2020.03.15 Inter FM「Daisy Holiday!」より

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H:細野晴臣です。さて…今週と来週の2週にわたってゲストをお招きしてます。どうぞ、自己紹介を。

岡田:わたくし、岡田拓郎と申します。ミュージシャンでもあるんですが、今回は…今度『ニューエイジ・ミュージック・ディスクガイド』というものが出版されるんですけども、それに伴った「ニューエイジアンビエントとしての細野さん」のお話を…たぶん、今まであまり…

H:ぜんぜん訊かれたことない。うん。

岡田:はい、その流れでわたくしが…うまくお話を引き出せたらな、というところで。おじゃまさせて頂いております。

H:わかりました。ぜひ。よろしくお願いします。

岡田:よろしくお願いします。じゃあ、もう、ゆるりとしゃべっていけば大丈夫ですかね?

H:はい、どうぞ。大丈夫。気分転換になるね(笑)

岡田:もう、少しでも気分転換になれば、という感じで…(笑)[細野さんが]アンビエントについて話しているインタビューとか、そういう記事が残ってるのもあんまり見たことが無くて。

H:でしょうね。うん。いま、ちょっとしたブームなんでしょうね。

岡田:はい。それこそ、細野さんの曲もコンパイルされた『Kankyō Ongaku』っていうコンピレーションが…

H:あったね。

岡田:しかもグラミー賞のノミネートっていうのは…

H:そうそうそう(笑)ビックリした。

岡田:僕も、いまニューエイジがこういう風に聴かれているんだ、って思うぐらい、すごくビックリしたところなんですけども。

H:うん。

 

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岡田:改めて、「環境音楽」だとかアンビエント・ミュージックというものが今こうやって評価されていることについて、率直な感想としてどういう風に思われていますか?

H:まぁ最初にビックリしたのは、『花に水』の音楽を…

岡田:ああ、ヴァンパイア・ウィークエンド(Vampire Weekend)が。

H:うん。彼らから…ずいぶん前なんだけど打診があって。

岡田:あ、そうなんですね。

H:軽く「いいよ」って言って(笑)それで出来てきたのを聴いたら、すごく良かったんだよね。

岡田:うんうん。

H:ああ、こうやって使えるんだな、と思って。

 

 

 2021 - Vampire Weekend 

(from 『Father of the Bride』)

 

  

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H:で、彼らがなんで僕のそれを知ってるのか、っていうのがまず疑問だったのね。最初ね。

岡田:うんうん。そこら辺の話はしたんですか?彼らと。

H:いやいや、ちゃんと話したことはないからね(笑)

岡田:そうなんですか(笑)なんとなくの、いろんな話を聞いた限りだと、ヴァンパイア・ウィークエンドのエズラさん(Ezra Koenig)もYouTubeで『花に水』を見つけた、というところで。

H:そうだね。それは聞いた。

岡田:ホントに…まぁ、ビックリですよね。

H:ビックリビックリ。

岡田:しかも、無印(無印良品)の店内BGMとして作ったものですよね。

H:そうそう。だからまったく…長さも気にしないというか、ダラダラと作った(笑)

岡田:15分ぐらいとかっていう感じですよね(笑)

H:そうそう(笑)それを聴いてる人がいるんだと思うとビックリだね。んー。

岡田:そうなんですよ。ぜんぜんどうでもいい話かもしれないんですけど、僕も学生時代は無印でバイトしてたので…(笑)

H:あ、ホントに?じゃあ聴いてたのかな?(笑)

岡田:そうかもしれないですね(笑)あの音楽自体は、もともとBGMとして使う用に作った音楽なんですか?

H:もうホントに、[依頼された]仕事をこなした、っていうだけで…(笑)

岡田:そうなんですね(笑)

H:あの頃は周りの人はそういう仕事ばっかりやってたの。コピーライターが多くて。秋山くん(秋山道男)っていう人から頼まれて。

 

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岡田:じゃあ『ENDLESS TALKING』のアルバムで、もう一度あのモチーフみたいのが出て来るんですけど、あれは無印のBGMとして作ったもので手応えみたいなものを感じて、もうちょっと手を加えてやっていこう、みたいな…そういうところはあるんですか?

