2018.09.30 Inter FM「Daisy Holiday!」より
忠:どうも、小坂忠です。
H:よろしく。えー…先週話してたんだけど、ライヴのCD化が。これは…いつ出るんだ?
忠:いや、もう出てる出てる。8月。
H:これは『ほうろう』のリメイクっていうか…ライヴ・ヴァージョンね。
忠:あのね、去年入院してたじゃない。で、ずーっと考えてたわけよ。元気になったら歌いたい、と思ってて。
H:うんうん。
忠:で、どういうライヴやろうかなって思ったんだけども、その時にね、改めて『ほうろう』のことを考えてたわけ。
H:あー。
忠:ああやっぱり、ここからいまの俺の歌の…これがね、原点だと。
H:先週話してたね。
忠:それで、『ほうろう』全曲っていうライヴやってないな、と思ってさ。
H:あー、そっか。
忠:じゃあ、そういうのをやってみよう、と。
H:なるほど。これはいつやったんだっけ?僕は観に行ったんだけど(笑)
忠:3月かな。
H:3月か。
忠:そう、1部来てくれてね。2部はお帰りになっちゃったけど。
H:そらそうだけどね(笑)ダメだったかな?
忠:いやいや(笑)
H:でも、素晴らしいライヴだったね。よかった、演奏。
忠:んー。
H:じゃあ、これをちょっと聴いていいかな。
忠:はいはい。
H:なにがいいかな?
忠:なににしますかね……
H:また(笑)先週も…
H:んー。大っきなホールみたいな感じ…ビルボードだよね?
忠:ビルボード。
H:いやぁ、なかなかいい…演奏だな。これドラムスが…林くん(林立夫)じゃないもんね?
忠:そうなんだよね。屋敷豪太。
H:めずらしいね。
忠:でも、屋敷と小原(小原礼)がいま、2人でよくやってるみたい。
H:やってるんだね。なるほどなるほど。この…この流れで、っていうか、今年もライブ、やるでしょ?
忠:そうなんですよ。11月にね、ちょっと…大きいライヴを。
H:ちょっと大きい?(笑)
忠:ちょっとっていうかね、だいぶ大きいんだけども。
H:ちょっと発表しますね。
忠:はい。
H:11月26日 18:00開場 19:00開演。場所が東京国際フォーラム ホールA。
H:あ、そう?へぇ…意外。
忠:あ、だからユーミンの時もやったじゃない、なんか。それの2弾目みたいな。そういう感じの。
H:あー、そっかそっか。そういうシリーズっぽいやつ。
忠:そう。ま、ベース…ぜひね、細野くん…空いてるの知ってるんだけどさ(笑)
H:いやいやいや(笑)
忠:(笑)
H:あの…小原がいるからと思って…
忠:いやいやいや(笑)やっぱりね、僕の節目にはね、いてほしいんだよね。
H:いやいや…空いてるんだ?空いてんなら行くよ。観に行く。
忠:いや、観に行く、じゃなくて…
H:じゃあ1,2曲…
忠:うん、ぜひ、お願いしたいと思います。
H:はい。
忠:よかった~
H:ラジオで言うとね、必ずこれはね、やんなきゃいけない…(笑)
忠:いやー、きょうは来た甲斐があったな。うん。
H:えっと、他には誰が出るだろう。お、幸宏(高橋幸宏)も出るね。
忠:お、そうなのよ。
H:あとアッコちゃん(矢野顕子)とね。
忠:そうそうそう。
H:茂(鈴木茂)、林。
忠:まあ、だから、ティン・パンの再演っていう感じもあるし。
H:なるほど。そうかそうか。僕は前後がツアーでライヴ中なんだよね。それで体力に自信が無いっていうだけで…
忠:うーん。
H:まあ、元気だったら行くよ。
忠:いや、大丈夫だよ、元気だよ!
H:(笑)
忠:まだそんな…来年のことはわかんないかもしれないけど。
H:まあね。いや、今年はもうね、バテたんだ。暑くて。
忠:あー、暑いからね。
H:んー。
忠:この時はもう、涼しいよ(笑)
H:涼しいよね。11月だからね。
忠:暑いとは言えない。
H:なんか、夏生まれじゃない?お互いに。
忠:そうそうそう。
H:どうなの?夏、ぜんぜんダメだよ、僕。
忠:あ、そう?いや、けっこう俺は大丈夫だと思う。
H:あ、ホント?
