2018.09.16 Inter FM「Daisy Holiday!」より

今回の選曲の流れ、イイですね…

 

daisy-holiday.sblo.jp

 
 
H:こんばんは。細野晴臣です。さあ!きょうも…先週…かけられなかったから(笑)もうずっと続いてますよ。
 
姉妹:はい(笑)
 
H:で…サイモンとガーファンクルの話で終わっちゃったんだっけ?
 
希子:そうです。

佑果:はい。
 
希子:ちょっと世代のギャップが…
 
H:曲は知ってるはずだからね。
 
希子:曲は知ってます!
 
H:"(The) Sound of Silence"、"Bridge Over Troubled Water"、それから"Mrs. Robinson"とかね。
 
希子:はい。
 
H:で、僕がかけたいのは…誰も知らないと思うんだけど、僕は好きな曲をかけます。サイモンとガーファンクルで"Fakin' It"。
 
 
Fakin' It - Simon & Garfunkel
 
 
H:"Fakin' It"っていう曲。いま聴くと、自分ではあんまり…
 
希子:カッコよかったです!
 
H:あ、ホント?よかった。
 
佑果:すごく新鮮…
 
H:イントロとエンディングはビートルズの影響だよね。おんなじようなのあるよね。
 
佑果:いやー、よかったです(拍手)
 
H:僕が当時聴いてたのは24、25歳かな。たぶん。はっぴいえんどっていうのをやる頃、こういうのを聴いてた。あ、だからもっと前だ。21、22歳だ。
 
佑果:そうか…いまの私たちに近い…
 
希子:やっぱり、めちゃくちゃ影響を受けちゃいそうですよね。直に。
 
H:そうだよ。当時新譜出てこういうのが入ってて、うわっ!と思うの。途中でセリフが入ってたり、新しかったりする。いま聴くとそんなに、普通なんだけど…当時はすごかった。
 
希子:そうですよね。やっぱりビートルズとかもかなり…(曲の)途中でキューって、ぜんぜん違う世界に連れてかれちゃうというか。
 
H:連れてかれちゃうんだよ。
 
希子:そういう感覚は、けっこう70s'のサイケデリックな…
 
H:そう。サイケデリックからそういうのが始まって。どっぷりサイケになってたから…
 
希子:なんか、想像力が一気に拡がるって言うか。
 
佑果:やっぱり、そういう音楽いいですよね。連れてってくれるって言うか。
 
H:特に昔…若い頃はロック一辺倒だったからね。もう、こういうのばっかり。他の音楽はあんまり聴かなかった。
 
姉妹:へー。
 
H:いまになって、いろいろ聴くようになった(笑)
 
希子:いまになってですか?(笑)
 
H:いや、子どもの頃も聴いてたけど。うん。特殊な時代だよ、1970年代は。
 
佑果:たしかに…
 
 
H:さあ。
 
希子:はい。じゃあ、前回に…
 
H:うん。なんかチラッと言ってたよね。ヘンリー・マンシーニ(Henry Mancini)って言ってたっけ。
 
希子:はい。前回に引き続いて…「(本編は)観たことが無いけどサントラが好き」っていうシリーズに乗っかってですね、これはヘンリー・マンシーニの"Lujon"という曲なんですけど。
 
H:ほう…
 
希子:いま調べたところによるとですね、1959年の『Mr. Lucky』っていう…ドラマがあったみたいで、そのサウンドトラック…らしいのですが(笑)実は観たことはありません。
 
H:僕も観てないね。
 
希子:でもこの曲は本当に好きで。けっこう大切にしてる曲です。
 
H:ぜひ聴かせてください。
 
 
Lujon - Henry Mancini
 
 
H:美しいね。
 
希子:はい…
 
H:これはエキゾチック・サウンドだね。
 
希子:そうですね。きっと、すごいインスパイアされたと思うんですけど。なんか…アメリカの方じゃないですか、ヘンリー・マンシーニって。
 
H:うん。
 
希子:違う国の人が違う国の音楽に影響されて作る音楽って、すごいいいですよね。
 
H:それそれ…それは僕、40年以上前にそのこと考えてたから…(笑)おんなじこと考えてるな。ふしぎ。そうか…なんかいろいろこう…感じるな。
 
希子:感じますか?
 
