2018.05.27 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

daisy-holiday.sblo.jp

 
H:こんばんは、細野晴臣です。きょうはめずらしいゲストが、来てくれてます。リリー・フランキーさんよろしく。
 
リ:よろしくお願いします。
 
H:初めて話す…かな?
 
リ:…え?(笑)
 
H:あれ、そんなことない?(笑)
 
リ:すみません、そんなことないと思います(笑)初めて話す体でいった方がいいんだったらその感じで…
 
H:いやいや。でも、ずいぶん前ですよね。なんかでね。
 
リ:そうですね。
 
H:その頃は、おもしろい人だったんだよね。
 
リ:今でも僕はそんなには変わらないと思うんですけども(笑)
 
H:いやー、最近はあのほら、僕は映画音楽を頼まれて、その主演をなさってるんですけど。
 
リ:まあ主演というか、まあ…
 
H:主演ですよ。
 
リ:そうですか…
 
H:いや、なんか…俳優ですよね、今や。
 
リ:ではないんですけど…なんか、あれですよね、映画って撮影に一日しか行ってないのも、撮影二か月やってるのも「1本」として勘定されるんで。
 
H:ああ、そっかそっか。
 
リ:だからけっこう俺、「去年6本、7本出てましたね」って言うんですけど…
 
H:多い。
 
リ:ひと口出演みたいなの、ものすごい多いんですよ。一日、二日しか行ってないのも。で、一年通して見るとお芝居してる時間ってすごく短いんですけどね。
 
H:あんまりじゃあ、自覚がないんだ。俳優っていう。
 
リ:そんなに大口の、長いスパンで呼ばれることはないですけど…今回細野さんに音楽をして頂いている『万引き家族』は長い時間出して頂きました。
 
H:いやあのー、テーマがなんていうの、こう…家族で、まあ万引きの一家なんですけどね。
 
リ:「一家」っていうとホントに悪そう(笑)親分が居そうな。
 
H:でね、音楽つけるときに、なぜかこう…陽気なマンボが出てきちゃうんだよね、頭の中に。
 
リ:あー。
 
H:それはね、リリーさんの顔見てると…(笑)
 
リ:そしてなんか、プロデューサーや監督と話してたら「最近ちょっと細野さんにマンボブームがきてるけど、やっぱりマンボ感が出てくるんじゃないか」って…(笑)
 
H:出てっちゃったんですよ(笑)そしたら「ちょっとそれは…」って。行き過ぎちゃったのかな、って思ってね。書き換えてました。
 
リ:監督から、是枝さんからオーダーっていうのはあったんですか?こういう感じ、みたいな。
 
H:あのね、もともと僕の音楽がはまってるんですよ、「ここにこんな感じ」っていうんでね。
 
リ:ああ元々のね、実際にあるもの[楽曲]をね、充てて出してましたから。
 
H:それのね、けっこう影響があるっていうか…(笑)
 
リ:あ、自分の影響をまたもう一回自分で…
 
H:そう、できないんだよね…(笑)自分のマネできないっていうか。だから、逆に違うものを作っちゃったんだ、最初の頃。
 
リ:あえてそっちと違うものを。
 
H:まったく正反対のを。そしたらちょっとやっぱり、「あれれ?」って思ったんでしょうね、たぶん。監督さんは。
 
リ:ま、監督もその、実際に充ててるものに関しては合うと思って充ててるわけですもんね。
 
H:そう、思い入れがありますからね。やっぱり作品は監督のものなので。言うことをきいています(笑)
 
リ:一応、マンボ系で行こうとしていらっしゃったことはホッとしましたね。
 
H:やりたい(笑)リリーさんに合うんだよ。
 
リ:まあちょっと、俺が出てるところだけ深刻みが足りないシーンが多いですからね。
 
H:いや、それが救われてるんですよ、ホントに。だからね、ラッシュ見ながら…演技が、すごい。なんかべらんめえでしょ?
 
リ:下町のお父さんですからね。
 
H:あれがなんかね、印象深いですよ、うん。どちら生まれでしたっけ?
 
