2019.07.07 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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H:こんばんは。細野晴臣です。えー、きょうは…この番組では初めてですね。ハナレグミ永積タカシさん。

ハ:はい…

H:よろしくお願いします。

ハ:うわー、もう…よろしくお願いします!呼んでもらえてホントに光栄です。

H:いやいや…なんか明るいね(笑)

ハ:(笑)大丈夫ですか、僕、この感じで…

H:大丈夫(笑)いま、時差ボケがまだ治んなくて…

ハ:あ、ツアーの帰りですか?

H:そうそうそうそう。

ハ:あの、YouTubeで…ロサンゼルスかな?での公演が上がっていて。あれを見せてもらって…

H:あー、上がってますね。

ハ:あんなに緊張しているマック・デマルコ(Mac DeMarco)見るの初めてで…(笑)

H:たしかに、少年のような…

ハ:そうでしたね(笑)「いっしょに演奏できてうれしい~」っていう気持ちと、なんか、入り混じってて…

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H:いやいや…もう、あれから10日以上経っちゃったけど…時差ボケが治んないっていう(笑)

ハ:(笑)

H:歳とるとこうなんだよな…

ハ:YMOのときとかも[海外に]行ってたりするじゃないですか。その頃とはステージに立つ気分はやっぱり違うんですか?

H:ぜんぜん違うね!あのときは3人いて、その中の1人だから、気楽って言えば気楽だけど…なんて言うんだろう、もう自動的に音が出たりね、するじゃない?テクノって(笑)

ハ:(笑)

H:こっち[本体]が調子悪くても関係ないんだよね(笑)でも生は、調子悪いとホントにひどいことになるじゃない。

ハ:うんうん…

H:声が出なかったりとかね。[今回は]幸い、ドリンク剤飲んで元気になって…(笑)

ハ:(笑)

H:自分はどうなんですか?ハナレグミの場合は。いつもひとり…元々ひとりなの?

ハ:元々はSUPER BUTTER DOGっていうバンドをやっていたんですよ。いまレキシっていうのをやってる池田くん(池田貴史)と、あと他3人で始めたんですけど…

H:うん。

ハ:そうですね、その当時はたしかに…自分が調子悪くても他のメンバーに頼れるところはありましたね。

H:そうだよね。いまは1人だもんね。U-zhaanとやってるんだっけ?

ハ:そうですね。いまちょうど、ホントに、U-zhaanとツアーやってる途中で。あと、U-zhaanはホントに…2人なんですけど、1人でも完成しちゃうじゃないですか。タブラだけでも。

H:はい。

ハ:だから…ある意味バンドのように委ねられるから、なかなか、そういうメンバーが1人いるとすごい…

H:U-zhaanはいいよね。ツッコミがいいなぁ、と思って。

ハ:ツッコミがいいですね…(笑)

H:早いよね。

ハ:早いんですよね(笑)

H:ああいう人はなかなかいないんだよね。ミュージシャンで。

ハ:そう。あとすごくアイディアが豊富なんで、「もっとこういう風にしたらいいんじゃない?」とか。

H:いいね。2人って自由だね。

ハ:自由ですね。

H:バンドだと、そこはちょっと自由ではないけどね。

ハ:んー。

 

H:じゃあ、挨拶代わりに、1曲聴かせてください。

ハ:あ、いいですか?じゃあ、自分の曲でいいですか?

H:もちろん。

ハ:じゃあ、『SHINJITERU』っていういちばん新しいアルバムなんですけど、そこから"深呼吸"って曲なんですけど…これ、是枝監督(是枝裕和)の

H:あっ。

ハ:細野さんの一つ前にやった『海よりもまだ深く』っていう映画のために書き下ろした曲なんですけど。"深呼吸"。それを聴いてください。

H:ぜひ。

 

 

深呼吸 - ハナレグミ

(from 『SHINJITERU』)

 

 

H:おお…良い曲だ。

ハ:ありがとうございます…

H:声が出るなぁ。

ハ:いやー…(笑)

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H:えーと、いくつぐらいから歌い始めてるの?