H:いろんな歴史を感じるしね、自分の。(2人は)若いから、「いま」聴いて、いいと思ってかけてるわけじゃない?
 
希子:はい。
 
佑果:そうです。
 
H:こっちはさ、いろんな事を思い出すんだよね(笑)
 
希子:そうですよね。
 
佑果:たしかに…
 
希子:いまはやっぱり情報がすごく多いので、ホントに、常にいろんな音楽がブワッ、てある状態で好きなものを選べるけど、昔にそういう音楽を聴いた時に感じる…圧倒される感じっていうのは、きっとすごいんだろうなあと思って。
 
H:そうそう。で、手に入らないから、聴いたら覚えてくんだよ。その感覚をずっと忘れないようにするわけ。そうすると自分の中で大きくなっていくわけ。幻想が。
 
希子:たしかに。
 
H:で、実際聴くと、あれ、そうでもないな、って…(笑)自分の頭の中でのほうがすごいと思って。
 
希子:そうですね。細野さんが前に…ワールド・ミュージックって後々言われるようないろんな国の音楽を聴いて影響を受けたって言ってたんですけど、私は細野さんはもう、音の神様だと思うので、音を通じてその土地のことがわかっちゃうくらいの…そういう感覚を持ってるんじゃないかな、って。
 
H:あるよ。あるある、そういうの。
 
希子:ハワイに行ったときに山に行ったんですよ。その時、細野さんのことを思い出して。きっと細野さんは、この山を…この土地を絶対見てないけど、音楽を通してそういうものを感じてたんじゃないかな、っていうか。
 
H:僕はハワイで山に登ったことはないけど…(笑)あのね、僕も先生みたいな人がいて、ハワイに。マーティン・デニー(Martin Denny)ってアメリカ人がね。エキゾチック・サウンドの大御所ですよ。
 
希子:はい。知ってます。
 
H:彼が来日した時に会って話したの。そしたらすごくこう、親しくされて、「ハワイ行ったら絶対寄ってくれ」と。「いっしょに山に登ろう」って言われて。その頃すごい弱ってたから、山か…と思って(笑)
 
希子:え、山は行かなかったんですか?
 
H:うん、行かなかった。行こうかな、と思ってたらもうマーティン・デニーが亡くなっちゃって。いまはいないの。
 
姉妹:あー…
 
希子:それは、すごく残念ですね。
 
H:そんなこと話してたら、マーティン・デニーかけよっかな。
 
希子:あ、かけてください!聴きたいです。
 
(H:なにがいいかな…)
 
希子:イエーイ。
 
H:えーとね、マーティン・デニーの…タイプがちょっと違う、情景描写みたいな。オリジナルじゃないんだけど。現代音楽の人が書いたような。ところが、こないだ行ってきた香港。
 
希子:はい!
 
H:"Rush Hour In Hong Kong"っていう曲があるの。聴いて。マーティン・デニー
 
姉妹:おー!
 
 
Rush Hour In Hong Kong - Martin Denny
 
 
H:っていう感じ。
 
佑果:ウワー、おもしろいですね。
 
H:香港っぽいよね(笑)
 
希子:香港っぽいし、完全に物語が、もう…まるで映画か、絵本を読んでいるような。
 
佑果:ね。そういう感じがしますね。
 
H:この並びで"Fire Cracker"っていうのも…YMOがカヴァーしたのはね、それなんです。それをカヴァーして、ちょっとヒットしたらマーティン・デニーから電報が届いて、「ありがとう!」って。
 
佑果:すごーい…
 
H:その電報、どっか行っちゃった…(笑)
 
希子:あー…どこ行ったんだ…
 
H:どっかにあるとは思うんだけど。
 
希子:電報っていうのがすごい…
 
H:電報だったよ。当時はまだ電報があったんだよな。まあ、いまもあるんだけどね。
 
希子:あ、そうなんだ。
 
H:たぶんね。知らない…見たことない(笑)
 
希子:電報って映画でしか見たことないです。
 
 
H:さあ!佑果ちゃん、お待たせしました。
 
希子:じゃあ2人から?
 