リ:僕は九州の福岡…
 
H:あ、違うわ(笑)んー、福岡の言葉は全然(普段の話し方に)無いですよね。
 
リ:無いですね。僕は15歳の時に福岡を出て、九州から東京に来たのが18歳なんで、もう三十何年になる…
 
H:あ、そんなになる?
 
 
H:えーっと…まあちょっと音楽を聴かなきゃね。リリーさんの音楽の好みっていうのは、なんとなくわかるんですけど。
 
リ:はい。
 
H:えー、あの…音頭ですか?
 
リ:今日音頭をリクエストしたばっかりに、なんか音頭好きみたいな…(笑)でも僕あれですよ…ちょうど中3から高1にかけて、もう毎日YMOの1stと2ndをずっと聴きつつ…
 
H:え、そうだっけ?
 
リ:そっからまた細野さんの昔のものに戻っていったり…
 
H:あ、聴いてくれてるんだ。
 
リ:はい。そしてまたその後、(松田)聖子ちゃんや(中森)明菜が好きになっても細野さんの曲を聴き…
 
H:(笑)
 
リ:だから、自分の音楽原体験は相当刷り込まれた中、きょうは細野さんのスタジオを見て感動してますね。
 
H:ええ…
 
リ:それでね、HAS(Human Audio Sponge)の時にも…
※引用者註:NHKの特番「プレミアム10 YMOからHASへ 坂本龍一細野晴臣高橋幸宏 音楽の旅」(2007年7月6日放送)で特別対談を実施。
 
H:ああ、そうですね。
 
リ:お三人と話させて頂いて…ちょっとなんか、15歳の時の俺に教えてあげたいと思ってますね。
 
H:いや、それはでも、知らなかった、というかまあ…そんなに聴いてるとは思わなかった(笑)
 
リ:でも細野さんと一番最初にお会いさせてもらったのが、(桑原)茂一さんが企画したおもしろイベントでお会いしたから…
 
H:そうだ!その時の印象がすごい…
 
リ:[リリー・フランキーは]「おもしろ担当の人」として…YMOとかはっぴいえんどとかじゃない人が来たっていう印象が細野さんにはあるんだと思うんですよ。
 
H:そうそう…いやでもねえ、なんかよく覚えてないけどとにかく、すげえおもしろかったんですよね、リリーさんがね。何やってたんだっけ?
 
リ:なんか、あの…桑原茂一さんと宮沢章夫さんと僕と細野さんが、家から最近おもしろいと思ってるものを持ってくるっていう。
 
H:ああ、そうだそうだ。
 
リ:で、僕が、家から森昌子さんの"中学三年生"の曲の、このイントロのオカリナのピッチは合ってるんでしょうか、っていうのを細野さんにずっと訊いてた…
 
H:そうだっけ。そんなのわかんないな…(笑)
 
※引用者註:2003年4月27日 フリーペーパー「dictionary」主催のイベント「TALK dictionary deluxe」第二夜。「笑いとは何か」というテーマについて桑原茂一進行のもと、宮沢・細野・リリーによる鼎談実施。参考:http://freepaperdictionary.com/article/338/ (2013年のインタビュー)
 
 
H:えーっと、ではね…音楽をちょっとかけてかないとね。
 
リ:はい。
 
H:きょうはね…ずっとこの映画音楽の(仕事をしている)時に、僕はイタリア映画をイメージしてたんですよ。イタリア映画とマンボ、と思ってて…(笑)
 
リ:(笑)
 
H:両方ちょっとダメなのかな(笑)まあ、一番好きな映画音楽の作曲家がいるんですけど、イタリアに。もう今はいないんですけど。あの…監督でピエトロ・ジェルミ(Pietro Germi)。『鉄道員』とか、わらの犬とか。その一連のピエトロ・ジェルミ作品に曲を書いている人がいて、それがカルロ・ルスティケッリ(Carlo Rustichelli)っていう人で。まあ、これを聴いてもらおうかな。ガブリエラ・フェリ(Gabriella Ferri)がカヴァーしてます、「死ぬほど愛して」。
 
 
Sinnò Me Moro - Gabriella Ferri
 
 
H:どうでしょう。
 
 
リ:こういう…改めてこういう風にして聴かせて頂くと、この曲が『万引き家族』でかかっててもバッチリ合うような気が…
 
H:でしょ?(笑)
  
