2019.02.17 Inter FM「Daisy Holiday!」より

 

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 ♪~

時刻は午前1時です。ここで、Daisy Holiday!を始める前に、お知らせがあります。来週、2月24日のDaisy Holiday!は、都合により、放送時間が変わります。放送開始時間は23時半、夜11時半となります。いつもより1時間半、早い時間です。お間違えの無いよう、お願い致します。では今宵も、Daisy Holiday!をお楽しみください。

 

H:こんばんは、細野晴臣です。えー、きょうはですね…ウチのバンドのリーダー、っていうか…

高田:いやいや、リーダーは細野さんですから(笑)

H:ああ、そうか(笑)えー、高田漣

高田:どうも、高田漣です。こんばんは。

H:えーと、いまツアーの最中…っていうか、もうすぐ台北で一段落するんですけど。

高田:はい。

H:3月の6日に…CD出しますよね?

高田:はい。

H:おんなじ日に僕も出るんですよ(笑)

高田:そうですね(笑)図らずも…だんだん細野さんが近づいてこられて…

H:…すみません(笑)

高田:いえいえ(笑)ぜんぜん、光栄な限りです。

H:いやいや…「ぶつかり合い」というね(笑)

高田:ホントですね(笑)

[*細野さんの新作は当初、「2019年1月発売予定」とされていた。]

 

 

H:早速ね、新作の『FRESH』。

高田:はい。

H:これはなんか、ユーモアがあるなぁ、と思って。聴いてて。のっけから(笑)

高田:あー、そうですね(笑)なんか…あんまり神妙なのは自分としてもそんなに聴けなくて。やっぱりユーモアがあるものを、ずっと…何年か前から聴くようになってて。そういう部分が多く出た感じですかね、ついに。

H:出たね、ついに。なんか、昔の自分を思い出すよ(笑)最近はもう、あんまりユーモアが出てこないんだよね。

高田:細野さんとステージとかでご一緒してて、細野さんがいろいろ仰ることとか。

H:しゃべりはね、うん。

高田:あと、昔の細野さんとか、YMOもそうだし、大瀧さん(大瀧詠一)とかの音源聴いてて、いっつもちょっと、そういう要素が…

H:あるよね。昔のは。

高田:それがすごい、子どもながらにいっつも好きだったんで。

H:あ、子どものときにね(笑)

高田:それを少し散りばめてみました。

H:そうか。じゃあ、そのドアタマの感じから聴いていいかな?

高田:あ、どうぞどうぞ(笑)

 

 

FRESH ~ 寝モーショナル・レスキュー - 高田漣

(from 『FRESH』)

 

 

H:いや、おもしれぇな(笑)

高田:ありがとうございます(笑)

H:ナナコさんってのは…

高田:あ、ナオコ(NAOKO)です。

H:あ、ナオコさんね。えー、コーラス隊の…

高田:そうですね、「バクバクドキン」っていう二人のうちの一人で…僕、自分のライヴの時にも影アナでやってもらったりしてたことがあって。

H:あ、そうなんだ。こんな感じでやってんの?へー。

高田:スチャダラパーの『タワーリングナンセンス』っていうアルバムがありまして。それが…最初に、冒頭にいきなりそういう…影アナじゃないんですけど、挨拶があって。その挨拶をする人が自分で名乗るんですよね(笑)

H:(笑)

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高田:それがすごくおもしろくて、久々に聴いて懐かしくて。さっきの話じゃないですけど、曲もいろいろアレなんですけど、今回はそういう、いろんな…いまの曲も最後に「Japanese Gentleman」…

H:あー。

高田:で、「Stand up」じゃなくて「Wake up, please」と入れたりとか、そういう遊びの要素が…

H:かなり遊んでるね。

高田:そうですね(笑)多いかもしれないですね。

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H:だいたい、曲が…「眠い、眠い」って、そんな眠いの?(笑)

高田:僕…そう、細野さんとロンドン行ったときに感じたことなんですけど、いっつも眠いんで…

H:ああ、そうなのか(笑)

高田:逆に…なんていうか、時差がないっていうか。朝もすごい早起きなんですよ。

H:じゃあ、眠い人に見えないね(笑)

高田:お昼…11時、12時くらいがピークで眠くて。で、夜も早く普段、寝ちゃうんですよ

H:意外だよね。

高田:だから、それがどこの国に行ってもあんまり変わらない(笑)

H:いいなあ、それ。

高田:そうですね。逆にいつでも寝れるんで…(笑)

H:へぇ、特異体質っていうか、いいなぁ。眠いって言ったら自分のことって思っちゃうんだよなぁ。ホントに眠いから、いつも。

高田:そうですね(笑)

H:本番、眠いんだよ(笑)

高田:細野さんは、でも、すごい夜型ですもんね。

H:そうなんだけどねぇ。でもね、なんにも無いと朝型になるんだよね。

高田:あ、そうですか。

H:いま、自然に…レコーディング終わって、普通の生活に戻る…

高田:はいはい。

H:で、いっぱい寝たなぁと思って起きると7時だったりね(笑)

高田:(笑)

H:まあ、年取ってるから早起きになるよね。

高田:でも、レコーディングの作業はやっぱり夜中にやることが多いんですよね?

