2018.11.04 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

 
H:はい、細野晴臣です。こんばんは。
 
????:こんばんはー。
 
H:わー、すごい。女子4人。20代。ピチピチ。
 
????:(笑)
 
H:圧倒されます。えー、チームOK…でいいの?
 
????:そうです。OK!
 
H:ちょっと、じゃあね…自己紹介してって。
 
佑果:はい。水原佑果です。
 
茂木:初めまして、茂木モニカです。
 
酒井:初めまして。酒井いぶきです。
 
希子:こんにちは。水原希子です。
 
H:はい。水原姉妹と、デザイナー…いぶきちゃん。
 
酒井:はい、そうですね。
 
希子:はい。デザイナー兼、モデルもやってるし、多彩な…
 
H:かわいらしいよね。
 
酒井:ありがとうございます。
 
希子:あれ、U.F.O. CLUBの…
 
酒井:U.F.O. CLUBで働いてます。ライヴハウスPAやってます。
 
H:PAやってんだ。すげえ。多彩だな。あと、モニカさん。
 
茂木:はい。
 
H:カメラ…
 
茂木:はい。フォトグラファーとdirector…
 
H:映画も?
 
茂木:はい、英語の方が得意です。
 
H:映画だよ、映画(笑)
 
茂木:あ、映画…(笑)そう、これから映画をつくったりしてて…あと、OKのArt Directorの感じです。
 
H:あ、そうなんだ。いろんなことやってるんでしょ?チームOK。
 
希子:そう、OKというブランドを去年…ブランドっていうよりはプロジェクトっていう感じになってきてるんですけど。すごい実験的なプロジェクトをやっていて…
 
H:うん。
 
希子:で、OKはチームワークじゃないと成立しないので、もう、この中で一人でも欠けたら、OKというものは成立しないっていうぐらい…
 
H:バランスがいいんだ。
 
希子:そう。大切な仲間達です。
 
H:へえ…希子ちゃん・佑果ちゃん、こないだテレビの収録、ご苦労様でした(笑)
 
佑果:ありがとうございました(笑)
 
希子:もう、ホントになんか…
 
H:大丈夫だった?
 
希子:大丈夫っていうより…もう、私生きててホントによかったって思いました。
 
佑果:同じく。思いました。
 
H:え、ホント?だってさ…芸人と一緒に踊ったりしたじゃない。
 
佑果:はい。筋肉痛になっちゃいました(笑)終わった後…
 
H:でしょ?(笑)
 
希子:♪ナナナナー、ナナナナー…
 
H:そう。胸毛付けて…
 
希子:胸毛付けましたね!
 
H:抵抗ないわけ?(笑)
 
希子:いや、抵抗…が…あるかないかって言われると…(笑)
 
H:そりゃああるよね(笑)
 
希子:あります(笑)けど…
 
H:でも、おもしろい方が勝っちゃったんだね。
 
希子:はい。しかも、本家の方よりも胸毛が圧倒的に多いっていう…衝撃的な。
 
佑果:濃い目だった。
 
H:いやー、あの踊り上手かったよ、ふたり。
 
佑果:ホントですか?
 
H:僕できないよ、あれ。クセが強すぎて。
 
希子:たしかに。
 
佑果:リズムをとるのが難しかった。
 
H:♪ナナナナー…
 
姉妹:♪ナナナナー、ナナナナ次はハチー。
 
希子:♪いきなり出てきてごーめーん。
 
姉妹:♪まことにすいまメーン。
 
H:よくやったね…ホント、よくやってくれたと思うよ。
 
希子:いやー、もうハマっちゃって…あれはやっぱり見てるのと実際にやるのとぜんぜん違う…
 
H:そう、違う。やると難しい。
 
希子:やると難しいけど、なんかアドレナリンが出てきて…
 
H:なんか癖になってない?大丈夫?
 
希子:あ、もう忘れちゃいました。
 
佑果:私は今だに覚えてて…(笑)友達に披露しちゃいます。そしたらみんな大ウケしてくれて…私の特技になっちゃいました。
 
H:自分の芸になるよね(笑)宴会芸。
 
佑果:マスターしました(笑)
 
 

H:さあ!きょうは4人もいるから、みんなで話して(笑)
 
希子:みんなで話しますか!
 
H:で、曲をかけて。一人1曲ずつ。まずはじゃあ、曲を…佑果ちゃんからかな。
 
佑果:じゃあ私から。私はシ-ナ&ロケッツさん。
 
H:お。
 
佑果:細野さんが作曲された"Indian Heart"を…たまらなく好きで…!
 
