2018.09.23 Inter FM「Daisy Holiday!」より

"I Believe In You"のアレンジがカッコよすぎて泣いてしまった。

 

daisy-holiday.sblo.jp

 

H:こんばんは。細野晴臣です。えー、きょうはですね…いままでなんで来なかったんだろう、っていう人ですね。小坂忠
 
忠:どうも、小坂忠です。
 
H:初めて?
 
忠:初めて。
 
H:だよね。
 
忠:いやいやいや…
 
H:昔はよく遊んだよね(笑)
 
忠:そうね。なんか、こうやって会うと照れくさい感じがする。
 
H:照れくさいよね。なに話そうかな(笑)近況でも聞きたいな。
 
忠:近況ね…去年ね、ガンで大手術をして。
 
H:あ。ガンか…
 
忠:まあでも、すごく元気になって。
 
H:元気そうだよ。
 
忠:けっこう精力的にライブ活動やってて。
 
H:こないだも僕、観に行ったからね。ビルボード
 
忠:そうだよね。来てくれたじゃない(笑)それで、あの時のライヴがライヴ・レコーディングされてて、出たんですよ。
 
H:ここにあるよ。CD化されたものが。
 
忠:そうなんですよ。
 
H:うれしいね。すごいよかったよ。なんかこう…ベースが、ハマちゃん…
 
忠:…ハマちゃん?
 
H:…違ったな(笑)
 
忠:小原(礼)だと思う。
 
H:小原だ(笑)
 
忠:(笑)
 
H:なんか、ごっちゃ混ぜになってるな。そうかそうか、小原だったな。
 
忠:うん。
 
 

H:とりあえずね。なにから話そうかな…
 
忠:なにから話す…細野くんいま、レコーディングしてるんでしょ?
 
H:そうなんですよ。これがね、言っていいのかな?もういいや、ここだから(笑)
 
忠:あ、いいの?ダメなの?
 
H:ダメか。でも、作ってることは確か。
 
忠:あ、そうなんだ。
 
H:これが難しい…
 
忠:あ、そう。
 
H:まだね、解禁されてないの。情報がね。ひそかにやってる。
 
忠:あ、ひそかにね。楽しみだな。
 
H:一人でやってるのよ、今回。ずっといままで…15年ぐらい、バンドでやってたでしょ。生で。
 
忠:うん。
 
H:また元に戻りつつあるっていうか。いや、バンドもやるんだけど。一人でコツコツやるのも好きだからね。
 
忠:んー、まあ好きだよね。
 
H:そうなの。孤独なの。誰も来ないの。
 
忠:(笑)でも、それやってるとさ、終わらないんじゃないの?
 
H:いやー、終わらないんだよね、これが。
 
忠:でしょう。
 
H:終わらないよ、だから。ずっとやってる。
 
忠:いやいやいや、どうなんだろう…(笑)
 
H:でも、いままでも終わらしてきたからね。
 
忠:まあね。でも、一人でやってたわけじゃないじゃない。
 
H:まあね。みんなでやってると、特にね。社会性があるからね。
 
忠:一人でやってると危ないんじゃない?
 
H:一人でやってる時も終わってる。いつか終わるんだよ。
 
忠:うん。
 
 
H:じゃあね、昔のから聴こうかね。あいさつ代わりにね。なにがいいかな?アルバム、『ほうろう』から。
 
忠:『ほうろう』から?
 
H:うん。
 
忠:『ほうろう』からだとなにがいいかな…
 
H:選んでよ。
 
忠:なんだろう。えー…なにがいいかなぁ…
 
H:なにがいいかなぁ…
 
ふたり:(笑)
 
忠:あの…アッコちゃん(矢野顕子)の曲とか…最近ね、この前のライヴでもやってさ。
 
H:ああ、そっか。"つるべ糸"ってやつかな。
 
忠:もう、すっごいひさしぶりに歌ったのよ。すごくね、懐かしくて。
 
H:懐かしいね。
 
忠:うん。あの、憶えてます?ほら、あれは矢野さんがさ、ホーン・アレンジとかストリングス・アレンジとかしてくれたじゃない。
 
H:矢野誠さんね。んー。
 
忠:(当時)矢野さんに挨拶に行ったんですよね。
 
H:おうちまで?行ったんだっけ?
 