忠:俺は冬の方がヤだね。寒いのが。
H:あ、そう。冷えるからね。どっちもヤだな。
忠:なんなんだよ(笑)
H:夏はね、冬に憧れるの。冬には夏に憧れるっていう。ないものねだりね。
忠:まあね。
H:さあ。もう1曲ぐらいこっからかけたいな。
忠:あ…
H:なんか、紹介して。
忠:あのね、実はね。『ほうろう』の全曲をやったんだけども、アンコールでさ。その中に1曲、アンコールに残した曲があるんだけども。
H:あー。
忠:これさ、憶えてる?僕がこの『ほうろう』の後に作った『モーニング』っていうアルバムがあるんだけど。
H:憶えてるよ。あのー、市ヶ谷のほうで録った。
忠:市ヶ谷のね。うちのスタジオで。その時に、細野くんがこれをアレンジしてくれたの。
H:…それはちょっと憶えてないな(笑)
H:うんうん…思い出したよ。
忠:思い出した?(笑)このライヴの後ね、アメリカ行ったんですよ。メンフィス行ってきたの。
H:ホントに?!なにしに?レコーディング?
忠:いやいやいや、遊びに。
H:いいなあ。
忠:あのね、Staxのスタジオとかさ。
H:あるんだよね!行ってみてぇな…
忠:よかったよ、すごい。
H:いやー…なんか、ライヴとか観た?そういうのはないのか。
忠:いや、ライヴとかも観たけれども、あんまり知ってる人っていうか…B.B.キングのお店があってさ、毎晩やってるんだよね。
H:あ、そうなんだ。いいなぁ…
忠:Sunスタジオとか。
H:Sunもあるんだよね。観光地だね、もうね。
忠:そう。もう、そういう観光地ね。グレイスランド(Graceland)があって…
H:グレイスランドって言えば…プレスリー(Elvis Presley)か。
忠:うんうん。で、おもしろかったのが…そのStaxのスタジオで、いろんなメンフィスの音楽のストーリーとか。
H:へー。
H:いいねえ、その考え。
忠:そうなの。いいね、落ち着くね、あそこは。
H:なんかこう、音楽の町だからな。そういう町って無いもんな、あんまり。日本にも。
忠:あの頃は、昔はさ…Staxとかが全盛期の頃ってあそこから発信してたじゃない、世界中に。
H:そうだね。
忠:あんな小さな…アメリカでもさ、ホントに小さな町なのに。
H:そうだよね。
忠:あの後…キング牧師、Martin Luther King (Jr.)があの町で射殺されたわけ。
H:そこだったんだ。
忠:それで、すごい黒人の暴動が起きて…だからStaxでね、レコーディングしてる中には白人のミュージシャンがいるじゃん。
H:うん。
忠:で、彼らが帰る時は…1人で帰ると襲われるんで、黒人のミュージシャンがいっしょについていって、「オレ達の友達だから襲うなよ」っていう感じ。そういうのがあったんだよね。
H:いやー、いろいろあったね。
H:ホント?学校入りたいな、僕。教わりたいわ。
忠:[町として]もう一度ね、あの頃の勢いを取り戻そうっていう。そういう感じでやってるみたい。
H:まあね、時代が大きく変わっちゃったからね。アレサ・フランクリン(Aretha Franklin)も亡くなって。
忠:そうだよね。
H:やっぱり、バッキングも、さっきも話したマッスル・ショールズとか…白人たちだからね。まあ、ミュージシャンにはそういう垣根が無い。
忠:そういうわけだよね。Booker T. & the MG's、とかね。
H:いいね。
忠:最初は「白人のバンドか黒人のバンドかわからない」って言われてた(笑)
H:そうだよね(笑)混合だよね。
忠:うん。
H:そうだよな…メンフィスってのはそういうバンドが多かったのかもしれないね。
忠:そういう意味ではね。やっぱりね、そうやってミックスするのがいいよね。
H:ミックスだからおもしろいものが出来てくるっていうね。まあ、日本は日本人しかいないけどね(笑)
忠:んー。
H:まあでも、最近はすごいよね。大坂なおみだっけ、すごい人が出てきたよね。
忠:テニスのね。あと、陸上のさ…
H:そうそうそう。名前はちょっと憶えられないんだけど…
忠:とかね。
H:不思議な…なんていうの、日本人なんだけど…ハイブリッドですよね。
忠:うちの孫もそうなんですけどね。
H:そうなんだよ。テニスやってないの?
