2019.05.12 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

H:こんばんは。細野晴臣です。さて!先週に引き続き、テイくんと五木田くん。お2人を…先週の続きからね。

五:はい。

テイ:そうですね。

H:僕は5/28, 29、ニューヨークに行くんですけど、みなさん来ないの?

五:そうですね…ちょっと、その時期は行けないんですよね…

H:そっか。

テイ:時差がキツいですよね、ニューヨークは。

H:(笑)

五:真逆ですからね(笑)

テイ:いちばんキツい。

H:僕は行かなきゃいけないんだから…(笑)

テイ:仕事ですからね(笑)

五:2日間やるんでしたっけ?

H:2日間やるんだよ。

テイ:あ、2日になった…増えたんですよね?

H:増えちゃった。

テイ:2日ともsold out。

H:もう、どうしようかと思って…どう思う?大丈夫?僕。ニューヨーク。

テイ:大丈夫ですよ。

五:大丈夫です。あの、僕の友達がですね…ニューヨークで帽子屋をやってまして。

H:いまそれ、かぶってきたやつ?

五:そうです。

テイ:「横山帽子公司(YokkoyamAHatMarket)」。

H:へぇ…

五:彼が…店内でですね、細野さんの曲をかけてると…

H:ありがたいね。

五:ニューヨーカーたちの反応がすごいらしいです。

H:初めて聞くね、それね。

五:カタカナで…「なんつってんの?」って言ったら、「ハローミ、ハローミ」って。

H:ハローミ(笑)

テイ:(笑)

五:「This is Hello-Me?」みたいな。

H:なるほどね。小っちゃい頃、女の子から「ハローミちゃん♪」って呼びかけてきたよね。

五:(笑)すごい人気みたいですよ。ホントに。

H:ホントに?なにが人気なんだろう?(笑)ぜんぜんわからない…こんなおじいちゃん…

五:その帽子屋さん、横山くん(横山寛久)っていうんですけど、横山くんも「なんでこんなに人気あるんですか?細野さん」っていう…

H:でしょ?なんで?

五:わかんないですね…

H:わかんないよね…

mkt.com

 

テイ:で、『花に水』とかサンプリングした…ヴァンパイア・ウィークエンド(Vampire Weekend)が歌つけたりとか。

五:あー…

H:そうなんだよ。なんで?

五:『花に水』…(笑)

テイ:あれ、カセットだからね。

五:カセットブックですよね。

H:だいたい、あの曲なんて[自分では]忘れてた、っていうか…(笑)

五:(笑)

テイ:ホントですか?

H:店内BGMだから…(笑)あれの、どこがいいのかな、と…

テイ:いやいやいや…

H:訊きたいんだよね。ど、どうなの?

テイ:まあ、でも…ライヴではね、あれは…こないだも言いましたけど、客入れのときでいいんじゃないかな、っていう…(笑)

五:あー。

テイ:細野さん、広すぎて…やってらっしゃることが。

五:『Endless Talking』とか。

テイ:そうそうそう。

H:そうなんだよ。広いんだよ。

五:異常な広さですよね。

H:50年やってるからしょうがないでしょ(笑)

テイ:いや、でも…ずっとワンコードの人もいるじゃないですか。ずーっと打ち込みの人とか。

五:いますね(笑)

テイ:だから、細野さんの場合は広すぎて…それがたぶん、僕が分析するに、インターネットでなんでも検索できちゃう時代…

H:いまの時代だからね。

テイ:そうなんですよ。検索したらこれもハローミでこれもハローミだった…みたいな。

H:(笑)

テイ:ラウンジもやってるし、アンビエントもやってるし。打ち込みも…

H:なんでも屋だからね。器用貧乏っていうか。

五:(笑)

テイ:いやいや…んなことないですよ。

H:いや、ホントにそうなんですよ。

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H:そいで?

テイ:それで、えーと…Sketch Show聴きましょうか。

H:おお!聴かして(笑)ひさしぶり…

 

 

Wonderful To Me - Sketch Show

 (from 『Audio Sponge』)

 

    

H:このくらいかな?