ハ:歌は、もう…子どものときから親が車の中でかけてるカセットがすごく好きだったんですよ。

H:あー。

ハ:そのカセットに合わせて歌ったりしてるのが…もうホントに、小学校低学年とか、それぐらいからの記憶がありますね。

H:元々歌が好きなんだね。

ハ:そうですね。やっぱり…友達とか親が喜んでくれたのがうれしかったんだと思うんですよね。あとは…部屋でひとりで遊んでることも多くて。

H:うん。

ハ:そういうときにずっとカセットをかけてて。そのときに編みだした自分のひとり遊びが1個あって。

H:なんだろう。

ハ:好き過ぎて…なんの曲だったか忘れた…井上陽水さんかなんかの曲が好きで。それをカシャッとかけるんですよ。で、一回それをかけたまま、歌いながらその場所を離れて、町内会を1周して来て、戻ってきたときに同じタイミングで帰ってこれるゲームっていうのを…

H:すげぇな。そんなの聞いたことない(笑)

ハ:それでなんかグルーヴ…テンポ感を養ってたのかもしれないですね(笑)

H:「絶対テンポ感」みたいのがあるんじゃないの?(笑)

ハ:あるんですかね?(笑)

H:そうか、じゃあ、テンポ感はすごいんだね。

ハ:そうなんですかね…?

H:ひとりでやっててもテンポ感はバッチリってことだよね。

ハ:そうですね…でも、やっぱりリズムとかは好きですね。なので、小っちゃいときも…自分なんかの世代では多いと思うんですけど、マイケル・ジャクソンMichael Jackson)とかの影響が大きくて。

H:あー、そう。

ハ:なんでこの人の音楽はこんなに身体が動くんだろう、と思って。

H:なるほどね。そっちのほうに…リズム&ブルース系のほうに行く可能性もあったわけね。

ハ:そうですね。ただ…なんか、そこまで深く、ひとつの音楽に入りこむっていうほどの集中力がなかったんで…(笑)

H:あ、そうなの?意外だな(笑)テンポには集中してたのに…

ハ:集中したんですけど、なんか…そうですね…

H:やっぱり、じゃあ、自分で[音楽を]作り始めたのは早いでしょ?

ハ:うーん…始めたのは、でも、いつからだろう…20代になってからですかね。

H:あ、そう。じゃあまあ、自分もそうだしな。

ハ:なんか…とにかく人の曲を口真似、ものまねみたいな感じでずっと歌って…

H:誰の真似が得意なのかね。

ハ:誰の真似かな…でも、とにかくマイケルとかは真似してましたね(笑)

H:ホント?(笑)

ハ:ムーン・ウォークとかやったりしてましたけどね(笑)

H:えー!(笑)ちょっと聴いてみたいですよ。

ハ:(笑)マイケル…「ポゥ!」とか言ってましたけどね(笑)でも、やっぱりマイケルってすごくハイトーンじゃないですか。

H:すごい高い。うん。

ハ:高いですよね!で、いま思うと、僕、自分がバンドやってたときに…なんとなく目指してたのは、ハイトーンというか、女性の声になりたいな、というあこがれがずーっとあったんですよね。

H:へぇ。

ハ:だから、レコーディングを自分が初めてやったときに、もっと女の人みたいな声で歌いたいのにな、っていう…

H:それもなんか、特徴があるな。それも。

ハ:あ、ホントですか?

H:僕は考えもつかないよ、こんな声だから(笑)

ハ:いやいやいや(笑)僕、前に[中野]サンプラザでクラムボンと細野さんといっしょにやらせてもらったときに…

H:あ、いっしょにやったね。

ハ:アンコールでクリスマスソング、やったじゃないですか?

H:やったね。

ハ:あのとき初めて横で細野さんが歌っている声を聴いて…ちょっと鳥肌立ちましたもんね。

H:えぇ…(笑)

ハ:なんかやっぱり、ステージをいっしょにするとその人がどういう音を出してるかって…

H:あー、生だもんね。

ハ:はい。なんか…言葉以上に伝わってくるじゃないですか。だから、細野さんがどういう反響を身体の中でさせてるのかな、っていうのが…

H:見られてたんだね、隣で(笑)

ハ:そう、あのとき細野さんのマネージャーさんにもすぐメールしたけど…昔のブルースマンの人とかって譜面じゃなくて、いっしょにステージに立ったりとかして身体で学んでいる感じがあると思うんですけど…振動を身体に浴びると、振動で憶えている熱量っていうんですかね?メッセージ?

H:うんうん。

ハ:メッセージするまなざしみたいなものを感じるなぁ、と思って。こういうことなんだなぁ、って思った記憶がありますね。

H:そうかそうか。繊細だね(笑)

ハ:(笑)

H:あんまり考えたことなかった(笑)

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H:最近、人の曲を聴いたりして「あっ」とか思ったりすることはあるんですか?