忠:やってない(笑)
H:じゃあなに、ラップやってるの?
忠:いやいや。うちの子はトランペット吹いてる。
H:あ、そう。男の子?
忠:いや、女の子。ジャズバンドで吹いてるよ。
H:これはちょっと、将来楽しみじゃない?
忠:うん、すごいね、楽しみ。
H:んー。
忠:孫とさ、同じ音楽の話ができるってね、信じられなかった。昔は想像できなかった。
H:孫いくつ?いま。
忠:いま、もうすぐ15歳かな。
H:あ、そっか。うちも孫がベース弾いてるから…(笑)
忠:ねぇ。
H:ライバルだよ。
忠:ライバルって(笑)
H:忙しいんだもん、僕より。ライヴで。まだ学生だけどね。
忠:ああ、そう。音楽の話したりするの?
H:なっかなかしないんだよね。お互いに遠慮してて。でもこないだ「ベース教えてくれ」なんて、このスタジオに来たんだけど。
忠:へー!
H:とりあえず、好きなベースのレコードかけて「これ聴いてくれ」って言っただけだけどね(笑)聴くのがいちばんだから。
忠:でも、そんなこと言われるとちょっとうれしいでしょ?
H:まあ、どうかな…
忠:ちょっとはうれしいでしょ(笑)
H:うれしいのかなぁ…恥ずかしい。
忠:恥ずかしい?
H:恥ずかしいよ。
忠:んー。で、この夏さ、日本に帰ってきてて、いっしょにね僕のライヴで歌わせたりして。
H:孫が?
忠:うん。
H:すっばらしいことだよ。
忠:楽しかったよ。
H:いいねぇ…楽しみだね。なんかになるね、それ。
忠:かもね。でも、こういう時代になったんだね。
H:なったね。ホントに。
忠:僕らがやり始めた頃ってさ、自分の1世代・2世代前の大人とさ、同じ音楽の共通の話ができるって想像つかなかったでしょ?
H:断絶してたよね。
忠:だよね。
H:で、[自分より]下[の世代]もあんまりいなかったし、とりあえず自分たち周辺の人たちとやってただけだからね。
忠:だからね、ホント変わったなぁ、と思って。
H:ホントに、あの…日本もポップスができてもう半世紀ぐらい経つからね。だから外国でもアーカイヴとして検索して、いろいろ詳しい人がいっぱい出てきてるわけだよね。
忠:うん。
H:それでいろいろ呼ばれて行ったりすることが、ぼちぼち…こんな時期になってね、この歳になってね。だから、もっと早く呼んでくれよ、って思ったんだけどね(笑)
忠:(笑)
H:もう、こっちは年だから…
忠:まあでも、この歳もけっこう楽しいんじゃないですか?
H:まあ、気楽になってきてるね。若いとシリアスになっちゃうからね。
忠:けっこう力抜けてできるでしょ。
H:抜けてるね。入んないだよ、入れたくても(笑)
忠:(笑)そっちか。
H:筋肉がもう、衰えてて。
忠:僕ね、いまね、夜、毎晩歩いてるんだよ。30分は。
H:部屋の中?
忠:いやいや(笑)部屋の中30分歩くのは大変だよ(笑)外。
H:いや、僕も歩いてるんだよ。
忠:あそう。どこを?
H:部屋の中じゃないよ、外、外。
忠:(笑)え、ホントに?
