2020.05.31 Inter FM「Daisy Holiday!」より

手作りデイジー🌼#07: Quarantine Holiday02

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(以下、特記無き場合はH:)

 

 こんばんは、細野晴臣です。先週は岡田崇くんにやってもらってホントに…助かりましたね。どうも僕は集中し過ぎる性分なんで、5週分ほどやって、もうね、力尽きちゃいまして(笑)まぁ疲れちゃったんですよね。とはいえ、毎回ホントに楽しく作ってたんですけど。しかもね、こういう…人と距離を置いて、という。経験が無い社会状態で。まぁ、隔離状態ですね。だから「Stay Home」というよりも「Quarantine」っていうんですかね。そういう時期に聴いてるみなさんがホッと一息つけるような…あえて言うならAMラジオのような番組を作ってみたいな、と。思ってやってきたんです。で、今夜は…いつもはレギュラーなんですけど、こういう時期なので、ゲストとしてコシミハルさんを呼んでます。後ほどお楽しみください。

 その前に1曲。今週の「真夜中のランチタイム・ミュージック」。さぁ、この曲はなんでしょう?聴けばわかります。スリーサンズ(The Three Suns)で…

 

 

Parade of the Wooden Soldiers - The Three Suns

 

 

さぁこれはもう…みなさんご存知の「3分間クッキング」のテーマ音楽ですね。"おもちゃの兵隊の行進"という曲。毎日放送してます。原題は"Parade of Wooden Soldiers"でした。

 

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 H:はい、こんばんは。

 コ:こんばんは。

 H:誰?

 コ:コシミハルです。

 H:そうね。

 コ:すごい、おひさしぶりです。

 H:ひさしぶりだよね。

 コ:はい。

 H:今年初めてかな?先週はね、岡田くんがここに来て。

 コ:はい。

 H:やっぱり今年初めてだったの。いや、この2ヶ月は大変だったよね。

 コ:はい。

 H:どうしてました?

 コ:ほとんど外に出ないですね。

 H:もうじゃあ、「Stay Home」そのままだね。

 コ:はい。ぜんぜん歩かないし。

 H:うん。困ったもんだね(笑)どうして?

 コ:散歩もしなくなっちゃいましたね。わからない。

 H:なんかこう、前向きにやってこう、みたいな感じじゃないわけね。

 コ:うーん…(笑)

 H:じゃあ部屋でなにをやってたの?

 コ:部屋でね、あの…これがあっという間に一日が過ぎるのね。

 H:あ、そう?人によるけどね(笑)なにやってるの?

 コ:料理がおもしろくて。

 H:あ、作ってるわけね。毎日?

 コ:そうそう。毎日ね、作ってる。で、1週間に一度ぐらいお買い物に行くんですけど。

 H:うん。

 コ:いま、春だと…新鮮なもの。野菜とかね。

 H:やっぱり季節は春だね。

 コ:きれいな色だなぁ~!って思う。

 H:自然界はそうだよね。桜が咲いて、ツツジが咲いて。

 コ:ね。

 H:緑がきれいになって、虫がわいてきたという。

 コ:(笑)あとはね…YouTubeにね。

 H:うん。

 コ:いっぱい、いろんなダンスの動画があるでしょ。

 H:あー、ダンスね。

 コ:それを見ながらね、踊るの。

 H:じゃあ、散歩しなくても運動してるっていうことね。

 コ:うん。ちょっと動いてるかな?

 H:なんか、ダンスが上手くなった、とか言ってなかったっけ?

 コ:うん、ちょっとね(笑)毎日やってるからね(笑)

 H:マスターしちゃったの?たとえば、あ…ムーンウォークができるようになった、とか言ってなかったっけ?(笑)

 コ:(笑)まぁね、いろいろ…いろんなことをして…

 H:見てないな、その成果を。んー。

 

 コ:こういう状態になってから、えーとね…まずレコーディングが延期になっちゃった。

 H:まぁ、そういう人はいっぱいいるけどね。

 コ:そうだね。私はやっぱり、映画を観に行ったりね、劇場でダンスなどを観たりするのがすっごい楽しみなので。

 H:ね。ですよね。

 コ:なので、それが無くなっちゃって。これからどうなっていくのかな、っていうのが…もう、とても心配。

 H:いちばん…被害をこうむってるのは映画産業だね。

 コ:そう。もう、楽しみにしてた映画がぜんぶ観れないですからね。いまね。

 H:知ってる。あの…「ピーター・ラビット」(笑)

 コ:(笑)

 

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 H:曲を紹介してもらおうかな。

 コ:はい。

 H:なにかな?

 コ:えーと、"Skylark"。ジョニー・マーサー(Johnny Mercer)とホーギー・カーマイケル(Hoagy Carmichael)の。

 H:作詞・作曲のね。うん。

 コ:はい。これをハーモニカの…トゥーツ・シールマンスToots Thielemans)。

 H:いいですね。トゥーツ・シールマンス、大好きです。

 

 

 Skylark - Toots Thielemans

 

 

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 H:だから…人間っておもしろく生活してるんだよね、普段(笑)

 コ:うん。

 H:それが当たり前でわかんないけど。無くなってみて初めて…いろいろ考えるよね。楽しかったな、って。

 コ:うん。

 H:街をぶらぶらするだけで楽しいじゃん。ウィンドウ・ショッピングとか。別に目的もなくね、洋服屋さん。ミハルちゃんといえば洋服…あれ、この時期も服は買ってたでしょ?でも。通販で(笑)

 コ:通販で買いました(笑)

