2020.09.06 Inter FM「Daisy Holiday!」より

手作りデイジー🌼#11

daisy-holiday.sblo.jp

 

(以下、すべてH:)

 

 細野晴臣です。いやー…残暑ってこんなに汗かいたっけ?いやぁ、参っちゃってますけどね。月初めに「手作り」というものをやっていきまして…毎月やる、というのは時間を感じるわけで。だって、12回やったら1年ですよね。そうすると1歳、歳をとるということなんでしょ?これは時間を感じちゃうわけですね。ということできょうも行き当たりばったりで…どうなっていくかな?これはね。だいたいパターンとして、ドあたまのほうは明るく陽気に始まって、だんだん落としていって、最後はよく眠れるように、と。周防いう感じで作ってますけど。

 

 さて、ではきょうの1曲目は…マジー・マルセリーノ(Muzzy Marcellino)の口笛。古くから…例えば『紅の翼(The High and the Mighty)』の口笛とか。『名犬ラッシー(Lassie)』とか。そこら辺で口笛を吹いてるすごい方なんですよね。

 

 

On the Wing - Muzzy Marcellino with Russ Garcia and His Orchestra

(from『Birds of a fether...』)

 

 

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 "Hear No Evil, See No Evil"、これは日本語で言うと「見ざる言わざる聞かざる」という歌。歌っているのはリタ・ヘイワース(Rita Hayworth)…かと思いきや、ジョー・アン・グリア(Jo Ann Greer)という、まぁ、ゴーストシンガーですね。1953年の映画、『雨に濡れた欲情(Miss Sadie Thompson)』からです。

 

 

Hear No Evil, See No Evil - Jo Ann Greer

 

 

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 ベニー・グッドマンBenny Goodman)という人はいちばんスウィングをよく知ってますね。ロックンロールですね、スウィングが。歌っているのはマーサ・ティルトン(Marth Tilton)で、"Bei Mir Bist Du Schön"。「素敵な貴方」。

 

 

Bei Mir Bist Du Schön - Marth Tilton with Benny Goodman

 

 

 この音源はライヴ・ヴァージョンで、途中でヨレてるんですよね。ですからここらへんでちょっと、フェードアウトさせてください。

 

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 で、次の曲はですね、このベニー・グッドマン・オーケストラでドラムをやってたスターですね。ジーン・クルーパ(Gene Krupa)というドラマー。ジーン・クルーパのトリオでやってるライヴというのが、またこれがすごいんですね。ドラムスはジーン・クルーパ、ピアノはテディ・ナポレオン(Teddy Napoleon)、サキソフォンはチャーリー・ヴェンチュラ(Charlie Ventura)。"Limehouse Blues"。

 

 

Limehouse Blues - Gene Krupa Trio

 

  

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 次がすごいです!ラタ・マンゲシュカール(Lata Mangeshkar)が歌う、ヒンディーのブギウギです。これは『Hum Log』という1951年の映画の中の挿入歌で"Bogi Bogi Bogi"。

 

 

Bogi Bogi Bogi - Lata Mangeshkar

 

  

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 先月の話なんですけど、僕はチリの監督による…舞台がボリビアの、アンデス高原の話なんですけど。非常に今の時代を象徴しているような…ちょっと暗いんですけど、最後にはとても希望が持てるようなね、深い映画。『Gravity』という短編映画でした。これの音楽を…「救いのある音楽を」と言われて、とても難しかったんですけど。まぁ、なんとかこなしたんですが…そのときに僕は南米のチリ、ボリビアウルグアイ辺りのね。アルゼンチンもそうなんですけど。フォルクローレ(folclore)をずーっと研究してたんですが、この映画にいちばん合うのがアタウアルパ・ユパンキ(Atahualpa Yupanqui)という、アルゼンチンのフォルクローレの大御所ですね。それでフォルクローレで検索していたらテイラー・スウィフト(Taylor Swift)が引っかかってきまして、『folklore』というアルバムを聴いたんです。このパンデミックの時代、だれしも変わらざるを得ないんですけど、ある意味先取りしているということなんでしょうかね。そういう意味では今、音楽の曲がり角にいるんだな、とそう思います。後ほどアタウアルパ・ユパンキの曲も聴いてください。

 

 

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 ずいぶん喋っちゃいましたけど…次の曲はザ・ブックス(The Books)という、ニューヨークで2000年代初頭から活動している…とてもユニークな2人組のユニットなんですけど。そのザ・ブックスで"The Lemon of Pink"。

 

 

The Lemon of Pink - The Books

(from『The Lemon of Pink』)

 

 

ザ・ブックスの"The Lemon of Pink"という曲でした。途中で「石焼き芋~」なんていう…あれは東京に来たときに録ったんでしょうかね。"Tokyo"という曲もあるんですけど。

 

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 さて、次の曲はですね………スウィング・スロー(Swing Slow)*。それでは『Swing Slow』から"Disappeared"。

 *コシミハルの音声とシンクロさせるように発音。

 

 

Disappeared - Swing Slow

(from『Swing Slow』)

  

 

スウィング・スロー。コシミハルと僕のユニットで90年代の終わり頃に作ったアルバムですね。

 

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 ところで、2008年にブラジルのフェルナンド・メイレス(Fernando Meirelles)という監督が作った『ブラインドネス(Blindness)』という映画。この中で使われていたルイス・ボンファ(Luiz Bonfá)の"Sambolero"です。

 

 

Sambolero - Luiz Bonfá

  

 

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*伊勢谷…

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 フォルクローレといえばアタウアルパ・ユパンキですね。アルゼンチン生まれ、1908年から1992年までこの世に居ましたが。スペイン系のお父さんとケチュアインディオの母親のハーフなんですけど。そのスペインの優雅さと、先住民のフォルクローレ。ホントに純粋なギターを弾く人で…左利きなんですよね。ジミ・ヘンドリックスJimi Hendrix)と同じ、右利き用のギターを弦を逆さまに張り替えて弾いてるという。お弟子さんに日本人のソンコ・マージュ(Sonko Mayu)という方がいます。「おじいちゃんの歌」、スペイン語で"Canción Del Abuelo"。

 

 

Canción Del Abuelo - Atahualpa Yupanqui

  

 

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 きょうの最後は僕の歌で"Song Is Ended"。アーヴィング・バーリン(Irving Berlin)の作曲です。

 

 

The Song Is Ended - 細野晴臣

(from『Heavenly Music』)

  

 

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