ハ:…これは細野さんを前にして言うアレじゃないんですけど、こないだの『HOCHONO HOUSE』を聴いて…

H:あ、『HOCHONO HOUSE』。

ハ:1曲目のイントロがかかってすぐに、ちょっとやべぇ!と思ってストップボタン押しましたよね(笑)

H:(笑)

ハ:ドキドキして…(笑)

H:あ、そう(笑)

ハ:で、なんか…この5,6年ぐらいなんですけど、「音楽不感症」みたいのに段々なってきちゃってて。

H:あー、職業病だね(笑)

ハ:そうなんですよ(笑)で、ひさしぶりにイントロ聴いて、あ、これすごいこと始まるんだろうな!って、いったんストップして、聴き直したっていう…ホントにすごいひさしぶりで。

H:あ、そう。

ハ:そうなれた自分がすごくうれしかったんですけど。

H:そうなんだ。1曲目って、だから…アルバムの1曲目?

ハ:1曲目ですね。あのラジオの…

H:あー、ラジオのやつね。

ハ:ラジオの音から今の音に戻ったときに、うぉぉ!って思って(笑)

H:また止めたの?(笑)

ハ:止めて(笑)もう1回ちゃんと聴き直そう、みたいな。まだイントロすぐなんですけど(笑)

H:そうなんだ。そうやって聴いてくれる人もなかなかいないよね。

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ハ:なんでしょう、僕、ホントに『HOSONO HOUSE』ばっかり聴いてたときがあって…

H:あ、あったんだ。

ハ:ありましたね(笑)やっぱりハナレグミやってて、影響されてる部分も絶対的にあって…

H:あ、そうなんだ。

ハ:僕も米軍ハウス住んでたんですよ。

H:え!どこの?

ハ:僕は立川のほうだったんですけど。

H:本格的なほうだ(笑)

ハ:そうですか?(笑)いやいや、たぶん細野さんが住んでた時代のあそこら辺(狭山)もかなり本格的だったと思うんですけど。

H:(笑)

ハ:それもあって僕は…それこそ鈴木惣一朗さんと、自分の家でレコーディングをしたんですけど…

H:レコーディングしたんだね。そうかそうか…

ハ:やっぱり、ああいう細野さんの音みたいにはぜんぜんなれないし、なれなかったし…あとは、それを入り口にジェームス・テイラーJames Taylor)とか聴いたりもしてたから…

H:そうなんだ。そこから聴き始めたんだね。んー。

ハ:はい。そういう時間とか…いろいろやっぱり、不思議ですよね。記憶の栞みたいに…オリジナルの『HOSONO HOUSE』はあって。

H:栞?んー。

ハ:その栞のはずなんだけど、また今回のやつは未来っていうか…不思議なところが過去の記憶と繋がっているんだけど、ある部分では未来からお便りが来ている…(笑)

H:(笑)

ハ:不思議な感覚で。

H:それは、なんとなくわかるわ。自分でもへんてこりんな気持ちだったからね。

ハ:やっぱり、でも、自分のアルバムを…リミックスって言うんですか?

H:なんて言うんだろうね?なんて言っていいかわかんなくてね。

ハ:すごいハードルじゃないかなぁ、と…(笑)

H:いやー、もうね…大変難しかったねぇ。

ハ:ぜったいそうですよね!

H:やる前はね、なんか、気楽だったの。やり始めて、しまった!って思ったね。

ハ:(笑)

H:やっぱり、自分に向き合わなきゃいけないっていうのがけっこうツラい。

ハ:んー、そうですよね。

H:しかも、今の自分が表現できるように変えていかなきゃいけないし。昔のまんまコピーしてもしょうがないしね。

ハ:うんうん。

H:ひとりでここでね、このスタジオでやってて。七転八倒やってたね(笑)

ハ:そう…だからライナーノーツ見て、これぜんぶひとりなんだな、と思って。

H:そうなんだよ。

ハ:ただでさえひとりって、集中力とかエネルギー要るのに、それをまた…リアレンジって、一回完成したものをもう一回完成に持っていく…

H:そうそうそう(笑)

ハ:これはすごいハードルだなぁ、と思って…(笑)

H:これ、みんなやってもらいたい、こういうことは(笑)

ハ:(笑)

H:ホントに…やるべきだと思う(笑)ある時間、経ったらね。僕はもう、だって…46年ぐらい経ってたわけだから。

ハ:んー。

H:それぐらい経つと、やっぱり、やってみる価値もあるね。んー。

ハ:その…今だったから再現できた、みたいなこともあるんですか?