佑果:次は2人から!
 
H:あ、いいよ。なんだろう。
 
希子:最近ですね、ちょっと気になってるバンドがいまして。クルアンビン(Khruangbin)っていう、3人組のテキサスをベースに活動しているトリオ…注目のトリオ、らしいんですが。
 
H:クルアンビン。変わってる名前だね。
 
希子:そうなんですよ。『Con Todo El Mundo』っていう2ndアルバムを最近リリースされて…
 
H:ラテン系だね。
 
希子:そのアルバムがすごく良くて。けっこう、ね。ずっと聴いてるね?
 
佑果:いつもいっしょに聴いてて…あと、YMOの"Fire Cracker"。まさにさっき細野さんが話していた…そのカヴァーも。
 
H:誰がやってるの?
 
佑果:この人たちが。
 
H:えー!そう…信じられない…
 
佑果:YouTubeで調べるとたぶん出てきます。
 
H:本当?調べるわ、あとで。
 
佑果:すごいカッコいいバンドで…
 
希子:きっと彼らも細野さんに影響されているはずです。
 
H:えー、ちょっと聴いてみたいな。
 
希子:はい。では、"Lady and Men"です。
 
 
Lady and Men - Khruangbin
 
 
H:おお、なんか…"Fire Cracker"やってるの?この人たち。
 
希子:やってるんですよ。
 
佑果:カヴァーを。
 
H:えー…想像できない(笑)このメンバーで。
 
希子:でもよかったですよ。ぜひチェックしてみてください。
 
H:チェックしてみるよ。謎のグループだ…
 
希子:ホントに謎のグループ。みんなおかっぱの…
 
H:インディオかな?ラテン語が多いよね。
 
佑果:そうですね。でもテキサスをベースに活動している…
 
H:ふしぎだ…
 
希子:不思議なミクスチャーですよね。
 
H:むこうもこっちを不思議だと思ってるんだろうけどね。
 
 
 
H:だいたい持ってきてるやつはみんな聴いたのかな。
 
希子:聴きました。まだまだありますが…
 
H:まだまだ、もちろんあるだろうけどね。
 
希子:ひと通り聴きましたね。
 
H:ええとね…僕もかけようかな。
 
希子:お。
 
H:あの…希子ちゃんのほうかな、インスタグラムでスライ(Sly & The Family Stone)の曲がかかってたんで。
 
希子:はいはいはい!
 
H:あー、いちばん好きな曲かけるな~、と思ってて。
 
希子:おー。
 
H:"Frisky"っていう曲。
 
希子:はい。
 
H:すげぇ影響されてるんだ。かけちゃおうかな。
 
希子:かけちゃいましょう!
 
H:じゃあちょっと…(どこ行っちゃったかな…)。
 
佑果:きょうはすごい…ホントに「合戦」だったね。
 
希子:「合戦」だった(笑)
 
H:また今度やろうね。
 
佑果:足りない…(笑)
 
H:楽しいたのしい。
 
希子:いつでも呼んでください!
 
佑果:はい、いつでも!
 
H:じゃあ、最後にかける曲がSly & The Family Stoneで"Frisky"。これのオルタネイティヴ・ミックスです。
 
 
 
 
希子:セクシーですね!やっぱね。たまらないですね。
 
H:あのね、数年前にスライ(Sly Stone)が来たのね。で、有楽町の(東京国際)フォーラムでジャズフェスの中の一つのグループで出てきたの。それ観に行ったの。めったに見れないから。
 
姉妹:うん。
 
H:そしたらスライの御大がね、もう御年召してるんだけど、途中から出てきたの。ゆっくり。歩いて。で、キーボードに座って、"It's a Family Affair~"って、大好きな曲を歌いだして。なんかね、ライヴ観て僕、涙出そうになったの初めてかな。もう、感動しちゃって。
 
姉妹:わー…
 
H:もう、見れてよかった…
 
佑果:うらやましいです…
 
希子:いやー、それはでも感動すると思いますね。彼らがライヴしてるのとか本当に…めったに見れないですよね。
 
H:んー。特に最近はもう、無理だね。メンバーもみんな若いんだけど、一人だけ御大が出てきて、歌ってた。
 
姉妹:うわー…
 
 
 
H:それで、もう時間ないけど。
 
希子:え…あ…告知。
 
H:告知。なんかある?
 