テイ:あ、ちょうどいま…3分13秒か。

H:DJ(笑)

五:(笑)

H:Sketch Show、いま聴きたくなる感じはわかるよ。

テイ:『HOCHONO HOUSE』を聴いて。

H:そう思うでしょ。

テイ:はい。

H:自分もそうなんだよ(笑)なんかまた…こういうのもいいなと思って。んー。

テイ:まあ、おこがましいですけど、このとき本当に…『テクノドン(TECHNODON)』のときよりもYMOっぽいな、と僕は思いましたけど。

H:そうだろうね。『テクノドン』のときは…なんかね、YMOを脱しようと思ってたんだね。たぶん。

テイ:大人[=「関係者」]がいっぱいいて…

H:そうそうそう。で、けっこう悩みながら作ってたけど、Sketch Showはぜんぜん悩まなかったからね。楽しんでやってた。

テイ:模索して。

H:そうそう。『BGM』が好きじゃない?幸宏(高橋幸宏)も僕もね。「あんな感じでやろうよ」なんてね。それでこういう曲ができた。

テイ:そういう感じがするよね。

五:んー。幸宏さんも、「『テクノドン』のときはつらかったな…」って…(笑)

H:みんなそう思ってたよ(笑)そうそうそう…ニューヨーク…ニューヨークの思い出…ううー。

五:「みんなピリピリしててさぁ…」って言ってましたね。

H:そうなんだよ。もう…ニューヨークって満月の日、すごいみんなピリピリするんだよな。

五:あー…なるほどね。

H:んー。なんか…大変だった。言えないけど。大変だったんだよ。

五:そうですか(笑)

テイ:僕はあのとき坂本さん(坂本龍一)の事務所の預かりだったんで…

五:なるほど。

H:そうだね。

テイ:で、初めて細野さんとはそこで…最初に教授。幸宏さんは審査員としてお会いして…とあるオーディションで。僕は映像で賞獲ったんですけど。と、細野さんで…

五:え、じゃあ、細野さんとテイさんはニューヨークで会った?

テイ:そうです。

H:あ、そうだ。

テイ:それで、「あ、君が教授のとこの若者か」。

H:(笑)

五:「君が」っていう…(笑)

テイ:いやいや…「教授側」では別にないです、って…(笑)

五:(笑)

テイ:YMO、みんな好きです、って思って。

H:そうだったよ。なんか、最初から…ヘンテコリンな話をしだしたじゃん。宇宙人かな…なんだろう。

テイ:えーとね…そのときハマってたカセットの…ミニマルなアンビエントのカセットを細野さんにコピーして。

H:あ、それを聴いたんだよ。そしたらハワイのニューエイジだったんだよ(笑)

五:(笑)

テイ:そうなんですよ(笑)

H:そう(笑)まあ、気持ち良かったけど。

テイ:そういう、ニューエイジ部分でクロスするところあるかな、って。僕、やっぱりニューヨークにいたから、周りはヒップホップとか多くて。で、細野さんはアンビエントのほうの…L.A.とかシスコとか…ヨーロッパの人とシンクロしてたから。

H:どっぷりだった。

テイ:共通項がニューエイジくらいかな、っていう。社交辞令というか…

H:いや、うれしかったよ。YMOアンビエント色が無かったから、当時。ひとりで…孤独だったんだよね。で、ニューヨークって[アンビエントの潮流が]無かったんだよね。

テイ:そうですね。僕はちょっと聴いてましたけど。

H:よかったよかった。

テイ:"Dolphinicity"とか好きでしたけどね。

H:あ、ホント?

五:んー。

H:いや、あのチャントはね、いまだに憶えてるよ。ドローンのね。

テイ:そうですね。まあ、でも、いま考えると「神様」に、ハワイのニューエイジが作ったカセットをコピーして渡すなんて…

H:「神様」ってなんだよ…(笑)

テイ:すごい暴挙に出たなと思って…(笑)

五:大暴挙ですよ(笑)

テイ:ちょっと調子に乗ってたな、と…(笑)ま、でも、一応その前にディー・ライト(Deee-Lite)ってバンドで調子ぶっこいてたんで…

H:そうだよ。

五:大ヒットですからね。

テイ:だから、まあ、しょうがないのかな、っていう…「教授のとこの若者」ではないな、と…(笑)

H:いや、スターじゃん。ね。

テイ:いやいや…自己主張がちょっとありまして…

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テイ:でも、まあ、リミックスさせて頂いたりとかして。

H:んー。まあ、それ以来だからずいぶん古い付き合いだよな。

テイ:1992年?93年?ぐらいですか。

五:あ、そっか、90年代なんだ…

H:「若者」っていうイメージはいまだに持ってるんだけどね。そうでもなくなっちゃったけどね。

テイ:そうなんですよ。だから…そうそう、幸宏さんと話してて…いま聴いた"Wonderful To Me"っていうSketch Showの1stアルバムの曲は2002年で、細野さんが55歳。幸宏さんが50歳。

H:あ。じゃあ、[いまの]2人だ、おんなじじゃない。

五:やば…

H:働きざかりだね。

五:(笑)

テイ:え?(笑)

H:いや、ホントホント。

五:そっか…

テイ:そうなんですよ。

H:じゃあ、2人で音楽やんないの?