忠:行った。
 
H:いっしょに行った?僕も。
 
忠:どうだったかな…いや、いっしょだったんじゃない?
 
H:それで?
 
忠:そしたら、アッコちゃんに会ってさ。
 
H:あ、そこにいたの(笑)それで「矢野」っていう名前に…
 
忠:だから、レコ―ディング・クレジットは、1975年の『ほうろう』のアルバムでは「SUZUKI」になってるよね。
 
H:まだ、独り身だったんだね。そうかそっか。歴史だね。
 
忠:ピアノも…アッコちゃん弾いたんだよね?
 
H:弾いてた弾いてた。
 
忠:だよね。
 
H:それがいいんだ、なかなかね。
 
忠:そうなんですよ。だから、いまのアッコちゃんのピアノを聴いたりなんかするとね、(『ほうろう』は)それの原点だから。ほぼ最初の頃のレコーディングでしょ?彼女の。
 
H:まだホント若いよ。だから、僕たちだって若いんだよ。
 
忠:まあそうだけどね(笑)
 
H:20代でしょ?
 
忠:そうだよね。
 
H:20代っていったら、子どもだよ?
 
忠:まあね。ま、つい最近じゃないですか。
 
H:最近かなぁ…(笑)いや、よくやったよね。
 
忠:あの時のみんなの演奏は、ホントにノってたね。
 
 
H:じゃあね…僕が好きなのかけていい?
 
忠:ああ、いいよいいよ。
 
H:"ゆうがたラブ"が好き。
 
忠:はい。
 
H:演奏も好きなんだよ。
 
忠:あっ、これのね、細野くんのベース。僕大好き。
 
H:ああ、うれしいね。僕はアッコちゃんのウーリッツァーみたいな音、あれ好き。おもしろくて。
 
 
 
ゆうがたラブ - 小坂忠
 
 
H:はい。"ゆうがたラブ"でしたが…これは忠の作詞・作曲だよね?
 
忠:いや、えーとね…
 
H:違ったっけ。
 
忠:Pen(※小坂の妻・高叡華)が曲は…詞は。曲は俺だけど(笑)
 
H:あー。おもしろいよね。このタイプの曲、忠はよく作るんだけど、おもしろいんだよね。
 
忠:あ、そう?
 
H:演奏がおもしろくなってくるというか。
 
忠:あー。まあ、シンプルだからね。
 
H:そこがいいんだよ。けっこう名曲書いてるよね。"機関車"とかね。
 
忠:でもね、アレンジですよ、やっぱり。
 
H:まあ、どうにでもなるけどね。アレンジは。
 
忠:いやぁ、そこが…でも、ベースのフレージングとかさ、どういうところから生まれるのかなと思うよ。
 
H:いや、真似、真似だよ。
 
忠:そんな…(笑)
 
H:ほんとほんと(笑)あの…最近思い出すのはね、ベーシストの先生にあたる人だよ。直接習ったことはないよ?レコードで聴いてたの。
 
忠:うんうん。
 
 
忠:あー!
 
H:その人がね、11月に(日本に)来るんだよね。
 
忠:来るね。
 
H:なんか、会いに行こうかな、とかね。
 
忠:なんかね、俺頼まれたよ。歌って、とか言われて。
 
H:あ、ホント?え?すごいじゃん。それ何?観に行こうかな。
 
忠:いや、まだハッキリと決まってるわけじゃないんだけど。
 
H:そうか…
 
忠:そういえばさ、こないださ、ダニー・コーチマー(Danny Kortchmar)が来て…
 
H:そうそうそう!
 
忠:リーランド・スクラー(Leland Sklar)とラス・カンケル(Russ Kunkel)と。
 
H:僕行かなかったけどね、行けなかった。
 
忠:それでも歌ったのよ。
 
H:え?!いやー…すごいじゃん。
 
忠:うん。気持ちよかった。
 
H:なんの曲歌ったの?
 
忠:えーとね、"ほうろう"もやったんだけども…
 
H:彼らが演奏したの?"ほうろう"を?
 
忠:そうそうそう。
 
H:それ聴きてぇなあ。
 
忠:もう、気持ちよかったよ。
 
H:どこで聴けるの、それ?
 