H:あるんですよ。

ハ:何かで読んだやつで…リズム楽器が、ヤオヤ(Roland TR-808)とか昔のやつを使ったけど今に合わなくて、新しくリズムの音源を導入した、っていうのは…

H:そうそう、そうなんだよ。だから途中でね、やめて、それに詳しい人を呼んで、いろいろシステムを変えてったの。

ハ:んー。

H:でも全部変えると、なにからなにまで変えなきゃならない。それはちょっと難しいんで途中でやめて、新旧織り交ぜて…だから、すごい半端な感じでやったんだよね。どんなシステム持ってんの?

ハ:いや、僕はホントに…ギターしかほぼ弾けないんで(笑)

H:(笑)

ハ:打ち込んだりとかもぜんぜん出来ないんですよ。

H:あ、ホント?いいね、そのほうが(笑)思い切りがよくて。

ハ:ホントに、ギターを弾いて机の前でうう…って作ってるだけなんですけど…(笑)

H:いいじゃん、それがいちばんだよ。

ハ:でも、あこがれて買うんですけどね。リズムマシンとか。買うんですけど、ちょっと触ると、あ、やっぱり違うなぁ…

H:向いてないんだ(笑)

ハ:そう、向いてないのかなぁと思って…だから、ついつい途中で頓挫しちゃって。あとはマニピュレーターみたいな人に入ってもらってお願いしたりとか。

H:それでいいんじゃないの?僕も最近めんどくさくて。入りこむのがイヤなんだね。マニュアル読まないしね。

ハ:(笑)

H:大っ嫌いなんだよね(笑)さっぱりわからない。

ハ:でも、きっとYMOとかその頃に、とことんやりきったんですよね。きっと。

H:やりきっちゃったな。なんでもね、やりきんないと気が済まないタチだから(笑)

ハ:たぶん、すごい音を精査して、精査して…

H:そうそう、使い果たしたね。Prophet-5、隅から隅まで使い果たしたね。

ハ:カッケェ…

H:いやいやいや…(笑)

ハ:やっぱり、ひとりで完結できるっていうのがおもしろかったんですか?

H:そうだね。バンドの良さはもちろん…その前はずっとそうだったけど。ひとりでこういう、脳内の音を…イマジネーションそのまんま、音が出せるんだ、と思ってね。

ハ:んー。

H:没頭しちゃうんだよね。そういうことにね。脳内音楽っていうかな。

ハ:じゃあ、細野さんが曲をひらめくときっていうのは、まず頭に鳴ってる音から始めるんですか?

H:そういうときもあるし、いろんな場合があるけど…先に鍵盤弾いちゃったりとか、ギター弾いたりとかね。まあ、いちばん自分に合ってるのは…ギターで曲作るのがいちばん好きだよ。

ハ:あ、そうなんですか!

H:だから、おんなじだと思うよ(笑)ギターがいちばん好きな楽器だから。だから、ライヴでもいつもギターしかやってないんだよね。

ハ:[細野さんの]ギター、めちゃくちゃ良い音ですよね。あのアコギの…

H:古いアコギのね…やっと自分の好みのギターに出会った、っていう感じで。昔からね…フォークやってたから、僕も。

ハ:うんうん。

H:で、みんなマーティン(Martin)使ってるのね。まあ、高い、アメリカのギターですけど。シャランシャラン、派手な音がするでしょ?

ハ:(笑)

H:なんか違うんだよね(笑)で、ギブソンGibson)系の音って、なんかね、地味なんだよね(笑)

ハ:(笑)

H:それが好きで好きで。はっぴいえんどの頃…それが終わった頃に、小坂忠からギブソンのJ-45っていうのを借りて、ずーっと使ってたら、もう自分のものみたいになっちゃって。ある日「返してくれ」って言われて(笑)

ハ:(笑)

H:えー!返すのか!って思って(笑)自分の息吹が、もう乗り移ってるんだよ。ギターに。で、お別れしなきゃいけない。

ハ:それツラいですね(笑)

H:ツラかった!だからもう、必死にJ-45を探したんだけど、なかなか出会わなくて。

ハ:んー…

H:で、ある日、ニック・ルーカス(Nick Lucas)タイプの、もっと古い、いま使ってるやつ。

ハ:はいはい。

H:あれが1936年製かな。

ハ:はー…

H:自分より年寄りだから(笑)おじいちゃんギター(笑)

ハ:(笑)

H:その地味さがもう、ウワッ!と思って(笑)

ハ:あれってロバート・ジョンソン(Robert Johnson)とかも使ってる…?