H:あれ、僕も好きなんだよ。
 
佑果:いやー、もう…ホントにいつ聴いても心地がよくて。
 
H:シーナがなんか、声がすごいしね。
 
佑果:ね。セクシーな…そしてカッコいいメロディが…
 
H:じゃあちょっと聴きましょうか。SHEENA & THE ROKKETSで"Indian Heart"。
 
 
Indian Heart - SHEENA & THE ROKKETS
 (from『@HEART』)
 
 
H:なんの話してたの、いま。英語でなんか話してたでしょ。
 
希子:インターネットの話を。
 
茂木:あ、この曲はいつ作ったの、って訊いてて。細野さんに。
 
H:そう、インターネットがホヤホヤの頃に作った音楽だから(*1997年発表)。なんか思い出があるわけ?インターネット。
 
希子:インターネット…私が最初PCを使ったのは…小学校入ったくらいかな?お父さんがビジネスとして使ってたのを、私はゲームとして使いたくて。ゲームとして使ってたら…やっぱまだ古かったからバグったりとかして、お父さんにすごい怒られたっていう思い出がある。
 
H:怒られてたんだ。
 
希子:いぶきちゃんはいま21歳だけど、インターネットの最初の記憶は?
 
酒井:私もインターネットっていうか、PC?初めて使ったのを憶えてるのは…近所に児童センターがあって。で、私は両親が共働きで、学校終わったら児童センターに一人で遊びに行ってた。で、その時に…夕方になるとみんな帰っちゃうんだけど私の家は帰ってもお父さんお母さんいないから、もう児童館が閉まるまで遊んでたんだけど。最後のほうになるとパソコンが空くから…パソコンでみんなゲームをやるんだけど、けっこう取り合いみたいになっちゃうから、最後のほうまで残って…なんか、タイピングのゲームやってた。ゾンビを倒す…
 
希子:(笑)
 
酒井:ゾンビが近づいてきてて、「Z」とか「Y」とかなったら「Z」とか「Y」を探して、(キーを)押すとちょっとゾンビが離れてく…みたいな。そういうのをやってた。それくらいかな。最初の思い出は。
 
希子:そっか。モニちゃんは?
 
茂木:私きょうだいいないから、いつも一人でコンピューター、インターネットがぜんぶ…
 
希子:使い放題?
 
茂木:うん。なんか、MSMメッセンジャーを憶えてる。Hotmailのチャットルームみたいな。
 
H:あったね、そういうの。
 
茂木:7年生の時にそのメッセンジャーで…私、基地の学校に行ってたから…
 
希子:米軍基地?
 
茂木:米軍基地同士で…会ったことなかったけど、他の基地の男の子と話してたの。MSMメッセンジャーで。で、会ったことなくて…2年あとぐらいに死んじゃったの。その男の子が。
 
H:え?
 
茂木:毎日話してたの、ホントに。急に…
 
希子:でも私もいちばん最初に好きになった男の子死んじゃった。
 
H:みんな経験豊かだな。
 
希子:それは小学校1年生の時に、入学してその子としか遊んでなくて。いつも追いかけっことかしてたんですけど。夏休み終わって学校にいないから、なんでいないのかなと思ってお母さんに訊いたら、海の事故で亡くなっちゃった、っていう…すごい暗い話になっちゃった(笑)
 
茂木:ごめん、暗い話に…(笑)
 
 
 
希子:細野さんはインターネットの最初の記憶はなんですか?
 
H:えーとね…サンフランシスコにレコーディングに行ったときに、スタンフォード大学の卒業生で…「Contents! Contents!」って言いだした人がいたわけ。日系の人で。彼がインターネットの使い方を教えてくれて。
 
希子:えー。
 
H:まだ、ほんとホヤホヤ。
 
希子:2000年になる前?
 
H:なる前かな。うん、1990年代。それで(日本に)帰ってきて、自分もプロバイダーに入ったりして、始めたんだけど…なんだか最初はあんまりよくわかんなかった(笑)だからあんまり使えなかった。
 
茂木:いまはインターネット、どう思ってる?2018年。
 
H:いまは…四六時中つないでるから(笑)無くてはならなくなっちゃってるな。
 
佑果:そうですね…
 
H:とくに音楽とかね、YouTubeとか。絶対、毎日聴いてるから。みんなそうでしょ?
 