忠:いや…(笑)残ってるのかな?
 
H:いやぁ、それは聴きたいよ…
 
忠:1曲、なんかジェームス・テイラーJames Taylor)の曲やってくれって頼まれて、これは彼の(自作)曲じゃないけど、"How Sweet It Is"をやって…これもね、気持ちよかった。
 
H:…いい仕事してるね。
 
忠:なんかね。うん。
 
 
 
H:いまの『ほうろう』の…マッシュルーム・レコードってところから、1975年だったんだね。
 
忠:ああ、そうだよね。
 
H:まあ、ついこないだだね。
 
忠:まあね(笑)このアルバムはね、僕にとってはホントに大事な…まあ、ひとつひとつ大事だけども。特にね、思い入れがあるアルバムで。
 
H:これソロの…2枚目、だったかな?
 
忠:いや、これはソロになって…4枚目。
 
H:そんなに出してたっけね、当時(笑)
 
忠:それでさ、ソロになる前、いっしょにバンドやってたりしてたじゃないですか。
 
H:いっしょのバンドだったんだからね。エイプリル・フールで。
 
忠:その頃ってさ、人のコピーだったじゃない。主に。
 
H:それがまた、おもしろいぐらい上手かったね(笑)
 
忠:それで、ソロになった時に、人のコピーでは歌ってきたけども、自分の歌のスタイルってどうしていいかわかんなかったのよ。
 
H:いやー、僕もそうだったよ。おんなじ。
 
忠:わかる?それで、まあ『ありがとう』っていうアルバムは作ったんだけどさ、それから…まあ、あれはああいう感じでね、なったけども。自分の中では「これが自分の歌のスタイルなのかな?」という…
 
H:わかんないんだね。
 
忠:そう。で、それをずっと思いながら来て、その4枚目でこの『ほうろう』ができたんだけども。これを細野くんがプロデュースしてくれたんで。このアルバムでね、ようやく自分の歌のスタイルが決まったな、という感じが…
 
H:いま聴くと、いまに至るもんね、このスタイルはね。
 
忠:そうそうそう。
 
H:その前はやっぱりちょっと…
 
忠:ちょっと違うでしょ?
 
H:違うもんね。フォーキーだったりね。
 
忠:そうそう。
 
H:僕もそうだよ、おんなじ。ジェームス・テイラーの影響が強かったり。模索してた時代だから。いくつだった?24・25歳?あっ、24・25歳だよ。
 
忠:うん。…若かったね(笑)
 
H:若いね。このまんま行けば僕も、ファンキーなベーシストをずっとやっててもよかったんだけどね。なんでこんなになっちゃったんだろう(笑)
 
忠:いやいや…(笑)いまでもファンキーじゃないですか。
 
H:いや、なかなかね、そんなチャンス無いんですよ。
 
忠:そうなんですか。
 
H:だからあの…はっぴいえんどをやる前に、エイプリル・フールが解散して。なんていうの…演奏力はバッチリ。場数踏んでたしね、僕たちね。
 
忠:そうだよね。
 
H:で、次をどうするかっていうんで…もうコピーはイヤだと。で、忠がやるって言うから。ね?
 
忠:「言うから」って…(笑)そうだったのかな?
 
H:そうだよ(笑)
 
忠:いや、よくさ、仕事が終わってから松本(隆)の…麻布の家に3人で行ってね。よくレコード聴いてたじゃない。
 
H:そうそうそうそう。
 
忠:その時いろんなレコードを聴きながらいろんな話をしてたのは憶えてるんだけども。「やろうよ」って言われたかな?
 
H:言ってるよ。だって、自然にそんな話になってるんだよ。だってもうエイプリル・フールはなくて、みんなわりと路頭に迷ってる頃でしょ?
 
忠:うん。いや、でもエイプリル・フールの時だよ、まだ。
 
H:…あ、そうかね?
 
忠:うん。辞めてなかったんだよ?
 