テイ:音楽はやってない…DJやるぐらいですね。まあでも、五木田くんもホントにおもしろいんで、もうちょっと…去年、3回でっかい展覧会やったっけ?

五:そうですね。

テイ:東京オペラシティと、香港と、L.A.と。

H:あ、すごいね。

テイ:で、今年の初めに香港やって…

五:くたびれましたね、ちょっと。個展やりすぎっていう…

テイ:ね。あ、そうそう…追っかけてておもしろいのは、だいたい12枚前後になってる場合が多くて…

H:12枚って、なにが?

テイ:あ、絵です。飾ってある。大きいやつとか…小っちゃいのもあるよね?

五:うん。

テイ:こないだは小っちゃいので20枚ぐらいあったから、ダブルアルバムみたいな…話してると、アルバム作ってる感じで…

H:なるほど。音楽が好きだからね。んー。

五:ひとつの個展がアルバムですね。

テイ:「これとこれがリード[曲]」みたいな。

五:うん。インストっぽい感じと歌ものをどう混ぜるか、とかね。

H:へぇ、おもしれぇな。

五:でもちょっと、アルバムを出しすぎた感じで、いま空っぽで…なんにもアイディアが無いんですよ。

H:僕、おんなじ(笑)

テイ:(笑)

五:なんにもなくなっちゃって…(笑)9月に個展が控えてるんですけど、1枚も…なんにも描けないっすね。空っぽ。

テイ:だって、1年に3枚もアルバム出さないじゃないですか。自分で音作る人は。

H:出せないよ。うん。

テイ:すごいなぁ、と思って。

H:でもその…CDはいっぱい刷って売るわけじゃない?絵はどうなってるの?やっぱり、その場でみんな買ってくんですか?

五:そうなんですよ。

H:その噂を聞くけど、すげぇ…いい値段なんでしょ?

五:いや、なっちゃったんですよね…

テイ:5年で10倍ぐらいになった?

五:10倍まではいかないですけどね。

テイ:徐々に上がってってて…

五:でも、オークションってやつに、僕の絵を買ってくれた人が…すぐ売っちゃう人もいて。で、僕には1円も入らないんですけど。

H:あ、そうなんだ。

五:その、オークションの値段が異常に高くなっちゃって。

H:なるほどね。サザビー(Sotheby's)とかに出るわけ?

五:そうです。

テイ:まさに。クリスティーズ(Christie's)とか…表紙とかになってるんですよ。カタログの。

H:えええ…

五:ヤバいですよ。アート業界も。

テイ:中古レコードといっしょで、ぜんぜん[作者にリターンは]入ってこないんですけど。ま、額が違いますけど…

H:んー。何千万なんだろうね。おそらくね。

テイ:そうですね。

H:怖い。仕事頼めないじゃん(笑)

五:(笑)

テイ:でも、いくらでも描くでしょ。神様には…

五:もう、ぜんぜん…大丈夫です。その辺は。

H:大丈夫?じゃあ頼もうかな。

五:おお、ちょっと…ぜひ…

テイ:いまの2回貼っといてください。

五:(笑)

H:機会があれば…

(H:じゃあ頼もうかな。 五:おお、ちょっと…ぜひ…)x2

五:よろしくお願いします。

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テイ:まあ、『NEUE TANZ』もね、描いてくれたから。

H:そうだよ。だから、馴染みがあるんだよ。あれが出た所為でね。最初、テイくんかなとか思っちゃったりね。

テイ:いやいや、僕が五木田くんに振って。

H:振ったんだね。プロデューサーだね。

テイ:そうですね。「監修」ですからね。五木田くんとまりん砂原良徳)とやりたいな、って。

五:でも、あの『NEUE TANZ』のジャケも悩みましたよ。

テイ:うん。ボツにしたやつ見せてくれたよね。

H:へぇ。そういうことあるんだ。悩むんだね。

五:悩みますよ。やっぱり、YMOですから…

H:そうかそうか。そういうことね。

五:どうしたらいいかな…って。

テイ:で、"Solid State Survivor"は入ってないけど『Solid State Survivor』を[モチーフにした]…

五:そうですね。やっぱりあのイメージっていうのが強力だったんで。

H:あの、麻雀の?

五:そうですそうです。あの鋤田さん(鋤田正義)の写真が…

H:まあね。小学校のときからだったら、刷り込まれてるだろうね。

五:刷り込みですね。ええ。

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テイ:五木田くんは『BGM』を最初に聴いたときはどうだったの?

五:わかんなかったですね、あんまり…

H:[当時は]小学生?