リ:でもやっぱ、魅力的な音楽って映像をすごく支配して自分のものにしてしまうじゃないですか。
 
H:で、それは最近ダメなんだろうね、そういう音楽ないもん、今は。音楽憶えてないような映画のほうが多いですよね。
 
リ:僕もよく昔、家で友達来た時に、映画とかAVとかを音を出さずにかけて僕がDJをしてBGMを勝手に作るっていう…なんか合うんですよね。
 
H:今度やってもらおうかな、映画音楽ね。代わりに(笑)
 
リ:でも、ムービーはいいんですけど、昔ピエール瀧とかと…宮古島かな、石垣島かな?男4人くらいで旅行に行ったときに、僕その時ずっと写真を撮り続けてたんですよ。皆が浜辺で遊んでる写真とか。星の砂を探してる写真とか。
 
H:(笑)
 
リ:で、スチールで僕ん家でプロジェクターで壁に映しながら、僕がいろいろDJをしてたんですけど…スチールでやると、全員が故人に見えるんですよね、在りし日の姿っていうか。
 
H:そうかそうか(笑)メモリアルだ。
 
リ:そして、はしゃいでる写真ほど見てて悲しくなるっていうか…(笑)
 
H:(笑)
 
リ:だからその、やっぱり音楽って当時の状況とかっていうものをまるで違うものに見せてしまう…
 
H:そうだよね。音楽の匙加減で変わっちゃうかもしれないな、と思うね。画面が。だから難しいというか、悩んで…やりましたけどね。
 
リ:ねえ、けっこう…朝までやられてたりとか…
 
H:締切があるからね…
 
リ:締切はわりと守られるほうなんですか?
 
H:わりとね。気が弱いから。気がちっちゃいっていうかね。
 
リ:いま、でも、細野さんが「わりとね」って言ったときに横でプロデューサーが笑ってましたけど(笑)
 
H:ああ、そう?(笑)守るよね?
 
(P:まあ、そうですね…)
 
H:守るって言ってる、ほら。
 
リ:細野さんの会社の人は「守る」って仰いますね。
 
H:でも年取ってからそうなったのかな。
 
リ:あ、そうなんですか。
 
H:年取ってからね、時間に…昔すごいルーズだったのが直ってきて。
 
リ:ええ。
 
H:たとえば今日も「4時だ」って言われたら、1分前でも1分後でもなくて4時に来たい、っていうね。
 
リ:意外と、作家の人って年を重ねれば重ねるほど締切が遅くなるって言われてますよね。
 
H:ああそうなんだ、そうなんですかね。じゃあ逆だな、僕は。んー。
 
リ:じゃあ昔はもう…
 
H:ヒドかった!ヒドかったです…
 
リ:でも昔のレコーディングのペースなんて、もう遅れたらけっこうもう、発売日ずらすみたいなことにすぐなっちゃうペースじゃないですか?
 
H:まあ、そうなんだけど…一人だったらね、そうなっちゃうけど。YMOなんて二人がやってたからね。僕は寝てたりね。
 
リ:(笑)
 
H:たとえばあの、ミックスのときとか…だったかな?数時間遅れて行ったら、そこのヘッドの川添(象郎)さんっていうね、おもしろ恐いプロデューサーが「スタジオ一時間いくらだと思ってんだ!」ってね、怒ってましたね、僕に。
 
リ:そういう生臭い怒られ方が一番恐いですよね、いくら系の怒られ方が…(笑)
 
H:そうそう、響くね(笑)ああ、やっぱり怒られちゃったって思ってね。それからか…ってワケでもないんですよ、ええ。
 
 
リ:さっきの曲は『わらの犬』とかもやってらっしゃる方…なんですよね?
 