H:うんうん。あの頃は…そうだったね。『COINCIDENTAL MUSIC』っていうのを作ったときに…そういったテレビのコマーシャルで作ったやつとか。無印系のもちょっと影響あるけど、そういうタイプの音楽を集めてみたのね。

岡田:うんうん。

H:それで、『ENDLESS TALKING』っていうのはまた別の切り口があって。これはミラノのメンフィス・ミラノ(Memphis Milano)っていうデザイナーチームがいて。イタリア人で。

岡田:はい。

H:で、「インスタレーションを作るんで、中に音楽を付けてくれ」と。ジェノヴァの山があって…小高い山の中にインスタレーションを並べるんで、そこに音楽を付けてくれ、と。あ、だったらエンドレステープでずっと流していけばいいのか、と思って。それで『ENDLESS TALKING』っていう名前(笑)

 

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岡田:あ、そうなんですね、なるほど(笑)じゃあホントに、『ENDLESS TALKING』の楽曲に関してはその空間を…音楽を音楽として聴かせるというよりは、空間として音楽がなにか空気的に作用している、というようなものを狙って作った、みたいなところなんですかね。

H:そうそう。特に、自然の中の…山みたいなところですから。登って行くうちにインスタレーションというか…変わった、動物みたいなオブジェがいっぱい置いてあって。それを聞きながら登って行く、というようなことだったんで。

岡田:んー。

H:実際、僕がジェノヴァに行ったときにそこに登ったんですよ。そしたら誰も人がいなくて…(笑)

岡田:そうなんですか(笑)

H:でも、猫が聞いてるんだよね(笑)

岡田:いい話ですね、それ(笑)

H:これはいいな…と思ってね。猫とか鳥が聞いてくれてればいいや、と思って。

岡田:なるほど。じゃあ、なんだろう…音楽なんて「人が聴くこと」が前提で、当たり前とされているところがあって…

H:そうだったよね。そこからちょっと脱した感じがあるね。人が聴かなくても自然が聞いていればいい、っていうね(笑)

岡田:なるほど(笑)

 

 

 The Animal's Opinion - 細野晴臣

(from 『THE ENDLESS TALKING』)

 

 

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岡田:これ、僕はすごい興味があったんですけど、細野さんの音楽の中で…もともとはロックやポップスから音楽が始まっていく中でポンッと…気付けばアンビエントだとかエクスペリメンタルな音楽の人たちにも影響を与える存在に…

H:与えたのかな?(笑)

岡田:いや、めちゃくちゃ与えてますよ!(笑)

H:あ、そうですか(笑)

岡田:その中で初めてビートとか…ポップスの要素?メロディーがあるとかリズムがあるみたいなところがまったく無い音楽が初めて聴けたのが、横尾さん(横尾忠則)との『コチンの月(COCHIN MOON)』かな?という印象があって。

H:あー、そっかそっか。

岡田:この音楽自体って、そもそもどうして出来たんですか?っていうのにすごい興味があったんですよね。

H:これはね…横尾さんの罠に嵌った、というかね。とにかく、横尾さんと…他のいろんなアーティストがいたんですけど、インド旅行に1ヶ月ぐらい行って。

岡田:はい。

H:で、なんか横尾さんがボソボソ「録音しなきゃ…」って言ってるんですよね。

岡田:あ、もともと録音するために行くつもりじゃなかったんですか?

H:まぁ、僕はそのつもりだったんだけど、横尾さんはなんか仕事を抱えてインドに行ったの。その仕事っていうのは、アルバムを1枚作るという…

岡田:あ、横尾さんが?なるほど(笑)

H:で、それを知らない間に僕がやってた、っていう…(笑)

岡田:そういう経緯なんですね。

H:だから、横尾さんがプロデューサーだと思って、なんでもいいからやってみようかな、っていうね(笑)

岡田:なるほど(笑)あ、じゃあ初めから…アンビエント的なニュアンスもあるとは思うんですけど、そういう「アンビエント的な構造を持った音楽を作ろう」というよりは、ホントに自然にああいう形になっていったんですか?

H:そうですね。だから、出来てからずいぶん時間が経ったけど、ほとんど僕は、あれは自分の中では…なんて言うんだろう、「いい出来」とは思ってなかったわけね(笑)

岡田:あ、そうなんですね(笑)

H:あの、メチャクチャだな、と思って(笑)

岡田:まぁ、捉え方によりけりかもしれないですけれども…(笑)

H:ところが、アメリカの人が「あれがいい」とかね、言い出したりして。横尾さんもヘアカット行ったときにそこで流れてたりして。

岡田:それは日本でですか?