茂木:そうです。みんなそうです。
 
佑果:YouTubeは毎日…
 
H:YouTubeで音拾ってるもんね、佑果ちゃんは。
 
佑果:はい(笑)中学生の時からずっとYouTube…もう、放課後家帰ってインターネット開いて、YouTube。ずっと、エンドレスで聴いてた。
 
H:あ、そう(笑)
 
希子:でもさ、いま子どもとかもみんな勝手に開いてYouTubeとかでずっといろいろ見てるじゃないですか。
 
佑果:そうだね。
 
H:やってるよね。
 
希子:やっぱりYouTubeって言ってもすごい情報量だし…だから次の世代の子たちはめちゃめちゃ賢い…インテリな子たちがいっぱい出てくるんじゃないかなって思ってます。
 
H:僕は孫がいるんだけど、いろんなこと知ってるよ。物知り。もう、役に立たないことばっかりだけど(笑)なんでも知ってる。ぜんぶそれはYouTubeとかね。そういう…
 
茂木:でも私はちょっと問題と思うのは、いまの若い人はインターネットのinformationですぐ信じちゃうじゃん。
 
H:そう。いや、いろんな問題あるよ。そりゃあ。
 
茂木:ね。ちゃんとしたfactとか。politicalなことでも…
 
H:そんなものはね、無いよ。たぶん。ぜんぶフェイク…フェイクとまではいかないけど、ネタ元が無いんだよ。もう拡がっていく。拡散してるだけで。
 
茂木:誰が裏にいるか、知らないしね。コメントしてる人とか。
 
希子:そう。でも昔もさ。インターネットがいまみたいに普及してない時でも…たとえば、メディアが出すフェイクなニュースとか、みんなそれを信じてたから。人間はつねにそういう立場にあるっていうか。
 
H:わかってるね…頭いいね。
 
希子:(笑)だからやっぱり、ある意味、インターネットがあることによって、ウソの情報もあるけど、それを(真偽を)調べることもできるし…そういう意味ではいまインターネットがあることは、私たちにとっては、昔よりもいいんじゃないかなぁ。
 
H:うん。自分が鍛えられるよ。自分の判断が試されるじゃない。
 
希子:そうですね。
 
H:だから、ダメな人はダメになっちゃうっていう…(笑)
 
希子:結局そういうことですね。人間は。
 
佑果:どう生きるか。
 
H:いつもこんな話してんの?
 
佑果:けっこうこういう話します(笑)
 
H:ホント?(笑)
 
茂木:いつもphilosophyだね。
 
H:これはね、男の子負けるだろうね(笑)
 
一同:(笑)
 
H:オッケー、オッケー。
 
 
希子:そろそろ音楽、次のいきましょうか。
 
H:茂木モニさん、モニカさん。
 
希子:モニカが紹介する曲はちょっと難しいタイトルで…
 
茂木:読めない…一週間前くらいに探した曲で、でもそれから毎日聴いてるから…いますごく好きな曲。
 
希子:名前は?(笑)
 
茂木:えっと…ユーゴスラビアからの、1974年…センカ・ヴェレタニック?で、曲の名前は…"ジョビ・オシ"かな?ぜんぜんわかんない(笑)「t・v・o・j・e」だから…
 
佑果:カッコいいね。
 
茂木:すごく好き。
 
H:聴いてみよう。
 
 
Tvoje Oci - Senka Veletanlić
 
 
 
H:ところで、みんながきょうここにいる理由があるわけだよね?
 
希子:そうです。次の細野さんのツアーのグッズを…
 
H:グッズを頼んだの。チームOKに。
 
希子:わー!夢です(笑)
 
H:いま一番旬な。ね、そうでしょ?
 
佑果:はい、そうです!旬なクリエイティヴ・チームです(笑)
 
希子:すごい、あの…きょうはスタジオにみんなでお邪魔して…
 
H:いろいろ、カメラでね。撮ってくれたり。16mmをモニカさんが持ってきてくれたりして。
 
茂木:そう。ちょっと映像を撮って…ね。
 
希子:公園に行ったりね。
 
H:で、それをいぶきちゃんが…
 
酒井:はい。
 
H:いろいろ加工したりして。
 
酒井:はい、デザインをさせて頂く…
 
H:グッズが出来てくるの楽しみだね。
 
希子:Tシャツと…あとは、エコバッグだったかな。
 
酒井:そう。いろいろ作りたいと思ってて。缶バッヂも作るんですけど、缶バッヂは私がおうちで作ります。ガシャンガシャンって。
 
H:あ、そうなの?家で作ってるんだ。
 
酒井:あの、このために業務用の缶バッヂマシンを買いました(笑)
 
H:買ったんだ(笑)
 
佑果:楽しそう…
 
酒井:で、佑果ちゃんが協力してくれるから…
 
佑果:300個。そうそう。
 
酒井:作ります。
 
佑果:イエーイ。
 
H:楽しみだね。
 
希子:すごい楽しみです。仕上がり楽しみにしてます。ちょっとライトがまぶしかったのは…ごめんなさい。
 
茂木:申し訳ないです。
 
佑果:スタジオが暗かったから…
 
H:写るのはあんまり好きじゃないんだけど、まあしょうがないからね。うん。
 
 
 