H:まあでも、先が見えてたんだよ。
 
忠:まあね。んー…(笑)
 
H:それで、松本隆と僕と忠でなんかやる…つもりでいたんだよ?僕はね。
 
忠:んー…
 
H:それがまあ、紆余曲折してはっぴいえんどになっちゃった。
 
忠:でも、僕が『ヘアー』のオーディションを受けに行く時にさ…
 
H:それ(笑)
 
忠:細野くん、バックでギター弾いてくれたんだよ?(笑)
 
H:そうそうそう(笑)人がいいっていうかなんというか…
 
忠:(笑)
 
H:怒られちゃったよ、松本に(笑)
 
忠:ああ、そうなんだ(笑)
 
H:『ヘアー』受かっちゃったからね。忠が。
 
忠:そうなんだよね。
 
H:それで、バンドの話は無くなっちゃったんで。
 
忠:まあ、でも、それではっぴいえんどができたんだから、ね?
 
H:ま、結局はそういうことなんだけどね。んー、まあ、困った時になんか、始まるんだね。
 
忠:んー。
 
H:でも、忠のボーカルっていうのは、ホントは「基本」だったんだよね。バンドの。
 
忠:そうだったの?
 
H:それまでボーカルが不在だったんだから。世の中。歌える人がいなかったんだから。
 
忠:んー。
 
H:初めてだよ、エイプリル・フールで、「うわ、すっげーうめぇ」と思って。
 
忠:いや、だからね、そういう風に…僕の歌を評価してくれる、細野くんがいてさ。で、『ほうろう』のアルバムで僕は思ったんだけれども、細野くんがプロデュースでさ、あのアルバムはできたんだけども。僕としては、自分の歌のスタイルを探してずっとやってきて、やっぱりそれを一番わかっててくれたのが細野くんだったんだな、っていうことを改めて思った。
 
H:そうかね。わかってたかな…(笑)
 
忠:まあだから、そのフォーキーな歌になる前の僕の歌声を知ってるしさ。
 
H:だって、エイプリル・フールの時にシャウトしてるのを知ってるからね。ツェッペリンLed Zeppelin)なんか歌ってたんだから。
 
忠:そうだよね!"Good times,bad times..."ってやってたね(笑)
 
H:そう。それから急にほら、フォークの世界に引っ張られたっていうか、まあ当時の時代はそうだったけど。
 
忠:んー。
 
H:そういう感じで歌うこともできるし、またシャウトするだろうしと、思ったんだよ。
 
忠:だからね、いちばん僕の歌を理解してくれる存在だなっていうのは、あのアルバムで思いましたよ。
 
H:いやいや。だから、(忠は)ボーカリストよ。ほんっといなかったから。まあ、女性はけっこういたよね。(吉田)美奈子、アッコちゃん…男の人ってあんまりいなかったんだよ。みんなミュージシャンばっかり、周り。
 
忠:そうだよね。
 
H:演奏は良いんだけど、歌う人がいない(笑)
 
忠:うん。
 
H:自分でもそうだったから。自分でも歌うなんて考えてなかったんで…とにかくバンドを組む時は小坂忠ありきで考えてた。
 
忠:うーん…
 
H:それが…あれ?いなくなっちゃった(笑)
 
忠:(笑)"ふうらい坊"だから。
 
H:ああ風来坊ね…それは僕の曲だけどね(笑)自分のことだから。
 
忠:(笑)
 
 
H:まあ当時は隣に住んだりね、本当、よく遊んだよね。
 
忠:よく遊んだ。隣同士でね、糸電話で話したりね。
 
H:くだらない…(笑)
 
忠:温泉なんか行ったもんね。
 
H:行ったね~。熱海の、ローマ風呂(笑)
 
忠:(笑)
 
H:湯気で見えないから、裸が。
 
忠:で、向こうから女の人が近づいてくる気配があってさ。
 
H:そうだね。
 
忠:中でいっしょになってたりとかしてね。
 
H:あれ、混浴だったんだよ。すごいね…あるのかな?まだ(笑)
 
忠:いやいや…(笑)どうなんだろう。
 
H:おっきなローマ風呂だよ。行きたいなぁ…
 
忠:あれは大野雄二さんのとこ(※ホテル大野屋)だよ。
 
H:そうそうそうそう。あることを祈るけどね。まあいろいろ行ったよ。釣り堀行ったりね。
 
忠:釣りしたっけ?
 
H:釣り堀。
 
忠:釣り堀?
 
H:御茶ノ水の。
 
忠:御茶ノ水にあったっけ?
 