H:うん、日本でね。で、横尾さんも「あ、いいんだ」と思って…

岡田:すごい床屋ですね(笑)

H:だから2人とも後付けで、他人から「いいんだよ」と言われて…(笑)

 

 

 MALABAR HOTEL Ground floor~Triangle circuit on the sea-forest - 細野晴臣

(from 『COCHIN MOON』)

 

 

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 MALABAR HOTEL Upper floor~Moving triangle - 細野晴臣

(from 『COCHIN MOON』)

 

 

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岡田:それこそ僕もジム・オルークさん(Jim O'Rourke)が紹介してて…

H:あ、そうだったね。

岡田:その前に聴いたときは…ホントに僕はポップス的なものしか聴いてない中であれを…「『はらいそ』の辺りで別のアルバムがあるらしい」という流れで聴いたら、これはホントに言葉できない、みたいな印象があって…(笑)

H:(笑)いやー、自分自身がそうだったんで。おんなじですよ。それ以前もそれ以降も、ずいぶんポップスに傾倒してたから。あのアルバムだけ異質だったんだよね。

岡田:なるほど。じゃあ、当時はああいう実験音楽的なものとか、そういう…「非ポップス」になるような音楽っていうのは聴いてはなかったんですか?

H:あまりね、うん。意識してなかったね。何をやるにもポップスのフィルターを通して聴いてたから。YMOもそうでしたね。ジョン・ケージJohn Cage)とか聴くときは…プリペアド・ピアノみたいなスタイルはすごい刺激があったりね。それはポップスに聞こえるからね(笑)

岡田:そうですね。それでよくわかるな…ジョン・ケージとかがポップに聞こえる瞬間ってすごいありますよね。スティーヴ・ライヒSteve Reich)とかもポップだなぁ、って思いますしね。

H:そうなんですよ。ぜんぶそうやって聴いてたんで、決してエクスペリメンタルな実験作家じゃないんですよね(笑)

岡田:(笑)なるほど。じゃあ…なんて言うんですかね、ビートが無かったりだとか、ポップス的なメロディーの楽曲じゃなくなるときって、けっこう音楽を言語的に組み立てるのが難しくなってくるじゃないですか。

H:うん。

岡田:その中で、アンビエントを作ったりだとか、エレクトロ・ミュージックの抽象的なものを…それこそ『NAGA』とか、『MEDICINE COMPILATION』とか。あの時期にすごい傾倒されていたと思うんですけど。ああいうのって「こういう音楽を作ろう」と思ってそこに向かっていくのか…

H:うん。やっぱり1980年代…『COCHIN MOON』は1978年か。ずいぶんロックの時代ですよ、まだ(笑)

岡田:そうですね(笑)

H:その後は時間がずいぶん変化してきた、っていうかね。環境が。で、最初に僕は横尾さんからオブスキュア・レーベル(Obscure Records)を紹介されて。イギリスの。

岡田:ブライアン・イーノBrian Eno)の。

H:そこのシリーズをぜんぶ聴いて。ギャビン・ブライヤーズ(Gavin Bryars)が好きだったりとか。ハロルド・バッドHarold Budd)がよかったりとか。

岡田:すばらしいですねぇ…

H:で、もちろんブライアン・イーノの『Ambient』シリーズも聴いて。これは自分の部屋に帰って聴くものだ、と思って(笑)スタジオではテクノをやってて。家に帰ってきてからそれをずーっと流してた、っていう。

岡田:それこそYMOをやってた頃なんですか?