テイ:中学年くらいか。

五:なんか暗いなぁ…みたいな。

H:あー。だろうね。

テイ:最初ね。

五:まあ、大きくなってから大好きになりましたけど。でも、小学生にはね、なかなか…

H:だからね、そう思って作ったんだよね。「みんな"ライディーン"が好きなんだろ?」と思って。

五:(笑)

H:小学生がいっぱい増えて、運動会で"ライディーン"がかかってる最中に…あの『BGM』を作ったんだよね。だから「お母さんと一緒に聴いてください」って書いたんだよ(笑)

五:あと、「ヴォリュームを上げないように」*とかね(笑)

H:危険だからね。

五:書いてありましたね。怖かったですよ(笑)

[*『BGM』アナログ盤の帯裏に記載されていた文言、「65才以上の御老人、5才未満のお子様は、ボリュームを小さくしてお聞き下さい。」]

テイ:まあ、でも、結果的には振り落とされずに残ったクチですね。ウチらは。

H:そうだ。

五:そうですね。

テイ:近いところで仕事させて頂いて…

H:みんな集まってきちゃったね。結局ね。んー。そういうもんだよな。

テイ:そうなんですよね。

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H:さあ、音楽、かけてください。五木田くん。

五:あー、また…いいですか?

テイ:さっきのCDからいこうか。

五:えーと…3[トラック目]…

テイ:あ、順番でいいの?

五:順番でいいです。

テイ:はい、3曲目いきます。

H:はい。

 

 

 

Tough de Times - The Emperor

 

   

 

テイ:うん、ちょうどいい長さだな。

H:(笑)

五:短いでしょ?

テイ:うん。2分40秒ちょうど。

H:これは誰なんだかぜんぜんわかんない。

テイ:ぜんぜんわかんない。僕いまジャケをね、想像してたけど浮かばなかった。

五:僕もよく知らないんですけど…(笑)

H:これでいいのかな?(笑)

五:エンペラー(The Emperor)っていうグループみたいですね。

テイ:どんなジャケ?

五:いや、これはなんかコンピで…最近出たラテン…マンボナントカっていうコンピレーション…

テイ:ちょっとオブスキュアな…

五:そうそうそう。それに入ってる。

[*↓これですか…?]

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テイ:まあ、ラテン系、五木田くん好きだよね。

五:最近、なぜかラテンとかキューバの音楽とかが…なぜか好きなんですよね。

H:んー、いいよね。僕も好きなんだけど…いろんなものが好きすぎて困ってるんだけどね。

五:(笑)

H:聴くだけだったらいいよね。[自分でカヴァーを]やるとなるとね…(笑)

テイ:(笑)

H:どれをやったらいいんだろう、って。

テイ:あー…でも、細野さん今回ちょっとだけ…ちょっとだけでもないか。半分くらい打ち込み。ね。ひとりでぜんぶ作られてて。

H:そうだね。うん。

テイ:またなんか…で、ズルいなぁ、と思うのは。

H:え?

テイ:曲がもう、ぜんぶ良いじゃないですか。

五:うん。そもそもね(笑)

H:まあ、曲があるから…どうやってやるかだけだよ。問題は。

テイ:そうですよね。普通は…僕とかも、「どういう曲をやろうかな?」っていうところで…

H:いや…僕から言わせるとね、そっちのほうが楽しいの。

テイ:そうですか?(笑)

H:うん。白紙からやるほうが楽しいじゃん。自由だから。

テイ:まあ、自由ですね。

H:楽曲があって、しかも自分で作ったから、なんかやりにくいんだよ。

五:あー…

H:「どうやってやったらいいんだろう?」ぅて。そこから始まるから。

五:大変でした?

H:大変だった。もう、こんなに苦労したの初めてかも。

五:え?(笑)ホントですか。

H:ホントホント。だから…『HOCHONO HOUSE』っていう名前を付けたの。もう…頭にきたっていうか(笑)

五:(笑)

テイ:おちょくってやろう、みたいな。

H:そうそうそう。

五:でも僕、テイさんから最初…「なんか、細野さんがひとりで、打ち込みでやるらしいよ」っていうのを聞いたときビックリして。

H:そうかね?(笑)

五:「え?打ち込みですか?」って。もっと、こう…テクノっぽいのを勝手に想像してたんですけど…

H:テクノと打ち込みと違うんだ(笑)

テイ:(笑)なんとも言えないというか、細野さんならではというか。

五:そうですね…

テイ:やっぱりさっきの…やってることが広すぎて…

H:ひどすぎる?(笑)

五:(笑)