H:あ、そうですそうです。
 
※引用者註:カルロ・ルスティケッリが音楽を担当したのはピエトロ・ジェルミ監督の『わらの男』(L'UomodiPaglia)、『わらの犬』(Straw Dogs)はサム・ペキンパー監督による1970年代のアメリカ映画。以下、リリー・フランキーは後者について語っている。
 
 
リ:あの映画で冒頭にスーザン・ジョージでしたっけ、ダスティン・ホフマンが若い嫁さん連れて自分の田舎に戻るじゃないですか。
 
H:うんうん。
 
リ:あの映画冒頭のシーンとか…秀逸だなと思ったのが、スーザン・ジョージが白いピタピタのセーターを着て、ノーブラで田舎町を歩いてるところをどアップで…
 
H:そういうのもね、印象に残るんだよね。
 
リ:[そのシーン]から始まるんですけど、これは只事じゃ済まないぞと、俺は子供ながらに思ったんですよね。
 
H:ああ子供だったんだ(笑)それで、さっき聴いた「死ぬほど愛して」、ガブリエラ・フェリって人が歌ってんだけど、これのアレンジを聴いてて、あれ?どっかで聴いたことあるな、と思って、思い出したのが八代亜紀なんだよね(笑)
 
リ:(笑)
 
H:日本のね、歌謡曲の原点なんだよな。ちょっとね、聴きながらしゃべっていい?"舟唄"だよ。
 
リ:おお。
 
 
舟唄 - 八代亜紀
 
 
H:ね、ちょっと似てるでしょ?(笑)この鍵盤の感じとか。
 
リ:さっきの感じにちょっと磯風味を強くした感じっていうんですかね(笑)
 
H:そうそう、磯くさい(笑)いやー、だからカルロ・ルスティケッリっていう作曲家は日本の歌謡界にすごい影響力があった。
 
リ:そうですよね。でもやっぱ、歌謡曲は色んな世界中のイケてる音楽を同時進行で使っていくっていう…
 
H:そういうのがおもしろかった時代があったんだけど、今はちょっと、変わっちゃったよね。
 
リ:今はもうなんかこういう…イケてるものは編曲に使おうという、歌謡曲っていう概念がもう無いんですよね。
 
H:残念ながらね。
 
リ:ラテンジャズが流行ったらラテンジャズでいこう、とか。
 
H:そうそう(笑)
 
リ:マンボが流行ったら、タンゴが流行ったらって、もう…無尽蔵に節操なしにいれてた頃がおもしろかったですよね。
 
H:おもしろかった…1950年代、1960年代ぐらい、ね。おもしろかったね、日本も。なんか最近…おもしろくないんだよな。
 
リ:(笑)
 
H:えーっとじゃあね、ルスティケッリの…さっき「わらの犬」[って言ったけど]…じゃなくて「わらの男」のほう、聴いてみてください。
 
 
L'uomo di paglia - Carlo Rustichelli
 
 
H:1分9秒しかない。
 
リ:でもやっぱ…こうやって聴くとこの曲も『万引き家族』に合いそう…(笑)
 
H:でしょう?(笑)
 
リ:なんかあの辺の、下町歩いてる感じとかね。
 
H:そういう…初期はね、やる前はそう思ってたの。イタリア映画、カルロ・ルスティケッリと日本で言えば『用心棒』みたいな、あの映画のマンボみたいな。これやったらおもしろいだろうな、って思ってたんだけど、今はマジメにやってます。
 
リ:(笑)やっぱりご自分の作品をやるのと映画音楽もね、たくさんやってらっしゃいますけど、やっぱりその、面持ちというか…
 
H:いや両方ね、好きなんですけどね、映画音楽つけるの。でも、やっぱり監督の作品なので、監督の言うことが絶対、ですよ。でもソロは自分勝手にやってますから…
 
リ:(笑)
 
H:まあ自由ですよね。その代わりシバリがあんまりないんで、映画のほうがこう、自分で思ったことがないような音ができてきたりするんで、おもしろいよね。
 
リ:宿題があるほうがまたなんか違うものがつくりやすいってのもありますよね。
 
H:そうですね、んー。リリーさんは演技の勉強なんてのはしてないですよね?
 