H:そうなんです。で、癒されてたっていうかな。それが段々、そうやって聴いてたから身に染みちゃったんだと思うんだよね。

岡田:なるほど。

H:その頃はね、僕はテレビを観なくなっちゃって。テレビの上に照明のような、マトリックスみたいな…なんだろう、あれは。

岡田:サーモグラフィーみたいな…(笑)

H:そうそうそう(笑)それを被せて、光のドットだけで観てたの(笑)音を消して。

岡田:(笑)

 

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H:それでイーノをかけて。だから心境の変化はそこら辺から来てて。でも、実際に自分でやりだすのはその後で…まぁ、なんて言ったらいいかな、アンビエントとハウスっていうのがあって。両方とも違うものだったわけね。

岡田:うんうん。

H:自分の中でも違うし…

岡田:聴いた感じもやっぱり、違うものというイメージがありますね。

H:そうですね。音楽の世界でも違うものとして存在していた。でも、ロンドンのクラブでね。要するにハウスで…たぶんオーブ(The Orb)なのかな?そういう人たちが両方同時に、アルバムをかけたわけだね。

岡田:なるほど…

H:片一方はビートが無いから、ビートのあるものと実は相性が良かった、という。

岡田:あ、それはDJが同時にかけるというところで…?

H:そう。で、それは後で知ったんですけど、おんなじことを僕はやってたんだよね。実は。

岡田:そうですよね。なんて言うんだろう…アトモスフィアな、空間的なものがありながら、そこに杭を打つように、グル―ヴ的なビートが乗ってくるような印象は昔からあって。

H:で、最初にそれをやったのはイベントで…清水靖晃くんといっしょに。

岡田:あ、マライアとかの…

H:そうそう。ターンテーブルをステージに持って行って。2人でね。DJっぽくやったわけですよ。そのときに、グレゴリオ聖歌とハウスみたいなものをかけたんですよ(笑)

岡田:へぇ…すごい聴きたい、それ…(笑)

H:これがなかなかおもしろくて。気持ち良くて。その後に、「アンビエント・ハウス」っていうのがあるんだ、っていうのを知ったんですよ。

岡田:あ、そうなんですね。すごい…アトモスフィアの究極型的なグレゴリオ聖歌をそこで選んでいるのがおもしろいです(笑)

H:だから…たぶんね、同時進行というか、同時多発というか。みんながそういうことを自然にやりだした時代なんですよね。あっちでもやってるんだ!こっちでもやってるし。ふしぎ!と思ってやってたんですけど(笑)

岡田:なるほど…

H:最初に『Ambient House』っていうコンピレーションアルバムが…イタリアから出たんですよね。

岡田:うんうん。

H:あ、イタリアはすごいな、と。だから、ロンドンとイタリア…どこら辺だろうな、やっぱりミラノとかそこら辺から。そういうのを聴いて…そういうのを聴くと、やる気が出るわけですよ。こっちも。そうやってどんどん、アンビエント・ハウスに入り込んでいったんですよ。

岡田:なるほど…

 

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H:そのうちアシッド・ハウスに入り込んでいったり。やっぱりビートからは離れられなかったのね。当分。

岡田:やっぱりそれって楽器プレイヤー的なところで…グル―ヴがあったり、ビートがある、みたいなことと音楽とが紐付いている、離せない、みたいなところがあったんですか?

H:そうですね。それはもうずっと…70年代からそういうことを追求してたんで。ニューオーリンズ・スタイルとかね。いろんなグルーヴ、ビート。

岡田:世界のリズムとか、っていう…

H:そこからは離れられない、っていうか、離れる気はなかったんですよ(笑)

岡田:うんうん。

H:でも、またそれが変わってくるのが90年代辺りからなんですけどね。

岡田:あー、なるほど。その中でけっこう興味深いというか…細野さんのアンビエントと、後になって今回の『Kankyō Ongaku』のコンピレーションでまとめられたものの中で、日本人じゃない人はどこが「日本的」と感じているんだろう、みたいなところに興味があって。

H:あー、それは興味あるな(笑)

岡田:いろいろと自分の観点で考えていた、圧倒的な主観だけで見つけたところが1個あって…

H:あ、聞きたいね。なんだろう。

岡田:なんて言うんですかね…海外だと通奏低音的なドローン音がファー…って持続的にある中に、テクスチャーというか、彩るような電子音だとか生楽器がドローンの上に装飾されているものが多かったり。

H:うん。

岡田:たぶん、「通奏低音が常にある中でどう発展させていくか」みたいなところがあるような気がしていて。

H:なるほど。

岡田:そんな中で『Kankyō Ongaku』の…まぁ、ぜんぶがぜんぶというわけではないですけど。それこそヴァンパイア・ウィークエンドがサンプリングした無印のBGMの曲だったりだとか。あとは吉村弘さんだったり、このコンピの中でも音数が少ない人たちに[共通して]言えるのは、「無音になる瞬間」というか「間」みたいなところを意識していたのかな、と…

