的にはレイモンド・スコットを紹介して終わるという…
H:すごいじゃん。ポール・ホワイトマンってそんなに僕あの…買 ってなかったんだけど(笑)
O:ポール・ホワイトマンの本人の作品でこれ!っていうのはない んですよ。
H:本人作品ではぜんぜん…知られてないからね。
O:でも、裏方の人間としてはすごいプロデューサーで。
H:なんか見た目が信用できないっていうか…(笑)
O:ちょこちょこ出てきますよね、映画に。
H:おもしろいよ。キャラクターがおもしろいんだよね。 画になるんだよね。
H:似顔絵が有名だよね。ちょび髭のね、太っちょの。
O:絵にしやすい顔なんで、丸顔の。
O:そんな気がするんですよね。
H:繋がってますね。そこが、今に繋がってますよね。
O:そうですね。「おおそういうことか!」って。
H:影響されてるよね。
O: ぜんぜんそういうのと関係なしにZezさんを調べていったら、 そこになんか…
H:なるほどね。人間って面白い。ね。何かやってんだ、 みんなね(笑)
O:また繋がってきちゃったよ、って。
H:まあ一人ひとりそうなんだろうね。 まだ名前も知られてない人にもそういう人がいるんだろうな。
じゃあ続きをちょっと聴かせてください。
O:じゃあZezさんの演奏も聴いてみましょうか。あ、じゃあ、 あのですね…Zezさんの歌声っていうのを。
H:歌ってんの?んー…(笑)
O:やめときますか。
H:いやいやいや…
O:じゃあ先に…ピアノロールがあって。"That's Old Piano Roll Band"っていう曲をピアノロールでやっていて。
これは未発表のものだったらしいんですけど。
That's Old Piano Roll Band - Zez Confrey
H:これってあの…ピアノだけじゃない音が聞こえるんだけど。 なんか弦のような。
O:ピアノでやってんじゃないですかね。
H:なるほどね…へえ…色んな技があるわけだ。おもしろい。 僕もやったけどねこういうの、ついこの間。
O:そうなんですね、映画音楽で…
H: そうなんです。えーっと、そろそろ時間なんだけど… 歌ってるっていうのは次の回にまわして、えー…
僕にとってそのZez Confreyは"Dizzy FIngers"ですよ。 期せずして今日はラグタイム特集みたいになっちゃったけど。
O:そうですね(笑)
H:本当はそっから先がね、ヘンなことになっていくわけでね。 それ、来週聴きたいんだけどね。
あのー、Eddy Duchinってやっぱりね、ジャズピアニストっていうか… 何ピアニストっていうの?こういうの。
O:なんていうんですかね?
H:まあCarmen Cavallaro…映画ではCarmen Cavallaroが弾いてて、『Eddy Duchin物語』の中でね。 で、本人の、Eddy Duchinのレパートリーが…"Dizzy Fingers"がすごいこう、有名だったわけでしょう。じゃあそのEddy Duchinの"Dizzy Fingers"を、今日は最後に聴きながら、 また来週ということで。
Dizzy Fingers - Eddy Duchin