リ:そうですね(笑)してないんですよね。
 
H:天性の…やっぱり才能ですね。
 
リ:なんていうんですかね。今でもワケがわからずにやってるんですけども…
 
H:監督さんにすごく好かれてますよね。あらゆる監督さんというかね。
 
リ:んー、たぶん、最初から僕に興味を持ってなかったら呼ばれないので…
 
H:いやいや、あの…他にこういうキャラが少ないんですよ、たぶんね。なんかこう…外国にはいますよ、へ、ヘンなっていうか…(笑)
 
リ:(笑)
 
H:おもしろい…なんていうんだろ、こう、んー…今時の若者じゃない、俳優さんってなかなか貴重なんですよね、んー。
 
リ:いやでもなんか、そうですね…今回是枝さんに出して頂いて、そして細野さんが音楽だって聞いてちょっと小躍りしましたもん。
 
H:(笑)そっかそっか…では、もう一曲、カルロ・ルスティケッリの…何がいいかというと…これ日本人が歌ってるんだけど…
 
リ:それは元ある映画音楽のメロディーに歌詞をつけて歌ってるっていうことですか?
 
H:そうそう。あのね、『誘惑されて棄てられて(Sedotta e abbandonata)』っていうおもしろい映画があって、すごい好きなんですけど。
 
リ:もうタイトルが映画の全てを言い表している…(笑)
 
H:ステファニー・サンドレッリ(Stefania Sandrelli)っていうすごい美人の女優さん…当時ね、が主演だったんですけど。それの音楽が良くて、日本の人がカヴァーしてて日本語で(歌詞を)つけてるんですけど、それを聴いてみてください。「誘惑されて棄てられて」、歌ってるのは牧村旬子さん。
 
 
誘惑されて棄てられて - 牧村旬子
 
 
 
リ:やっぱりこの…曲調はヨーロッパの音楽ですけど日本語が入ると…ヨーロッパ的なものに日本の怨念が載りますね(笑)
 
H:日本の人が歌いやすい音楽なんだろうね、このイタリア映画の。
 
リ:うんうんうん。
 
H:僕は子供の頃に映画を観に、母親に連れていかれて、予告編にピエトロ・ジェルミの新作予告編っていうのがあってね。『鉄道員(Il Ferroviere)』っていうのがあって。まあすごい暗いんですよね。大人になって観ると素晴らしいんだけど。予告編が特にその…暗い短調の音楽が鳴ってて、女性が泣き叫んでる。そういうサントラがあるんで聴いてみますか?
 
リ:はい(笑)
 
H:じゃあ「鉄道員のテーマ」です。
 
 
Il Ferroviere - Carlo Rustichelli
 
 
H:というわけで…(笑)
 
リ:霧が深い…(笑)
 
H:そうそうそう(笑)
 
リ:これは、イタリアの方が聴くと暗い方面なんですかね、エレガントに感じるんですかね。こういう音楽っていうのは。
 
H:なんだろうね、イタリア人って陽気かと思うと、こういう暗さはすごい多いよね。なんか深刻だし。
 
リ:そしてまたなんかイタリア語とかイタリア人の名前とかって、叫ぶ音に合ってますよね。ああいう「マルチェッロ!」みたいな時とか(笑)
 
H:そうそう(笑)
 
リ:声を張っても暗く感じるっていう言語なんでしょうね。
 
H:そうなんだね(笑)そういうなんかこう、短調の世界って今、日本に無くなっちゃったんだよね。
 
リ:んー。
 
H:この作家、カルロ・ルスティケッリってマイナーの音楽ばっかりなんだよね。イタリア人ってそうなのか、って思って。日本人逆に明るくなっちゃって、今。
 
リ:でもなんか短調のもののほうがいわゆる…昔は戦争を鼓舞させる気持ちにさせるのは明るい音楽じゃなかったみたいですけど。日本は逆に明るいほうで鼓舞させてね、やっていたんですけど。
 
H:そうそう、そうだったみたいね。んー。いやあ、話は尽きないんですが…きょうのゲストはリリー・フランキーさんでした。
 
リ:(笑)
 
H:また映画、楽しみにしてます。
 
リ:いや、もうご覧になってるはずです(笑)
 
H:いやいや、また新作もね、これからあるでしょうから。じゃあ、まあどこかで。
 
リ:ぜひ、また呼んでください。
 
H:お願いします。どうもありがとう。