H:どうしてもね、レコーディングは夜中になっちゃうね。

高田:あー、やっぱりそういう風に体が出来てるんですね。

H:特にひとりでやる場合ね。

高田:そうですよね。

H:今度はもう、バンドだから…わりと朝からやってるわけ?そんなことないか(笑)

高田:あ、でもわりとそうでしたね。午前中に集まって…

H:あ。早い。

高田:まあ、でも、いつもの細野バンドのメンバーなんで…演奏は問題ないんで、音作りの時間だけちょっとかけてもらって。そしたら、ホントに1,2テイクでどんどん録ってくみたいな感じですね。

H:テンポ早そう。んー。

高田:うん、みなさんもう、ホントに、勝手知ったる仲間なんで。

H:うん。想像できるわ。いやー、なんかこう、前作に続いてる感じだよね。

高田:あ、そうですね。前作作り終わった後ぐらいからちょびちょび作ってたようなものがいくつかあって…

H:いまの曲もそうらしいね。

高田:そうですね。これはホントに…わりと続きで作ってて。まあ、断続的に作ってたんですけど、わりと…アルバムのためにいっぺんに作ったっていうよりは、ちょびちょび、時間のある時に作ってた…

H:あー、そのほうがいいね。そういうほうがぜんぜん…濃くなるよね。

高田:うん。

 

H:えーと…最近はテレビのドラマもやってるじゃない。

高田:あ、ありがとうございます。はい。

H:タイトルが…

高田:「フルーツ宅配便」。

H:そうだ、それ。見てんだよね(笑)

高田:あー、ありがとうございます(笑)光栄です。

H:いやいやいや、やっぱり音がいいなぁ。おもしろい、音楽が。

高田:ありがとうございます。なんか、監督陣はみなさん、細野さんの大ファンで…

H:あ、そうなの?

高田:沖田監督(沖田修一)もいらっしゃいますから。

H:あ、そっか。

高田:そうそう。みんな喜んでますよ、きっと。

H:いやいや、もう…[仕事を]頼んでこないけどね、僕にはね(笑)

高田:(笑)お忙しいから、あれじゃないですかね、気を遣って…

H:いやー…大瀧詠一もそう言ってたよ。「誰もなんにも頼んでこない」って(笑)

高田:(笑)

H:そういうもんなんだよね…(笑)

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H:じゃあね…ちょっと気になったんだけど、インストね。

高田:はい。

H:"最後の楽園"って、ぜんぜん僕ね、憶えてなかったのね。

高田:ホントですか!(笑)

H:どっかで聴いたことあるなぁ、と思って聴いてたんだよ。そしたら自分の曲だった…

高田:(笑)

H:よく知ってるね、こんな曲。

高田:いやいや、たぶんファンの間では有名だと思うんですけど。でも、僕も…いつかカヴァーしたいなと思ってたんですけど。インストゥルメンタルだし、なかなかそういうチャンスもなくて…だから、今回ホントにできてよかったです。

H:いや、よかったよ。こっちもうれしいですよ。あれ、何に入ってたんだろう?

高田:あれは『PACIFIC』ですね。

H:あ、『PACIFIC』か!それもじゃあ、インストだったんだね。

高田:そうですね。なんか、昔細野さんの『PACIFIC』聴いた時に、これこのままスティールギターでやったら、普通にそのまま…いわゆるラウンジ・ミュージックみたいな感じになるんだろうなぁ、と思ってて。

H:なるほどね。なってた。聴いていい?

高田:はい、もちろん!

H:じゃあ、"最後の楽園"。

 

 

最後の楽園 - 高田漣

(from 『FRESH』)

 

 

H:へぇ、こういう曲だったっけね。

高田:(笑)

H:えーと、ピアノ弾いてる…

高田:ハタヤくん(ハタヤテツヤ)。

H:ハタヤくんって…どういう人だっけ?(笑)

高田:ハタヤくん、一回、細野さんのライヴでも参加した…EGO-WRAPPIN'でずっとピアノ弾いてる…

H:あ、そうだ、彼か!