H:あるじゃん。あの…
 
忠:市ヶ谷でしょ。
 
H:市ヶ谷、市ヶ谷。
 
忠:ああ、そうかそうか。
 
H:つまんなかったなぁ(笑)
 
忠:(笑)いやいやいや…
 
 
H:まあ、音楽かけようよ。あのね、"ゆうがたラブ"に準ずる、小坂忠の曲で好きな曲。これも演奏が好きなんだよ。
 
忠:うんうん。
 
H:それは、後の2001年に出した『People』。
 
忠:あ、これもねぇ、やっぱり細野くんプロデュースですからね。
 
H:このアルバムねぇ、愛着あるんだよ、実は。
 
忠:僕もね、あるんですよ。実はね。でもねぇ、エピックが廃盤にしちゃったんだよね、これ。
 
H:…もう許せないね。
 
忠:許せない。もう是非ね…これLPで出してほしいよね。
 
H:もうちょっと考えてほしいね。中身を。
 
忠:考えてほしい。
 
H:これ絶対、そのうちどっかから引合があるよ。外国。いま1970年代ブームなんでしょ?
 
忠:まあ、2000年だけどね、これ。
 
H:…あ、そっか(笑)
 
忠:(笑)
 
H:それ、聴いていいかな。"I Believe In You"という曲。演奏がね、マッスル・ショールズ…みたいなの(笑)
 
 
 
 
 
 
H:良かった…
 
忠:ここ(収録スタジオ)でね、僕歌ったと思うんですよ。コーラスも。
 
H:おお。ここ、けっこう使ってたんだね。このスタジオで。
 
忠:ね。気持ちいいね。(キーボードの)佐藤(博)くんがね…いなくなったのは残念だね。
 
H:残念…困っちゃうよ。
 
忠:ねえ。
 
H:ホント困ってしょうがない…自分でやってるんだけど、いま(笑)騙しだまし。
 
忠:んー。
 
H:もう、ほんっとに困るよなぁ、いないと。誰でもいいってわけじゃないからね。
 
忠:そうなんだよね。
 
H:みんなそれぞれそうだよ。お互いにね。いなくなんないでもらいたい(笑)
 
忠:(笑)
 
H:自分がいなくなっちゃったら、それはそれでいいけどね。
 
忠:まあね(笑)「1消えた~」みたいなね。
 
H:まあでも、この『People』、2001年の頃いくつだったか忘れちゃったけど、いちばん良い状態だよ。ミュージシャンとして。みんな良いよ、ドラムも…林立夫も良いし。鈴木茂も。
 
忠:そうね。なんか、すごい落ち着いてるよね。
 
H:落ち着いてるよね。若いと落ち着きがないじゃん。
 
忠:まあね。勢いはあるけども。
 
H:勢いだけでやってるじゃん。こういう、なんか、老練な演奏っていうのはなかなかね、聴けないんだよ。日本では。
 
忠:そうかもね。
 
H:だから、我々が年取ってきた所為でね、やっとそういうことができるようになったじゃん。
 
忠:んー。まあね。
 
H:いまだってできることもあるわけじゃない。いくつになったの?70歳?
 
忠:71歳。
 
H:たいして変わんないじゃん(笑)
 
忠:昔からそうじゃない(笑)
 
H: そうか(笑)
 
忠:(笑)
 
H:そうだよな、昔から1歳違いか。
 
忠:そうなんだよ。誕生日が一日…
 
H:そうだ、ぜんぶ一日違いだな。
 
忠:で、僕が誕生日来ると同い年になるじゃない。
 
H:そうだった(笑)で、タメ口きく…
 
忠:その時だけね。
 
H:いまだって別にタメ口だけどね…(笑)
 
忠:(笑)懐かしい。
 
H:懐かしいね。いろんな…歴史を感じるな、いまとなっては。
 
忠:うん。まあだけどね、僕のそういう節目節目にね、やっぱり細野くんがいないと、生まれなかったんですよ。
 
H:お母さんだね(笑)
 
忠:それはね、ホントに感謝してる。
 
H:生まれたのか…(笑)
 
忠:生まれちゃった…(笑)
 
H:(笑)まあ、この続きはまた来週、お願いします。
 
忠:はいはい。
 
H:小坂忠さんでした。
 
忠:はい、どうも。