希子:次のツアーはどういった内容のツアーなんですか?すごい楽しみにしてます。
 
H:あのね…正直言うと、わかんない(笑)
 
希子:そっか…(笑)
 
H:いまやってる作業が、ひとりでやってるって言ってるから…みんなザワザワザワってするの。ひとりでやる、って。今まで20年ぐらいバンドでやってたでしょ。
 
希子:あ、そうですよね。
 
H:ひとり篭って。このスタジオに。打ち込みやったりね。
 
佑果:すごいです…
 
H:それで、自分はもう打ち込み系15年ぐらいやってないな、と思って。出遅れてて。勉強しなおしてる(笑)
 
希子:いや、でも、新しい新境地に…
 
H:そう。こんな歳になってそんなことやるとは思わなかったから。
 
希子:えー、でも、そういうところが細野さん、ほんとにカッコいいです。
 
H:いやいや…(笑)ほんっとに悩んでるんだから…
 
希子:そうですか?(笑)でも、こないだチラッと聴かせて頂いた時に…打ち込みだったりとか、テクノっぽいのもやりたい、って、こないだ仰ってましたよね。
 
H:そうだよ。もともとそういう人間だったから…何十年とそれやってたから。
 
佑果:そうですよね。
 
希子:じゃあ、そういう要素が次回のアルバムは…
 
H:またね、それに一回戻ってるだけなんだけど、何年もやってないからほんっとに、時代遅れになってるんだよ。自分がね。
 
希子:いや…
 
H:ホントだよ。20代の頃はああいうことやってて、周りから「10年早い」とか言われてて。つまりなんだ、いまの人は聴く耳が無い、っていうか。その時代のね。まあ、皮肉に言われてたの。いま自分で思うのは、「10年遅い」。
 
希子:そうなんですか?(笑)
 
H:そう言っておこう(笑)
 
希子:私はでも、そう思いませんけど…
 
H:じゃあまあ、がんばるよ。期待に応えないといけない。
 
佑果:ホントに楽しみ…
 
希子:ぜひライヴにはOKチームで行かせてください。
 
H:ぜひぜひ。
 
希子:また追っかけやります(笑)
 
H:そういう人がいると張り合いがあるからね…(笑)
 
希子:よかった(笑)
 
 
 
H:じゃあね、えっと…PAやってるいぶきちゃん。
 
酒井:はい。私が働いてるライヴハウス東高円寺にあるU.F.O.CLUBっていうハコで。そのハコは元ゆらゆら帝国坂本慎太郎さんが内装をやってるんですよ。ペインティングしたりとかしてて。私、坂本慎太郎さんがすごい好きで。で、つい4日前にライヴ観に行ったんですね。で、きょうは坂本さんの曲を流そうと思って。はい。"やめられないなぜか"っていう曲です。
 
 
やめられないなぜか (Why Can't I Stop?) - 坂本慎太郎 (Shitaro Sakamoto)
 (from 『ナマで踊ろう (Let's Dance Raw)』)
 
 
 
H:じゃあもうね、時間がどんどん経っちゃった。
 
希子:足りないですね…
 
H:足りないね。今度またやってもらうから。月に1回やってくれっていう声もあるんで…(笑)
 
希子:ホントですか?
 
H:うんうん。
 
佑果:やりたい…
 
希子:もう、いつでも呼んでください!
 
H:ホント?じゃあもう、月に1回っていうのは、やるよ。
 
佑果:いま決まりました。録音されてるから…(笑)
 
H:いつも、番組の中で約束する、っていうのはあるんだよ。そうするとやんなくちゃいけない。
 
希子:たしかに(笑)
 
 
H:じゃあ、最後に…希子ちゃんに曲をお願いして、きょうはここで締めることになるね。
 
希子:はい、そうですね。では…あ、前、細野さんグッズをインターネットで購入した際に、たぶんその方が強烈な細野ファン…細野オタクで…
 
H:へえ。
 
希子:1997年にコシミハルさんと収録したラジオの音源を送って頂いたんですよ。
 
H:すごいマニアックな人だね。
 
希子:で、それがもう…それを聴いたんですね。その時にコシミハルさんが紹介してた音楽がありまして、それを聴いて私もすごく好きになったので、それを流したいと思います。ワリー・バダル(Wally Badarou)で"Mt. Fuji And The Mime"。
 
H:懐かしい…それじゃあみなさん、今度また会えることを楽しみにしています。
 
 
 
Mt. Fuji And The Mime - Wally Badarou