H:最近、スマホで歩数が出るじゃん。あれが習慣になってるんだよ。
忠:あ、そう。
H:でもね、制作してる時とかはぜんぜんダメだよ、動かない。
忠:そっか。
H:あのね、ロンドン行った時に1万歩以上歩いてたよ、毎日。歩くとおもしろいじゃない、あの街。
忠:うんうん。
H:で、香港も1万歩歩いてるんだよね、1日。だから、歩くとおもしろい街はどんどん歩いちゃうんだよ。すんごい疲れるけど。
忠:いやでもね、やっぱり良いみたいだよ。
H:歩くの良いみたいね。
忠:いちばん身体に良いみたい。
H:そうそう。激しいスポーツはやめたほうがいいよね。
忠:そうだよね。もう、この歳になったらできないけどね(笑)
H:そうかそっか。じゃあ、今度歩こうか?ね。
忠:いいね。
H:部屋ん中?
二人:(笑)
忠:火星…
H:火星歩行ね。古い!っていうか、その頃からやってるんだアレね。
忠:そうだよ(笑)
H:そういえば最近、手品どうしてる?(笑)
忠:手品ね、けっこう新しいネタ…わ、きょう持ってくればよかったな。楽屋でね、よくやってたんだ。
H:そうなんだよ。病室でもやってたんだって?看護師さんに。
忠:誰に聞いたの?(笑)
H:いや、もう…聞いたよ。
忠:そうそうそう。これがね、楽しみでさ。やっぱり人を楽しませるのが最近好きでね。
H:いいよね。でも、わりと女性ってそういうの、クールに見てない?
忠:そうなのかな(笑)
H:んー、そうなんじゃねぇかなと思うんだけどね。
忠:俺が気がついてないだけかもしれない…(笑)けっこう喜んでたような気がするんだけどね。
H:ま、手先の手品が多いからね。目の前でやるとおもしろいよね。後で見してね。
忠:(笑)
H:というわけで、また時間が無くなってきたんで…11月26日、よろしくね、と。
忠:うん。
H:それから、いま出てます『HORO 2018』のCDを探してください。
忠:ぜひ聴いてください。
H:ぜひね。
忠:僕のね、2枚目のライヴ・アルバムなの
H:そうだっけね。うん。
忠:うん。ソロになって2枚目がライヴ・アルバムだったじゃない。
H:あ、そうだそうだ。フォージョー・ハーフ。
忠:そうそうそう。あ、それでさ、その11月のコンサートで、マンタがねフォージョー・ハーフも再現しよう、ってことで。
H:そうだ。松任谷くんはフォージョー・ハーフにいたんだもんね。
忠:そうそうそう(笑)だからツグトシとコマコも来てくれる。
H:そんな、みんな愛称で呼んでもわかんない(笑)
忠:あ、そうか。
H:駒沢裕城というスティールギターね。
忠:と、ベースの後藤次利。
H:あ、来てくれるの?
忠:うん。来てくれることになった。
H:すごいね。
忠:うん。懐かしいな、って思った。で、あと…ね。ティンパン・アレー。
H:ティンパンね。はい。ああ…やるよ。1曲,2曲。ね。
忠:ま、無理しないぐらい。
H:うん、無理しない。できない。
忠:うん(笑)
H:そういうわけで、では、またその頃に…もうすぐ…11月なんてすぐだからね。
忠:そうだね。
H:最後に1曲。なにがいいかな。なんか、リクエスト、っていうか…(笑)
忠:あのさ、"しらけちまうぜ"を。
H:おお!
忠:これ、アレでしょ、細野くん。最初は「ビビディ・バビディ・ブー」だったんでしょ?
H:そうなんだよ。♪ビビディ・バビディ・ブー、っていう歌詞だったの(笑)
忠:(笑)
H:会社からそれはダメだ、って言われて。シングルに切るから松本隆に頼む、って言われて。
忠:まあ、でも、さすがの松本だよね。
H:やっぱりちゃんと…ちゃんとシングルっぽいなぁ、と。
忠:ね。じゃあ最後はそれを聴いて頂きましょう。
H:どっちから?ライヴ盤かこっちか、オリジナル盤か。
忠:そうですね…まあ、せっかくだからライヴ盤でいきましょうか。
H:それでは、これを聴きながら…どうも、ありがとうございました。
忠:ありがとうございました。