高田:そうですね。ホントに、こういうジャジーなピアノを弾かせたらもう天下一品で…

H:そうだよね、んー。

高田:今回のこれも…ノエル・ボッグス(Noel Boggs)っていう、スティールギターの…

H:あー、好きだよ。うん。

高田:あの人の、ジャズのカヴァーばっかりしたアルバムがあって。

H:へぇ。

高田:その中の"Tenderly"っていう…

H:あー、"Tenderly"!

高田:それが、今のみたいに、[ピアノが]歌に関係なく絡んでくるっていう…で、ちょっとその雰囲気を出して頂きたくて、聴かせて…

H:渋いねぇ。とにかく、スティール奏者自体がホントに数えるほど…3,4人ぐらいか(笑)

高田:ホントですね…世界的に見てもどんどん少なくなってきちゃってて。

H:アメリカでも最近聞かないね。

高田:そうですね。たまにYouTubeとかで好きな曲を演奏しているプレイヤーとか見ると、すごいうれしくなりますね。

H:あー。若い人もいるんだろうね、きっと。

高田:そうですね。ホントにちょっとなんですけど…まあ、だいたい同じ人が引っかかるんで、それぐらいしかいないのかなぁと思うんですけど(笑)

H:じゃあやっぱり、世界でも高田漣のスティールっていうのは通用してるんだろうね。

高田:いやいや、まだまだそんなアレですけど…でもなんか、そういう横のつながりがぜんぜん無いので、いつか会っていろんなプレイヤーと話はしてみたいですね。

H:なるほど。同業者ってなかなかつながらないんだよね(笑)

高田:そうですね(笑)ただでさえスティールギター、そんなに…なかなか呼ばれることもないので。[同時に]2人はさすがに呼ばれないですね(笑)

H:あー、そうだよね(笑)最近、ベース…こないだ小坂忠のステージでベースやったけど、3人並んで弾いてた(笑)

高田:あ、すごい…そうですよね、ベーシストはぜったい一緒にならないですよね。

H:ならないんだよ。んー。まあ、唯一、よく知ってるのは小原礼ぐらいで…あと、ハマちゃん…

高田:あー、ハマくん(ハマ・オカモト)。

H:ハマくんだね。ハマちゃんはお父さん(浜田雅功)だ(笑)

高田:そうですね(笑)

H:それぐらいなんだよな。

 

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H:えーと…このジャケットがね…Dr.Johnだね、これ(笑)

高田:そうですね(笑)Dr.Johnっぽくなってる、っていうか。

H:「ベルウッドの遺伝子を濃密に継承した」…(笑)そうなのかね?

高田:どうなんでしょうね?(笑)

H:まあ、そう言われればそうかなと思うけどね。

高田:まあ…よく考えると、子どもの頃からたくさんそういう音楽に触れてるんで…

H:ホントだよね。そりゃそうだ。

高田:自分で意識しないでも、わりと…自然とそういうものには、普通の人よりは多く聴いてるかな、という。

H:それは、すごい経験してると思うよ。

高田:ですよね。

H:何歳ぐらいから聴いてるの?(笑)

高田:もう、あの…僕のデビューっていうか、それがちょうど、まだ生まれて間もない頃に加川良さんの『アウト・オブ・マインド』っていうアルバムの中で僕が…まだ子どもの頃ですけど、泣き声で…

H:泣き声で!(笑)

高田:ホント、0歳とか1歳の頃ですかね。

H:ははぁ…

高田:写真も残ってて。僕はもちろん、ぜんぜん記憶に無いですけど。

H:泣いてたんだね。

高田:泣かされてたっていうか…(笑)

H:つねられてたのかね(笑)

高田:そうですね(笑)

H:そうか、じゃあ今度は泣き声で参加してもらおうかな。

高田:(笑)

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H:で…ひと頃まではね、そういう、たしかにベルウッド系っていうか…フォーク系のお仕事も多かったじゃない。

高田:はい。

H:最近そういう人たちは減ってるのかな。

高田:そうですね。あと、おもしろいのは逆に…細野さんもよく仰ってるけど、海外とかもそうだけど…若い子のほうが聴いてる感じがしますね。

H:そうだそうだそうだ、うん。たしかに。

高田:だから、何世代か回って…また、細野さんの作品とか聴く海外のアーティストもたくさんいるし。

H:そうそう。この数年でそういうことを知ってビックリしてんだけど。なんか、20代の人が聴いてるっていうね…(笑)

高田:うんうん。

H:でも、あの…漣くんの体験は濃密だと思うよ。だって…"はいからはくち"やってんだよね。

高田:そうですね(笑)

H:大瀧色もやっぱりね、おもしろい…強く出てるし。

高田:そうですね。よくまりんさん(砂原良徳)とかが、YMOの3人のそれぞれの音を出してバランスを取るって言ってますけど、僕もよくステージで…MCで言ってるんですけど、細野さんの曲をカヴァーしたら、必然的に大瀧さんの曲も1曲カヴァーすることになる…(笑)