 H:なんか、ときどき相談のメールが来るんだけど(笑)なんで相談するの、僕に(笑)

 コシ:ちょっと…どうかな?って。ね?(笑)

 H:僕でいいわけ?いろんな色があって、形があって、どれが良いと思うか、なんてね。困っちゃうんだよね(笑)

 コ:(笑)

 H:だから適当に、自分の感じで…これでいいんじゃないの?みたいなね。

 コ:ね。洋服楽しいよね。楽しいでしょ?ファッション。

 H:いや、僕はそうでもないよ。

 コ:あ、そうなの?(笑)

 H:もう、なんでもよくなっちゃうんだよ。良くないね、これね。だって…まずほら、ヘアカットできないんだよ、なんだか。この時期。

 コ:あ、そう?(笑)

 H:ボッサボサでしょ?そういえばミハルちゃんも髪の毛伸びてるよ。

 コ:はい。ロングヘアーになってきました。

 H:なんかいつもと感じが違うよね。いつもショートだったから。いまロングヘアーだもん。

 コ:(笑)

 

 H:さて、また来てもらうことにして、今回はもうね…30分番組なんで。

 コ:はい。

 

 

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 というわけで、「コシミハルのCafe du Carrefour」。また、そのうちやりたいと思います。

 

 ところで、先々週お届けしたコント「いらっしゃいませ」。もう一つあるんですね。ガソリンスタンドの風景なんですけど。まぁ、「いらっしゃいませ」にはちょっと敵いませんけど…やはり東榮一くんが出演してますので。ぜひ、お聴きください。

 

 

コント:ガソリンスタンド - 細野晴臣、東榮一ほか

 

 

  さて、ここからはですね…前のコントと同じなんですけど、2001年8月12日に放送された「Daisy World」の中のですね…ゲストにすばらしい方をお呼びしていたんですけど。瀬川昌久さん。この方はジャズ界唯一無二のレジェンドと呼べる音楽評論家なんです。戦前のジャズを発掘したり、復刻したり、日本のジャズ・ポピュラー界ではとても大事なお方なんですが…その瀬川さんがコシミハルと初めて会うという場面をこの番組の中で設定したわけですね。で、瀬川さんはコシミハルの『Frou-frou』というアルバムの中の"There's a Small Hotel"という曲をいたく気に入られたようなんで。コシミハルが本当に喜んでいる姿をここで聴けるんです。貴重な録音を、ぜひ聴いてください。

 

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 コ:あ、こんばんは。

 瀬川:こんばんは。

 H:いらっしゃいませ~(笑)

 コ:今夜はね、なぜ瀬川さんをお招きしたかというと、実はこの前出した『Frou-frou』というアルバムを瀬川さんが…

 H:ね、お聴きになって…

 コ:ね。なんか、聴いてくれたという…

 H:なんか、番組でもかけて頂いたり。

 瀬川:ええ。実はね、朝日新聞で…コシミハルさんの新しいCDアルバムが出た、と。『Frou-frou』というね。そこではアメリカのポピュラーソングやフランスのシャンソンをフランス語で、きれいに歌っておられるということで。で、早速ラジオ局のディレクターにも話をして。この『Frou-frou』をね、手に入れて。それで1曲ずつ聴いていったんですよ。そうしたらね、その"There's a Small Hotel"のところに来ましてね、もう、始めのね、出だしからね、あっ、どっかで聴いたことがある、と。そのうちにピアノがポロポロポロと。それからボーッというね、テーマのサウンド。そしてその後に出てくるコーラス。これがね、まったくクロード・ソーンヒル(Claude Thornhill)のかつての"There's a Small Hotel"と…もう、ホントに似た魅力を持ってるわけですね。それでわたくしはね、2回ばかり聴いて。クロード・ソーンヒルのレコードを持ってきまして。それでかけてみた。これはもう、間違いないと。

 2人:(笑)

 瀬川:それでね、まぁ、みんなおもしろかったんですが…ホントにきょう、お目にかかれてうれしいですよ。

 コ:いやー、私もなんか…そういう風に聴いて頂けたの初めてなのかも…

 H:そうだね。

 コ:ちょっと、すごいうれしいです、私のほうが。ホントに…

 

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There's a Small Hotel (C'est un nid charmant) - コシミハル

(from『Frou-frou』)

  

 

 コシミハルによる"There's Small Hotel"でした。クロード・ソーンヒル&ヒズ・オーケストラ。すごく大事なジャズバンドなんですけど。もう、そのサウンドに魅せられてですね、僕とコシミハルは「完璧に移し替える」…つまり、アナログからデジタル。デスクトップ・ミュージックとして古い音楽を捉えていた、と。これを「シミューレショニズム」と呼んでいました。聴いてください、"Snow Fall"。

 

 

Snow Fall - 細野晴臣

(from『PEACE ON EARTH』)

 

 

言い忘れましたがこの"Snow Fall"は『PEACE ON EARTH』という桑原茂一監修のアルバムに入れた…僕自身の作品なんですけど。クロード・ソーンヒル・オーケストラをぜひ、聴いてみてください。

 

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 きょうの最後の曲なんですけど。先日、ひさしぶりに新作映画を借りて観たんですね。それは『Doctor Sleep』。もとは『The Shining』です。そのどちらにも使われている音楽、レイ・ノーブル&ヒズ・オーケストラ(Ray Noble & his Orchestra)で"Midnight, the Stars and You"。

 

 

Midnight, the Stars and You - Ray Noble & his Orchestra

 

 

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