テイ:いやいやまさか…(笑)広すぎて、ワイドすぎて…やっぱり、理解不能な人もいるかもしれないね。

五:うーん。

H:それはね、いままでやってきてずっとそうだったの。インターネットの無い時代から僕はやってるわけだから。

テイ:そうですよね。

H:いつも…はっぴいえんどやったあと、トロピカルやってね。そのあとYMOでしょ。みんなついてこないんだよね。振り返ると誰もいない。

五:(笑)

H:ホントに、そういうことを何年かごとに繰り返してきたから。あんまりそういうことにこだわらなくなっちゃったんだよ。

テイ:んー。

H:で、いまになってビックリしてるの。さっきの帽子屋さんの話じゃないけど。

テイ:そうですね。

五:いやー、ホントですね。

テイ:ね。そこをdiscoverしたわけだね。ヤツらは。

H:まあ、そういうことなんだね。

五:だって、アメリカでもレコードがね…

テイ:出てたしね。

H:そうそう。

テイ:L.A.で買ったもんね。

五:L.A.でチラシも置いてありましたよ。

H:あ、ホント?最近僕、ぜんぜんアメリカに行ったことないから。どうしよう、と思って。

五:いや、ホントに人気あるみたいですよ?アメリカで…(笑)

テイ:(笑)

H:いや…(笑)困ったな。その、今までやったものはいいよ。でも、いまやってることはみんな知らないんだから。ブギとかやってるんだよ?

テイ:あー。そうですね。

H:で、ブギウギやっていいの?

五:いいんじゃないですか?ビックリするんじゃないですか?

テイ:うん。

H:ビックリするの?(笑)いやー、もうやんなっちゃった。

テイ・五:(笑)

五:ニューヨークに住んでる日本人たちがみんな、行こうとしたんだけどホントにsold outになっちゃって…

H:あー、そうかそうか。うん。

五:「行けないんだよ…」って残念がってましたね。

H:そう…そのほうがおもしろいっちゃおもしろいけどね。だいたい海外でやると日本人のお客さんがワーッて来てね…っていうことが多いじゃん。

五:んー。

H:そうじゃないほうが、まあ、冒険だよね。

テイ:うん。

H:でも、南部でやるのが怖いよ。

五:あー…

H:ニューヨークやロサンゼルスはなんとなくわかるんだよね。で、ロンドンでやったときも、すごくドキドキしたけど、やってみたら「大阪みたいだな」っていう印象(笑)

五:大阪…(笑)

テイ:ロンドンが…(笑)

H:お客さんはもちろん、ロンドンの人のほうが多いわけだけど、反応が大阪みたいなんだよ(笑)

五:へー。

H:もう、めんどくさいから[MCを]日本語でやっちゃったんだけど…(笑)それでもウケるんだよね。笑ってくれる。なんでだかね…(笑)

五:(笑)

H:まあ、ニューヨークもそれであってほしいんだけどね。ちょっと怖いんだよな。厳しいじゃん。

五:んー…

テイ:YMOはクラブ…DJとか。打ち込みをやってる人には昔からスタンダード…クラフトワークKraftwerk)とかYMO、知ってる子は僕が[NYに]いたころからいましたけど。ソロの細野さんのほうは…

H:そうそうそう。知らないんだよ。

テイ:まあ、YMOも含めた…それ以外のことっていうのが知られてきたっていうことですよね。

H:ああ、まあね…

五:んー。

H:まあ、そういうことなんだけどね。もう、やってみないとわかんないや。やってみて、コケたら報告するよ。

テイ:(笑)

五:報告…(笑)

 

H:あー…気が重い。そんなわけで、時間きちゃったね。あと1曲。

テイ:うん、細野さんの。

H:僕?

テイ:あ、五木田くん?どうする?どっちでも。

五:どうぞどうぞ。

テイ:どうぞどうぞ。

H:どうぞどうぞ。

テイ:(笑)

H:ダチョウ倶楽部じゃない(笑)

五:じゃあ、いいですか?6曲目を。好きな曲です。

テイ:はい。

H:というわけで、きょうはテイ・トウワ率いる…五木田智央さん。

五:はい。

テイ:はい。

H:お2人を招いてお送りしました。また来てくださいね。

テイ:ありがとうございます。

五:はい。ありがとうございます。

テイ:よいお年を。

五:はやい…(笑)

H:その前にクリスマスがある。

テイ:そうですね(笑)いやいや、神様なんで…(笑)

五:(笑)

H:なんだそれ(笑)

五:お参りみたいになっちゃう(笑)

H:お賽銭。

五:お賽銭は…(笑)

テイ:いやいやいや…

 

 

 

Till There Was You - Peggy Lee