希子:告知…まあ告知っていう告知ではないんですけど、「OK」というブランドをやっています。
 
H:2人でやってるの?
 
佑果:私も携わってます。
 
希子:まあでも、けっこうチームでやっていて…OFFICE KIKOっていう会社を去年立ち上げて、自分の誕生日に。
 
H:あ、そっか。
 
希子:で、それをきっかけになんか、プロジェクトを立ち上げようって言って。で、OFFICE KIKOの頭文字をとって「OK」で。
 
H:「OK」か。
 
希子:OKってみんな知ってる言葉だし、この地球上の誰しもが。
 
H:どこでも通じるね。
 
希子:すごいポジティヴっていうか、前に進んでいく言葉だなって思って「OK」にして。で、佑果ちゃんとか、こないだ紹介したフォトグラファーの(茂木)モニカちゃんだったりとか。
 
H:あー。
 
希子:あとは酒井いぶきちゃんっていう女の子がいて。弱冠20歳でステッカーのアーティストをやっていたりするんですけど。そういうクリエイティヴな発想を持った…いまのところは女の子ばっかりなんですけど、そういう人たちとチームで…
 
H:いろんなもの作るわけ?
 
希子:そうです。これから、10/1に出るのは…この告知…いいんですかね?(笑)
 
H:いいよいいよ。
 
希子:ESPERANZAっていう靴屋さんがありまして。それは1990年代とか2000年初頭にコギャルブームがあったと思うんですけど、手頃に厚底ブーツを買えるようなお店だったんですよ。
 
H:ああ、そう。
 
希子:で、いまでも全国にあって、「安くいい靴を買える」っていうチェーン店なんですけど。そことコラボして、ギャルスピリットを復活させようという思いで。
 
H:いいね。
 
希子:そういう企画をしまして。やっぱり、女の子が元気だと明るくなるし…
 
H:ホントそう…頼みますよ。
 
希子:みんな平等に、「自分がサイコー!」みたいに思ってほしいんですよね。ギャルってそういうのあんまり関係なく、あの当時だと好きな格好して、肌も焼いて。
 
H:マイペースにやってたね。
 
希子:そう、マイペースに。周りの目なんて気にせずに、自分が好きなことやってた。そういうスピリットって…バカにされがちなんですけど、ギャルとかのカルチャーって。でもすごいすばらしいし、いま私がすごく求めているエナジーだなと思って。
 
H:たしかに。
 
希子:そういうことをやっていこうと思って。「OK」はコラボしたり商品も作るけど「場」でもあるので。
 
H:なるほど。
 
希子:パーティーもこないだやったりして。民謡クルセイダースっていう、日本のいろんな土地の民謡とレゲエみたいなのを混ぜたり、サルサみたいなのを混ぜたりするバンドがいて。彼らを呼んだりして。
 
H:自由だね。おもしろいね。
 
佑果:もし今後、もっと「OK」がイイ感じになってきたら、ぜひ細野さんにも…パーティーで歌って頂けたらうれしいな!
 
H:ぜひぜひ…やらしてもらおう。
 
姉妹:えー!
 
H:うん、元気出てきた(笑)
 
希子:ホントですか?あの…みんな求めてるので、そういうエネルギーを。ぜひ…
 
H:もう…じゃあ、おじいちゃん参加するわ。
 
姉妹:(笑)
 
佑果:楽しみです…!
 
H:楽しみだね。またじゃあ、来てください。
 
希子:いつでも!来たいです。
 
H:ありがとうございました。水原姉妹~
 
姉妹:さよなら~