H:あー、そうか。なるほどね。

岡田:[共通の意識]みたいなのがみなさんにあったんですかね?ということに興味があったんですけど…

H:たぶん、芸術家の人は意識してやってたんだろうけど、僕はぜんぜん…(笑)

岡田:え、そうですか?(笑)

H:でも、「間」は好きだからね。で、80年代中頃からレコーディングシステムがデジタルになるんですよね。

岡田:そうですよね。

H:で、僕が『S・F・X』っていうのを作ってる頃に、「無音になる瞬間」がすごく強く印象に残るわけね。デジタルだと。

岡田:あー、そうですよね。バサッとなくなって…

H:そうなの(笑)

岡田:余韻も無いし。

H:無音になっちゃう。ヒスノイズっていうのは無いんだよね。そこにすごく気を取られた瞬間があったんだね。そこから意識するようになったんだな。

岡田:あー、なるほど。それはじゃあ、雅楽の太鼓とかがドーン…って言ってなくなった後に、またポンッて来ると、これに感動する僕はやっぱり日本で生まれた…って思ったりするんですけど(笑)

H:わかるわかる(笑)わかるよ。そういうのって習わなくてもできるじゃない、僕たち(笑)

岡田:そうなんですよね(笑)

H:[生まれついて]持ってるものなんだよね。それは意識しようとしまいと持ってるんだよ。だから、それを意識すると使うことができる、っていうかね。

岡田:なるほど。じゃあ、やっぱり自覚的ではありながらやってたっていう感じですかね?

H:そういうところもあるかもしれないね。

岡田:おもしろいですね…(笑)なんかもう、ファンとして訊きたいことが目の前でいろいろ聞けるというのがすごくうれしいです(笑)

H:もう、訊かれたらなんでも答えるっていう(笑)

岡田:ありがとうございます(笑)

 

 

 Ambient Meditation #3 - 細野晴臣 with Laraaji

(from 『MEDICINE COMPILATION』)

 

 

岡田:あ、これもたぶん、あんまり訊かれたことないと思うんですけど。

H:はい。なんだろう。

岡田:あの『MEDICINE COMPILATION』で…

H:うん。

岡田:まず、ニューエイジャーとして、音楽家として、真っ先に挙がるのがララージ(Laraaji)…という印象が僕にはあって。そのララージとこのアルバムで共演されてると思うんですけど。

H:はい。

岡田:このときララージから…音楽的な部分でも、精神的な部分でも、なんか影響を受けた部分ってあったりしたんですか?

H:うん。ララージがたまたま来てたのか呼んだのか、ちょっと記憶がないんだけど…(笑)

岡田:あ、そうなんですね(笑)

H:でも、ずいぶん深いところまでやってくれたけど。そうだな、印象としては…ララージは白人系の人じゃなくて、どこの国の人かわからない感じがあるわけね。

岡田:わかります(笑)

H:インドが入ってたり、アフリカなのか…で、存在そのものは「動物っぽい」人なんだよね。

岡田:なるほど…ちょうど去年ライヴを観に行ったんですけど。

H:あ、行ったんですか?

岡田:はい。日本に来てて…

H:えー!そうか、会いたかったな。

岡田:すごい良いライヴ…すばらしかったです。

H:あ、ホント?じゃあ、なんか進化してるのかな。

岡田:もう、どうなんですかね?進化とか…たぶん、こういうものなんだろうな、っていう。

H:あー、やっぱりそうなんだ。

岡田:ずーっとやってるんだろうな、みたいなところもあるし。そういう意味で…あ、それこそライヴ中に…途中でツィターを弾いて歌うんですけど。ツィターを基本にしながら、時折パッと思い出したように演奏を止めたかと思ったら、他の場所に…

H:インプロヴィゼーションなんだね、ぜんぶ。

岡田:そうですね。

H:まぁそういう人だよ。ホントに。だから…スタジオでね、休憩時間にいろんな動物の仕草をしてくれたのね。

岡田:へぇ、おもしろそうだな…(笑)

H:その印象が強いんだよね。あ、この人はやっぱり、天性の動物感覚の人なんだ、と思ってね。

岡田:なるほど…すごい、フィジカルな強さを感じましたね。

H:そうそう。

 

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