H:使ってるかなぁ…

ハ:なんか似てて、いっしょなのかなぁ、と思って。

H:時々使ってる人いるね。ボブ・ディランBob Dylan)が使ってたりとか。

ハ:あ!そうなんですか。

H:でも、ずーっと使ってる人はいないね、あんまりね。僕ぐらいで。

ハ:日本で使ってる人見たことないですね…

H:あ、そっか。

ハ:黒色っていうのもめずらしくないんですか?

H:いや、だいたい黒みたい…よくわかんないんだよね。ちゃんと調べたことないんだけど(笑)

ハ:あ、そうなんだ。

H:で、あのホールの中の奥にラベルが貼ってあって「Nick Lucas」って書いてあるんだよ。

ハ:えー…それはバッと弾いて、これだ!みたいな…

H:そうそう、御茶ノ水辺りの楽器屋で…(笑)

ハ:やっぱ細野さんも御茶ノ水で楽器屋めぐるんですか?

H:そういうときもあるよ、もちろん(笑)そうしないと手に入んない…

ハ:そうですよね(笑)[周りの人が]みんな持ってきて、「どうですかこれ!」みたいのは…

H:そんなのは…まあ、ベースはね。よく持ってきてくれるんだけど。ベーシストだとみんな思ってるみたい、僕のことを(笑)

ハ:いや、だいぶそういう印象ですよ(笑)

H:そうだよね(笑)だからギタリストとは誰も思ってくれないんで…(笑)

ハ:でも、それこそロサンゼルスのアンコールでベース弾いたらオーディエンスがウォォ!みたいになってましたよね。

H:弾いちゃった。まあ、日本とおんなじだね、これは(笑)

ハ:すごい…そっか…

 

H:なんかかけようかね。1曲ではアレなんで…もう1曲、きょうはハナレグミ特集なんで。

ハ:いや、うれしいですね。ただ…じゃあ…ちょっと今かけられないんですけど、レコードでしかなくて…ただ、大好きで…ジュリー・ロンドン(Julie London)っていう人の…

H:お。

ハ:"I Left My Heart in San Francisco"って曲が…おじいちゃんがレコードが好きで、そのおじいちゃんがくれたレコードで。

H:あ、おじいちゃんのレコードだ。いい趣味だな。

ハ:この人の声が、もうホント、子どものときから…高校生ぐらいのときから好きで。

H:僕も好きだな。

ハ:あ、ホントですか?なんか、こういう声に…さっきの、女性の声にあこがれた、っていう意味では、この人の声がすごいあこがれではありますね。

H:んー。おもしろい話だな。女性の声にあこがれる男の人…んー、おもしろいな、これは。

ハ:(笑)あこがれですね。

H:いや、わかるような気がしてきたな。女声ボーカル、僕、大好きだから。[自分が]女だったら歌ってるだろうね、そういうの。もっと高い声だったら。いいなぁ。

ハ:んー。

H:昔ね、ビーチ・ボーイズThe Beach Boys)が好きだったから、ああいう声出したくてしょうがなくて。どうしても出ないんだよね(笑)

ハ:(笑)

H:でも、大瀧詠一に歌って聴かせたら、すごい笑ってたね。低いビーチ・ボーイズ。♪If everybody had an ocean~とか。

ハ:カッコいいですけどね(笑)

H:いやいや(笑)カッコいいっていう話でもないんですけど…(笑)

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H:じゃあちょっとそのジュリー・ロンドン、ここにあったので。"I Left My Heart in san Francisco"?これ。

ハ:はい。

H:あ、[声が]似てるね。

ハ:あ、ホントですか?

H:なんか似てるわ。ジュリー・ロンドンなんだ!(笑)

ハ:(笑)ジュリー・ロンドンになりたい!いつかは…

H:へぇ…新発見だな。

 

 

I Left My Heart in San Francisco - Julie London

 

 

 

H:というわけで、30分経ってしまいました。

ハ:あっという間で…

H:あっという間でしょ?ホントに、いつもそうなんだよね(笑)

ハ:楽しかったです(笑)

H:また来てください。

ハ:ありがとうございます。ぜひ…

H:ハナレグミの永積さんでした。

ハ:ありがとうございました。