H:(笑)

高田:なので、細野さんの”最後の楽園”をカヴァーしんたんで、大瀧さんのも、と思って。

H:どうしようかな、聴いちゃおうかな。聴いちゃおう、じゃあね。

高田:はい。

 

 

はいからはくち - 高田漣

(from 『FRESH』)

 

 

H:おお…いやいやいや…僕も大瀧詠一のカヴァーやりたくなってきた(笑)

高田:なんかね、以前そんな…まだ大瀧さん生きてる時に、そういう話もありましたもんね。

H:そうなんだよね。やりたいことはいっぱいあったんだけどね。残念だけど。

 

 えーと、このアルバム…僕のツアーでもやってくれてる"ハロー・フジヤマ"とかね、おもしろい曲いっぱい入ってますよ。

高田:あー、ありがとうございます。

H:あのー、ぜひ、CD聴いてください(笑)

高田:そうですね(笑)

H:まりんとも一緒になんかやってますよね。

高田:そうですね、1曲だけまりんさんに完全に打ち込んでもらったりとか。

H:そういう傾向もあるもんね。前、そういうのも作ってたでしょ?

高田:うん、そうですね。子どもの頃…小学校の頃、まさに僕らの世代って…

H:テクノだね。

高田:はい。YMOがもう…なんですかね、「B&B・ツービート・YMO」みたいな感じだったんで(笑)

H:お笑いね(笑)

高田:なんかそうやって、テレビでいつも見かける人たちで。で、その音楽は当たり前に子どもたちはみんな聴いてたんで。

H:あ、そうか。

高田:やっぱり、どこかそういうのが自分の中に残ってるっていうか。

H:そうだろうね。それは感じてたんだけどね。打ち込み好きそうだなぁ、って思ってた。そのうちそういうのもやるんだろうね。

高田:…やりたいんですけどね。でも、やっぱり、専門の人たちにはホント敵わないっていうか(笑)今回もまりんさんとやって、あー、やっぱり発想が違うんだなっていうのをつくづく…

H:そうなんだよ。最近の人はね…僕もわかんないもんね(笑)

高田:いやいやいや…(笑)でも、自分だと楽器で表現してるから、それが打ち込みに変わった時のおもしろさもあるし、違和感もあるし。その辺は細野さんもYMOやってて、ずっと…いろいろ試してたことだと思うんですけど。

H:そうそう。そうなんだよ。で、最近もね、同時に発売する『HOCHONO HOUSE』っていう…(笑)これも葛藤したね。

高田:あー…仰ってましたもんね、ずっと。

H:よっぽど漣くん呼ぼうと思ったんだけど(笑)んー、ひとりでやっちゃえ!と思って。

高田:いやいや(笑)ありがとうございます。

H:一人呼ぶといろんなね、人を呼びたくなっちゃうんで。

高田:そうですよね。コンセプトが変わっちゃいますもんね。

H:我慢しちゃった。まあ、そんなようなことで…あ、ツアーがあるでしょ?

高田:はい。

H:ちょっと、それを発表してください。

高田:えーと…6/16に大阪の千日前ユニバースで。

H:おお、ユニバース。うん。

高田:その後、6/23に、今度は東京のキネマ倶楽部で。

H:場所いいね、ぜんぶ。

高田:そうですね、どっちも…元キャバレーっていうか、そういう雰囲気のあるところで今回、やってみたかったんで。東京も、開演17時なんで、他の地方の方でもぜんぜんいらっしゃれると思うんで…

H:僕も、じゃあ、地方から…

高田:(笑)ぜひぜひ、いらしてください。

H:観たいね。

高田:会場もぜひ…細野さん、好きそうなんで…

H:好きなんだよね、たぶん、ね。行ってないんだけど(笑)

高田:すごく、いい場所だと思います。はい。

H:きっと、なんか…ふざけるのかな?どうなんだろ(笑)

高田:まあ、あの…そこそこに(笑)

H:そこそこね(笑)んー。まあ、わりと…なんだろう、そうだな、[普段は]あんまりふざけたりはしないよね。悪ふざけはしないよね。

高田:そうですね。MCの中でちょっと、そういう…おもしろいこととかは…トライはしてるんですけど。

H:落語好きだもんね。

高田:そうですね。まあ、それよりは、ちょっとそういう要素があって、あとは音楽がおもしろくなってくれれば、と思うんですけど。

H:まったくおんなじだ、僕と。うんうん。そういうわけで…3曲ぐらいにとどめておきたいと思います(笑)またじゃあ、ライヴで一緒にお願いします。

高田:あ、よろしくお願いします。楽しみにしてます。

H:はい。高田漣でした。呼び捨てにしちゃったけど。

高田:(笑)

 

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